JP3769434B2 - サイドバイサイド型複合繊維の溶融紡糸方法及び溶融紡糸装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
ポリエステル、ポリアミド等の熱可塑性合成樹脂を原料とするサイドバイサイド型複合繊維を溶融紡糸するための紡糸方法及びそのための溶融紡糸装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、ポリエステル、ポリアミド等からなる熱可塑性合成繊維に潜在捲縮性を付与して布帛とすることで、繊維の持つ潜在捲縮性能を利用して、伸縮性に富んだ織物或いは編物を得ようとする試みが行われている。
【0003】
前記の潜在捲縮性能を有する繊維の製造技術に関しては、従来、特開昭48―56924号公報、あるいは特公平3―67122号公報に開示されているような溶融紡糸時における異方冷却を利用するものがある。
【0004】
この技術は、合成繊維を溶融紡糸する際に、紡出された繊維に対して片側の面を他の面よりも積極的に冷却する異方冷却を行うことによって繊維断面方向に力学的なひずみ分布を付与して、立体的な潜在捲縮能を付与するものである。
【0005】
しかしながら、この異方冷却による潜在捲縮能を付与する技術では、布帛とした場合に、期待する高伸縮性能(高ストレッチ性能)を得ることが出来ないという問題がある。
【0006】
また、異方冷却と同じような目的で、粘度、重合度あるいは熱収縮特性の異なる2種類のポリマーを偏心芯鞘型あるいはサイドバイサイド型に貼り合わせた複合繊維を紡糸することで、紡糸した複合繊維に潜在捲縮能を付与する技術も広く知られ、工業的にも一般に行われている。
【0007】
この場合、図6に示すように、前記のサイドバイサイド型の複合繊維を紡糸する従来の紡糸口金3′として、紡糸孔を同心円上に配置し、この紡糸孔へ内周側からポリマー(A)を供給し、外周側からポリマー(B)を供給し、これらの2種類のポリマー(A)と(B)とをポリマーの貼り合わせ方向を同心円の半径方向へ引き揃えた紡糸孔を有するるものが通常用いられている。
【0008】
このような同心円上に配置された紡糸孔を使用する理由として、各紡糸孔を回転対称型の同心円上に配置とすることで、周囲から供給される熱が各紡糸孔へ均等に伝熱されるようにすることにある。
【0009】
しかも、このような紡糸口金では、例えば2種類のポリマー(A)と(B)の場合、ポリマー(A)を内周側、そしてポリマー(B)を外周側から各紡糸孔へ均等かつ回転対称にそれぞれ分配・導入することが極めて容易な構造を簡単に実現できることもあげられる。
【0010】
したがって、各紡糸孔からのポリマー吐出斑も殆ど心配することもなく、複合繊維を構成する各単繊維間に斑の無い均一な複合繊維を得ることができる。
【0011】
しかしながら、最近のように布帛に伸縮性能(ストレッチ性能)が更に一段と要求されるようになると、従来よりも更に高い潜在捲縮能が要求とされる。
【0012】
この要求に応えるために、貼り合わせる2種類のポリマー(A)と(B)との間に従来よりも更に大きな物性差を持たせることによって、そのバイメタル効果による潜在捲縮能を向上させることが考えられる。
【0013】
しかしながら、各ポリマー毎に最適な紡糸条件が異なるため、貼り合わせる2種類のポリマー(A)と(B)との間の物性差を拡大すればするほど、両者の紡糸条件を両立させるのが困難となり、今度は紡糸調子が大幅に悪化するという問題が生じる。
【0014】
そこで、異方冷却を併用することが考えられる。しかしながら、同心円上に配置された紡糸孔配列を有する従来型の紡糸口金から重合度あるいは熱収縮特性の異なる2種類のポリマーをサイドバイサイド形複合繊維に対して、前記の一方向からの横吹き冷却風による異方冷却を施しても、異方冷却の効果は殆ど現れない。
【0015】
それどころか、このような異方冷却を実施することで、2種類のポリマーの貼り合わせ方向に対して、バラバラな方向から冷却されることとなって、潜在捲縮能が強く発現したり、或いは潜在捲縮能が互いに弱められたりする。
【0016】
このため、各紡糸孔から吐出された各単繊維の断面内に生じるひずみ量にバラツキが生じる結果となり、潜在捲縮性能が各単繊維間で不揃いなものとなり、しかも、繊維の長手方向での捲縮ピッチが不等間隔となってバラツキの多いものとなってしまう。
【0017】
この結果、紡糸孔を同心円上に配置とすることによる粘度等の物性差を有する2種類のポリマーからなる複合繊維を構成する各単繊維を均一にするという本来の目的が失われてしまう。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、前記の従来技術で発生する諸問題を解決することを目的とするもので、各単繊維間で殆ど差異の無い極めて揃った形状を有する捲縮形態を持ち、かつ繊維の長手方向に規則的な捲縮ピッチを発現させることにより、伸縮性、嵩高性、風合い、染着、発色、あるいは光沢が整い、その肌触り、着用性、外観が極めて良好である布帛を提供することができ、更には紡糸調子も良好な極めて高い潜在捲縮性能を有するサイドバイサイド型複合繊維の紡糸方法とそのための紡糸装置を提供することにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】
ここに、本発明によれば、サイドバイサイド型複合繊維の紡糸方法として、(請求項1) 高粘度あるいは高収縮性を有するポリマー(A)と低粘度あるいは低収縮性を有するポリマー(B)とを一本の単繊維中にサイドバイサイドに貼り合わせたマルチフィラメントからなるサイドバイサイド型複合繊維を紡出して、紡出された該サイドバイサイド型複合繊維を冷却風によって冷却固化する溶融紡糸方法において、紡出されたサイドバイサイド型複合繊維をポリマー(A)側が該冷却風の風上側に位置し、ポリマー(B)側が冷却風の風下側に位置するように、該サイドバイサイド型複合繊維の貼り合わせ方向を一方向へ引き揃えて紡出し、紡出された複合繊維の走行方向に対してほぼ直交する方向へ冷却風を整流しながら該冷却風の整流吹出し面から紡出糸条までの距離を10〜50mmとして流すと共に、紡糸口金のポリマー吐出面から下流方向に30〜150mmの位置で前記の冷却風による冷却を開始して少なくとも1000mmの位置では冷却を完了させることを特徴とするサイドバイサイド型複合繊維の溶融紡糸方法することを特徴とするサイドバイサイド型複合繊維の溶融紡糸方法が提供される。
【0020】
また、サイドバイサイド型複合繊維の紡糸装置として、(請求項2) 高粘度あるいは高収縮性ポリマー(A)と低粘度あるいは低収縮性ポリマー(B)とを一本の単繊維中にサイドバイサイドに貼り合わせて紡出する紡糸孔を有する紡糸口金と、一方向に吹出された冷却風によって紡出されたサイドバイサイド型複合繊維を冷却するための冷却装置とを含むサイドバイサイド型複合繊維の溶融紡糸装置において、冷却風の風上側に前記のポリマー(A)が位置するように全ての前記の紡糸孔が揃えて穿孔され、かつ冷却風の吹出し方向に方向性を有するように冷却風を整流する整流手段が冷却装置に設けられ、さらに前記整流手段の冷却風吹出し面が、紡出糸条から10〜50mmの位置に近接して設けられ、かつその冷却風吹き出し開始位置が紡糸口金のポリマー吐出面から下流方向に30〜150mmであって、その冷却風吹き出し完了位置が紡糸口金のポリマー吐出面から下流方向に1000mm迄に設けられていることを特徴とするサイドバイサイド型複合繊維の溶融紡糸装置、(請求項3) 請求項2記載のサイドバイサイド型複合繊維の溶融紡糸装置において、前記の紡糸口金には、前記のポリマー(A)とポリマー(B)とを平行かつ並列に交互に紡糸孔へ供給する、櫛形状の分配流路が設けられたことを特徴とするサイドバイサイド型複合繊維の溶融紡糸装置が提供される。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本発明のサイドバイサイド型複合繊維の溶融紡糸方法を実施するための概略工程を模式的に例示した正面断面図である。該図において、yは紡出されたサイドバイサイド型複合繊維(以下、単に「糸条」と称する)、1は紡糸ブロック、2は紡糸パック、3は上中下の三層の口金板31、32、及び33からなる紡糸口金、4はシャッター、5は横吹き式の冷却装置、6は冷却風の整流手段、そして、7は紡糸筒をそれぞれ示す。
【0022】
ただし、本発明では紡糸パック2に内蔵される紡糸口金3の構造が重要であるため、この部分を詳細に記載し、他の公知の部分、例えばポリマーの濾過部などは、記載を省略して全てハッチング(斜線)で示してある。
【0023】
以上のように構成される本発明のサイドバイサイド型複合繊維の溶融紡糸装置において、紡糸口金3を内蔵する紡糸パック2は、紡糸ブロック1のパックドームに装着される。
【0024】
そして、紡糸ブロック1に設けられた、サームエス(商品名)などの熱媒体を封入した加熱手段101によって、紡糸パック2を所定の温度に加熱する。そして、このような紡糸パック2に導入された2種類のポリマー(A)と(B)は、紡糸口金3へと分配され、紡糸口金3の下口金板33に穿設された紡糸孔内でサイドバイサイドに貼り合わされて、該紡糸口金3からサイドバイサイド型の複合繊維yとして紡出される。
【0025】
次いで、該紡糸口金3から紡出された糸条yは、横吹き式の冷却装置5から供給される整流手段6によって整流されながら一方向から吹出された横吹き冷却風により冷却される。
【0026】
この冷却の際に、本発明の実施形態においては、一方では、冷却風を吹き出す風上側に高粘度あるいは高収縮性ポリマー(A)(以下、単に「高粘度側ポリマー(A)」と称する)を配置し、冷却風が高粘度側ポリマー(A)に直接選択的に当たるようにすることで、急冷却の効果により結晶化を抑制し、より高い収縮特性を付与する。
【0027】
他方では冷却風の吹き出しの反対側となる風下側に低粘度あるいは低収縮性ポリマー(B)(以下、単に「低粘度側ポリマー(B)」と称する)を配置することにより、冷却風が直接当たることを回避して、遅延冷却させることで結晶化を促進させ、より低い収縮特性を発現させる。
【0028】
以上のような効果を発現させるためには、前記の冷却風の整流手段6としては、冷却風の吹出しを均一にするための均圧部材61と、冷却風を整流して冷却風の吹出し方向に指向性を与える吹出し方向規制部材62を含んで構成することが好ましい。
【0029】
特に、本発明においては、前述のように冷却風の吹出し方向に指向性(方向性)を与えることが極めて重要な要因となる。したがって、冷却風の整流手段6に付設する吹出し方向規制部材62として、冷却風を吹出すための狭隘なスリットを有する多層板やハニカム板などを使用して、冷却風の吹出し方向が常に一定方向となるように整流しながら吹出すことが極めて肝要である。
【0030】
更に、本発明の方法では、この効果をより向上させるために、図1に示すように、ポリマーが紡出される下口金板33のポリマー吐出面から、糸条が走行する下流方向に測った距離L1(mm)及びL2(mm)が重要である。
【0031】
なお、本発明において、L1(mm)は、下口金板33のポリマー吐出面から横吹き冷却風による冷却が初めて開始される位置迄の距離を指す。また、L2(mm)は、下口金板33のポリマー吐出面から横吹き冷却風による冷却が完了するまでの距離を指す。
【0032】
ここで、このL1(mm)及びL2(mm)として、本発明では、L1=30〜150mmの位置で、一方向の横吹き冷却風による冷却を開始し、遅くともL2=1000mmの位置でポリマーの冷却を完了させることが好ましい。もし、この範囲をずれると異方冷却の効果を十分に引き出すことが困難である。
【0033】
特に、L1<30mmとなると、紡糸口金3下の加熱雰囲気(所謂「ホットゾーン」)を乱し、かつ紡糸口金3自体をも冷却してしまうこととなって、好ましくない。したがって、該「ホットゾーン」内へ冷却風が進入しないようにシャッター4を設けることが好ましい。
【0034】
更に、本発明の方法においては、横吹き冷却風の整流吹き出し面から糸条までの距離D(mm)としてD=10〜50mmの範囲とする糸条yの冷却方法が望ましい。何故ならば、冷却風を整流吹き出し面から吹出す際に、その方向性を高めて十分に整流して吹出したととしても、冷却風は発散し易い気体であるために、吹出された後から直ぐに発散し始めるからである。
【0035】
したがって、D=10〜50mmの範囲という冷却風の吹出し面を十分に糸条yに近接させた条件を選定することによって、糸条yを構成する各単繊維間へ冷却風を一方向へ直進させることができ、その単繊維間への通過性(貫流性)を向上させることができる。
【0036】
そして、これによって、糸条yの冷却を均一にする効果と、糸条yの高粘度側ポリマー(A)部の急冷と低粘度側ポリマー(B)部の緩冷との組み合わせによって、潜在捲縮能を発現させる異方冷却をより効果的に行うことができるのである。
【0037】
しかも、これらの効果により、多錘の糸条を紡糸する際には、各錘の単繊維群間で殆ど差異の無い極めて品質の揃ったサイドバイサイド型複合繊維を得ることができる。更に、得られた複合繊維は、高い潜在捲縮能を有し、また、その糸条の長手方向に対して、不規則ではなく規則的な捲縮を持つ。
【0038】
その結果、このサイドバイサイド型複合繊維を布帛にした場合に、その伸縮性、嵩高性、風合い、染着斑、発色、あるいは光沢が整い、その肌触り、着用性、外観が極めて良好である高ストレッチの織物を得ることが可能となる。
【0039】
本発明においては、何度も繰り返し述べたように、「紡出されたサイドバイサイド型複合繊維の走行方向に対してほぼ直交する方向へ、冷却風を整流して流すと共に、紡出された複合繊維を高粘度側ポリマー(A)側が該冷却風の風上側に位置し、低粘度側ポリマー(B)側が冷却風の風下側に位置するように、該サイドバイサイド型複合繊維のポリマー貼り合わせ方向を一方向へ引き揃えて紡出する」ことを特徴とする。
【0040】
したがって、紡出されたサイドバイサイド型複合繊維を高粘度側ポリマー(A)側が該冷却風の風上側に位置し、低粘度側ポリマー(B)側が冷却風の風下側に位置するように、該サイドバイサイド型複合繊維の貼り合わせ方向を一方向へ引き揃えて紡出するための紡糸口金が必要となる。
【0041】
そこで、以下、このための紡糸口金について図2〜5を参照しながら詳細に説明する。なお、図2〜5において、図1で示した冷却風は紙面に対して下方から上方へと流れることを付言しておく。
【0042】
ここで、前記の図2は、本発明の紡糸装置に用いるサイドバイサイド型複合繊維の紡糸口金3を模式的に例示した正面断面図であって、図3は上口金板31、図4は中口金板32、そして、図5は下口金板33をそれぞれ示した模式平面図である。
【0043】
また、図3〜5は、ポリマーの流れ方向に対して上流側から見た平面図を示している。なお、前記の図2の紡糸口金の正面断面図においては、上口金板31は図3のX−X矢視断面における断面図、中口金板32は図4のY−Y矢視断面における断面図、そして、下口金板33は図5のZ−Z矢視断面における断面図でそれぞれ表わしてある。
【0044】
該図2及び図3の紡糸口金3において、上口金板31の上面に開口するポリマー導入孔311Aと311Bとから高粘度側ポリマー(A)と低粘度側ポリマー(B)とが上口金板31へと流入する。
【0045】
この時、該上口金板31の下面には図3では破線で示したように、前記の高粘度側ポリマー(A)と低粘度側ポリマー(B)とを平行かつ並列に交互に紡糸孔へ供給する櫛形状の分配流路312Aと312Bとが刻設されている。
【0046】
したがって、高粘度側ポリマー(A)と低粘度側ポリマー(B)とは、それぞれ櫛形状の分配流路312Aと312Bとへ分配・供給される。なお、該図2及び図3では、説明を分かり易くするために、高粘度側ポリマー(A)が流れる部分には網掛けを施して、網掛けを施さない低粘度側ポリマー(B)の部分と区別して示してある。
【0047】
次いで、図2及び図4に示したように、上口金板31の下面に刻設された前記の分配流路312Aと312Bとから、各ポリマー分配孔群321Aと321Bとが穿設された中口金板32へと、高粘度側ポリマー(A)と低粘度側ポリマー(B)とがそれぞれ供給される。
【0048】
なお、念のため、図4においては、ポリマー分配孔群321A及び321Bと櫛形状の分配流路312A及び312Bとの間の対応関係を明示するために、図4では点線によってポリマー分配孔群321Aと321Bの対応する位置を示しておいた。
【0049】
この場合、櫛形状の分配流路312A及び312Bに対応する位置にそれぞれ設けられるポリマー分配孔群321Aと321Bとの間の位置関係が重要である。つまり、冷却風は、図4においては、紙面の下方から上方へと紡糸口金3下を横切って流れるが、この時、冷却風の風上側(即ち、図4の紙面に対して下方側)に高粘度側ポリマー(A)のポリマー分配孔群321Aが位置し、風下側に低粘度側ポリマー(B)のポリマー分配孔群321Bが位置するようにすることが必要である。
【0050】
このため、個々のポリマー分配孔321Aと321Bとを一対として考え、これら一対のポリマー分配孔321Aと321Bとを、冷却風の流れ方向と平行になるように、穿設することが肝要である。
【0051】
最後に、図2及び図5に示すように、中口金板32に穿設されたポリマー分配孔群321Aと321Bから、下口金板33に設けられたポリマー導入溝331へ高粘度側ポリマー(A)と低粘度側ポリマー(B)とが供給される。
【0052】
この際、前述の、中口金板32に穿設されたポリマー分配孔群321Aと321Bとの配置関係からも明らかなように、一方では高粘度側ポリマー(A)は冷却風の風上側へ位置するように、他方では低粘度側ポリマー(B)は風下側に位置するように、ポリマー導入溝331へサイドバイサイドに供給される。
【0053】
次いで、該ポリマー導入溝331へサイドバイサイドに供給された高粘度側ポリマー(A)と低粘度側ポリマー(B)とは、紡糸孔332内でサイドバイサイドに貼り合わされながら流下する。
【0054】
そして、高粘度側ポリマー(A)と低粘度側ポリマー(B)とをサイドバイサイドに貼り合わされた複合ポリマーを、紡糸孔332から紡出して、最終的にサイドバイサイド型複合繊維を得る。
【0055】
【実施例】
以下、本発明を実施例により、さらに具体的に説明する。なお、各実施例と各比較例における物性あるいは評価は下記の方法により測定あるいは評価した。
【0056】
(1)発現捲縮数[個/cm]所定の速度で紡出糸条を巻き取った後に、通常延伸、熱処理を施した延伸糸条に発現している捲縮個数を、採取したサンプル糸1m中の任意の10箇所から抽出測定する。本測定を巻き取り長約10 6 mごとに繰り返し、その平均値ならびに分散をもちいて表わした。
【0057】
(2)全捲縮率(TC:Total Crimp)[%]
試料に50mg/Deの張力を負荷し、綛枠に巻取り、約3000Deの綛を作る。綛作成後、綛の一端に2mg/De+200mg/Deの荷重を負荷し、1分間経過後の長さl0(cm)を測定する。次いで、200mg/Deの荷重を除去した状態で、100℃の沸騰水中にて20分間処理する。沸水処理後2mg/Deの荷重を除去し、24時間自由な状態で自然乾燥する。自然乾燥した試料に、再び2mg/De+200mg/Deの荷重を負荷し、1分間経過後の長さl1(cm)を測定する。
次いで、200mg/Deの荷重を除去し、1分間経過後の長さl2を測定し、TC(%)=[(l1−l2)/l0]×100という算定式で全捲縮率TC(%)を算出した。
このとき、全捲縮率TC(%)の平均値と分散とは、上述のように任意の10個の綛試料を作成して求めた値である。
【0058】
(3)編地の染斑および風合い
得られた製品複合糸から、編密度10mg/cm 2 の編地を作製し、100℃常圧にて染色を実施する。この編地に対して、試験者5人による官能検査により、○:良好、△:やや良好、×:不良の3段階で評価を実施する。
【0059】
[実施例1]
本発明の実施例1としては、固有粘度の差異が0.25である高粘度ポリエチレンテレフタレートと低粘度ポリエチレンテレフタレート(以下、「ポリエチレンテレフタレート」を「PET」と略記する)とを原料とし、本発明の口金を用いて、常法により、50:50の重量複合比のサイドバイサイド型複合繊維yを巻取速度1450m/minで引き取った。
【0060】
その際、冷却風の整流吹出し面から紡出糸条yまでの距離を10〜50mm(D)に維持しながら、紡糸口金3のポリマー吐出面から、糸条yの走行方向に30mm(L1)の位置で、走行糸条yにほぼ直角に吹き付けた風速0.4m/sec、温度20℃の一方向横吹き冷却風による冷却を開始し、さらに紡糸口金3のポリマー吐出面から530mm(L2)の位置でポリマーへの冷却風吹き付けを終了した。
【0061】
この時、紡糸口金3は高粘度PETが風上側に、低粘度PETが風下側に配置されるように紡糸パック2に装着し、紡糸を実施した。得られたサイドバイサイド型複合繊維のポリマー接合面は高粘度側が凸となる緩やかな曲面を呈していた。この複合繊維をその伸度が30%となるように延伸・熱処理し、100De/24Filの延伸糸を得た。
【0062】
[実施例2]
紡糸口金3のポリマー吐出面から、糸条yの走行方向に約100mm(L1)の位置で、走行糸条に対してほぼ直角に一方向横吹き冷却風による冷却を開始し、さらに、紡糸口金3のポリマー吐出面から600mm(L2)の位置でポリマーへの冷却風の吹き付けを完了した。なお、これ以外の条件は実施例1に準じた。
【0063】
[実施例3]
紡糸口金3のポリマー吐出面から、糸条捲き取り方向に約150mm(L1)の位置で、走行糸条に対してほぼ直角に一方向横吹き冷却風による冷却を開始し、さらに、紡糸口金3のポリマー吐出面から650mm(L2)の位置でポリマーへの冷却風吹き付けを完了した。なお、これ以外の条件は実施例1に準じた。
【0064】
[比較例1]
本発明の紡糸口金3を用い、その際、高粘度PETが冷却風の風下側に、低粘度PETが冷却風の風上側に配置されるようにした。また、紡糸口金3のポリマー吐出面から、糸条yの走行方向に約100mm(L1)の位置で、風速0.4m/sec、風温20℃の一方向横吹き冷却風を走行糸条に対してほぼ直角となるように吹き付けて冷却を開始し、さらに該ポリマー吐出面から600mm(L2)の位置でポリマーへの冷却風の吹き付けを完了した。なお、これ以外の条件は実施例1に準じた。
【0065】
[比較例2]
各紡糸孔が同心円上に配列され、その時、高粘度PETが外周側、低粘度PETが内周側に配置される従来型の紡糸口金を用いて、50:50の重量%の複合比を有するサイドバイサイド型複合繊維を紡糸した。
その際、紡糸口金3のポリマー吐出面から、糸条yの走行方向に約30mm(L1)の位置で、走行糸条に対してほぼ直角に一方向横吹き冷却風による冷却を開始し、さらに、該吐出面から530mm(L2)の位置でポリマーへの冷却風吹き付けを完了した。なお、これ以外の条件は実施例1に準じた。
【0066】
[比較例3]
紡糸口金3のポリマー吐出面から、糸条の走行方向に約100mm(L1)の位置で、一方向横吹き冷却風による冷却を開始し、さらに該ポリマー吐出面から600mm(L2)の位置でポリマーへの冷却風吹き付けを終了する糸条冷却方法を用いた以外は比較例2に準じた。これら結果を表1に表わした。本結果より実施例1及び実施例2は共に均質で、優れた捲縮特性を有していた。特に、実施例1においては、優れた捲縮特性が均一に発現していた。また、実施例3では、糸条の冷却終了が遅延であったため、その捲縮発現は、実施例1及び実施例2ほど十分なレベルに達していないものの、捲縮性能のバラツキ自体は低く抑えられていた。
【0067】
これに対し、比較例1では、糸条の冷却方向を実施例とは逆にした影響から、捲縮性能の発現自体が低く抑えられていた。また、比較例2では、その捲縮性能自体はやや発現しているものの、その捲縮特性では糸条の長手方向でバラツキが生じており、捲縮性能が均質に発現していない。更に、比較例3は、潜在捲縮能自体が十分なではない。
これらの結果から、高粘度ポリマーを風上側、低粘度ポリマーを低粘度側に配置した実施例1および2の形態が最も捲縮特性を高く発現させ、かつその捲縮特性を均質なものとする機能に優れていることは明らかである。
【0068】
【表1】
【0069】
【発明の効果】
本発明では、図6に示した同心円上に紡糸孔を配置する従来の紡糸口金と比較すると、本発明の紡糸口金3では櫛形状の分配流路312Aと312Bとを用いて各ポリマーを分配する方式を採用しているため、各紡糸孔331に分配される各ポリマーの紡糸口金3内での滞留時間は、その紡糸孔331毎に異なることになる。
【0070】
このため、ポリマーの滞留時間がそれぞれの紡糸孔331毎に異なることは、各単繊維間で均質なポリマー物性が要求される合成繊維の溶融紡糸においては、本来、望ましいことでは無い。
【0071】
しかしながら、本発明者等の検討の結果、本発明の紡糸口金におけるポリマーの滞留時間差は最大でも数秒と非常に僅かであることを確認している。したがって、長時間滞留によるポリマーの熱劣化につながる可能性は小さく、それ故に、ポリマーの滞留時間差が、得られるサイドバイサイド型複合繊維の各単繊維間での物性のバラツキにつながる可能性は極めて低い。
【0072】
事実、本発明の紡糸口金を用いた本発明者等の紡糸テストの結果でも、その物性の均一性において、図6のように同心円上に紡糸孔を配置した従来の紡糸口金を用いて製造されたサイドバイサイド型複合繊維と同等の物性を有するという結果が得られた。
【0073】
逆に、本発明の紡糸口金3を使用することで、同心円上に紡糸孔を配置した従来の紡糸口金に勝るとも劣らない簡単な紡糸口金構造を実現でき、しかも、従来の紡糸口金ではできなかった異方冷却との組合わせを実現でき、潜在捲縮能に優れたサイドバイサイド型複合繊維を得ることができるという極めて大きな効果を奏する。
【0074】
また、本発明の方法と装置により、従来の方法と装置で発生する捲縮性能不足、捲縮性のばらつきといった問題点は解決され、単繊維間で殆ど物性差の無い、極めて品質の揃ったクリンプ形態を有し、かつ糸条の長手方向にも規則的なクリンプピッチを発現させることができる。
【0075】
その結果、得られたサイドバイサイド型複合繊維を布帛とした際に、伸縮性、嵩高性、風合い、染着、発色、あるいは光沢が整い、その肌触り、着用性、外観が極めて良好である布帛を提供することができるという顕著な効果を奏する。
【0076】
なお、本発明の紡糸装置においては、高粘度側ポリマー(A)と低粘度側ポリマー(B)とを平行かつ並列に交互に紡糸孔332へ供給する、櫛形状の分配流路312Aと312Bを用いることにより、外径約70mmの紡糸口金に24ホールはもちろん、最大48ホールの紡糸孔を極めて簡易に配置することが可能となる。
【0077】
このように、本発明によれば、複合繊維用の紡糸口金3の小径化が可能となり、その結果として、複合繊維用紡糸装置そのものの大きさも極めて小さく抑えることが可能となった。
【0078】
また、設備サイズの小型化により、本発明の紡糸口金3を用いた複合繊維の紡糸は単一種のポリマーを用いた紡糸と同様に、多錘化同時紡糸が可能な設備配置が実現でき、その結果、生産性が向上すると共に、銘柄の切替などの生産のフレキシビリティ性にも優れている。また、当然のことながら、設備サイズの小型化に伴い、そのユーティリティコスト、設備製造コスト、部品ストックコストも著しく低減されるという効果も得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のサイドバイサイド型複合繊維の溶融紡糸装置を模式的に例示した正面断面図である。
【図2】本発明に用いる複合繊維用紡糸口金を模式的に例示した正面断面図である。
【図3】本発明で使用する紡糸口金の上口金板を模式的に例示した平面図である。
【図4】本発明で使用する紡糸口金の中口金板を模式的に例示した平面図である。
【図5】本発明で使用する紡糸口金の下口金板を模式的に例示した平面図である。
【図6】従来の複合繊維用紡糸口金の紡糸孔配列を模式的に例示した平面図である。
【符号の説明】
1 紡糸ブロック
2 紡糸パック
3 紡糸口金
31 上口金板
32 中口金板
33 下口金板
4 シャッター
5 冷却装置
6 冷却風の整流手段
61 均圧部材
62 吹出し方向規制部材
7 紡糸筒
D 冷却風の吹出し面から糸条までの距離
L1 紡糸口金のポリマー吐出面から冷却開始点までの距離
L2 紡糸口金のポリマー吐出面から冷却完了点までの距離
y 紡出糸条
Claims (3)
- 高粘度あるいは高収縮性を有するポリマー(A)と低粘度あるいは低収縮性を有するポリマー(B)とを一本の単繊維中にサイドバイサイドに貼り合わせたマルチフィラメントからなるサイドバイサイド型複合繊維を紡出して、紡出された該サイドバイサイド型複合繊維を冷却風によって冷却固化する溶融紡糸方法において、紡出されたサイドバイサイド型複合繊維をポリマー(A)側が該冷却風の風上側に位置し、ポリマー(B)側が冷却風の風下側に位置するように、該サイドバイサイド型複合繊維の貼り合わせ方向を一方向へ引き揃えて紡出し、紡出された複合繊維の走行方向に対してほぼ直交する方向へ冷却風を整流しながら該冷却風の整流吹出し面から紡出糸条までの距離を10〜50mmとして流すと共に、紡糸口金のポリマー吐出面から下流方向に30〜150mmの位置で前記の冷却風による冷却を開始して少なくとも1000mmの位置では冷却を完了させることを特徴とするサイドバイサイド型複合繊維の溶融紡糸方法。
- 高粘度あるいは高収縮性ポリマー(A)と低粘度あるいは低収縮性ポリマー(B)とを一本の単繊維中にサイドバイサイドに貼り合わせて紡出する紡糸孔を有する紡糸口金と、一方向に吹出された冷却風によって紡出されたサイドバイサイド型複合繊維を冷却するための冷却装置とを含むサイドバイサイド型複合繊維の溶融紡糸装置において、冷却風の風上側に前記のポリマー(A)が位置するように全ての前記の紡糸孔が揃えて穿孔され、かつ冷却風の吹出し方向に方向性を有するように冷却風を整流する整流手段が冷却装置に設けられ、さらに前記整流手段の冷却風吹出し面が、紡出糸条から10〜50mmの位置に近接して設けられ、かつその冷却風吹き出し開始位置が紡糸口金のポリマー吐出面から下流方向に30〜150mmであって、その冷却風吹き出し完了位置が紡糸口金のポリマー吐出面から下流方向に1000mm迄に設けられていることを特徴とするサイドバイサイド型複合繊維の溶融紡糸装置。
- 請求項2記載のサイドバイサイド型複合繊維の溶融紡糸装置において、前記の紡糸口金には、前記のポリマー(A)とポリマー(B)とを平行かつ並列に交互に紡糸孔へ供給する、櫛形状の分配流路が設けられたことを特徴とするサイドバイサイド型複合繊維の溶融紡糸装置。
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