JP3795384B2 - 多針ミシンの糸保持装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、多針ミシンに装着され、縫製位置以外の位置にある針(休止針)に通された上糸を保持する糸保持装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、多針ミシンは、水平方向に並設された複数の針棒と、前記各針棒を上下方向に移動自在に支持する移動ヘッドと、移動ヘッドを前面で支持し、且つ前記針棒の並設方向に沿って移動自在に支持する支持アームとを備え、移動ヘッドを前記並設方向に移動させることにより、各針棒を選択的に縫製位置に割り出すよう構成されている。
【0003】
前記各針棒にはそれぞれ針が装着されるとともに、各針には上糸が通され、前記縫製位置に割り出された針によって、被縫製物が縫製される。そして、当該針による縫製を終了すると、上糸が適当な長さに切断され、その後、前記移動ヘッドがスライドして、次の針棒が縫製位置に割り出され、これと同時に前記切断された上糸が糸保持装置によって保持されるようになっている。
【0004】
従来、かかる糸保持装置として、実公平6−16621号公報に開示されたものが知られている。この糸保持装置は、同公報に開示されるように、針棒の後方位置で、長手方向が針棒の並設方向に沿うように前記移動ヘッドに装着された糸挟持基板と、この糸挟持基板上に前記針棒に対応して回動自在に設けられ、バネにより付勢されてその先端が糸挟持基板に圧接する複数の糸挟持部材などを備える。
【0005】
前記糸挟持基板の上面には、摩擦部材または硬質繊維植設シートが接着されており、更に、前記糸挟持部材の前記糸挟持基板との圧接面には、弾性体が接着されている。また、前記針棒の後方位置、且つ前記縫製位置に対応する位置には、前記糸挟持部材の他端を押圧して、前記糸挟持部材の先端部と前記糸挟持基板とを離隔させる開閉部材が設けられ、更に、前記糸挟持部材の先端部と前記糸挟持基板とが離隔したとき、前記糸挟持部材の先端部と前記糸挟持基板との間を通過,進退して、縫製位置にある上糸をつかんで後方に引き込む糸つかみ具が設けられている。
【0006】
以上の構成を備えた従来の糸保持装置では、縫製位置に対応した位置の糸挟持部材は、前記開閉部材によりその前記他端が押圧されて、先端部が糸挟持基板から離隔した状態となり、これ以外の糸挟持部材は、前記バネの付勢力により先端部が糸挟持基板に圧接した状態となっている。
【0007】
そして、縫製位置に割り出された針によって縫製が行われ、これが終了すると、糸つかみ具が前方に進出し、糸挟持部材の先端部と糸挟持基板との間を通過して、縫製位置にある上糸をつかみ、その後上糸が切断され、切断後に糸つかみ具が後退することにより、当該上糸が後方に引き込まれる。後方に引き込まれた上糸は、糸つかみ具から離れて、その糸端が前記糸挟持基板上に接着された摩擦部材または硬質繊維植設シート上に置かれ、これに係止される。
【0008】
その後、前記移動ヘッドがスライドして、次の針棒が縫製位置に割り出されると、それまで縫製位置と対応する位置にあった糸挟持部材が前記移動ヘッドと共にスライドして、その他端と前記開閉部材との係合が解除され、当該糸挟持部材が糸挟持基板側に回動して、その先端部が糸挟持基板の上面に圧接し、上糸の糸端が、糸挟持部材の先端部と糸挟持基板との間に挟持,保持される。斯くして、以上のようにして、縫製位置以外の各針に通された上糸が、それぞれ糸挟持部材と糸挟持基板との間に挟持され、保持される。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上述した従来の糸保持装置では、糸挟持部材と糸挟持基板との間に挟持される前の上糸が、単に、糸挟持基板に接着された摩擦部材または硬質繊維植設シート上に載置された状態となっているので、かなり自由度の高いものとなっており、移動ヘッドが移動する際の空気抵抗やその他の外乱によって、極めて自由に移動し易く、ときに、隣り合う上糸と絡み合う状態となることがあった。このため、上糸同士が絡まり合った状態で、一方の上糸を用いて縫製すると、この一方の上糸と共に他方の上糸が引き出されて、被縫製物に縫い付けられるという問題を生じていた。
【0010】
このことは、上糸が前記摩擦部材または硬質繊維植設シート上に載置される前についても同様であり、糸つかみ具によって後方に引き込まれたときの上糸は、何らの手段によっても保持されていない状態となっているため、糸つかみ具から離れて、前記摩擦部材または硬質繊維植設シート上に載置される際に、周囲の空気流やその他の外乱によって、自由に移動し易く、上記と同様の問題を生じる。
【0011】
このように、従来の糸保持装置では、糸挟持部材と糸挟持基板との間に挟持される前の上糸を保持する手段が備えられておらず、挟持前の上糸の状態が不安定であるという問題があった。
【0012】
また、従来の糸保持装置では、上記他に、糸挟持部材を付勢するためのバネが個別に必要であるなど、その部品点数が多く、装置の製造コストが高くなるという問題もある。
【0013】
本発明は、以上の実情に鑑みなされたものであって、隣り合う上糸同士が絡み合うことなく、これらを個別に分離した状態で確実に保持することができ、しかも製造コストが安価である糸保持装置の提供を目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段及びその効果】
上記課題を解決するための本発明は、水平方向に並設された複数の針棒と、該各針棒を上下方向に移動自在に支持する移動ヘッドと、該移動ヘッドを前面で支持し、且つ前記針棒の並設方向に沿って移動自在に支持する支持アームと、前記各針棒に装着された針とを備え、前記移動ヘッドを前記並設方向に移動させることにより、前記各針棒を選択的に縫製位置に割り出すように構成された多針ミシンに配設されて、前記各針に通された上糸を保持する糸保持装置であって、
前記針棒の後方位置で、長手方向が前記針棒の並設方向に沿うように、前記移動ヘッドに装着された保持基板と、
多数の立毛を備え、長手方向が前記保持基板に沿って配設されて、前記立毛の先端部が前記保持基板の上面に当接するように前記保持基板に装着された立毛部材と、
前記針棒の後方位置で、長手方向が前記針棒の並設方向に沿うように配設され、その前記針棒側が、前記各針棒に対応するように前記並設方向に沿って分割された複数の爪部を備えるとともに、該各爪部の先端部が前記立毛部材の後方且つその近傍で前記保持基板の上面に圧接するように配設されたクランプ部材と、
前記縫製位置にある針棒の後方位置で前記支持アームに支持され、前記縫製位置の糸道に対し、前記立毛間を通過して進退し、前記糸道上にある上糸を後方に引き込む引き込み棒と、
同じく前記縫製位置にある針棒の後方位置で前記支持アームに支持され、該針棒に対応する位置の前記爪部を上方に押し上げる開放部材とを設けて構成したことを特徴とする多針ミシンの糸保持装置に係る。
【0015】
この糸保持装置によれば、縫製位置に対応した位置のクランプ部材爪部は、開放部材により上方に押し上げられて、その先端部が保持基板から離隔した状態となり、これ以外の爪部は、その先端部が保持基板上面に圧接した状態となる。
【0016】
そして、縫製位置に割り出された針によって縫製が行われ、これが終了すると、引き込み棒が前方に進出し、クランプ部材爪部と保持基板との間、及び立毛部材の立毛間を通過して、縫製位置にある上糸と係合し、この上糸が切断された後、後退することによって、当該上糸が前記立毛間及びクランプ部材爪部と保持基板との間を通過して後方に引き込まれる。そして、後方に引き込まれた上糸は、前記立毛間に挟まった状態で引き込み棒から離れて、保持基板上に載置される。
【0017】
その後、前記移動ヘッドがスライドして、次の針棒が縫製位置に割り出されると、それまで縫製位置と対応する位置にあった爪部が移動ヘッドと共にスライドして、前記開放部材との係合が解除され、当該爪部が保持基板の上面に圧接し、上糸が爪部と保持基板との間に挟持,保持される。斯くして、以上のようにして、縫製位置以外の各針に通された上糸が、それぞれ爪部と保持基板との間に挟持され、保持される。
【0018】
このように、この糸保持装置によれば、クランプ部材爪部と保持基板との間に挟持される前の上糸が、立毛部材の立毛間に入り込んだ状態で保持されるので、引き込み棒から離れて保持基板上に載置される際や、移動ヘッドが移動する際に、空気抵抗やその他の外乱によって、隣り合う上糸と絡み合うといったことがなく、これらを分離させた状態で確実に、爪部と保持基板との間に挟持,保持することができる。
【0019】
また、クランプ部材は一体的に形成され、その爪部を保持基板上面に圧接させるためのバネなどが不要であるため、上記従来の糸保持装置に比べて、その部品点数が少なく、装置の製造コストを低く押えることができる。
【0020】
尚、上記糸保持装置は、前記爪部が圧接する前記保持基板の上面に弾性体を固着し、前記爪部が該弾性体の上面に圧接するように構成したものであっても良い。このようにすれば、上糸が爪部と弾性体との間で挟持されるので、上糸の損傷を防止することができるとともに、これをより確実に挟持,保持することができる。
【0021】
また、前記立毛先端部が当接する前記保持基板の上面に弾性体を固着し、前記立毛先端部が該弾性体の上面に当接するように構成しても良い。
【0022】
或いは、前記立毛部材と対向するように、更にもう一つの立毛部材を設けて、2つの立毛部材を、その立毛先端部同士が接触するように配設するとともに、前記引き込み棒を、これが前記立毛先端部同士の接触部分を通過するように構成しも良い。このようにすれば、引き込み棒が立毛間を通過する際の抵抗が小さく、これをスムーズに移動させることができ、上糸を安定して後方に引き込むことができる。
【0023】
また、上記各糸保持装置において、前記保持基板の、前記各針棒間に対応する位置に、前記保持基板の長手方向の領域を区画するセパレータを立設した構成としても良い。このようにすれば、各上糸を前記セパレータによって分離することができ、これらが絡み合うのをより確実に防止することができる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の具体的な実施形態について、添付図面に基づき説明する。図1は、本実施形態に係る糸保持装置が装着された多針ミシンの頭部部分を示した側面図であり、図2は、図1における矢視I方向の正面図である。
【0025】
図1及び図2に示すように、本例の多針ミシン1は、水平方向に並設された複数(図示例では9本)の針棒5と、各針棒5を上下方向に移動自在に支持する移動ヘッド3と、この移動ヘッド3を前面で支持し、且つ針棒5の並設方向に沿って移動自在に支持する支持アーム2と、針棒5の後方位置に装着された糸保持装置10などを備えてなる。
【0026】
前記移動ヘッド3には、前記針棒5の他に、各針棒5毎にこれに対応して天秤4及び布押え7がそれぞれ設けられ、針棒5と天秤4との間には糸ガイド8が配置されている。各針棒5には針6がそれぞれ装着され、天秤4,糸ガイド8に順次経由した上糸Yが各針6の針穴に通されている。
【0027】
前記移動ヘッド3は、適宜駆動手段(図示せず)によって、矢示D−E方向にスライドするようになっており、前記各針棒5が選択的に縫製位置H(図2参照)に割り出される。そして、この縫製位置Hに割り出された針棒5及び天秤4が適宜駆動手段(図示せず)によって駆動され、被縫製物に対し縫製が行われる。
【0028】
前記糸保持装置10は、前記針棒5の後方位置で、長手方向が前記針棒5の並設方向に沿うように、前記移動ヘッド3に装着された保持基板11と、長手方向が前記保持基板11に沿うように当該保持基板11に固着された一対の立毛部材12,13と、同じく前記針棒5の後方位置で、長手方向が前記針棒5の並設方向に沿うように配設されたクランプ部材16と、前記縫製位置Hにある針棒5の後方位置で前記支持アーム2に支持され、前記縫製位置Hの糸道に対し進退して、前記糸道上にある上糸Yを後方に引き込む引き込み棒21と、同じく前記縫製位置Hにある針棒5の後方位置で前記支持アーム2に支持される開放部材27などを備える。
【0029】
図3は、図1におけるA部を拡大して示す拡大図であるが、この図3及び図2に示すように、前記保持基板11は、その両端が上方に屈曲せしめられた正面視U字形状を有する部材からなり、その2つの垂直辺がそれぞれ前記移動ヘッド2の側面に固着されている。また、この保持基板11の水平辺の前半分の上面に前記一対の立毛部材12,13が固着されている。
【0030】
図4は、図3における矢視II方向の正面図であり、図5は、図4における矢視IV−IV方向の平断面図であり、図6は、図5における矢視VI方向の背面図であるが、これらの図に示すように、前記立毛部材12,13はそれぞれ多数の立毛12a,13aを備え、相互に対向して、その立毛12a,13aの先端部同士が接触するように配設されている。尚、立毛部材13は、その両端部に配設されたスペーサ19,19を介して保持基板11上に固着されており、前記のように、立毛12a,13aの先端部同士が接触する状態となっている。また、図5において、二点鎖線でハッチングを付した部分に、立毛13a,12aが植設されている。
【0031】
また、前記保持基板11の水平辺の後半分の上面には、ゴムなどからなる弾性体14が固着され、更に、後端部には、保持基板11の長手方向の領域を区画するセパレータ17,18が立設せしめられている。尚、各セパレータ18は、前記各針棒5間の中間位置に対応する位置に設けられている。
【0032】
図7は、図4における矢視V方向の平面図であり、図8は、図7における矢視VII方向の側面図であるが、これらの図に示すように、前記クランプ部材16は、側面視L字形状を有するバネ鋼材などから形成され、その長手方向に沿って複数の切れ込みが設けられ、この切れ込みによって複数の爪部16aが形成されている。
【0033】
図1及び図3に示すように、このクランプ部材16は、前記保持基板11と同様に正面視U字形状を備えたフレーム15の水平辺に固着され、各爪部16aの先端が前記保持基板11に固着された弾性体14に圧接するようになっている。尚、フレーム15の2つの垂直辺は、前記移動ヘッド2の側面にそれぞれ固着されている。
【0034】
図1に示すように、前記引き込み棒21は、支持アーム2に固着されたホルダ20内に、矢示B−C方向に進退自在に格納され、駆動モータ22の出力軸23に連結されたリンク部材24、及びこのリンク部材24に連結されたリンク部材25を介して、駆動モータ22の回転動力が伝達されるようになっており、この動力により矢示B−C方向に直線移動し、前記立毛12a,13aの先端部同士が接触する部分を通過して、前記縫製位置Hの糸道に対し、進退するようになっている。
【0035】
また、図10は、図3における矢視III方向の平面図であるが、同図に示すように、前記引き込み棒21は、その先端部にフック状の係合部21aを備えており、前記縫製位置Hの糸道に進出した際に、この係合部21aが糸道上にある上糸Yと係合する。
【0036】
図1に示すように、前記開放部材27は円柱状をした部材から構成されるもので、前記ホルダ20から矢示C方向に延設され、側面視L字形状をした支持部材26の前端部に回転自在に支持される。図9は、図3における矢示II方向から見た支持部材26の正面図であるが、同図に示すように、支持部材26の前面下部には開口部26aが形成され、この開口部26aに前記引き込み棒21が挿通され、矢示B−C方向に移動自在となっている。前記開放部材27は、この開口部26aの上方に設けられ、前記縫製位置Hに対応する位置のクランプ部材16の爪部16aを上方に押し上げる。
【0037】
また、具体的には図示しないが、本例の多針ミシン1は、上記の他に、上糸Yを適宜長さに切断する糸切断装置が設けられている。
【0038】
以上の構成を備えた本例の多針ミシン1によれば、縫製位置Hに対応した位置のクランプ部材16の爪部16aは、開放部材27により上方に押し上げられて、その先端が保持基板11上の弾性体14から離隔した状態となり、これ以外の爪部16aは、その先端部が保持基板11上の弾性体14に圧接した状態となる。
【0039】
そして、縫製位置Hに割り出された針6によって縫製が行われ、これが終了すると、引き込み棒21が前方に進出し、クランプ部材16の爪部16aと弾性体14との間、及び前記立毛12a,13aの先端部同士が接触する部分を通過して、その前記係合部21aが縫製位置Hにある上糸Yと係合する。この状態を図11に示している。
【0040】
次に、前記糸切断装置(図示せず)により前記縫製位置Hの上糸Yが切断され、この後、前記引き込み棒21が後方に後退せしめられる。これにより、前記上糸Yが係合部21aに係止されたまま、前記立毛12a,13a間、及び爪部16aと弾性体14との間を通過して後方に引き込まれる。そして、後方に引き込まれた上糸Yは、前記立毛12a,13a間に挟まった状態で引き込み棒21の係合部21aから離れて、前記弾性体14上に載置された状態となる。この状態を図12に示している。
【0041】
この後、前記移動ヘッド3が矢示D方向又はE方向にスライドして、次の針棒5が縫製位置Hに割り出されると、それまで縫製位置Hと対応する位置にあった爪部16aが移動ヘッド3と共にスライドして、前記開放部材27との係合が解除され、当該爪部16aが保持基板11上の弾性体14に圧接し、引き込まれた上糸Yが爪部16aと弾性体14との間に挟持,保持される。尚、この状態を図13に示している。斯くして、以上のようにして、縫製位置H以外の各針6に通された上糸Yが、それぞれ爪部16aと弾性体14との間に挟持され、保持される。そして、以後、新たに縫製位置Hに割り出された針6によって、次の縫製が行われる。
【0042】
このように、この糸保持装置10によれば、クランプ部材16の爪部16aと弾性体14との間に挟持される前の上糸Yが、立毛12a,13a間で保持されるので、引き込み棒21から離れて弾性体14上に載置される際や、移動ヘッド12がスライドする際に、空気抵抗やその他の外乱によって、隣り合う上糸Yと絡み合うといったことがなく、これらを分離させた状態で確実に、爪部16aと弾性体14との間に挟持,保持することができる。
【0043】
また、クランプ部材16は一体的に形成され、その爪部16aを弾性体14上に圧接させるためのバネなどが不要であるため、上記従来の糸保持装置に比べて、その部品点数が少なく、装置の製造コストを低く押えることができる。
【0044】
また、上糸Yを爪部16aと弾性体14との間で挟持しているので、上糸Yの損傷を防止することができるとともに、これをより確実に挟持,保持することができる。
【0045】
また、前記引き込み棒21が、前記立毛12a,13aの先端部同士が接触する部分を通過するように構成しているので、立毛12a,13a間を通過する際の抵抗が小さく、これをスムーズに移動させることができ、上糸Yを安定して後方に引き込むことができる。
【0046】
更に、セパレータ18を設けているので、各上糸Yをこのセパレータ18によって分離することができ、これらが絡み合うのをより確実に防止することができる。
【0047】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明の具体的な態様は何らこれに限定されるものではない。例えば、前記弾性体14及び立毛部材12は、これらを必ずしも設ける必要はなく、また、前記立毛部材12に代えて、弾性体を設けた構成としても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る糸保持装置が装着された多針ミシンの頭部部分を示した側面図である。
【図2】図1における矢視I方向の正面図である。
【図3】図1におけるA部を拡大して示した拡大図である。
【図4】図3における矢視II方向の正面図である。
【図5】図4における矢視IV−IV方向の平断面図である。
【図6】図5における矢視VI方向の背面図である。
【図7】図4における矢視V方向の平面図である。
【図8】図7における矢視VII方向の側面図である。
【図9】図3における矢示II方向から見た支持部材の正面図である。
【図10】図3における矢視III方向の平面図である。
【図11】本実施形態に係る糸保持装置の作用を説明するための説明図である。
【図12】本実施形態に係る糸保持装置の作用を説明するための説明図である。
【図13】本実施形態に係る糸保持装置の作用を説明するための説明図である。
【符号の説明】
Y 上糸
1 多針ミシン
2 移動ヘッド
3 支持アーム
5 針棒
6 針
10 糸保持装置
11 保持基板
12,13 立毛部材
16 クランプ部材
16a 爪部
21 引き込み棒
27 開放部材

Claims (5)

  1. 水平方向に並設された複数の針棒と、該各針棒を上下方向に移動自在に支持する移動ヘッドと、該移動ヘッドを前面で支持し、且つ前記針棒の並設方向に沿って移動自在に支持する支持アームと、前記各針棒に装着された針とを備え、前記移動ヘッドを前記並設方向に移動させることにより、前記各針棒を選択的に縫製位置に割り出すように構成された多針ミシンに配設されて、前記各針に通された上糸を保持する糸保持装置であって、
    前記針棒の後方位置で、長手方向が前記針棒の並設方向に沿うように、前記移動ヘッドに装着された保持基板と、
    多数の立毛を備え、長手方向が前記保持基板に沿って配設されて、前記立毛の先端部が前記保持基板の上面に当接するように前記保持基板に装着された立毛部材と、
    前記針棒の後方位置で、長手方向が前記針棒の並設方向に沿うように配設され、その前記針棒側が、前記各針棒に対応するように前記並設方向に沿って分割された複数の爪部を備えるとともに、該各爪部の先端部が前記立毛部材の後方且つその近傍で前記保持基板の上面に圧接するように配設されたクランプ部材と、
    前記縫製位置にある針棒の後方位置で前記支持アームに支持され、前記縫製位置の糸道に対し、前記立毛間を通過して進退し、前記糸道上にある上糸を後方に引き込む引き込み棒と、
    同じく前記縫製位置にある針棒の後方位置で前記支持アームに支持され、該針棒に対応する位置の前記爪部を上方に押し上げる開放部材とを設けて構成したことを特徴とする多針ミシンの糸保持装置。
  2. 前記爪部が圧接する前記保持基板の上面に弾性体を固着し、前記爪部が該弾性体の上面に圧接するように構成したことを特徴とする請求項1記載の多針ミシンの糸保持装置。
  3. 前記立毛先端部が当接する前記保持基板の上面に弾性体を固着し、前記立毛先端部が該弾性体の上面に当接するように構成したことを特徴とする請求項1又は2記載の多針ミシンの糸保持装置。
  4. 前記立毛部材と対向するように、更にもう一つの立毛部材を設けて、2つの立毛部材を、その立毛先端部同士が接触するように配設するとともに、
    前記引き込み棒を、これが前記立毛先端部同士の接触部分を通過するように構成したことを特徴とする請求項1又は2記載の多針ミシンの糸保持装置。
  5. 前記保持基板の、前記各針棒間に対応する位置に、前記保持基板の長手方向の領域を区画するセパレータを立設したことを特徴とする請求項1乃至4記載のいずれかの多針ミシンの糸保持装置。
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