JP3003527B2 - 画像転写方法 - Google Patents

画像転写方法

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JP3003527B2
JP3003527B2 JP29400394A JP29400394A JP3003527B2 JP 3003527 B2 JP3003527 B2 JP 3003527B2 JP 29400394 A JP29400394 A JP 29400394A JP 29400394 A JP29400394 A JP 29400394A JP 3003527 B2 JP3003527 B2 JP 3003527B2
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新 今林
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Toyo Ink SC Holdings Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、熱転写方式を利用した
画像転写方法に関する。さらに詳しくは、圧胴に添着し
た保護膜の円周方向、軸長方向等の方向による熱膨張係
数の相違に基づく見当不良の発生を防止できる所定特性
を有する保護膜を使用した画像形成材料を用いた熱転写
方式による画像転写方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近来、支持体の一方の面に感光性層を塗
布した画像形成材料を画像露光し、ついで感光性層に形
成された画像を、加温下、一般には100℃前後に保持
された紙等の画像受容体に転写する校正印刷等に適した
単色または多色のプリプレスプルーフが作成されるよう
になってきた。画像形成材料としては、支持体と、該支
持体の一方の面に形成された感光性層、および保護膜と
からなる。支持体および保護膜はセルロースアセテー
ト、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレ
フタレート等の材料からなる薄いフィルムまたはシート
が使用される。支持体の厚さは一般に10〜30μmで
あり、保護膜の厚さは一般に50〜175μmである。
画像受容体としては、紙、フィルム等適宜選択された被
印刷物が採用される。
【0003】上記プリプレスプルーフは、次のようにし
て作成される。 a. 支持体上に感光性層を設け、この感光性層上に保
護膜を添付して画像形成材料を製造する。 b. 画像露光して画像形成材料の感光性層に画像を形
成する。 c. 画像露光された画像形成材料を圧胴に添着し、画
像受容体を転写胴に添着する。画像形成材料を圧胴へ取
付けるときには、圧胴表面の突起部すなわちピンバーに
該材料の上辺側(くわえ側)に予め設けておいた孔と嵌
合させることにより、取付位置のずれを防止する。圧胴
に添着後保護膜を剥離する。 d. 圧胴および/または転写胴を回転して、感光性層
と画像受容体とを相対するようにして両胴を接触加圧さ
せ、両胴間のニップにおいて感光性層に形成された画像
を画像受容体に転写する。 e. 多色のプリプレスプルーフを作成する場合には、
一枚の画像受容体に対して上記a〜dの操作が繰り返さ
れることになる。例えば、4色刷りの場合には、4色の
画像形成材料が使用されることになる。 紙等の画像受容体はあらかじめ加温しておき、これに上
記画像形成材料の感光性層を圧着させて感光性層に形成
された画像を紙に転写すると、画像の転写が円滑に進行
し美麗な印刷物を得ることができる。このため画像受容
体を添着する転写胴内部に転写胴表面を適宜、例えば1
00℃前後に加温できる加熱手段を設けるのが通常であ
る。
【0004】本発明で用いられる画像転写方法は、上記
したように画像露光により感光性層に画像形成された画
像形成材料を圧胴表面に添着し、ついで保護膜を剥離
し、露出された感光性層を転写胴表面に添着された画像
受容体に圧着し、画像を画像受容体に転写する方法であ
る。本発明者らは、上記画像転写方法について種々検討
を進めてきた結果、転写された画像の再現性が劣る場合
があり、また多色画像の転写において見当不良が発生し
やすいことを見いだした。見当不良とは、多色画像の転
写において、各色画像の転写位置が完全に一致しないで
数10〜数100μm程度のズレを生ずる現象である。
このズレ量が大きい場合は目視でわかる色ズレとなり重
大な欠陥となる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】見当精度、すなわち多
色刷りの場合における重ね合わせの精度には、圧胴に画
像形成材料を取り付ける際の位置精度が影響する。圧胴
表面に取付けられた画像形成材料の位置精度は、ピンバ
ーにより固定される画像形成材料の上辺側の位置精度お
よび画像形成材料の寸法安定性により影響される。すな
わち、画像形成材料の構成部材に寸法安定性の低いもの
を使用すると、ピンバーから離れた部分で見当不良が発
生し易い。本発明は、上記見当不良発生原因を排除し、
単色または多色のプリプレスプルーフの作成等に使用さ
れる画像転写方法において、画像の再現性に優れ、かつ
多色画像の転写においても見当不良を生ずることのない
画像転写方法の提供を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、支持体と、該
支持体の一方の面に設けられた感光性層と、該感光性層
上に設けられた保護膜とからなる画像形成材料を添着で
きる圧胴と画像受容体を添着できる転写胴とを具備し、
圧胴および/または転写胴を回転して圧胴添着後保護膜
を剥離した画像形成材料および転写胴に添着した画像受
容体を圧胴と転写胴との間のニップに導入し、画像露光
により形成された感光性層の画像を画像受容体に転写す
る方法において、一枚の画像受容体に対し複数の画像形
成材料を逐次使用して多色刷りを施すときに、該画像形
成材料の保護膜が次の条件を満足することを特徴とする
画像転写方法、 E’=L×△T×(Q(S1-S2)−1) (1) [式中、各記号は次の意味を表す、 △T:画像露光時の画像形成材料の温度と圧胴に添着し
た時の画像形成材料の温度との差、 L:印刷面の圧胴円周方向の長さ(単位:mm)、 S1:画像形成材料のくわえ側からみた方向が圧胴の円
周方向に対して、+45°方向または−45°方向の超
音波の伝播速度のうち小さい方向の値(単位:km/
s)、 S2:画像形成材料のくわえ側からみた方向が圧胴の円
周方向に対して、+45°方向または−45°方向の超
音波の伝播速度のうち大きい方向の値(単位:km/
s) Q:保護膜の種類により決められる定数、 E’:印刷面の圧胴円周方向の長さLの部位における圧
胴軸線方向のずれ長さ(単位:mm)、 aは式(2)により求める、 a=C×QS2 (2) C:保護膜の種類により決められる定数、]で表示され
る保護膜のずれ長さE’が、n枚の保護膜について
1’〜En’であるとき、 E=│E1’−En ’│≦0.1 (3) [ただし、E1’、En’は、+45°方向側の超音波
の伝播速度が−45°方向側の超音波の伝播速度よりも
大きいときにはマイナスとして、−45°方向側の超音
波の伝播速度が+45°方向側の超音波の伝播速度より
も大きいときにはプラスとして取り扱うものとす
る。]。
【0007】以下本発明で用いられる熱転写方式を利用
した画像転写方法を添付図面に基づいて詳細に説明す
る。図3は、本発明の方法で使用される画像形成材料を
添着する圧胴と画像受容体例えば紙を添着する転写胴と
を具備する画像転写装置の概略断面図を示す。転写胴1
の表面に一部切り欠け部2を設け、この一部切り欠け部
内に画像受容体の上辺側(くわえ側)添着手段である爪
3および爪座4からなるクランプ、および下辺側(くわ
え尻側)添着手段である爪5および爪座6からなるクラ
ンプを設置する。爪3および爪5には、爪を手動または
電動等の駆動手段により駆動できる駆動軸7を設け、該
駆動軸の回動により爪を開閉する。くわえ尻側クランプ
と該クランプの矢印方向転写胴表面との間の切り欠け部
8には、該切り欠け部内に挿入自在である、すなわち転
写胴1の半径方向に移動自在である、抑え用バー9を設
置してもよい。転写胴1の内面には加熱手段10が設置
されている。抑え用バー9は、トレーと併用することに
より、加温された転写胴に手を触れることなく、画像受
容体を転写胴に添着あるいは排出するために使用され
る。
【0008】圧胴11には一部切り欠け部12を設け、
該切り欠け部内で圧胴11の表面に巻いたブランケット
13をブランケット固定手段14により固定する。一部
切り欠け部12と圧胴表面(円周面)との間に傾斜部1
5を設け、該傾斜部にピンバー16を設置する。ピンバ
ー16はその先端が圧胴11の円周面よりも外側に出な
い高さとする。圧胴11および転写胴1が回転した時に
ピンバー16あるいは転写胴1の表面を傷付けないため
である。一部切り欠け部12内にマグネットシート17
を回動自在に取付けることが好ましい。圧胴表面のピン
バー16を設置した傾斜部15近傍および一部切り欠け
部12の他の傾斜部15近傍の圧胴表面に粘着テープ1
8を設ける。マグネットシート17は、圧胴11に記載
した矢印と逆方向に倒した時に、粘着テープ18に届か
ないがピンバー16を覆うに十分な幅とする。しごきロ
ーラー22は、画像受容体を転写胴1へ添着するとき
に、画像受容体の転写胴1表面への密着性を向上させる
点で有用である。
【0009】転写胴1と圧胴11の上部には、支点19
を中心として回動することによりトレー先端部20およ
び21がそれぞれ転写胴表面および圧胴表面に近接でき
るトレーを設置するのが好ましい。このトレーには、画
像受容体あるいは画像形成材料が載置され、画像受容体
あるいは画像形成材料の添着または排出作業を容易なら
しめる。圧胴11には該圧胴の表面と接触自在であるし
ごきローラー23を設置する。転写胴1にも転写胴1の
表面と接触自在であるしごきローラー22を設置しても
よい。しごきローラー22は、画像受容体の転写胴取付
時に、画像受容体を転写胴表面に密着させ、画像受容体
の皺、たるみ等を排除する点で効果的である。しごきロ
ーラー23も画像形成材料の圧胴取付時に上記と同様の
作用効果を奏する。
【0010】以下本発明で用いられる画像転写方法の作
用について説明する。画像受容体(図示せず)のくわえ
側を、転写胴1の一部切り欠け部2内に設けた爪3およ
び爪座4とからなるクランプにより把持する。転写胴1
には、画像受容体を画像転写作業の前に予め加温してお
くため、転写胴1の表面温度が100℃前後となるよう
に、その内部に加熱手段10が設けられている。画像受
容体をくわえ側クランプにより把持した後、転写胴1を
転写胴1中に記載した矢印方向に回転する。このときし
ごきローラー22を画像受容体の表面に接触して回転さ
せ、画像受容体が転写胴1の表面に密着するようにす
る。ついで、画像受容体をくわえ尻側の爪5および爪座
6とからなるクランプにより把持する。上記操作により
画像受容体の転写胴1への添着は終了する。
【0011】画像形成材料(図示せず)の圧胴11への
添着は、画像形成材料に設けたピンバー16に対応する
孔をピンバー16に挿入した後、画像形成材料をマグネ
ットシート17で抑え、ついで画像形成材料に適宜の張
力を掛けながら圧胴11を圧胴11中に記載した矢印方
向に回転して、画像形成材料の上辺側および下辺側を粘
着テープ18で圧胴表面に固定する。マグネットシート
17は必ずしも設けなくともよい。画像形成材料をピン
バー16に挿入しついで圧胴11を回転するとき、しご
きローラー23を画像形成材料の保護膜表面に接触して
回転させ、画像形成材料が圧胴11の表面に密着するよ
うにする。画像形成材料の圧胴11への添着終了後、保
護膜を剥離し、感光性層を露出する。ついで転写胴1お
よび圧胴11の少なくともいずれか一方を回転させるこ
とにより、感光性層に形成された画像を画像受容体に転
写する。多色のプリプレスプルーフを作成する場合、例
えば、シアン、マゼンタ、イエローおよびブラックに色
分解されることにより作成された各色の画像を有する画
像形成材料について、1枚の画像受容体に対し上記操作
を繰り返すことになる。
【0012】本発明者らは、上記操作を主体とする画像
転写方法について、種々の検討を加えてきた。ところ
が、多色画像の場合には得られた画像に見当不良が認め
られることを見いだした。そこで本発明者らは、その原
因について種々の検討を加え、画像形成材料の寸法安定
性の不良、特に画像形成材料中最も厚く、剛性が高い保
護膜の寸法安定性が、見当不良を生ぜしめるものと推定
した。そこで本発明者らは、寸法安定性が所定の特性を
有する保護膜を画像形成材料の構成部材として採用した
ところ満足すべき見当精度が得られることを見いだし
た。
【0013】画像露光するときの画像形成材料の温度
は、主として露光機の温度により左右される。圧胴へ添
着するときの画像形成材料の温度は圧胴の表面温度によ
り左右される。圧胴は特に加温するものではない。しか
し、画像受容体を加温するために転写胴を加温している
ので、その影響を受け圧胴表面の温度も上昇している。
一般には、転写胴表面温度を約100℃に保持すると、
転写胴と圧胴とにより形成されるニップ中の温度は約7
0〜80℃であり、圧胴の表面温度は約40℃になって
いる。露光機により画像形成するときの画像形成材料の
温度は、露光機のガラス板の温度に支配され、通常約2
0〜25℃である。
【0014】圧胴表面に画像形成材料を添着すると、画
像形成材料は圧胴表面の温度の影響を受け、画像形成材
料は熱膨張する。そして、画像形成材料の構成部材中、
最も厚さが大きく、剛性の高い保護膜の熱膨張特性が、
画像形成材料の寸法安定性に支配的に影響する。しか
も、保護膜の熱膨張特性は、面積方向に均一ではなく、
方向により異なるものであった。この保護膜の寸法変化
は、圧胴添着後、保護膜を剥離するまでの間に支持体お
よび感光性層を寸法変化させるものであった。支持体お
よび感光性層の寸法変化は、見当精度に影響する。この
寸法変化の程度が、画像形成材料の各色毎に異なるとき
は、多色刷りした被印刷物の見当精度を不良ならしめる
こととなる。そこで本発明者らは、熱膨張特性が所定の
範囲にある保護膜を使用することにより、多色刷りの場
合でも、満足すべき見当精度を有する被印刷物が得られ
ることを見いだしたのである。
【0015】図1は、保護膜の熱膨張による寸法変化の
状態を示す模式図である。図1中に記載された記号の意
味を次に説明する。 △T:画像露光時の画像形成材料の温度と圧胴に添着し
た時の画像形成材料の温度との差、 a:圧胴の円周方向に対して+45°方向または−45
°方向の熱膨張係数の内小さい方の熱膨張係数、 F:圧胴の円周方向に対して+45°方向(時計回り方
向)または−45°方向(反時計回り方向)の熱膨張係
数の内、大きい方の熱膨張係数をaで割った値、 L:印刷面の圧胴円周方向の長さ、 MD:画像形成材料の円周方向、 E’:印刷面の圧胴円周方向の長さLの部位におけるM
D方向から圧胴軸線方向にずれた長さ、 αおよびθは次のように表示される。 α=tan-1[(1+a×△T)/(1+a×F×△
T)] θ=(π/4)−α
【0016】図1に示すように、保護膜は、方向により
異なる熱膨張係数の相違に基づき、加温されたとき、加
温前に実線で示すような長方形が加温下に破線で示すよ
うな平行四辺形に変形する。そして、画像形成材料に使
用される保護膜の熱膨張特性は、それぞれ異なってい
る。多色刷りのときには、一枚の画像受容体に対しそれ
ぞれ色の異なる数枚の画像形成材料が使用される。
【0017】図2は、保護膜を圧胴に取り付けた後の変
形を示す模式図である。圧胴に取り付けられた保護膜
は、上辺側(くわえ側)はピンバーにより固定されるた
め、図2に示すような傾きをもって圧胴上に添着され
る。図2において、保護膜上辺側と保護膜下辺側のMD
方向における圧胴軸線方向のずれ長さE’はE’=Lt
an2θで表示される。a×△Tが小さい場合には、
E’は次の近似式で表示される。 E’=L×a×△T×(F−1) 一枚の画像受容体に多色刷りを施すために逐次使用され
るn枚の画像形成材料の保護膜のずれ長さの差Eは、各
保護膜のずれ長さがE1’〜En’であるときには、 E=│E1’−En’│ [ただし、E1’〜En’は、図2において+45°側
の熱膨張係数が−45°側の熱膨張係数よりも大きいと
きにはプラスとして、−45°側の熱膨張係数が+45
°側の熱膨張係数よりも大きいときにはマイナスとして
取り扱うものとする。]多色刷りを実施するときに使用
される画像形成材料の保護膜について、各保護膜のずれ
長さE’と見当精度との関連について種々の検討を加え
た。その結果、保護膜間のずれ長さの差Eが0.1以
下、好ましくは0.06以下、さらに好ましくは0.0
3以下、最も好ましくは0.01以下である保護膜を使
用したとき、多色刷りした印刷物は満足すべき見当精度
を達成しうることを見いだした。
【0018】本発明者らは、上記したように画像形成材
料の保護膜のずれ長さの差Eを制御することにより多色
刷り印刷物に満足できる検討精度を達成できることを見
いだし、特願平6−62112号で提案した。しかし保
護膜の熱膨張係数を測定するのは時間のかかる作業であ
り、画像形成材料の製造時に保護膜の特性を管理するの
には、必ずしも好都合な物ではなかった。そこで本発明
者らは種々の検討を進めたところ、熱膨張係数の測定に
代えて超音波の伝播速度の測定もまた、保護膜の特性管
理に満足すべき結果を与えることを見いだし本発明に到
達した。保護膜における超音波の伝播速度は、保護膜の
熱膨張係数と一定の相間関係を有しており、式(1)、
式(2)に基づいて測定された保護膜間のずれ長さの差
Eにおいて満足すべき値は、熱膨張係数の測定に基づい
た保護膜間のずれ長さの差Eと同一である。超音波の伝
播速度の測定装置は、市販品として容易に入手できる。
また伝播速度の測定は、簡便、迅速に実施できるもので
あった。
【0019】式(1)、式(2)中、Q、Cは保護膜の
種類、厚さによって決定される定数である。Q、Cの値
は、保護膜の材質、厚さによって異なるので、予め所望
の保護膜について熱膨張係数と超音波伝播速度を測定し
て、両者の関係を近似する回帰式からQを求めておく必
要がある。下記実施例で用いたPETフィルム(厚さ1
00μm)の場合、C=2.95×10-4、Q=0.3
1であった。なお、保護膜の熱膨張係数aと超音波伝播
速度Sとの間は次の回帰式で表示される。 a=c×QS [式中、cおよびQは保護膜の種類等により決定される
定数である。]
【0020】以下本発明を実施例に基づいてより詳細に
説明する。各例において、部および%は特にことわりの
無い限りそれぞれ重量部および重量%を意味する。以下
の各実施例、比較例で使用した保護膜は次の通りであ
る。保護膜:離型処理した厚さ100μmの二軸延伸ポ
リエチレンテレフタレートフィルム(以下PETとい
う)。保護膜の超音波伝播速度測定結果とそれに基づく
式(1)により算出されたずれ長さE’を表1に示す。
なお超音波伝播速度の測定は次のようにして実施した。
保護膜の表面上に振動子を置き、そこから15cmの距
離のところに検出子を置く。周波数25KHzで振動を
開始してから検出されるまでの時間差に基づき、保護膜
の面積方向における伝播速度を測定した。測定器として
は“ソニックシートテスターSST”(野村商事(株)
製)を使用した。
【0021】 表1 保護膜の特性:保護膜 L R E’(μm) A 2.152 2.104 10.2 A’ 2.231 2.200 5.9 B 2.563 1.918 123.1 B’ 2.722 2.044 109.7 C 1.935 2.516 −112.3 注:SL;圧胴の円周方向(図2のMD方向)に対し左
45°(−45°)方向の伝播速度、 SR;圧胴の円周方向(図2のMD方向)に対し右45
°(+45°)方向の伝播速度、 E’;式(1)に、L=500mm、△T=15℃、C
=2.95×10-4、Q=0.31を導入したときのL
=500mmの部位における圧胴の軸線方向におけるM
D方向からのずれ長さ(単位μm)。ただし式(1)で
はE’の単位はmmであるが、表1では値を1000倍
してμm単位で表示した。
【0022】実施例1〜2、比較例1〜3 下記組成からなる感光性層用の液を調整した。 ジアリルイソフタレートプレポリマー(“ダイソーイソダップ”、大阪曹達(株) 製) 21.23部 ジペンタエリスリトールアクリレート(“DPHA”、日本化薬(株)製) 7.08部 付加重合開始剤(ベンゾフェノン) 0.50部 4,4ビス−ジエチルアミノベンゾフェノン(“FAB”、保土ケ谷化学(株)製 ) 0.17部 ハイドロキノン 0.001部 顔料(マゼンタ用カーミン7BFG4412またはシアン用リオノールブルーF G7300) 5.0部 トルエン 38.0部 メチルエチルケトン 40.0部
【0023】上記した感光性用液を厚さ12μmの二軸
PETフィルムに乾燥膜厚が2.4μmとなるように塗
工し、乾燥した。ついで該塗工面に保護膜の離型面を重
ねた後、ローラー温度40℃のラミネーターで貼り合わ
せて画像形成材料を作成した。作成した画像形成材料の
大きさは670mm×670mmである。ガラス板の表
面温度28℃の露光機を使用して、この画像形成材料に
画像露光した。ついで図2に示した画像転写装置を用い
て、シアン、マゼンタの順に上質紙に画像を転写し、2
色刷りの画像を形成した。この時の圧胴の表面温度は4
1℃であった。比較例3および4は、露光機のガラス板
表面温度35℃、圧胴表面温度37℃(△T=2℃)と
した他は実施例1と同様に操作して2色刷りの画像を形
成した。各実施例、比較例における保護膜の組合わせを
表2に示す。
【0024】 表2 シアン マゼンタ E 見当ずれ 温度差 保護膜 保護膜 実施例1 A A’ 30μm以内 良好 15℃ 実施例2 B B’ 30μm以内 良好 15℃ 比較例1 A B 100■140μm 不良 15℃ 比較例2 B C 160■220μm 不良 15℃ 比較例3 A B 60■70μm 不良 2℃ 比較例4 B C 60■70μm 不良 2℃ 注:見当ずれは、有効印刷長500mmの印刷面下辺付
近(くわえ尻側)を観察して評価した。
【0025】
【発明の効果】本発明によれば、熱転写方式の画像形成
方法を用いて多色刷りを実施する際に、各色毎に使用さ
れる保護膜の超音波伝播速度が保護膜内の所定角度にお
いて所定の範囲内であるような保護膜を組み合わせて用
いることにより、保護膜の熱膨張係数の相違に基づく見
当不良を防止できる画像転写方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】保護膜の熱膨張による寸法変化を示す模式図で
ある。
【図2】保護膜を圧胴に取り付けた後の寸法変化の状態
を示す模式図である。
【図3】画像転写装置の概略断面図である。
【符号の説明】
1 転写胴 5 爪 6 爪座 7 駆動軸 9 画像受容体抑え用バー 11 圧胴 23 しごきローラー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−235793(JP,A) 特開 平7−244379(JP,A) 特開 平7−244380(JP,A) 特開 平7−43904(JP,A) 実開 平5−43146(JP,U) 実開 平5−43147(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03F 7/004 G03F 3/10 G03F 7/11 G03F 7/34

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体と、該支持体の一方の面に設けら
    れた感光性層と、該感光性層上に設けられた保護膜とか
    らなる画像形成材料を添着できる圧胴と画像受容体を添
    着できる転写胴とを具備し、圧胴および/または転写胴
    を回転して圧胴添着後保護膜を剥離した画像形成材料お
    よび転写胴に添着した画像受容体を圧胴と転写胴との間
    のニップに導入し、画像露光により形成された感光性層
    の画像を画像受容体に転写する方法において、 一枚の画像受容体に対し複数の画像形成材料を逐次使用
    して多色刷りを施すときに、該画像形成材料の保護膜が
    式(3)に示す条件を満足することを特徴とする画像転
    写方法、 E’=L×a×△T×(Q(S1-S2)−1) (1) [式中、各記号は次の意味を表す、 △T:画像露光時の画像形成材料の温度と圧胴に添着し
    た時の画像形成材料の温度との差、 L:印刷面の圧胴円周方向の長さ(単位:mm)、 S1:画像形成材料のくわえ側からみた方向が圧胴の円
    周方向に対して、+45°方向または−45°方向の超
    音波の伝播速度のうち小さい方向の値(単位:km/
    s)、 S2:画像形成材料のくわえ側からみた方向が圧胴の円
    周方向に対して、+45°方向または−45°方向の超
    音波の伝播速度のうち大きい方向の値(単位:km/
    s) Q:保護膜の種類により決められる定数、 E’:印刷面の圧胴円周方向の長さLの部位における圧
    胴軸線方向のずれ長さ(単位:mm)、 aは式(2)により求める a=C×QS2 (2) C:保護膜の種類により決められる定数、]で表示され
    る保護膜のずれ長さE’が、n枚の保護膜について
    1’〜En’であるとき、 E=│E1’−En ’│≦0.1 (3) [ただし、E1’、En’は、+45°方向側の超音波
    の伝播速度が−45°方向側の超音波の伝播速度よりも
    大きいときにはマイナスとして、−45°方向側の超音
    波の伝播速度が+45°方向側の超音波の伝播速度より
    も大きいときにはプラスとして取り扱うものとす
    る。]。
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