JP2995918B2 - プラスチック光ファイバの溶融紡糸方法およびその装置 - Google Patents

プラスチック光ファイバの溶融紡糸方法およびその装置

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ファイバ長手方向の糸
径の均一性に優れたプラスチック光ファイバを製造する
ために有効な溶融紡糸方法及びそのための溶融紡糸装置
に関するものである。
【0002】さらに詳しくは、紡糸口金に至る前での芯
成分溶融ポリマの流動を適正化することによりプラスチ
ック光ファイバの糸長手方向の糸径斑の抑制を図る方法
及び装置に関するものである。
【0003】
【従来の技術】熱可塑性高分子を溶融し成形用口金から
吐出し冷却・固化するという、いわゆる溶融紡糸を行な
う際には、糸長手方向の太さが均一な糸条を形成するこ
とが重要であり、そのための工夫は種々行なわれてきて
いる。
【0004】例えば、ポリマの均一性や溶融条件を最適
化することにより糸長手方向の太さの均一化を図る方法
がある。
【0005】また、吐出孔形状(その横断面形状、縦断
面形状、ポリマ導入部形状、長さと直径の比L/Dの値
等)、吐出孔配列、口金そのものの形や厚さ、口金の保
温方法、口金位置といった口金まわりの条件、さらに、
計量用ギアポンプの構成や吐出精度、ポリマ流路の構成
や形状及び製作精度、引取りローラの表面材質や形状、
冷却用媒体(水や水蒸気、空気など)の供給方法(その
温度、流量、流動方向等)といったような種々の条件を
定常的に制御することにより糸長手方向の太さの均一化
を図る方法もある。この方法は、ポリアミド繊維やポリ
エステル繊維のような一般的な繊維においてはかなり有
効であり、それらの最適条件を設定するために多くの提
案がなされてきている。
【0006】この糸径の均一性は、光通信、光センサ
ー、ライトガイド、装飾等に使用されるプラスチック光
ファイバにおいても極めて重要であり、特に、プラスチ
ック光ファイバを、光コネクタへ挿入したり、光ファイ
バ同士を接合したり、また、ライトガイドや光センサー
用途で接合口金へ挿入したりする場合において、強く要
求される。
【0007】このプラスチック光ファイバは、芯材にポ
リメチルメタクリレート、ポリスチレン、ポリカーボネ
ート等の透明性に優れた重合体を用い、鞘材には芯材よ
りも低屈折率の重合体を用い、一般的には同心円状に2
〜3層複合紡糸され、機械的性質を向上する目的で延伸
され、必要に応じて寸法安定性を付与する目的で熱処理
された後に巻き取られるという方法によって一般に製造
される。
【0008】このようなプラスチック光ファイバの溶融
紡糸方法において、ファイバ径の均一性を向上させる手
段としては、例えば、特公昭56−49324号公報に
記載されているように、芯成分と鞘成分との紡糸温度下
における溶融流動指数を適性領域に制御する方法、ま
た、特公平2−24923号公報に記載されているよう
に、ファイバ長さ方向の均一性を得るために計量用ギヤ
ポンプの一次側ポリマ圧力を一定にする方法等が提案さ
れている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、プラス
チック光ファイバのファイバ長さ方向の均一性は、上述
したような従来の方法では十分に制御することが困難で
あった。
【0010】そこで、本発明は、プラスチック光ファイ
バにおけるファイバ長手方向の糸径斑を十分に抑制する
ことができる溶融紡糸方法およびそのための装置の提供
を主たる目的とする。
【0011】そして、ファイバ長手方向の糸径均一性に
優れたプラスチック光ファイバを得ることにより、高次
加工の際のトラブル発生や欠点のある高次加工品の発生
を抑制すること、さらにまた、プラスチック光ファイバ
の光コネクタへの挿入作業、光ファイバ同士の接合作
業、接合口金への挿入作業等における取扱い性を改善す
ることを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】これら目的を達成するた
めに、本発明は次の構成からなる。
【0013】請求項1のプラスチック光ファイバの溶融
紡糸方法は、複数の計量吐出口を有するギアポンプを用
いて芯成分の重合体を流量変動周期の位相が異なる複数
の重合体流に分配し、該重合体流のうちの複数を該重合
体流の流量変動周期の位相を打消すような組合せで合流
させて芯成分とした後、鞘成分の重合体を複合被覆させ
ることを特徴とする。
【0014】請求項2のプラスチック光ファイバ用溶融
紡糸装置は、流入口に連設している複数の流入分岐管
と、該流入分岐管の先の夫々に位置し、計量吐出される
複数の重合体流の流量変動周期の位相が異なるように重
合体を計量吐出する複数の回転ギアとを備えたギアポン
プ、該ギアポンプから計量吐出された複数の重合体流を
夫々受ける複数の流出管、該流出管からの複数の重合体
流のうちの複数を該重合体流の流量変動周期の位相を打
消すような組合せで合流させる合流管、該合流管に連通
する芯成分吐出孔、及び、該芯成分吐出孔からの芯成分
を鞘成分重合体で複合被覆させて吐出する複合吐出部か
ら構成されることを特徴とする。
【0015】請求項3のプラスチック光ファイバ用溶融
紡糸装置は、さらに、前記ギアポンプが、1本の駆動軸
に嵌合回転される太陽ギア、該太陽ギアとの噛合わせに
よって回転される複数の遊星ギアとを有し、該遊星ギア
によって重合体が計量吐出されるプラネタリータイプギ
アポンプであることを特徴とする。
【0016】また、請求項4のプラスチック光ファイバ
用溶融紡糸装置は、さらにまた、前記合流管と前記芯成
分吐出孔との間に、芯成分重合体を複数に分岐させる再
分配管が設けられたことを特徴とする。
【0017】以下、本発明を、その一実施態様を示す図
面に基づいて説明する。
【0018】図1は、請求項1の溶融紡糸方法における
芯成分重合体の溶融ポリマの流れの一例を模式的に示す
縦断面図である。
【0019】図2は、請求項3のプラネタリータイプギ
アポンプの一例を示す断面図であり、図2Aは、図2B
における線X−Xでの縦断面図を、また、図2Bは、図
2Aにおける線Y−Yでの横断面図をそれぞれ示す。
【0020】図3は、図2のプラネタリータイプギアポ
ンプの隣り合う遊星ギアC1、C2からの2つの芯成分
重合体流が、複合吐出されるまでのポリマの流れの一例
を模式的に示す縦断面図であり、図1における複合紡糸
口金部分に相当する。
【0021】図4は、図3における2つの芯成分重合体
流の流量変動周期の位相を例示する模式図であって、図
4A及び図4Dは流出管2を流れる時のもの、図4B及
び図4Eは合流管3を流れる時のもの、また、図4C及
び図4Fは再分配管4を流れる時のものである。
【0022】図1において、芯成分重合体は、ギヤポン
プ1の回転ギアで計量吐出され、4つの重合体流になっ
て夫々流出管2を流れ、複合紡糸口金の上部で合流管3
により、その2つずつが合流され、再分配管4で2つに
分配され、芯成分吐出孔5に至る。
【0023】また、鞘成分重合体は、ギヤポンプ7の回
転ギアで計量吐出され、4つの重合体流となって流出管
8を流れ、芯成分吐出孔からの芯成分を複合被覆させる
複合吐出部6に至る。
【0024】この際、合流管3により合流される芯成分
の2つの重合体流は、例えば、第4図の4A及び4Dに
示すように流量変動周期の位相が異なっている。
【0025】図4Aは、図2Bに示した4つの遊星ギア
を有するプラネタリータイプギアポンプにおけるC1と
C3からの2つの重合体流を合流させる場合を示すもの
であり、この場合、太陽ギア駆動系の1回転毎の流量変
動周期により重合体流の流量変動の周期が生じるのであ
って、その変動周期の波形における山から谷までは太陽
ギアの回転角で180度に相当する。
【0026】また、図4Dは、図2Bのプラネタリータ
イプギアポンプにおけるC1とC2からの2つの重合体
流を合流させる場合を示すものであり、この場合、太陽
ギア駆動系の1回転毎の流量変動のみではなく、約半回
転毎に才差状態が異なることにより生じる流動変動や遊
星ギアの才差運動により生じる流動変動が加わり、重合
体流の流量変動の周期が生じているのであって、その変
動周期の波形における山から谷までは太陽ギアの回転角
で90度に相当する。
【0027】合流される2つの重合体流の位相差はそれ
ら重合体流の和の流量変動周期の極大値が最小あるいは
その近辺となるように設定することが好ましく、例え
ば、図4Aや図4Dに示すように流量変動周期の波形に
おける山の時と谷の時とが重なるような位相差とするこ
とが好ましい。このように山の時と谷の時とが重なるよ
うにするためには一般的に、変動波形における位相差を
135〜225度程度とすればよい。
【0028】この山の時と谷の時とが重なるようにする
ための位相差をプラネタリータイプギアポンプの場合の
太陽ギアの回転角で表わすと、一般的に50〜310度
程度であればよい。
【0029】なお、図には2つずつを合流させる場合を
示したが、3つの重合体流を合流させてもよいし、ま
た、4つ以上の重合体流を合流させてもよい。この場合
の流量変動周期の位相差は、それら重合体流の和の流量
変動周期の極大値が最小あるいはその近辺となるような
組合せを選択することが好ましい。
【0030】プラネタリータイプギアポンプの一例を示
す図2において、芯成分重合体は図中央に示された導入
口Eから、それに連設された4本の流入分岐管A1〜A
4を通り、中央部の1本の駆動軸に嵌合回転される太陽
ギアSとの噛合わせによって回転される流入分岐管A1
〜A4の夫々の先端に配された4個の遊星ギアP1〜P
4と太陽ギアSとの各噛合わせ部の流入口B1〜B4に
導かれる。各遊星ギアP1〜P4と太陽ギアSとの噛合
わせおよびギアケーシングとのクリアランスにより、流
入した芯成分重合体の4本の流れは夫々に計量され、流
入口B1〜B4の反対側に位置する吐出口C1〜C4か
ら4本の流出管2へと吐出される。
【0031】図3において、隣り合う遊星ギアC1、C
2から流出管2a、2bを流下した2つの芯成分重合体
流は、夫々、複合口金上部の導入部から流入された後、
合流管3で1つの流れとして合流される。この合流管3
には、合流した重合体流内の流線を乱すための素子31
を設け、ウエルドラインとかウエルドマークとか呼ばれ
る界面が合流部において形成されないようにすることが
好ましい。この素子31としては、例えば、特開平2−
269022号公報に記載されたように、多層焼結金属
や、多数の流下孔が穿設されたプレート等が挙げられ
る。
【0032】さらに、合流管3を経た後に、その下部に
おいて再分配管4、4′にて2つに分配され、夫々芯成
分吐出孔5、5′に至る。続いて、夫々、鞘成分重合体
供給部9、9′からの鞘成分によって被覆され、芯鞘複
合状態の流れとなって、吐出孔10、10′から紡出さ
れる。
【0033】この図3では複合口金内部に合流管と再分
配管とを設けた装置を例示したが、この合流管は複合口
金に至る前に設けてもよいし、また、再分配管を複合口
金に至る前に設けてもよい。
【0034】また、合流管3の次に配した再分配管4、
4′は芯成分吐出孔の数と同数の芯成分重合体流を形成
するために設けたものであり、両方の数が同じであれば
この再分配管はなくてよい。また、その再分配管による
分配の数は、2つの他に3つや4つ等であってもよい。
【0035】本発明により溶融紡出されたプラスチック
光ファイバは、図5に示すような通常の製造工程で紡糸
延伸されればよい。図5は、プラスチック光ファイバ製
造工程の一例を示す工程全体概略図である。
【0036】複合溶融紡糸用の成形口金11から吐出さ
れた複数のプラスチック光ファイバ13は、直交する冷
却風12により冷却されて固化し、引取りロール14に
捲回された後、加熱体15により加熱されて、延伸ロー
ル16に捲回される。引取りロール14と延伸ロール1
6との速度比により決定される延伸倍率で延伸され、次
いで、必要に応じて寸法安定性を付与するため、加熱体
17により定長熱処理もしくは弛緩熱処理され、熱処理
ロール18に捲回され、ニップロール19を介して巻取
機に供給され、張力制御用ダンサーロール20により一
定張力を保ち、トラバースガイド21でトラバースされ
つつボビン22上に巻取られる。
【0037】
【作用】次に、図2に示すプラネタリータイプギアポン
プからの複数の芯成分重合体流の流量変動周期の形成、
及び、その後の重合体流における流量変動周期につい
て、図2、図3及び図4D〜Fに沿って説明する。
【0038】図2に示すプラネタリータイプギアポンプ
では、芯成分重合体流を計量吐出する4つの遊星ギアP
1〜P4が、太陽ギアSの回りの互いに直角位置に配置
され、それら遊星ギアによる才差運動等が加わり、4つ
の遊星ギアP1〜P4によって計量吐出された4つの芯
成分重合体流は、互いに隣り合う2つの流れの吐出変動
周期はその位相が太陽ギアの回転角度でほぼ90度ずれ
ている(図4D)。
【0039】従って、流出管2a、2bを流れる芯成分
重合体流の流量変動周期は、その吐出変動周期の位相の
ずれと同じく太陽ギアの回転角度でほぼ90度ずれるの
であり、図4Dに示すような変動周期となる。
【0040】この2つの重合体流を合せると、2つの位
相における谷と山とが打ち消され、合流後の重合体流の
流量変動周期は図4Eに示すように格段に小さくなる。
この小さな流量変動周期の重合体流は、再分配しても同
様に小さく維持される(図4F)。
【0041】なお、芯成分重合体流の流量変動周期が、
きれいな正弦波形であれば、合流により流量変動周期を
殆ど零にすることも可能であるが、実際の流量変動周期
の曲線は、その波形が多かれ少なかれ歪んでいるので、
合流後も流量変動周期は残るのが実情である(図4B、
図4E)。
【0042】また、この合流後の流量変動を有する芯成
分重合体流を、さらに、その位相を打ち消すような組合
せで合流し再分配するということを行なってもよい。
【0043】これに対し、従来の溶融紡糸装置では、図
1に示す鞘成分重合体の流れの場合と同じように、ギヤ
ポンプで計量吐出された芯成分重合体流はそのまま複合
紡糸口金の芯成分として供給されるので、ギヤポンプの
吐出変動に基づく変動周期がそのまま複合紡糸時にも存
在し、得られたプラスチック光ファイバにその変動周期
が増幅されて現れる。
【0044】例えば、図6は、図2に示すプラネタリー
タイプギアポンプから吐出される芯成分重合体を合流も
再分配もすることなくそのまま芯成分に供し、鞘成分重
合体で被覆して通常の方法で冷却固化した未延伸糸(6
A)と、それを図5に示す通常の方法で延伸加熱して得
られた延伸糸(6B)について、アンリツ(株)製レー
ザー線径測定器を用いて、その透過光量を光/電変換し
て線径変動を測定しアナログチャートに示したものであ
る。この図で分かる通り、ギアポンプで計量吐出される
プラスチック光ファイバの線径変動は正弦波状のほぼ規
則正しい変化をしている。この波形は、ギアポンプの回
転変動に基づく吐出変動周期と一致する。そして、延伸
糸の波形は、未延伸糸で有している波形が増幅され、基
本的にはほぼそのままの波形で現れている。
【0045】また、このプラネタリータイプギアポンプ
から吐出される芯成分重合体の複数を合流させても、本
発明で特定したような位相差組合せをとらなければ本発
明の所期の目的を達成できない。例えば、実質的に位相
差がない複数の重合体流を合流させても本発明の所期の
目的は達成できない。
【0046】
【実施例】
[実施例1]十分に精製された市販のメタクリル酸メチ
ルにラジカル反応開始剤と連鎖移動剤を添加して連続塊
状ラジカル重合し、次いで、1軸のベント型エクストル
ーダからなる脱モノマ機により単量体などを除去して、
重量平均分子量が83000、残存モノマ含有率が0.
23重量%のポリメチルメタクリレートを製造した。
【0047】このポリメチルメタクリレートを連続して
芯成分として、図1〜3に示す溶融紡糸構造の装置に供
給した。即ち、図1に示すように、プラネタリータイプ
ギアポンプで1基当り4本の計量された流れとし(図
2)、その隣り合う流れを複合口金上部の合流管に導
き、その後に再分配して、芯成分とした(図3)。一
方、市販の弗化メタクリレート樹脂を鞘成分として複合
紡糸口金に導き(図3)、235℃で溶融複合紡糸し
て、図5に示す通常の方法で冷却固化し、引取りロール
14での糸径が1414μmの未延伸プラスチック光フ
ァイバを引取った。
【0048】引き続き、この未延伸プラスチック光ファ
イバを、図5に示す通常の方法で、165℃、延伸倍率
2.0倍で熱風循環方式の加熱炉15により非接触加熱
延伸し、さらに寸法安定性を持たせる目的で168℃で
上記と同じ方式の加熱炉17で定長熱処理を行い、巻取
機で15m/分で巻取り、糸径が1000μmの延伸プ
ラスチック光ファイバを得た。
【0049】得られた延伸プラスチック光ファイバの糸
径変動幅をキーエンス(株)製のレーザーダイオード方
式外径測定器を用いて測定したところ、糸長5250m
当たり36μmと小さかった。
【0050】[比較例1]実施例1と同じポリメチルメ
タクリレートを芯成分重合体とし、また、実施例と同じ
弗化メタクリレート樹脂を鞘成分として用い、合流管・
再分配管がない以外は実施例1と同じ溶融紡糸装置を用
いて溶融複合紡糸した。次いで、実施例1と同様に紡糸
・延伸・熱処理して糸径が1000μmの延伸プラスチ
ック光ファイバを得た。
【0051】得られた延伸プラスチック光ファイバの糸
径変動幅を、実施例と同様に測定したところ、糸長52
50mあたり52μmと大きかった。
【0052】
【発明の効果】本発明は、溶融紡糸装置内における溶融
ポリマの流れにおける流量の周期的変動の存在に着目
し、その周期的変動を抑えるような組合せでの合流を行
なうこととしたので、ファイバ長手方向の糸径変動を大
幅に低減させることができ、糸径の均一性に優れた光フ
ァイバを形成することができる。従って、高次加工時の
トラブル発生や高次加工品の欠点発生を大幅に抑制する
ことができ、また、プラスチック光ファイバを光コネク
タへ挿入する作業、ライトガイドや光センサ用途での接
合口金への挿入作業等における取扱い性を改善すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1の溶融紡糸方法における芯成分重合体
の溶融ポリマの流れの一例を模式的に示す縦断面図であ
る。
【図2】請求項3のプラネタリータイプギアポンプの一
例を示す断面図である。
【図3】図2のプラネタリータイプギアポンプの隣り合
う遊星ギアC1、C2からの2つの芯成分重合体流が、
複合吐出されるまでのポリマの流れの一例を模式的に示
す縦断面図であり、図1における複合紡糸口金部分に相
当する。
【図4】図3における2つの芯成分重合体流の流量変動
周期の位相を例示する模式図であり、図4A〜4Cと、
図4D〜4Fとは流量変動の周期が異なる。
【図5】本発明により溶融紡糸された後のプラスチック
光ファイバ製造工程の一例を示す工程全体概略図であ
る。
【図6】図2に示すプラネタリータイプギヤポンプから
の芯成分重合体流の周期的変動を、未延伸糸と延伸糸と
における線径変動でもって測定して、アナログチャート
に示したものである。
【符号の説明】
1: 芯成分重合体用のギヤポンプ 2: 芯成分重合体用の流出管 3: 芯成分重合体用の合流管 4: 芯成分重合体用の再分配管 5: 芯成分吐出孔 S: プラネタリータイプギヤポンプの太陽ギア P1〜P4: プラネタリータイプギヤポンプの遊星ギ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G02B 6/00 - 6/54 D01D 1/00 - 13/04

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プラスチック光ファイバの溶融紡糸を
    行なうに際し、複数の計量吐出口を有するギアポンプを
    用いて芯成分の重合体を流量変動周期の位相が異なる複
    数の重合体流に分配し、該重合体流のうちの複数を該重
    合体流の流量変動周期の位相を打消すような組合せで合
    流させて芯成分とした後、鞘成分の重合体を複合被覆さ
    せることを特徴とするプラスチック光ファイバの溶融紡
    糸方法。
  2. 【請求項2】 流入口に連設している複数の流入分岐
    管と、該流入分岐管の先の夫々に位置し、計量吐出され
    る複数の重合体流の流量変動周期の位相が異なるように
    重合体を計量吐出する複数の回転ギアとを備えたギアポ
    ンプ、該ギアポンプから計量吐出された複数の重合体流
    を夫々受ける複数の流出管、該流出管からの複数の重合
    体流のうちの複数を該重合体流の流量変動周期の位相を
    打消すような組合せで合流させる合流管、該合流管に連
    通する芯成分吐出孔、及び、該芯成分吐出孔からの芯成
    分を鞘成分重合体で複合被覆させて吐出する複合吐出部
    から構成されることを特徴とするプラスチック光ファイ
    バ用溶融紡糸装置。
  3. 【請求項3】 前記ギアポンプが、1本の駆動軸に嵌
    合回転される太陽ギア、該太陽ギアとの噛合わせによっ
    て回転される複数の遊星ギアとを有し、該遊星ギアによ
    って重合体が計量吐出されるプラネタリータイプギアポ
    ンプであることを特徴とする請求項2記載のプラスチッ
    ク光ファイバ用溶融紡糸装置。
  4. 【請求項4】 前記合流管と前記芯成分吐出孔との間
    に、芯成分重合体を複数に分岐させる再分配管が設けら
    れたことを特徴とする請求項2記載のプラスチック光フ
    ァイバ用溶融紡糸装置。
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