JP3005143B2 - 浴室用引き戸の構造 - Google Patents

浴室用引き戸の構造

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JP3005143B2
JP3005143B2 JP5185301A JP18530193A JP3005143B2 JP 3005143 B2 JP3005143 B2 JP 3005143B2 JP 5185301 A JP5185301 A JP 5185301A JP 18530193 A JP18530193 A JP 18530193A JP 3005143 B2 JP3005143 B2 JP 3005143B2
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豊美 勝又
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Matsushita Electric Works Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、浴室用引き戸の構造に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、浴室出入口に引き戸を開閉自
在に設置するに当たり、引き戸の上端部を浴室出入口の
上部に設置された上レールに走行自在に支持すると共
に、引き戸を浴室出入口の下部に設置された下レールに
走行自在に支持する場合が多かった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】かかる従来例では、引
き戸の下レールが浴室出入口の床面よりも上方に突出し
ているために、浴室への出入りの際に下レールで足がつ
まずく危険がある。そのうえ、従来は浴室出入口の防水
性能を確保するために、床防水パンや床ハーフ等の洗い
場の周囲を高くしており、このため下レールが上方へ突
出していることと重なって、浴室出入口のまたぎ高さが
高くなって浴室出入時の安全性が低下するという問題が
あった。
【0004】本発明は、上記従来の課題に鑑みてなされ
たもので、その目的とするところは、下レールを用いず
に引き戸を安定走行させることができ、さらに浴室出入
口のまたぎ高さを低くしつつ浴室出入口の防水性能を同
時に確保できるようにした浴室用引き戸の構造を提供す
るにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明は、洗い場側床パン12の浴室出入口A側の端
部に排水溝11が設けられ、排水溝11の上面には、浴
室出入口Aに走行自在に設置される引き戸2の走行方向
Bと直交する方向Cに間隙9をあけて複数の簀の子片8
が並設され、上記引き戸2の上端には浴室出入口Aの上
部に設置された上レール5に走行自在に吊り下げ支持さ
れる上ランナー4が設けられると共に、引き戸2の下端
には上記簀の子片8間の間隙9内に走行自在に嵌め込ま
れる下ランナー6が設けられ、上記複数の簀の子片8
は、簀の子桟材14にて下方から支持されると共に簀の
子桟材14の一端側は浴室出入口Aの床面30側に固定
される簀の子端材15に取付けられており、簀の子端材
15は、排水溝11の上面における洗い場側床パン12
の脱衣室側の床面高さよりも低い位置に形成された段差
面16に載置される垂直片15bを有し、簀の子端材1
5の垂直片15bと段差面16との隙間に簀の子端材1
5の略全長に亘って防水シート25を介在したことを特
徴とする。
【0006】
【0007】
【0008】
【作用】本発明によれば、引き戸2の上端の上ランナー
4は浴室出入口Aの上部に設置された上レール5に走行
自在に吊り下げ支持されると共に、引き戸2の下端の下
ランナー6は引き戸2の走行方向Bと直交する方向Cに
間隙9をあけて並設された複数の簀の子片8間の間隙9
内に走行自在に嵌め込まれているから、従来のような下
レールを浴室出入口Aの下部に設置せずに、簀の子片8
を利用して引き戸2を安定走行させることができ、浴室
出入口Aのまたぎ高さが低くなり、浴室出入りの際に下
レールで足がつまずく心配がなくなる。
【0009】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。本実施例における浴室出入口Aは、図2及び図5
に示すように、浴室出入口Aの開口部全体の約3分の1
が袖パネル1で閉塞されており、残りの開口部が2枚の
引き戸2で開閉自在とされる。各引き戸2は、図1に示
すように、その上端にランナー取付片3を介して上ラン
ナー4が水平軸まわりに回転自在に支持されており、こ
の上ランナー4が浴室出入口Aの上部に設置された上レ
ール5に沿って走行自在に吊り下げ支持されている。一
方、引き戸2の下端には下方に垂下する突起状の下ラン
ナー6が取付けられており、この下ランナー6が後述す
る簀の子片8間の間隙9内に走行自在に嵌め込まれてお
り、引き戸2は下レール無しで上レール5のみで安定走
行できる構造となっている。
【0010】また、浴室10内の排水溝11は、洗い場
側床パン12の浴室出入口A側の端部に設けられてお
り、この排水溝11の上面には、洗い場側床パン12の
浴室出入口A側(脱衣室17A側)の床面高さと略面一
となるように複数の簀の子片8が配置されている。つま
り、浴室出入口Aの床面高さと、浴室出入口A近傍の洗
い場側床パン12の床面高さと、脱衣室側床面13の高
さが夫々面一となるように形成されており、これら各床
面高さと面一となるように複数の簀の子片8が配置され
ている。また、排水溝11は、浴室出入口Aの開口幅の
略全長に亘って設けられると共に、排水溝11の上面両
側には後述する簀の子桟材14及び簀の子端材15が載
置される段差面16が夫々形成されており、各段差面1
6は排水溝11の上面における洗い場側床パン12の床
面高さよりも低い位置に形成されている。なお、排水溝
11の長手方向の端部はトラップ取付部18に連通して
おり、排水溝11内に流れ落ちた水が図示省略したトラ
ップを介して排水管に排水されるようになっている。
【0011】ここで、図3に示す複数の簀の子片8と、
各簀の子片8を支持する簀の子桟材14と、簀の子桟材
14が取付けられる簀の子端材15とで、簀の子7が構
成される。上記複数の簀の子片8は、浴室出入口Aに走
行自在に設置される引き戸2の走行方向B(図3の紙面
と垂直方向)と直交する方向Cに間隙9をあけて並設さ
れており、その間隙9は上記引き戸2の下ランナー6を
走行自在に嵌め込むことができる寸法に設定されてい
る。尚図中20は補強材、50は引き戸2の把手であ
る。
【0012】上記複数の簀の子片8は簀の子桟材14に
より下方から夫々支持される。簀の子桟材14は簀の子
片8と直交する方向Cに複数の簀の子片8の両端側に至
る長さで延びており、例えばガラス繊維入りのナイロン
製で構成される。簀の子桟材14の長手方向の両端部は
排水溝11の上面両側に形成された段差面16,16に
夫々載置されると共に、簀の子桟材14と複数の簀の子
片8とがネジ21にて互いに結合されている。
【0013】上記簀の子桟材14が取付けられる簀の子
端材15は、簀の子片8と平行に延び且つ簀の子片8と
略同じ長さを有する断面L字状金具から成り、その水平
片15aが簀の子片8の上面と面一となるように、脱衣
室側床面13の端部となる床面30上にネジ22にて固
定されている。簀の子端材15の垂直片15bは浴室出
入口A側の排水溝11上の段差面16に垂下しており、
この垂直片15bには上記簀の子桟材14の一端部がネ
ジ22aにて取付けられている。
【0014】上記簀の子端材15の垂直片15bには、
図4に示すように、簀の子端材15の長手方向全長に亘
って断面コ字状の凹溝23が形成され、この凹溝23内
に下り傾斜状の水返しパッキン24の基部24aが凹溝
23全長に亘って取付けられ、水返しパッキン24の舌
片24bの先端は簀の子端材15と隣接する簀の子片8
の側壁、本実施例では、引き戸2の下ランナー6の下方
における簀の子片8の側壁に弾接している。これによ
り、引き戸2側からの水は簀の子片8間から水返しパッ
キン24を通って下方へ流れる一方で、下方からの水は
上方へ流れない構造となっている。さらに、上記簀の子
端材15の垂直片15bの下端面には、段差面16との
隙間に防水シート25が介在され、この防水シート25
によって簀の子端材15の背側からの水洩れが防がれて
いる。
【0015】上記構成において、上端の上ランナー4が
浴室出入口Aの上部に設置された上レール5に走行自在
に吊り下げ支持された引き戸2の下端の下ランナー6
を、引き戸2の走行方向Bと直交する方向Cに間隙9を
あけて並設された複数の簀の子片8間の間隙9内に走行
自在に嵌め込むようにしたから、従来のような下レール
を浴室出入口の下部に設置せずに、上レール5のみで引
き戸2を安定走行させることができ、従って、浴室出入
りの際に下レールで足がつまずく心配がなくなる。しか
も上記複数の簀の子片8は洗い場側床パン12の浴室出
入口A側の床面高さと略面一となるように設置してある
ので、簀の子片8を含めた浴室出入口Aのまたぎ高さは
低くなっており、その結果、特に高齢者やハンディキャ
ップ者の浴室出入りに対して十分に配慮のある安全性の
高い浴室を提供できるという利点がある。
【0016】また、簀の子端材15とこの簀の子端材1
5に隣接する簀の子片8との隙間に、簀の子端材15の
略全長に亘って下り傾斜状の水返しパッキン24を配置
したことにより、引き戸2側からの水は簀の子片8間か
ら下方に流れ落ちるが、下方からの水は水返しパッキン
24によって上方へ流れないために、複数の簀の子片8
の上面の高さが夫々低くても簀の子片8間の下方から上
方への水の流出が確実に防がれ、その結果、複数の簀の
子片8を含む浴室出入口Aのまたぎ高さを低くしつつ浴
室出入口Aの防水性能を向上させることができる。さら
に、簀の子端材15の垂直片15bと段差面16との隙
間に簀の子端材15の略全長に亘って防水シート25が
介在されているから、簀の子端材15の背側からの水洩
れも防止され、脱衣室側床面13の端部となる床面30
側への水の流出が確実に防がれることにより、浴室出入
口Aの防水性能が一段と向上するという利点がある。
【0017】
【発明の効果】上述のように本発明は、洗い場側床パン
の浴室出入口側の端部に排水溝が設けられ、排水溝の上
面には、浴室出入口に走行自在に設置される引き戸の走
行方向と直交する方向に間隙をあけて複数の簀の子片が
並設され、上記引き戸の上端には浴室出入口の上部に設
置された上レールに走行自在に吊り下げ支持される上ラ
ンナーが設けられると共に、引き戸の下端には上記簀の
子片間の間隙内に走行自在に嵌め込まれる下ランナーが
設けられているから、従来のような下レールを用いずに
上レールのみで引き戸を安定走行させることができ、浴
室出入口のまたぎ高さを低くでき、浴室出入時の安全性
の向上が図られるという効果がある。さらに、複数の簀
の子片を下方から支持する簀の子桟材の一端側が、浴室
出入口の床面側に固定される簀の子端材に取付けられて
いるので、浴室出入口の床面に対して簀の子桟材及び複
数の簀の子片の取り付け位置が決まることとなり、従っ
て、簀の子片間の隙間のセンター位置に対して浴室出入
口に走行支持されている引き戸の下ランナーを位置決め
することが容易となる。これにより、簀の子片間の隙間
に引き戸の下ランナーを傾けることなく嵌め込むことが
できて、引き戸を安定走行させることができるという効
果がある。さらに排水溝上面の段差面上に載置される簀
の子端材の垂直片と段差面との隙間に簀の子端材の略全
長に亘って防水シートを介在させたことにより、上記の
ように簀の子端材を浴室出入口の床面側に固定して引き
戸の下ランナーの安定走行ができるようにした構造であ
りながら、防水シートによって簀の子端材と浴室出入口
の床面側との固定部分の隙間からの水の流出を防止で
き,この結果、浴室出入口の防水性を向上させることが
できるという効果がある。
【0018】
【0019】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す一部省略縦断面図であ
る。
【図2】同上の浴室出入口の正面図である。
【図3】図1の要部断面図である。
【図4】図1の水返しパッキン付近の拡大断面図であ
る。
【図5】同上の一部省略平断面図である。
【符号の説明】
2 引き戸 5 上レール 4 上ランナー 6 下ランナー 8 簀の子片 9 間隙 11 排水溝 12 洗い場側床パン 14 簀の子桟材 15 簀の子端材 15b 垂直片 16 段差面 24 水返しパッキン 25 防水シート A 浴室出入口 B 走行方向 C 直交する方向

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 洗い場側床パンの浴室出入口側の端部に
    排水溝が設けられ、排水溝の上面には、浴室出入口に走
    行自在に設置される引き戸の走行方向と直交する方向に
    間隙をあけて複数の簀の子片が並設され、上記引き戸の
    上端には浴室出入口の上部に設置された上レールに走行
    自在に吊り下げ支持される上ランナーが設けられると共
    に、引き戸の下端には上記簀の子片間の間隙内に走行自
    在に嵌め込まれる下ランナーが設けられ、上記複数の簀
    の子片は、簀の子桟材にて下方から支持されると共に簀
    の子桟材の一端側は浴室出入口の床面側に固定される簀
    の子端材に取付けられており、簀の子端材は、排水溝の
    上面における洗い場側床パンの脱衣室側の床面高さより
    も低い位置に形成された段差面に載置される垂直片を有
    し、簀の子端材の垂直片と段差面との隙間に簀の子端材
    の略全長に亘って防水シートを介在したことを特徴とす
    る浴室用引き戸の構造。
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