JP3094820B2 - 画像転写装置 - Google Patents

画像転写装置

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JP3094820B2 JP33895994A JP33895994A JP3094820B2 JP 3094820 B2 JP3094820 B2 JP 3094820B2 JP 33895994 A JP33895994 A JP 33895994A JP 33895994 A JP33895994 A JP 33895994A JP 3094820 B2 JP3094820 B2 JP 3094820B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、印刷品質に優れた印刷
物を提供できる画像転写装置に関する。さらに詳しく
は、圧胴表面のハードタイプのブランケット層の下に少
なくとも一枚の薄い合成樹脂フィルムおよび/または紙
の層を設けた画像転写装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近来、支持体の一方の面に感光性層を塗
布した画像形成材料を画像露光し、ついで感光性層に形
成された画像を、加温下、一般には100℃前後で、紙
等の画像受容体に転写する校正印刷等に適した単色また
は多色のプリプレスプルーフが作成されるようになって
きた。画像形成材料としては、支持体と、該支持体の一
方の面に形成された感光性層、および保護膜とからな
る。支持体および保護膜はセルロースアセテート、ポリ
スチレン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレー
ト等の材料からなる薄いフィルムまたはシートが使用さ
れる。画像受容体としては、紙、フィルム等適宜選択さ
れた被印刷物が採用される。
【0003】上記プリプレスプルーフ等の作成用装置と
して、画像形成材料を添着した圧胴と画像受容体を添着
した転写胴とを、画像形成材料の感光性層と画像受容体
とを相対するようにして両胴を接触加圧させ、両胴間の
ニップにおいて感光性層に形成された画像を画像受容体
に転写する装置が一般に提案されている。多色の印刷物
あるいはプリプレスプルーフを製造するためには、カラ
ー原稿を色分解し、それぞれの色例えばイエロー、マゼ
ンタ、シアンおよびブラックの画像露光された画像形成
材料を作成し、ついで順次これらの画像形成材料の感光
性層に形成された画像を画像受容体に転写することとな
る。このため多色のプリプレスプルーフ等を作成する場
合には、同一の画像受容体に対し数枚の画像形成材料が
使用される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、上記し
た画像形成装置を用いて美麗な印刷物を得るべく鋭意研
究に努めてきた。ところが研究を進めるうちに、印刷物
に次のような欠陥を生ずることを見いだした。その一つ
は、多色刷りにおいて、ベタ画像の重ね転写を行う場合
に、2色目以降の画像形成材料の感光性層が均一に転写
されず、小さなヌケが多数発生することを見いだした。
その二つは、このような画像欠陥は、アート紙、コート
紙のような平滑度の高い被印刷物に転写するときに発生
し易いことを見いだした。本発明の目的は、転写物すな
わち印刷物に上記欠陥を生ずることのない美麗な印刷物
を提供できる画像転写装置を提供するにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、画像形成材料
を添着した圧胴と画像受容体を添着した転写胴とを具備
し、圧胴および転写胴の回転により画像形成材料および
画像受容体を圧胴と転写胴との間のニップに導入して該
形成材料の感光性層に形成された画像を画像受容体に転
写する装置において、圧胴が、圧胴表面に設けたハード
タイプのブランケット層の下に薄い合成樹脂フィルムお
よび/または紙の層を設けたことを特徴とする画像転写
装置を提供する。
【0006】以下本発明を添付図面に基づいて詳細に説
明する。図1は、本発明の画像転写装置で使用される画
像転写装置の概略断面図を示し、図2は本発明の画像転
写装置で使用される圧胴表面の概略断面図を示す。図3
は従来の画像転写装置で使用されてきた圧胴表面の概略
断面図を示す。
【0007】以下本発明での使用に適した画像転写装置
の構成について図1により説明する。転写胴1の表面に
一部切り欠け部2を設け、この一部切り欠け部内に画像
受容体の上辺側(くわえ側)添着手段である爪3および
爪座4からなるクランプ、および下辺側(くわえ尻側)
添着手段である爪5および爪座6からなるクランプを設
置する。爪3および爪5には、爪を手動または電動等の
駆動手段により駆動できる駆動軸7を設け、該駆動軸の
回動により爪を開閉する。紙等の画像受容体(図示せ
ず)は、くわえ側クランプにより把持した後、画像受容
体を引張りながら矢印方向に転写胴を回転し、ついでく
わえ尻側クランプで画像受容体を把持することにより転
写胴に添着される。
【0008】圧胴8には一部切り欠け部9を設け、該切
り欠け部内で圧胴8の表面に巻いたブランケット10を
ブランケット固定手段11により固定する。一部切り欠
け部9と圧胴表面(円周面)との間に傾斜部12を設
け、該傾斜部にピンバー13を設置する。ピンバー13
の設置は、ピンバーのピンに対応した位置に孔を開けた
ブランケットでピンバーを圧胴表面に押し付けることで
実施される。ピンバー13はその先端が圧胴8の円周面
よりも外側に出ない高さとする。圧胴8および転写胴1
が回転した時にピンバー13あるいは転写胴1の表面を
傷付けないためである。一部切り欠け部9内にマグネッ
トシート14を回動自在に取付ける。圧胴表面のピンバ
ー13を設置した傾斜部12近傍および一部切り欠け部
9の他の傾斜部近傍の圧胴表面に粘着テープ15を設け
る。マグネットシート14は、矢印と逆方向に倒した時
に、粘着テープ15に届かないがピンバー13を覆うに
十分な幅とする。画像形成材料の上辺側ピンバー13に
対応した孔を設け、これらの孔をピンバー13に挿入し
た後マグネットシート14で画像形成材料を抑え、つい
で圧胴8を矢印方向に回転して、画像形成材料の上辺お
よび下辺を粘着テープ15で圧胴表面に固定する。
【0009】以下本発明での使用に適した画像転写装置
についてその作用を説明する。圧胴への画像形成材料お
よび転写胴への画像受容体の添着が終了した後、画像形
成材料から保護膜を剥離する。ついで圧胴および転写胴
を図1に示す矢印方向に回転して、圧胴と転写胴との間
で形成されたニップにより、感光性層に形成された画像
を、画像受容体に転写する。この画像受容体への転写に
おいて、ベタ画像を重ね転写するときに、2色目以降の
画像のベタ部分が均一に転写されず、小さなヌケが多数
発生する。本発明者らは、このような欠陥を生ずる原因
について種々研究に努めた結果、画像形成材料のニップ
導入直前に、画像形成材料の支持体に何らかの歪みを生
じるものと推定した。さらにこの歪みが、画像形成材料
と画像受容体との間に空気を巻き込むこととなり、画像
形成材料と画像受容体との間に十分な密着を生ぜしめ
ず、これが上記した転写欠陥を生ずるものと推定した。
【0010】図2は、上記した転写欠陥を防止できる圧
胴表面の概略断面図を示す。図中、記号20は圧胴構成
部材、一般にはアルミニウムを示し、記号21は合成樹
脂フィルムおよび/または紙を示し、記号22はブラン
ケットを示す。図3は、従来の圧胴表面の概略断面図を
示す。図中、記号23はコルクシートを示す。ブランケ
ットとしては一般に、ゴム層と布層を数層積層したもの
が使用され、弾性、復元性等を考慮し、ハードタイプの
ものから選択される。ブランケットとしては、ハードタ
イプとセミハードタイプの2種類が一般に市販されてい
る。ハードタイプとは、1.9mm厚さのブランケット
の場合には、面積3cm2の金属片でブランケット表面
(ゴム層側)から圧力を加えたときに、0.2mm歪ま
せる圧力が70超〜90kgf/3cm2であるものを
いう。なお厚さ1.65mmのブランケットの場合に
は、同圧力で0.15mm歪むものをいう。セミハード
タイプとは、1.9mm厚さのブランケットの場合、
0.2mm歪ませる圧力が50〜70kgf/3cm2
であるものをいう。なお厚さ1.65mmのブランケッ
トの場合には、同圧力で0.15mm歪むものをいう。
合成樹脂フィルムとしては、セルロースアセテート、ポ
リスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレ
ート等の材料からなる薄いフィルムが使用される。この
合成樹脂フィルムは、厚さ50〜350μm、好ましく
は50〜200μmの範囲から適宜選択される。紙とし
ては、比較的厚手の厚さ0.15mm以上のものから選
択される。転写適性の向上を図るため転写胴表面は、8
0〜120℃程度通常100℃前後の温度に加温され
る。この熱が圧胴表面にも伝熱される。このため、紙と
しては熱劣化を防止できるよう耐熱処理されたものが好
ましく使用される。
【0011】従来の圧胴表面は、圧胴構成部材通常アル
ミニウムの上にコルクシートを積層し、その上にセミハ
ードタイプのブランケットが積層されている。良好な画
像転写を実現するため、コルクシートおよびブランケッ
トにより適切な弾性を保持するためである。本発明者ら
は、ベタ画像を2色以上転写するときに生ずるヌケを解
決するため、鋭意研究に努めて来た。その結果、意外に
も、従来使用されてきたコルクシートの代わりに合成樹
脂フィルムおよび/または紙を使用し、かつ従来使用さ
れてきた比較的軟らかいセミハードタイプのブランケッ
トの代わりにハードタイプのブランケットを使用するこ
とにより、上記欠陥を著しく防止できることを見いだ
し、本発明に到達した。合成樹脂フィルムおよび紙は、
圧胴表面に少なくとも一枚は必要である。しかし、転写
胴と圧胴との間の周長調整用にも使用されるため、適宜
複数枚積層される。合成樹脂フィルム,紙、およびブラ
ンケットは、圧胴表面に設けられたブランケット固定手
段11(図1)により固定される。
【0012】本発明で使用される画像形成材料の感光性
層は、紫外線等の活性光線による画像露光により露光部
と未露光部に粘着性の差が生じ、粘着性の高い領域が画
像受容体に転写できる性質を有する層である。画像露光
により、粘着性が低下するような材料としては、染料ま
たは顔料等の着色剤と重合開始剤とをラジカル重合可能
なエチレン性不飽和結合を有する化合物に添加したもの
である。この層には、粘着性を調節するためエチレン性
不飽和結合を有する化合物との相溶性に優れた重合性を
有しない樹脂を適宜配合してもよい。さらに、増感剤、
熱重合禁止剤等を添加してもよい。着色剤としては、有
機顔料、染料、カーボンブラック等の従来公知のものが
使用でき、その配合量は全感光性層の5〜50重量%、
好ましくは9〜20重量%である。必要な色相を得るた
めに、数種の着色剤を混合することもできる。
【0013】ラジカル重合可能なエチレン性不飽和結合
を有する化合物は、モノマー、オリゴマー等から選択で
きる。このような化合物としては、次のものが例示され
る。2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、エチ
レングリコールジアクリレート、ジエチレングリコール
ジアクリレート、1.6−ヘキサンジオール(メタ)ア
クリレート、トリメチロールプロパンアクリレート、ペ
ンタエリスリトールトリアクリレート、ジペンタエリス
リトールヘキサアクリレート等。感光性層は、上記材料
を有機溶剤に溶解、分散し、支持体上に塗工される。感
光性層の厚さは0.5〜3.5μm、さらには1.2〜
2.3μmが好ましい。感光性層の厚さが薄すぎると十
分な画像濃度を得ることが困難であり、厚すぎると画像
受容体として表面の粗い紙を使用した場合、転写時に画
像エッジ部の乱れが発生するため好ましくない。
【0014】以下本発明を実施例に基づいてより詳細に
説明する。以下の各例において、部および%は特に断り
の無い限りそれぞれ重量部および重量%を意味する。 実施例1〜2 下記組成からなる感光性層用の液を作成した。 ジアリルイソフタレートプレポリマー(“ダイソーイソダップ”、大阪曹達(株) 製) 21.23部 ジペンタエリスリトールアクリレート(“DPHA”、日本化薬(株)製) 7.08部 付加重合開始剤(ベンゾフェノン) 0.50部 4,4−ビス−ジエチルアミノベンゾフェノン(“FAB”、保土ケ谷化学(株) 製) 0.17部 ハイドロキノン 0.001部 顔料(マゼンタ用カーミン7BFG4412またはシアン用リオノールブルーF G7300) 5.0部 トルエン 38.0部 メチルエチルケトン 40.0部
【0015】この感光性層用液をバーコーターを用いて
厚さ12μmのポリエチレンテレフタレートフィルム上
に塗布して乾燥膜厚2.4μmの感光性層を形成した。
この感光性層上に保護フィルムを貼着して画像形成材料
を作成した。この画像形成材料(シアン色)を画像露光
した後、図1に示す画像転写装置の圧胴に画像形成材料
を、転写胴にアート紙を添着した。画像形成材料から保
護フィルムを剥離した後、圧胴と転写胴を矢印方向に回
転して、ベタ部のある画像をアート紙に転写した。つい
で、マゼンタ色の画像形成材料についても、同様に操作
して上記アート紙に転写した。圧胴用ブランケットとし
て厚さ1.9mmのハードタイプのブランケット(藤倉
ゴム(株)製、“FD650”)を使用した。ブランケッ
ト層の下にそれぞれ厚さ200μm(実施例1)、30
0μm(実施例2)のポリエチレンテレフタレートフィ
ルムを2層に巻き付けたものを使用した。試験結果を表
1に示す。
【0016】比較例1 画像形成材料として、実施例1と同じものを使用し、圧
胴として、厚さ1.9mmのセミハードタイプのブラン
ケット(藤倉ゴム(株)製、“FD640”)の下に厚さ
0.45mmのコルクシートを巻き付けたものを使用し
た他は、実施例1と同様に操作して、感光性層の画像を
アート紙に転写した。試験結果を表1に示す。
【0017】 表1 フ゛ランケット下層 ヘ゛タ部欠陥 網点画像部転写性 実施例 1 厚さ400μm 発生せず 良好 2 厚さ600μm 発生せず 良好 比較例 1 コルクシート あり 良好 注:厚さ400μmとは、ブランケット層の下で圧胴の
表面に厚さ200μmのポリエチレンテレフタレートフ
ィルムを2層に巻き付けたことを意味する。
【0018】
【発明の効果】本発明によれば、多色のプリプレスプル
ーフ、印刷物において、2色目以降のベタ部にヌケが発
生することがなく、かつ網点、細線部にカスレが発生す
ることのない画像転写装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】画像転写装置の概略断面図である。
【図2】本発明の圧胴表面の概略説明図である。
【図3】従来の圧胴表面の概略説明図である。
【符号の説明】
1 転写胴 8 圧胴 20 圧胴の構成部材 21 ポリエチレンテレフタレートフィルム 22 ブランケット 23 コルクシート
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B41F 13/08 - 13/18 B41N 10/00 - 10/04 B41N 6/00 - 6/02

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 画像形成材料を添着した圧胴と画像受容
    体を添着した転写胴とを具備し、圧胴および転写胴の回
    転により画像形成材料および画像受容体を圧胴と転写胴
    との間のニップに導入して該形成材料の感光性層に形成
    された画像を画像受容体に転写する装置において、 圧胴が、圧胴表面に設けたハードタイプのブランケット
    層の下に少なくとも一枚の薄い合成樹脂フィルムおよび
    /または紙の層を設けたことを特徴とする画像転写装
    置。
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