JP2997173B2 - 油種判別センサ - Google Patents

油種判別センサ

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JP2997173B2
JP2997173B2 JP6273147A JP27314794A JP2997173B2 JP 2997173 B2 JP2997173 B2 JP 2997173B2 JP 6273147 A JP6273147 A JP 6273147A JP 27314794 A JP27314794 A JP 27314794A JP 2997173 B2 JP2997173 B2 JP 2997173B2
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    • G01N21/17Systems in which incident light is modified in accordance with the properties of the material investigated
    • G01N21/41Refractivity; Phase-affecting properties, e.g. optical path length
    • G01N21/43Refractivity; Phase-affecting properties, e.g. optical path length by measuring critical angle

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、油種判別センサに関す
るものであり、特には導波構造の導波層を具備するコン
パクトで且つ高精度の全反射型屈折率センサを使用する
油種判別センサ及びそれを使用する油種判定方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】ガソリンスタンド、油槽所、タンクロー
リーにおいて油の受入れや払出しが行われている。扱わ
れる油の種類には、大きく分けて重油、軽油、ガソリン
等があり、それぞれに各種の製品がある。例えば、夏用
軽油として2号軽油そして冬用軽油として3号軽油等が
販売されている。これら油の受入れや払出しに際して、
誤積載が生じ問題となることがある。その誤積載に対す
る対策として、コンピュータによる払出しシステムが採
用されているが、最終的には作業員の注意力に頼ってお
り、安全な対策とはいえない。しかしながら、各種添加
剤の添加による油種の増加、油の受入れや払出しの効率
化、省力化にともない油種判別センサの導入による確実
なシステムの構築が求められている。
【0003】油種判別センサとしては、屈折計が考慮し
うる。工業上、例えば物質の同定、溶液濃度の測定、液
体混合物濃度の測定、特定の物質への汚染物質濃度の測
定、溶液中の析出物乃至沈殿物の発生の監視、液体中で
の反応状態の監視、重合反応の程度の監視などを含めさ
まざまの分野で屈折計が使用されている。一例を挙げる
と、石油工業において目的とする石油製品中への他の成
分の混入濃度を調べるため、例えばオクタンの製造に際
して混入する可能性のあるブタンの濃度を調べるために
屈折率が製造現場で測定されている。オクタンの屈折率
は1.39であり、そしてブタンの屈折率はそれより若
干低い1.34である。ブタンがオクタン中に混入する
と純粋なオクタンのみの場合に比較して屈折率がその混
合率に応じて下がるので、屈折率の測定からブタンの混
入率を知ることができる。この他にも、飲料食品では原
液(シロップ)と水とのミキシングコントロール、ポリ
マーの重合工程コントロールにプロセス屈折計が使用さ
れている。薬品、香料、油脂、醸造品、界面活性剤等の
分野でも屈折計が用いられている。しかしながら、ガソ
リンスタンド、油槽所、タンクローリーにおける油の受
入れや払出し現場での油種判別センサとして屈折計が採
用されたことはない。これは、小型で、安価で、そして
オンライン可能なそして揮発度の高い油専用のセンサが
開発されていないという事実によると思われる。
【0004】屈折率の測定には幾種かの屈折計が知られ
ている。アッベの屈折計は2個の直角プリズムの向かい
合う斜面の間に測定せんとする液体を挟み、0.1mm
程度の液体層を形成し、臨界角に相当する出射角を測定
するものである。しかし、このアッベ屈折計は透過型で
あるので、濃着色試料に対しては使用できず、また試料
の屈折計への面倒な注入を必要とし、実際の製造現場で
の連続的な監視目的の使用に実用的でない。また、揮発
の激しいサンプルはサンプル量を少量しか使わないアッ
屈折計ではすぐに無くなってしまい測定できない。
【0005】こうした透過型屈折計に代わる全反射型屈
折計として、例えば米国エレクトロマシーン社から潤滑
油等を対象としてSSR−72の型名での屈折濃度計が
販売されている。これは、光源からの光を集光レンズを
通して平行光とし、うず巻き状スリットになったスキャ
ナのモータによる回転により集光レンズ上を走査し、測
定せんとする流体との接触面を有するバルクプリズムに
光を入射し、反射光を検出部で測定するものである。即
ち、臨界角より小さい角度で入射した光は測定溶液中に
屈折するが、臨界角より大きい角度で入射した光はプリ
ズム面で全反射して検出部の方へ差し向けられる現象を
利用したものである。
【0006】また、ATAGO社からプロセス屈折計P
RMシリーズとしてバルクプリズムを利用した屈折計が
販売されている。そのカタログNo.3621、367
0から検出部ブロックダイヤグラムを転載したのが第1
4図である。ここでは、検出部はプロセスラインの一部
に設置され、配管内を流れる内容液の屈折率を検出す
る。タングステンランプ或いはハロゲンランプのような
光源50から放出された光はバルクプリズム51に入射
される。バルクプリズムは台形であり、光は一側辺で反
射されサンプル液と接触する検出面52で透過するか或
いは全反射し、全反射した場合には、反射光はレンズを
通して受光器53を通して電気回路54に出力される。
電気回路には、サーミスタ55、56及び湿度センサー
57並びに電源回路58が接続され、屈折率出力、温度
出力、各種アラーム出力を出力しうるようになってい
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記SSR−
72型屈折濃度計は、光源、モータ−駆動ビームスキャ
ン機構、集光レンズ、バルクプリズム、ディテクタなど
を必要とし、装置の小型化ができず、現場での使用に不
便であり、また熱容量が大きい。更には、可動部分があ
るので装置の操作及びメンテナンスに配慮を要する。A
TAGO社のプロセス屈折計はやはりランプ光源及びバ
ルクプリズムを使用し、装置の小型化をなし得ない。バ
ルクプリズムを使用する場合、熱容量が大きく、熱的に
安定するまでに時間がかかり、測定時間が長くなり、油
の現場測定には適しない。バルクプリズムでは、光が広
がり、検出が困難となる。光源としてランプ光源を用い
る場合には、視差が生じ、検出端(境界)がぼけ、測定
精度が低下する。油種の判別には、少なくとも少数点以
下3.5桁、好ましくは小数点以下5桁の精度を確保す
る必要がある。
【0008】本発明の課題は、バルクプリズムやランプ
光源を必要としない小型の、安価なそしてオンライン可
能なそして油種判別に適した、全反射型高精度屈折率セ
ンサとしての油種判別センサを開発することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、基板上に
クラッド/コア/クラッド導波構造或いは導波ガラスを
基板間に挟んでなる導波構造の導波層を使用する全反射
型屈折率センサ原理に基づくセンサを油種判別センサと
して使用することを想到し、試作の結果、良好な動作性
能を確認した。
【0010】こうした知見に基づいて、本発明は、 (1)基板上にクラッド/コア/クラッドなる導波構造
の導波層を具備し、該導波層に約4〜8度の広がり角度
を有する光を入射する光入射手段接続された導波層端
面の光入射面と、被検体油との接触面を導波層端面に構
成する検出面であり、該光入射手段からの広がり角度を
有する入射光を全反射/透過る検出面と、該検出面か
らの反射光を出力する導波層端面で明暗視界を判別する
ための光検出手段と接続された光出射面と、検出面にお
ける油の温度を制御する温度制御手段と、検出面におけ
る油の温度を検出する温度検出手段とを備え、前記被検
体油の屈折率を相当する検出面からの全反射光の存在に
より検出することを特徴とする、油種を屈折率により判
別する油種判別センサ、及び (2)導波ガラスを基板間に挟んだ導波構造の導波層を
具備し、該導波層に約4〜8度の広がり角度を有する光
を入射する光入射手段接続された導波層端面の光入射
面と、被検体油との接触面を導波層端面に構成する検出
面であり、該光入射手段からの広がり角度を有する入射
光を全反射/透過る検出面と、該検出面からの反射光
を出力する導波層端面で明暗視界を判別するための光検
出手段と接続された光出射面と、検出面における油の温
度を制御する温度制御手段と、検出面における油の温度
を検出する温度検出手段とを備え、前記被検体油の屈折
率を相当する検出面からの全反射光の存在により検出す
ることを特徴とする、油種を屈折率により判別する油種
判別センサを提供する。
【0011】光入射手段を光ファイバとし、単一の光フ
ァイバ若しくは入射角を異にするが全体として連続した
入射角範囲を構成する複数の光ファイバを光入射面に接
続することができる。また、本発明の油種判別センサ
は、(1)光入射面からの入射光が検出面に直接入射
し、該検出面において全反射/透過し、該検出面からの
反射光が出射面に至る1回反射型構造或いは(2)光入
射面からの入射光が検出面に入射するまでに1回以上全
反射された後該検出面に入射し、該検出面において全反
射/透過し、該検出面からの反射光がそのまま或いは1
回以上全反射された後出射面に至る複数回反射型構造と
して具現することができ、特に複数回反射型の一例とし
て(3)光入射面と光出射面とが検出面と平行な同一面
の光入射/出射面として構成され、該光入射/出射面の
光入射位置からの入射光が一側辺で全反射された後検出
面に入射し、該検出面において全反射/透過し、該検出
面からの反射光が一側辺において全反射された後前記光
入射/出射面の光出射位置に至る3回反射型構造を挙げ
ることができる。
【0012】更には、(イ)光ファイバからの広がり角
度を光ファイバの端面形状を加工することにより調整す
ることができ、(ロ)導波層レンズを光入射面に隣り合
って或いは導波層内部或いは光出射面近くに設けること
ができ或いは(ハ)検出面を凹状加工或いは凸状加工す
ることにより屈折率範囲を調整することができる。光検
出器としては、CCD光センサ又はCCD光センサアレ
イの使用が好ましい。光検出手段が直線補間法、多次曲
線補間法或いはフィッティング法を用いて明暗境界を判
別する計測・演算部を有することが推奨される。
【0013】本発明はまた、3〜5桁の測定精度を有す
る導波型屈折率計を使用してリアルタイム/オンライン
で被検体油の屈折率及び温度を測定する段階と、測定し
た屈折率を基準温度に温度補正する段階と、温度補正し
た屈折率を基準温度における油種の屈折率を表示する屈
折率テーブルと照合して被検体油の油種を判定する段階
と、判定した油種を表示する段階とを包含する油種判定
方法をも提供する。
【0014】
【作用】油種判別センサの動作原理は全反射型屈折率セ
ンサの動作原理、即ち、屈折率の異なる媒質1(屈折率
1 )から媒質2(屈折率n2 )へとその境界面に入射
した光線はいわゆるスネル(Snell )の法則に従って屈
折するが、sinθc =n2 /n1 で定まる臨界角θc
(度)より大きな角度で入射した光は完全に反射される
という原理に基づくものである。光入射面に接続された
光ファイバ或いは発光素子からの出射光は固有の広がり
(±Δ)(度)を有しており、その広がりを保ったまま
導波層を通って被検体である油と接触する検出面に中心
入射角α度を中心とした或る広がり(α±Δ)(度)を
持って到達する。従って、被検体油の臨界角θc が(α
±Δ)の間にあれば、被検体油の臨界角θc を境にその
反射条件が異なることから、光出射面における光の強度
を例えばCCD光センサのような光検出器で測定して明
暗境界位置を判別することにより被検体油の屈折率を測
定することが可能となる。明暗境界とは全反射部分とそ
うでない透過・反射部分との境である。中心入射角αを
測定しようとする被検体油の臨界角θc 乃至その近傍に
なるよう適当に選んでやれば、臨界角θc に相当する臨
界屈折率を中心とする所望の屈折率範囲1.30〜1.
50を計測することができる。クラッド/コア/クラッ
ドなる成膜構造の導波層を基板で挟んだ構造体又は導波
ガラスを基板で挟んだ構造体からなる導波構造と光ファ
イバや発光素子とレーザ光源の組合せにより屈折率セン
サを非常に小型の高精度のものとすることができる。短
時間で熱的に安定するので、測定時間が短くてすむ。光
源としてレーザ光を用いることにより検出端のぼけの大
きさを小さくできることに加え、導波構造とすることに
よって導波モード側の光拡散を防止し、出射端の光強度
を向上させることができる。これにより、CCDなどの
光検出装置を利用することが可能となり、明暗境界の精
密な判別を通して測定精度を向上することができる。ま
た、複数の光ファイバを導波層の入射側に取付け、それ
ぞれの光ファイバに個別に測定範囲を持たせ、それを重
ねあわせることにより、測定精度の低下なく測定範囲を
広げることができる。小数点以下5桁まで測定できるの
で、常用の油をその屈折率により完全に判別できる。
【0015】
【発明の具体的な説明】図1及び図2(a)は、本発明
に従う油種判別センサの原理を説明するため、そのセン
サヘッド部分の一具体例の主要部の斜視図及び上面図で
ある。油種判別センサはここでは、基板上にクラッド/
コア/クラッドなる導波構造の導波層を形成するように
基板1上にクラッドガラス2、コアガラス3及びクラッ
ドガラス4を成膜し、更に接着剤5を介して基板6を貼
り付けた成膜構造体である。下部基板1及び上部基板6
は代表的にはSi製である。コアの屈折率は全反射条件
を満たせばよく、1.5以上であれば可能であり、1.
6〜2.2の範囲が好ましい。サファイア(屈折率:
1.8)、リチウムナイオベート(屈折率:2.1)等
を用いることができる。従って、クラッド/コア/クラ
ッドなる導波構造は、SiO2 /サファイア/SiO
2 、SiO2 /LiNbO3 /SiO2 等が使用され
る。この成膜構造は、真空蒸着、CVD、スパッタリン
グ等の慣用の成膜技術により成膜される。接着剤として
は例えばエポキシ樹脂が使用されうる。
【0016】この成膜構造体は、クラッド/コア/クラ
ッドガラス部分2、3及び4により形成される導波層に
光を入射するための光入射面7と、入射光を反射/透過
しそして被検体油Mとの接触面を構成する検出面(図1
の背後の面、図2(a)参照)8と、反射光を出力する
光出射面9とを備えている。検出面8が被検体油Mと接
触せしめられる。この具体例は光ファイバからの入射光
が検出面で反射されて光出射面に到達するから1回反射
型屈折率センサと呼ばれる。
【0017】光入射面7は光源と接続されたシングルモ
ード光ファイバ或いはLEDやLDの発光素子から構成
される光入射手段、ここでは光ファイバ10がアレイ1
1を通して直接接続される。光ファイバは、例えばGa
AS−AlGaAsのような半導体レーザ、He−Ne
レーザのような光源に接続される。光出射面9には複数
の光検出器やCCD光センサ、複数の光検出器に接続さ
れた光ファイバのような光検出器(第1図では省略、図
2参照)12が接続される。これら光源は、当該光源か
らの出射光の入射角が導波層における目的の屈折率範囲
となるように導波層に接続される。光検出器12には、
検出した光の明暗境界を一層正確に判別するために計測
・演算部(第1図では省略、図2参照)14を設置する
ことが好ましい。これら光検出器12、信号線13及び
計測・演算部14が光検出手段15を構成する。
【0018】温度制御手段16は、検出面に接触する被
検体油を所定の温度に冷却または加熱するもので、セン
サヘッド部に密接して配置される。具体的な例として
は、ヒートシンク上に載置されたペルチェ素子や循回冷
媒による熱交換器やクライオスタット等が使用できる。
温度検出手段17として、白金抵抗体や熱電対がセンサ
ヘッド部に取付けられる。これらはセンサヘッド部を正
確に温度制御するために計測・演算部14に接続され
る。
【0019】図2(a)は,図1のコアガラス導波層に
おける導波の様相を示す。光入射手段としての光ファイ
バ10からの光は光ファイバアレイ11を通して光入射
面7の光入射位置7’に入る。光ファイバからの出射光
は光ファイバの伝送特性であるモード分布に従い約4〜
8度広がるから、そこから約4〜8度の広がり±Δを保
って導波層を通って被検体油Mと接触する検出面8に中
心入射角αを中心とした或る広がり(α±Δ)を持って
到達する。その到達点の中央をBそして両端をA及びC
として示す。光が検出面から全反射されたとすると、点
A、B及びCからの光は光出射面9にそれぞれ光出射位
置9’としての点D、E、Fにおいて到達する。CCD
光センサアレイのような光検出器12が点D〜E〜F間
の出射光を検出する。出射光の明暗境界を正確に判別す
るために信号線13が計測・制御部14に接続される。
これら光検出器12、信号線13及び計測・演算部14
が光検出手段15を構成する。
【0020】油種判別目的では、常用の油は、例えば2
0℃において1.3〜1.5の範囲の屈折率を有するか
ら、この範囲からの全反射光を例えばCCD光センサ出
射位置において捕らえることができるようにすればよ
い。図2(b)はCCD光センサ出射位置と全反射条件
を示すグラフである。ここでは、1.320〜1.50
0の範囲の屈折率を検出することができる。例えば、灯
油、2号軽油、3号軽油、A重油1号の屈折率はそれぞ
れ1.434、1.471、1.455及び1.491
である。小数点以下3.5桁、好ましくは5桁の精度が
あれば油種の判別が可能である。
【0021】別様には、光導波構造は、導波ガラスを基
板で挟んだ構造体とすることができる。この場合には、
基板には、熱伝導性の良いSiや金属等、導波ガラスに
は高屈折率の光学ガラス等のガラス若しくはサファイ
ア、LiNbO3 等の光学結晶やランタン重フリント系
ガラス(LASF)を用いる。接着剤としては例えばエ
ポキシ樹脂が使用されうる。光源と接続された光ファイ
バまたはLEDやLDの発光素子が直接接続される。そ
の他の点では上記と同様にして使用される。この光導波
構造を持つ油種判別センサの実用例を図3(a)及び
(b)に示す。図3(a)及び(b)に示すように、基
板21に導波ガラス22をサンドイッチ形に挟み込み、
エポキシ系接着剤で貼り合せる。光入射面27、検出面
28及び光出射面29が図示の通り構成される。温度制
御手段36としてヒートシンクを載置したペルチェ素子
が側面両側に取付けられ、センサヘッド接液面近傍に温
度検出手段37として白金測温抵抗体が取付けられる。
入射光ファイバー30がアレイ31を通して光入射面に
取付けられそして光検出素子としてのCCD素子32が
光入射面及び光出射面にそれぞれ取付けられる。明暗境
界を求めるために、CCD素子に接続して計測・演算部
(図示省略)を設け、参照光と測定光を演算処理して明
暗強化を求めることで屈折率を求め、油種を判別する。
検出面上に開口部の拡大した被検体油受容部38を構成
するようシリコン板、銅板などの伝熱係数の高い材料が
ボックス状に封着される。
【0022】図4は、図1〜3の1回反射型屈折率セン
サの具体例とは異なり、複数回反射型の一例として3回
反射型の本発明屈折率センサのコアガラス導波層の具体
例を示す。参照番号は図2と同じ部分には同じ番号を付
してある。この場合は、光入射面と光出射面とを検出面
と平行な同一の光入射/出射面7、9とすることができ
る。光ファイバ10からの光は光ファイバアレイ11を
通して光入射/出射面7、9の光入射位置7’に入る。
光ファイバからの出射光は約4〜8度自然に広がるか
ら、そこから約4〜8度の広がりを保って導波層をほぼ
垂直に通って対面する側辺に点P1 、P2 、P3 におい
て到達し、そこから全反射されて被検体油Mと接触する
検出面8にP4 、P5 、P6 において入射角αを中心と
した或る広がり(α±Δ)を持って到達する。検出面か
ら、光は全反射されたとすると、隣り合う側辺でP7
8 、P9 に達し、全反射され、光は光入射/出射面
7、9にそれぞれ出射位置9’としての点D、E、Fに
おいて到達する。先の具体例と同じく、CCD光センサ
アレイのような光検出器12が点D〜E〜F間の出射光
を検出する。信号線13が計測・演算部14に接続され
る。光検出器12、信号線13及び計測・演算部14が
光検出手段15を構成する。
【0023】3回反射型とするメリットして、以下の点
が挙げられる: (1)光を検出面で折り返す構造なので、1回反射型と
同程度のセンサヘッドの大きさでも、光路長を2倍程度
にできる。それ故に、CCD光センサアレイへの光の出
射幅が広がるので、測定の分解能が向上する。 (2)光が光入射面を垂直に入射しそして光出射面から
垂直に出射する構造なので、入射面と出射面とを同一面
とすることができ、入射光ファイバ及び光ファイバアレ
イとCCD光センサアレイとを検出面とは離して同一側
に設けることができるので、全体としてコンパクトな構
造となる。入力・出力部と検出部とを離せることはシス
テム設計に便宜である。 (3)検出面の温度制御を行う場合、入射光ファイバ及
び光ファイバアレイとCCD光センサアレイとが検出面
の反対側にある3回反射型の方が制御を容易に行える。
【0024】上記の3回反射型センサでは、光入射面か
らの入射光は検出面に入射する前後で1回ずつ全反射さ
れているが、検出面に入射する前に2回全反射させてか
ら検出面に入射させ、検出面からの反射光をそのまま出
射面に至らしめるような複数回反射型センサのバリエー
ションも可能である。
【0025】本発明は光ファイバの出射光の広がり角度
を利用するものであるが、広がり角度は、例えば光ファ
イバの端面形状を半球レンズ状や先球テーパ状に溶融加
工やエッチングによって加工することにより変更するこ
とができるし、また光ファイバ型レンズ/セルフォック
レンズ等の導波層レンズを光入射面に隣り合って或いは
導波層内部或いは光出射面近くに設けることによって広
い範囲で調節することができる。更に、検出面を凹状加
工することにより屈折率範囲を広げることができるし、
或いは凸状加工することにより屈折率範囲を狭めること
もできる。光ファイバとしては、シングルモード光ファ
イバの利用が最も高い精度を確保できる。
【0026】測定範囲を広げるには、上記の通り、
(1)光ファイバの端面形状を加工し、光ファイバの広
がり角を大きくすること、(2)光ファイバと光入射面
との間に、導波層レンズを入れ光ファイバの広がり角を
大きくすること、(3)検出面を凹状加工すること等の
手段が考えられる。しかし、(1)、(2)のように光
ファイバの出射光の広がり角(±Δ)を大きくすると、
出射光の幅が広がり、検出面の長さ及び光検出手段の長
さも大きくしなければならずセンサが小型でなくなって
しまう。(3)では、検出面における出射光の幅はほぼ
従来と同様となり検出面の長さを長くする必要はない
が、幅広い入射角を有する出射光が従来の入射角の出射
光と同様な出射光の幅で反射してくることから従来のも
のと比較して精度が落ちる欠点がある。
【0027】そこで、本発明のまた別の具体例において
は、図5及び図6に示すように、検出面に対して異なる
入射角を持つように2〜5本といった複数の光ファイ
バ、例えば3本の光ファイバ10a、10b及び10c
を光ファイバアレイ11を通して入射面7に取りつける
ことができる。複数の光ファイバを導波層の入射側に取
付け、それぞれの光ファイバに個別に測定範囲を持た
せ、それを重ねあわせることにより、測定精度の低下な
く測定範囲を広げることができる。例えば、出射光の測
定可能範囲の広がりが各4度の3本の光ファイバを検出
面に対して45度、49度、53度の入射角を持つよう
に設定すると、42度〜55度までの入射角を設定する
ことができ、この入射角に対応した範囲の屈折率を測定
することができる。測定する際には、被検体油の全反射
角(θc )に対応した光ファイバを選択すればよい。
【0028】図5には、図2で示したような1回反射型
構造の全反射型屈折率センサにおいて、3本の各4度の
広がり幅をもつ光ファイバの出射光の光軸が検出面8で
一点で交わったとき、または光出射面9上の一点で交わ
ったときの模式図をそれぞれ(a)及び(b)に示す。
参考までに、この3本分の広がりに相当する12度の広
がりをもつ光ファイバを1本使用したときの模式図も併
せて(c)に示す。このように光ファイバを複数本使用
することで、広がり角の大きな1本の光ファイバを使用
する場合と比較して出射光の幅を狭くすることができ
る。特に、光出射面上の1点で交わったとき出射光の幅
を狭くとることができる。
【0029】一方、図4に示したような3回反射型構造
の全反射型屈折率センサにおいても複数本の光ファイバ
を使用することができる。この場合は、図6(a)に示
すように、各光ファイバ10a、10b及び10cの光
軸は検出面8上の一点で交わるようにすることが好まし
い。図6(b)は12度の広がり幅を持つ1本の光ファ
イバを使用した場合の全反射模様例を示すが、この場合
光出射位置9’が非常に広くなり、場合によっては光出
射面から外れる場合さえある。図6(a)のように光フ
ァイバの光軸を検出面上の一点で交わるようにすること
により、光出射位置の範囲を図6(b)の場合より適度
に小さくすることができ、測定精度の低下なく測定範囲
を広げることができる。
【0030】ここでも、光ファイバの端面形状を半球レ
ンズ状や先球テーパ状に溶融加工やエッチングによって
加工することにより変更し、また光ファイバ型レンズ/
セルフォックレンズ等の導波層レンズを光入射面に隣り
合って或いは導波層内部或いは光出射面近くに設け、ま
た検出面を凹凸状加工することにより屈折率範囲を調整
することを妨げるものではない。
【0031】以上のように、本発明においては、全反射
型屈折率センサを1本乃至複数本の光ファイバを使用し
て1回反射型乃至3回反射型構造として具現することが
できる。本発明においては、導波層屈折率、光入射面角
度、光入射面と検出面との相対位置関係、更には光ファ
イバの数を変更することで測定対象油範囲に応じて屈折
率測定範囲を自由に設定することができる。
【0032】光検出器としては、CCD光センサアレイ
又はCCD光センサアレイ(1次元CCD光センサアレ
イ)を配置して光出力を読み取るのが一般的であるが、
光出射面に半透明のスクリーンを取付け、スクリーンに
投影されるレーザ光を目視により或いはビデオカメラに
より監視することもできる。光出射面にチョッパと受光
器を配置して光出力位置を読み取ることもできる。
【0033】ところで、光出力位置を読み取るに当って
は、全反射光の存在及び不存在に対応してその明暗境界
を正確に判定することが必要である。明暗境界とは全反
射部分とそうでない透過・反射部分との境である。この
読み取り精度が導波型屈折率センサの精度に重要な役割
を果たしている。明暗境界の判定方法としては、参照光
と測定波形の交点により明暗境界を決定することが推奨
される。明暗境界においては、フレネル(Fresnel )回
折現象が現れ、明暗境界をぼかしてしまう。そこで、明
暗境界の決定方法としてフレネル回折現象により必ず測
定波形は参照光より光量が増加している現象を逆にうま
く利用するのが好都合である。すなわち、参照波形と測
定波形で光量増加部分に最も近い交点位置を明暗境界と
して読み取るのが便宜である。図7は、CCD光センサ
アレイの出力波形であり、参照波形として空気面の反射
光量を測定しそして試料としてn−C1328をセルに入
れて反射光量を測定した場合の明暗境界位置部分の詳細
を示す。中央の7〜8μs部分は測定波形が参照光より
も光量が増えているところであり、これがフレネル回折
現象に起因するものである。この光量増加部分に最も近
い交点位置Xが明暗境界として読み取られる。交点位置
の決定方法として、(1)直線補間法、(2)多次曲線
補間法及び(3)フィッティング法を採用することがで
きる。CCD光センサアレイの場合、多数のCCDピク
セルが縦横直線状に並んでおり、その各々が出射される
光の量を電圧値として出力する。参照光と測定光とに対
する交点近傍の各ピクセルの出力値を例示すれば図8
(a)のようになる。直線補間法の場合には、図8
(b)に示すように、参照光と測定光曲線の交点を挟む
両側のピクセル出力を結ぶ直線の案文点でもって交点を
決定する。多次曲線補間法の場合には、図8(c)に示
すように、交点の付近数点における測定光曲線の多次
(2次以上)の回帰曲線と参照光曲線との交点でもって
交点を決定する。フィッティング法の場合には、図8
(d)に示すように、参照光と測定光曲線の交点付近の
数〜数十点のフィッティンカーブを求め、そのフィッテ
ィングカーブの方程式を構成する定数から明暗境界を求
める。このフィッティンカーブとは、半平面のフレネル
回折の理論式を臨界角付近の反射光に適用したものであ
る。図9は半平面のフレネル回折像の強度分布曲線を示
す。(2)の多次曲線補間法及び(3)のフィッティン
グ法の適用により(1)の直線補間法より更に精度を高
めることができる。
【0034】実際には、参照光と測定光との交点と明暗
境界にはずれがあるが、これは演算処理により調整する
ことができる。計測・演算部14において内部の演算式
は、CCDピクセル毎の屈折率を規定する項、参照光と
測定光曲線の交点を決定する項、及び屈折率の絶対値を
シフトするオフセット項を含んでおり、参照光と測定光
との交点と明暗境界のずれはオフセット項により補正す
る。計測・演算部14においては、測定した屈折率の基
準温度への温度補正が行われる。
【0035】実際の使用例としては、図3の1回反射型
センサ構造の場合、例えば、図10(a)に示すよう
に、導波層基板、光ファイバアレイ、CCD光センサア
レイを備えるセンサヘッド部及び被検体油受容部38は
円筒型の回動自在に設置されたアルミニウム函体B内に
納められる。これらは接着剤により然るべく接着され
る。測定は、図10(a)上方のセンサがほぼ上方を向
く測定位置で行われそして洗浄は図10(b)下方のセ
ンサを寝かせ、試料を空けそして洗浄する洗浄位置で行
う。シリコン板で被検体油受容部作製することは、良好
な伝熱の確保、シリコンの溌水・溌油性を利用した汚染
防止に好都合である。このセンサの基本仕様の一例は次
の通りである: 屈折率測定範囲:1.30〜1.50、 屈折率表示:5.5桁(1.nnnnn)、 屈折率測定精度:±0.003、 必要サンプル量:0.2〜1.0ml、 データ表示:リアルタイム。
【0036】図11(a)は、第4及び6図の3回反射
型構造の屈折率センサを連続測定用に金属外筒41に埋
め込んだプローブ40を示す。センサヘッド並びに光フ
ァイバ10及びデジタル信号線13が金属外筒に固定材
42により固定される。接液時の光漏れを防止するため
に、露出する光反射面を金薄膜を端面に蒸着するか導波
路よりも低屈折率の材料、例えば接着剤(熱硬化型低屈
折率接着剤)、樹脂(シリコン樹脂等)等により被覆す
る。図11(b)はそのセンサヘッド前端を示す。図1
1(c)は計測コントロール部を示す。約6度の広がり
角度を持つシングルモード用光ファイバは例えばGaAs-A
lGaAS レーザ(波長:0.85μm)のような半導体レ
ーザ光源43に接続され、そしてデジタル信号線13は
インターフェイス回路44を介してマイクロプロセッサ
45に接続される。マイクロプロセッサ45が前述した
計測・演算部の少なくとも一部を構成する。マイクロプ
ロセッサ43は半導体レーザ光源43に放射指令を送
る。最終的に全反射情報が表示装置46に表示される。
このセンサの基本仕様の一例は次の通りである: 屈折率測定範囲:1.32〜1.50、 屈折率表示:5.5桁(1.nnnnn)、 屈折率測定精度:±0.00005。
【0037】以上説明した通り、導波構造の屈折率計を
使用することにより非常に効果的にかつ効率的に油種を
判定することができる。導波構造賭することの意義をま
とめると、特に光ファイバを使用して良質な点光源によ
る光入射(1点からの拡散光)を使用し、固定された光
路長の確保並びに導波モード側の光拡散の防止(出射端
光強度の確保)を実現でき、CCDによる可動部のない
明暗境界の検出を達成できることである。
【0038】この油種判別センサを使用して油種を判別
する場合、油槽所での油の受入、油槽所からタンクロー
リーへの払出し、各種工場やガソリンスタンドでの受入
と給油時といった各ステージの測定現場でリアルタイム
/オンラインで被検体油の屈折率及び温度が測定され、
測定した屈折率が基準温度(例えば20℃)に温度補正
される。これは計測・演算部において行われる。温度補
正した屈折率をあらかじめ準備された基準温度における
各種の油種の屈折率を表示する屈折率テーブルと照合す
ることにより被検体油の油種が判定されそして判定した
油種が表示される。貯蔵タンクから船舶等への払出し時
には、基準屈折率データが添付され、油槽所では屈折率
・温度を測定して油種を判定して受け入れ、タンクロー
リーへの払出し時には、油種を判定して油種/屈折率デ
ータを添付し、ガソリンスタンドでの受入時及び自動車
への給油時に油種を判定して確認することにより、油種
の間違いによる事故を防止することができる。
【0039】
【実施例】図3(a)及び(b)に示した導波構造を有
する油種判別センサを作製した。基板21に熱伝導性の
よいSi(厚さ:0.5mm)、導波ガラス22として
ランタン重フリント系ガラス(LASF)(厚さ:1m
m)を用い、この導波ガラスをSi基板でサンドイッチ
形に挟み込み、エポキシ系接着剤で張り合せた。光入射
面27、検出面28及び光出射面29の各面は光学研磨
した。このセンサヘッドに、温度制御手段36としてヒ
ートシンクを載置したペルチェ素子、センサヘッド接液
面近傍に温度検出手段37として白金測温抵抗体を取付
け、更に入射光ファイバー30として50〜125μm
グレーテッドインデックス型マルチモード光ファイバ
(入射光の広がり角:±4度、入射角:49度、屈折率
測定範囲:1.33〜1.50)をアレイ31を通して
取付けそして光検出素子としてのCCD素子32を光入
射面及び光出射面にそれぞれ取付けた。発光素子にはA
lGaAs系850〜865nmLEDを用い、また明
暗境界を求めるために、CCD素子に接続して計測・演
算部(図示省略)を設け、参照光と測定光を演算処理し
て明暗強化を求めることで屈折率を求め、油種を判別し
た。検出面上に開口部の拡大した被検体油受容部38を
構成するようシリコン板をボックス状に封着した。
【0040】このセンサによる測定結果例を表1及び図
12に示す。光源はGaAs-AlGaAS レーザ(波長0.85
μm)である。被測定物は、(1)メタノール純液、
(2)メタノール+エタノール混合液、(3)エタノー
ル純液、(4)エタノール+イソプロパノール混合液、
(5)イソプロパノール純液の5種である。5種類の液
体の出力波形より求めた明暗位置とアッペ屈折率計で測
定した屈折率の値を表1に示す。明暗位置(mm)は出
力波形を表示するオシログラフ上での位置(μs)から
CCD表面での位置に補正した。理論値は光路計算より
求めた値である。グラフからわかるように、理論値(実
線)と実測値(丸印)とはよく一致している。
【0041】
【表1】
【0042】次に、この油種判別センサとアッ屈折計
を用いて幾種かの石油製品を計測した結果を表2
す。
【0043】
【表2】
【0044】石油製品の幾種かは揮発度が高い。揮発の
激しいサンプルはサンプル量が少量であるアッ屈折計
ではすぐに無くなってしまい、測定できない。アッ
折計よりサンプル量を多く使い、しかも簡易迅速に測定
を行うことができる本発明の油種判別センサではこうし
た揮発度の高いサンプルでも測定可能である。サンプル
注入からの揮発に伴う濃度変化は本発明の油種判別セン
サの方がアッ屈折計より遅いので、本発明の方が測定
精度も良好である。例えば、アッ屈折計では、MTB
E(メチル・ターシャリー・ブトキシ・エーテル)は揮
発が激しく測定不可であったが、本発明油種判別センサ
では1.362(24.0℃)として測定可能であっ
た。MTBE+C8(オクタン成分:ガソリン主成分で
ある)においても、揮発の影響のためアッ屈折計では
正しく測定できなかったが、本発明では1.374(2
3.6℃)として測定できた。
【0045】軽質ガソリンについて、水分の無い状態、
白濁した状態及び透明になった状態それぞれについて測
定した結果、測定値に特に大きな隔たりは無かった。従
って、本発明の油種判別センサは状態変化にも対応性を
有する。
【0046】最後に、図13において、本発明の油種判
別センサで測定した油種屈折率例をまとめて示してお
く。図中1.40付近に示した傾斜曲線は平均的な油の
温度係数を示し、その上の直線は灯油の温度依存性を示
す。本発明の油種判別センサは小数点以下5桁まで測定
可能であるので、この範囲に示されるすべての油種を完
全に判別することができる。
【0047】
【発明の効果】ガソリンスタンド、油槽所、タンクロー
リーにおいて油の受入れや払出しに際して、油種判別セ
ンサの導入による何らかのシステム管理を可能とする。
更に、複数の光ファイバを導波層の入射側に取付け、そ
れぞれの光ファイバに個別に測定範囲を持たせ、それを
重ねあわせることにより、測定精度の低下がなく測定範
囲を広げることができる。また、各光ファイバからの出
射光の光軸の交点を導波層の出射面上の1点におけば、
出射面に必要な長さは光ファイバからの出射光の広がり
角を大きくし光ファイバ1本だけで同じ測定範囲をカバ
ーした場合より短くできる。同様に3回反射型センサの
場合、各光ファイバからの出射光の光軸の交点を検出面
上の一点におけば検出面に必要な長さは光ファイバ1本
だけの場合より短くできる。揮発度の高い油を測定する
ことができる。
【0048】特に、ATAGO社からプロセス屈折率セ
ンサPRMシリーズに代表されるようなバルクプリズム
を利用した屈折率センサと比較して、 (1)バルクプリズムでは、熱容量が大きく、熱的に安
定するまでに時間がかかり、測定時間が長くなる。一
方、本発明では、センサ自体が極めて小さく、基板にシ
リコンのような熱伝導性の良い材料を用いることで短時
間で熱的に安定するので、測定時間が短くてすむ。 (2)導波層に光の強度をコア内に閉じ込めることがで
きるので、反射光の光を検出しやすくなる。バルクプリ
ズムでは、光が広がり、検出しがたい。 (3)本発明では、コア層の屈折率を変えたものを作製
することが容易であり、広範囲の被測定油の屈折率を測
定することができる。 (4)光源としてレーザ光を用いることができる。ラン
プ光源では、ランプ自体に大きさにより、レンズで平行
にしたとはいっても視差がどうしても生じ、検出端(境
界)がぼけ、測定精度が低下する。これに対し、本発明
ではレーザ光を用い光ファイバーを通した光を光源とす
ることができるので、検出端のぼけの大きさを小さくで
き、また明暗境界の一層正確な判定を通して測定精度を
向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明に従う油種判別センサの原理を
説明するため、そのセンサヘッド部分の一具体例の主要
部の斜視図である。
【図2】図2(a)は、図1のコアガラス導波層におけ
る導波の様相を示す説明図でありそして図2(b)はC
CD光センサ出射位置と全反射条件(屈折率)を示すグ
ラフである。
【図3】光導波構造は、導波ガラスを基板で挟んだ構造
体とした具体れを示し、(a)はその斜視図そして
(b)はその垂直断面図である。
【図4】3回反射型の本発明屈折率センサのコアガラス
導波層の具体例を示す。
【図5】図2で示したような1回反射型構造の全反射型
屈折率センサにおいて、3本の光ファイバの出射光の光
軸が検出面で一点で交わったときまたは光出射面上の一
点で交わったときの模式図をそれぞれ(a)及び(b)
に示し、この3本分に相当する光ファイバを1本使用し
たときの模式図も併せて(c)に示す。
【図6】(a)は3回反射型構造の全反射型屈折率セン
サにおいて複数本の光ファイバを使用した例を示し、
(b)は1本の光ファイバを使用した場合の全反射模様
例を示す。
【図7】CCD光センサアレイの出力波形であり、参照
波形として空気面の反射光量を測定しそして試料として
n−C1328をセルに入れて反射光量を測定した場合の
明暗境界位置部分の詳細を示す。
【図8】(a)は参照光と測定光とに対する交点近傍の
各ピクセルの出力値を例示し、(b)は案分点法、
(c)は多次曲線補間法、そして(d)はフィッティン
グ法を示す。
【図9】半平面のフレネル回折像の強度分布曲線を示す
グラフである。
【図10】実際の測定状態の例を示し。(a)は測定位
置を示しそして(b)は洗浄位置を示す。
【図11】(a)は、3回反射型構造の屈折率センサを
連続測定用に金属外筒に埋め込んだプローブの断面図、
(b)はそのセンサヘッド前端を示しそして(c)は計
測コントロール部を示す。
【図12】本発明の油種判別センサで測定した油種屈折
率例を示す屈折率と温度の関係を示すグラフである。
【図13】本発明の油種判別センサで測定した油種屈折
率例をまとめて示す屈折率−温度グラフである。
【図14】ATAGO社からプロセス屈折率センサPR
Mシリーズに代表される従来技術の一例に従う屈折計の
概要図である。
【符号の説明】
1、6 基板 2 クラッドガラス 3、4 コアガラス 5 接着剤 7、27 光入射面 8、28 検出面 9、29 光出射面 M 被検体油 10、30 光入射手段(光ファイバ) 11、31 アレイ 12、32 光検出器 13 信号線 14 計測・演算部 15 光検出手段 16、36 温度制御手段 17、37 温度検出手段 21 基板 22 導波ガラス 38 被検体油受容部 B アルミニウム函体 41 金属外筒 40 プローブ 42 固定材 43 光源 44 インターフェイス回路 45 マイクロプロセッサ 46 表示装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平1−282448(JP,A) 特開 平1−170838(JP,A) 特開 昭61−11637(JP,A) 特開 昭58−27044(JP,A) 特開 昭63−144239(JP,A) 特開 昭63−132139(JP,A) 特表 昭63−500263(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01N 21/00 - 21/61 JICSTファイル(JOIS)

Claims (11)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上にクラッド/コア/クラッドなる
    導波構造の導波層を具備し、 該導波層に約4〜8度の広がり角度を有する光を入射す
    る光入射手段接続された導波層端面の光入射面と、被検体油との接触面を導波層端面に構成する検出面であ
    り、 該光入射手段からの広がり角度を有する入射光を全
    反射/透過る検出面と、 該検出面からの反射光を出力する導波層端面で明暗視界
    を判別するための光検出手段と接続された光出射面と、 検出面における油の温度を制御する温度制御手段と、検
    出面における油の温度を検出する温度検出手段とを備
    え、 前記被検体油の屈折率を相当する検出面からの全反射光
    の存在により検出することを特徴とする、油種を屈折率
    により判別する油種判別センサ。
  2. 【請求項2】 導波ガラスを基板間に挟んだ導波構造の
    導波層を具備し、 該導波層に約4〜8度の広がり角度を有する光を入射す
    る光入射手段接続された導波層端面の光入射面と、被検体油との接触面を導波層端面に構成する検出面であ
    り、 該光入射手段からの広がり角度を有する入射光を全
    反射/透過る検出面と、 該検出面からの反射光を出力する導波層端面で明暗視界
    を判別するための光検出手段と接続された光出射面と、 検出面における油の温度を制御する温度制御手段と、検
    出面における油の温度を検出する温度検出手段とを備
    え、 前記被検体油の屈折率を相当する検出面からの全反射光
    の存在により検出することを特徴とする、油種を屈折率
    により判別する油種判別センサ。
  3. 【請求項3】 光入射手段が光ファイバであり、単一の
    光ファイバが光入射面に接続される請求項1乃至2の油
    種判別センサ。
  4. 【請求項4】 光入射手段が光ファイバであり、入射角
    を異にするが全体として連続した入射角範囲を構成する
    複数の光ファイバが光入射面に接続される請求項1乃至
    2の油種判別センサ。
  5. 【請求項5】 光入射面からの入射光が検出面に直接入
    射し、該検出面において全反射/透過し、該検出面から
    の反射光が直接出射面に至る1回反射型の請求項1〜4
    項のいずれか一項の油種判別センサ。
  6. 【請求項6】 光入射面からの入射光が検出面に入射す
    るまでに1回以上全反射された後該検出面に入射し、該
    検出面において全反射/透過し、該検出面からの反射光
    がそのまま或いは1回以上全反射された後出射面に至る
    複数回反射型の請求項1〜4項のいずれか一項の油種判
    別センサ。
  7. 【請求項7】 光ファイバからの広がり角度を光ファイ
    バの端面形状を加工するか、導波層レンズを光入射面に
    隣り合って或いは導波層内部或いは光出射面近くに設け
    るか、或いは検出面を凹状加工或いは凸状加工すること
    により調整することを特徴とする請求項1〜6項のいず
    れか一項の油種判別センサ。
  8. 【請求項8】 光検出手段が、CCD光センサ又はCC
    D光センサアレイからなることを特徴とする請求項1乃
    至2の油種判別センサ。
  9. 【請求項9】 光検出手段が直線補間法、多次曲線補間
    法或いはフィッティング法を用いて明暗境界を判別する
    計測・演算部を有する請求項8の油種判別センサ。
  10. 【請求項10】 複数の光ファイバを使用し、それぞれ
    の光ファイバの光軸の交点を導波層の出射面または被検
    体の接触面上の一点で交わるようにした請求項8の油種
    判別センサ。
  11. 【請求項11】 3〜5桁の測定精度を有する導波型屈
    折率計を使用してリアルタイム/オンラインで被検体油
    の屈折率及び温度を測定する段階と、測定した屈折率を
    基準温度に温度補正する段階と、温度補正した屈折率を
    基準温度における油種の屈折率を表示する屈折率テーブ
    ルと照合して被検体油の油種を判定する段階と、判定し
    た油種を表示する段階とを包含する油種判定方法。
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