JP3003033U - モップ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 構造が簡単で拭布の着脱が容易なモップを得
る。 【構成】 柄棒１の先端に取り付けられた拭布取付体２
を、柄棒に固定するための柄棒側部材１０と、細長い１
枚のプレート１７を有する拭布側部材１１とを、角度調
節自在に連結することにより構成し、拭布３の上面に、
上記プレートを挿入するための細長いポケット１６を設
け、該ポケットの長さ方向の一半部に、上記プレート１
７を横方向に出し入れ可能な開閉自在の開口部１６ａを
備えると共に、プレートを挿入した状態で該開口部１６
ａを閉止するためのフック３６ａ，３６ｂを設ける。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案はモップに関するものであり、更に詳しくは、拭布が交換可能なモップ の改良に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

拭布が交換可能なモップとして、従来、操作用の柄棒と、該柄棒の先端に取り 付けられた拭布取付体と、該拭布取付体に着脱自在の拭布とからなっていて、該 拭布が、上面の相対する位置に２つのポケットを備え、拭布取付体が、これらの ポケットに挿入するための折曲自在のプレートを備えた構成のものが知られてい る。このモップは、２つのプレートを折り曲げた状態で両プレートを上記ポケッ ト内に挿入したあと、両プレートを真直に伸長させることにより、該プレートを ポケット内に完全に挿入して拭布の装着を完了するもので、装着した拭布を取り 外すときは、両プレートを折り曲げて装着のときとは逆の操作を行う。

【０００３】 しかしながら、上記従来のモップは、２つのプレートを折り曲げたり伸ばした りして拭布を着脱しなければならないため、その着脱作業が面倒で、手も汚れ易 いという欠点がある。また、上記拭布取付体が折曲自在の２つのプレートを備え ているため、部品数が多くなって該拭布取付体の構造が複雑になり、その分製造 や組み立てに手数を要するばかりでなく、故障も発生し易く、さらに、合成樹脂 で成形するに当って複雑で高価な型を必要とするためコストも高くなるといった 問題もある。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

本考案の主要な課題は、構造が簡単で拭布の着脱が容易なモップを提供するこ とにある。 本考案の他の課題は、回動部分の摩耗を防止して耐久性を高めたモップを提供 することにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

上記課題を解決するため、本考案によれば、柄棒と、該柄棒の先端に取り付け られた拭布取付体と、該拭布取付体に着脱自在の拭布とからなり、上記拭布取付 体が、柄棒に固定するための柄棒側部材と、上記拭布を装着するための、細長い １枚のプレートの長さ方向一端寄りの位置に幅方向の一方の側縁から立ち上がっ た連結腕を有する拭布側部材とからなっていて、該拭布側部材の連結腕に柄棒側 部材を角度調節自在に連結することにより構成され、上記拭布が、上記拭布取付 体のプレートを挿入するための細長いポケットを上面に有し、該ポケットが、長 さ方向の一半部に上記プレートを横方向に出し入れ可能な開閉自在の開口部を備 えると共に、プレートを挿入した状態で該開口部を閉止するためのフックを備え ている、ことを特徴とするモップが提供される。 本考案の具体例においては、上記拭布取付体における柄棒側部材と拭布側部材 とが、何れか一方の部材の連結用接合面に大径の円筒軸を設け、他方の部材の接 合面に、上記大径円筒軸内に嵌入可能な小径の円筒軸と上記大径円筒軸が嵌入可 能な軸受孔とを設け、上記大径円筒軸内に小径円筒軸を嵌入すると共に、大径円 筒軸を軸受孔内へ嵌入することにより、相互に回動自在に連結されている。 また、本考案においては、拭布取付体における柄棒側部材と拭布側部材との角 度を調節するための機構が、何れか一方の部材の接合面に設けられた突子と、他 方の部材の接合面に形成された係合用の窪みとからなり、該窪みが、円筒軸を取 り囲む円周上に所要の角度で複数配設されている。 上記窪みは、少なくとも柄棒側部材がプレートと平行をなす位置と直角をなす 位置との間に、３０度間隔で配設されている。

【０００６】

【作用】

上記構成を有するモップにおいて、拭布取付体に拭布を取り付ける場合は、ポ ケットの開口部を開放し、該開口部を通じて拭布取付体のプレートをポケット内 に斜め横方向から挿入したあと、開口部を閉じてフックで止着する。拭布を取り 外すときは、上記取り付ける場合とは逆の操作を行えば良い。これにより、上記 拭布の着脱を簡単且つ迅速に行うことができる。 また、プレートを折り曲げるための複雑な機構を一切必要としないため、拭布 取付体の構成を簡単にすることができる。

【０００７】

【実施例】

以下、本考案の一実施例を図面を参照しながら詳細に説明する。 図１に示すモップは、金属パイプ又は合成樹脂パイプのような軽量で強度の大 きい素材からなる柄棒１と、該柄棒１の先端に取り付けられた合成樹脂製の拭布 取付体２と、該拭布取付体２に着脱自在の拭布３とで構成されている。４は柄棒 １の上端に固定された合成樹脂製のグリップである。

【０００８】 上記拭布取付体２は、図３及び図４からも分るように、上記柄棒１に固定する ための柄棒側部材１０と、上記拭布３を装着するための拭布側部材１１とからな っており、これらの部材が相互に角度調節自在に連結されている。

【０００９】 上記柄棒側部材１０は、中間部が膨らんだ形の棒状をなしていて、その膨らん だ部分の断面形状は楕円をなし、その内部には柄棒１を嵌着するための柄棒取付 孔１３が軸線方向に穿設され、下端部には、拭布側部材１１を連結するための平 らな接合面１４ａを内側に備えた連結部１４が形成されている。

【００１０】 また、拭布側部材１１は、拭布３のポケット１６に挿入するための細長い１枚 のプレート１７と、該プレート１７の長さ方向一端寄りの位置に、その幅方向の 一方の側縁から立ち上がった形に形成された連結腕１８とからなり、該連結腕１ ８はプレート１７の内側に向けて折り曲げられ、その上端に形成された連結部１ ９の接合面１９ａが、プレート１７の幅方向のほぼ中央部に位置している。

【００１１】 上記柄棒側部材１０と拭布側部材１１とは、図５及び図６に示すような機構に より連結されている。即ち、拭布側部材１１における連結部１９の接合面１９ａ には、大径の円筒軸２１が形成され、これに対して、柄棒側部材１０における連 結部１４の接合面１４ａには、上記大径円筒軸２１内に嵌入可能な小径の円筒軸 ２２と、大径円筒軸２１が嵌入可能な軸受孔２３とが形成され、上記両接合面を 接合させて、大径円筒軸２１内に小径円筒軸２２を嵌入すると共に、大径円筒軸 ２１を軸受孔２３内へ嵌入した状態で、連結腕１８及び柄棒側部材１０の両側か ら一対の止着片２４，２５を小径円筒軸２２内に嵌入し、これらの止着片の係止 部２４ａ，２５ａを相互に係止させることにより、上記柄棒側部材１０と拭布側 部材１１とが相互に回動自在なるように連結されている。

【００１２】 このように、大径円筒軸２１内に小径円筒軸２２を嵌合すると共に、大径円筒 軸２１を軸受孔２３に嵌合した状態で両部材１０，１１を連結することにより、 これら両部材１０，１１の回動を安定させることができるばかりでなく、回動に 伴う摩耗を防いで連結部１４，１９の耐久性を高めることができる。 なお、上記大径円筒軸２１を柄棒側部材１０の接合面１４ａに設け、小径円筒 軸２２と軸受孔２３とを拭布側部材１１の接合面１９ａに設けても良いことは勿 論である。

【００１３】 上記柄棒側部材１０と拭布側部材１１とを所要の角度に傾動させ得るようにす るため、ラチェット機構が設けられている。このラチェット機構は、図３、図５ 及び図６に示すように、拭布側部材１１の接合面１９ａに取り付けられた小球か らなる突子２８と、柄棒側部材１０の接合面に形成された係合用の複数の窪み２ ９とからなるもので、該窪み２９を、円筒軸２２を取り囲む円周上に所要の角度 で複数配設することにより、これらの突子２８と窪み２９との係止力によって柄 棒１をその位置に保持し得るようになっている。図示の実施例では、上記窪み２ ９を、柄棒１の傾斜角が０度の位置、即ち、プレート１７と平行をなすＡの位置 から、傾斜角が１８０度の位置、即ちＢの位置までの間に、３０度間隔で設ける ことにより、柄棒１の角度を３０度ずつ変えることができるようにしている。 なお、柄棒１の傾斜角度を変えるときは、上記突子２８と窪み２９との係止力 を上回る力で柄棒１を回動させれば良い。

【００１４】 かくして柄棒１の角度を複数段階に調節自在とすることにより、清掃作業を効 率良く行うことができる。即ち、モップで床面等を拭くときには、柄棒１の角度 をある程度の力を必要とする拭き掃除に適した角度（例えば３０度）に調整し、 床面を掃くときには、それほどの力を必要としない掃き掃除に適した姿勢を保持 し得る角度（例えば６０度）に調整するなど、その作業内容に最も適した角度に 調整することができる。また、机の下や狭い隙間等を清掃する場合には、柄棒１ の角度をプレート１７と平行である０度にすることもでき、モップを保管したり 運搬するような場合には、柄棒１の角度をプレート１７と直交する９０度にする こともできる。

【００１５】 なお、図示の実施例では、上記窪み２９を、柄棒１の傾斜角がプレート１７と 平行をなす０度の位置（Ａ位置）から１８０度の位置（Ｂ位置）までの間に３０ 度間隔で設けているが、少なくとも０度の位置からプレート１７と直交する９０ 度の位置（Ｃ位置）までの間に３０度間隔で設ければ良く、Ｃ位置からＢ位置ま での間には、必ずしも３０度間隔で設ける必要がない。

【００１６】 また、上記拭布３は、図１乃至図３から分かるように、上面に上記プレート１ ７を挿入するための細長いポケット１６を備えた長楕円形の基体部３１と、該基 体部３１の下面に取り付けられた多数の紐からなる払拭体３２とで構成されてい る。上記ポケット１６は、基体部３１と略同形の布片３３を、その外周の一部を 除く残りの部分、即ち、長さ方向の一半部におけるほぼ片側の側縁部分を除く残 りの部分である、ａ点からｂ点を経てｃ点に至る外周部において、基体部３１に 逢着することにより形成されたもので、上記布片３３の逢着されない自由部分３ ３ａにより、上記プレート１７を横方向に出し入れ可能な開閉自在の開口部１６ ａが形成されている。上記布辺３３の自由部分３３ａとその下部に位置する止着 片３５とには、上記開口部１６ａを閉止するための一対のフック３６ａ，３６ｂ が設けられている。また、上記開口部１６ａにおいては、布片３３の側縁に、プ レート１７の連結腕１８から逃げるための内側に向けて湾曲する湾曲部３３ｂが 形成されている。

【００１７】 上記構成を有するモップにおいて、拭布取付体２に拭布３を取り付けるに当っ ては、図１に示すように、布片３３の自由部分３３ａを持ち上げることによりポ ケット１６の開口部１６ａを開放し、該開口部１６ａを通じて拭布取付体２のプ レート１７をポケット１６内に斜め横方向から挿入したあと、自由部分３３ａを 閉じてフック３６ａ，３６ｂで止着する。図２はこの状態を示している。また、 拭布３を取り外すときは、上記取り付ける場合とは逆の操作を行えば良い。

【００１８】 この結果上記モップは、プレート１７を二つに折り曲げて着脱する従来のモッ プに比べ、拭布取付体２に対する拭布３の取り付け及び取り外しを簡単且つ迅速 に行うことができる。しかも、プレート１７を折り曲げるための複雑な機構を一 切必要としないため、拭布取付体２の構成を簡単にすることができる。 また、上記モップは、プレート１７の長手方向一端寄りの位置に、一方の側縁 から立ち上がった連結腕１８を介して柄棒１を連結しているため、該プレート１ ７をほぼ全体としてポケット１６内に挿入することができ、これにより、拭布３ の取り付けを確実にすることができる。 更に、上記の如く構成されたモップは、拭き操作だけでなく、掃き操作にも適 するものであり、しかも、柄棒１の角度が調節自在であるため、その作業内容に 最も適した角度に柄棒１を調整することにより、清掃を効率よく行うことができ る。

【００１９】

【考案の効果】

本考案のモップによれば、拭布に形成した開閉自在のポケットに、拭布取付体 に設けた１枚のプレートを横方向に挿脱するように構成したので、該拭布取付体 に対する拭布の着脱を簡単且つ迅速に行うことができ、しかも、拭布取付体に１ 枚のプレートを設けるだけで、折曲自在の２枚のプレートを設ける必要がないた め、折曲のための複雑な機構が一切不要となり、この結果、該拭布取付体の構成 を非常に簡略化することができると共に、それを簡単且つ安価に製造することが できる。 また、拭布取付体と拭布側部材とを回動自在に連結するに当り、それらの接合 面に設けた大径円筒軸内に小径円筒軸を嵌合すると共に、大径円筒軸を軸受孔に 嵌合した状態で両部材を連結するようにしたので、これら両部材の回動動作を安 定させることができるばかりでなく、回動に伴う摩耗を防いで両部剤の耐久性を 高めることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係るモップの一実施例を示す、拭布を
装着していない状態での部分省略斜視図である。

【図２】図１のモップの拭布を装着した状態での横断平
面図である。

【図３】拭布取付体の正面図である。

【図４】図３の右側面図である。

【図５】図４における要部断面図である。

【図６】図５の分解図である。

【符号の説明】

１ 柄棒 ２ 拭布取付体 ３ 拭布 １０ 柄棒側部材 １１ 拭布側部材 １６ ポケット １７ プレート １８ 連結腕 ３４ 開口部 ３６ａ，３６ｂ
フック

Claims (4)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 柄棒と、該柄棒の先端に取り付けられた
   拭布取付体と、該拭布取付体に着脱自在の拭布とからな
   り、 上記拭布取付体が、柄棒に固定するための柄棒側部材
   と、上記拭布を装着するための、細長い１枚のプレート
   の長さ方向一端寄りの位置に幅方向の一方の側縁から立
   ち上がった連結腕を有する拭布側部材とからなってい
   て、該拭布側部材の連結腕に柄棒側部材を角度調節自在
   に連結することにより構成され、 上記拭布が、上記拭布取付体のプレートを挿入するため
   の細長いポケットを上面に有し、該ポケットが、長さ方
   向の一半部に上記プレートを横方向に出し入れ可能な開
   閉自在の開口部を備えると共に、プレートを挿入した状
   態で該開口部を閉止するためのフックを備えている、 ことを特徴とするモップ。
2. 【請求項２】 拭布取付体における柄棒側部材と拭布側
   部材とが、何れか一方の部材の連結用接合面に大径の円
   筒軸を設け、他方の部材の接合面に、上記大径円筒軸内
   に嵌入可能な小径の円筒軸と上記大径円筒軸が嵌入可能
   な軸受孔とを設け、上記大径円筒軸内に小径円筒軸を嵌
   入すると共に、大径円筒軸を軸受孔内へ嵌入することに
   より、相互に回動自在に連結されていることを特徴とす
   る請求項１に記載のモップ。
3. 【請求項３】 拭布取付体における柄棒側部材と拭布側
   部材との角度を調節するための機構が、何れか一方の部
   材の接合面に設けられた突子と、他方の部材の接合面に
   形成された係合用の窪みとからなり、該窪みが、円筒軸
   を取り囲む円周上に所要の角度で複数配設されているこ
   とを特徴とする請求項１又は２に記載のモップ。
4. 【請求項４】 上記窪みが、少なくとも柄棒側部材がプ
   レートと平行をなす位置と直角をなす位置との間に、３
   ０度間隔で配設されていることを特徴とする請求項３に
   記載のモップ。