JP2994685B2 - 希土類永久磁石用原料の製造方法 - Google Patents

希土類永久磁石用原料の製造方法

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JP2994685B2 JP2089701A JP8970190A JP2994685B2 JP 2994685 B2 JP2994685 B2 JP 2994685B2 JP 2089701 A JP2089701 A JP 2089701A JP 8970190 A JP8970190 A JP 8970190A JP 2994685 B2 JP2994685 B2 JP 2994685B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は磁気特性に優れた希土類永久磁石の製造が可
能であると共に、製造コストが安価である、例えば希土
類元素としてDyを含有する希土類永久磁石用原料の製造
方法に関するものである。
〔従来の技術〕
希土類永久磁石はSm−Co系のものが開発されて以来、
物性的研究の進展と相俟って磁気的特性が逐次向上し、
近年におけるNd−Fe−B系のものも含めてこれらが適用
される機器、装置の小型軽量化、高性能化に大きく貢献
すると共に、更に新分野の開拓にも寄与している。上記
希土類永久磁石を製造する場合には、粉末冶金手段によ
るものが通常であり、まず原料粉を製造する必要があ
る。最も一般的なSmCo5型の希土類コバルト永久磁石の
場合に例をとると、まずSm38重量%、Co62重量%からな
る合金をAr雰囲気中において高周波溶解し、鋳造手段を
経て得たインゴットを粗粉砕した後、ボールミル等によ
って微粉砕して平均粒径5μm程度の原料粉を作製す
る。上記のようにして得た原料粉に適量の焼結助剤を添
加し、磁場中に配設した成形型によって圧縮成形し、こ
の成形体を1100℃以上で焼結する。焼結体に900℃で約
1時間以内の熱処理を施すことにより、高エネルギー積
を有する希土類永久磁石を得ることができる。
一方上記原料粉の別な製造方法として還元拡散法若し
くはR/D法と称される方法がある。この方法においては
例えばSm2O3,Co,Fe,Cu,Zrおよび金属Caを粉体状態で混
合した後、950〜1100℃で数時間加熱してSm2O3を還元拡
散するものである。すなわち2−17系の希土類磁石の場
合に例をとると、 Sm2O3+Co+Fe+Cu+Zr+Ca =Sm(Co,Fe,Cu,Zr)+CaO の反応によりSm(Co,Fe,Cu,Zr)を得るのである。
また、希土類永久磁石用原料粉を安価に製造する方法
として、希土類金属酸化物と、金属Mと、金属Caとを混
合した後、加熱還元してRM5合金を製造し、この合金を
溶融状態の金属M中に添加した後粉化することを内容と
する上記の還元拡散法と溶解法とを併用したような提案
が開示されている(特開昭60−238403号公報参照)。上
記合金の添加手段としては例えばSmCo5ペレットをFe−C
u−Zr系合金溶湯中に添加する旨の記載がある。
〔発明が解決しようとする課題〕
上記のような希土類永久磁石用の原料粉を溶解および
鋳造手段によって製造する場合には、出発原料として金
属希土類元素を使用する必要があるが、この金属希土類
元素は極めて高価であるため、原料粉もまた高価になら
ざるを得ないという問題点がある。上記R/D法による原
料粉を使用して製造した場合には、高価な金属希土類元
素に代えて比較的安価な希土類元素の酸化物、弗化物、
塩化物等を使用できるため、原料粉の製造コストを低減
できるという利点がある。
しかし一方、永久磁石の磁気特性が低下するという問
題点がある。すなわち、まず還元拡散反応が完全に進行
せずに、組成が不均一になるという欠点がある。また還
元剤として添加した非磁性のCaが合金中に不純物として
混入する。更にこのCaが例えば2−17系希土類磁石では
合金組成となるべきCuと反応してCa−Cu合金を生成し、
組成変動を惹起する場合があると共に、Caの挙動を完全
に制御できないという欠点がある。また更に合金組成中
にO2が混入する。上記のような諸要因の存在により、永
久磁石として要求される磁気特性を低下させるという問
題点がある。
また、還元拡散法と溶解法を併用した前記の提案では
SmCo5を粉体状態から単に成形したペレットとして添加
した場合には、このペレットが多孔質体であることおよ
びO2を内封しているため、高温溶湯により容易に酸化さ
れるのみならず、O2が混入する原因ともなる。従って溶
解歩留が大幅に低下すると共に、磁気特性を低下させる
懸念もあり、磁気特性を保持しつつ原料粉の製造コスト
を低減させるという要求を満足することが困難であると
いう問題点がある。
本発明は上記従来技術に存在する問題点を解決し、希
土類永久磁石としての本来固有の磁気特性を充分に保持
すると共に、製造コストの大幅な低減が可能である希土
類永久磁石用原料の製造方法を提供することを目的とす
る。
〔課題を解決するための手段〕
上記目的を達成するために、本発明者は希土類元素R
とその酸化物もしくは希土類元素Rの酸化物(RはLa、
Ce、Pr、Nd、Sm、Gd、Td、Dy、Ho、Erのうちの1種また
は2種以上でかつNd、Dy、Smのうちの少なくとも一種を
含む)と、元素Mとその酸化物もしくは元素Mの酸化物
(MはCo、Fe、Ni、Mo、Cu、Zr、Hf、Nb、Ta、Ti、Al、
Ga、B、Si、Cのうちの1種または2種以上)からなる
材料に金属Ca、CaH2、金属Mg等の還元剤を添加混合した
後加熱還元してRM系合金を生成し、このRM系合金を水洗
して反応副生成物であるCaO、MgO等を除去した後粉砕
し、これを成形して成形体とし、成形体を不活性ガス雰
囲気、還元性ガス雰囲気あるいは実質的な真空中にて焼
結して焼結体とし、この焼結体をこの焼結体中のR、M
を含めて所定成分のRM系合金となるように配合したRお
よび/またはMからなる溶湯中に添加して溶解しRM系合
金を製造するという技術手段を採用した。特にR元素の
酸化物としてNd2O3を用いることが有用である。これ
は、例えば還元拡散処理によって得られたDy−Fe系合金
をそのまま用いて溶解した場合はRM系合金の溶解歩留ま
りが著しく低下し、原料の製造コストを増大させる不都
合を生じるからである。上記の本発明においては、希土
類元素の酸化物とM元素の酸化物を含有する材料に金属
Ca,CaH2,金属Mg等の還元剤を添加混合し、これを加熱還
元してRM系合金を生成する。この際これらの還元剤によ
る希土類元素の酸化物とM元素の酸化物の還元反応は発
熱を伴うため、還元反応後の元素の拡散によるRM系合金
の形成が促進されるという利点がある。
次にこのRM系合金を水洗するのであるが、この過程で
材料が含有していたO2のほとんどがCaO又はMgOの形で除
去される。還元剤の添加量は材料が含有するO2を還元す
るに足る添加量(化学量論的な等量)で充分であるが、
還元を完璧に行なうために通常は還元に必要な化学量論
的な必要量よりも過多に具体的には化学量論的な必要量
の1.1〜2.5重量倍を添加する。2.5重量倍より多い添加
では還元剤のコストが多大になるとともに水洗後のRM系
合金中の還元剤の残存量が多くなるために好ましくな
い。加熱還元処理はアルゴンガス等の不活性ガス雰囲
気、水素ガス等の還元性ガス雰囲気あるいは実質的な真
空中でおこなわれる。加熱温度は材料の組成によって若
干異なるが通常900〜1200℃の範囲の温度が選ばれる。
本発明においては次に得られたRM系合金を粉砕し、こ
れを成形した後焼結し、焼結体を溶湯に添加して所定の
RM合金とする。成形体の焼結はアルゴンガス等の不活性
ガス雰囲気、水素ガス等の還元性ガス雰囲気あるいは実
質的な真空中でおこなわれる。焼結温度は成形体の組成
によって異なるが950〜1250℃の範囲の温度が選ばれ
る。溶解は例えば真空誘導溶解炉内に所定量の材料を装
入し、次いで溶解炉を密封して炉内を真空状態に保持し
て通電し、材料を溶解して溶湯を形成した後この溶湯に
あらかじめ溶解炉内に用意された上記RM系合金焼結体の
所定量を添加することによっておこなわれる。溶湯に焼
結体が溶解した後、溶湯は金型に鋳造される。
こうして得られた所定の組成を有するRM系合金のイン
ゴットは、例えばこれを粉砕して焼結永久磁石用の原料
としたり、また例えばこれを再溶解後溶湯状態で急冷凝
固させ同じく永久磁石用の原料とするなど用途に応じて
使用が可能である。
〔作 用〕
上記の構成により、まず材料に含有されているO2が還
元剤によって還元され、水洗時にその大部分がCaOある
いはMgOの形で除去される。次に得られたRM系合金は粉
砕、成形、焼結の工程を経て焼結体としてRおよび/ま
たはMからなる溶湯に添加されて溶解し、所定のRM系合
金溶湯が得られる。この場合不純物として含まれる残存
CaO,MgO等はスラグとなって浮上し、RM系合金溶湯中にC
a,Mg,O2が侵入することがない。また焼結体の外殻に存
在する表面酸化層もまた殻状を呈してスラグと共に浮上
して除去される。同時に加熱還元したRM系合金の焼結体
を用いているために、従来のO2を内封する多孔質体のペ
レットを用いた場合に比べて、溶解工程におけおる滅失
が少なく、溶解歩留を大幅に向上させ得るため、原料の
製造コストの大幅な低減が可能である。
(実施例)−1 Nd2O3 3500g,Dy2O3 575g,Fe粉5650g,Fe2O3粉500g,フ
エロボロン粉(B=20%)500g,金属Ca 2357gを混合し
アルゴンガス雰囲気中で1100℃×2時間の加熱還元処理
をおこなった。次に得られた反応生成物を水洗し反応副
生成物であるCaOを除去してNd−Dy−Fe−B系合金を得
た。得られたNd−Dy−Fe−B系合金の組成を分析したと
ころ重量%でNd30.0%,Dy5.0%,B 1.0%,Ca0.12%,含
有酸素量0.2%,残部Feであった。この合金をジェット
ミルで平均粒径10μmの粉末とし、この粉末を1.5ton/c
m2の成形圧で成形して成形体とした。さらに成形体をア
ルゴンガス雰囲気中で1120℃×3時間の条件で焼結して
焼結体とした。
一方真空誘導溶解炉内に原材料としてNdメタル1960g,
Fe 3786 g,フエロボロン(B=20%)360g,フエロニオ
ブ(Nb=80%)94gを装入し、これらを溶解して溶湯を
形成し、これに前記の焼結体を合計で3800gで順次添加
して溶解し、金型に鋳造してインゴットを得た。得られ
たインゴットの組成を分析したところ重量%でNd31.0
%,Dy1.9%,B1.1%,Nd0.75%,Ca<0.01%,含有酸素量
<0.01%,残部Feであった。
この合金を粗粉砕、微粉砕、成形、焼結、熱処理して
永久磁石を形成した。磁気特性を測定した結果を表に示
す。なお比較例として従来のR/D法によって作製した原
料によるものと併記した。
表から明らかなように、比較例においては、Br,BHC
値が低く、(BH)maxの値が低下している。これに対し
て実施例においてはBr,BHCの値が大であると共に、(B
H)maxの値が大であり、これらの値はNdメタル,Dyメタ
ルを溶解して作製した原料によるものと略同一である。
(実施例)−2 Dy2O3 6200g,Fe粉4000g,Fe2O3粉858g,金属Ca 3570 g
を混合しアルゴンガス雰囲気中で1050℃×3時間の加熱
還元処理をおこなった。次に得られた反応生成物を水洗
し反応副生成物であるCaOを除去してDy−Fe合金を得
た。得られたDy−Fe系合金の組成を分析したところ重量
%でDy54.0%,Ca0.09%,含有酸素量0.13%,残部Feで
あった。
この合金をジェットミルで平均粒径20μmの粉末と
し、この粉末を3.0ton/cm2の成形圧で成形して成形体と
した。さらに成形体を実質的な真空中で1080℃×1時間
の条件で焼結して焼結体とした。
一方真空誘導炉内に原材料としてNdメタル3010g,フエ
ロボロン(B=20%)600g,Fe5742gを装入し、これらを
溶解して溶湯を形成し、これに前記の焼結体を合計で64
8g順次添加して溶解し、金型に鋳造してインゴットを得
た。得られたインゴットの組成を分析したところ重量%
でNd30.1%,Dy3.5%,B1.2%,Ca<0.01%,含有酸素量<
0.01%,残部Feであった。
この合金を粗粉砕、微粉砕、成形、焼結、熱処理して
永久磁石を形成した。磁気特性を測定した結果を表に示
す。なお比較例として従来R/D法によって作製した原料
によるものを併記した。
表から明らかなように、比較例においては、Br,BHC
値が低く、(BH)maxの値が低下している。これに対し
て実施例においてはBr,BHCの値が大であると共に、(B
H)maxの値が大であり、これらの値はNdメタル,Dyメタ
ルを溶解して作製した原料によるものと略同一である。
(実施例)−3 Dy2O3 5798g,Co粉4700 g,Co2O3粉211g,Fe2O3粉143g,
金属Ca 2663 gを混合しアルゴンガス雰囲気中で1100℃
×5時間の加熱還元処理をおこなった。次に得られた反
応生成物を水洗し反応副生成物であるCaOを除去してDy
−Co−Fe系合金を得た。得られたDy−Co−Fe合金の組成
を分析したところ重量%でDy50.5%,Fe1.0%,Ca 0.1
%,含有酸素量0.12%,残部Coであった。
この合金をジェットミルで平均粒径5μmの粉末と
し、この粉末を1.0ton/cm2の成形圧で成形して成形体と
した。さらに成形体をアルゴンガス雰囲気中で1100℃×
2時間の条件で焼結して焼結体とした。
一方真空誘導炉内に原材料としてNdメタル2980g,Coメ
タル2g,フエロボロン(B=20%)650g,Fe 5774gを装入
し、これらを溶解して溶湯を形成し、これに前記の焼結
体を合計で594g順次添加して溶解し、金型に鋳造してイ
ンゴットを得た。得られたインゴットの組成を分析した
ところ重量%でNd29.8%,Dy3.0%,Co2.9%,B1.3%,Ca<
0.01%,含有酸素量<0.01%,残部Feであった。
この合金を粗粉砕、微粉砕、成形、焼結、熱処理して
永久磁石を形成した。磁気特性を測定した結果を表に示
す。なお比較例として従来のR/D法によって作製した原
料によるものを併記した。
表から明らかなように、比較例においては、Br,BHC
値が低く、(BH)Maxの値が低下している。これに対し
て実施例においてはBr,BHCの値が大であると共に、(B
H)Maxの値が大であり、これらの値はNdメタル,Dyメタ
ルを溶解して作製した原料によるものと略同一である。
(実施例)−4 Sm2O3 5220g,Co粉4554 g、Co2O3粉600g,Fe粉450g,Fe2
O3 100 g,金属Ca 2884gを混合しアルゴンガス雰囲気中
で1150℃×4時間の加熱還元処理をおこなった。次に得
られた反応生成物を水洗して反応副生成物であるCaOを
除去してSm−Co−Fe合金を得た。得られたSm−Co−Fe合
金の組成を分析したところ重量%でSm45.0%,Fe5.2%,C
a0.1%,含有酸素量0.08%,残部Coであった。
この合金をジェットミルで平均粒径4μmの粉末と
し、この粉末を2.0ton/cm2の成形圧で成形して成形体と
した。さらに成形体を水素ガス雰囲気中で1140℃×3時
間の条件で焼結して焼結体とした。
一方真空誘導炉内に原材料としてSmメタル2520g,Coメ
タル7671g,Fe 2809g,Cu 470g,Zr 230gを装入し、これら
を溶解して溶湯を形成し、これに前記の焼結体を合計で
5600g順次添加して溶解し、金型に鋳造してインゴット
を得た。得られたインゴットの組成を分析したところ重
量%でSm25.2%,Fe15.5%,Cu4.7%,Zr2.3%,Ca<0.01
%,含有酸素量<0.01%,残部Coであった。
この合金を粗粉砕、微粉砕、成形、焼結、熱処理して
永久磁石を形成した。磁気特性を測定した結果を表に示
す。なお比較例として従来のR/D法によって作製した原
料によるものを併記した。
表から明らかなように、比較例においては、Br,BHC
値が低く、(BH)maxの値が低下している。これに対し
て実施例においてはBr,BHCの値が大であると共に、(B
H)maxの値が大であり、これらの値はSmメタルを100%
溶解して作製した原料によるものと略同一である。
(実施例)−5 溶解法によってSmCo5系永久磁石材料用の合金を溶解
する際に溶湯表面に浮上し溶湯を注湯後ルツボに残留し
た物質を回収し分析したところ、Sm,Sm2O3,Co,Co2O3
主成分であることがわかった。
回収した残留物を粗粉砕しその含有酸素量を測定した
ところ重量比率で6%(60000ppm)であった。この粗粉
10000gに粒状の金属Ca 1954 gを添加混合しアルゴンガ
ス雰囲気中で1050℃×4時間の加熱還元処理をおこなっ
た。次に得られた反応生成物を水洗し反応副生成物であ
るCaOを除去してSm−Co合金を得た。このSm−Co合金の
組成を分析したところ重量比率でSm67.8%,Ca0.15%,
含有酸素量0.2%,残部Coであった。このSm−Co合金を
ジェットミルで粉砕し平均粒径8μmの粉末とした。次
にこの粉末を冷間静水圧プレスにより3.0ton/cm2の成形
圧力で成形した。さらに成形体をアルゴンガス雰囲気中
で100℃×3時間の条件で焼結して焼結体とした。
一方真空誘導溶解炉内に原材料としてCo 4162g,Fe 14
00 g,Cu 500g,Zr 250gを装入し、次いで溶解炉を密封し
て炉内を10-1Torrの真空状態に保持して通電し、これら
の原材料を溶解して溶湯を形成した。次にArガスを封入
して溶解炉内を−30cmHgの状態に保持した後、あらかじ
め溶解炉内に用意しておいた前記のSm−Co合金焼結体を
合計で3688g順次溶湯に添加した。焼結体を添加後更に
通電することによってこれを溶解し、その後通電を停止
して合金溶湯を金型に鋳造してインゴットを得た。得ら
れたインゴットの組成を分析したところ重量比率でSm2
5.0%,Fe13.9%,Cu4.9%,Zr2.5%,Ca<0.01%,含有酸
素量<0.01%,残部Coであった。
この合金を粗粉砕、微粉砕、成形、焼結、熱処理して
永久磁石を形成した。磁気特性を測定した結果を表に示
す。なお比較例として従来のR/D法によって作製した原
料によるものを併記した。
表から明らかなように、比較例においては、Br,BHC,I
HCの値が低く、(BH)maxの値が低下している。これに
対して実施例においてはBr,BHCの値が大であると共に、
(BH)maxの値が大であり、これらの値はSmメタルを溶
解して作製した原料によるものと略同一である。なお原
料の製造コストは上記溶製原料の場合と比較して20〜30
%低減させ得ることを確認した。
(実施例)−6 Sm2Co17系永久磁石のカケ不良品、寸法不良品などの
いわゆるスクラップを溶解法によって溶解する際に溶湯
の表面に浮上し溶湯を注湯後ルツボに残留した物質を回
収して分析したところSm,Sm2O3,Co,Co2O3,Fe,Fe2O3,Cu,
CuO,Zr,ZrO2が主成分であることがわかった。この回収
した残留物を粗粉砕しその含有酸素量を測定したところ
重量比率で5%(50000ppm)であった。この粗粉10000g
に粒状の金属Ca 1879 gを添加混合しアルゴンガス雰囲
気中で1150℃×2時間の加熱還元処理をおこなった。次
に得られた反応生成物を水洗し反応副生成物であるCaO
を除去してSm−Co−Fe−Cu−Zr合金を得た。得られたSm
−Co−Fe−Cu−Zr合金の組成を分析したところ重量%で
Sm 30.2%,Fe13.4%,Cu4.8%,Zr2.4%,Ca0.10%,含有
酸素量0.15%,残部Coであった。
この合金を実施例1と同じ要領で平均粒径5.0μmの
粉末とし、この粉末を2.0ton/cm2の成形圧で成形して成
形体とした。さらに成形体をH2ガス雰囲気中で1200℃×
2時間の条件で焼結して焼結体とした。
一方真空誘導溶解内に原材料としてSmメタル2520g,Co
5813 g,Fe 2482 g,Cu 600g,Zr 240gを装入し、実施例
1と同じ要領でこれらを溶解して溶湯を成形し、これに
前記の焼結体を合計で8345g順次添加して溶解し、金型
に鋳造してインゴットを得た。得られたインゴットの組
成を分析したところ重量%でSm25.2%,Fe17.9%,Cu5.0
%,Zr2.1%,Ca<0.01%,含有酸素量<0.01%,残部Co
であった。
この合金を粗粉砕、微粉砕、成形、焼結、熱処理して
永久磁石を形成した。磁気特性を測定した結果を表に示
す。なお比較例として従来のR/D法によって作製した原
料によるものを併記した。
表から明らかなように、比較例においては、Br,BHC,I
HCの値が低く、(BH)maxの値が低下している。これに
対して実施例においてはBr,BHCの値が大であると共に、
(BH)maxの値が大であり、これらの値はSmメタルを溶
解して作製した原料によるものと略同一である。
(実施例)−7 溶解法によってNd−Fe−B系永久磁石材料用の合金を
溶解する際に溶湯の表面に浮上し溶湯を注湯後ルツボに
残部した物質を分析したところ、Nd,Nd2O3,Dy,Dy2O3,F
e,Fe2O3,B,B2O3が主成分であることがわかった。
この残留物を粗粉砕しその含有酸素量を測定したとこ
ろ重量比率で7%(70000ppm)であった。この粗粉1000
0gに粒状金属Ca 2192 gを混合した後実施例1と同じ要
領で1100℃×2時間の加熱還元処理をおこない、得られ
た反応生成物を水洗してNd−Fe−B系の合金を得た。得
られた合金の組成を分析したところ重量%でNd49.8%,D
y2.5%,B1.2%,Ca0.08%、含有酸素量0.25%,残部Feで
あった。この合金を同じく実施例1と同じ要領で平均粒
径15μmの粉末とし、この粉末を3.0ton/cm2の成形圧力
で成形して成形体とした。さらに成形体を実質的な真空
中で1130℃×1時間の条件で焼結して焼結体とした。
一方真空誘導溶解内に原材料としてNdメタル1550g,Dy
メタル145g,Fe 5917 g,Co 300g,Al 150g,フエロボロン5
25g(B20%),フエロニオブ188g(Nb80%)を装入し、
実施例1と同じ要領でこれらを溶解して溶湯を成形し、
これに前記の焼結体を合計で6225g順次添加して溶解
し、金型に鋳造してインゴットを得た。得られたインゴ
ットの組成を分析したところ重量%でNd30.9%d,Dy2.0
%,Co2.0%,Al1.0%,B1.2%Nb1.0%,Ca<0.01%,含有
酸素量<0.01%,残部Feであった。
この合金を粗粉砕、微粉砕、成形、焼結、熱処理して
永久磁石を形成した。磁気特性を測定した結果を表に示
す。なお比較例として従来のR/D法によって作製した原
料によるものを併記した。
表から明らかなように、比較例においては、Br,BHC
値が低く、(BH)maxの値が低下している。これに対し
て実施例においてはBr,BHCの値が大であると共に、(B
H)maxの値が大であり、これらの値はNdメタル,Dyメタ
ルを溶解して作製した原料によるものと略同一である。
(実施例)−8 Nd−Fe−B系を永久磁石のカケ不良品、寸法不良品な
どのいわゆるスクラップ、溶解法によって再溶解する際
に分析したところNd,Nd2O3,Dy,Dy2O3,Pr,Pr6O11,Ce,CeO
2,B,B2O3,Fe,Fe2O3が主成分であることがわかった。こ
の残留物を粗粉砕しその含有酸素量を測定したところ重
量比率で6.5%(65000ppm)であった。この粗粉10000 g
に粒状の金属Ca 2931 gを添加混合しアルゴンガス雰囲
気中で1020℃×5時間の加熱還元処理をおこなった。次
に得られた反応生成物を水洗し反応副生成物であるCaO
除去してNd−Fe−B系の合金を得た。得られた合金の組
成を分析したところ重量%でNd22.1%,Dy1.2%,Pr7.5
%,Ce3.0%,B1.0%,Ca0.1%,含有酸素量0.3%,残部Fe
であった。
この合金を実施例1と同じ要領で平均粒径15μmの粉
末としこの粉末を3.0ton/cm2の成形圧で成形して成形体
とした。さらに成形体を実質的な真空中で1070℃×3時
間の条件で焼結して焼結体とした。
一方真空誘導溶解内に原材料としてNdメタル2000g,Dy
メタル291g,Prメタル721g,Ceメタル428g,B 120g,Fe7390
gを装入し、実施例1と同じ要領でこれらを溶解して溶
湯を形成し、これに前記の焼結体を合計で9050g順次添
加して溶解し、金型に鋳造してインゴットを得られたイ
ンゴットの組成を分析したところ重量%でNd19.9%,Pr
6.8%,Ce3.5%,Dy2.0%,B1.0%,Ca<0.01%,含有酸素
量<0.01%,残部Feであった。
この合金を粗粉砕、微粉砕、成形、焼結、熱処理して
永久磁石を形成した。磁気特性を測定した結果を表に示
す。なお比較例として従来のR/D法によって作製した原
料によるものを併記した。
表から明らかなように、比較例においては、Br,BHC,I
HCの値が低く、(BH)maxの値が低下している。これに
対して実施例においてはBr,BHCの値が大であると共に、
(BH)maxの値が大であり、これらの値はNdメタル,Prメ
タル,Ceメタル,Dyメタルを溶解して作製した原料による
ものと略同一である。
〔発明の効果〕
本発明は以上記述のような構成および作用であるか
ら、下記の効果を奏し得る。
(1) 希土類元素Rの酸化物を含有する材料を還元剤
で還元しこれを焼結体の形で溶湯に添加してRM系合金を
製造することによって、RM合金に必要な希土類元素の全
てもしくは1部を酸化物含有の希土類元素によって調達
することができ、RM系合金の製造原価を大幅に低減でき
る。
(2) 希土類元素Rの酸化物とM元素の酸化物を含有
する材料を還元する際には発熱を伴うため、拡散による
RM系合金の形成が促進される。
(3) 還元拡散処理によって得られたRM系合金の還元
拡散が若干不充分であっても、その後の焼結、溶解手段
により組成の均一化が図れる。
(4) 還元処理用の金属Ca,CaH2,金属Mgあるいは反応
副生成物のCaO,MgOは溶解工程においてスラグとして浮
上するから、RM系合金に混入することがない。
(5) 出発材料中に存在するO2も溶解工程においてス
ラグ中に吸収除去され、RM系合金中への侵入を防止でき
る。
(6) 以上のことからRM系合金の組成を均一に確保
し、非磁性材料からなる不純物の侵入を防止し得るた
め、希土類永久磁石とした場合の磁性特性を100%溶解
材を原料とするものと同等のレベルまで向上させ得る。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭60−238403(JP,A) 特開 平1−289101(JP,A) 特開 平3−277733(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C22C 33/00 C22C 1/00 C22C 1/02 C22C 33/02 C22C 1/04

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】希土類元素Rとその酸化物もしくは希土類
    元素Rの酸化物(RはLa、Ce、Pr、Nd、Sm、Gd、Td、D
    y、Ho、Erのうちの1種または2種以上でかつNd、Dy、S
    mのうちの少なくとも一種を含む。)と、元素Mとその
    酸化物もしくは元素Mの酸化物(MはCo、Fe、Ni、Mo、
    Cu、Zr、Hf、Nb、Ta、Ti、Al、Ga、B、Si、Cのうちの
    1種または2種以上)からなる材料に金属Ca、CaH2、金
    属Mg等の還元剤を添加混合した後加熱還元してRM系合金
    を生成し、このRM系合金を水洗いして反応副生成物であ
    るCaO、MgO等を除去した後粉砕し、これを成形して成形
    体とし、成形体を不活性ガス雰囲気、還元性ガス雰囲気
    あるいは実質的な真空中にて焼結して焼結体とし、この
    焼結体をこの焼結体中のR、Mを含めて所定成分のRM系
    合金となるように配合したRおよび/またはMからなる
    溶湯中に添加して溶解しRM系合金を製造することを特徴
    とする希土類永久磁石用原料の製造方法。
  2. 【請求項2】R元素の酸化物がDy2O3であり、DyおよびF
    eを必ず含むRM系合金を溶解し、RM系合金を製造する請
    求項1に記載の希土類永久磁石用原料の製造方法。
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