JP3002679U - 三味線の撥皮 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ただ張ってあるのではなく、三味線本体の皮
を保護し、今までのように演奏にも差し支えないように
構成されているので、取替えも簡単にできるなどの効果
を有する三味線の撥皮の提供を目的とする。 【構成】 長唄・地唄三味線用の略半円状の形状に裁断
された撥皮本体１Ａと、この撥皮本体の裏面に塗布され
た接着剤１Ｂと、この接着剤の裏面に添着された剥離紙
１Ｃとから構成されている。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本案は、三味線用撥皮に関するものである。 撥皮は三味線本体の皮を保護するために用いられている。すなわち、撥を降ろ し皮に当てて引いた時に、撥の衝撃を糸の次に受け三味線本体の皮を傷付けない ために用いるものである。 そのため、撥皮は傷みが激しく何度となく取替えなければならない。 また、この撥皮を厚くして長持ちさせようとすると、今度は音に影響してきた り、弾き方等にも影響してくるものでもある。 撥皮は何度となく取替え、薄い方がよいとされている。

【０００２】

【従来の技術】

従来、この種の撥皮は、当該撥皮の裏に撥皮のり（撥皮を張るために売られて いるのり）を塗り、三味線本体の皮に接着し使用している。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

従来の技術で述べたものにあっては、下記のような問題点を有していた。 １．撥皮裏に撥皮のりを塗るため、指が汚れる。 ２．撥皮のりを塗った時、撥皮が丸まってしまい、大変張りづらいことがある 。 ３．撥皮を取替える時、剥がすのが大変で一般の人にはなかなか上手に剥がせ ない。 特に、上述公知の撥皮のりでは、接着の強度が弱いために、公知の一般ののり を使用し接着すると、今度は接着の強度が強すぎて三味線本体の皮を破いてしま うことがある。 ４．ビニールなどの合成樹脂で製作した撥皮は、ひいた時に撥皮が合成樹脂の ため撥が滑る。また、音の響きにも難点がある。

【０００４】 本願は、従来の技術の有するこのような問題点に鑑みなされたものであり、そ の目的とするところは、上述の問題を解決できるものを提供しようとするもので ある。 すなわち、ビニールなどの合成樹脂の撥皮では問題があるため、やはり猫、犬 の皮の撥皮が必要であると考え、猫、犬の皮のワンタッチ撥皮に構成したもので ある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するために、本考案のものは下記のようになるものである。 すなわち本願のものは、猫、犬の皮を素材として長唄・地唄三味線用の略半円 状の形状に裁断された撥皮本体１Ａと、この撥皮本体の裏面に塗布された接着剤 １Ｂと、この接着剤の裏面に添着された剥離紙１Ｃとから構成されている三味線 の撥皮である。 このほか下記のようにすることができる。 第１に、撥皮本体が民謡三味線用の略縦長方形の形状に裁断されたものとする ことができる。 第２に、接着剤については、エクセルタック（セメダインエクセルタック〜商 標）を使用することができる。

【０００６】

【実施例】

実施例について図面を参照して説明する。 １は本考案の三味線の撥皮で、猫、犬の皮を素材として略半円状の形状に裁断 された撥皮本体１Ａと、この撥皮本体の裏面に塗布された接着剤１Ｂと、この接 着剤の裏面に添着された剥離紙１Ｃとから構成されている。 この三味線の撥皮１は長唄・地唄三味線に使用される。 この三味線の撥皮１の寸法は、横約７０ｍｍ、縦約４５ｍｍ程度のものである 。

【０００７】 １１は他の実施例の三味線の撥皮で、猫、犬の皮を素材として略縦長の方形の 形状に裁断された撥皮本体１１Ａと、この撥皮本体の裏面に塗布された接着剤１ １Ｂと、この接着剤の裏面に添着された剥離紙１１Ｃとから構成されている。 この三味線の撥皮１１は、民謡三味線に使用される。 この三味線の撥皮１１の寸法は、横約５７ｍｍ、縦約１２２ｍｍ程度のもので ある。

【０００８】 上記事項における共通部分について詳述する。 接着剤については、公知のエクセルタック（セメダインエクセルタック〜商標 〜セメダイン株式会社）が好適であった。 このエクセルタックは、品名〜アクリル酸エステル共重合樹脂（粘着剤）、成 分〜アクリル酸エステル共重合樹脂（７０％），水（３０％）となっているもの である。

【０００９】 ここで、図８を参照して、三味線の撥皮の製造方法を撥皮１１を例にして説明 する。 撥皮本体１１Ａの下面に接着剤１１Ｂを均一な状態に塗りのばし、この接着剤 の下面に剥離紙１１Ｃを添着する。

【００１０】 作用について効果と共に説明する。

【００１１】

【考案の効果】

本考案は、上述の通り構成されているので次に記載する効果を奏する。 １．本考案の撥皮は、ただ張ってあるのではなく、三味線本体の皮を保護し、 今までのように演奏にも差し支えないように構成されているので、取替えも簡単 にできる。 ２．三味線は、使う度合いにより撥皮の取替えの日数が違うので、接着した撥 皮を不規則に取替えなければならない。本考案の撥皮はかかる場合、確実に取替 えることができる。この点がただ接着すればよいというシールと異なる点である 。 ３．本考案の撥皮は、撥皮の裏に接着剤が塗ってあり、撥皮のりを使うことな く撥皮を張ることができる。 ４．接着剤により張る時に撥皮が丸まったりすることなく簡単に張れ、そして 、撥皮を取替える時、簡単に剥がすことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】三味線の平面図である。

【図２】三味線の撥皮の使用状態を示す要部拡大平面図
である。

【図３】他の実施例である三味線の撥皮の使用状態を示
す要部拡大平面図である。

【図４】三味線の撥皮の平面図である。

【図５】Ａ−Ａ断面図である。

【図６】他の実施例である三味線の撥皮の平面図であ
る。

【図７】Ｂ−Ｂ断面図である。

【図８】製造方法を説明する略図的斜視図である。

【符号の説明】

１ 三味線の撥皮 １Ａ 撥皮本体 １Ｂ 接着剤 １Ｃ 剥離紙 １１ 三味線の撥皮 １１Ａ 撥皮本体 １１Ｂ 接着剤 １１Ｃ 剥離紙

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 猫、犬の皮を素材として長唄・地唄三味
   線用の略半円状の形状に裁断された撥皮本体（１Ａ）
   と、この撥皮本体の裏面に塗布された接着剤（１Ｂ）
   と、この接着剤の裏面に添着された剥離紙（１Ｃ）とか
   ら構成されていることを特徴とする三味線の撥皮。
2. 【請求項２】 撥皮本体が民謡三味線用の略縦長方形の
   形状に裁断された請求項１記載の三味線の撥皮。
3. 【請求項３】 接着剤については、エクセルタック（セ
   メダインエクセルタック〜商標）である請求項１あるい
   は請求項２記載の三味線の撥皮。