JP3003616B2 - 時計の指針位置検出方法 - Google Patents
時計の指針位置検出方法Info
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Description
指針の位置検出方法に関する。
は、特開平4−262502号公報や、特開平4−26
2501号公報に示されるように、デジタルコード化パ
ターンやアナログパターンが形成されたバルクの永久磁
石材料に、被測定物体を接続し、磁石の動作、位置を被
測定物体のものとして磁気センサで認識させるものや、
HDDやFDDのように、薄膜の磁気メディアを用い、
磁気ヘッドで磁気情報(データの位置)を読み取るもの
であった。
には、接触通電方式、磁気方式、光方式、静電方式があ
った。
4号公報に示されるように、アースされた指針の一部が
文字板上に形成された電極に接触しながら回転掃引、前
記電極の両端から電流を流すことで指針位置の検出をし
ていた。
公報に示されるように、文字板の検出したい位置にMR
素子等の磁気感応素子を配し、磁化した指針が前記磁気
感応素子上を横切る際の磁束増加を検出していた。
報、特開昭61−17317号公報に示されるように、
文字板上にCCDや、太陽電池等の光感応素子を配し、
前記素子上を指針が横切る際の光量の変化を検出する方
式や、特開平3−239963号公報に示すように、歯
車の軸中心外に小穴をあけ、その小穴を通過する光を複
数の光センサーにて測定し、指針の回転を検出してい
た。
公報に示されるように、単電極の文字板上植字の上を指
針が横切る際に発生する静電容量を時定数として測定
し、指針位置の検出をしていた。
−262502号公報のような位置検出方法では、 1.被測定物体に接続したバルクの永久磁石の位置を検
出するものであって、被測定物体の位置を直接検出して
いないため、位置検出精度に誤差が大きい。
接続することが、被測定物体の動作、位置に影響を与え
る。特に、腕時計のような駆動トルクの小さい機械系に
設置すると指針を動かすこともできない。
気センサ等の位置検出装置を接続するので、システムと
して大きくなる。腕時計のようにスペースが限られたも
のでは設置できない場合も多い。
して、被測定物体自体を、鋳造や焼結により製造された
バルクの永久磁石から作製することがあるが、永久磁石
自体が非常に加工しずらい材料であり、さらにボンド磁
石では、形状は作り込みやすいものの、機械要素として
強度的に適さない場合が多いなど、制約が多いという課
題を有している。
アが薄膜のため磁気情報の漏れ磁界が小さく、磁気ヘッ
ドを磁気メディアから1ミクロン以内、もしくは接触さ
せねばならなかった。距離を1ミクロン以下に保持する
ためには、磁気メディアを高速で回転させ、かつ磁気ヘ
ッドの形状を特殊に加工して、フライングさせねばなら
なかった。また磁気ヘッドの磁気情報検出起電力を大き
くするためにも磁気メディアを高速で回転させねばなら
なかった。これらのため、低速で移動する物体の位置検
出にこの方式は適さず、かつ、磁気ヘッドをフライング
させたり、磁気メディアに接触させたりするために、磁
気ヘッドの特殊加工や耐摩耗性向上の保護膜形成など磁
気ヘッドコストが高いという課題を有している。
課題を有している。
の侵入や、接点の電蝕により、位置検出の信頼性が悪
い。
えば秒針の1秒毎の検出等が非常に困難で製造コストも
高い。また指針に磁石や、高透磁率材料を用いるため、
外部磁界に対し弱く、誤差を生じやすい。
高となる。外部光により検出誤差も生じやすい。
より、検出誤差を生じやすい。
るものであって、その目的とするところは、 極低速から高速までの速度で移動する移動物体の位
置を直接認識できると共に、位置検出ピッチが百ミクロ
ン程度以上である、 ホール素子の数を少なくし、検出システム全体を超
小型化できると共に、組み込まれるデバイス等の形状を
変更する必要や、デバイス等の動きや機能に影響を及ぼ
すことがない、 実効消費電流が小さく、低製造コストである、位置
検出方法を提供することである。
検出方法は、指針を回転駆動すると共に、この指針の回
転位置をコード化した二値のデジタル磁化パターンが記
録された磁性膜を回転面に形成した歯車と、この歯車に
対向してホール素子を設置した時計基板とを備え、前記
ホール素子から出力される三値のデジタル信号に基づい
て、前記指針の位置を検出することを特徴とする。
板に複数形成され各々直列接続されていると共に、前記
ホール素子が設置されている部位において、前記歯車と
前記時計基板との相対的な移動方向と、これらのホール
素子に流すホール素子制御電流方向とが平行であること
をことが望ましい。
い説明する。図1は、位置検出装置の断面図である。ま
た図2は、図1内ホール素子4部を示す上面図である。
相対的に動作する固体間、すなわち本実施例では静止固
体2、図内を右に移動する移動固体3の位置関係を検出
する。静止固体2は、移動固体3に対面する表面に、硬
磁性膜1が成膜されており、かつ、その硬磁性膜は面内
に磁化され、磁化パターン6が、移動固体3の移動方向
に複数、等ピッチで形成されている。磁化パターン内矢
印は磁化方向を示す。この時、移動固体3の方向に、磁
束が効率良く漏れるように、静止固体2は非磁性であ
る。また、硬磁性膜1の保護のために、保護膜8が、硬
磁性膜1上に積層されていることもある。他方、移動固
体3には磁気センサであるホール素子4が、硬磁性膜1
に対面して、磁化パターン6の形成方向に2個、さらに
磁束密度を検出するためホール素子4に流すホール素子
制御電流9に対し直列に形成されている。磁化パターン
6と近接させるため、ホール素子4は、ペースト電極5
を通じ移動固体3の裏面にて、ホール素子4にホール素
子制御電流9を供給する電源に、検出磁束密度に対応し
たホール素子起電力を測定する装置に、配線実装されて
いる。
る。まず始点である図1の状態で、ホール素子4にホー
ル素子制御電流9を流すと、図内左のホール素子は+、
右のホール素子は−の磁気情報を検出する。磁化の方向
を検出できるのがホール素子の大きな特徴のひとつであ
り、MR素子などではできない。移動固体3の移動に伴
い、磁化パターン6の形成ピッチごとに左右のホール素
子は、N、S、磁束0の組み合わされた磁気情報を別々
に検出する。この組み合わせ磁気情報は、そのまま移動
固体3の絶対位置に対応させている。そのために、組み
合わせ磁気情報が重複しないように磁化パターンの磁化
方向を制御してある。よって、磁気情報が通常の0/1
の2つから成り立つ方式より、磁気検出素子、すなわち
本実施例ではホール素子の数を少なくでき、低製造コス
トにつながる。
本方法である。以下、詳細に本実施例を説明する。ま
ず、Alからなる静止固体2を、スパッタチャンバ内に
セットし、150℃に加熱しながら、2.0*10-6T
orrまで真空引きする。Arガスを導入し、7.0m
Torrとした後、DCマグネトロンスパッタにて硬磁
性膜1に対応するNd−Fe−B膜を3ミクロン、静止
固体2上に成膜する。成膜されたNd−Fe−B膜はア
モルファスであり、軟磁性特性を示すため、磁化パター
ンを記録することはできない。続いて、同一チャンバ、
同一スパッタ条件にて、Nd−Fe−B膜上に、保護膜
8としてTiを3000オングストローム、積層成膜す
る。次に真空熱処理によりNd−Fe−Bを結晶化さ
せ、硬磁性膜とする。熱処理条件は、成膜された静止固
体2がセットされたゴールドイメージ炉内を、3.0m
Torrの真空状態とした後、700℃に急加熱、10
秒の保持の後、室温のN2 ガスを導入、急冷している。
急加熱、急冷のため、静止固体2自体の温度は、200
℃程度しか上昇しない。真空熱処理後のNd−Fe−B
膜特性は、保磁力:3kエルステッド、残留磁化:10
kGで、面内磁気異方性をもっており、また膜の割れ等
の欠陥はなかった。続いて、YAGレーザーを用い、作
製したNd−Fe−B膜を部分的に加熱、一時的に保磁
力を低下させ、外部磁界で、加熱部分の磁化を反転させ
る。この操作を繰り返すことで、種々の磁化パターン配
列を形成できる。本実施例での磁化パターンのピッチ
は、100ミクロンとした。次に、あらかじめホール素
子電極用に貫通穴が開けられた移動固体3であるアルミ
ナセラミック基板に、In−Sb膜を成膜形成後、十字
型に残すようにエッチパターニングする。この時、ホー
ル素子検出部である前記十字パターンは、図2のよう
に、2パターン配置する。パターンピッチは、Nd−F
e−B膜に記録された磁化パターンのピッチと同一であ
る。さらに素子電極配線7を成膜、エッチパターニング
して形成し、ホール素子制御電流9を供給するためと、
各素子の起電力を検出するための電極とする。この時、
前記アルミナセラミック基板に開けられていた貫通穴
に、素子配線電極7が接するようにパターニングされて
いる。また、ホール素子制御電流9を流す配線は、2素
子がホール素子制御電流について直列になるように配線
される。これにより低消費電流を達成できる。次に、素
子配線電極7を移動固体3の裏面につなげるために、前
記貫通穴にAgペーストを満たし、120℃で焼成、ペ
ースト電極5とした。
位置に配置した。ホール素子4と硬磁性膜1との距離は
100ミクロンであった。この時の移動固体3の動きに
対する、ホール素子4の発生起電力の推移を、図3に示
す。縦軸Vは、ホール素子の発生起電力、横軸Lは、移
動固体3の移動距離である。実線の曲線は図1左のホー
ル素子の、破線は右のホール素子の発生起電力を示して
いる。この時、ホール素子制御電流9を10mAとして
いる。Lがaである時、すなわち移動固体3と静止固体
2の位置関係が図1の時、左ホール素子は10mV、右
ホール素子は−10mVの起電力を発生した。次に移動
固体3が、磁化パターン6の1ピッチだけ右に移動した
時、すなわちLがbの時、左ホール素子は−10mV、
右ホール素子は0mVの起電力を発生した。以下、図3
に示すようにそれぞれのホール素子は起電力を発生し、
それら2ホール素子の起電力の組み合わせがLのとる値
により全て異なっており、すなわち起電力値の組み合わ
せにより、移動固体3の位置を特定できることがわか
る。詳細に説明すると、ホール素子には、10マイクロ
秒*10mAのパルス状のホール素子制御電流を、1秒
間に100パルス印加し、その時の起電力の変化の傾き
を接続の回路で計算させ、傾きが0となった時を、磁化
パターンの堺、すなわち磁気情報記録位置として認識さ
せるようにさせる。さらに、その時の両ホール素子の検
出磁気情報の組み合わせで、位置を特定するようにさせ
てある。ホール素子は10マイクロA*秒の低消費電流
であることがわかる。ホール素子の応答速度は非常に速
く、基本的には電子移動速度である。このため、ホール
素子制御電流印加時間は、さらに数桁小さくでき得る。
また、ホール素子は非常に安価(市販10円程度/チッ
プ)であり、また本実施例Nd−Fe−B硬磁性薄膜も
低温スパッタで大量迅速成膜し、大ロットで迅速真空ア
ニールで形成でき、特に困難な加工や組立調整も無く、
前記回路も安価に、容易に作製できるため、位置検出シ
ステム全体も非常に安価である。さらに検出デバイス
(ホール素子、硬磁性膜)自体、非常に軽量、微小なた
め、移動固体の動きに影響することは無い。また本実施
例では、移動固体と静止固体の位置関係を調べるため
に、移動固体にホール素子を形成したが、静止固体に形
成しても当然良いし、移動固体同士も、それぞれにホー
ル素子、硬磁性膜を形成することで、相対位置関係を調
べられる。さらに位置検出精度について言及すると、磁
化パターン形成ピッチ、移動固体の移動速度、及びホー
ル素子大きさが小さいほど、ホール素子制御電流印加頻
度が大きいほど、向上する。
指針と、指針に固定され指針を回転駆動する歯車、およ
びその歯車を支持する時計基板を有する時計において
も、歯車と時計基板は相対的な動作するので、全く同じ
効果を有する。
固体2、すなわち硬磁性膜形成固体の材質を変化させた
ことが異なっている。実施例1ではAlを用いたが、本
実施例では、アルミナ、銅、石英の非磁性材料、純鉄、
ニッケル、パーマロイの軟磁性材料を用いた。配置、ホ
ール素子制御電流等、実施例1と同様の条件にて、ホー
ル素子起電力を測定した結果、非磁性材料については実
施例1と同じ最大10mVを得た。しかし、軟磁性材料
は、1mV程度しか得られなかった。これは、軟磁性材
料上の硬磁性膜の面内方向に磁化パターンを形成したた
めに、磁束の多くが軟磁性材料中に流れてしまったため
と思われる。よって、磁気パターンを硬磁性膜の面内方
向に形成する場合は、硬磁性膜を非磁性材料上に形成し
なくてはならない。
指針と、指針に固定され指針を回転駆動する歯車、およ
びその歯車を支持する時計基板を有する時計において
も、歯車と時計基板は相対的な動作するので、全く同じ
効果を有する。
パターンを、硬磁性膜面に垂直に形成したことが異な
る。すなわち、軟磁性膜のNd−Fe−B膜をスパッタ
成膜する際、ターゲット組成、及びスパッタ条件を変化
させ、必要に応じ保護膜8の材質も変えることで、膜面
に垂直方向に内部応力をかける。続いて、実施例1と同
様にゴールドイメージ炉にて急熱急冷の熱処理をするこ
とで膜面に垂直方向に磁気異方性をもつ、硬磁性膜がで
きる。また、急熱急冷の熱処理時の保護膜と磁性膜の熱
膨張差で、膜面に垂直方向に応力がかかるように、保護
膜材質を選択しても良い。次に、レーザー着磁する際、
膜面に垂直方向に外部磁界を印加、着磁し、垂直磁化パ
ターンを形成する。着磁ピッチも100ミクロンで、配
置、ホール素子制御電流等の条件は実施例1と同じと
し、ホール素子起電力を測定したところ、最大5mVと
小さかった。次に、膜面に垂直方向の磁化パターンはそ
のままで、実施例2に示した硬磁性膜形成材料に変えた
ところ、非磁性材料ではホール素子起電力が最大5mV
とAlと同じであったが、軟磁性材料では、8mVと増
大した。これは、垂直磁化の場合、軟磁性材料上に形成
することで、各磁化パターンと軟磁性材料とでU字型の
磁路が形成され、磁気効率が向上したため、ホール素子
側への洩れ磁束も増大したものと思われる。また、本実
施例の膜面に垂直磁化する場合、磁化パターン形成密
度、すなわち磁気記録密度は実施例1、2の膜面内記録
に対し、向上させやすい。膜面内に磁化する場合、磁化
パターンピッチを小さくしていくと反磁界の影響が無視
できなくなるためである。当然、洩れ磁束も小さくなる
が、垂直記録の場合、1ミクロン程度の磁化パターンピ
ッチも可能である。磁化パターンピッチが、数から10
ミクロン程度に必要な場合は、ホール素子と垂直磁化硬
磁性膜間の距離を数ミクロン以下とし、ホール素子の大
きさもそれに合わせ小型化することで、数mVのホール
素子起電力を得ることができる。ホール素子と硬磁性膜
の間隔が数十ミクロン以上ある場合は、硬磁性膜を膜面
内に着磁することが望ましい。
指針と、指針に固定され指針を回転駆動する歯車、およ
びその歯車を支持する時計基板を有する時計において
も、歯車と時計基板は相対的な動作するので、全く同じ
効果を有する。
保護膜8を省いたことが異なる。その結果、スパッタ後
の急熱急冷の熱処理時に、Nd−Fe−B膜にクラック
が発生した。また、Ndが酸化し、保磁力が数十エルス
テッドにまで低下し、かつ実施例3に示したような、保
護膜を使用した磁気異方性の制御も困難になった。Nd
の酸化については、熱処理時の真空度を1.0*10-6
Torrまであげれば、問題ないレベルとなったが、真
空引きに多大な時間を要し、スループットが大幅に低
下、製造コストアップとなった。
す。Ti膜と同様の工程でAuを成膜、急熱急冷の熱処
理を行なったところ、クラックは生じなかったものの、
半硬磁性特性となった。すなわち、Tiのような酸化性
の強い材質でないとNb−Fe−Bの酸化を防げなく、
Ti保護膜の効果がわかる。
指針と、指針に固定され指針を回転駆動する歯車、およ
びその歯車を支持する時計基板を有する時計において
も、歯車と時計基板は相対的な動作するので、全く同じ
効果を有する。
硬磁性膜が、硬磁性粉体とバインダからなる硬磁性塗布
膜であることが異なる。スパッタによる硬磁性膜成膜
は、いかに低温スパッタで大量迅速成膜し、大ロットで
迅速真空アニールで形成できるといっても設備投資は多
額となる。この課題を解決する方法として、硬磁性塗布
膜がある。Nd−Fe−B急冷薄帯を粉砕し、1ミクロ
ン程度の微粉とした。薄帯の磁気特性は、保磁力:3k
エルステッド、残留磁化:10kGで、実施例1のスパ
ッタ硬磁性膜と同じであった。次に、バインダであるエ
ポキシ樹脂中に、いろいろな割合で混練し、静止固体2
に30ミクロン厚で塗布、焼成した。実施例1と同様
に、ホール素子の起電力を測定したところ、バインダ混
合の割合により変化した。硬磁性粉体の混合比率が80
wt%では、最大5mVの起電力を生じ、混合比率が小
さくなるにつれ、起電力も減少した。次に、硬磁性粉体
の混合比率80wt%の塗布膜厚を60ミクロンとした
ところ、起電力は10mVに増加した。以上より、硬磁
性塗布膜の場合、硬磁性スパッタ膜と同じ洩れ磁束、す
なわち、同じホール素子起電力を得るためには、相当厚
く塗布しなくてはならないことがわかる。しかし塗布で
は60ミクロン程度なら1回で可能、それ以上も、2
回、3回と、塗布を重ねれば数百ミクロン厚も可能であ
る。このように、塗布は多額の設備投資も必要なく、容
易にスパッタ硬磁性膜と同等以上の特性を得れる。ま
た、塗布の1手法であるスクリーン印刷等を用い、必要
な部分のみに硬磁性膜を形成できるというメリットもあ
る。しかし硬磁性粉体の大きさを少なくとも、10ミク
ロン以下にし、かつ均一に混合しないと、ホール素子の
検出起電力に、硬磁性粉体個々の影響や、検出場所によ
る起電力のムラが生じてしまう。また、硬磁性塗布膜の
表面粗さは多い時には10ミクロン程度生じるために、
ホール素子と硬磁性膜との距離が小さい場合、その影響
が出やすい。よって、磁化パターンピッチが大きい場
合、硬磁性膜とホール素子の距離が大きい場合に、製造
コスト、設備投資等の面で、硬磁性塗布膜が優れている
ことがわかる。
指針と、指針に固定され指針を回転駆動する歯車、およ
びその歯車を支持する時計基板を有する時計において
も、歯車と時計基板は相対的な動作するので、全く同じ
効果を有する。
Nd−Fe−B粉体を、Baフェライト、Srフェライ
トに変えたことが異なる。Nd−Fe−B粉体は磁気特
性に優れ、最強のエネルギー積を持つが、非常に酸化し
やすくエポキシで十分にカバーされていない部分は錆
び、磁気特性が劣化する。また急冷薄帯から製造する場
合は、10ミクロン以下の微粉に粉砕しても大きく磁気
特性は劣化しないが、焼結磁石から粉砕するときには、
100ミクロン以下には磁気特性の大きな劣化よりでき
ないという制約もある。さらに、保磁力が大きいため、
着磁にはレーザーを用いることが必要となる。しかし、
前記フェライトは、化学的に安定で、1ミクロン以下の
微粉にも容易にでき、保磁力が1kエルステッド程度の
ため、磁気ヘッドにて50ミクロンピッチ程度は簡便に
着磁できるというメリットを有している。このため硬磁
性塗布膜は、さらにBa、及びSrフェライトを用いる
ことで、低製造コスト、低設備投資が達成される。当
然、残留磁化はNd−Fe−Bより小さいため、Nd−
Fe−B塗布膜と同等の磁気特性、すなわち同等のホー
ル素子起電力を得るためには、塗布膜厚を2倍程度大き
くしなくてはならない。しかし塗布膜厚の増大は前記し
たように、容易である。以上より、化学的に安定、超低
製造コストが要求される場合や、磁界、衝撃等の外乱が
小さい場合に、Ba、Srフェライトは適していること
がわかる。
指針と、指針に固定され指針を回転駆動する歯車、およ
びその歯車を支持する時計基板を有する時計において
も、歯車と時計基板は相対的な動作するので、全く同じ
効果を有する。
るホール素子電極、すなわちペースト電極5の配線方法
が異なっている。実施例1では、ペースト電極を移動固
体中に埋め込み、ホール素子面より、硬磁性膜方向に突
出させていない。しかし、本実施例では、ホール素子形
成面(ホール素子と移動物体の接合面)延長上に、ペー
スト電極を配線した。ペースト電極厚は、100ミクロ
ンであった。次に実施例1と同様に配置したところ、ペ
ースト電極が硬磁性膜に当然接触し、移動固体の自由な
動きを妨げてしまった。さらに、接触しないようにホー
ル素子と硬磁性膜間の距離を、150ミクロンとしたと
ころ、ホール素子起電力が最大4mVにまで低下してし
まった。これにより、ホール素子の形成された固体に貫
通穴を形成、ホール素子の電極を通すことで、ホール素
子を十分に硬磁性膜に近づけることができ、ホール素子
起電力の大きさに優れることがわかる。また実施例1で
は、移動固体自体に貫通穴をあけたが、例えば貫通穴を
あけたSi基板にホール素子を同様に形成、貫通穴を通
しSi基板裏面に電極をまわしたものを、移動固体に接
着、配線接続しても良い。この方法では、移動固体に細
かい加工を施さなくて良いため、移動固体の機能を損な
わないメリットがある。使用しやすい基板材料として、
異方性エッチングができ、容易に貫通穴を形成できる、
また貫通穴の寸法精度が優れているSi基板や感光性ガ
ラスが適している。例えば、Si基板の場合、(11
0)Si基板(オリフラは(100))を摂氏1100
度にて熱酸化し、1ミクロン厚のSiO2 膜を形成す
る。次にフォトレジストを塗布し、オリフラと4辺がそ
れぞれ35.7度の角度をなす平行四辺形になるように
露光、現像し、平行四辺形中のフォトレジストを除く。
続いて、BHFにて平行四辺形内のSiO2 膜をエッチ
ング除去し、さらにフォトレジストを剥離液で剥離、2
0wt%の摂氏60度KOH水溶液にてSiをエッチン
グ、垂直貫通穴を形成する。平行四辺形の辺の角度を指
定したのは、Siエッチング穴を垂直にするためであ
る。次に感光性ガラスの場合、まず貫通させたい部分の
みにあたるように、約3J/cm2 の365nmの紫外
光を露光照射、続いて摂氏580度*3時間の熱処理を
実施、さらに数%濃度のHF水溶液にて露光部をエッチ
ング除去し、貫通穴を形成する。以上より、どちらも貫
通穴は形成できるが、プロセスの容易性、貫通穴形状の
自由度が大きい等の点で、感光性ガラスが優れている。
指針と、指針に固定され指針を回転駆動する歯車、およ
びその歯車を支持する時計基板を有する時計において
も、歯車と時計基板は相対的な動作するので、全く同じ
効果を有する。
す。図4は、時計駆動部の断面図である。時計の指針1
0を支える指針軸14に、磁化パターン6を有する硬磁
成膜1が成膜されている歯車11がダイレクトに接続さ
れている。磁化パターンは、図5に示すように円周方向
に連続に配置されている。図5は、図4のA−A’断面
である。指針10の回転に伴い、歯車11も回転する。
指針軸14は、時計基板13により回転固定されてい
る。また、硬磁性膜1と対向する時計基板13には、ホ
ール素子4が配されており、磁気情報を磁化パターンか
ら検出する。
歯車11をホブにて作製する。さらに実施例5と同様に
Nd−Fe−B急冷薄帯を粉砕し、1ミクロン程度の微
粉とする。薄帯の磁気特性は、保磁力:3kエルステッ
ド、残留磁化:10kGで、実施例1のスパッタ硬磁性
膜と同じであった。次に、バインダであるエポキシ樹脂
中に、80wt%の割合でNd−Fe−B粉体を混練
し、真鍮歯車11に、60ミクロン厚で塗布、焼成し
た。続いて、図5に示すように、歯車円周方向に、15
0ミクロンピッチで塗布面内に磁化パターンを形成し
た。磁化パターンが形成する円の直径は、2.7mmで
あり、磁化パターン数は60であった。磁化方法は実施
例1と同様にレーザー着磁を用いた。次に、ホール素子
4はIn−Sbを用い、7素子をホール素子制御電流9
に対し直列にSi基板上に形成した。歯車一周を60分
割、すなわち6度ごとの検出をするためには、それぞれ
のホール素子が得る磁気情報の組み合わせに重複を生じ
ないようにしなくてはならず、そのために7個の素子数
が必要になっている。またホール素子の形成ピッチは、
150ミクロンで、接続配置の曲率は、磁化パターン6
と同じ曲率であった。すなわち、ホール素子と真鍮歯車
を対向させれば、歯車の回転に伴い、1ピッチずつ磁気
情報をホール素子が検出、起電力を出力することにな
る。さらにホール素子の起電力は、それぞれ別に測定で
きるように独立して配線されている。続いて、図4のよ
うに組立てた。7連ホール素子と硬磁性膜との距離は1
00ミクロンであった。ホール素子基板は接着剤にて時
計基板に接着し、時計基板にあらかじめ配された回路に
つながる配線とホール素子配線を、ボンディングワイヤ
15にて接続した。ホール素子配線が歯車下より外側ま
で伸ばされているために、実施例1のように裏側配線し
なくても、硬磁性膜とホール素子の距離を拡大せずに
(実施例1と同じ100ミクロン)ワイヤボンディング
できている。ホール素子制御電流を10mAとし、歯車
を駆動したとき、実施例1で得られたような正弦波のホ
ール素子起電力を得た。最大ホール素子起電力は10m
Vであった。また6度ごと、すなわち秒針では1秒の識
別も、精度よく達成され、また時計自体の精度が、この
指針位置検出装置を付加したため低下したりすることは
なかった。時計の従来から存在する隙間に本位置検出機
構を入れ込むことができ、時計自体の大きさは、全く変
化なかった。本実施例では、秒針に位置検出機構をつけ
たが、時針、分針でも同じように効果を確認した。また
磁化パターンの有する磁性膜を形成される歯車が指針に
固定されておらず、すなわち指針に固定されている歯車
に連結されている場合は、歯車同士のガタにより充分に
高精度な指針位置検出ができなかった。これから、被検
出歯車は指針に固定されていることが望ましいことがわ
かる。
る移動固体3、静止固体2共に移動しており、かつその
二つの固体の動きのベクトルが異なっているのが実施例
1と違う点である。しかし二つの固体は相対的な動きを
していることには変わりなく、実施例1と全く同じ効果
を得た。
下の効果を同時に有する時計の指針の位置検出方法を得
ることができた。
移動固体の位置を直接認識できる。最小位置検出ピッチ
は百ミクロン程度である、 ホール素子の数が少なく、検出システム全体が超小
型にできると共に、組み込まれるデバイス等の形状を変
更する必要や、デバイス等の動きや機能に影響を及ぼす
ことがない、 実効消費電流が小さく、低製造コストである。
まれる、極低速の位置検出可能、消費電流が小さい、低
コスト、超小型、高精度の機能も達成できた。現在、時
計では自動現時刻修正機能が付加されるようになってき
ている。これは現時刻の情報を含む、電波をキャッチ
し、自動で指針を正しい時刻に修正するものである。こ
れには、時計の指針が現在どこの位置にあるのかを検出
する指針位置検出機能が必須であるが、これまでは上述
した精度、信頼性のない従来技術しかなく商品価値は小
さかった。しかし本発明により6度毎(秒針の1秒毎)
に精度よく指針位置を修正できるようになった。すなわ
ち原子時計の精度を安価に達成できたことになり、その
効果の大きさがわかる。
図。
図。
するホール素子起電力変化図。
図。
示す図4のA−A’断面図。
Claims (2)
- 【請求項1】 指針を回転駆動すると共に、この指針の
回転位置をコード化した二値のデジタル磁化パターンが
記録された磁性膜を回転面に形成した歯車と、この歯車
に対向してホール素子を設置した時計基板とを備え、 前記ホール素子から出力される三値のデジタル信号に基
づいて、前記指針の位置を検出することを特徴とする時
計の指針位置検出方法。 - 【請求項2】 前記ホール素子は、前記時計基板に複数
形成され各々直列接続されていると共に、前記ホール素
子が設置されている部位において、前記歯車と前記時計
基板との相対的な移動方向と、これらのホール素子に流
すホール素子制御電流方向とが平行であることを特徴と
する請求項1記載の位置検出方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9059511A JP3003616B2 (ja) | 1997-03-13 | 1997-03-13 | 時計の指針位置検出方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP9059511A JP3003616B2 (ja) | 1997-03-13 | 1997-03-13 | 時計の指針位置検出方法 |
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---|---|---|---|
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Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09218004A JPH09218004A (ja) | 1997-08-19 |
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JP9059511A Expired - Fee Related JP3003616B2 (ja) | 1997-03-13 | 1997-03-13 | 時計の指針位置検出方法 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP3003616B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR102315028B1 (ko) | 2015-02-25 | 2021-10-20 | 대우조선해양 주식회사 | 증발가스 부분재액화 공정장치의 파일럿 테스트 시스템 및 방법 |
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JP5624822B2 (ja) * | 2010-07-23 | 2014-11-12 | 株式会社ユーシン | 電動ステアリングロック装置 |
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-
1997
- 1997-03-13 JP JP9059511A patent/JP3003616B2/ja not_active Expired - Fee Related
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KR102315028B1 (ko) | 2015-02-25 | 2021-10-20 | 대우조선해양 주식회사 | 증발가스 부분재액화 공정장치의 파일럿 테스트 시스템 및 방법 |
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