JP3001457U - 接合金具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】本考案は外壁材等のパネルをビスや釘等を使用
することなく下地材に固定するための接合金具を火災等
の熱でも軟化しない高融点の金属材料で製造することを
目的とする。 【構成】基台２と、該基台２から略Ｌ字状に切起されパ
ネル１１の接合部１３，１４が嵌合される複数個の嵌合
爪３，３，４，４からなり、嵌合爪３，３のうち少なく
とも一個は嵌合爪４，４とは反対方向に向けられた接合
金具１を提供する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は外壁材等のパネル相互を接合するために用いられる接合金具に関する ものである。

【０００２】

【従来の技術】

最近住宅等の外壁面は需要者の好みに応じて高意匠性のものが求められるよう になり、表面柄模様を付与した化粧壁材が多数上市されている。 従来、化粧外壁材はビスや釘等で下地材に固定されていたが、化粧外壁材をビ スや釘等で固定すると、該化粧外壁材の化粧表面に傷がついて意匠性が損なわれ 易い。そこで例えば図８に示すような接合金具(1C)を介して化粧外壁材(11)を下 地材(12)に固定する構成が提案されている（実願平４−６６８３１号）。 上記接合金具(1C)は台形状の基台(2C)と、該基台(2C)の一縁から延設されビス 孔(3C)を有する脚板部(4C)と、該基台(2C)上に立設される幹板部(5C)と、該幹板 部(5C)の上縁から両側に延設される枝板部(6C,6C) とからなり、該幹板部(5C)の 両側には該枝板部(6C,6C) によって外壁材嵌合部(7C,7C) が形成されている。

【０００３】 上記接合金具(1C)を介して下地材(12)に外壁材(11)を固定するには、該接合金 具(1C)をビス孔(3C)を介してビス(9C)によって下地材(12)に止着し、接合される 下側の外壁材(11)の接合端には下実部(14)を形成し、該下側の外壁材(11)の下実 部(14)の先端部分を該接合金具(1C)の下側の外壁材嵌合部(7C)に嵌合することに よって下地材(12)に固定し、次いで上側の外壁材(11)の接合端には上実部(15)を 形成し、更に該上実部(15)の根端下側に内実部(13)を形成し、該上側の外壁材(1 1)の内実部(13)を該接合金具(1C)の上側のパネル嵌合部(7C)に嵌合することによ って該上側の外壁材(11)を該下側の外壁材(11)と接合すると共に下地材(12)に固 定する。 上記構成では外壁材(11)の表面を損傷するおそれがなく、また接合金具(1C)も 外側からは見えず、外観的に非常に好ましいものである。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら上記従来構成では断面形状的にみて金属の押出成形法を適用して 製造することが必要である。このような押出成形法に適する金属材料としてはア ルミニウムが最適である。しかしアルミニウムの融点は６６０．２℃であり、こ のような低融点金属では火災時の加熱により軟化して、外壁材の重量を支持する ことが出来なくなり、壁が崩壊するおそれがある。またパネルが風圧や地盤震動 等の外力による横ずれのおそれもある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

本考案は上記従来の課題を解決するための手段として、基台(2) と、該基台(2 ) から断面略Ｌ字状に切起された複数個の嵌合爪(3,4) とからなり、該嵌合爪(3 ,4) のうちの少なくとも一個は他の嵌合爪(3) とは反対方向に向けられている接 合金具(1) を提供し、該嵌合爪(3,4) のうちの少なくとも一つの方向に向けられ ている嵌合爪(3,4) の屈曲角度は、該嵌合爪(3,4) に嵌合されるパネル嵌合部分 (13,14) の傾斜角度よりも小さく設定されており、該基台(2) の嵌合爪を切起し た後の切起し穴(8) の縁部には鋸歯(8A)が設けられている接合金具(1) を提供し 、更に該接合金具(1) は融点１０００℃以上の金属として鉄またはステンレスス チールを材料とする接合金具(1) を提供するものである。

【０００６】

【作用】

本考案の接合金具(1) は外壁材(11)を嵌合する嵌合爪(3,4) を基台(2) から切 起すから、押出成形法を適用する必要なく、切断、屈曲加工によって製造される 。したがって金属材料としてアルミニウム等の低融点のものを使用する必要がな くなり、鉄、ステンレススチール等の融点１０００℃以上のものを使用出来る。 また該嵌合爪(3,4) のうち少なくとも一つの方向に向けられている嵌合爪の屈曲 角度を、該嵌合爪(3,4) に嵌合されるパネル(11)の嵌合部分(13,14) の傾斜角度 よりも小さく設定すれば、嵌合爪(3,4) が該パネル(11)の嵌合部分(13,14) に圧 着し、パネル(11)に対する接合金具(1) の固定力が向上する。更に該基台(2) の 嵌合爪(3,4) を切起した後の切起し穴(8) の縁部に鋸歯(8A)を設けると、該鋸歯 (8A)がパネル(11)に食い込み、その結果パネル(11)の風圧や地盤震動等の外力に よる横ずれは防止される。

【０００７】

【実施例】

図１〜図４には本考案の第１実施例が示される。図に示す接合金具(1) はステ ンレススチール、鉄等の特に高融点の金属を材料とし、台形状の基台(2) と、該 基台(2) の下縁の左右から切起される夫々一対の嵌合爪(3,3,4,4) とからなり、 該嵌合爪(3,3,4,4) は夫々断面略Ｌ字状に屈曲されており、嵌合爪(3,3) は上向 きとされ、嵌合爪(4,4) は下向きとされている。更に該基台(2) の中央部には逆 円錐状の凹部(5A)の底部に大釘穴(5) が設けられ、該基台(2) の上部には三個の 釘穴(6) と三個のビス穴(7) とが設けられている。そして該嵌合爪(3,3,4,4) を 切起した後には左右の切起し穴(8,8) が形成される。

【０００８】 上記接合金具(1) は図２に示すように鉄骨下地材(12)に基台(2) の大釘穴(5) を介してビス(9) によって止着される。大釘穴(5) の底部は下地材(12)から浮い た状態にあるから、ビス(9) の締付力によって大釘穴(5) の周辺が弾性変形し、 その反撥力によってビス(9) による接合金具(1) の固定力は向上する。そして接 合される上側のパネルである外壁材(11)の接合端には上実部(15)を形成し、更に 該上実部(15)の根端下側に内実部(13)を形成し、下側のパネルである外壁材(11) の接合端には下実部(14)を形成する。そして先ず下側の外壁材(11)の下実部(14) の先端部分を該接合金具(1) の下向嵌合爪(4) に嵌合し、次いで上側の外壁材(1 1)の内実部(13)を該接合金具(1) の上向嵌合爪(3) に嵌合する。この場合、図３ に示すように接合金具(1) の下向嵌合爪(4) の鉛直面Ｐに対する屈曲角度θ₁ は 、該外壁材(11)の下実部(14)の先端部分の鉛直面Ｐに対する傾斜角度θ₂ よりも 小さく設定するので、ハンマー等によるたたき込みで該嵌合爪(4) は該下実部(1 4)に圧着する。また接合金具(1) の上向嵌合爪(3) の鉛直面Ｐに対する屈曲角度 α₁ も該外壁材(11)の内実部(13)の鉛直面Ｐに対する傾斜角度α₂ よりも小さく 設定して該嵌合爪(3) が内実部(13)に圧着するようにする。

【０００９】 図４には本考案の接合金具(1) を使用した壁構造(10)が示される。該壁構造(1 0)は基礎(16)上に土台(17)を配設し、該土台(17)上に鉄骨下地柱(12)あるいは木 材下地柱を立設して軸組構造を構成し、窓(18)や出入口(19)等の開口部には予め 枠材(18A,19A) を取付けた後、軸組構造の外側全面に下方より防水シート(20)を 張設し、更にその外側に縦胴縁(21)を釘、ビス等で止着する。 外壁材(11)は上記軸組構造に下部から上部に順次接合金具(1) を使用して張設 される。即ち土台(17)上に最下段の外壁材(11)を設置し、該外壁材(11)の下実部 (14)に接合金具(1) に接合金具(1) の下向嵌合爪(4) を嵌合してビス(9) により 該接合金具(1) を下地柱(12)に止着し、更に一段上の外壁材(11)の内実部(13)を 該接合金具(1) の上向嵌合爪(3) に嵌合して上下の外壁材(11)相互を接合する。

【００１０】 図５および図６には本考案の第２実施例が示される。図に示す接合金具(1A)は 台形状の基台(2) と、該基台(2) の下縁の左右から切起される夫々一対の嵌合爪 (3,3,4,4) とからなり、該嵌合爪(3,3,4,4) を切起した後左右の切起し穴(8,8) の下縁部には鋸歯(8A)が夫々形成されている。 上記接合金具(1A)は図６に示すように木材下地柱(12A) に基台(2) の釘穴(6) を介して釘(9A)によって止着される。そして接合される下側の外壁材(11)の下実 部(14)を該接合金具(1A)の下向嵌合爪(4) に嵌合し、上側の外壁材(11)の内実部 (13)を上向嵌合爪(3) に嵌合する。この際下側の外壁材(11)の下実部(14)の下面 に接合金具(1A)の鋸歯(8A)が食い込んで、該外壁材(11)の風圧や地盤震動等の外 力による横ずれは防止され、外壁材(11)の目地を均一間隔に維持することが出来 る。

【００１１】 図７には本考案の第２実施例が示される。本実施例の接合金具(1B)においては 基台(2) の左右の切起し穴(8,8) の外側縁には鋸歯(8B)が形成され、該鋸歯(8B) は外壁材(11)の下実部(14)下面に食い込んで、該外壁材(11)の横ずれを防止する 。

【００１２】

【考案の効果】

したがって本考案においては、パネルは釘やビス等を使用することなく接合金 具によって接合されるから、パネル表面が損傷されることなく、そして該接合金 具は切断、屈曲加工によって製造されるから、火災等の加熱によっても軟化しな い高融点の金属材料を使用することが出来る。また外壁材接合実部の傾斜角度よ り嵌合爪の屈曲角度を小さくしたり、更に切起し穴の下縁部や外側縁の鋸歯によ り外壁材の横ずれが防止される。また更に本考案の接合金具は嵌合爪を切起した 後切起し穴の分だけ軽量になる。

【図面の簡単な説明】

図１〜図４は本考案の第１実施例を示すものである。

【図１】斜視図

【図２】パネル接合固定状態部分断面図

【図３】接合金具の嵌合爪屈曲角度説明図

【図４】壁構造斜視図図５および図６は本考案の第２実
施例を示すものである。

【図５】斜視図

【図６】パネル接合固定状態部分断面図

【図７】第３実施例の斜視図

【図８】従来例のパネル接合固定状態部分断面図

【符号の説明】

1,1A,1B 接合金具 2 基台 3 上向嵌合爪 4 下向嵌合爪 8 切起し穴 8A,8B 鋸歯 11 外壁材

Claims (5)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】基台と、該基台から断面略Ｌ字状に切起さ
   れた複数個の嵌合爪とからなり、該嵌合爪のうちの少な
   くとも一個は他の嵌合爪とは反対方向に向けられている
   ことを特徴とする接合金具
2. 【請求項２】該接合金具は融点１０００℃以上の金属を
   材料とする請求項１に記載の接合金具
3. 【請求項３】該融点１０００℃以上の金属は鉄またはス
   テンレススチールである請求項１に記載の接合金具
4. 【請求項４】該嵌合爪のうちの少なくとも一つの方向に
   向けられている嵌合爪の屈曲角度は、該嵌合爪に嵌合さ
   れるパネル嵌合部分の傾斜角度よりも小さく設定されて
   いる請求項１に記載の接合金具
5. 【請求項５】該基台の嵌合爪を切起した後の切起し穴の
   縁部には鋸歯が設けられている請求項１に記載の接合金
   具