JPH08179756A - 鍵盤楽器の白鍵 - Google Patents

鍵盤楽器の白鍵

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JPH08179756A
JPH08179756A JP6322869A JP32286994A JPH08179756A JP H08179756 A JPH08179756 A JP H08179756A JP 6322869 A JP6322869 A JP 6322869A JP 32286994 A JP32286994 A JP 32286994A JP H08179756 A JPH08179756 A JP H08179756A
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JP
Japan
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white key
ivory
keyboard
musical instrument
feel
Prior art date
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Pending
Application number
JP6322869A
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English (en)
Inventor
Muneo Ishida
宗雄 石田
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Kawai Musical Instrument Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
Kawai Musical Instrument Manufacturing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 演奏時における指の感触が象牙の場合と近似
し、外観に高級感を呈する鍵盤楽器の白鍵を提供するこ
と。 【構成】 射出成形機の金型には、白鍵カバー11の表
面に相当する部分に象牙の板目模様となるように凸条が
形成され、この凸条の高さ及び幅は0.1〜0.2mm
の範囲に設定されている。かかる金型を備えた射出成形
機により成形した白鍵カバー11には、上記凸条に対応
する位置に凹溝13が形成される。即ち、凹溝13は、
深さD及び幅Wが0.1〜0.2mmの範囲にあり、象
牙の板目模様となるように形成されている。かかる白鍵
カバー11を鍵盤基板15の前部に接着し、白鍵とし
た。この白鍵を使用したピアノによれば、演奏時におけ
る指の感触が象牙の場合と近似している。また、外観も
象牙に近付くため、高級感を呈している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、樹脂製の鍵盤材を用い
てなる鍵盤楽器の白鍵に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般にピアノ、アコーディオン、オルガ
ン、電子楽器、キーボード等の鍵盤楽器の鍵盤材として
は、従来、象牙を用いることがあった。象牙は、適度な
吸湿性及び表面硬度を有し、演奏時における指の感触が
非常によいため、理想的な鍵盤材とされていたものの、
近年、資源の枯渇や資源の保護の面から入手が困難とな
ったため、かかる象牙の代替品として、樹脂製の鍵盤材
が開発されている。
【0003】このような樹脂製の鍵盤材として、射出成
形により効率的に得ることのできるアクリル樹脂成形品
が知られているが、アクリル樹脂は吸湿性がほとんどな
く、しかも表面がツルツルしているため、演奏時におけ
る指の感触が象牙と異なりよくなく、また外観に高級感
が感じられないという問題があった。
【0004】一方、特公平6−31938号公報には、
特定のシリカを含有するセルロース誘導体樹脂よりな
り、所定の硬度を有する鍵盤材を用いてなる鍵盤が開示
されている。これによれば、上述のアクリル樹脂成形品
と同様に、射出成形により効率的に良く得ることがで
き、しかも、吸湿性はアクリル樹脂よりも格段に高く象
牙の吸湿性に近付き、表面硬度も象牙と略同等であるた
め、演奏時における指の感触に優れているという特徴を
有していた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特公平
6−31938号公報に記載された鍵盤は、象牙と比較
して、表面が滑らかに仕上がりツルツルしているため、
上述のアクリル樹脂と同様、演奏時における指の感触が
象牙と異なり、また、外観に高級感が感じられないとい
う問題があった。
【0006】本発明は、上記課題に鑑みなされたもので
あり、演奏時における指の感触が象牙の場合と近似し、
外観に高級感を呈する鍵盤楽器の白鍵を提供することを
目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、請求項1記載の発明は、樹脂製の鍵盤材を用いてな
る鍵盤楽器の白鍵において、象牙の板目模様を形成する
凹溝を表面に形成したことを特徴とする。
【0008】また、請求項2記載の発明は、請求項1記
載の鍵盤楽器の白鍵であって、前記凹溝は、深さ及び幅
が0.05〜0.3mmであることを特徴とする。更
に、請求項3記載の発明は、請求項1又は請求項2記載
の鍵盤楽器の白鍵であって、前記鍵盤材は、シリカを含
有するセルロース誘導体樹脂製の鍵盤材であることを特
徴とする。
【0009】
【作用及び発明の効果】上記構成を備えた請求項1記載
の鍵盤楽器の白鍵は、象牙の板目模様を形成する凹溝を
表面に形成したため、従来の樹脂製の鍵盤のように表面
が滑らかすぎツルツルするようなことはなく、演奏時に
おける指の感触が象牙に近付く。また、外観に象牙の板
目模様が表れるため、従来のアクリル樹脂製の鍵盤に比
べて、象牙の有する高級感を呈する。
【0010】また、請求項2記載の鍵盤楽器の白鍵は、
請求項1記載の鍵盤楽器の白鍵の作用効果に加えて、凹
溝の深さ及び幅を0.05〜0.3mmの範囲に設定し
たが、これは、凹溝の深さ及び幅が0.05mm未満の
場合には、演奏時における指の感触がツルツルした感じ
に近付き、象牙の感触から離れるため、好ましくなく、
一方、凹溝の深さ及び幅が0.3mmを超える場合に
は、演奏時における指の感触がゴツゴツした感じとな
り、象牙の感触から離れるため、好ましくないからであ
る。
【0011】更に、請求項3記載の鍵盤楽器の白鍵は、
請求項1又は請求項2記載の鍵盤楽器の白鍵の作用効果
に加えて、前記鍵盤材は、シリカを含有するセルロース
誘導体樹脂製の鍵盤材を用いている。かかる鍵盤材を用
いた白鍵は、従来のアクリル樹脂製の白鍵と比べて、吸
湿性が大きいため、演奏時に汗ばんだとしても滑りにく
く演奏時における指の感触が比較的象牙に近いという効
果を有していたが、更に、象牙の板目模様を形成する凹
溝を表面に設けたことにより、演奏時における指の感触
が象牙に一層近付くという効果が得られる。また、外観
上も象牙に一層近付くため、高級感が増す。
【0012】ここで、シリカを含有するセルロース誘導
体樹脂製の鍵盤材について、詳説する。シリカは、成形
の際の利便性等を考慮すれば、シラノール基数が100
平方オングストローム当たり3.0以下であり、BET
比表面積が100〜210m2 /gであることが好まし
い。セルロース誘導体樹脂としては、セルロースアセテ
ート樹脂、セルロースアセテートプロピオネート樹脂、
セルロースアセテートブチレート樹脂が挙げられるが、
セルロースアセテート樹脂が好ましく、特に可塑剤(フ
タル酸エステル類など)を添加したセルロースアセテー
ト樹脂が好ましい。鍵盤剤の表面硬度は、爪などにより
傷つけられるのを防止する観点から、デュロメータ硬さ
で82以上であることが好ましい。
【0013】
【実施例】以下に、本発明の好適な実施例について説明
する。図1はピアノの白鍵カバーの説明図であり、
(a)は斜視図、(b)はA−A断面図である。図2は
ピアノの白鍵の斜視図である。 [実施例1]アクリル樹脂としてメチルメタクリレート
樹脂を用い、射出成形機により図1(a)に示すピアノ
の白鍵カバー11を成形した。図示しない射出成形機の
金型には、白鍵カバー11の表面に相当する部分に象牙
の板目模様となるように凸条が形成され、この凸条の高
さ及び幅は0.1〜0.2mmの範囲に設定されてい
る。かかる金型を備えた射出成形機により成形した白鍵
カバー11には、上記凸条に対応する位置に凹溝13が
形成されている。即ち、凹溝13は、図1(b)に示す
ように、深さD及び幅Wが0.1〜0.2mmの範囲に
あり、象牙の板目模様となるように形成されている。か
かる白鍵カバー11を鍵盤基板15の前部に接着し、図
2に示す白鍵10とした。
【0014】実施例1の白鍵10を使用したピアノによ
れば、演奏時における指の感触が象牙の場合と近似して
いる。これは、白鍵カバー11の表面に設けた凹溝13
が象牙と同様の板目模様を形成しているため、演奏時に
おける指の感触がツルツルした感じではなく、象牙に近
付くからである。また、外観も象牙に近付くため、高級
感を呈している。 [実施例2]セルロースアセテートフレークス100重
量部に対し、フタル酸エステル系可塑剤27重量部、熱
安定剤としてエポキシ化合物0.2重量部及びアルキル
ホスファイト0.3重量部、シリカとしてシラノール基
数が100平方オングストローム当たり2.1、BET
比表面積が136m2 /gで、平均粒径が0.9μmの
ものを30重量部、更に白色顔料を2.5重量部加えて
万能混合攪拌機を用い、80℃で4時間攪拌混合すると
同時に含水量を0.2重量%以下に乾燥した。この混合
物を直径40mmの押出機を用い、220℃で溶融混
練、押出しを行い、ペレット化した。
【0015】このペレットを用い、実施例1と同様の射
出成形機により成形し、図1に示すように、象牙の板目
模様を形成する深さD及び幅Wが0.1〜0.2mmの
凹溝23を表面に有するピアノの白鍵カバー21を得
た。この白鍵カバー21は、吸湿率は約3〜4重量%で
あり、アクリル樹脂(吸湿率0.5%未満)に比べて吸
湿性が高く、象牙(吸湿率約10〜15重量%)に近付
く。また、表面硬度はデュロメータ硬さで86であっ
た。かかる白鍵カバー21を鍵盤基板25の前部に接着
し、図3に示す白鍵20とした。
【0016】実施例2の白鍵20を使用したピアノによ
れば、演奏時における指の感触が象牙の場合と近似して
いるという効果が得られる。実施例2の白鍵20の感触
は、実施例1の白鍵10よりも更に象牙の場合に近いも
のとなっている。これは、白鍵カバー21の表面に設け
た凹溝23が象牙と同様の板目模様を形成していること
に加えて、白鍵カバー21の吸湿性が高いことが理由と
して挙げられる。尚、吸湿性が高いため、演奏時に汗を
かいても指がすべりにくいという効果も得られる。
【0017】また、実施例2の白鍵20は象牙と同様の
板目模様を有しているため、象牙の有する高級感を呈す
るという効果が得られる。尚、本発明は上記実施例に何
ら限定されることなく、本発明の技術的範囲を逸脱しな
い限り、種々の態様で実施できることはいうまでもな
い。
【0018】例えば、上記実施例では、ピアノの白鍵に
ついて説明したが、ピアノ以外に、アコーディオン、オ
ルガン、電子楽器、キーボード等の鍵盤楽器の白鍵であ
ってもよい。図3にオルガンの白鍵30の斜視図を示
す。このオルガンの白鍵30も表面に凹溝33を備え、
この凹溝33が象牙の板目模様を形成している。
【図面の簡単な説明】
【図1】 ピアノの白鍵カバーの説明図であり、(a)
は斜視図、(b)はA−A断面図である。
【図2】 ピアノの白鍵の斜視図である。
【図3】 オルガンの白鍵の斜視図である。
【符号の説明】
10,20,30・・・白鍵、 11,21・・・白鍵カバー、 13,23,33・・・凹溝、 15,25・・・鍵盤基板、

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 樹脂製の鍵盤材を用いてなる鍵盤楽器の
    白鍵において、 象牙の板目模様を形成する凹溝を表面に形成したことを
    特徴とする鍵盤楽器の白鍵。
  2. 【請求項2】 前記凹溝は、深さ及び幅が0.05〜
    0.3mmであることを特徴とする請求項1記載の鍵盤
    楽器の白鍵。
  3. 【請求項3】 前記鍵盤材は、シリカを含有するセルロ
    ース誘導体樹脂製の鍵盤材であることを特徴とする請求
    項1又は請求項2記載の鍵盤楽器の白鍵。
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