JP2998464B2 - 壁パネル用プレキャストコンクリート部材 - Google Patents
壁パネル用プレキャストコンクリート部材Info
- Publication number
- JP2998464B2 JP2998464B2 JP30567292A JP30567292A JP2998464B2 JP 2998464 B2 JP2998464 B2 JP 2998464B2 JP 30567292 A JP30567292 A JP 30567292A JP 30567292 A JP30567292 A JP 30567292A JP 2998464 B2 JP2998464 B2 JP 2998464B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- groove
- panel
- shaped recess
- reinforcing bar
- connection
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Description
【０００１】
【産業上の利用分野】この発明は、壁や柱などの構造体
となる壁パネル用のプレキャストコンクリート部材（以
下ＰＣ部材とする）に関し、特に、建設現場で他のコン
クリート部材と接続するための構造の改良に関する。
となる壁パネル用のプレキャストコンクリート部材（以
下ＰＣ部材とする）に関し、特に、建設現場で他のコン
クリート部材と接続するための構造の改良に関する。
【０００２】
【従来の技術】よく知られているように、ＰＣ部材を用
いて建物を構築する場合、ＰＣ部材を現場に建て付けて
他のコンクリート部材と一体的に接続する。そのための
接続構造として、ＰＣ部材の接続端面には一般の差筋に
相当する鉄筋が予め突設されている。また、ＰＣ部材よ
り先に現場に設置されている他のコンクリート部材（場
所打ちコンクリート部材あるいは別のＰＣ部材）の接続
部位にも差筋に相当する鉄筋が突設されている。
いて建物を構築する場合、ＰＣ部材を現場に建て付けて
他のコンクリート部材と一体的に接続する。そのための
接続構造として、ＰＣ部材の接続端面には一般の差筋に
相当する鉄筋が予め突設されている。また、ＰＣ部材よ
り先に現場に設置されている他のコンクリート部材（場
所打ちコンクリート部材あるいは別のＰＣ部材）の接続
部位にも差筋に相当する鉄筋が突設されている。
【０００３】そして、ＰＣ部材を所定位置に建て付け
て、その接続端面と他のコンクリート部材の接続部位と
を所定間隔をおいて対向させ、両者から突出している前
記鉄筋を互いに重ね合わせ、その重ね継手部分を囲うよ
うに型枠を設置し、その型枠内にコンクリートを打設し
て重ね継手部分を埋設する。以上が重ね継手により従来
の代表的なＰＣ部材の接続構造および工法である。
て、その接続端面と他のコンクリート部材の接続部位と
を所定間隔をおいて対向させ、両者から突出している前
記鉄筋を互いに重ね合わせ、その重ね継手部分を囲うよ
うに型枠を設置し、その型枠内にコンクリートを打設し
て重ね継手部分を埋設する。以上が重ね継手により従来
の代表的なＰＣ部材の接続構造および工法である。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】前記のような接続構造
のＰＣ部材では、その接続端面から多数の鉄筋が突出し
ているので、工場から現場までの運搬作業や現場での建
て付け作業に際して突出鉄筋が非常に邪魔になり、作業
能率を低下させているだけでなく、怪我をしやすいなど
安全面でも問題があった。
のＰＣ部材では、その接続端面から多数の鉄筋が突出し
ているので、工場から現場までの運搬作業や現場での建
て付け作業に際して突出鉄筋が非常に邪魔になり、作業
能率を低下させているだけでなく、怪我をしやすいなど
安全面でも問題があった。
【０００５】またＰＣ部材を用いる建築工法は、現場で
の鉄筋工事や型枠工事の削減を意図しているが、前記の
ようにＰＣ部材と他のコンクリート部材との間に型枠を
設置してコンクリートを打設するという接続方法では、
接続工事に伴って型枠の設置と撤去の作業が依然として
必要であり、現場作業をさらに向上させるためにＰＣ部
材の接続構造の改良が望まれている。
の鉄筋工事や型枠工事の削減を意図しているが、前記の
ようにＰＣ部材と他のコンクリート部材との間に型枠を
設置してコンクリートを打設するという接続方法では、
接続工事に伴って型枠の設置と撤去の作業が依然として
必要であり、現場作業をさらに向上させるためにＰＣ部
材の接続構造の改良が望まれている。
【０００６】この発明は前述した従来の問題点に鑑みな
されたもので、その目的は、接続手段としての鉄筋が外
部に突出していない運搬性および安全性の良好な壁パネ
ル用ＰＣ部材を提供することにある。
されたもので、その目的は、接続手段としての鉄筋が外
部に突出していない運搬性および安全性の良好な壁パネ
ル用ＰＣ部材を提供することにある。
【０００７】
【課題を解決するための手段】この発明の壁パネル用Ｐ
Ｃ部材は、他のコンクリート部材と接続する両側端面お
よび下端面に交わっている表面部分に前記両側端面およ
び下端面にまで達する細長い溝状凹部が形成されてい
て、内部に埋め込まれている鉄筋の一部が前記溝状凹部
内に完全に収納された状態で露出しているとともに前記
溝状凹部の長手方向に沿うように配設されていることを
特徴とするものである。
Ｃ部材は、他のコンクリート部材と接続する両側端面お
よび下端面に交わっている表面部分に前記両側端面およ
び下端面にまで達する細長い溝状凹部が形成されてい
て、内部に埋め込まれている鉄筋の一部が前記溝状凹部
内に完全に収納された状態で露出しているとともに前記
溝状凹部の長手方向に沿うように配設されていることを
特徴とするものである。
【０００８】
【０００９】
【００１０】
【作用】前記の構成の壁パネル用ＰＣ部材では、接続用
の鉄筋はコンクリート中から露出しているが、前記端面
から突出しているのではなくて、前記表面部分に形成さ
せている前記溝状凹部内の溝長手方向に沿って配設さ
れ、溝内に収納された状態になっている。したがってＰ
Ｃ部材本体の包絡的な外形に前記鉄筋が収まる。
の鉄筋はコンクリート中から露出しているが、前記端面
から突出しているのではなくて、前記表面部分に形成さ
せている前記溝状凹部内の溝長手方向に沿って配設さ
れ、溝内に収納された状態になっている。したがってＰ
Ｃ部材本体の包絡的な外形に前記鉄筋が収まる。
【００１１】
【００１２】
【実施例】図１はこの発明の一実施例による壁用のＰＣ
パネル１の要部構成を示している。このＰＣパネル１は
全体として長方形のパネルを構成しており、その下端面
１ａが後述の梁部材との接続面となり、両側端面１ｂが
同一構成の別のＰＣパネルとの接続面となる。下端面１
ａおよび側端面１ｂに直交している前面および背面（以
下パネル面という）１ｃには前述した溝状凹部２と３が
多数形成されている。
パネル１の要部構成を示している。このＰＣパネル１は
全体として長方形のパネルを構成しており、その下端面
１ａが後述の梁部材との接続面となり、両側端面１ｂが
同一構成の別のＰＣパネルとの接続面となる。下端面１
ａおよび側端面１ｂに直交している前面および背面（以
下パネル面という）１ｃには前述した溝状凹部２と３が
多数形成されている。
【００１３】溝状凹部２は梁部材との接続用のもので、
パネル面１ｃの下部に垂直方向に形成され、下端面１ａ
にまで達している。この垂直方向の溝状凹部２内には、
ＰＣパネル１に埋め込まれている鉄筋の一部が露出して
いて垂直方向に配置されている。この実施例では、１つ
の溝状凹部２に２本の露出鉄筋４が平行に配置されてお
り、両鉄筋４とも溝状凹部２の空間内に収納されてい
る。
パネル面１ｃの下部に垂直方向に形成され、下端面１ａ
にまで達している。この垂直方向の溝状凹部２内には、
ＰＣパネル１に埋め込まれている鉄筋の一部が露出して
いて垂直方向に配置されている。この実施例では、１つ
の溝状凹部２に２本の露出鉄筋４が平行に配置されてお
り、両鉄筋４とも溝状凹部２の空間内に収納されてい
る。
【００１４】溝状凹部３は他のパネルとの接続用のもの
で、パネル面１ｃの側端近くに水平方向に形成され、側
端面１ｂにまで達している。この水平方向の溝状凹部３
内には、ＰＣパネル１に埋め込まれている鉄筋の一部が
露出していて水平方向に配置されている。溝状凹部３は
前記溝状凹部２より幅が狭く、１つの溝状凹部３に１本
の露出鉄筋５が凹部内に完全に収納された状態になって
いる。
で、パネル面１ｃの側端近くに水平方向に形成され、側
端面１ｂにまで達している。この水平方向の溝状凹部３
内には、ＰＣパネル１に埋め込まれている鉄筋の一部が
露出していて水平方向に配置されている。溝状凹部３は
前記溝状凹部２より幅が狭く、１つの溝状凹部３に１本
の露出鉄筋５が凹部内に完全に収納された状態になって
いる。
【００１５】前記のＰＣパネル１を建設現場に建て付け
た状態を図２および図３（ａ），（ｂ），（ｃ）に示し
ている。同図において、６は場所打ちコンクリートで先
に構築されている梁部材であり、この梁部材６の上に前
記のＰＣパネル１を垂直に立てて連設する。梁部材６を
打設する際に、ＰＣパネル１と接続するための差筋７を
予め突設している。この実施例では、差筋７は２本１組
で、前記溝状凹部２のスパンに合せた間隔をおいて所定
位置に設けられている。
た状態を図２および図３（ａ），（ｂ），（ｃ）に示し
ている。同図において、６は場所打ちコンクリートで先
に構築されている梁部材であり、この梁部材６の上に前
記のＰＣパネル１を垂直に立てて連設する。梁部材６を
打設する際に、ＰＣパネル１と接続するための差筋７を
予め突設している。この実施例では、差筋７は２本１組
で、前記溝状凹部２のスパンに合せた間隔をおいて所定
位置に設けられている。
【００１６】梁部材６の所定位置にＰＣパネル１を建て
付けると、梁部材６側の差筋７がＰＣパネル１の溝状凹
部２内に入り込む。そこで、溝状凹部２内において差筋
７とＰＣパネル１がわの露出鉄筋４とを針金などで結束
する。このように差筋７と露出鉄筋４とが重ね合わされ
ている溝状凹部２内にコンクリートあるいはモルタルを
充填し、重ね継手部分を埋設する。なお、コンクリート
あるいはモルタルの充填は吹き付け工法や塗り付け工法
で行うので、もちろん型枠は必要ない。
付けると、梁部材６側の差筋７がＰＣパネル１の溝状凹
部２内に入り込む。そこで、溝状凹部２内において差筋
７とＰＣパネル１がわの露出鉄筋４とを針金などで結束
する。このように差筋７と露出鉄筋４とが重ね合わされ
ている溝状凹部２内にコンクリートあるいはモルタルを
充填し、重ね継手部分を埋設する。なお、コンクリート
あるいはモルタルの充填は吹き付け工法や塗り付け工法
で行うので、もちろん型枠は必要ない。
【００１７】また図２において、右側のＰＣパネル１は
前記の方法で梁部材６に既に接続されているものとす
る。そして左側のＰＣパネル１を前記のように梁部材６
上に建て付けると、既設のＰＣパネル１と新設のＰＣＰ
Ｃパネル１の側端面１ｂ同士が接合する配置関係とな
る。そのとき、２つのＰＣパネル１に形成されている前
記溝状凹部３の高さが一致して相互に連続した状態にな
る。
前記の方法で梁部材６に既に接続されているものとす
る。そして左側のＰＣパネル１を前記のように梁部材６
上に建て付けると、既設のＰＣパネル１と新設のＰＣＰ
Ｃパネル１の側端面１ｂ同士が接合する配置関係とな
る。そのとき、２つのＰＣパネル１に形成されている前
記溝状凹部３の高さが一致して相互に連続した状態にな
る。
【００１８】そこで、つながった２つの溝状凹部３の全
長より少し短い継手鉄筋８を用意し、その鉄筋８を２つ
の溝状凹部３に掛け渡すように配設し、両凹部３内の露
出鉄筋５と重ね合せて針金などで結束する。その状態
で、吹き付け工法あるいは塗り付け工法によりコンクリ
ートあるいはモルタルを溝状凹部３内に充填し、重ね合
わせ継手部分を埋設する。
長より少し短い継手鉄筋８を用意し、その鉄筋８を２つ
の溝状凹部３に掛け渡すように配設し、両凹部３内の露
出鉄筋５と重ね合せて針金などで結束する。その状態
で、吹き付け工法あるいは塗り付け工法によりコンクリ
ートあるいはモルタルを溝状凹部３内に充填し、重ね合
わせ継手部分を埋設する。
【００１９】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、この発明に
よる壁パネル用ＰＣ部材では、他のコンクリート部材と
の接続用の露出鉄筋は前記溝状凹部内に完全に収納され
ていて、ＰＣ部材本体の包絡形状から外側に突出する鉄
筋はなくなるので、運搬作業や現場での組立作業の邪魔
ものがなく、作業能率が向上するとともに作業の安全性
も増す。
よる壁パネル用ＰＣ部材では、他のコンクリート部材と
の接続用の露出鉄筋は前記溝状凹部内に完全に収納され
ていて、ＰＣ部材本体の包絡形状から外側に突出する鉄
筋はなくなるので、運搬作業や現場での組立作業の邪魔
ものがなく、作業能率が向上するとともに作業の安全性
も増す。
【００２０】
【図１】この発明の一実施例によりＰＣパネルの要部構
成を示す斜視図である。
成を示す斜視図である。
【図２】同上実施例のＰＣパネルを現場に建て付けた状
態の概略を示す斜視図である。
態の概略を示す斜視図である。
【図３】（ａ）は図２の平面図である。（ｂ）は図３
（ａ）のＢ−Ｂ´断面図である。（ｃ）は図３（ａ）の
Ｃ−Ｃ´断面図である。
（ａ）のＢ−Ｂ´断面図である。（ｃ）は図３（ａ）の
Ｃ−Ｃ´断面図である。
１ ＰＣパネル １ａ 下端面 １ｂ 側端面 １ｃ パネル面 ２ 溝状凹部 ３ 溝状凹部 ４ 露出鉄筋 ５ 露出鉄筋 ６ 梁部材 ７ 差筋 ８ 継手鉄筋
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7，ＤＢ名) E04C 2/06 E04B 1/04 E04B 1/16 E04B 1/61 E04B 2/56
Claims (1)
- 【請求項１】 他のコンクリート部材と接続する両側端
面および下端面に交わっている表面部分に前記両側端面
および下端面にまで達する細長い溝状凹部が形成されて
いて、内部に埋め込まれている鉄筋の一部が前記溝状凹
部内に完全に収納された状態で露出しているとともに前
記溝状凹部の長手方向に沿うように配設されていること
を特徴とする壁パネル用プレキャストコンクリート部
材。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP30567292A JP2998464B2 (ja) | 1992-11-16 | 1992-11-16 | 壁パネル用プレキャストコンクリート部材 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP30567292A JP2998464B2 (ja) | 1992-11-16 | 1992-11-16 | 壁パネル用プレキャストコンクリート部材 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH06146437A JPH06146437A (ja) | 1994-05-27 |
| JP2998464B2 true JP2998464B2 (ja) | 2000-01-11 |
Family
ID=17947966
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP30567292A Expired - Lifetime JP2998464B2 (ja) | 1992-11-16 | 1992-11-16 | 壁パネル用プレキャストコンクリート部材 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2998464B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP5061804B2 (ja) * | 2007-09-12 | 2012-10-31 | 株式会社大林組 | 一対のフルｐｃ部材の接合構造 |
| JP6460952B2 (ja) * | 2015-09-30 | 2019-01-30 | 鹿島建設株式会社 | 接合構造および接合方法 |
-
1992
- 1992-11-16 JP JP30567292A patent/JP2998464B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH06146437A (ja) | 1994-05-27 |
Similar Documents
| Publication | Publication Date | Title |
|---|---|---|
| US3867805A (en) | Method of forming joint construction of precast concrete columns and beams | |
| US5528874A (en) | Building blocks and insulated composite walls having stackable half-bond symmetry and method of making such walls | |
| JP2998464B2 (ja) | 壁パネル用プレキャストコンクリート部材 | |
| GB1581355A (en) | Building panels | |
| JP3791887B2 (ja) | プレキャストコンクリ−ト基礎梁の接合方法及び壁構築用プレキャストコンクリ−ト部材の接合方法 | |
| JP3852161B2 (ja) | 既存建物への耐震壁増設工法、既存建物に増設される耐震壁 | |
| JP3089991B2 (ja) | 段違い梁の鉄筋組立体及びその配筋方法 | |
| JPH07247610A (ja) | Ｐｃ壁を用いた建築物に用いられる梁 | |
| JPH0893083A (ja) | プレキャスト耐震壁及びその接合方法 | |
| JPH06158736A (ja) | プレキャストコンクリート板の接合構造 | |
| JP2997569B2 (ja) | 建物の基礎 | |
| JP2741850B2 (ja) | Ｌ形擁壁の構築方法 | |
| JPH0781307B2 (ja) | 超高層建築物の構築方法 | |
| JP3039260B2 (ja) | Ｐｃ部材を用いた建築工法 | |
| JP2963613B2 (ja) | 基礎構造およびその施工方法 | |
| JPS6220571Y2 (ja) | ||
| JPH077447Y2 (ja) | プレキャスト鉄筋コンクリート部材の接続構造 | |
| JPH0350846B2 (ja) | ||
| JP2004076336A (ja) | Ｐｃ製柱，柱梁接合構造体およびその接合方法 | |
| JPS5941564A (ja) | 壁式鉄筋コンクリ−ト構造物の配筋工法 | |
| JP2651321B2 (ja) | 壁式ラーメン構造物における梁の定着方法 | |
| JPH0414524A (ja) | 布基礎配筋の布筋枠配筋方法 | |
| JPH0612010B2 (ja) | 住宅基礎構造の施工法 | |
| JPH0428935Y2 (ja) | ||
| JPS6378941A (ja) | 壁厚方向の強度を持たせたコンクリ−トブロツク構造物 |