JP3003564B2 - セラミック電子部品の焼成方法 - Google Patents

セラミック電子部品の焼成方法

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JP3003564B2 JP7325434A JP32543495A JP3003564B2 JP 3003564 B2 JP3003564 B2 JP 3003564B2 JP 7325434 A JP7325434 A JP 7325434A JP 32543495 A JP32543495 A JP 32543495A JP 3003564 B2 JP3003564 B2 JP 3003564B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、非酸化雰囲気中で
焼成するセラミック電子部品の焼成方法に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】従来の非酸化雰囲気中の焼成方法では、
炉内に被焼成素子よりも酸化しやすい物質や触媒性のあ
る物質を設置せずに、グリーンガスなどの非酸化ガスを
流入させて焼成していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記焼成方法では、非
酸化ガス中や炉内に残留する酸素の影響で炉内の雰囲気
が不均一となり、結果として焼成後の被焼成素子の特性
にバラツキが生じやすいという問題点を有していた。
【0004】そこで本発明は、焼成雰囲気を均一とし、
形状、色、特性のバラツキを低減させ、常に均一なセラ
ミック電子部品を多量に作製するための焼成方法を提供
することを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に本発明のセラミック電子部品の焼成方法は、焼成炉内
でセラミック被焼成素子を非酸化雰囲気中で焼成する
際、セラミック被焼成素子よりも酸化しやすい物質を非
酸化ガス流入孔と前記セラミック被焼成素子との間に少
なくとも一つ設置するものであり、セラミック被焼成素
子よりも酸化しやすい物質が焼成炉内の残留酸素及びセ
ラミック被焼成素子中の残留酸素を反応除去するだけで
なく、流入させる非酸化ガス中の酸素を反応除去できる
ので、焼成炉内の酸素濃度を低減することができ、安定
した非酸化雰囲気中でセラミック被焼成素子を焼成する
ことができる。
【0006】従って、このように安定した雰囲気中で焼
成することにより、形状、色、特性のバラツキを小さく
し、その上、常に均一なセラミック電子部品を多量に作
製することが可能となる。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明の請求項1に記載の発明
は、焼成炉内でセラミック被焼成素子を非酸化雰囲気中
で焼成する際、セラミック被焼成素子よりも酸化しやす
い物質を非酸化ガス流入孔と前記セラミック被焼成素子
との間に少なくとも一つ設置するセラミック電子部品の
焼成方法であり、焼成炉内の酸素濃度を低減し、かつ安
定した非酸化雰囲気中となるので安定した特性のセラミ
ック電子部品を得ることができる。
【0008】請求項2に記載の発明は、セラミック被焼
成素子よりも酸化しやすい物質は、セラミック被焼成素
子の温度と略同じ温度の場所に設置する請求項1に記載
のセラミック電子部品の焼成方法であり、酸素との反応
性が更に高まり焼成炉内の酸素濃度を低減することがで
きる。
【0009】請求項3に記載の発明は、セラミック被焼
成素子よりも酸化しやすい物質は、Ni,Cu,Pd,
Au,Ptのうち少なくとも一種類を含有する請求項1
に記載のセラミック電子部品の製造方法であり、Ni,
Cuは非酸化ガス中や焼成炉内に残留する酸素を反応除
去することにより、またPd,Pt,Auは触媒作用に
より酸素を除去することができるので、焼成炉内の酸素
濃度を低減し、かつ安定した非酸化雰囲気となるので安
定した特性のセラミック電子部品を得ることができる。
【0010】請求項4に記載の発明は、セラミック被焼
成素子よりも酸化しやすい物質は、セラミック被焼成素
子を収納するサヤに含有されるか、またはこのサヤ表面
の少なくとも一部を覆っているかの少なくとも一方であ
る請求項1に記載のセラミック電子部品の焼成方法であ
り、焼成炉内の酸素濃度を低減し、かつ安定した非酸化
雰囲気となるので安定した特性のセラミック電子部品を
得ることができる。
【0011】請求項5に記載の発明は、セラミック被焼
成素子を円筒形のサヤに投入し、管状炉内で焼成する請
求項1に記載のセラミック電子部品の製造方法であり、
焼成炉内の雰囲気を制御しやすく、セラミック被焼成素
子を均一に焼成することができる。
【0012】請求項6に記載の発明は、サヤを回転させ
て焼成する請求項5に記載のセラミック電子部品の焼成
方法であり、セラミック被焼成素子に均一に熱を伝える
ことができる。
【0013】請求項7に記載の発明は、セラミック被焼
成素子よりも酸化しやすい物質は、メッシュあるいはハ
ニカム状でサヤの両端を被覆している請求項5に記載の
セラミック電子部品の焼成方法であり、焼成炉内の酸素
濃度を低減し、かつ安定した非酸化雰囲気となるので安
定した特性のセラミック電子部品を得ることができる。
【0014】請求項8に記載の発明は、サヤは側面に少
なくとも一つの通気孔を有する請求項5に記載のセラミ
ック電子部品の焼成方法であり、サヤ内の非酸化雰囲気
をより均一にすることができる。
【0015】
【0016】(実施の形態1)以下、本発明の第1の実
施の形態について、図面を用いて説明する。
【0017】図4において、1は積層バリスタ素子で、
その内部には複数の内部電極2がセラミックシート1a
を挟んで互いに相対向するように設けられ、その両端に
は外部電極3が設けられている。積層バリスタ素子1
は、SrTiO3を主成分とし、副成分としてNb
25,Ta25,MnO2,SiO2などを添加して形成
したものである。また、内部電極2は、Niを主成分と
し、副成分としてLi2CO3を添加して形成したもので
ある。さらに、外部電極3は、下層3aをNiを主成分
とし、副成分としてLi2CO3を添加して形成し、上層
3bをAg,Ag−Pdなどで形成したものである。
【0018】図5は製造工程を示し、(4)に示すごと
く原料の混合、仮焼、粉砕、スラリー化、シート成形に
よりセラミックシート1aを作製した。
【0019】次に、セラミックシート1aと内部電極2
とを積層(5)、切断(6)し積層体を得た。その後、
空気中で脱バイ・仮焼(7)し、さらに面取り(8)を
行った後、積層体の内部電極2の露出した端面にのみ、
下層3aとなるNi外部電極ペーストを塗布(9)し
た。
【0020】その後、図1に示すように、外部電極3を
塗布した積層体をアルミナ製のサヤ13に詰め込み、そ
して、このサヤ13を段積みにし、かつNiメッシュ1
4でサヤの側面を覆う状態で箱型炉にて、1200〜1
300℃の温度範囲で非酸化雰囲気焼成(10)した。
【0021】焼成後、下層3aの上に、上層3bとなる
Ag外部電極ペーストを塗布(11)し、空気中でAg
焼き付けと同時に積層バリスタ素子1の再酸化のため7
00〜900℃の温度範囲で加熱(12)し、積層バリ
スタ素子1を作製した。
【0022】なお、本実施の形態では、積層バリスタ素
子1の形状は、幅×長さ×高さ(W×L×T)が1.2
5×2.0×1.0mmの形状で、非酸化雰囲気焼成時
(10)の処理量を2〜5万個/バッチとした。
【0023】実施の形態1より得られた積層バリスタ素
子1は積層バリスタ素子1間での寸法や色ムラのバラツ
キ、また、電気特性(バリスタ特性、コンデンサ特性)
のバラツキが非常に小さかった。さらに、焼成ロット間
のバラツキもほとんど無く、常に均一な積層バリスタ素
子1を多量に焼成することが可能となった。
【0024】従来までの焼成方法では、 (1)窒素、水素、不活性ガス等の非酸化雰囲気ガス中
(ガスボンベ中、配管中など)や炉材(炉壁、サヤな
ど)に残留する酸素 (2)被焼成素子、この場合では積層バリスタ素子1に
含有される酸素などの影響で、炉内の雰囲気が乱れやす
く、積層バリスタ素子1間やロット間のバラツキが発生
しやすい状況にあった。特に、長期間(およそ7日以
上)使用しなかった焼成炉を使用したり、ガスボンベを
切り替えた直後、また、被焼成素子の処理量を増加(例
えば、約1万個/バッチ以上の積層バリスタ素子1)し
た時など、酸素の影響を受けやすく極端な場合には、焼
成後の積層バリスタ素子1の下層3aのNi外部電極
が、緑色のNiOに酸化していた。
【0025】しかし、本実施の形態1に示したように、
段積みしたサヤ13の側面をNiメッシュ14で覆った
状態で非酸化雰囲気焼成すると、焼成雰囲気の乱れの要
因となっている炉内の残留酸素や被焼成素子の含有酸素
がNiメッシュ14と積極的に反応し、除去されるため
均一な焼成雰囲気となる。
【0026】従って、本実施の形態1のような焼成方法
を用いた場合では、前述したように出来上がった積層バ
リスタ素子1の形状、色、特性のバラツキが小さく、ま
た、処理量を2〜5万/バッチに増加しても常に均一な
積層バリスタ素子1を作製することが可能となった。
【0027】また、Cuメッシュを使用した場合でも同
様の効果を確認した。ただ、ここで重要な事項は、Ni
の融点は1455℃、Cuの融点が1083℃であり、
焼成条件を設定する場合これらの融点を越えないように
考慮する必要がある。
【0028】(実施の形態2)次に、本発明の第2の実
施の形態について説明する。
【0029】実施の形態1と同じように図5の(4)〜
(9)に示す工程を経て得られた端面に下層3aのNi
外部電極が塗布された積層体を図1と同じように、アル
ミナ製のサヤ13に詰め込み、そして、このサヤ13を
段積みにし、かつPt製のメッシュ14でサヤ13の側
面を覆う状態でを箱型炉にて非酸化雰囲気焼成(10)
した。以下図4に示す(11)、(12)を行い積層バ
リスタ素子1を作製した。
【0030】実施の形態2より得られた積層バリスタ素
子1では、実施の形態1で示したのと同様に積層バリス
タ素子1間や焼成ロット間において形状、色、特性のバ
ラツキが小さく、また、処理量が増加しても常に均一な
積層バリスタ素子1を多量に焼成することが可能となっ
た。また、本実施の形態2に示したように、段積みした
サヤ13の側面をPtメッシュ14で覆った状態で非酸
化雰囲気焼成(10)をすると、焼成雰囲気の乱れの要
因となっている炉内の残留酸素や積層バリスタ素子1の
含有酸素が触媒性のPtにより除去されるため均一な雰
囲気となる。
【0031】従って、本実施の形態2のような焼成方法
を用いた場合では、前述したように出来上がった積層バ
リスタ素子1の形状、色、特性のバラツキが小さく、常
に均一な積層バリスタ素子1を多量作製することが可能
となった。
【0032】また、Pt製のメッシュ14にかえてPd
製のメッシュを使用した場合でも同様の効果を確認し
た。
【0033】(実施の形態3)次に、本発明の第3の実
施の形態について説明する。
【0034】実施の形態1,2と同様に図5に示す
(4)〜(9)の工程を経て得られた端面に下層3aの
Ni外部電極が塗布された積層体を図1と同様にNi製
のサヤ13に詰め込み、そしてこのサヤ13を段積みに
し、かつNi製のメッシュ14でサヤ13の側面を覆う
状態で箱型炉にて非酸化雰囲気焼成(10)した。以下
(11)、(12)に示す工程を行い積層バリスタ素子
1を作製した。
【0035】本実施の形態3より得られた積層バリスタ
素子1では、実施の形態1、2で示したのと同様に積層
バリスタ素子1間や焼成ロット間の形状、色、特性のバ
ラツキが小さく、また、処理量が増加しても常に均一な
積層バリスタ素子1を多量に焼成することが可能となっ
た。
【0036】なお、本実施の形態3でNi製のメッシュ
14で覆わない状態で非酸化雰囲気焼成(10)した場
合でも、Ni製のサヤ13を使用しているため前述した
ようなNiの効果が得られた。
【0037】以上、本実施の形態1、2ではNi製のメ
ッシュ14やPt製のメッシュ14でサヤ13の側面を
被覆して使用したが、アルミナ製のサヤ13の側壁上部
面にNi,Cu,ZnO,Pd,Ptの粉末や固まりを
設置しておいても同様の効果が得られることを確認し
た。
【0038】また、これらを設置する場所に当たって
は、非酸化雰囲気ガスが流入する側(ガスの通り道)
で、かつ積層バリスタ素子1に非酸化雰囲気ガスが接触
する前のできるだけ温度の高いところ(積層バリスタ素
子1の温度に近いところ)が望ましい。
【0039】また、箱型炉での使用上重要だと考えられ
る事項について記載すると、 (I)段積みしたサヤ13の最上、下段では特性が若干変
わるため、その部分のサヤ13には積層バリスタ素子1
を投入しないほうがよい。
【0040】(II)どちらかといえば通気性のあるポーラ
スなサヤ13を使用した方が、緻密なサヤ13を使用す
るよりも積層バリスタ素子1の特性が安定する。また、
サヤ13の側面または底面に少なくとも一つの通気孔を
有した方が、より一層雰囲気ガスの流れが良くなり積層
バリスタ素子1の特性が安定する。
【0041】(III)積層バリスタ素子1の投入量はサヤ
13の容積の1/5〜1/3ほどが適量でありこれ以上
増加させると積層バリスタ素子1の特性がバラツク傾向
にある。
【0042】(IV)非酸化雰囲気ガスが直接積層バリスタ
素子1に当たらないほうが特性上安定する。
【0043】(V)非酸化雰囲気ガスが流入する側にN
i,Cu,Pt,Pdのメッシュ14を複数枚(2〜3
枚)設置することにより、より効果がある。
【0044】(VI)Ni製のメッシュ14は、焼成後Ni
Oに酸化されたり、痩せたりするため、焼成毎に新品と
取り替える必要がある。また、Niを含んだ金属の粉、
固体を使用した場合でも同様の処置をしたほうがよい。
【0045】(実施の形態4)次に、本発明の第4の実
施の形態について説明する。
【0046】実施の形態1〜3と同様に図4に示す
(4)〜(9)の工程を経て得られた端面に下層3aの
Ni外部電極が塗布された積層体を図2、図3に示すよ
うに、アルミナ製の円筒型のサヤ16に投入し、さら
に、Ni製のメッシュ14でフタをし、そしてアルミ製
のリング17で固定した状態で回転可能な管状炉にて、
1200〜1300℃の温度範囲で非酸化雰囲気焼成
(10)した。以下(11)、(12)の工程を実施し
積層バリスタ素子1を作製した。
【0047】実施の形態4により得られた積層バリスタ
素子1では、実施の形態1〜3で示したのと同様に積層
バリスタ素子1間や焼成ロット間において形状、色、特
性のバラツキが小さく、また、処理量が増加しても常に
均一な積層バリスタ素子1を多量に焼成することが可能
となった。
【0048】また、本実施の形態4では管状炉を回転さ
せた状態で非酸化雰囲気焼成を実施したが回転しない状
態でも、Ni製のメッシュ14の効果が確認された。
【0049】(実施の形態5)次に、本発明の第5の実
施の形態について説明する。
【0050】実施の形態1〜4と同様に図5に示す
(4)〜(9)の工程を経て得られた端面に下層3aの
Ni外部電極が塗布された積層体を図2、図3に示すよ
うな、アルミナ製の円筒型のサヤ16に投入し、さら
に、Pt製のメッシュ14でフタをし、そしてアルミ製
のリング17で固定した状態で回転可能な管状炉にて、
非酸化雰囲気焼成(10)した。以下(11)、(1
2)の工程を実施し積層バリスタ素子1を作製した。
【0051】実施の形態5により得られた積層バリスタ
素子1では、実施の形態1〜4で示したのと同様に積層
バリスタ素子1間や焼成ロット間において形状、色、特
性のバラツキが小さく、また、処理量が増加しても常に
均一な積層バリスタ素子1を多量に焼成することが可能
となった。
【0052】(実施の形態6)次に、本発明の第6の実
施の形態について説明する。
【0053】実施の形態4、5で使用したアルミナ製の
円筒型のサヤ16の代わりにNi製のサヤ16を用いて
実施の形態4、5と同様に積層バリスタ素子1を作製し
た。
【0054】この場合も、実施の形態1〜5と同様な効
果が確認された。 (実施の形態7)次に、本発明の第7の実施の形態につ
いて説明する。
【0055】実施の形態4、5、6で使用した金属製の
メッシュ14の代わりにハニカム状のPtのフタを用い
て同様に積層バリスタ素子1を作製した。
【0056】この場合も、実施の形態1〜6と同様な効
果が確認された。即ち、Ptが雰囲気の乱れの要因とな
っている炉内の残留酸素や積層バリスタ素子1の含有酸
素がPtの触媒作用により除去されるため均一な雰囲気
となる。
【0057】以上、実施の形態4〜7で示したように回
転した状態で焼成する方法では、実施の形態1〜3の箱
型炉で焼成する場合と比較して、 (i)積層バリスタ素子1にかかる温度が均一となり、回
転していない状態と比較して、より一層バラツキが小さ
くなる。
【0058】(ii)積層バリスタ素子1のサヤ詰め作業の
簡易化、サヤの段積みの作業の皆無が図れる。
【0059】(iii)非酸化雰囲気ガスの流れ(ガスの通
り道)が、より単純で制御しやすい。などの利点があっ
た。
【0060】また、管状炉での使用上重要だと考えられ
る事項について記載すると、 (一)回転時での下層3aのNi外部電極の剥離を防ぐ
ために回転開始を1000℃以上の高温域から始めるこ
とが望ましい。
【0061】(二)回転数は1〜4r/min.がサヤ
16内での積層バリスタ素子1の回転がスムーズに起こ
りやすい。
【0062】(三)積層バリスタ素子1の投入量はサヤ
16の容積の1/3〜1/2ほどが適量でありこれ以上
増加させると、非酸化雰囲気ガスの流れが悪くなった
り、また、積層バリスタ素子1の回転が起こりにくくな
るという傾向にある。
【0063】(四)箱型炉の場合でも同様であったが非
酸化雰囲気ガスが直接積層バリスタ素子1に当たらない
ほうが特性上安定する。
【0064】(五)非酸化雰囲気ガスが流入する側のメ
ッシュ14を複数枚(2〜3枚)設置することにより効
果があがる。
【0065】(六)Ni製のメッシュ14は、焼成後N
iOに酸化されたり痩せたりするため、焼成毎に新品と
取り替える必要がある。また、本実施の形態3、6では
Ni製のサヤ13、16を用いたが、セラミック製のサ
ヤにNiをコーティングしたサヤを用いても同様の効果
がある。
【0066】なお、本実施の形態1〜7において、積層
バリスタ素子1を例にあげたが、本発明は、ディスク
型、円筒型などにも適用できるものであり、また、コン
デンサ、セラミスタなど非酸化雰囲気焼成を行う電子部
品の焼成方法にも応用できるものである。
【0067】また、Ni,Cu,Pd,Au,Ptの焼
成炉内の酸素濃度を下げることのできる物質は、単体で
もあるいは化合物の形で用いても構わず、、またこれら
の中から2つ以上を組み合わせて用いても構わない。
【0068】そしてその形状も、サヤ13、16、粉
末、固まり、メッシュ等使用状況にあわせて任意するこ
とができるが、表面積を大きくするほどその効果は高
い。
【0069】さらに図2、図3に示すようにサヤ16の
側面に、貫通孔20やスリット21を設けることによ
り、サヤ16内の非酸化雰囲気をより均一にすることが
できる。またサヤ16の内部を仕切って複数の部屋に分
割するときは、分割した部屋ごとに貫通孔20やスリッ
ト21を設けることが好ましい。
【0070】貫通孔20の大きさやスリット21の幅、
被焼成素子がサヤ16から脱落しない大きさにすればど
のような大きさでも構わない。またその数も問わない。
【0071】
【発明の効果】以上のごとく本発明は、非酸化雰囲気中
で焼成するセラミック電子部品の焼成方法に関するもの
である。
【0072】そしてこの方法によれば、焼成炉内の
素濃度を低くすることができる物質が焼成炉内の残留酸
素及びセラミック被焼成素子中の残留酸素を反応除去す
るだけでなく、流入させる非酸化ガス中の酸素をも反応
除去できるので、焼成炉内の酸素濃度を低減することが
でき、安定した非酸化雰囲気中でセラミック被焼成素子
を焼成することができる。 従って形状、色、特性などの
バラツキが小さい、均一なセラミック電子部品を多量に
作製することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態におけるサヤの斜視図
【図2】本発明の他の実施の形態におけるサヤの分解斜
視図
【図3】本発明の他の実施の形態におけるサヤの分解斜
視図
【図4】本発明の一実施の形態における積層バリスタ素
子の断面図
【図5】本発明の一実施の形態における積層バリスタ素
子の製造工程図
【符号の説明】
1 バリスタ素子 13 サヤ 14 メッシュ 16 円筒型のサヤ 20 貫通孔 21 スリット
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平1−289216(JP,A) 特開 平3−146467(JP,A) 特開 昭62−263608(JP,A) 特開 昭58−56324(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01C 7/02 - 7/22

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 焼成炉内でセラミック被焼成素子を非酸
    化雰囲気中で焼成する際、前記セラミック被焼成素子よ
    りも酸化しやすい物質を非酸化ガス流入孔と前記セラミ
    ック被焼成素子との間に少なくとも一つ設置するセラミ
    ック電子部品の焼成方法。
  2. 【請求項2】 セラミック被焼成素子よりも酸化しやす
    い物質は、セラミック被焼成素子の温度と略同じ温度の
    場所に設置する請求項1に記載のセラミック電子部品の
    焼成方法。
  3. 【請求項3】 セラミック被焼成素子よりも酸化しやす
    い物質は、Ni,Cu,Pd,Au,Ptのうち少なく
    とも一種類を含有する請求項1に記載のセラミック電子
    部品の製造方法。
  4. 【請求項4】 セラミック被焼成素子よりも酸化しやす
    い物質は、セラミック被焼成素子を収納するサヤに含有
    されるか、またはこのサヤ表面の少なくとも一部を覆っ
    ているかの少なくとも一方である請求項1に記載のセラ
    ミック電子部品の焼成方法。
  5. 【請求項5】 セラミック被焼成素子を円筒形のサヤに
    投入し、管状炉内で焼成する請求項1に記載のセラミッ
    ク電子部品の製造方法。
  6. 【請求項6】 サヤを回転させて焼成する請求項5に記
    載のセラミック電子部品の焼成方法。
  7. 【請求項7】 セラミック被焼成素子よりも酸化しやす
    い物質は、メッシュあるいはハニカム状であり、サヤの
    両端を被覆している請求項5に記載のセラミック電子部
    品の焼成方法。
  8. 【請求項8】 サヤは側面に少なくとも一つの通気孔を
    有する請求項5に記載のセラミック電子部品の焼成方
    法。
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