JP2995643B2 - 自動車のインストルメントパネル及びその製造方法 - Google Patents

自動車のインストルメントパネル及びその製造方法

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JP2995643B2
JP2995643B2 JP5199380A JP19938093A JP2995643B2 JP 2995643 B2 JP2995643 B2 JP 2995643B2 JP 5199380 A JP5199380 A JP 5199380A JP 19938093 A JP19938093 A JP 19938093A JP 2995643 B2 JP2995643 B2 JP 2995643B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、熱可塑性樹脂芯材の表
面に表皮材を貼合した自動車のインストルメントパネル
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、自動車のインストルメントパネル
としては、予め射出成形等で所定形状に成形された熱可
塑性樹脂芯材に表皮材を接着剤により貼合わせたものが
使用されている。
【0003】通常、このような自動車のインストルメン
トパネルは空調用あるいは窓ガラスの曇り防止のための
空気の吹き出し口などの開口部が必要とされ、従来この
ような開口部を有するインストルメントパネルとして
は、前記したような方法で得られる樹脂芯材表面の全面
に表皮材が貼合されたインストルメントパネルに、所望
の大きさの単一の開口からなる開口部を機械的手段によ
るくり抜き等により設けたり、複数の小孔からなる開口
部が要求される場合には、別途射出成形等で成形した2
以上の複数の小孔を有する開口部品をこの開口部に嵌
合、固着したものが知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来知
られているインストルメントパネルにおいては熱可塑性
樹脂芯材と表皮材との接着強度が不足したり、樹脂芯材
表面に表皮材が貼合されたパネルをそのまま機械的手段
等でくり抜いた開口部が設けられるため、開口部を囲む
パネルのくり抜き端面において、表皮材層の端面がパネ
ル表面に浮き上がって美観が著しく損なわれ、また、こ
の開口部分が複数の小孔からなる場合には、別途成形し
た開口部品を開口部に嵌合、固着するため、開口部への
開口部品の取付強度が不足し、走行中の振動等により開
口部品が開口部より浮き上がったり、はずれたりすると
いう問題があった。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らはこのような
従来の自動車のインストルメントパネルの持つ欠点を解
消し、樹脂芯材と表皮材とが強固に接合されているとと
もに、開口部の外観が美麗であり、しかも開口部分が複
数の場合でも開口部への開口部品の取付等の必要のない
自動車のインストルメントパネルを開発すべく鋭意検討
の結果、本発明に至った。
【0006】すなわち請求項1に記載の発明は、所望の
インストルメントパネル形状となるように設計された雌
雄一対の金型間に表皮材を供給し、次いで該表皮材と雄
型または雌型の間に溶融状熱可塑性樹脂を供給したの
ち、または供給しながらプレス成形して得られる熱可塑
性樹脂芯材の表面に表皮材を貼合した自動車のインスト
ルメントパネルにおいて、該インストルメントパネル表
面に1ケ所以上の熱可塑性樹脂芯材の露出部を有し、
該露出部を囲む該表皮材端部と熱可塑性樹脂芯材との境
界部には雌雄一対の該金型の開閉方向に窪む溝が形成さ
れ該表皮材端部が該溝内に位置して該熱可塑性樹脂芯材
に固着され、該露出部には該熱可塑性樹脂芯材を貫通す
る1個以上の貫通孔が形成されていることを特徴とする
自動車のインストルメントパネルを提供するものであ
る。また請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の自
動車のインストルメントパネルにおいて、前記熱可塑性
樹脂芯材の該溝の存在する部分の裏面側には該溝に沿っ
て延びる突条が形成されていることを特徴とするもので
ある。さらに請求項3に記載の自動車のインストルメン
トパネルの製造方法は、所望のインストルメントパネル
形状となるように設計された雌雄一対の金型間に表皮材
を供給し、次いで該表皮材と雄型または雌型の間に溶融
状熱可塑性樹脂を供給したのち、または供給しながらプ
レス成形することにより熱可塑性樹脂芯材の表面に表皮
材を貼合する自動車のインストルメントパネルの製造方
法において、該表皮材は1ケ所以上の開口部をもち、雌
雄一対の該金型の少なくとも一方の表面には該開口部の
周縁部に沿って延びる連続した突起を有し、該突起によ
り該表皮材端部と熱可塑性樹脂芯材との境界部で該熱可
塑性樹脂芯材に溝を形成するとともに、該表皮材の端部
を該溝内に押し込むことを特徴とするものである。そし
て請求項4に記載の発明は、所望のインストルメントパ
ネル形状となるように設計された雌雄一対の金型間に表
皮材を供給し、次いで該表皮材と雄型または雌型の間に
溶融状熱可塑性樹脂を供給したのち、または供給しなが
らプレス成形することにより熱可塑性樹脂芯材の表面に
表皮材を貼合する自動車のインストルメントパネルを製
造する方法において、 該表皮材は1ケ所以上の開口部を
もち、雌雄一対の一方の金型の該表皮材に接する型面に
は該開口部を貫通する突出部をもつとともに、雌雄一対
の他方の金型の該突出部に対向する型面には該突出部と
嵌合する穴をもち、溶融樹脂が該穴に入らないように型
締めを行うを特徴とするものである。
【0007】本発明において、自動車のインストルメン
トパネルにおける基材となる芯材に用いられる熱可塑性
樹脂は特に限定されず、例えば、ポリプロピレン、ポリ
エチレンなどのポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン、
アクリロニトリルースチレンーブタジエン共重合体、ア
クリロニトリルースチレン共重合体などのスチレン系樹
脂、ナイロンなどのポリアミド樹脂等を挙げることがで
きる。このような熱可塑性樹脂は単独で使用してもよい
し、2種以上の混合樹脂として使用してもよく、さらに
は必要に応じて無機質充填剤、ガラス繊維等の充填剤、
顔料、滑剤および帯電防止剤等の各種添加剤が配合され
ていてもよい。
【0008】表皮材としては、織布、編布、不織布など
や、熱可塑性樹脂もしくは熱可塑性エラストマーからな
るシートまたはフィルムがあげられ、これらにシボ等の
凹凸模様がついたものも使用できる。また、ポレオレフ
ィン系、ポリ塩化ビニル系、ポリスチレン系等の熱可塑
性樹脂製発泡体、ポリウレタン系等の熱硬化樹脂製発泡
体あるいはシス1、4ーポリブタジエン、エチレンープ
ロピレン共重合体等のゴム製発泡体を用いることもでき
る。これら表皮材は単独で使用してもよいし、2種以上
を接着剤あるいは熱融着により積層した積層体として使
用することもできる。これら表皮材の使用に当たって
は、部分的あるいは全面的にインストルメントパネル形
状に予備賦形を施しておくことが好ましい。
【0009】本発明の自動車のインストルメントパネル
は、その表面に1ケ所以上の熱可塑性樹脂芯材の露出部
を有し、露出部を囲む表皮材端部と熱可塑性樹脂芯材
の境界部には雌雄一対の金型の開閉方向に窪む溝が形成
され表皮材端部が溝内に位置して熱可塑性樹脂芯材に固
着され、露出部には熱可塑性樹脂芯材を貫通する1個以
上の貫通孔が形成されていることを特徴とするものであ
る。ここで熱可塑性樹脂芯材の露出部とは、表皮材貼合
のインストルメントパネルにおいて、該パネル裏面側よ
りパネル表面側への空気吹き出し口などの開口部に相当
する位置で、該開口部に相当する大きさの部分に表皮材
が存在せず、部分的に熱可塑性樹脂芯材が表面に露出し
ている部分である。この露出部は、一つに限られること
なく、インストルメントパネルにおいて必要とされる開
口部に相当する数だけ設けられ、露出部としての全体形
状もそれぞれの設計事項として円形、楕円形、四角形な
ど任意の形状が選ばれる。
【0010】また、該露出部に設けられる芯材層を貫通
する孔とは、インストルメントパネル裏面側に設けた空
調機器より送りだされる吹き出し空気などをインストル
メントパネル表面側より車内へ取り込むための貫通孔で
あり、該貫通孔は一つの露出部中に1個であってもよい
し、2個以上であってもよいが、多くの場合に小孔とし
て2個以上設けられる。この貫通孔の形状は、表面から
みた断面形状として円形、正方形、長方形などいかなる
ものであってもよく、何ら特定されないが、実用上、長
方形である場合が多い。
【0011】本発明の自動車のインストルメントパネル
において、露出部を囲む表皮材端部と熱可塑性樹脂芯材
との境界部には雌雄一対の金型の開閉方向に窪む溝が形
成され、表皮材端部が溝内に位置して熱可塑性樹脂芯材
固着されていることが非常に重要である。かかる表皮
材端部を熱可塑性樹脂芯材表面に固着するためには、た
とえば成形過程において露出部を囲む表皮材端面に熱可
塑性樹脂芯材が接触するように熱可塑性樹脂芯材を表皮
材側に立ち上げたり、表皮材端部を熱可塑性樹脂芯材
に押し込んだり、あるいはその両方を同時に行う方法が
挙げられ、そのためには、たとえば表皮材に接する側の
金型の表皮材端部に相当する位置に、表皮材端部を押し
込むための連続した突起を設けたり、熱可塑性樹脂芯材
の金型の表皮材端部に相当する位置に、表皮材端部
押し上げるための連続した突起を設けたり、あるいはそ
の両者を設けることができる。
【0012】本発明の自動車のインストルメントパネル
の全体形状の例を図1に示す。図1において、(4)は
自動車のインストルメントパネルを、(8)は熱可塑性
樹脂芯材の露出部を示す。この例では熱可塑性樹脂芯材
の露出部(8)がインストルメントパネルの左右両側に
各1個、合計2個設けられている。図2は、図1におけ
る露出部(8)を横切るA−A’の断面および露出部
(8)を有しないB−B’の断面をそれぞれ部分的に示
したものである。図2(A)は、熱可塑性樹脂芯材
(7)に表皮材(6)が貼合されたインストルメントパ
ネルにおいて、熱可塑性樹脂芯材(7)がその部分にお
いて表皮材(6)を有することなく露出し、且つ複数の
貫通孔(10)を有する露出部(8)の部分の断面を示
している。また同図では表皮材(6)の端部と露出して
いる熱可塑性樹脂芯材(7)との境界部に溝(9)が形
成され、表面上にでないように、表皮材(6)の端部が
溝(9)内に押し込められるとともに熱可塑性樹脂芯材
(7)が表皮材(6)の端面と接触するように立ち上げ
られ、表皮材(6)の端部は溝(9)内で熱可塑性樹脂
芯材(7)に固着されている。 また熱可塑性樹脂芯材
(7)の溝(9)をもつ表面と反対側の表面には、溝
(9)に相対する位置に溝(9)に沿って延びる突条が
形成され、溝(9)部分の熱可塑性樹脂芯材(7)の厚
さが確保されている。これにより露出部(8)の存在す
る部分の強度が確保されている。尚、このときの貫通孔
(10)の形状は、図2(A)では示していないが、図
3(A)〜(C)に示すように、表面からみた断面形状
として円形、正方形、長方形などいかなるものであって
もよく、何ら特定されないが、実用上、長方形である場
合が多い。図2(B)は露出部(8)を有しない部分で
の断面であり、表皮材(6)が熱可塑性樹脂芯材(7)
の表面全体にわたり貼合されている。
【0013】図4に、比較のために、従来より公知のイ
ンストルメントパネルにおける開口部分の断面図を示
す。同図に示されるように、従来品では熱可塑性樹脂芯
材(7)の表面の全面に表皮材(6)が接着層(11)
を介して貼合されたインストルメントパネルの開口部が
くり抜かれ、この開口部には射出成形などにより別途製
造された別部品である開口部品(12)が嵌合され、接
着等の手段により取り付けられている。
【0014】かかる本発明の自動車のインストルメント
パネルは、所望のインストルメントパネル形状となるよ
うに設計された雌雄一対の金型間に表皮材を供給し、次
いで該表皮材と雄型または雌型の間に溶融状熱可塑性樹
脂を供給したのち、または供給しながらプレス成形する
ことにより製造される。
【0015】以下、本発明の自動車のインストルメント
パネルを製造する具体的な方法を図5および図6に基づ
いて説明する。所望のインストルメントパネル形状とな
るように設計された雌雄一対の金型(1および2)が開
いた状態において、予め所望のインストルメントパネル
形状となるように、且つ芯材の露出部相当部分がカット
されているように予備賦形された表皮材(6)を雌金型
(1)の金型面に沿うように真空吸引路(17)からの
吸引などにより保持し〔図5(A)〕、雌金型(1)を
適切な位置まで降下させたのち、雄金型(2)に設けた
樹脂供給口(3)より溶融した熱可塑性樹脂(5)を表
皮材(6)と雄金型との間に供給する〔図5(B)〕。
所定量の樹脂が供給されたのちさらに雌金型(1)を降
下させて型締めを行うか、溶融樹脂の供給を行ないつつ
雌金型(1)を降下させて樹脂の供給と平行的に型締を
行ない、溶融熱可塑性樹脂(5)を金型内に押し広げて
賦形するとともに表皮材(6)を熱可塑性樹脂の表面に
貼合させる〔図5(C)〕。さらに冷却ののち金型を開
き、成形品を取り出す。
【0016】この際、インストルメントパネル表面に1
ケ所以上の熱可塑性樹脂芯材の露出部を有し、露出部
囲む表皮材端部と熱可塑性樹脂芯材との境界部に雌雄一
対の金型の開閉方向に窪む溝を形成し表皮材端部を溝内
に位置させて熱可塑性樹脂芯材に固着するとともに、露
出部に熱可塑性樹脂芯材を貫通する1個以上の貫通孔を
形成する方法について以下に述べる。
【0017】図6は、図5におけるZ部分の金型表面部
の拡大図であり、図6(A)〜(C)は図5(A)〜
(C)の各工程にそれぞれ対応する。図6(A)は、
可塑性樹脂芯材が露出する部分が予めカットされた開口
部をもつ表皮材(6)が雌金型(1)の金型面に沿うよ
うに真空吸引路(17)からの吸引などにより保持され
ている状態であり、雌金型(1)の表面には、熱可塑性
樹脂芯材(7)の露出部(8)と非露出部との境界部分
に沿って表皮材(6)端部を押し込むための連続した突
起(14)が形成され、更に、突起(14)に囲まれた
熱可塑性樹脂芯材の露出部分には貫通孔(10)を形成
するための貫通孔(10)の形状に相当する断面を有す
る突出部(15)が必要数(図では3個)形成されてお
り、これに相対する雄金型(2)の金型表面には、突起
(14)を受ける溝(13)および突出部(15)を
受け入れる穴(16)が設けられている。尚、この
(13)はあってもなくてもよいが、(13)を設
けない場合には突起(14)で表皮材(6)端部が押し
込められた分だけその部分において熱可塑性樹脂芯材
(7)の厚さが薄くなり、強度が低下するので、強度を
保持するためには凹溝(13)を設けて熱可塑性樹脂芯
材(7)の厚みを確保することが好ましい。突出部(1
5)と穴(16)の側壁は互いにシャー構造を形成して
いる。
【0018】供給された溶融樹脂が型締により押し広げ
られ、型内を流動移動する状態で、押し広げられた溶融
熱可塑性樹脂(5)が穴(16)に到達するまでに突出
部(15)と穴(16)が嵌合し、溶融樹脂が穴(1
6)内に入らないように型締が行われる〔図6
(B)〕。突出部(15)と穴(16)が嵌合したの
ち、所定の芯材厚みとなるまで型締を行なうと、芯材樹
脂の露出部に複数の貫通孔(10)を有するインストル
メントパネルが成形される〔図6(C)〕。型締完了
後、金型を冷却し、両金型を開いて製品が取り出され
る。
【0019】これにより、熱可塑性樹脂芯材(7)の表
面に表皮材(6)が強固に一体的に貼合されるととも
に、その表面に1ケ所以上の熱可塑性樹脂芯材(7)
露出部(8)を有し、かつ露出部(8)においては、
出部(8)を囲む表皮材(6)端部と、熱可塑性樹脂芯
材(7)との境界部に溝(9)が形成され、表皮材
(6)端部が溝(9)内に位置して熱可塑性樹脂芯材
(7)に固着されているため表皮材(6)の端部が表面
に表れず、しかも露出部(8)には熱可塑性樹脂芯材
(7)を貫通する貫通孔(10)が形成されている自動
車のインストルメントパネル(4)を得ることができ
る。尚、上記の装置およびこれを用いた製造法は一実施
態様であって、本発明のインストルメントパネルの製造
法がこれに限定されるものないことはいうまでもない。
【0020】
【発明の効果】請求項1に記載の自動車のインストルメ
ントパネルは、熱可塑性樹脂芯材の表面に表皮材が一体
的に強固に貼合され、かつインストルメントパネル表面
に1ケ所以上の熱可塑性樹脂芯材の露出部を有し、かつ
該露出部には熱可塑性樹脂芯材を貫通する1個以上の
通孔が形成されているため、従来のようにインストルメ
ントパネルに所望の大きさの単一の開口からなる開口部
をくり抜き等により設け、この開口部に別途射出成形等
で形成した複数の小孔を有する開口部品を嵌合、固着す
る必要もなく、自動車に組み付けられたのちの使用状態
においても表皮材の剥離あるいは開口部部品の脱落が無
く、かつ低コストであるという効果を奏する。また請求
項2に記載の発明によれば、熱可塑性樹脂芯材の溝の部
分の厚さを厚くすることができ、強度が向上する。さら
に請求項3に記載の発明によれば、請求項1に記載のイ
ンストルメントパネルを容易にかつ確実に製造すること
ができる。そして請求項4に記載の発明によれば、溶融
樹脂が穴に入るのが確実に防止できるとともに、熱可塑
性樹脂芯材の厚みの制御が容易となる。
【0021】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳細に説
明するが、本発明はこれによって限定されるものではな
い。
【0022】実施例1 図5および図6に示す方法に基づいて、全長1400m
mのインストルメントパネルを成形する金型を取付けて
成形を行った例を以下に説明する。表皮材として、シボ
加工した厚さ0.8mmのポリプロピレン系エラストマ
ーシートの裏面に厚さ3.0mm、発泡倍率15倍の発
泡ポリプロピレンシート(東レ株式会社製、PPSM1
5030)を熱融着によりラミネートしたものを用い
た。先ず予め表皮材を別工程により予備賦形後、熱可塑
性樹脂芯材の露出部に相当する部分を除去し、図5の雌
金型(1)に沿って保持した。この時、表皮材の保持は
雌型(1)内に設けた真空吸引により行った。また熱可
塑性樹脂としては、ポリプロピレン(住友化学工業株式
会社製、住友ノーブレンBP697K、メルトフローイ
ンデックス 30g/分)を用い、この樹脂を230℃
で溶融して雄金型(2)内に設けた溶融樹脂供給口
(3)より金型内に供給したのち、型締を行った。この
時、雌金型、雄金型の温度はそれぞれ30℃、40℃で
あった。なお、溶融樹脂の供給は、雌雄金型の型締め方
向のキャビティークリアランスが60mmの時に開始
し、30mmの時に完了した。溶融樹脂の供給完了後、
所定厚みになるまで型締した。雌金型の型締め速度は溶
融樹脂の供給開始から型締めが完了するまでのあいだ同
一速度の7mm/秒に設定した。また型締めに要した力
は180トンであった。型締め完了後35秒間加圧、冷
却を行い成形品を金型から取り出した。得られた厚さ5
mmのインストルメントパネル成形品は芯材樹脂の長方
形の露出部に細長い長方形の貫通孔を3個し、芯材樹脂
と表皮材は強固に貼合されていた。また露出部を囲む表
皮材端部と露出芯材部との境界部における表皮材端面は
露出芯材樹脂中に埋入され、外観の美麗なものであっ
た。
【0023】実施例2 表皮材としてシボ加工した厚さ0.8mmの塩ビシート
の裏面に、厚さ3.0mm、発泡倍率15倍の発泡ポリ
プロピレンシート(東レ株式会社製、PPSM1503
0)を接着剤によりラミネートしたものを用いたことは
以外実施例1と同一条件で成形を実施した。得られた厚
さ5mmのインストルメントパネル成形品は芯材樹脂の
長方形の露出部に細長い長方形の貫通孔を3個し、芯材
樹脂と表皮材は強固に貼合されていた。また露出部を囲
む表皮材端部と露出芯材部との境界部における表皮材端
面は露出芯材樹脂中に埋入され、外観の美麗なものであ
った。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例のインストルメントパネルの
斜視図である。
【図2】図1に示すインストルメントパネルの部分断面
図であり、(A)は図1におけるA−A’断面の熱可塑
性樹脂芯材の露出部を、(B)は図1におけるB−B’
断面の露出部を有しない部分の断面をそれぞれ示す。
【図3】本発明における露出部の形状及び貫通孔の形状
の例を示す。
【図4】従来のインストルメントパネルにおける開口部
を示す。
【図5】本発明のインストルメントパネルを製造する工
程の概略を示す。
【図6】図5に示す製造工程概略図のZ部分の部分拡大
図である。
【符号の説明】
1:雌金型 2:雄金型
3:溶融樹脂供給口 4;インストルメントパネル 5:溶融熱可塑性樹脂
6:表皮材 7:熱可塑性樹脂芯材 8:露出部
9:溝 10:貫通孔 11:接着層
12:開口部別部品 13:凹溝 14:突起
15:突出部 16: 17:真空吸引路

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所望のインストルメントパネル形状とな
    るように設計された雌雄一対の金型間に表皮材を供給
    し、次いで該表皮材と雄型または雌型の間に溶融状熱可
    塑性樹脂を供給したのち、または供給しながらプレス成
    形して得られる熱可塑性樹脂芯材の表面に表皮材を貼合
    した自動車のインストルメントパネルにおいて、 該インストルメントパネル表面に1ケ所以上の該熱可塑
    性樹脂芯材の露出部を有し、該露出部を囲む表皮材端
    部と熱可塑性樹脂芯材との境界部には雌雄一対の該金型
    の開閉方向に窪む溝が形成され該表皮材端部が該溝内に
    位置して該熱可塑性樹脂芯材に固着され、該露出部には
    該熱可塑性樹脂芯材を貫通する1個以上の貫通孔が形成
    されていることを特徴とする自動車のインストルメント
    パネル。
  2. 【請求項2】 前記熱可塑性樹脂芯材の前記溝の存在す
    る部分の裏面側には前記溝に沿って延びる突条が形成さ
    れていることを特徴とする請求項1に記載の自動車のイ
    ンストルメントパネル。
  3. 【請求項3】 所望のインストルメントパネル形状とな
    るように設計された雌雄一対の金型間に表皮材を供給
    し、次いで該表皮材と雄型または雌型の間に溶融状熱可
    塑性樹脂を供給したのち、または供給しながらプレス成
    形することにより熱可塑性樹脂芯材の表面に表皮材を貼
    合する自動車のインストルメントパネルの製造方法にお
    いて、 該表皮材は1ケ所以上の開口部をもち、雌雄一対の該金
    型の少なくとも一方の表面には該開口部の周縁部に沿っ
    て延びる連続した突起を有し、該突起により該表皮材端
    部と熱可塑性樹脂芯材との境界部で該熱可塑性樹脂芯材
    に溝を形成するとともに、該表皮材の端部を該溝内に押
    し込むことを特徴とする自動車のインストルメントパネ
    ルの製造方法。
  4. 【請求項4】 所望のインストルメントパネル形状とな
    るように設計された雌雄一対の金型間に表皮材を供給
    し、次いで該表皮材と雄型または雌型の間に溶融状熱可
    塑性樹脂を供給したのち、または供給しながらプレス成
    形することにより熱可塑性樹脂芯材の表面に表皮材を貼
    合する自動車のインストルメントパネルを製造する方法
    において、 該表皮材は1ケ所以上の開口部をもち、雌雄一対の一方
    の金型の該表皮材に接する型面には該開口部を貫通する
    突出部をもつとともに、雌雄一対の他方の金型の該突出
    部に対向する型面には該突出部と嵌合する穴をもち、溶
    融樹脂が該穴に入らないように型締めを行うことを特徴
    とする自動車のインストルメントパネルの製造方法。
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