JP2995642B2 - スイッチ用カバー - Google Patents

スイッチ用カバー

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JP2995642B2
JP2995642B2 JP5053913A JP5391393A JP2995642B2 JP 2995642 B2 JP2995642 B2 JP 2995642B2 JP 5053913 A JP5053913 A JP 5053913A JP 5391393 A JP5391393 A JP 5391393A JP 2995642 B2 JP2995642 B2 JP 2995642B2
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雅彦 安孫子
裕 萩原
基明 福
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Kawai Musical Instrument Manufacturing Co Ltd
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  • Coating Of Shaped Articles Made Of Macromolecular Substances (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Paints Or Removers (AREA)
  • Switch Cases, Indication, And Locking (AREA)
  • Push-Button Switches (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、スイッチ用カバーに関
する。
【0002】
【従来の技術】従来、電気電子製品、コンピュター等の
電気的部品或いはメカ部品を操作するために、これらの
部品を覆って指と接するタブレットスイッチのスイッチ
カバー、コンピュータ用キーボードのキー等のようなス
イッチ用カバーの材料としては、アクリロニトリル・ブ
タジエン・スチレン樹脂(ABS樹脂)、ポリスチレン
樹脂(PS樹脂)が用いられていた。
【0003】スイッチ用カバーに用いられていたアクリ
ロニトリル・ブタジエン・スチレン樹脂、ポリスチレン
樹脂は吸湿性が殆どないために、指への感触が悪く、ま
た汗により滑りやすいという問題があった。
【0004】そこで指と接触するスイッチ用カバーの表
面にシボ模様等の凹凸を形成して指への感触を和らげた
り、汗による滑りを防止するようにしていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、スイッ
チ用カバーの表面にシボ模様等の凹凸が形成されている
ために、スイッチ用カバー表面に手垢や埃が付着しやす
くなるという問題がある。
【0006】本発明はかかる問題点を解消したスイッチ
用カバーを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は前記目的を達
成すべく鋭意検討の結果、セルロース誘導体樹脂が吸湿
性に富み、強靭で成形加工性に優れ、他の熱可塑性樹脂
に比べて3000Hz以上の音を顕著に吸収する樹脂である
ことに着目し、このセルロース誘導体樹脂に無機充填剤
として特定のシリカを添加することにより表面硬度が改
善され、滑りにくく、指との感触に優れ、帯電性が少な
いということを知見した。
【0008】
【0009】本発明はかかる知見に基づいてなされたも
のであって、合成樹脂製のスイッチ用カバーにおいて、
該スイッチ用カバーは合成樹脂製の基体と、該基体の外
方を被覆する被覆体とからなり、被覆体がシラノール基
数が100平方オングストローム当たり3.0以下であ
り、BET比表面積が100〜210m2/gのシリカ
を含有するセルロース誘導体樹脂より成り、デュロメー
ター硬度で82以上の表面硬度を有する樹脂材であるこ
とを特徴とする。
【0010】本発明におけるスイッチ用カバーとは、タ
クトスイッチ、電源スイッチ等の電気的部品、或いはタ
イプライター、ディスケット取り出し機構等のメカ的部
品を操作する際、これら部品に直接指等が触れることに
よる感電等の危険から防護すると共に、操作を容易に行
わせるために該部品を覆って指先と接触する部品、例え
ばパネルスイッチ、タブレットスイッチ等のスイッチカ
バー、電話のボタン、コンピューター用キーボードのキ
ー、タイプライターのキー等である。
【0011】
【作用】今回、本発明者は、セルロース誘導体樹脂にシ
ラノール基数が100平方オングストローム当たり3.
0以下で、BET比表面積が100〜210m2/gの
シリカを含有させると、表面硬度が改善され、指との感
触に優れ、帯電性が少なく、3000Hz以上の音を顕著に
吸収することを見出だした。
【0012】
【実施例】本発明に用いるセルロース誘導体樹脂として
は、セルロースアセテート樹脂、セルロースアセテート
プロピオネート樹脂、セルロースアセテートブチレート
樹脂が挙げられ、コスト的な観点からセルロースアセテ
ート樹脂が好ましい。
【0013】また、前記セルロース誘導体樹脂に含有さ
せるシリカは、湿式法、乾式法のいずれの方法で作成さ
れたシリカを用いることが出来るが、シラノール基数が
100平方オングストローム当たり3.0以下であっ
て、BET比表面積が100〜210m2/gの条件を
満たすシリカであることが必要である。
【0014】また、シラノール基数は水蒸吸着による比
表面積より次式から算出することが出来る。
【0015】
【数1】
【0016】尚、シラノール基1個に水分子1個が吸着
するものとする。
【0017】シラノール基数が100平方オングストロ
ーム当たり3.0以下とした理由は、シラノール基数が
3.0を超えるとシリカ表面に吸着する水分が多くなる
ため、セルロース誘導体樹脂にシリカを配合した混合物
が加熱溶融、混練工程中に発泡したり、セルロース誘導
体樹脂の加水分解を促進させるからである。
【0018】また、BET比表面積はBET法による窒
素ガス吸着量から求めることが出来、その測定法はAS
TM−D−3037に規定されており、このBET比表
面積はシリカの基本粒子径の代用値として用いられる。
【0019】本発明において、BET比表面積を100
〜210m2/gとした理由は、BET比表面積が10
0m2/g未満の場合はシリカ粒径が荒くなり、これを
配合し、成形して得られた製品は平滑な表面、充分な硬
度が得られないからであり、また、BET比表面積が2
10m2/gを超えた場合はシリカ同志の凝集力が高く
なってセルロース誘導体樹脂へのシリカの分散が著しく
悪くなるからである。
【0020】本発明において、セルロース誘導体樹脂に
含有させる無機質充填剤として前記特定のシリカを選定
した理由は、他のシリカ、或いは炭酸カルシウム等の他
の無機質充填剤を用いるよりも少ない含有量で要求され
る表面硬度が得られると共に、流動性の低下が小さく、
それによって射出成形性が優れるからである。また、シ
リカ表面のシラノール基は吸湿性を有し、セルロース誘
導体樹脂に含有させても該シラノール基が残存している
ため、セルロース誘導体樹脂の有する吸湿性は損なわれ
ず、相乗効果を奏するからである。
【0021】本発明において、デュロメータ硬さとはA
STM D 676にその測定法が規定されているDタ
イプ(D型)である。そして、デュロメータ硬さで82
以上の表面硬度の製品を得るためには、セルロース誘導
体樹脂100重量部に前記シリカを15〜40重量部程
度含有する。含有量が15重量部未満の場合は得られた
製品の表面硬度が82以下となって爪等によって傷が付
きやすいからであり、また、含有量が40重量部を超え
た場合は成形性が劣ってくるからである。
【0022】また、セルロース誘導体樹脂にシリカを配
合し、これを射出成形する際、良好な射出成形性を得る
ために、ジメチルフタレート、ジエチルフタレート、ジ
ブチルフタレート等のようなフタル酸エステル系可塑剤
を添加してもよく、その添加量は例えばセルロースアセ
テート樹脂の場合であれば、該樹脂100重量部に対し
可塑剤20〜50重量部程度とすればよい。可塑剤の添
加量が20重量部未満では著しく流動性が低下して射出
成形が困難となりやすく、流動性を高めるために射出成
形温度を高めると得られた樹脂製品に劣化が生じたり、
変色したりする。また、可塑剤の添加量が50重量部を
超えると流動性は向上するが、得られた樹脂製品が柔軟
になり、硬度を高めるためにシリカの添加量を多くしな
ければならず、その結果、耐衝撃性強度が低下する。
【0023】また、セルロース誘導体樹脂にシリカを含
有させたものの熱劣化防止のために、例えば弱有機酸、
エポキシ化合物、ホスファイト、チオエーテルホスファ
イト、フェノール誘導体、チオホスファイト、イミダゾ
ール、アミン誘導体、金属石鹸等の熱安定剤を添加する
ようにしてもよく、その添加量としてはセルロース誘導
体樹脂および可塑剤の種類並びにその量に応じて適宜設
定すればよく、また、セルロース誘導体樹脂にシリカを
含有させたものへの着色のために、アントラキノン系、
酸化チタン等の染顔料を添加するようにしてもよく、そ
の添加量としては着色すべきスイッチ用カバー製品の種
類に応じて適宜設定すればよい。
【0024】次に本発明の具体的実施例を説明する。
【0025】実施例1 セルロースアセテート100重量部に、シラノール基数
が100平方オングストローム当たり2.1、BET比
表面積が136m2/gで平均粒径が0.9μmのシリ
カを30重量部、更に可塑剤としてフタル酸エステル系
可塑剤を27重量部と、熱安定剤としてエポキシ化合物
を0.2重量部およびアルキルホスファイトを0.3重
量部と、着色材として白色顔料を2.5重量部加え、こ
れを万能混合攪拌機で80℃で、4時間撹拌混合すると
同時に、混合物の含水量を0.2重量%以下となるよう
に乾燥した。乾燥された混合物を直径40mmの押出機
で220℃で溶融混練し、押し出してペレット化した。
【0026】このペレットを射出成形機で図1に示すタ
ブレットスイッチのスイッチ用カバー1を作成した。
【0027】作成されたスイッチ用カバー1の比重、吸
水率、表面硬度(D型)、吸音率を測定したところ、比
重は1.41、吸水率は3.4%、表面硬度は86、吸
音率(tanδ)は0.045であった。
【0028】尚、測定方法は次の通りである。 (1) 比重はASTM D 792に基づく。 (2) 吸水率はASTM D 570に基づく。 (3) 表面硬度(デュロメータ)はASTM D 676
に基づく。 (4) 吸音率は撓み振動法に基づく。
【0029】本発明の実施例1は吸水率が多く、表面硬
度が従来のアクリロニトリル・ブタジェン・スチレン樹
脂製のものと同等であり、また、3000Hz以上の音の吸
音率が高いことが分かった。
【0030】尚、従来のアクリルニトリル・ブタジエン
・スチレン樹脂製のものの比重は1.05、吸水率は
0.3%、表面硬度は80〜85、吸音率(tanδ)
は0.014であった。
【0031】実施例2 射出成形機で図2(B)に示す基体2をアクリロニトリ
ル・ブタジエン・スチレン樹脂で作成し、続いて、該基
体2の外側に、射出成形機で前記実施例1の本発明樹脂
材で被覆体3を射出成形して、図2(A)に示すコンピ
ュータ用キーボートのキー4を作成した。
【0032】作成したキー4をコンピュータ用のキーボ
ートの所定位置に配置し、オペレーターにキー操作させ
たところ、従来のアクリロニトリル・ブタジェン・スチ
レン樹脂製キー、ポリスチレン樹脂製キーに比べて、キ
ーへの指先の感触もよく、キー表面に塵埃が付着するこ
となく、しかも指先との接触音が少なかった。
【0033】
【発明の効果】本発明によるときは、従来のアクリロニ
トリル・ブタジェン・スチレン樹脂製と同等の表面硬度
を有し、吸湿性を有するので、帯電性が少ないから、塵
埃が表面に付着しにくく、指への感触に優れ、また、30
00Hz以上の音に対して従来の合成樹脂製のスイッチ用
カバーよりも大きな吸音性を有するからスイッチ用カバ
ーと指との接触音を吸収して雑音の発生を防止出来る等
の効果がある。
【0034】また、スイッチ用カバーを合成樹脂製の基
体と、該基体の外側を被覆する被覆体とで構成し、該被
覆体をシラノール基数が100平方オングストローム
たり3.0以下であり、BET比表面積が100〜21
0m2/gのシリカを含有するセルロース誘導体樹脂よ
り成り、デュロメーター硬度で82以上の表面硬度を有
する樹脂材とすれば、帯電性が少なく、優れた感触性
と、吸音性を有し、かつ安価なキーボード等のスイッチ
用カバーを提供出来る効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の1実施例の斜視図、
【図2】 本発明の他の実施例、(A)はその斜視図、
(B)は(A)のB−B線截断面図。
【符号の説明】
1 スイッチ用カバー、 2 基体、 3
被覆体、4 キー(スイッチ用カバー)。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI H01H 13/14 H01H 13/14 (56)参考文献 特開 昭63−213892(JP,A) 特開 昭63−279531(JP,A) 特開 昭63−155517(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C08L 1/08 - 1/32 C09D 101/08 - 101/32 C08K 3/36 G10C 3/12 C08J 7/04

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 合成樹脂製のスイッチ用カバーにおい
    て、該スイッチ用カバーは合成樹脂製の基体と、該基体
    の外方を被覆する被覆体とからなり、被覆体がシラノー
    ル基数が100平方オングストローム当たり3.0以下
    であり、BET比表面積が100〜210m2/gのシ
    リカを含有するセルロース誘導体樹脂より成り、デュロ
    メーター硬度で82以上の表面硬度を有する樹脂材であ
    ることを特徴とするスイッチ用カバー。
JP5053913A 1993-03-15 1993-03-15 スイッチ用カバー Expired - Fee Related JP2995642B2 (ja)

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