JP3001345B2 - 直流安定化電源 - Google Patents

直流安定化電源

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JP3001345B2
JP3001345B2 JP5093465A JP9346593A JP3001345B2 JP 3001345 B2 JP3001345 B2 JP 3001345B2 JP 5093465 A JP5093465 A JP 5093465A JP 9346593 A JP9346593 A JP 9346593A JP 3001345 B2 JP3001345 B2 JP 3001345B2
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英志 松田
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東北日本電気株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は直流安定化電源に関し、
特に出力負帰還回路の動特性の安定化を図った直流安定
化電源に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のこの種の直流安定化電源は平滑化
出力を負帰還制御回路に入力し、平滑化出力の基準電位
との比較によって正規の平滑化出力値との差分を検出
し、この差分に対応した制御信号を発生して平滑化出力
が正規の値となるように出力を制御して安定化を行って
いた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来の直流安
定化電源では、温度変動により平滑化フィルタに使用す
るコンデンサの容量が減少すると出力フィルタの遮断周
波数が高周波化して系の位相遅れが進んで発振などの不
具合を発生するため、遮断周波数の高周波化による応答
特性の高速化を抑圧するように応答特性の高速化を生じ
ないように予め容量を大とする位相余裕を大きくとらな
ければならず、出力フィルタに使用するコンデンサの容
量が減少しない場合には高速応答性が低下するという問
題点があった。
【0004】また、大きな位相余裕確保のために生ずる
平滑化フィルタの出力フィルタコンデンサの容量が減少
しない場合の高速応答性の低下を補償するため負帰還制
御回路の出力側に容量の小さいコンデンサを配置する場
合もあるが、この場合でも平滑化フィルタの温度特性を
補償するような温度条件は加味しておらず、従ってその
補償は限定されたものとなるといった問題点があった。
【0005】本発明の目的は平滑化フィルタのコンデン
サに対する位相余裕を大きくすることなく常に所定の高
速応答性を温度変動の影響を排除して確保することがで
きる直流安定化電源を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の直流安定化電源
は、外部から受ける駆動信号によって駆動されて入力電
源から所定の直流電圧を生成するとともに前記直流電圧
を所定の値に保持する出力電圧制御回路と、前記出力電
圧制御回路の出力する直流電圧を平滑化する出力フィル
タ回路と、前記出力フィルタ回路の平滑化出力と基準電
圧とを比較し前記平滑化出力の所定値との差分の誤差電
圧に比例する負帰還制御出力を生成する負帰還制御回路
と、前記負帰還制御出力を入力として前記駆動信号を前
記誤差電圧を零とするように生成する駆動回路とを有し
て発生した直流電圧を安定化する直流安定化電源におい
て、前記出力フィルタ回路の構成素子とする出力フィル
タコンデンサと温度特性が相似なコンデンサを前記負帰
還制御回路の出力側に配置し、前記出力フィルタ回路の
フィルタコンデンサの温度変動によってもたらされる応
答特性の変動を抑圧して動特性の温度変動を抑圧する構
成を備えて成る。
【0007】また本発明の直流安定化電源は、出力フィ
ルタコンデンサと入力チョークコイルとを備えた構成を
有する。
【0008】さらに本発明の直流安定化電源は、前記負
帰還制御回路が、前記出力フィルタ回路の平滑化出力と
前記平滑出力の基準電位との差動増幅器による比較にも
とづいて前記負帰還制御出力を生成するものとした構成
を有する。
【0009】
【実施例】次に、本発明について図面を参照して説明す
る。
【0010】図1は本発明の一実施例の直流安定化電源
の回路図である。本実施例の直流安定化電源は、直流を
利用する入力電源1と、入力電源1から供給される直流
電源と駆動信号102とにもとづき所望のレベルの直流
電圧を生成し、かつその出力レベルを一定に保持される
スイッチングレギュレータ形式の出力電圧制御回路2
と、生成された直流出力の平滑化を行なう出力フィルタ
コンデンサ31およびチョークコイル32からなるチョ
ークインプット形式の出力フィルタ回路3と、出力電圧
制御回路3を駆動する駆動信号102を供給する駆動回
路4と、差動増幅器54、基準電位55、差動増幅器5
4のゲイン設定用の抵抗51、遮断周波数を決定する抵
抗52および位相補正用コンデンサ53、本発明に直接
かかわり出力フィルタ回路3の出力フィルタコンデンサ
31の温度特性にもとづく応答特性変動補正(位相補
正)を行なう位相補正用コンデンサ56および出力抵抗
としての抵抗57を備え、出力フィルタ回路3の出力と
基準電位とを比較して差分を検出し、駆動回路4の入力
とする負帰還制御出力101を生成する負帰還制御回路
5とを備えた構成を有する。
【0011】次に、本実施例の動作について説明する。
入力電源1は、出力電圧制御回路2の入力電源を供給す
る。出力電圧制御回路2は、スイッチングレギュレータ
形式で所望の出力電圧を生成し、駆動入力としてのパル
ス信号のデューテイに対応した出力レベルが得られる。
この駆動入力は駆動回路4から供給される駆動信号10
2である。駆動回路4は、三角波列を負期間制御回路5
の出力する負帰還制御出力101のレベルでスライスし
たあと飽和増幅等の整形処理を施し、負帰還制御出力1
01のレベルに対応したデューテイを有するパルス列と
しての駆動信号102を発生する。
【0012】出力フィルタ回路3は、出力電圧制御回路
2の出力する直流電圧を平滑化する。本実施例にあって
は、出力フィルタコンデンサ31は平滑化効果を大とす
ることを目的とした大きい容量のセラミックコンデンサ
を利用している。この出力フィルタコンデンサ31は、
常温とする25度C近傍では所定の容量値を示し、温度
がそれより高くても低くても容量値が減少する。この容
量値の減少は出力フィルタ回路3の遮断周波数の高周波
移行を招き、応答特性の高速化と負帰還動作における実
効的な位相遅れの増大とをもたらす。
【0013】負帰還制御回路5は、出力フィルタ回路3
の出力する平滑化出力を差動増幅器54に入力し、これ
と基準電位55とを比較して両者の差分を検出する。基
準電位55は平滑化出力の基準レベルが設定され、従っ
て差動増幅器54の出力は平滑化出力のあるべき値から
の変動(誤差)に対応するレベルとして出力される。変
動増幅器54の出力は位相補正用コンデサ10と抵抗5
7の並列回路を通して負帰還制御出力101として駆動
回路4に供給される。
【0014】駆動回路4は、負期間制御出力101のレ
ベルに対応してデューテイを適応制御し、平滑化出力と
基準電位55との差を零とするようにデューテイを設定
した駆動入力としてのパルス列を駆動信号として電圧制
御回路2に送出し、かくして負帰還制御動作による直流
安定化出力が得られる。
【0015】ところで、上述した負帰還制御動作におい
て、抵抗52と位相補正用コンデンサ53は差動増幅器
54の遮断周波数を決定し、負帰還制御動作における正
帰還発振などの異常動作を抑止している。負帰還制御回
路5の入力としては直流電圧が供給されるが、入出力側
の何らかの状態変化を生起するとこれにもとづいて入力
の直流電圧に変動要素が付加される。この変動周波数に
対応する応答特性が負帰還制御回路5の位相補正用コン
デンサ53と抵抗12とによって形成されていたのが従
来の状態であった。
【0016】本実施例においては、さらに位相補正用コ
ンデンサ56と抵抗57の並列回路を差動増幅器54の
出力側に付加している。位相補正用コンデンサ56の温
度特性は出力フィルタ回路3の出力フィルタコンデンサ
31の温度特性に相似なものを設定している。すなわ
ち、容量の温度変化率が略等しいものを利用し、これに
より差動増幅器54の出力電流に含まれる前述した入出
力側の何らかの状態変化による変動成分としての高周波
成分は伝送され所望の高速応答特性が確保されるように
容量値設定がなされる。
【0017】いま、温度変動によって出力フィルタ回路
3の出力フィルタコンデンサ31の容量が減少したとす
る。この場合、出力フィルタコンデンサ3の応答特性が
高速化するが、同時に位相補正用コンデンサ56も温度
変動によって容量が減少し、この容量減にもとづく回路
の高インピーダンス化に対応して応答特性を系全体の応
答特性を一定とするように低速化させ、出力フィルタコ
ンデンサ31の容量減少に伴なう高速応答性の増大がも
たらす実効的位相進み量の増大による発振などの異常動
作を抑止する。
【0018】また、温度変動によって出力フィルタコン
デンサ3の容量が増大した場合でも位相補正用コンデン
サ10の容量も増加し、上述した容量減少の場合と逆な
動作で系全体の高速応答特性を一定に保持することがで
きる。
【0019】なお、上述した実施例では、入力電源とし
て直流電源を利用し、また出力スイッチングレギュレー
タ形式で生成するものとしているが、入力電源を支流と
してもAC/DC変換によりDCとなし、またスイッチ
ングレギュレータに代えて他の直流発生回路を利用して
も、その出力を負期間制御出力によって制御するものと
して同様に実施しうることは明らかである。
【0020】
【発明の効果】以上説明したように本発明は、平滑化の
ための出力フィルタ回路の出力と基準電位とを比較しつ
つ負帰還制御して出力直流電圧の安定化を計る直流安定
化電源において、出力フィルタ回路の出力フィルタコン
デンサの温度変化による容量変動による応答特性の変動
を打消すように負帰還回路に出力フィルタコンデンサと
相似な温度特性を有するコンデンサを介在させることに
より、系の応答速度を常に一定に保持して位相遅れ量の
変動による発振を含む異常動作を抑圧することができる
という効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の回路図である。
【符号の説明】
1 入力電源 2 出力電圧制御回路 3 出力フィルタ回路 4 駆動回路 5 負帰還制御回路 31 出力フィルタコンデンサ 32 チョークコイル 51,52,57 抵抗 53,56 位相補正用コンデンサ 54 差動増幅器 55 基準電圧
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G05F 1/10 304 G05F 1/10 302 G05F 1/56 320 H02M 3/00

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 外部から受ける駆動信号によって駆動さ
    れて入力電源から所定の直流電圧を生成するとともに前
    記直流電圧を所定の値に保持する出力電圧制御回路と、
    前記出力電圧制御回路の出力する直流電圧を平滑化する
    出力フィルタ回路と、前記出力フィルタ回路の平滑化出
    力と基準電圧とを比較し前記平滑化出力の所定値との差
    分の誤差電圧に比例する負帰還制御出力を生成する負帰
    還制御回路と、前記負帰還制御出力を入力として前記駆
    動信号を前記誤差電圧を零とするように生成する駆動回
    路とを有して発生した直流電圧を安定化する直流安定化
    電源において、前記出力フィルタ回路の構成素子とする
    出力フィルタコンデンサと温度特性が相似なコンデンサ
    を前記負帰還制御回路の出力側に配置し、前記出力フィ
    ルタ回路のフィルタコンデンサの温度変動によってもた
    らされる応答特性の変動を抑圧して動特性の温度変動を
    抑圧することを特徴とする直流安定化電源。
  2. 【請求項2】 前記出力フィルタ回路が、前記出力フィ
    ルタコンデンサと入力チョークコイルとによって構成さ
    れたものを対象とすることを特徴とする請求項1記載の
    直流安定化電源。
  3. 【請求項3】 前記負帰還制御回路が、前記出力フィル
    タ回路の平滑化出力と前記平滑化出力の基準電位との差
    動増幅器による比較にもとづいて前記負帰還制御出力を
    生成するものであることを特徴とする請求項1または2
    記載の直流安定化電源。
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