JP3095942B2 - ポリエステル混繊糸の製造方法 - Google Patents
ポリエステル混繊糸の製造方法Info
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- JP3095942B2 JP3095942B2 JP06086397A JP8639794A JP3095942B2 JP 3095942 B2 JP3095942 B2 JP 3095942B2 JP 06086397 A JP06086397 A JP 06086397A JP 8639794 A JP8639794 A JP 8639794A JP 3095942 B2 JP3095942 B2 JP 3095942B2
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ポリエステル混繊糸の
製造方法に関する。さらに詳しくは、紡糸した複数のフ
ィラメント群を異なる条件下で引き取った後、合糸混繊
して、嵩高性、良好な風合、濃淡染着差を呈するポリエ
ステル混繊糸を製造する方法に関する。
製造方法に関する。さらに詳しくは、紡糸した複数のフ
ィラメント群を異なる条件下で引き取った後、合糸混繊
して、嵩高性、良好な風合、濃淡染着差を呈するポリエ
ステル混繊糸を製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】熱処理を施すことによって嵩高性を呈す
るポリエステル混繊糸(いわゆるポリエステル異収縮混
繊糸)は、熱収縮差を有するポリエステル繊維同志を混
繊することによって得られることは周知である。かかる
混繊糸は、熱処理時に高収縮率のポリエステル繊維が収
縮し、これにより低収縮率のポリエステル繊維が張り出
すことによって嵩高性を付与するものである。この時、
高収縮繊維の単繊維の繊度は太くし、低収縮繊維の単繊
維の繊度を細くすることにより、熱処理後の嵩高糸の風
合は、表面タッチがソフトであって腰があるものとな
る。
るポリエステル混繊糸(いわゆるポリエステル異収縮混
繊糸)は、熱収縮差を有するポリエステル繊維同志を混
繊することによって得られることは周知である。かかる
混繊糸は、熱処理時に高収縮率のポリエステル繊維が収
縮し、これにより低収縮率のポリエステル繊維が張り出
すことによって嵩高性を付与するものである。この時、
高収縮繊維の単繊維の繊度は太くし、低収縮繊維の単繊
維の繊度を細くすることにより、熱処理後の嵩高糸の風
合は、表面タッチがソフトであって腰があるものとな
る。
【0003】かかる熱収縮差を有するポリエステル混繊
糸を得るためには、予め熱収縮差のある複数のフィラメ
ントを混繊する方法が多く採用されている。例えば、特
開昭54−82423号公報には、同一紡糸口金からポ
リエステルを溶融吐出し、急冷して得られる紡糸フィラ
メントを2つに分割して、その一方のフィラメント群に
は水が主体である油剤を付与し、他方のフィラメント群
には水よりも高温の沸点を有する剤を付与し、次いで、
両者を別々に同一条件で熱処理しつつ延伸を施した後、
混繊する方法が提案されている。しかし、紡糸油剤の沸
点差を利用してフィラメント群間に収縮差(沸水収縮
差)を付与するものであるため、フィラメント群間の沸
水収縮差を十分に大きくすることができず、得られる混
繊糸は繊維間の収縮差の小さいものとなる。このため、
最終的に得られる嵩高糸は、嵩高性が乏しく、満足し得
る風合は得られなかった。
糸を得るためには、予め熱収縮差のある複数のフィラメ
ントを混繊する方法が多く採用されている。例えば、特
開昭54−82423号公報には、同一紡糸口金からポ
リエステルを溶融吐出し、急冷して得られる紡糸フィラ
メントを2つに分割して、その一方のフィラメント群に
は水が主体である油剤を付与し、他方のフィラメント群
には水よりも高温の沸点を有する剤を付与し、次いで、
両者を別々に同一条件で熱処理しつつ延伸を施した後、
混繊する方法が提案されている。しかし、紡糸油剤の沸
点差を利用してフィラメント群間に収縮差(沸水収縮
差)を付与するものであるため、フィラメント群間の沸
水収縮差を十分に大きくすることができず、得られる混
繊糸は繊維間の収縮差の小さいものとなる。このため、
最終的に得られる嵩高糸は、嵩高性が乏しく、満足し得
る風合は得られなかった。
【0004】ところで、紡糸引取速度が3000m/分
程度の溶融紡糸で得られる部分配向糸(以降POYと称
する)は、沸水収縮率が大きく、前記混繊糸の高収縮繊
維として用いることが考えられる。しかしながら、PO
Yは沸水収縮差が大きいものの、延伸後十分な熱固定処
理が施されているフィラメント糸と比較して、結晶構造
が完全でないため、経時により結晶構造や配向構造が変
化したり、耐熱性及び寸法安定性が劣る等の種々の欠点
を有している。
程度の溶融紡糸で得られる部分配向糸(以降POYと称
する)は、沸水収縮率が大きく、前記混繊糸の高収縮繊
維として用いることが考えられる。しかしながら、PO
Yは沸水収縮差が大きいものの、延伸後十分な熱固定処
理が施されているフィラメント糸と比較して、結晶構造
が完全でないため、経時により結晶構造や配向構造が変
化したり、耐熱性及び寸法安定性が劣る等の種々の欠点
を有している。
【0005】近年、繊維市場環境は、均一、均質なもの
に対する要求から、消費者の高級化指向に伴う多種、多
様なものに対する要求へと変化し、少品種・大量生産か
ら多品種・少量生産の付加価値品生産へと変化してい
る。一方では、生産性を向上させるために、高速化が急
がれている。こうした状況下で、例えば特開昭62−1
91511号公報には、紡出、冷却した複数のフィラメ
ント群を、異なる温度で再加熱して4000m/分〜6
000m/分で引き取り、十分配向させた後に、沸水収
縮率の異なる2種以上のフィラメント群を合糸する方法
が提案されている。すなわち、溶融吐出されたポリエス
テル繊維を一旦冷却した後、再加熱処理する際に、好ま
しくは高収縮糸と低収縮糸の単繊維繊度比を1.5以上
とし、且つ再加熱装置の雰囲気温度を変えることによっ
て沸水収縮差を発現させている。しかしながら、この方
法によれば、生産性よく、嵩高性を示す混繊糸が得られ
るものの、再加熱装置を各フィラメント群に沿って個別
に設け、それぞれの温度設定を変えなければならないの
で、設備費がかさみ、しかも温度管理が煩雑となり、製
造コストが高くなるという問題があった。
に対する要求から、消費者の高級化指向に伴う多種、多
様なものに対する要求へと変化し、少品種・大量生産か
ら多品種・少量生産の付加価値品生産へと変化してい
る。一方では、生産性を向上させるために、高速化が急
がれている。こうした状況下で、例えば特開昭62−1
91511号公報には、紡出、冷却した複数のフィラメ
ント群を、異なる温度で再加熱して4000m/分〜6
000m/分で引き取り、十分配向させた後に、沸水収
縮率の異なる2種以上のフィラメント群を合糸する方法
が提案されている。すなわち、溶融吐出されたポリエス
テル繊維を一旦冷却した後、再加熱処理する際に、好ま
しくは高収縮糸と低収縮糸の単繊維繊度比を1.5以上
とし、且つ再加熱装置の雰囲気温度を変えることによっ
て沸水収縮差を発現させている。しかしながら、この方
法によれば、生産性よく、嵩高性を示す混繊糸が得られ
るものの、再加熱装置を各フィラメント群に沿って個別
に設け、それぞれの温度設定を変えなければならないの
で、設備費がかさみ、しかも温度管理が煩雑となり、製
造コストが高くなるという問題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来技
術を背景になされたもので、その目的は、同一の加熱装
置を用い、同一温度に設定した加熱筒で熱処理を施して
も、物性差、結晶構造差等を有するポリエステル混繊糸
を、高速製糸の下で安価に製造することのできる新規な
方法を提供することにある。
術を背景になされたもので、その目的は、同一の加熱装
置を用い、同一温度に設定した加熱筒で熱処理を施して
も、物性差、結晶構造差等を有するポリエステル混繊糸
を、高速製糸の下で安価に製造することのできる新規な
方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成すべく鋭意検討の結果、互いに独立した2以上の
フィラメント群の一方を、長い非加熱円筒を上部に設け
た加熱筒に通し、他方を、非加熱円筒を設けないか、あ
るいは短い非加熱円筒を上部に設けた加熱筒に通すこと
により、物性差、結晶構造差等を有する混繊糸が安定且
つ容易に得られることを見出し、本発明に到達した。
を達成すべく鋭意検討の結果、互いに独立した2以上の
フィラメント群の一方を、長い非加熱円筒を上部に設け
た加熱筒に通し、他方を、非加熱円筒を設けないか、あ
るいは短い非加熱円筒を上部に設けた加熱筒に通すこと
により、物性差、結晶構造差等を有する混繊糸が安定且
つ容易に得られることを見出し、本発明に到達した。
【0008】すなわち、本発明によれば、溶融ポリエス
テルを紡糸口金を通して吐出してなる、互いに独立した
2以上のフィラメント群を一旦冷却した後、それぞれ、
加熱筒に通して、3000m/分以上、5500m/分
以下の速度で引取った後、合糸混繊してポリエステル混
繊糸を製造するに際し、一方のフィラメント群(A群)
は、長さ50cm以上の非加熱円筒を上部に有する加熱
筒に通し、他方のフィラメント群(B群)は、非加熱円
筒を持たないか、あるいは長さ10cm以下の非加熱円
筒を上部に有する加熱筒に通すことを特徴とするポリエ
ステル混繊糸の製造方法が提供され、A群及びB群の強
伸度、熱応力、並びにA群とB群との間の強伸度差、熱
応力差は、下記式を満足することが好ましい。
テルを紡糸口金を通して吐出してなる、互いに独立した
2以上のフィラメント群を一旦冷却した後、それぞれ、
加熱筒に通して、3000m/分以上、5500m/分
以下の速度で引取った後、合糸混繊してポリエステル混
繊糸を製造するに際し、一方のフィラメント群(A群)
は、長さ50cm以上の非加熱円筒を上部に有する加熱
筒に通し、他方のフィラメント群(B群)は、非加熱円
筒を持たないか、あるいは長さ10cm以下の非加熱円
筒を上部に有する加熱筒に通すことを特徴とするポリエ
ステル混繊糸の製造方法が提供され、A群及びB群の強
伸度、熱応力、並びにA群とB群との間の強伸度差、熱
応力差は、下記式を満足することが好ましい。
【0009】(A群) 強度(STA)≧3.5(g/d) 伸度(ELA)≧40(%) 熱応力(TSA)≧0.45(g/d) (B群) 強度(STB)≧4.0(g/d) 伸度(ELB)≧30(%) 熱応力(TSB)≧0.40(g/d) (強度差) STB−STA≧0.5(g/d) (伸度差) ELA−ELB≧10(%) (熱応力差) TSA−TSB≧0.05(g/d) また、各加熱筒は、同一加熱装置により同一温度に加熱
されていることが望ましい。
されていることが望ましい。
【0010】本発明で用いられるポリエステルは、主た
る繰り返し単位がエチレンテレフタレートからなるポリ
エステルを主たる対象とする。しかし、テレフタル酸成
分及び/又はエチレングリコール成分以外の第3成分を
少量(通常はテレフタル酸成分に対して20モル%以
下)共重合したものであってもよく、また他種ポリマー
を少量(通常ポリエステルに対して10重量%以下)混
合したものであってもよい。
る繰り返し単位がエチレンテレフタレートからなるポリ
エステルを主たる対象とする。しかし、テレフタル酸成
分及び/又はエチレングリコール成分以外の第3成分を
少量(通常はテレフタル酸成分に対して20モル%以
下)共重合したものであってもよく、また他種ポリマー
を少量(通常ポリエステルに対して10重量%以下)混
合したものであってもよい。
【0011】本発明においては、上記ポリエステルを紡
糸口金を通して溶融吐出してなる、互いに独立した2以
上のフィラメント群(A、B群)を、一旦冷却した後、
それぞれ、加熱筒に通し、次いで3000〜5500m
/分の速度で引き取った後、合糸混繊する。ここで、ポ
リエステルの溶融温度及び冷却条件は、ポリエステルの
溶融紡糸に通常採用されている条件でよく、例えば28
5〜300℃の温度範囲で溶融し、温度25℃、湿度6
5%の冷却風で冷却すればよい。
糸口金を通して溶融吐出してなる、互いに独立した2以
上のフィラメント群(A、B群)を、一旦冷却した後、
それぞれ、加熱筒に通し、次いで3000〜5500m
/分の速度で引き取った後、合糸混繊する。ここで、ポ
リエステルの溶融温度及び冷却条件は、ポリエステルの
溶融紡糸に通常採用されている条件でよく、例えば28
5〜300℃の温度範囲で溶融し、温度25℃、湿度6
5%の冷却風で冷却すればよい。
【0012】引取速度は、3000〜5500m/分、
好ましくは3500〜5000m/分とする必要があ
る。3000m/分未満では、混繊糸を構成するフィラ
メント群(A、B群)が、いずれも伸度及び沸水収縮率
が大きくなって、フィラメント群間の物性差が発現せ
ず、十分な風合を呈する混繊糸が得られないばかりか、
十分な繊維構造が形成されないために、沸水収縮率が高
すぎたり、あるいはアルカリ減量加工時にフィブリル化
し易いといった問題がある。一方、5500m/分を越
える場合には、いずれのフィラメント群(A、B群)も
伸度及び沸水収縮率が低くなり、物性差が小さくなっ
て、十分な嵩高性が得られなくなる。
好ましくは3500〜5000m/分とする必要があ
る。3000m/分未満では、混繊糸を構成するフィラ
メント群(A、B群)が、いずれも伸度及び沸水収縮率
が大きくなって、フィラメント群間の物性差が発現せ
ず、十分な風合を呈する混繊糸が得られないばかりか、
十分な繊維構造が形成されないために、沸水収縮率が高
すぎたり、あるいはアルカリ減量加工時にフィブリル化
し易いといった問題がある。一方、5500m/分を越
える場合には、いずれのフィラメント群(A、B群)も
伸度及び沸水収縮率が低くなり、物性差が小さくなっ
て、十分な嵩高性が得られなくなる。
【0013】更に、本発明においては、混繊糸を構成す
る一方のフィラメント群(A群)は、長さ50cm以上
(好ましくは70cm以上)の非加熱円筒、好ましくは
冷却ゾーンまで延在する長さ50cm以上の非加熱円筒
を上部に有する加熱筒に通し、他方のフィラメント群
(B群)は、非加熱円筒を持たないか、あるいは長さ1
0cm以下の非加熱円筒を上部に有する加熱筒に通すこ
とが必要である。
る一方のフィラメント群(A群)は、長さ50cm以上
(好ましくは70cm以上)の非加熱円筒、好ましくは
冷却ゾーンまで延在する長さ50cm以上の非加熱円筒
を上部に有する加熱筒に通し、他方のフィラメント群
(B群)は、非加熱円筒を持たないか、あるいは長さ1
0cm以下の非加熱円筒を上部に有する加熱筒に通すこ
とが必要である。
【0014】加熱筒上部に設ける非加熱円筒の長さに応
じて、得られるフィラメント群の強伸度、熱応力に差が
生じてくるものであって、A群用の非加熱円筒が50c
m未満、あるいはB群用の非加熱円筒が10cmよりも
長くなると、両フィラメント群間のこれらの物性の差が
小さくなり、目的とする嵩高性、風合、濃淡染着差が得
られなくなる。
じて、得られるフィラメント群の強伸度、熱応力に差が
生じてくるものであって、A群用の非加熱円筒が50c
m未満、あるいはB群用の非加熱円筒が10cmよりも
長くなると、両フィラメント群間のこれらの物性の差が
小さくなり、目的とする嵩高性、風合、濃淡染着差が得
られなくなる。
【0015】なお、A群用の非加熱円筒は、長い方が、
両フィラメント群間の物性差を大きくするうえで好まし
いが、あまり長くしすぎて紡糸口金に接近しすぎると、
紡糸開始時の糸掛け作業が困難となり、しかも紡出フィ
ラメントの冷却が不十分となり、断糸が頻発するように
なるので、紡糸口金から非加熱円筒までの冷却長は、1
0cm以上とすることが望ましい。
両フィラメント群間の物性差を大きくするうえで好まし
いが、あまり長くしすぎて紡糸口金に接近しすぎると、
紡糸開始時の糸掛け作業が困難となり、しかも紡出フィ
ラメントの冷却が不十分となり、断糸が頻発するように
なるので、紡糸口金から非加熱円筒までの冷却長は、1
0cm以上とすることが望ましい。
【0016】非加熱円筒の内径は、加熱筒の内径と同一
か、あるいはその1.1〜1.2倍であることが好まし
い。また、非加熱円筒の形状は、その入口内径が、出口
内径よりも大きい逆円錐形にして、随伴気流が多くなる
ようにしてもよく、入口内径と出口内径が同一の直円筒
形にしてもよい。
か、あるいはその1.1〜1.2倍であることが好まし
い。また、非加熱円筒の形状は、その入口内径が、出口
内径よりも大きい逆円錐形にして、随伴気流が多くなる
ようにしてもよく、入口内径と出口内径が同一の直円筒
形にしてもよい。
【0017】各加熱筒は、紡糸口金下0.6〜2.0m
に取り付けることが好ましく、例えば長さ1〜1.5
m、内径30〜60mmのステンレス製円筒状加熱筒を
等間隔に2〜8本配設し、その周囲を長さ約1.5m、
幅約1mの箱型の熱媒槽で囲んだものが用いられる。加
熱手段としては、電熱ヒーターを用いてもよいが、均一
加熱、消費エネルギーの節約の観点から、熱媒式加熱が
好ましく採用される。
に取り付けることが好ましく、例えば長さ1〜1.5
m、内径30〜60mmのステンレス製円筒状加熱筒を
等間隔に2〜8本配設し、その周囲を長さ約1.5m、
幅約1mの箱型の熱媒槽で囲んだものが用いられる。加
熱手段としては、電熱ヒーターを用いてもよいが、均一
加熱、消費エネルギーの節約の観点から、熱媒式加熱が
好ましく採用される。
【0018】各加熱筒は、同一加熱装置により、同一温
度設定で加熱されているものが、設備コストの低減、温
度管理の簡素化の点で好ましい。
度設定で加熱されているものが、設備コストの低減、温
度管理の簡素化の点で好ましい。
【0019】加熱筒の設定温度は、300℃程度以下で
あれば、銘柄(全繊度、単繊維繊度)等に応じて任意に
選択することができるが、100℃以下では温度制御が
難しく、しかも物性差、結晶構造差が発現し難くなり、
250℃を越えると、銘柄によっては断糸が発生し易く
なるので注意を要する。特に好ましい温度範囲は、15
0〜250℃である。
あれば、銘柄(全繊度、単繊維繊度)等に応じて任意に
選択することができるが、100℃以下では温度制御が
難しく、しかも物性差、結晶構造差が発現し難くなり、
250℃を越えると、銘柄によっては断糸が発生し易く
なるので注意を要する。特に好ましい温度範囲は、15
0〜250℃である。
【0020】かくして、加熱筒で加熱された両フィラメ
ント群を合糸混繊して、混繊糸を得る。この混繊には、
任意の混繊装置を用いることができるが、通常はインタ
ーレース装置が好ましく用いられる。
ント群を合糸混繊して、混繊糸を得る。この混繊には、
任意の混繊装置を用いることができるが、通常はインタ
ーレース装置が好ましく用いられる。
【0021】図1及び図2は、本発明方法を実施するの
に使用する装置の例を示す概略図であり、紡糸口金1
A、1Bから吐出されたポリエステルフィラメント群2
A、2Bを共通の紡糸冷却ゾーン3で冷却、固化した
後、それぞれ、共通の加熱装置4で加熱されている加熱
筒5A、5Bに通す。
に使用する装置の例を示す概略図であり、紡糸口金1
A、1Bから吐出されたポリエステルフィラメント群2
A、2Bを共通の紡糸冷却ゾーン3で冷却、固化した
後、それぞれ、共通の加熱装置4で加熱されている加熱
筒5A、5Bに通す。
【0022】この場合、一方のフィラメント群2Aが通
る加熱筒5Aの上部には、冷却ゾーン3内まで延在す
る、長さLAが50cm以上の非加熱円筒6を設け、他
方のフィラメント群2Bが通る加熱筒5Bには、非加熱
円筒を設けない。
る加熱筒5Aの上部には、冷却ゾーン3内まで延在す
る、長さLAが50cm以上の非加熱円筒6を設け、他
方のフィラメント群2Bが通る加熱筒5Bには、非加熱
円筒を設けない。
【0023】加熱筒5A、5Bを経て、該加熱筒5A、
5Bの下部に設けたシャッター7A、7Bから導出され
たフィラメント群2A、2Bは、それぞれ、油剤付与装
置8A、8Bで集束、油剤付与を行った後、インターレ
ース装置9で合糸、混繊し、引取ローラー10、10’
により引き取って、必要に応じてインターレース装置1
1により再度交絡を付与した後、巻取機12で巻き取
る。
5Bの下部に設けたシャッター7A、7Bから導出され
たフィラメント群2A、2Bは、それぞれ、油剤付与装
置8A、8Bで集束、油剤付与を行った後、インターレ
ース装置9で合糸、混繊し、引取ローラー10、10’
により引き取って、必要に応じてインターレース装置1
1により再度交絡を付与した後、巻取機12で巻き取
る。
【0024】なお、図2に示した装置では、一方のフィ
ラメント群2Aが通る加熱筒5Aの上部には、冷却ゾー
ン3内まで延在する、長さLAが50cm以上の非加熱
円筒6Aを設け、他方のフィラメント群2Bが通る加熱
筒5Bの上部には、やはり、冷却ゾーン3内まで延在す
る、長さLBが10cm以下の非加熱円筒6Bを設けて
いる。
ラメント群2Aが通る加熱筒5Aの上部には、冷却ゾー
ン3内まで延在する、長さLAが50cm以上の非加熱
円筒6Aを設け、他方のフィラメント群2Bが通る加熱
筒5Bの上部には、やはり、冷却ゾーン3内まで延在す
る、長さLBが10cm以下の非加熱円筒6Bを設けて
いる。
【0025】加熱筒5A、5Bの下部に設けたシャッタ
ー7A、7Bは、特に設けなくてもよいが、主にフィラ
メント群2A、2Bが随伴流として加熱筒5A、5B内
に持ち込む加熱空気を逃がさないようにして、加熱筒5
A、5B内の温度を一定に保ち、品質の安定性を高める
うえで、設けた方が好ましい。
ー7A、7Bは、特に設けなくてもよいが、主にフィラ
メント群2A、2Bが随伴流として加熱筒5A、5B内
に持ち込む加熱空気を逃がさないようにして、加熱筒5
A、5B内の温度を一定に保ち、品質の安定性を高める
うえで、設けた方が好ましい。
【0026】本発明によって得られたポリエステル混繊
糸の各フィラメント群(A群、B群)は、繊度、繊維断
面形状、紡糸速度、加熱筒温度、非加熱円筒の長さ等
を、前記範囲内で適宜変更することにより、下記の特性
を同時に満足させることが望ましい。
糸の各フィラメント群(A群、B群)は、繊度、繊維断
面形状、紡糸速度、加熱筒温度、非加熱円筒の長さ等
を、前記範囲内で適宜変更することにより、下記の特性
を同時に満足させることが望ましい。
【0027】(A群) 強度(STA)≧3.5(g/d) 伸度(ELA)≧40(%) 熱応力(TSA)≧0.45(g/d) (B群) 強度(STB)≧4.0(g/d) 伸度(ELB)≧30(%) 熱応力(TSB)≧0.40(g/d) (強度差) STB−STA≧0.5(g/d) (伸度差) ELA−ELB≧10(%) (熱応力差) TSA−TSB≧0.05(g/d) A群の強度(STA)は、良好な張り・腰、製織性を得
るうえで、3.5g/d以上であることが好ましく、特
に3.8g/d以上がより好ましい。一方、B群の強度
(STB)は、4.0g/d以上、B群とA群の強度差
(STB−STA)は、0.5g/d以上(特に好まし
くは、0.7〜1.0g/d)であることが、張り・腰
に優れ、混繊状態が向上した豊かな風合の混繊糸が得ら
れるため、好ましい。なお、B群の強度(STB)があ
まり高くなりすぎると、B群の影響が強くなりすぎて、
混繊糸全体の風合が硬くなるため、高々5.0g/d程
度が適当である。
るうえで、3.5g/d以上であることが好ましく、特
に3.8g/d以上がより好ましい。一方、B群の強度
(STB)は、4.0g/d以上、B群とA群の強度差
(STB−STA)は、0.5g/d以上(特に好まし
くは、0.7〜1.0g/d)であることが、張り・腰
に優れ、混繊状態が向上した豊かな風合の混繊糸が得ら
れるため、好ましい。なお、B群の強度(STB)があ
まり高くなりすぎると、B群の影響が強くなりすぎて、
混繊糸全体の風合が硬くなるため、高々5.0g/d程
度が適当である。
【0028】また、張り・腰があり、良好な風合を得る
うえで、A群の伸度(ELA)は、好ましくは40%以
上、更に好ましくは40〜70%、特に好ましくは45
〜65%であり、B群の伸度(ELB)は、好ましくは
30%以上、更に好ましくは30〜60%、特に好まし
くは35〜50%である。また、A群とB群の伸度差
(ELA−ELB)は、10%以上であることが好まし
く、15〜20%であることが更に好ましい。
うえで、A群の伸度(ELA)は、好ましくは40%以
上、更に好ましくは40〜70%、特に好ましくは45
〜65%であり、B群の伸度(ELB)は、好ましくは
30%以上、更に好ましくは30〜60%、特に好まし
くは35〜50%である。また、A群とB群の伸度差
(ELA−ELB)は、10%以上であることが好まし
く、15〜20%であることが更に好ましい。
【0029】更に、A群の熱応力(TSA)は、0.4
5g/d以上、B群の熱応力(TSB)0.40g/d
以上、A群とB群の熱応力差(TSA−TSB)は、
0.05g/d以上であることが好ましい。一般に、伸
度が高いと、張り・腰が失われる原因となるが、この熱
応力が高ければ、製織後の風合を豊かにし、膨らみを持
たせることが可能となり、張り・腰の有る、良好な風合
の製品を得ることができる。
5g/d以上、B群の熱応力(TSB)0.40g/d
以上、A群とB群の熱応力差(TSA−TSB)は、
0.05g/d以上であることが好ましい。一般に、伸
度が高いと、張り・腰が失われる原因となるが、この熱
応力が高ければ、製織後の風合を豊かにし、膨らみを持
たせることが可能となり、張り・腰の有る、良好な風合
の製品を得ることができる。
【0030】本発明においては、A群及びB群の繊度は
同一であっても異なっていてもよく、また断面形状も同
じであっても異なっていてもよい。総繊度が大きすぎる
と、膨みが大きくなりすぎて、逆に風合が低下し易いた
め、200デニール以下、特に150デニール以下が好
ましく、単繊維繊度は小さいほど風合が良好となり、2
デニール以下が望ましい。
同一であっても異なっていてもよく、また断面形状も同
じであっても異なっていてもよい。総繊度が大きすぎる
と、膨みが大きくなりすぎて、逆に風合が低下し易いた
め、200デニール以下、特に150デニール以下が好
ましく、単繊維繊度は小さいほど風合が良好となり、2
デニール以下が望ましい。
【0031】また、本発明により得られたポリエステル
混繊糸は、そのまま製織等に用いてもよいが、更に、必
要に応じて、別工程で延伸、仮撚加工を施してもよい。
その際の倍率は、紡糸引取速度等に依存し、通常1.0
5〜1.50倍程度となる。
混繊糸は、そのまま製織等に用いてもよいが、更に、必
要に応じて、別工程で延伸、仮撚加工を施してもよい。
その際の倍率は、紡糸引取速度等に依存し、通常1.0
5〜1.50倍程度となる。
【0032】以上では、A群とB群の2つのフィラメン
ト群を用いた例について説明したが、本発明方法は、こ
れに限定されるものではなく、例えば、A群用の非加熱
円筒の長さLA及び/又はB群用の非加熱円筒の長さL
Bを変えた複数のフィラメント群で構成するなどして、
3つ以上のフィラメント群を用いてもよい。
ト群を用いた例について説明したが、本発明方法は、こ
れに限定されるものではなく、例えば、A群用の非加熱
円筒の長さLA及び/又はB群用の非加熱円筒の長さL
Bを変えた複数のフィラメント群で構成するなどして、
3つ以上のフィラメント群を用いてもよい。
【0033】
【作用】本発明によれば、同一の加熱装置により同一設
定温度で加熱されている加熱筒に通して熱処理しても、
一方のフィラメント群(A群)は、長い非加熱円筒を上
部に有する加熱筒に通し、他方のフィラメント群(B
群)は、非加熱円筒を持たないか、あるいは短い非加熱
円筒を上部に有する加熱筒に通しているため、それぞ
れ、異なった熱履歴を受け、両フィラメント群(A群、
B群)は、互いに強伸度、熱応力等の物性が異なり、結
晶構造にも差が生じてくることになる。
定温度で加熱されている加熱筒に通して熱処理しても、
一方のフィラメント群(A群)は、長い非加熱円筒を上
部に有する加熱筒に通し、他方のフィラメント群(B
群)は、非加熱円筒を持たないか、あるいは短い非加熱
円筒を上部に有する加熱筒に通しているため、それぞ
れ、異なった熱履歴を受け、両フィラメント群(A群、
B群)は、互いに強伸度、熱応力等の物性が異なり、結
晶構造にも差が生じてくることになる。
【0034】この非加熱円筒を設けることにより、紡糸
中に発生する随伴流を少なくすることが可能となり、強
度が低下し、伸度は高くなり、一方で、フィラメントが
持ち込む熱により高温となり、しかも随伴流も減少する
ことから、加熱筒内での加熱延伸により見掛け上歪みが
大きくなり、熱応力が増大するものと思われる。
中に発生する随伴流を少なくすることが可能となり、強
度が低下し、伸度は高くなり、一方で、フィラメントが
持ち込む熱により高温となり、しかも随伴流も減少する
ことから、加熱筒内での加熱延伸により見掛け上歪みが
大きくなり、熱応力が増大するものと思われる。
【0035】その結果、これらのフィラメント群(A群
及びB群)を混繊して、収縮処理を施すと、両フィラメ
ント群間の収縮特性の差により、張り・腰があり、嵩高
性、風合に優れた混繊糸が得られる。特に、A群は、伸
度は高いものの、染色時には淡染化し、B群は、染色時
に濃染化し易くなるため、濃淡染着差と膨らみのある混
繊糸が得られる。この濃淡染着差と膨らみは、繊度、断
面形状を変えることで、更に大きくすることができる。
及びB群)を混繊して、収縮処理を施すと、両フィラメ
ント群間の収縮特性の差により、張り・腰があり、嵩高
性、風合に優れた混繊糸が得られる。特に、A群は、伸
度は高いものの、染色時には淡染化し、B群は、染色時
に濃染化し易くなるため、濃淡染着差と膨らみのある混
繊糸が得られる。この濃淡染着差と膨らみは、繊度、断
面形状を変えることで、更に大きくすることができる。
【0036】
【実施例】以下実施例を挙げて本発明を更に詳述する。
尚、強度、伸度、熱応力は、下記の方法で測定した。 (イ)強度、伸度;島津製作所製のオートグラフを使用
し、試料長20cm、引張速度100%/分で測定し
た。 (ロ)熱応力;鐘紡株式会社製熱応力測定器を使用し、
昇温速度120秒/300℃、初荷重30g/dの負荷
で測定を行い、最も高いピーク応力の値を読みとった。 (ハ)風合;混繊糸で編成した筒編みを触感により評価
し、強度4.5g/de、伸度30〜40%の同一繊度
の糸条で同様に編成した基準筒編みと比較して、柔らか
く、張り・腰があるものを◎、若干柔らかいものを○、
柔らかさが同等のものを△、硬いものを×で示した。 (ニ)濃淡染着差;混繊糸を筒編みとし、イーストマン
ブルーで染色した後、目視で判定し、濃淡差が極めては
っきりしているものを◎、濃淡差があり製品として問題
がないものを○、濃淡差がほとんどないものを△、濃淡
差が全く認められないものを×で示した。
尚、強度、伸度、熱応力は、下記の方法で測定した。 (イ)強度、伸度;島津製作所製のオートグラフを使用
し、試料長20cm、引張速度100%/分で測定し
た。 (ロ)熱応力;鐘紡株式会社製熱応力測定器を使用し、
昇温速度120秒/300℃、初荷重30g/dの負荷
で測定を行い、最も高いピーク応力の値を読みとった。 (ハ)風合;混繊糸で編成した筒編みを触感により評価
し、強度4.5g/de、伸度30〜40%の同一繊度
の糸条で同様に編成した基準筒編みと比較して、柔らか
く、張り・腰があるものを◎、若干柔らかいものを○、
柔らかさが同等のものを△、硬いものを×で示した。 (ニ)濃淡染着差;混繊糸を筒編みとし、イーストマン
ブルーで染色した後、目視で判定し、濃淡差が極めては
っきりしているものを◎、濃淡差があり製品として問題
がないものを○、濃淡差がほとんどないものを△、濃淡
差が全く認められないものを×で示した。
【0037】〔実施例1〜8、比較例1〜3〕ポリエス
テルチップを溶融温度290℃で溶融し、孔径が0.2
mm、ランド長が0.8mm・ホール数が36ホールの
紡糸口金を用いて溶融吐出した後、図1に示す装置で、
それぞれの繊度、紡糸引取速度、加熱筒設定温度、冷却
長、非加熱円筒の長さ(LA)を表1記載のように変更
して捲取った。なお、冷却風としては、温度250℃、
湿度65%の空気を用いた。加熱筒としては、長さ1.
3m、内径40mmのステンレス製円筒4本を、一つの
箱型熱媒槽で囲んで用い、紡糸口金から加熱筒までの距
離は100cmとした。また、非加熱円筒は、内径40
cmで、入口内径と出口内径が同一のものを用いた。
テルチップを溶融温度290℃で溶融し、孔径が0.2
mm、ランド長が0.8mm・ホール数が36ホールの
紡糸口金を用いて溶融吐出した後、図1に示す装置で、
それぞれの繊度、紡糸引取速度、加熱筒設定温度、冷却
長、非加熱円筒の長さ(LA)を表1記載のように変更
して捲取った。なお、冷却風としては、温度250℃、
湿度65%の空気を用いた。加熱筒としては、長さ1.
3m、内径40mmのステンレス製円筒4本を、一つの
箱型熱媒槽で囲んで用い、紡糸口金から加熱筒までの距
離は100cmとした。また、非加熱円筒は、内径40
cmで、入口内径と出口内径が同一のものを用いた。
【0038】
【表1】
【0039】結果は表2に示す通りであった。
【0040】
【表2】
【0041】表2から明らかなように、本発明方法(実
施例1〜5)で製造した混繊糸は、十分な嵩高性を示
し、風合、濃淡染着差も良好であり、特に単繊維繊度が
小さくなるほど柔らかくなるが、紡糸引取速度が300
0m/分未満の場合(比較例1)は、A群、B群共に伸
度及び沸水収縮率が大きくなってフィラメント群間の物
性差が発現せず、風合、濃淡染着差が劣ったものとなっ
た。また、紡糸引取速度が5500m/分を越える場合
(比較例2)も、フィラメント群間の物性差が小さくな
って、満足できる風合、濃淡染着差が得られなかった。
更に、非加熱円筒の長さ(LA)が50cm以上(実施
例6)、特に70cm以上の場合(実施例7、8)は、
両フィラメント群間の物性差が大きく、風合、濃淡染着
差共に良好であったが、50cm未満の場合(比較例
3)は、両フィラメント群間の物性差がほとんどなくな
り、風合、濃淡染着差共に不良であった。
施例1〜5)で製造した混繊糸は、十分な嵩高性を示
し、風合、濃淡染着差も良好であり、特に単繊維繊度が
小さくなるほど柔らかくなるが、紡糸引取速度が300
0m/分未満の場合(比較例1)は、A群、B群共に伸
度及び沸水収縮率が大きくなってフィラメント群間の物
性差が発現せず、風合、濃淡染着差が劣ったものとなっ
た。また、紡糸引取速度が5500m/分を越える場合
(比較例2)も、フィラメント群間の物性差が小さくな
って、満足できる風合、濃淡染着差が得られなかった。
更に、非加熱円筒の長さ(LA)が50cm以上(実施
例6)、特に70cm以上の場合(実施例7、8)は、
両フィラメント群間の物性差が大きく、風合、濃淡染着
差共に良好であったが、50cm未満の場合(比較例
3)は、両フィラメント群間の物性差がほとんどなくな
り、風合、濃淡染着差共に不良であった。
【0042】〔実施例9〜11、比較例4〜5〕実施例
4において、図1の装置に代えて、図2に示すように、
加熱筒5Aと、加熱筒5Bの両方に、それぞれ、非加熱
円筒6A、6Bを設け、非加熱円筒6Aの長さLAと非
加熱円筒6Bの長さLBを、表3に示すように変更し
た。
4において、図1の装置に代えて、図2に示すように、
加熱筒5Aと、加熱筒5Bの両方に、それぞれ、非加熱
円筒6A、6Bを設け、非加熱円筒6Aの長さLAと非
加熱円筒6Bの長さLBを、表3に示すように変更し
た。
【0043】
【表3】
【0044】結果は表4に示す通りであった。
【0045】
【表4】
【0046】表4から明らかなように、一方のフィラメ
ント群(A群)を通す非加熱円筒6Aの長さLAが50
cm以上、特に70cm以上で、他方のフィラメント群
(B群)を通す非加熱円筒6Bの長さLBが10cm以
下の場合(実施例9〜11)は、両フィラメント群間の
物性差が大きく、風合、濃淡染着差共に良好であった
が、非加熱円筒6Aの長さLAが50cm未満の場合
(比較例4)、及び非加熱円筒6Bの長さLBが10c
mを越える場合(比較例5)は、両フィラメント群間の
物性差がほとんどなくなり、風合、濃淡染着差共に不良
であった。
ント群(A群)を通す非加熱円筒6Aの長さLAが50
cm以上、特に70cm以上で、他方のフィラメント群
(B群)を通す非加熱円筒6Bの長さLBが10cm以
下の場合(実施例9〜11)は、両フィラメント群間の
物性差が大きく、風合、濃淡染着差共に良好であった
が、非加熱円筒6Aの長さLAが50cm未満の場合
(比較例4)、及び非加熱円筒6Bの長さLBが10c
mを越える場合(比較例5)は、両フィラメント群間の
物性差がほとんどなくなり、風合、濃淡染着差共に不良
であった。
【0047】
【発明の効果】本発明によれば、同一の加熱装置を用
い、同一温度に設定した加熱筒で熱処理を施しても、物
性差、結晶構造差を有するポリエステル混繊糸を、高速
で安価に製造することができ、得られた混繊糸は、張り
・腰のある優れた風合、嵩高性及び濃淡染着差を示す。
い、同一温度に設定した加熱筒で熱処理を施しても、物
性差、結晶構造差を有するポリエステル混繊糸を、高速
で安価に製造することができ、得られた混繊糸は、張り
・腰のある優れた風合、嵩高性及び濃淡染着差を示す。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実施する装置の一例を示す概略図であ
る。
る。
【図2】本発明を実施する装置の他の例を示す概略図で
ある。
ある。
1A、1B 紡糸口金 2A フィラメント群(A群) 2B フィラメント群(B群) 3 紡糸ゾーン 4 加熱装置 5A、5B 加熱筒 6A、6B 非加熱円筒 7A、7B シャッター 8A、8B 油剤付与装置 9 インターレース装置 10、10′ 引取ローラー 11 インターレース装置 12 巻取機
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI D01F 6/62 303 D01F 6/62 303K D02G 1/18 D02G 1/18 D02J 13/00 D02J 13/00 Z (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) D02G 3/04 D01D 5/084 D01D 10/02 D01F 6/62 301 D01F 6/62 303 D02G 1/18 D02J 13/00
Claims (3)
- 【請求項1】 溶融ポリエステルを紡糸口金を通して吐
出してなる、互いに独立した2以上のフィラメント群を
一旦冷却した後、それぞれ、加熱筒に通して、3000
m/分以上、5500m/分以下の速度で引取った後、
合糸混繊してポリエステル混繊糸を製造するに際し、一
方のフィラメント群(A群)は、長さ50cm以上の非
加熱円筒を上部に有する加熱筒に通し、他方のフィラメ
ント群(B群)は、非加熱円筒を持たないか、あるいは
長さ10cm以下の非加熱円筒を上部に有する加熱筒に
通すことを特徴とするポリエステル混繊糸の製造方法。 - 【請求項2】A群及びB群の強伸度、熱応力、並びにA
群とB群との間の強伸度差、熱応力差が、下記式を満足
する請求項1記載のポリエステル混繊糸の製造方法。 (A群) 強度(STA)≧3.5(g/d) 伸度(ELA)≧40(%) 熱応力(TSA)≧0.45(g/d) (B群) 強度(STB)≧4.0(g/d) 伸度(ELB)≧30(%) 熱応力(TSB)≧0.40(g/d) (強度差) STB−STA≧0.5(g/d) (伸度差) ELA−ELB≧10(%) (熱応力差) TSA−TSB≧0.05(g/d) - 【請求項3】 各加熱筒が、同一加熱装置により同一温
度に加熱されている請求項1又は2記載のポリエステル
混繊糸の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP06086397A JP3095942B2 (ja) | 1994-04-25 | 1994-04-25 | ポリエステル混繊糸の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP06086397A JP3095942B2 (ja) | 1994-04-25 | 1994-04-25 | ポリエステル混繊糸の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07300732A JPH07300732A (ja) | 1995-11-14 |
JP3095942B2 true JP3095942B2 (ja) | 2000-10-10 |
Family
ID=13885748
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP06086397A Expired - Fee Related JP3095942B2 (ja) | 1994-04-25 | 1994-04-25 | ポリエステル混繊糸の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3095942B2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101632636B1 (ko) * | 2015-03-09 | 2016-06-23 | 한국생산기술연구원 | 고강도 폴리에스테르사의 제조방법 |
WO2016144105A1 (ko) * | 2015-03-09 | 2016-09-15 | 한국생산기술연구원 | 고강도 합성섬유의 제조방법 및 그로부터 제조된 고강도 합성섬유 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH09310220A (ja) * | 1996-05-17 | 1997-12-02 | Ind Technol Res Inst | 異収縮混繊糸の製法 |
DE10110601A1 (de) * | 2000-04-11 | 2001-10-25 | Barmag Barmer Maschf | Verfahren und Vorrichtung zum Spinnen und Kräuseln eines multifilen Fadens |
KR101429701B1 (ko) | 2012-10-22 | 2014-08-12 | 한국생산기술연구원 | 복합섬유 제조방법 및 제조장치, 그에 의해 제조된 복합섬유 |
-
1994
- 1994-04-25 JP JP06086397A patent/JP3095942B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101632636B1 (ko) * | 2015-03-09 | 2016-06-23 | 한국생산기술연구원 | 고강도 폴리에스테르사의 제조방법 |
WO2016144105A1 (ko) * | 2015-03-09 | 2016-09-15 | 한국생산기술연구원 | 고강도 합성섬유의 제조방법 및 그로부터 제조된 고강도 합성섬유 |
JP2018511715A (ja) * | 2015-03-09 | 2018-04-26 | コリア インスティチュート オブ インダストリアル テクノロジー | 高強度合成繊維の製造方法及びそれから製造された高強度合成繊維 |
US10422052B2 (en) | 2015-03-09 | 2019-09-24 | Korea Institute Of Industrial Technology | Method of manufacturing high strength synthetic fibers |
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH07300732A (ja) | 1995-11-14 |
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