JP2999361B2 - 発泡体による中空構造物の中空部遮断方法及び発泡体形成部材 - Google Patents

発泡体による中空構造物の中空部遮断方法及び発泡体形成部材

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JP2999361B2
JP2999361B2 JP6026652A JP2665294A JP2999361B2 JP 2999361 B2 JP2999361 B2 JP 2999361B2 JP 6026652 A JP6026652 A JP 6026652A JP 2665294 A JP2665294 A JP 2665294A JP 2999361 B2 JP2999361 B2 JP 2999361B2
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紀道 三輪
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株式会社ネオックスラボ
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車両用ピラ−等の中空
構造物内の所定部位に配置し、その部位で発泡させて、
中空部を遮断して防音及び制振等の効果を発揮させるた
めの発泡体による中空構造物の中空部遮断方法及び発泡
体形成部材に関する。
【0002】
【従来の技術】この種の発泡性材料の従来の取り付け構
造を、中空構造物が図7に示す車両用ピラ−である場合
について説明すると、図8に示されるように、長手方向
を有する中空部の略中央位置において、直方体形状の発
泡性材料10が種々の方法により取り付けられてなるも
のであり、例えば図9に示されるように、内部ピラ−部
分12と外部ピラ−部分14にて形成される中空部16
に内部ピラ−部分12の外側から挿通したねじ(ねじボ
ルト)11にワッシャ−30を介して発泡性材料10を
差し込んだ状態とされ、発泡性材料10は内部ピラ−部
分12の外側から挿通したねじ11により固定されてい
た。この様に固定した発泡性材料10を外部からの加熱
により、発泡させて生じる発泡体が、ピラ−内部の中空
部16を満たすことにより、中空部16を遮断し、ピラ
−に防音及び制振効果を付与するようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし従来の発泡性材
料10の取り付け構造は、発泡性材料10を発泡させた
場合、中空部の長手方向への発泡が自由であるため図1
0に示されるように、内部ピラ−部分12の下面12A
及び外部ピラ−部分の上面14Aの間の方向(中空部の
高さ方向)へ発泡し、これらの下面12A及び上面14
Aの間を発泡体が充填し中空部16を遮断するするまで
に、同時に長手方向への発泡が必要以上に促進されてし
まう。すなわち従来の発泡性材料の取り付け構造におい
ては、発泡体で充填された従来の充填部分20の中空部
の長手方向の厚さ20Aは、ピラ−に防音及び制振等の
効果を付与するために発泡体で充填されることが必要と
される必要充填部分21の厚さ19よりも大きい。すな
わち必要充填部分21に比べて実際に発泡体が充填する
充填部分20はより大きい体積を有している。従って発
泡性材料10の使用量は、ピラ−に防音及び制振効果を
付与するのに必要とされる量よりも、増量する必要があ
った。そこで本発明の課題は、車両ピラ−等の中空構造
物の中空部における長手方向への発泡が必要以上に促進
されることが抑制され得る中空構造物の中空部遮断方法
及びこの方法に用いられる発泡体形成部材を提供するこ
とにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記課題解決のために請
求項1に記載の中空構造物の中空部遮断方法は、中空構
造物の中空部に、加熱により発泡する固体状の発泡性材
料を配置し、外部加熱により発泡させ、この発泡体の硬
化物によって前記中空部を遮断するに際し、発泡時の発
泡体の中空部長手方向への発泡を、中空部の周面に対し
て隙間を有する板状で固定の抑制手段にて抑制すること
を特徴とする。また請求項2に記載の中空構造物の中空
部遮断方法は、請求項1の中空部遮断方法において、中
空構造物が前記中空部となる凹部を有する二枚のパネル
を接合した構造よりなり、接合前の一方のパネルの凹部
固体状の発泡性材料を配置する工程及び、前記発泡性
材料のパネルの長手方向の両面から適切な距離を開け、
かつ中空部の周面に対して隙間を有する抑制手段である
二枚の板状体を適宜手段にて前記パネル上に固定する工
程を有し、次いで、所定の中空部を形成すべく、両パネ
ルを重ねて接合した後、外部加熱し、発泡性材料を発
泡、硬化させ、板状体に挟まれた発泡体の硬化物により
中空部に遮断構造を得ることを特徴とする。また請求項
3に記載の発泡体形成部材は、中空構造物の中空部に配
置し、外部加熱により発泡させ、この発泡体の硬化物に
よって中空部を遮断するための固体状の発泡性材料と、
この発泡性材料を中空部の長手方向において所定の距離
を開けて挟み、前記中空部内に取り付ける取り付け手段
と、前記中空部における長手方向への発泡を抑制しかつ
中空部の周面に対して隙間を有する板状で固定の抑制手
段とからなることを特徴とする。請求項4に記載の発泡
体形成部材は、請求項3に記載の発泡体形成部材におい
て、固体状の発泡性材料を中空部に配置した場合の前記
発泡性材料の中空部の長手方向の両面から適切な距離を
開けて、抑制手段でありかつ中空部の周面に対して隙間
を有する板状体を前記発泡性材料と一体化された状態で
有していることを特徴とする。
【0005】
【作用】請求項1に記載の中空構造物の中空部遮断方法
によると、抑制手段によって前記発泡性材料の中空部に
おける長手方向への発泡が抑制され得るので、中空部の
高さ方向への発泡が促進され、中空部の遮断が促進され
る。請求項2に記載の中空構造物の中空部遮断方法によ
ると、前記発泡性材料の中空部における長手方向への発
泡が抑制され得るので、中空部の高さ方向への発泡が促
進され、中空部の遮断が促進される。さらに二枚のパネ
ルを接合して中空構造物を形成する前に接合前の一方の
パネルの凹部に発泡性材料を配置し、抑制手段である板
状体を適宜手段にて前記パネル上に固定するので、中空
部への発泡性材料及び抑制手段の取り付けが容易とされ
る。請求項3に記載の発泡体形成部材によると、抑制手
段によって前記発泡性材料の中空部における長手方向へ
の発泡が抑制され得るので、中空部の高さ方向への発泡
が促進され、中空部の遮断が促進される。請求項4に記
載の発泡体形成部材によると、抑制手段によって前記発
泡性材料の中空部における長手方向への発泡が抑制され
得るので、中空部の高さ方向への発泡が促進され、中空
部の遮断が促進される。さらに抑制手段を発泡性材料と
一体化された状態で有しているので、発泡性材料を中空
部へ取り付けることにより同時に抑制手段も中空部へ取
り付けることができる。
【0006】
【実施例】実施例1 本発明の第一実施例を図1〜図4に基づいて説明する。
図1は本例1の発泡体形成部材を取り付けたピラ−の一
部破断斜視図であり、図2(A)は本例1の発泡体形成
部材の斜視図、図2(B)は図2(A)におけるB−B
線の断面図を示している。図3は図2(A)におけるA
−A線の断面図を示している。本例1の発泡体形成部材
は、図2(A)に示されるように、同形同大の長方形板
状の側面部1,1を平行に有し、これらの側面部1,1
は請求項1ないし請求項4中の抑制手段に相当する。そ
して本例1の発泡体形成部材は側面部1,1間に連続す
る長方形板状の底面部2を有し、コの字型に形成されて
いる。前記側面部1,1及び底面部2は耐熱の樹脂よ
りなり、底面部2上面の中央位置には直方体形状の発泡
性材料15が設置された構造を有している。側面部1,
1は発泡性材料15の二側面に平行な位置とされ、前記
各側面よりも一回り広い面積を有している。また側面部
1,1の長辺1Aは図1に示される本例1の発泡体形成
部材が取り付けられるべき車両ピラ−の中空部16の横
幅(図1に示される内部ピラ−部分12の両側面12
B,12B間の距離)に略等しく、少しだけ短くされ、
中空部の周面に対して隙間を有し、及び側面部1,1の
高さ1Bは本例1の取り付け用加工体が取り付けられる
べき車両ピラ−内部の中空部16の高さ(図1に示され
る内部ピラ−部分12の下面12A及び外部ピラ−部分
14の上面14A間の距離)よりも短くされ、中空部の
周面に対して隙間を有している。側面部1,1間の距
離、すなわち底面部2の横幅2Bはピラ−に防音及び制
振等の効果を付与するために発泡体で充填されることが
必要とされる必要充填部分21の厚さ19に等しくされ
ている(図6参照)。発泡性材料15は図3に示される
ように、底面部2の上面中央位置において底面部2の横
幅2Bに垂直に適切な間隔を有して設けられた溝部1
7,17内に発泡性材料15の一部が充填されてなるこ
とによって底面部2上に固定されている。また底面部2
の下面には平板状の磁石3を有している。この磁石3は
請求項3中の取り付け手段に相当し、耐熱の接着剤に
より底面部2の下面に取り付けられている。
【0007】図1及び図4は車両ピラ−の中空部内に本
例1の発泡体形成部材を取り付けた状態であり、図1は
加熱前で発泡性材料が未発泡の状態の斜視図であって、
外部ピラ−部分14の一部破断図を示し、図4は図1に
おけるピラ−の要部破断平面図を示している。車両ピラ
−内部の中空部16に本例1の発泡体形成部材を取り付
ける場合には、図1及び図4に示されるように、側面部
1,1の長辺1Aが車両ピラ−の長手方向に対して垂直
位置とされるように、本例1の発泡体形成部材を内部ピ
ラ−部分12の底面12A上に磁石3の磁力により取り
付ける。上記のように本例1の発泡体形成部材が中空部
16に取り付けられて得られる構造は、図1及び図4に
示されるように発泡性材料15の車両ピラ−の長手方向
の前後両方向において側面部1,1が設立されることに
より中空部16が一定の厚さを有して仕切られる構成を
有している。この一定の厚さは側面部1,1間の距離及
び底面部2の横幅2Bに等しく、すなわちこの距離は必
要充填部分21の厚さ19に等しくされている。従って
側面部1,1により仕切られる中空部16は、ピラ−に
防音及び制振等の効果を付与するために発泡体で充填さ
れることが必要とされる必要充填部分21と同形同大と
される。そして発泡性材料15の量(体積)はそれから
生じる発泡体が、必要充填部分21を充填することので
きる量(体積)とされている。本例1の発泡体形成部材
はピラ−を組み立てる前に内部ピラ−部分12の底面1
2A上に取り付け、その後に内部ピラ−部分12及び内
部ピラ−部分14をスポット溶接などで接合し、ピラ−
を組み立てることにより取り付ける。この方法によると
発泡体形成部材の取り付けが容易となる利点がある。し
かし組み立て後のピラ−の中空部16内に本例1の発泡
体形成部材を取り付けても良い。
【0008】本例1において発泡性材料15としては特
開平2−276836号公報に開示されている配合の
材料を使用した。すなわちこの配合はエチレンとメチ
ルアクリレ−トのコポリマ−MI0.7,MA15重量% 63.
55, LDPE(融点1.5 ℃、密度0.919 )275 ,4,4-ジ
- tertブチルベルオキシn-ブチルバレレ−ト(トリゴノ
ックス(Trigonox)29/40 )0.63,ビス(tert−ブチル
ベルオキシイソプロピル)ベンゼン (パ−カドックス
(Perkadox)14/40 )1.63,ベンゼンスルホニルヒドラ
ジド (セロ−ゲン(Cellogen)OT)3.62,アゾジカ−
ボンアミド(ポロフォ−(Porofor )ADC-K )1.81,及
びジ−エチレングリコ−ル(DEG)1.81(全比率は重量基
準)である。ポロフォ−成分は発泡活性を活性化する亜
鉛を含む。この配合をドライブレンドし、押出すことに
より、または押出機にペルオキシまたは発泡剤を添加す
ることにより、調整した。押出は2回行ない、1回は小
さいダイオリフィスを使用して低剪断混合を得るために
行い、ついで2回目の押出は必要とされる形状にするた
めに行い、特定形状のロムビック(rombic)ブロック中
へ押出し、必要とされる特定形状の発泡性材料を形成す
る。この発泡性材料は110℃〜190℃の温度で同時
に発泡、硬化でき、独立気泡発泡体を与えることを特徴
とするが、本発明においてはこの発泡性材料に限定する
ものではなく、加熱により発泡する固体状の発泡体が広
く使用可能である。本例1の発泡体形成部材を車両ピラ
−内部の中空部内に取り付けた構造は外部から加熱す
る。加熱温度は発泡性材料15の発泡する温度であり、
本例では約160℃とされる。加熱により、発泡性材料
15は発泡し、生じた発泡体がピラ−の中空部を遮断す
る。この状態は図6に示す通りである。図6は車両ピラ
−の中空部16において本例1の発泡体形成部材が存在
する部分の要部破断横断面図が示されている。中空部1
6内の発泡体は硬化し、中空部16の内壁に接着する。
【0009】そして発泡性材料15の発泡時において
は、発泡性材料15の車両ピラ−の長手方向の前後両方
向において側面部1,1が設立されていることにより、
車両ピラ−の長手方向への発泡が側面部1,1の間に略
抑制され、中空部16の高さ方向への発泡が促進され
る。このように発泡の方向性が規制されることにより、
発泡性材料15が発泡することによって生じる発泡体
は、図6に示されるように、発泡体の両側面に側面部
1,1が接触しており、発泡体の厚さは側面部1,1間
の距離、すなわち底面部2の横幅2Bに略等しくされ、
すなわち必要充填部分21の厚さ19に等しく、よっ
て、ピラ−に防音及び制振等の効果を付与するために発
泡体で充填されることが必要とされる必要充填部分21
と略同形同大とされる。従って、本例1の発泡体形成部
材及び中空部遮断方法によると、発泡性材料15の使用
量を、ピラ−に防音及び制振効果を付与するのに必要と
される量と略等しくすることができるので、従来よりも
発泡性材料15の使用量を削減でき、高価な発泡性材料
15のコストが削減できる。また本例1の発泡体形成部
材は側面部1,1及び底面部2からなるコの字型の樹脂
成型板を有していることから、車両ピラ−に強度を付与
することができる。また本例1の発泡体形成部材は底面
部2の下面の磁石3により容易に中空部16内に取り付
けることができ、便利である。本例の発泡体形成部材は
その他の方法により取り付けることができる。例えば、
内部ピラ−部分12の底面12A及び底面部2にボルト
孔を設け、ボルトにより発泡体形成部材を取り付けるこ
ともできるが、この方法に比べて本例1の方法によると
ボルト孔を設ける必要がなく、取り付けもより容易であ
り、さらにはボルト孔から発泡体が漏れることもないた
め、より好ましい。そして本例1の発泡体形成部材は、
取り付けられる中空構造物の中空部のサイズに応じ、側
面部1,1及び底面部2及び発泡性材料15のサイズを
随時変更することができる。中空構造物の長手方向の長
さが長く、この中空構造物の全体に防音及び制振等の効
果を与えるために必要な場合には本例1の発泡体形成部
材を中空構造物ピラ−の中空部16に適切な間隔を開け
て複数箇所設置しても良い。
【0010】実施例2 本発明の第二実施例を図5に基づいて説明する。図5
(A)は本例2の発泡体形成部材が車両ピラ−内部の中
空部16内に取り付けられる前の、加熱前で発泡性材料
15が未発泡の状態の斜視図であって、外部ピラ−部分
14の一部破断図であって、外部ピラ−部分14が内部
ピラ−部分12と接合される前の、外部ピラ−部分14
が内部ピラ−部分12との接合位置から少しずらして置
かれた状態を示している。図5(B)は本例2の発泡体
形成部材が車両ピラ−内部の中空部16内に取り付けら
れた発泡前の状態の図5(A)におけるC−C線断面図
を示している。本例2の発泡体形成部材は、図5に示さ
れるように、車両ピラ−内部の中空部16内に取り付け
られた発泡性材料15の車両ピラ−の長手方向の前後位
置に耐熱性樹脂成型板である遮断板4,4が略平行に立
設されてなる。これらの遮断板4の形状は長方形板状の
上下の二長辺の各辺の二箇所から合計四個の凸部4Aが
突設されてなる形状であり、これら四個の凸部4Aが内
部ピラ−部分12の底面12Aの所定位置に設けられた
四個の孔18及び外部ピラ−部分14の上面14Aの所
定位置に設けられた四個の孔18にピラ−組み立ての際
に組み入れられることにより、遮断板4は中空部16内
に立設された状態で本例2の発泡体形成部材が車両ピラ
−内部の中空部16内に取り付けらる。遮断板4,4は
発泡性材料15の二側面に平行な位置とされ、前記各側
面よりも一回り広い面積を有している。また遮断板4,
4の長辺は本例2の取り付け構造に使用されている車両
ピラ−内部の中空部16の横幅(内部ピラ−部分12の
両側面12B,12B間の距離)に略等しく、少しだけ
短くし隙間を有するようにされ、及び遮断板4,4の高
さは凸部4Aが存在する部分及びその近傍部分では車両
ピラ−内部の中空部16の高さ(内部ピラ−部分12の
下面12A及び外部ピラ−部分14の上面14A間の距
離)に等しくされ、それ以外の部分では中空部16の高
さよりも短くし中空部の周面に対し隙間を有するように
されている。遮断板4,4間の距離は、ピラ−に防音及
び制振等の効果を付与するために発泡体で充填されるこ
とが必要とされる必要充填部分21の厚さ19に等しく
されている。従って遮断板4,4により仕切られる遮断
板4,4間の中空部16の一部分は、ピラ−に防音及び
制振等の効果を付与するために発泡体で充填されること
が必要とされる必要充填部分21と同形同大とされる。
そして発泡性材料15の量(体積)はこの必要充填部分
21を充填することのできる量(体積)とされている。
【0011】本例2の発泡体形成部材を取り付けるため
には、内部ピラ−部分12及び外部ピラ−部分14を組
み付け固定する前に、図5に示されるように内部ピラ−
部分12の底面12Aの所定位置に設けられた孔18に
遮断板4の下辺の二個の凸部4Aを組み入れることによ
り、内部ピラ−部分12の底面12A及び中空部16の
長手方向に対して略垂直に遮断板4を立設させる。同様
にもう一個の遮断板4を底面12A上に略垂直に立設さ
せる。これらの平行位置に存在する遮断板4,4の略中
間位置に直方体形状の発泡性材料15をその側面が遮断
板4,4と略平行位置とされるように内部ピラ−部分1
2の底面12A上に取り付ける。本例では発泡性材料1
0の底面において発泡性材料15と一体成型された板形
状の磁石3の磁力により、発泡性材料15は内部ピラ−
部分12の底面12A上に取り付けられる。次に内部ピ
ラ−部分12と外部ピラ−部分14とを組み合わせる際
には、外部ピラ−部分14の上面14Aの所定位置に設
けられた四個の孔18の各々に二個の遮断板4の各上辺
の二個の凸部4Aの各々を組み入れる。その後、内部ピ
ラ−部分12及び外部ピラ−部分14とをスポット溶接
により接合し、ピラ−を組み立てる。これにより本例2
の発泡体形成部材が中空部16に取り付けられる。
【0012】本例2において発泡性材料15としては前
記の特開平2−276836号公報に開示されている配
合の固体材料を使用した。この配合は実施例1において
開示したものと同様である。この発泡性材料は110℃
〜190℃の温度で同時に発泡、硬化でき、独立気泡発
泡体を与えることを特徴とするが、本発明においてはこ
の発泡性材料に限定するものではなく、加熱により発泡
する固体状の発泡体が広く使用可能である。本例2の発
泡体形成部材は外部から加熱する。加熱温度は発泡性材
料15の発泡する温度であり、本例では約160℃とさ
れる。加熱により、発泡性材料15は発泡し、生じた発
泡体がピラ−の中空部を満たす。この状態は図6に示す
通りである。図6は車両ピラ−の中空部において発泡性
材料15及び遮断板4,4が存在する部分のピラ−の中
空部を満たした発泡体を示す要部破断横断面図が示され
ている。中空部16の発泡体は硬化し、中空部16の内
壁に接着する。
【0013】そして発泡性材料15の発泡時において
は、発泡性材料15の車両ピラ−の長手方向の前後両方
向において遮断板4,4が設けられていることにより、
車両ピラ−の長手方向への発泡が遮断板4,4の間に略
抑制され、中空部16の高さ方向への発泡が促進され
る。このように発泡の方向性が規制されることにより、
発泡性材料15が発泡することによって生じる発泡体
は、図6に示されるように、発泡体の両側面に遮断板
4,4が接触しており、発泡体の厚さは遮断板4,4間
の距離、すなわち必要充填部分21の厚さ19に略等し
くされ、よって、ピラ−に防音及び制振等の効果を付与
するために発泡体で充填されることが必要とされる必要
充填部分21と略同形同大とされる。従って、本例2の
発泡体形成部材及びこれを用いた中空部遮断方法による
と、発泡性材料15の使用量を、ピラ−に防音及び制振
効果を付与するのに必要とされる量と略等しくすること
ができ、従来よりも発泡性材料15の使用量を削減で
き、高価な発泡性材料15のコストが削減できる。また
本例2の発泡体形成部材は樹脂成型板である遮断板4,
4を有していることから、車両ピラ−に強度を付与する
ことができる。また本例2の発泡性材料15はその下面
の磁石3により容易に中空部16内に取り付けることが
でき、便利である。しかし本例2の発泡体形成部材にお
いて発泡性材料15はその他の方法により取り付けるこ
とができる。例えば、内部ピラ−部分12の底面12A
にボルト孔を設け、ボルトにより発泡性材料15を取り
付けることもできるが、この方法に比べて本例2の方法
によるとボルト孔を設ける必要がなく、発泡性材料15
の取り付けもより容易であり、さらにはボルト孔から発
泡体が漏れることもないため、より好ましい。中空構造
物の長手方向の長さが長く、この中空構造物の全体に防
音及び制振等の効果を与えるためには本例2の発泡体形
成部材を中空構造物ピラ−の中空部16に適切な間隔を
開けて設けても良い。
【0014】本各実施例においては前記抑制手段とし
て、発泡性材料の中空部における長手方向の前後に配置
される側面部1,1間又は遮断板4,4を用いたが、中
空部における長手方向の前又は後の一方にのみ、発泡性
材料の中空部における長手方向への発泡が抑制され得る
手段を有する場合であってても良い。本各実施例におい
ては側面部1,1及び底面部2及び遮断板4,4は耐熱
樹脂成型板であるため、成型が容易であり、安価であ
り、軽く、適度の強度を有するという利点があるが、耐
であり適度の強度を有する他の材質を使用しても良
い。また本各実施例で使用した発泡性材料は自動車の焼
き付け塗装時の温度(約160℃)により発泡及び硬化
でき、独立気泡発泡体を与えるので、特別に加熱工程を
設ける必要がなく便利である。しかし、別に加熱工程を
設け、発泡性材料を発泡及び硬化してもよい。なお本各
実施例においては、本発明の発泡体形成部材を車両ピラ
−の中空部内に使用する場合及び車両ピラ−の中空部遮
断方法について説明したが、本発明の発泡体形成部材及
び中空部遮断方法はその他の中空構造物の中空部内に使
用し、中空構造物に防音、防水、制振等の効果を付与す
ることもできる。
【0015】
【発明の効果】請求項1及び請求項2の中空構造物の中
空部遮断方法によると、抑制手段により発泡時の発泡体
の中空部の長手方向への発泡が抑制されるため、中空部
の高さ方向への発泡が促進され、従来よりもより少量の
発泡性材料で中空部を遮断することができる。従って発
泡性材料の使用量が削減でき、コスト削減が可能であ
る。請求項2の中空構造物の中空部遮断方法によると、
さらに上記効果に加えて、中空構造物の中空部形成前に
発泡性材料及び抑制手段を配置するので、発泡性材料及
び抑制手段の中空部への取り付けが容易とされる。請求
項3及び請求項4の発泡体形成部材によると、抑制手段
により発泡時の発泡体の中空部の長手方向への発泡が抑
制されるため、中空部の高さ方向への発泡が促進され、
従来よりもより少量の発泡性材料で中空部を遮断するこ
とができる。従って発泡性材料の使用量が削減でき、コ
スト削減が可能である。請求項4の発泡体形成部材によ
ると、さらに上記効果に加えて、抑制手段及び発泡性材
料が一体化された状態であるため、発泡性材料を中空部
に取り付けると共に抑制手段を取り付けることができ、
中空部への取り付けが容易とされる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の発泡体形成部材を取り付けたピラ−
の一部破断斜視図である。
【図2】実施例1における発泡体形成部材の構造図であ
る。図2(A)は斜視図、図2(B)は図2(A)のB
−B線断面図を示す。
【図3】図2(A)におけるA−A線断面図である。
【図4】実施例1の発泡体形成部材を取り付けたピラ−
の要部破断平面図である。
【図5】(A)は実施例2の発泡体形成部材取り付け工
程中のピラ−の一部破断斜視図であり、(B)は実施例
2の発泡体形成部材を取り付けた状態の図5(A)にお
けるC−C線断面図である。
【図6】実施例1又は2においてピラ−の中空部を満た
した発泡体を示す要部破断横断面図である。
【図7】車両ピラ−の斜視図である。
【図8】従来の発泡性材料の取り付け状態説明図であ
る。
【図9】従来の発泡性材料の取り付け構造を示す図7に
おけるD−D線縦断面図である。
【図10】従来の発泡性材料の取り付け構造において、
ピラ−の中空部を満たした発泡体の図7におけるD−D
線縦断面図である。
【符号の説明】
1 側面部 2 底面部 3 磁石 4 遮断板 12 内部ピラ−部分 14 外部ピラ−部分 15 発泡性材料 16 中空部 17 溝部 18 孔 19 必要充填部分21の厚さ 21 必要充填部分

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 中空構造物の中空部に、加熱により発泡
    する固体状の発泡性材料を配置し、外部加熱により発泡
    させ、この発泡体の硬化物によって前記中空部を遮断す
    るに際し、発泡時の発泡体の中空部長手方向への発泡
    を、中空部の周面に対して隙間を有する板状で固定の抑
    制手段にて抑制することを特徴とした中空構造物の中空
    部遮断方法。
  2. 【請求項2】 中空構造物が前記中空部となる凹部を有
    する二枚のパネルを接合した構造よりなり、接合前の一
    方のパネルの凹部に固体状の発泡性材料を配置する工程
    及び、前記発泡性材料のパネルの長手方向の両面から適
    切な距離を開け、かつ中空部の周面に対して隙間を有す
    る抑制手段である二枚の板状体を適宜手段にて前記パネ
    ル上に固定する工程を有し、次いで、所定の中空部を形
    成すべく、両パネルを重ねて接合した後、外部加熱し、
    発泡性材料を発泡、硬化させ、板状体に挟まれた発泡体
    の硬化物により中空部に遮断構造を得ることを特徴とし
    た請求項1に記載の中空部遮断方法。
  3. 【請求項3】 中空構造物の中空部に配置し、外部加熱
    により発泡させ、この発泡体の硬化物によって中空部を
    遮断するための固体状の発泡性材料と、この発泡性材料
    を中空部の長手方向において所定の距離を開けて挟み、
    前記中空部内に取り付ける取り付け手段と、前記中空部
    における長手方向への発泡を抑制しかつ中空部の周面に
    対して隙間を有する板状で固定の抑制手段とからなるこ
    とを特徴とした発泡体形成部材。
  4. 【請求項4】 固体状の発泡性材料を中空部に配置した
    場合の前記発泡性材料の中空部の長手方向の両面から適
    切な距離を開けて、抑制手段でありかつ中空部の周面に
    対して隙間を有する板状体を前記発泡性材料と一体化さ
    れた状態で有していることを特徴とした請求項3に記載
    の発泡体形成部材。
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