JP3002125B2 - ワイヤとスプリングの連結構造及び燃料噴射ポンプ用燃料カットシステム - Google Patents

ワイヤとスプリングの連結構造及び燃料噴射ポンプ用燃料カットシステム

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JP3002125B2
JP3002125B2 JP7329200A JP32920095A JP3002125B2 JP 3002125 B2 JP3002125 B2 JP 3002125B2 JP 7329200 A JP7329200 A JP 7329200A JP 32920095 A JP32920095 A JP 32920095A JP 3002125 B2 JP3002125 B2 JP 3002125B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ワイヤとスプリン
グとが連結部材を介して連結されるワイヤとスプリング
の連結構造及び燃料噴射ポンプ用燃料カットシステムに
関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、ディーゼルエンジンの燃料噴射
ポンプには、エンジン停止時にプランジャが収容されて
いる燃料吸入室内への燃料吸入がされないように、その
燃料供給をカットする燃料カット弁が備えられている。
燃料カット弁は、イグニションキーのオフ状態で閉じら
れて燃料供給がカットされ、イグニションキーのオン状
態で開かれて燃料供給のカットが解除される。
【0003】燃料カット弁は通常ソレノイドにより開閉
駆動されるようになっているが、大型トラック等のディ
ーゼルエンジンの燃料噴射ポンプでは、燃料カット弁の
開閉に大きな駆動力を必要とするためモータが使用され
ている。
【0004】通常、モータの駆動軸に連結された駆動レ
バーと、燃料カット弁を開閉させる被動レバーとは、ワ
イヤとスプリングを介して接続されている。このスプリ
ングを介装するのは、レバーやワイヤにかかる負荷の緩
和、駆動レバーと被動レバーとのストローク差の調整、
さらに長期使用によるワイヤの伸び分の吸収等を図るた
めである。
【0005】従来、ワイヤとスプリングの連結には、例
えば図9,図10に示すような連結部材51が使用され
ていた。連結部材51は、ワイヤ52の先端に固着され
た連結リング53と、スプリング54のフック54aと
を連結するためのものであり、ピン55,リング部材5
6,57及び割ピン58からなる。ワイヤ52とスプリ
ング54の連結は、先ず2個のリング部材56,57を
スプリング54のフック54aを挟み込んで嵌着し、こ
れをピン55に挿通し、さらにその上からピン55に連
結リング53を挿通させた後、ピン55の先端部に割ピ
ン58を装着して抜止めをしていた。そして、ワイヤ5
2とスプリング54は図10に示すように連結される。
【0006】また、図11に示すような連結部材61も
知られている。この連結構造では、ワイヤ52には円柱
状の掛止部材62が固着されている。連結部材61は断
面コ字状を有する樹脂成形品であり、上部一端側に突出
形成された軸部61aにスプリング54のフック54a
を掛止するとともに、その反対端側に形成された嵌挿穴
61bに掛止部材62を嵌挿して掛止し、ワイヤ52は
切り欠き61cを介して連結部材61のコ字状内側に挿
通される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、図9,図10
に示した連結部材51の場合、部品点数が多くその組付
工数が多くなるうえ、割りピン58の装着など細かな組
付作業を伴うため、その組付作業性に問題があった。ま
た、部品点数が多いことから部品管理も大変であった。
【0008】また、図11に示した連結部材61の場
合、組付作業性の問題は解決されるものの、連結部材6
1そのものが比較的大型となるという問題があった。ま
た、ワイヤ52が連結部材61のエッジ等に当たって損
傷する虞れがあるとともに、軸部61aに引っ掛けてあ
るだけのスプリング54のフック54aが外れ易いとい
う問題もあり、抜止め防止には軸部61aに新たな加工
と抜止め用部材が必要となる。
【0009】また、ワイヤ52の軸線Mとスプリング5
4の中心線Lとがずれた状態となるため、その連結部に
剪断方向の力が働き連結部材61がその姿勢の傾きによ
って振れるという問題もある。また、ワイヤ52及びス
プリング54の張設方向の変化に連結部材61が追随し
切れずワイヤ52とスプリング54との直線性が保持で
きなくなってしまうと、このワイヤ52及びスプリング
54の張設方向に対する連結部材61の姿勢変動が、そ
のまま被動レバーの不規則な動きとなってしまい、例え
ば燃料カット弁の応答性が悪くなる。
【0010】本発明は上記問題点を解決するためになさ
れたものであって、その目的は、部品点数が少なくて組
付作業性が良く、しかも連結部材を小型で済ませること
ができるワイヤとスプリングの連結構造及び燃料噴射ポ
ンプ用燃料カットシステムを提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記問題点を解決するた
め請求項1に記載の発明では、ワイヤの先端に固着され
た掛止部材を収容可能な収容部と、該収容部に収容され
た該掛止部材から延びるワイヤをその張設方向に案内す
るための切り欠きと、スプリングのフック部を掛止する
ための軸部とを備えた連結部材を介することによるワイ
ヤとスプリングの連結構造において、前記連結部材に備
えられた前記収容部と前記軸部は、前記収容部に収容さ
れる前記掛止部材の軸心が前記軸部の軸心にほぼ一致す
るように結合されている。
【0012】請求項2に記載の発明では、請求項1に記
載のワイヤとスプリングの連結構造において、前記切り
欠きにより案内されて張設された前記ワイヤの軸線と、
前記軸部に掛止されて張設された前記スプリングの中心
線とが、前記軸部の軸線方向においてほぼ一致するよう
に設定されている。
【0013】請求項3に記載の発明では、請求項1又は
請求項2に記載のワイヤとスプリングの連結構造におい
て、前記切り欠きは、前記収容部に収容された前記掛止
部材の抜け方向の移動を阻止すべくその抜け方向に交差
する方向に前記ワイヤを案内するように屈曲した屈曲路
を有している。
【0014】請求項4に記載の発明では、燃料噴射ポン
プ用燃料カットシステムにおいて、電動機により駆動さ
れる駆動レバーと、燃料噴射ポンプに備えられた弁体を
開閉駆動させる被動レバーとの間に介装されたワイヤと
スプリングとが請求項1〜請求項3のいずれか一項に記
載の連結構造によって連結されている。
【0015】従って、請求項1に記載の発明によれば、
スプリングのフック部は連結部材の軸部に掛止される。
一方、ワイヤの先端に設けられた掛止部材は収容部に収
容され、このときワイヤが切り欠きを介してその張設方
向へ案内される。ワイヤとスプリングとの連結部材を介
した連結状態では、掛止部材の軸心と、フック部が掛止
された軸部の軸心とがほぼ同一直線上に配置される。つ
まり、ワイヤとスプリングとが同一軸線上で連結される
ことになる。従って、軸部の軸線方向においてスプリン
グとワイヤの連結部材に対する連結位置が互いに近接す
るように、軸部と収容部は通常近接配置されることか
ら、連結部材は小型となる。また、連結部材が回転して
もワイヤとスプリングとの直線性が保持される。
【0016】請求項2に記載の発明によれば、切り欠き
により張設方向に案内されたワイヤの軸線と、軸部に掛
止されたスプリングの中心線とが、軸部の軸心方向にお
いてほぼ一致する。そのため、連結部材に剪断力が働か
ずその姿勢の変化が抑えられるため連結部材が振れたり
しない。また、剪断力に起因する連結部材の疲労が抑え
られる。
【0017】請求項3に記載の発明によれば、切り欠き
を介してその張設方向に案内されたワイヤが屈曲路にて
位置規制されることにより、収容部に収容された掛止部
材の抜け方向の移動が阻止される。
【0018】請求項4に記載の発明によれば、燃料噴射
ポンプ用燃料カットシステムにおいて、電動機により駆
動される駆動レバーと、燃料噴射ポンプに備えられた弁
体を開閉駆動させる被動レバーとの間に介装されたワイ
ヤとスプリングが請求項1〜請求項3に記載の連結構造
によって連結されていることから、請求項1〜請求項3
に記載の作用を得るとともに、弁体の応答性が良好とな
る。
【0019】
【発明の実施の形態】
(第1の実施形態)以下、本発明を具体化した第1の実
施形態を図1〜図5に従って説明する。
【0020】図5は、ディーゼルエンジンに装備された
燃料噴射ポンプ用の燃料カットシステム1を示す。同図
に示すように、燃料噴射ポンプ2には、カットレバー3
が回動可能に設けられており、このカットレバー3の先
端に接続されたワイヤ4のワイヤチューブ5を通った先
端は、モータ装置6に設けられた駆動レバー7の先端に
掛止されたスプリング8のもう一端と連結部材9を介し
て連結されている。カットレバー3は、燃料噴射ポンプ
2に内蔵されているフューエルカット弁10を開閉する
ためのものであって、図5に実線で示す「運転」位置側
に付勢された状態にある。
【0021】イグニションキーのオン作動時には電動機
としてのモータ11が正転駆動されて駆動レバー7が1
80°回転して図5に実線で示す「ON」位置に移動配
置されることにより、カットレバー3が「運転」位置に
移動配置されてフューエルカット弁10が開状態とされ
る。また、イグニションキーのオフ作動時にはモータ1
1が逆転またはさらに正転駆動されて駆動レバー7がさ
らに180°回転し、図5に二点鎖線で示す「OFF」
位置に移動配置されることにより、カットレバー3が同
図に二点鎖線で示す「停止」位置に移動配置されてフュ
ーエルカット弁10が閉状態とされる。
【0022】駆動レバー7とカットレバー3との間に介
装されたスプリング8は、若干伸びた状態で張設されて
おり、各レバー3,7にかかる負荷の緩和機能や、各レ
バー3,7間におけるストローク差の調整機能、及びワ
イヤ4の長期使用による伸び分の吸収機能を果たす。
【0023】ここで、駆動レバー7が「ON」位置と
「OFF」位置間を約180°回動する過程ではスプリ
ング8の張設方向(ワイヤ4の張設方向に同じ)が変化
することになる。本実施の形態では、連結部材9は図4
に示すように、スプリング8の張設方向の変化に応じて
回動可能なガイド部材12のガイド溝13内に収容され
た状態にあり、駆動レバー7の回動時には連結部材9は
ガイド溝13の壁面13aに案内されてガイド溝13内
をスライド移動するようになっている。
【0024】次に、ワイヤ4とスプリング8の連結構造
について説明する。図1に示すように、ワイヤ4の先端
には円柱状の掛止部材14が固着されている。連結部材
9は、例えばポリアセタール等の樹脂からなる本体15
と円筒体16とから構成されている。本体15は収容部
を構成する頭部17と軸部18とを有している。軸部1
8はスプリング8のフック部としてのフック8aを掛止
可能な外径を有している。頭部17は軸部18に掛止さ
れたフック8aを抜止め可能に軸部18の外径より大径
に形成されるとともに、相対向する1組の側面が互いに
平行な平坦面17aに形成されている。この平坦面17
aが前記ガイド部材12のガイド溝13の壁面13aと
の当接面となり、連結部材9がその両側の壁面13aに
両平坦面17aを当接させた状態でガイド溝13内をス
ライド移動することにより、ガイド溝13内での連結部
材9の回動が規制されるようになっている。
【0025】本体15には図1,図3に示すように、頭
部17と軸部18の両軸心を通って上下に貫通する収容
部を構成する円柱状の貫通孔19が形成されている。頭
部17にはこの貫通孔19と頭部17の外周面との間を
連通する切り欠き20が形成されており、この切り欠き
20は頭部17の上端面からその側部を下方に延びると
ともに、側部下端の少し上方位置で直角に屈曲して周方
向に約90°延びる屈曲路としての規制路20aを形成
している。また、図2に示すように、軸部18の軸線方
向において、ワイヤ3の軸線Mとスプリング8の中心線
Lとがほぼ一致するように規制路20aの位置を設定し
ている。この切り欠き20の溝幅はその幅方向でのワイ
ヤの自由度を規制するようにワイヤ4の径よりも若干広
く形成されている。また、軸部18の外周面下部には周
方向に延びる係止溝21が全周に亘って形成されてい
る。
【0026】一方、円筒体16はその内径が軸部18の
外径よりも若干大きく形成されており、軸部18を嵌挿
可能となっている。円筒体16の内周面16aには、図
1,図3等に示すように係止溝21と係合可能な周方向
に延びる突起22が全周に亘って形成されている。
【0027】円筒体16は、係止溝21と突起22との
係合により軸部18に対して所定位置にて嵌着できるよ
うに軸部18に対して着脱可能となっている。図2に示
すように、嵌着状態において、頭部17の下面と円筒体
16の上面との間にはスプリング8のフック部8aの太
さにクリアランス分を加えた所定間隔の間隙が形成され
るようになっている。
【0028】次に、この連結部材9の作用を説明する。
まず、掛止部材14を貫通孔19に嵌挿するとともに、
掛止部材14から延びたワイヤ4を切り欠き20に沿っ
て案内し、その規制路20aの先端に位置させる。次
に、軸部18にスプリング8のフック8aを下側から挿
通し、その後、軸部18に対し円筒体16を嵌め込み、
係止溝21と突起22との係合により、フック8aを僅
かなクリアランスと共に頭部17の下面と円筒体16と
の間に挟んだ状態で円筒体16を軸部18に対して位置
決め固定する。
【0029】こうしてワイヤ4とスプリング8は連結部
材9により図2に示す状態に連結される。このようにワ
イヤ4とスプリング8との連結が、本体15と円筒体1
6の二つの部品で済むので、従来技術で述べた図9,図
10の連結部材51に比較して部品点数がかなり少なく
て済み、これにより組付工数が低減する。また、抜止め
のため割ピンを差し込む細かな作業が不要となる。よっ
て、組付作業性が向上する。
【0030】さらに、図1に示すように、ワイヤ4とス
プリング8との連結部材9による連結状態では、掛止部
材14の軸心とフック8aが掛止された軸部18の軸心
とがほぼ同一直線X上に配置され、しかも図2に示すよ
うに、スプリング8のフック8aの掛止位置Hと、張設
方向に案内されたワイヤ4の軸線Mとの間隔Sを極力小
さくして近接させているため、連結部材9を小型とする
ことができると共に、ワイヤ4とスプリング8との直線
性を維持することができる。
【0031】また、フック8aの間隙8cよりも大きな
外径を有する軸部18に掛止されたフック8aは、頭部
17と円筒体16とに挟まれて抜止めされることにより
軸部18から容易に外れることがない。従来技術で述べ
た図11の連結部材では抜止めされていないためスプリ
ングが外れる虞れがあったが、本実施の形態の連結部材
9を採用することによりスプリング8のフック8aの外
れは確実に防止される。
【0032】駆動レバー7の回動に応じてスプリング8
及びワイヤ4の張設方向が変化し、その張設方向の変化
に応じてスプリング8及びワイヤ4が真っ直ぐ延びた状
態を保持するようにガイド部材12が回動する。その結
果、駆動レバー7の先端からワイヤチューブ5端部まで
スプリング8及びワイヤ4は常に直線状に保持される。
このとき、連結部材9はその両平坦面17aを壁面13
aに当接させた状態でガイド溝13内をスライド移動す
るため、ガイド溝13内での連結部材9の回動が阻止さ
れる。尚、モータ装置6およびスプリング8と、ワイヤ
4とを別々の状態で車両へ搭載し、後でスプリング8と
ワイヤ4とを連結する場合でも、連結作業が容易に行え
る。
【0033】以上詳述したように本実施形態では、以下
に列記する効果が得られる。 (a)掛止部材14の軸心が軸部18の軸心とほぼ同一
直線X上に配置されるように頭部17と軸部18とを結
合させたので、連結部材9を小型とすることができる。
また、連結部材9が回転してもワイヤ4とスプリング8
との直線性を保持することができる。
【0034】(b)スプリング8のフック8aをその間
隙8cよりも大きい外径を有する軸部18に挿通して軸
部32bに掛止するとともに、軸部18より共に大径な
頭部17と円筒体16との間に挟み込んだ状態としたの
で、スプリング8を確実に抜止めすることができる。
【0035】(c)切り欠き20により案内したワイヤ
4の軸線Mと、軸部18に掛止したスプリング8の中心
線Lとが、ほぼ一致するようにしたので、ワイヤ4とス
プリング8から受ける引張力により連結部材9に剪断力
が及ぶことを無くしたので、剪断力に起因する連結部材
9の姿勢の変化によって起こる振れを小さく抑えること
ができる。また、剪断力が働かないことから連結部材9
の材料疲労を抑えることができる。
【0036】(d)切り欠き20に、掛止部材14の挿
入方向に対し直角に屈曲して延びる規制路20aを形成
し、掛止部材14の抜け方向へのワイヤ4の移動をこの
規制路20aにて阻止したので、頭部17の貫通孔19
に収容した掛止部材14の抜け防止を確実にすることが
できる。
【0037】(e)ガイド溝13内をスライド移動する
連結部材9を各平坦面17aを壁面13aに当接させる
ことにより、連結部材9のガイド溝13内での回動を阻
止するようにしたので、連結部材9の回動に起因してワ
イヤ4が壁面13aに擦れて起こるワイヤ4の損傷や、
連結部材9が回動することによって起こるワイヤ4及び
スプリング8の張設長の変化に起因するフューエルカッ
ト弁10への応答性の悪化を防止することができる。
【0038】(f)燃料カットシステム1において、駆
動レバー7とカットレバー3との間に介装したワイヤ4
とスプリング8との連結を連結部材9を介して行ったの
で、(a),(c)及び(e)で述べた効果によりフュ
ーエルカット弁10の応答性を良好とすることができ
る。
【0039】(g)連結部材9を樹脂で形成したので、
金属音等の異音の発生を抑えることができる。
【0040】本実施形態では、モータ装置6のガイド部
材12を省略する。図6に示すように、連結部材31は
収容部を構成する樹脂製の本体32と円筒体33とから
構成されている。本体32は略円筒状を有し、その上端
部には水平(軸心に直交する方向)に延出する鍔部32
aが全周に亘って形成されている。軸部32bの外周面
下部には前記第1の実施形態と同様の係止溝34が周方
向に延びるように全周に亘って形成されている。本体3
2にはその軸心を通る収容部を構成する円柱状の貫通孔
35が形成されている。貫通孔35の径は掛止部材14
を嵌挿可能にその外径よりも若干大きく形成されてい
る。本体32にはその外周面と貫通孔35との間を連通
する切り欠き36が形成されており、切り欠き36は本
体32の上端面から係止溝34に至る少し上方位置まで
延びている。
【0041】一方、円筒体33は鍔部37と筒部38と
を有した略円筒状に形成されている。円筒体33の内径
は、軸部32bを嵌挿可能に軸部32bの外径よりも若
干大きく設定されている。円筒体33の内周面33aに
は係止溝34と係合可能な突起39がその周方向に亘っ
て形成されている。円筒体33は係止溝34と突起39
との係合により軸部32bに対して所定位置にて固定さ
れるようになっており、この状態で円筒体33側の鍔部
37の上面と本体32側の鍔部32aの下面との間にス
プリング8のフック8aの太さにクリアランスを加えた
所定間隙が形成されるようになっている。
【0042】また、円筒体33には、その内周面33a
と外周面38aとの間を連通する切り欠き40が形成さ
れている。切り欠き40は鍔部37の上面からその下面
より少し下方の筒部38の外周面38aまで延び、その
後、水平方向に直角に屈曲してその屈曲点から軸心回り
に約90°の角度範囲に亘って延びた屈曲路を構成する
規制路40aを形成している。円筒体33を軸部32b
に嵌着した状態で、切り欠き36の下端と、切り欠き4
0の屈曲点とが一致可能となっており、円筒体33を軸
部32bに対して周方向に回動させることにより切り欠
き36の下端が規制路40aに沿って相対移動するよう
になっている。
【0043】次に、この連結部材31の作用を説明す
る。まず、掛止部材14を本体32の貫通孔35に嵌挿
するとともに、掛止部材14から延びたワイヤ4を切り
欠き36の下端まで挿通する。次に、フック8aの間隙
8cを利用してフック8aを、切り欠き36の下端に配
置したワイヤ4を飛び越して軸部32bに挿通し、ワイ
ヤ4の上側で軸部32bに掛止させた状態とする。これ
によりワイヤ4が軸部32bに掛止されたフック8aに
規制されて切り欠き36から抜止めされた状態とされ
る。
【0044】次に、軸部32bに円筒体33を嵌着す
る。このとき、切り欠き36の下端に位置するワイヤ4
を円筒体33の切り欠き40の屈曲点に挿通させる。次
に、円筒体33を軸部32bに対してその周方向に相対
回動させてワイヤ4を規制路40aの先端に案内させた
状態とする。そして、スプリング8の反対側のフックを
駆動レバー7の先端に設けられた軸部に掛止し、ワイヤ
4及びスプリング8を張設状態とする。
【0045】以上詳述したように本実施の形態では、以
下に列記する効果が得られる。 (a)貫通孔35を軸部32bの軸心Y上に形成したの
で、連結部材31を小型とすることができる。また、連
結部材31が回転してもワイヤ4とスプリング8との直
線性を保持することができる。
【0046】(b)フック8aをその間隙8cよりも大
きい外径の軸部32bに挿通するとともに、軸部32b
より大径な鍔部32aと円筒体33との間に挟み込んだ
状態としたので、スプリング8を確実に抜止めすること
ができる。
【0047】(c)切り欠き40の規制路40aにより
案内したワイヤ4の軸線Mと、筒部38に掛止したスプ
リング8の中心線Lとがほぼ一致するように設定し、ワ
イヤ4とスプリング8から受ける引張力により連結部材
31に剪断力が及ぶことを無くしたので、剪断力に起因
する連結部材31の姿勢変化による振れを小さく抑える
ことができる。また、剪断力が働かないことから連結部
材31の材料疲労を抑えることができる。
【0048】(d)切り欠き36の下端に挿通案内した
ワイヤ4の挿入経路の逆戻りを阻止するようにフック8
aを軸部32bに掛止する連結構造としたので、仮りに
ワイヤ4が規制路40a上を切り欠き40の屈曲点まで
移動しても、ワイヤ4が切り欠き36から抜け出ること
を確実に防止することができる。つまり、掛止部材14
の抜けを確実に防止することができる。
【0049】(e)ワイヤ4を円筒体33に形成した切
り欠き40により円筒体33の外周面上に案内したの
で、ワイヤ4を軸部32bに掛止されたフック8aにて
抜止め可能に位置規制するためフック8aの掛止位置よ
り円筒体33側に挿通案内する構成としても、ワイヤ4
がフック8aと常時係合することを回避することができ
る。従って、ワイヤ4とフック8aとの擦れによるワイ
ヤ4の損傷を防止することができる。
【0050】(f)燃料カットシステム1において、ワ
イヤ4の連結中心と、フック8aの連結中心とがほぼ同
一軸線Y上に乗り、連結部材31がその軸心を中心に回
動しても、ワイヤ4及びスプリング8はほぼ真っ直ぐ保
持されるので、フューエルカット弁10の応答性を良好
とすることができる。
【0051】(g)連結部材31は樹脂製であるので、
金属音等の異音の発生を抑えることができる。尚、本発
明は上記実施の形態に限定されるものではなく、発明の
趣旨を逸脱しない範囲で例えば次のように構成すること
もできる。
【0052】(1)掛止部材14を嵌め込むための貫通
孔の開口の位置は適宜変更できる。例えば頭部17の上
端面でなく、頭部17の側部に貫通孔の開口を形成し、
頭部17の側部から掛止部材14を嵌挿させる構成とし
てもよい。
【0053】(2)収容部と、軸部と、抜止部とを一体
的に形成した構成としてもよい。例えば連結部材を一体
的に樹脂成形してもよい。この構成によれば、フック8
は軸部に挿通させるのではなくその間隙8cを介して引
っ掛ける構成となり、軸部の軸線方向への移動によって
は抜止めされない。
【0054】(3)フック部を係止するための軸部を抜
止部と一体的に形成し、この抜止部側の軸部を収容部に
対して着脱可能とした構成としてもよい。例えば、円筒
体22,33側に軸部を一体的に設けてもよい。この構
成によっても、フック部の抜止めはできる。
【0055】(4)フック部は鉤型のフック8aに限定
されない。例えば第1の実施形態においてフック部を軸
部18に挿通可能なリング状としてもよい。 (5)掛止部材の軸心とは、収容部内でのその回動中心
をいうものとする。従って、例えば掛止部材14の円柱
軸心が連結部材の軸心に直交した状態、すなわち掛止部
材を前記各実施形態における姿勢に対し直交する姿勢で
収容部内に収容する構成としてもよい。
【0056】(6)第2の実施形態において、ワイヤ4
の抜止めをフック8aによる規制だけで行い、切り欠き
40から規制路40aを無くした構成としてもよい。 (7)屈曲路の軸心に対する角度範囲を約90°とした
が、ワイヤ4の抜止めを確実にするためには、90°以
上とすることが好ましい。
【0057】(8)ワイヤとスプリングとの連結を必要
とするあらゆる対象に本発明の連結部材を適用すること
ができる。前記実施の形態から把握され、特許請求の範
囲に記載されていない発明を、その効果とともに以下に
記載する。
【0058】(イ)請求項1に記載のワイヤとスプリン
グの連結構造において、前記収容部は前記軸部に掛止さ
れた前記フック部を抜止め可能に該軸部より大径に形成
されるとともに、前記軸部の前記収容部と反対側端部に
は、該フック部を抜止めするための抜止部が結合されて
いる。この構成によれば、スプリングのフック部はそれ
が掛止される軸部より大径を有する収容部と抜止部とに
挟まれた状態で軸部に掛止されるので、軸部からのフッ
ク部の外れを防止することができる。なお、抜止部と
は、前記各実施形態中の円筒体16、円筒体33を指
す。
【0059】(ロ)請求項1又は前記(イ)に記載のワ
イヤとスプリングの連結構造において、前記抜止部と前
記軸部とは別体であり、該抜止部は該軸部に対して着脱
可能に結合されている。この構成によれば、スプリング
のフック部を軸部に挿通させた後に抜止部を軸部に結合
できるように軸部に対して抜止部を着脱可能としたの
で、フック部の間隙を介しての軸部からのワイヤの外れ
を確実に防止することができる。
【0060】(ハ)前記請求項3において、前記屈曲路
は、前記軸部の軸心を中心として90°以上の角度範囲
に亘っで延びている。この構成によれば、連結部材に対
してワイヤの回動してその張設方向が変化してもワイヤ
の切り欠きからの抜けを防止することができる。
【0061】(ニ)前記(イ)〜(ハ)のいずれか一項
に記載のワイヤとスプリングの連結構造において、前記
切り欠きは、前記ワイヤを前記抜止部の外周面上に案内
可能に前記軸部及び前記抜止部に及んで延設されてい
る。この構成によれば、収容部に収容した掛止部材から
延びるワイヤを抜止部の外周面上に案内するように切り
欠きを軸部及び抜止部に及ぶように設けたので、ワイヤ
をスプリングのフック部との係合により抜止めすること
ができる。
【0062】(ホ)請求項1〜請求項3及び前記(イ)
〜(ニ)のいずれか一項において、前記連結部材は樹脂
製である。この構成によれば、金属音等の異音の発生を
抑えることができる。
【0063】(ヘ)前記連結部材は、請求項1〜請求項
3及び前記(イ)〜(ホ)のいずれか一項に記載の構造
を有している。
【0064】
【発明の効果】以上詳述したように請求項1に記載の発
明によれば、掛止部材の軸心が、フック部が掛止された
軸部の軸心とほぼ同一直線上に配置されるように収容部
と軸部とを結合したので、連結部材を小型とすることが
できる。また、連結部材が回転してもワイヤとスプリン
グとの直線性を保持することができる。
【0065】請求項2に記載の発明によれば、切り欠き
により案内されたワイヤの軸線と、軸部に掛止されたス
プリングの中心線とを、軸部の軸心方向においてほぼ一
致させたので、連結部材に不要な剪断力が及ぼさずその
姿勢を一定に保持でき、連結部材の振れを抑えることが
できる。また、剪断力に起因する連結部材の疲労を抑え
ることができる。
【0066】請求項3に記載の発明では、収容部に収容
された掛止部材の抜け方向の移動を阻止するように、切
り欠きを屈曲させてワイヤのその抜け方向の移動を規制
する屈曲路に案内するようにしたので、掛止部材の収容
部からの抜止めをすることができる。
【0067】請求項4に記載の発明によれば、燃料噴射
ポンプ用燃料カットシステムにおいて、駆動レバーと被
動レバーとの間に介装されたワイヤとスプリングを連結
部材を介して連結したので、弁体の応答性を良好とする
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態における連結部材等を示す分解
斜視図。
【図2】ワイヤとスプリングの連結状態を示す側面図。
【図3】連結部材の側断面図。
【図4】ワイヤとスプリングの連結部周辺を示す側面
図。
【図5】燃料カットシステムの模式側面図。
【図6】第2の実施形態における連結部材等を示す分解
斜視図。
【図7】ワイヤとスプリングの連結状態を示す側面図。
【図8】連結部材の一部破断側面図。
【図9】従来技術における連結部材の分解斜視図。
【図10】同じくワイヤとスプリングの連結状態を示す
側面図。
【図11】従来技術における別の連結部材を示す斜視
図。
【符号の説明】
1…燃料カットシステム、2…燃料噴射ポンプ、4…ワ
イヤ、7…駆動レバー、8…スプリング、8a…フック
部としてのフック、9…連結部材、10…弁体としての
フューエルカット弁、11…電動機としてのモータ、1
4…掛止部材、17…収容部を構成する頭部、18…軸
部、19…収容部を構成する貫通孔、20…切り欠き、
20a…屈曲路としての規制路、31…連結部材、32
…収容部を構成する本体、32b…軸部、35…収容部
を構成する貫通孔、36…切り欠き、40…切り欠き、
40a…屈曲路としての規制路。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F02M 59/28 F02M 59/44 F02D 17/00 F02D 1/02 F16C 1/14 F16C 1/22 F16G 11/00 F16G 11/08 - 11/09 F16F 1/12

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ワイヤの先端に固着された掛止部材を収
    容可能な収容部と、該収容部に収容された該掛止部材か
    ら延びるワイヤをその張設方向に案内するための切り欠
    きと、スプリングのフック部を掛止するための軸部とを
    備えた連結部材を介することによるワイヤとスプリング
    の連結構造において、 前記連結部材に備えられた前記収容部と前記軸部は、前
    記収容部に収容される前記掛止部材の軸心が前記軸部の
    軸心にほぼ一致するように結合されているワイヤとスプ
    リングの連結構造。
  2. 【請求項2】 前記切り欠きにより案内されて張設され
    た前記ワイヤの軸線と、前記軸部に掛止されて張設され
    た前記スプリングの中心線とが、前記軸部の軸線方向に
    おいてほぼ一致するように設定されている請求項1に記
    載のワイヤとスプリングの連結構造。
  3. 【請求項3】 前記切り欠きは、前記収容部に収容され
    た前記掛止部材の抜け方向の移動を阻止すべくその抜け
    方向に交差する方向に前記ワイヤを案内するように屈曲
    した屈曲路を有している請求項1又は請求項2に記載の
    ワイヤとスプリングの連結構造。
  4. 【請求項4】 電動機により駆動される駆動レバーと、
    燃料噴射ポンプに備えられた弁体に作動連結された被動
    レバーとの間に介装されたワイヤとスプリングとが請求
    項1〜請求項3のいずれか一項に記載の連結構造によっ
    て連結されている燃料噴射ポンプ用燃料カットシステ
    ム。
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