JP3000650B2 - 磁気記録媒体およびその製造方法 - Google Patents
磁気記録媒体およびその製造方法Info
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- JP3000650B2 JP3000650B2 JP2263995A JP26399590A JP3000650B2 JP 3000650 B2 JP3000650 B2 JP 3000650B2 JP 2263995 A JP2263995 A JP 2263995A JP 26399590 A JP26399590 A JP 26399590A JP 3000650 B2 JP3000650 B2 JP 3000650B2
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Description
【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、磁性粉として強磁性体金属粉末を用いた塗
布型の磁気テープ、磁気ディスク等の磁気記録媒体およ
びその製造方法に関する。
布型の磁気テープ、磁気ディスク等の磁気記録媒体およ
びその製造方法に関する。
従来の技術 一般に磁気記録媒体は、磁性粉およびバインダーを主
成分とする磁性塗料をポリエチレンテレフタレート等の
非磁性支持体上に塗布、乾燥、硬化することによって製
造される。
成分とする磁性塗料をポリエチレンテレフタレート等の
非磁性支持体上に塗布、乾燥、硬化することによって製
造される。
近年高密度記録への要求が高まり、ビデオテープレコ
ーダ(VTR)、オーディオ機器およびコンピュータ等に
用いられる磁気テープ、磁気ディスク等の磁気記録媒体
では、記録波長とトラック幅の微小化、磁性層ならびに
支持体の薄膜化を実現することが必要不可欠となってき
ている。
ーダ(VTR)、オーディオ機器およびコンピュータ等に
用いられる磁気テープ、磁気ディスク等の磁気記録媒体
では、記録波長とトラック幅の微小化、磁性層ならびに
支持体の薄膜化を実現することが必要不可欠となってき
ている。
このため従来の酸化物系磁性粉末に比べて、保磁力
(Hc)および飽和磁化(σs)が大きく、しかも微粒子
化している強磁性体金属粉末が採用されるようになって
きた。
(Hc)および飽和磁化(σs)が大きく、しかも微粒子
化している強磁性体金属粉末が採用されるようになって
きた。
しかしながら強磁性体金属粉末は硬度が低いため、こ
れを用いた磁気記録媒体の磁性層の走行耐久性あるいは
磁性層の耐摩耗性が不充分となり、磁性層表面の傷の発
生ならびに強磁性体金属粉末の磁性層からの脱落などが
起こりやすく、その結果としてドロップアウト等の問題
が発生しやすくなった。
れを用いた磁気記録媒体の磁性層の走行耐久性あるいは
磁性層の耐摩耗性が不充分となり、磁性層表面の傷の発
生ならびに強磁性体金属粉末の磁性層からの脱落などが
起こりやすく、その結果としてドロップアウト等の問題
が発生しやすくなった。
さらに磁気記録再生装置のポータブル化、カメラ一体
型VTR等の普及により、磁気記録媒体の使用環境は、今
まで以上に幅広く、過酷なものになることが予想される
ため、磁性層の耐久性をより向上させることが極めて重
要となる。
型VTR等の普及により、磁気記録媒体の使用環境は、今
まで以上に幅広く、過酷なものになることが予想される
ため、磁性層の耐久性をより向上させることが極めて重
要となる。
そこで従来より磁性層の耐久性を改善する目的で、複
数のバインダーを使用する方法が用いられてきた。さら
に特開昭60−111325号公報に開示されているようにバイ
ンダーの機械的強度(引張り強度、破断伸び)を特定す
ることや、特開昭60−59522号公報に開示されているよ
うにバインダーの分子量(Mn)を特定することが提案さ
れている。
数のバインダーを使用する方法が用いられてきた。さら
に特開昭60−111325号公報に開示されているようにバイ
ンダーの機械的強度(引張り強度、破断伸び)を特定す
ることや、特開昭60−59522号公報に開示されているよ
うにバインダーの分子量(Mn)を特定することが提案さ
れている。
発明が解決しようとする課題 しかしながら上記のように複数のバインダーを用いた
方法であっても単にバインダー個々の特性を特定するだ
けでは、バインダーの架橋剤との反応性の違い、あるい
は強磁性体金属粉末表面への吸着能力の違いなどから予
期した効果が得られない場合が多く、磁性層の耐久性を
改善する手立ては試行錯誤にたよる以外困難であるとい
う問題を有していた。
方法であっても単にバインダー個々の特性を特定するだ
けでは、バインダーの架橋剤との反応性の違い、あるい
は強磁性体金属粉末表面への吸着能力の違いなどから予
期した効果が得られない場合が多く、磁性層の耐久性を
改善する手立ては試行錯誤にたよる以外困難であるとい
う問題を有していた。
本発明は、単に1つ1つのバインダーの特性を特定す
るだけでなく、磁性塗料中の強磁性体金属粉末、研磨剤
およびカーボンブラックに吸着されていない非吸着バイ
ンダーと架橋剤との反応率(NCO基の吸光度変化率)を
調節することにより、塗膜強度を向上させ、磁性層の耐
久性を真に改善できる磁性記録媒体を提供しようとする
ものである。
るだけでなく、磁性塗料中の強磁性体金属粉末、研磨剤
およびカーボンブラックに吸着されていない非吸着バイ
ンダーと架橋剤との反応率(NCO基の吸光度変化率)を
調節することにより、塗膜強度を向上させ、磁性層の耐
久性を真に改善できる磁性記録媒体を提供しようとする
ものである。
さらに強磁性体金属粉末の分散性を悪化させることな
く、磁性層の耐久性(走行耐久性、スチル特性)を向上
させるための製造方法の提供を目的とする。
く、磁性層の耐久性(走行耐久性、スチル特性)を向上
させるための製造方法の提供を目的とする。
課題を解決するための手段 上記の目的を達成するために本発明は、強磁性体金属
粉末表面への吸着量が110mg/g以上である塩化ビニル系
共重合樹脂と架橋剤(ポリイソシアネート化合物)との
反応率(NCO基の吸光度変化率)が30%以上であるポリ
ウレタン樹脂を用い、しかも磁性塗料中の強磁性体金属
粉末、研磨剤およびカーボンブラックに吸着されていな
い非吸着バインダーと架橋剤との反応率が10%以上であ
ること、さらに磁性塗料製造時に、上記2種類のバイン
ダーの添加順序を、塩化ビニル系共重合樹脂、ポリウレ
タン樹脂の順とすることを必須の要件として構成するも
のである。
粉末表面への吸着量が110mg/g以上である塩化ビニル系
共重合樹脂と架橋剤(ポリイソシアネート化合物)との
反応率(NCO基の吸光度変化率)が30%以上であるポリ
ウレタン樹脂を用い、しかも磁性塗料中の強磁性体金属
粉末、研磨剤およびカーボンブラックに吸着されていな
い非吸着バインダーと架橋剤との反応率が10%以上であ
ること、さらに磁性塗料製造時に、上記2種類のバイン
ダーの添加順序を、塩化ビニル系共重合樹脂、ポリウレ
タン樹脂の順とすることを必須の要件として構成するも
のである。
作用 本発明は上記した構成により、強磁性体金属粉末とバ
インダーとの相互作用が増大するとともに、強磁性体金
属粉末、研磨剤およびカーボンブラック表面に吸着して
いないバインダーについても官能基間(水酸基とイソシ
アネート基)の付加反応によって、溶剤に不溶不融であ
る三次元網目構造が形成されるため、塗膜が強靱とな
る。
インダーとの相互作用が増大するとともに、強磁性体金
属粉末、研磨剤およびカーボンブラック表面に吸着して
いないバインダーについても官能基間(水酸基とイソシ
アネート基)の付加反応によって、溶剤に不溶不融であ
る三次元網目構造が形成されるため、塗膜が強靱とな
る。
さらに磁性塗料製造時に、2種類のバインダーの添加
順序を、塩化ビニル系共重合樹脂、ポリウレタン樹脂の
順とすることにより、架橋剤との反応性が良好であるポ
リウレタン樹脂を強磁性体金属粉末表面に強く吸着固定
されることなく、強磁性体金属粉末表面への吸着量が多
い塩化ビニル系共重合樹脂で先に磁性粒子分散に有効な
吸着層を形成させる。
順序を、塩化ビニル系共重合樹脂、ポリウレタン樹脂の
順とすることにより、架橋剤との反応性が良好であるポ
リウレタン樹脂を強磁性体金属粉末表面に強く吸着固定
されることなく、強磁性体金属粉末表面への吸着量が多
い塩化ビニル系共重合樹脂で先に磁性粒子分散に有効な
吸着層を形成させる。
実施例 以下本発明の実施例について詳しく説明する。
なお実施例および比較例において、材料の各部数は強
磁性体金属粉末を100とした場合の重量部数を示す。
磁性体金属粉末を100とした場合の重量部数を示す。
実施例1 強磁性体金属粉末 ・・・100部 (平均長軸径0.18μm.平均軸化 1:10) バインダー ・・・10部 (塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂) バインダー ・・・8部 (ポリウレタン樹脂) 研磨剤 ・・・7部 (α−Al2O3) カーボンブラック ・・・3部 潤滑剤 ・・・5部 ステアリン酸 ・・・2部 パルミチン ・・・2部 オレイン酸−n−ブチル ・・・1部 架橋剤 ・・・5部 ポリイソシアネート化合物(日本ポリウレタン社
製:コロネートL) 混合溶剤 ・・・300部 メチル・エチル・ケトン(MEK)/トルエン/シク
ロヘキサノン=3/2/1 上記の組成物のうち、強磁性体金属粉末およびカーボ
ンブラックをプラネタリーミキサー(PLM)に投入し、
まず混合溶剤30部を用いて湿潤処理した後、バインダー
、の順に添加し、10時間混練を行う。次に研磨剤と
混合溶剤200部を添加し、サンドミルにより分散を行い
磁性塗料原液とした。さらに潤滑剤、架橋剤、混合溶剤
70部を添加し、ディゾルバーにて混合攪拌を行い磁性塗
料を製造した。その後、平均孔径0.4μmのフィルター
(日本器製:HT−40)により過した塗料を10μm厚
のポリエチレンテレフタレート(PET)上に塗布し、配
向、乾燥、スーパーカレンダーによる鏡面加工処理を施
した。硬化処理を行った後、磁性層と反対側のポリエチ
レンテレフタレート上にカーボンブラックを主成分とす
るバックコート層を設け、8mm幅にスリットして8mmVTR
用メタルテープを作成した。
製:コロネートL) 混合溶剤 ・・・300部 メチル・エチル・ケトン(MEK)/トルエン/シク
ロヘキサノン=3/2/1 上記の組成物のうち、強磁性体金属粉末およびカーボ
ンブラックをプラネタリーミキサー(PLM)に投入し、
まず混合溶剤30部を用いて湿潤処理した後、バインダー
、の順に添加し、10時間混練を行う。次に研磨剤と
混合溶剤200部を添加し、サンドミルにより分散を行い
磁性塗料原液とした。さらに潤滑剤、架橋剤、混合溶剤
70部を添加し、ディゾルバーにて混合攪拌を行い磁性塗
料を製造した。その後、平均孔径0.4μmのフィルター
(日本器製:HT−40)により過した塗料を10μm厚
のポリエチレンテレフタレート(PET)上に塗布し、配
向、乾燥、スーパーカレンダーによる鏡面加工処理を施
した。硬化処理を行った後、磁性層と反対側のポリエチ
レンテレフタレート上にカーボンブラックを主成分とす
るバックコート層を設け、8mm幅にスリットして8mmVTR
用メタルテープを作成した。
ここで用いたバインダーは強磁性体金属粉末表面へ
の吸着量が112mg/gのものを用いた。
の吸着量が112mg/gのものを用いた。
またバインダーと架橋剤(ポリイソシアネート化合
物(日本ポリウレタン社製:コロネートL)との反応率
(NCO基の吸光変化率)は35%のものを用いた。
物(日本ポリウレタン社製:コロネートL)との反応率
(NCO基の吸光変化率)は35%のものを用いた。
また、磁性塗料中の強磁性体金属粉末研磨剤およびカ
ーボンブラックに吸着されていない非吸着バインダーと
架橋剤との反応率は12%であった。
ーボンブラックに吸着されていない非吸着バインダーと
架橋剤との反応率は12%であった。
実施例2 実施例1でのバインダーおよび架橋剤の代わりに を用い、その添加方法をバインダー、の順とする以
外は実施例1と同様な方法により、8mmVTR用メタルテー
プを作成した。
外は実施例1と同様な方法により、8mmVTR用メタルテー
プを作成した。
ここで用いたバインダーは強磁性体金属粉末表面へ
の吸着量が127mg/gのものを用いた。
の吸着量が127mg/gのものを用いた。
またバインダーと架橋剤(ポリイソシアネート化合
物)武田薬品工業社製:タケネートD−160N))との反
応率(NCO基の吸光度変化率)は33%のものを用いた。
物)武田薬品工業社製:タケネートD−160N))との反
応率(NCO基の吸光度変化率)は33%のものを用いた。
また磁性塗料中の強磁性体金属粉末、研磨剤およびカ
ーボンブラックに吸着されていない非吸着バインダーと
架橋剤との反応率は11%であった。
ーボンブラックに吸着されていない非吸着バインダーと
架橋剤との反応率は11%であった。
比較例1 実施例1でのバインダーの代わりに バインダー ・・・10部 <塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂> バインダー ・・・8部 <ポリウレタン樹脂> を用い、その添加方法をバインダー、の順とする以
外は実施例1と同様な方法により、8mmVTR用メタルテー
プを作成した。
外は実施例1と同様な方法により、8mmVTR用メタルテー
プを作成した。
ここで用いたバインダーは強磁性体金属粉末表面へ
の吸着量が112mg/gのものを用いた。
の吸着量が112mg/gのものを用いた。
またバインダーと架橋剤(ポリイソシアネート化合
物)日本ポリウレタン社製:コロネートL))との反応
率(NCO基の吸光度変化率は16%のものを用いた。
物)日本ポリウレタン社製:コロネートL))との反応
率(NCO基の吸光度変化率は16%のものを用いた。
また磁性塗料中の強磁性体金属粉末、研磨剤およびカ
ーボンブラックに吸着されていない非吸着バインダーと
架橋剤との反応率は4%であった。
ーボンブラックに吸着されていない非吸着バインダーと
架橋剤との反応率は4%であった。
比較例2 実施例1でのバインダーの代わりに <ポリウレタン樹脂> を用い、その添加方法をバインダー、の順とする以
外は実施例1と同様な方法により8mmVTR用メタルテープ
を作成した。
外は実施例1と同様な方法により8mmVTR用メタルテープ
を作成した。
ここで用いたバインダーは強磁性体金属粉末表面へ
の吸着量が104mg/gのものを用いた。
の吸着量が104mg/gのものを用いた。
またバインダーと架橋剤(ポリイソシアネート化合
物(日本ポリウレタン社製:コロネートL))との反応
率(NCO基の吸光度変化率)は35%であった。
物(日本ポリウレタン社製:コロネートL))との反応
率(NCO基の吸光度変化率)は35%であった。
また磁性塗料中の強磁性体金属粉末、研磨剤およびカ
ーボンブラックに吸着されていない非吸着バインダーと
架橋剤との反応率は14%であった。
ーボンブラックに吸着されていない非吸着バインダーと
架橋剤との反応率は14%であった。
比較例3 実施例1でのバインダーの添加方法をバインダー、
の順に変更する以外は実施例1と同様な方法により、
8mmVTR用メタルテープを作成した。
の順に変更する以外は実施例1と同様な方法により、
8mmVTR用メタルテープを作成した。
この場合、磁性塗料中の強磁性体金属粉末、研磨剤お
よびカーボンブラックに吸着されていない非吸着バイン
ダーと架橋剤との反応率は5%であった。
よびカーボンブラックに吸着されていない非吸着バイン
ダーと架橋剤との反応率は5%であった。
比較例4 実施例2でのバインダー添加方法をバインダーの一括
投入(バインダー、の同時添加)に変更する以外は
実施例2と同様な方法により、8mmVTR用メタルテープを
作成した。
投入(バインダー、の同時添加)に変更する以外は
実施例2と同様な方法により、8mmVTR用メタルテープを
作成した。
この場合磁性塗料中の強磁性体金属粉末、研磨剤およ
びカーボンブラックに吸着されていない非吸着バインダ
ーと架橋剤との反応率は8%であった。
びカーボンブラックに吸着されていない非吸着バインダ
ーと架橋剤との反応率は8%であった。
上記した強磁性体金属粉末表面に吸着するバインダー
量(吸着バインダー量)の測定方法、ならびにポリウレ
タン樹脂と架橋剤(ポリイソシアネート化合物)との反
応率(NCO基の吸光度変化率)の測定方法、および磁性
塗料中の強磁性体金属粉末、研磨剤およびカーボンブラ
ックに吸着されていない非吸着バインダーと架橋剤との
反応率(NCO基の吸光度変化率)の測定方法を以下に示
す。
量(吸着バインダー量)の測定方法、ならびにポリウレ
タン樹脂と架橋剤(ポリイソシアネート化合物)との反
応率(NCO基の吸光度変化率)の測定方法、および磁性
塗料中の強磁性体金属粉末、研磨剤およびカーボンブラ
ックに吸着されていない非吸着バインダーと架橋剤との
反応率(NCO基の吸光度変化率)の測定方法を以下に示
す。
(1) 強磁性体金属粉末表面に吸着するバインダー量
(吸着バインダー量) 50mlのポリ容器に強磁性体金属粉末10g、バインダー
(塩化ビニル共重合樹脂)2g、混合溶剤(MEK/トルエン
/シクロヘキサノン=3/2/1)、3mmφのSUSビーズを投
入し(この際、固形分濃度を30%に設定する。)ジェイ
カーを用いて4時間振とうさせ、磁性塗料を調整する。
(吸着バインダー量) 50mlのポリ容器に強磁性体金属粉末10g、バインダー
(塩化ビニル共重合樹脂)2g、混合溶剤(MEK/トルエン
/シクロヘキサノン=3/2/1)、3mmφのSUSビーズを投
入し(この際、固形分濃度を30%に設定する。)ジェイ
カーを用いて4時間振とうさせ、磁性塗料を調整する。
次に別の50mlのポリ容器に、分散終了後の塗料10gと
混合溶剤(MEK/トルエン/シクロヘキサノン=3/2/1)2
0gを投入し、シエイカーを用いて15分振とうさせる。そ
の後、この希釈塗料を遠心分離(4×103rpmの条件にて
30分)する。さらに遠心分離後の上澄み液を遠心管に採
取し、高速遠心分離(2×104rpmの条件にて2時間)を
行う。高速遠心分離後の上澄み液10mlをアルミカップに
採取し、その重量を測定する。次にこの上澄み液をホッ
トプレート上で蒸発乾固させ、再度重量を測定する。以
上の操作より、上澄み液中のバインダー量(非吸着バイ
ンダー量)が算出でき、総バインダー量(配合バインダ
ー量)からこの上澄み中のバインダー量(非吸着バイン
ダー量を差し引いたバインダー量を強磁性体金属粉末表
面に吸着しているバインダー量(吸着バインダー量)と
した。
混合溶剤(MEK/トルエン/シクロヘキサノン=3/2/1)2
0gを投入し、シエイカーを用いて15分振とうさせる。そ
の後、この希釈塗料を遠心分離(4×103rpmの条件にて
30分)する。さらに遠心分離後の上澄み液を遠心管に採
取し、高速遠心分離(2×104rpmの条件にて2時間)を
行う。高速遠心分離後の上澄み液10mlをアルミカップに
採取し、その重量を測定する。次にこの上澄み液をホッ
トプレート上で蒸発乾固させ、再度重量を測定する。以
上の操作より、上澄み液中のバインダー量(非吸着バイ
ンダー量)が算出でき、総バインダー量(配合バインダ
ー量)からこの上澄み中のバインダー量(非吸着バイン
ダー量を差し引いたバインダー量を強磁性体金属粉末表
面に吸着しているバインダー量(吸着バインダー量)と
した。
(2) ポリウレタン樹脂と架橋剤(ポリイソシアネー
ト化合物)との反応率(NCO基の吸光度変化率) 50mlのポリ容器に、ポリウレタン樹脂10g、架橋剤2
g、混合溶剤(MEK/トルエン/シクロヘキサノン=3/2/
1)、3mmφのSUSビーズを投入し(この際、樹脂溶液の
固形濃度を20%に設定する。)、シェイカーを用いて15
分振とうさせる。次に2milのブレードにて、樹脂塗膜
(クリアー塗膜)を作製する。乾燥直後の樹脂塗膜をマ
グネチックホルダーにセットし、フーリエ変換赤外分光
分析装置(FT−IR)により2270cm-1〜2280cm-1に存在す
るNCO基の吸収スペクトルの吸光度を測定する。さらに6
0℃×24時間の熱処理(硬化処理)を行った上記樹脂塗
膜について、同様の測定を行う。以上の測定結果より、
ポリウレタン樹脂と架橋剤(ポリイソシアネート化合
物)との反応率(NCO基の吸光度変化率)を算出する。
ト化合物)との反応率(NCO基の吸光度変化率) 50mlのポリ容器に、ポリウレタン樹脂10g、架橋剤2
g、混合溶剤(MEK/トルエン/シクロヘキサノン=3/2/
1)、3mmφのSUSビーズを投入し(この際、樹脂溶液の
固形濃度を20%に設定する。)、シェイカーを用いて15
分振とうさせる。次に2milのブレードにて、樹脂塗膜
(クリアー塗膜)を作製する。乾燥直後の樹脂塗膜をマ
グネチックホルダーにセットし、フーリエ変換赤外分光
分析装置(FT−IR)により2270cm-1〜2280cm-1に存在す
るNCO基の吸収スペクトルの吸光度を測定する。さらに6
0℃×24時間の熱処理(硬化処理)を行った上記樹脂塗
膜について、同様の測定を行う。以上の測定結果より、
ポリウレタン樹脂と架橋剤(ポリイソシアネート化合
物)との反応率(NCO基の吸光度変化率)を算出する。
(3) 磁性塗料を遠心分離した後の上澄み液中に含有
するバインダーと架橋剤との反応率(NCO基の吸光度変
化率) 50mlのポリ容器に各実施例、比較例にて調整した塗料
10gと混合溶剤(MEK/トルエン/シクロヘキサノン=3/2
/1)20gを投入し、シェイカーを用いて15分振とうさせ
る。その後、この希釈塗料を遠心分離(4×103rpmの条
件にて30分)する。さらに遠心分離後の上澄み液を遠心
管に採取し、高速遠心分離(2×104rpmの条件にて2時
間)を行う。高速遠心分離後の上澄み液をスポイトを用
いて採取し、2milのブレードにて、樹脂塗膜を作製す
る。乾燥直後の樹脂塗膜をマグネチックホルダーにセッ
トし、フーリエ変換赤外分光分析装置(FT−IR)によ
り、2270cm-1〜2280cm-1に存在するNCO基の吸収スペク
トルの吸光度を測定する。さらに60℃×24時間の熱処理
(硬化処理)を行った上記樹脂塗膜について、同様の測
定を行う。以上の測定結果より、磁性塗料を遠心分離し
た後の上澄み液中に含有するバインダーと架橋剤との反
応率(NCO基の吸光度変化率)を算出する。
するバインダーと架橋剤との反応率(NCO基の吸光度変
化率) 50mlのポリ容器に各実施例、比較例にて調整した塗料
10gと混合溶剤(MEK/トルエン/シクロヘキサノン=3/2
/1)20gを投入し、シェイカーを用いて15分振とうさせ
る。その後、この希釈塗料を遠心分離(4×103rpmの条
件にて30分)する。さらに遠心分離後の上澄み液を遠心
管に採取し、高速遠心分離(2×104rpmの条件にて2時
間)を行う。高速遠心分離後の上澄み液をスポイトを用
いて採取し、2milのブレードにて、樹脂塗膜を作製す
る。乾燥直後の樹脂塗膜をマグネチックホルダーにセッ
トし、フーリエ変換赤外分光分析装置(FT−IR)によ
り、2270cm-1〜2280cm-1に存在するNCO基の吸収スペク
トルの吸光度を測定する。さらに60℃×24時間の熱処理
(硬化処理)を行った上記樹脂塗膜について、同様の測
定を行う。以上の測定結果より、磁性塗料を遠心分離し
た後の上澄み液中に含有するバインダーと架橋剤との反
応率(NCO基の吸光度変化率)を算出する。
以上の実施例および比較例にて得られた各8mmVTRメタ
ルテープについて以下の測定を行った。
ルテープについて以下の測定を行った。
(1) C/N(5.0MHz/4.5MHz) 5.0MHzにおける信号と4.5MHzにおけるノイズの比を測
定した。C/N測定用8mmVTRとしてMVS−5000(KODAK社
製)を用いた。また記録再生ヘッドはアモルファス合金
を使用し、実施例1の8mmVTR用メタルテープのC/Nを基
準(OdB)として相対値にて示した。
定した。C/N測定用8mmVTRとしてMVS−5000(KODAK社
製)を用いた。また記録再生ヘッドはアモルファス合金
を使用し、実施例1の8mmVTR用メタルテープのC/Nを基
準(OdB)として相対値にて示した。
(2) ドロップアウト C/N測定用と同様の8mmVTRを用い、各ビデオテープ試
料を40℃−80%RHの環境下で200パス走行させる(耐久
試験)。耐久試験前後の各ビデオテープ試料について、
15μsにわたって16dB以上の出力低下が発生する1分間
あたりの個数を測定した。
料を40℃−80%RHの環境下で200パス走行させる(耐久
試験)。耐久試験前後の各ビデオテープ試料について、
15μsにわたって16dB以上の出力低下が発生する1分間
あたりの個数を測定した。
(3) ヘッド粉付着 上記(2)による耐久試験後の磁気ヘッド、シリンダ
ー部の粉付着量を顕微鏡で観察し、粉付着の程度につい
ての5段階評価を行った。評価として粉付着が見られ
ず、実用上全く問題のないものを5とし、粉付着量が多
く、実用上問題を有るものを1とした。
ー部の粉付着量を顕微鏡で観察し、粉付着の程度につい
ての5段階評価を行った。評価として粉付着が見られ
ず、実用上全く問題のないものを5とし、粉付着量が多
く、実用上問題を有るものを1とした。
(4) 走行傷 上記(2)による耐久試験後のテープ磁性層面の走行
傷を目視で観察し、走行傷の程度についての5段階評価
を行った。評価として走行傷が見られず、実用上全く問
題のないものを5とし、走行傷が多く、実用上問題を有
するものを1とした。
傷を目視で観察し、走行傷の程度についての5段階評価
を行った。評価として走行傷が見られず、実用上全く問
題のないものを5とし、走行傷が多く、実用上問題を有
するものを1とした。
(5) スチルライフ スチル測定用に改造した8mmVTRを用い、−10℃、30g
荷重の条件で、あらかじめ録画しておいた静止画を再生
し、その画像信号が6dB落ち込むまでの時間を示した。
次の表に上記の結果を示す。
荷重の条件で、あらかじめ録画しておいた静止画を再生
し、その画像信号が6dB落ち込むまでの時間を示した。
次の表に上記の結果を示す。
なお上記の実施例では、8mmVTR用メタルテープのみに
ついて説明したが、強磁性体金属粉末を用いた他の塗布
型の磁気テープ、磁気ディスク等の磁気録媒体について
も同様に適用できる。
ついて説明したが、強磁性体金属粉末を用いた他の塗布
型の磁気テープ、磁気ディスク等の磁気録媒体について
も同様に適用できる。
発明の効果 以上のように本発明による磁気記録媒体は、磁性塗料
中の強磁性体粉末、研磨剤およびカーボンブラックに吸
着されていない非吸着バインダーと架橋剤との反応率が
10%以上であり、さらに磁性塗料製造時に、これら2種
類のバインダーの添加順序を、塩化ビニル系共重合樹
脂、ポリウレタン樹脂の順とすることにより、耐久性に
優れた磁性層を有する磁気記録媒体の提供を可能とする
ものである。
中の強磁性体粉末、研磨剤およびカーボンブラックに吸
着されていない非吸着バインダーと架橋剤との反応率が
10%以上であり、さらに磁性塗料製造時に、これら2種
類のバインダーの添加順序を、塩化ビニル系共重合樹
脂、ポリウレタン樹脂の順とすることにより、耐久性に
優れた磁性層を有する磁気記録媒体の提供を可能とする
ものである。
Claims (6)
- 【請求項1】非磁性支持体上に強磁性体金属粉末、研磨
剤、カーボンブラック、バインダー、潤滑剤、架橋剤を
含む磁性塗料を塗布して磁性層を構成する磁気記録媒体
であって、上記バインダーとして塩化ビニル系共重合樹
脂と水酸基を有するポリウレタン樹脂を用い、上記強磁
性体金属粉末、研磨剤およびカーボンブラックに吸着さ
れないバインダー(非吸着バインダー)と上記架橋剤と
の反応率(NCO基の吸光度変化率)が10%以上であるこ
とを特徴とする磁気記録媒体。 - 【請求項2】塩化ビニル系共重合樹脂の強磁性体金属粉
末への吸着量が110mg/g以上であることを特徴とする請
求項(1)記載の磁気記録媒体。 - 【請求項3】ポリウレタン樹脂と架橋剤との反応率(NC
O基の吸光度変化率)が30%以上であることを特徴とす
る請求項(1)記載の磁気記録媒体。 - 【請求項4】強磁性体金属粉末およびカーボンブラック
を溶剤にて湿潤させた後、塩化ビニル系共重合樹脂を添
加し混練を行い、次に水酸基を有するポリウレタン樹脂
を添加し混練分散を行い、さらに研磨剤を添加し分散を
行った後、潤滑剤、架橋剤を添加し混合撹拌を行うこと
により磁性塗料とし、上記磁性塗料中の強磁性体金属粉
末、研磨剤、およびカーボンブラックに吸着されないバ
インダー(非吸着バインダー)と架橋剤との反応率(NC
O基の吸光度変化率)が10%以上であることを特徴とす
る磁気記録媒体の製造方法。 - 【請求項5】塩化ビニル系共重合樹脂の強磁性体金属粉
末への吸着量が110mg/g以上であることを特徴とする請
求項(4)記載の磁気記録媒体の製造方法。 - 【請求項6】ポリウレタン樹脂と架橋剤との反応率(NC
O基の吸光度変化率)が30%以上であることを特徴とす
る請求項(4)記載の磁気記録媒体の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2263995A JP3000650B2 (ja) | 1990-10-01 | 1990-10-01 | 磁気記録媒体およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2263995A JP3000650B2 (ja) | 1990-10-01 | 1990-10-01 | 磁気記録媒体およびその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04141818A JPH04141818A (ja) | 1992-05-15 |
JP3000650B2 true JP3000650B2 (ja) | 2000-01-17 |
Family
ID=17397084
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2263995A Expired - Fee Related JP3000650B2 (ja) | 1990-10-01 | 1990-10-01 | 磁気記録媒体およびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3000650B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP6083840B1 (ja) * | 2015-10-22 | 2017-02-22 | 久美代 森田 | 携帯用台襟付きシャツホルダー |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101984790B1 (ko) * | 2012-04-30 | 2019-05-31 | 엘지이노텍 주식회사 | 무선충전 라디에이터 기능을 갖는 자성 시트, 그 제조방법 및 이를 이용한 무선충전 디바이스 |
-
1990
- 1990-10-01 JP JP2263995A patent/JP3000650B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JP6083840B1 (ja) * | 2015-10-22 | 2017-02-22 | 久美代 森田 | 携帯用台襟付きシャツホルダー |
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH04141818A (ja) | 1992-05-15 |
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