JP2994086B2 - 回転ミラーを具えた走査装置、該装置に用いる駆動ユニット及び該ユニットに用いる回転子本体 - Google Patents

回転ミラーを具えた走査装置、該装置に用いる駆動ユニット及び該ユニットに用いる回転子本体

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JP2994086B2
JP2994086B2 JP3153814A JP15381491A JP2994086B2 JP 2994086 B2 JP2994086 B2 JP 2994086B2 JP 3153814 A JP3153814 A JP 3153814A JP 15381491 A JP15381491 A JP 15381491A JP 2994086 B2 JP2994086 B2 JP 2994086B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光ビームを走査すべき
表面に指向させ照射させる回転ミラーと、回転軸を中心
に回転自在に支承された、前記回転ミラーを支持する回
転子部と固定子部を具える駆動ユニットとを具え、前記
回転子部は円筒状、特に円板状の少なくとも一部が永久
磁石からなる回転子本体を具え、前記固定子部は前記回
転子本体の磁界中を延在するコイルを具え、これにより
前記回転子本体に作用する電磁駆動力を発生して前記回
転子部を回転駆動させるようにした走査装置に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】このような走査装置は特開昭61-147218
号公報から既知である。この既知の走査装置は無鉄心平
巻コイルを有する固定子を具えたブラシレスモータを具
えるものである。このモータは2つの軸方向に磁化され
た永久磁石を有する回転子と、これら磁石の円周表面に
配置されたミラー区分とを具えている。従来の走査装置
は更に回転子を回転軸を中心に回転自在に支承する中心
配置の機械的軸受、特に空気軸受を具えている。この軸
受は軸受面間に間隙を有し、この間隙内にポンプ装置に
よって圧縮空気が注入される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来の走査装置の欠点
は空気軸受の存在にあり、空気軸受では高い回転子速度
において乱れが生じて不安定な軸受状態が発生し得る。
しかし、多角形ミラーを具えた走査装置の多くの用途に
は高速で安定な軸受装置が必要とされる。既知の走査装
置の他の欠点は、時間の経過につれて軸受内の汚れによ
り軸受の摩耗が生ずる点にある。更に他の欠点は、走査
装置に課される高い精度要件のために、空気軸受はその
製造がかなり難しく、従ってかなり高価なものとなる。
本発明の目的は上述した欠点のない頭書に記載したタイ
プの走査装置を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に、本発明は頭書に記載したタイプの走査装置におい
て、前記駆動ユニットの固定子部は、前記回転子本体の
磁界内に配置され前記回転子本体に作用する電磁支持力
を発生して前記回転子部を固定子部に対し電磁的に支持
せしめるコイルを具えていることを特徴とする。
【0005】本発明の走査装置では電磁的支持のため
に、コイルの附勢状態において回転ミラーを支持する回
転子部が機械的接触なしに自由に回転する。電磁支持力
を発生するコイルを適切な形状にすると共にこれらコイ
ルに適切な励磁電流を流すことにより固定の回転軸線を
有する安定な軸受手段を得ることができる。電磁駆動力
を発生するコイルを附勢する前に電磁支持力を発生する
コイルを附勢することにより、回転子部が回転状態にセ
ットされるとき回転子部と固定子部との間の機械的接触
が生じないようにし得る。電磁支持力を発生するコイル
と回転子本体とからなる電磁軸受手段は故障知らずであ
ると共にその簡単な構造のために製造が容易である。
【0006】本発明の走査装置は光ビームにより細長い
記録担体又はテープ上の記録トラック又は記録マークを
走査するのに極めて好適である。本発明走査装置の一例
では、前記回転ミラーの位置及び向きを測定して信号を
発生する少なくとも1つの検出器を具える位置及び向き
測定システムと、前記信号に応じて前記電磁支持力発生
コイルを選択的に駆動するマトリクス回路とを設ける。
【0007】前記マトリクス回路と共働する前記測定シ
ステムは前記電磁支持力発生コイルを、原点が回転ミラ
ーの質量中心に位置し1つの軸(Z軸)が回転軸と一致
する直交座標系で見て、ミラーの回転軸がX軸、Y軸及
びZ軸に沿って平行移動すると共にX軸及びY軸を中心
に傾動するように駆動することができる。6番目の自由
度に対応するもう1つの運動、即ちZ軸を中心とする回
転は電磁駆動力を発生するコイルを附勢することにより
得られる。
【0008】特定の要件に応じて、本発明走査装置の位
置及び向き測定システムは走査すべき表面、特に記録ト
ラック又はマークに対する及び/又は駆動装置の固定子
部に対する回転ミラーの位置及び向きを測定するように
することができる。この測定システムを走査すべき表面
に対する回転ミラーの位置及び向きを測定するようにす
る場合には、例えば走査すべき表面の支持体の案内機構
の不精密の結果として生ずる走査すべき表面の向きの偏
差を回転軸の傾動及び/又は平行移動により自動的に補
償することができる。固定子部に対する回転子部又は回
転ミラーの向きを絶えず測定することにより予め決めら
れた軸線に対する回転軸の位置の偏差を電子的に補償す
ることができる。これらの両測定を組み合わせることも
できる。以後、この位置及び向き測定システムを簡単に
位置測定システムと称す。
【0009】前記位置測定システム及び前記マトリクス
回路は走査装置の電子制御システムの一部を構成する。
この制御システムの不安定化を阻止するためには回路内
のクロストークを生じないようにすることが重要であ
る。この目的のために、前記測定システムは互いに独立
に又はほぼ独立に動作して回転ミラーの位置及び向きを
測定し信号を発生する複数個の検出器を具えるものとす
るのが好ましい。検出器の数は回転軸の位置及び向きに
関する所望の補正の数により決まり、好ましくは5つで
ある。本発明走査装置の一例では、前記電磁支持力発生
コイルはセグメントコイルとし、これらコイルを回転子
本体の円周方向に複数の組に分けて並べて配置し、各組
が回転子部の回転軸の方向に整列した少なくとも2個の
セグメントコイルを具えるようにする。
【0010】これらセグメントコイルは回転子本体から
少し離間させ、空隙を介して回転子本体と磁気的に共働
するようにする。これらセグメントコイルの選択的附勢
により前記直交座標系の3つの軸に沿う方向の3つの力
及び2つの軸を中心とする2つのトルクを発生し得る。
ほぼ円弧状のバナナ形を有するセグメントコイルは簡単
に製造し得ると共に比較的小さなスペースを占めるだけ
である。セグメントコイルは、回転子本体に対向して位
置し回転子本体の円周方向に延在して回転子本体と磁気
的に共働する1つの能動コイル部分と、回転子本体から
遠く離れて位置し電磁力の発生に重要でない非能動コイ
ル部分とを有するコイルとして構成することができる。
また、回転子本体の円周方向に延在すると共に回転軸の
方向に整列して位置する2つの平行な能動コイル部と、
これら能動コイル部分を接続する非能動コイル部分とか
ら成るセグメントコイルを用いることもできる。更に、
セグメントコイルの他の変形や組合せが可能である。例
えば、一般に回転子本体は少なくとも部分的に軸方向に
磁化されるが、少なくとも部分的に半径方向に磁化され
た回転子本体と共働するのに好適なコイル形態も可能で
ある。
【0011】本発明走査装置の一例では、対称性及び効
率の理由から、セグメントコイルの組数を4以上にする
のが好ましい。固定子磁石のような追加の軸受手段の使
用を必要とすることなく回転子部を空間内で完全に自由
に回転させることができるようにした本発明走査装置の
一例では、駆動ユニットの回転子部を電磁的にのみ支持
する。回転子本体が少なくとも部分的に軸方向の永久磁
化を示し、電磁駆動力発生コイルが駆動ユニットの回転
子本体の回転軸と直交する平面内に配置されている本発
明走査装置の一例では、回転子本体は回転子本体の残部
の磁化方向と反対の磁化方向を有する非磁気部分又は磁
気部分を具え、これら非磁気部分又は磁気部分が電磁駆
動力発生コイルと対向するよう位置すると共に回転子本
体の円周表面から所定の半径距離だけ離れて位置し且つ
回転子本体の接線方向に限界されていると共に軸方向に
延在しているものとする。
【0012】この走査装置の回転子本体は電磁支持力発
生コイル及び電磁駆動力発生コイルの双方と磁気的に共
働するのに極めて好適である。前記非磁気部分又は磁気
部分は回転子本体の円周面まで延在しないため、機械的
に強い回転子本体の円周面の周囲領域内の磁界が高度に
均一になる。これは、電磁支持力発生コイルが回転子部
の回転中ほぼ一定の磁界内に位置することを意味し、こ
れは支持特性にとって有益である。本発明走査装置の簡
単な例では、非磁気部分を回転子本体の軸方向に延在す
る一定間隔の孔で形成する。特定の要件に応じて、これ
ら孔は貫通孔又はポット孔とすることができ、製造中好
ましくは回転子本体の磁化前に適当なドリル工具により
形成することができる。
【0013】回転子本体が少なくとも部分的に軸方向の
永久磁化を示し、電磁駆動力発生コイルが駆動ユニット
の回転子部の回転軸と直交する平面内に配置されている
本発明走査装置の他の例では、回転子本体は電磁駆動力
発生コイルに対向して位置すると共に回転子本体の円周
面に隣接して位置する非磁気部分を具え、これら非磁気
部分が回転子本体の接線方向に限界されていると共に軸
方向に延在しているものとする。本例では、回転子本体
を製造中に一方向にのみ磁化する必要があるだけである
が、回転子部の回転中に電磁支持力発生用コイルが変動
する磁界内に位置することになる。しかし、生ずる変動
は電子的手段により容易に補償することができる。
【0014】電磁駆動力発生用コイルが駆動ユニットの
回転子部の回転軸と直交する平面内に配置され、回転子
本体が互いに反対の磁化方向を有する第1及び第2磁気
部分を交互に具え、これら磁気部分が電磁駆動力発生用
コイルと対向して位置すると共に回転子本体の円周面に
隣接して位置し且つ回転子本体の接線方向に限界されて
いると共に軸方向に延在し、第1磁気部分が相まって回
転子本体の円周面の第1部分を形成し、第2磁気部分が
相まって回転子本体の円周面の第2部分を形成するよう
にした本発明走査装置の一例では、回転子本体の円周面
の周長の第1部分と第2部分とを互いに相違させる。
【0015】前記特開昭61-147218 号から既知の軸方向
に磁化した回転子本体と異なり、この本発明走査装置は
回転子本体の円周面に沿って零でない平行磁界強度を有
するため、この本発明走査装置は電磁駆動力発生コイル
と電磁支持力発生コイルの双方と有効に共働し得る。製
造技術上及び機械的強度上の理由のために、回転子本体
は一片の材料から製造するのが好ましい。これは極めて
高いミラー回転速度が必要とされる場合に特に重要であ
る。コイルの数を最少にする例では、少なくともいくつ
かのコイルを電磁駆動力発生コイルとしても電磁支持力
発生コイルとしても機能する組合せコイルとして構成す
る。本例では回転子本体を楕円形又はこれに類似の形状
の断面を有する軸方向に磁化された円筒体とすることが
できる。
【0016】本発明走査装置の一例では、排気室を設
け、この室内に少なくとも駆動ユニットの回転ミラーと
ミラー支持用回転子部とを配置する。本例は本発明走査
装置の上述した利点を最適な程度まで利用するものであ
る。回転子部は排気室内に位置するため、ミラー、特に
多角形ミラーの高い加速度と高い回転速度を達成するこ
とができる。室内の部分真空は騒音の発生、駆動ユニッ
トの侵食及び汚染を緩和する。更に、排気室を具える走
査装置では機械的摩擦が全くないと共に空気抵抗が殆ど
ない結果としてエネルギー損が極めて小さくなる。英国
特許願第2023964 号から、回転ミラーとその軸受装置
と、その駆動モータとを密閉排気室内に配置すること自
体は既知である。しかし、この英国特許出願には軸受装
置及びモータについての詳細は開示されていない。本発
明は本発明走査装置に用いる駆動ユニット及び該駆動ユ
ニットに用いる回転子本体にも関するものである。
【0017】
【実施例】図面を参照して本発明を実施例につき詳細に
説明する。図1,2及び3に示す本発明の走査装置は密
閉排気室3(例えば103Pa の圧力) を形成するハウジン
グ1を具える。このハウジングは固定子部5と回転子部
7とを具える電気駆動ユニットを収納する。ハウジング
1の内壁に固定された、又はこれと一体に形成された固
定子部5は参照符号9及び11で示す2群のコイルを具え
る。回転子部7は永久磁石回転子本体13と、これに連結
された多角形ミラー15とを具える。回転子本体13は規則
正しいパターンの3個の軸方向孔17が形成され且つ軸方
向に磁化された平たい円筒状の永久磁石として構成する
(図4)。回転子本体13はミラー15と一緒に回転子軸19
を中心に回転自在に支承し、多角形ミラー15が光源から
のビームを例えば細条状又はリボン状の記録担体の光学
的に走査すべき表面に指向させ照射するようにする。低
い記録担体速度(例えば0.6cm/s)で高い走査速度(例え
ば60m/s)を達成するためには多角形ミラーの極めて高い
回転速度(例えば180×103rpm) が必要とされる。本発
明の走査装置は多角形ミラーをこのような高速度で回転
させるのに極めて好適なものである。
【0018】固定子部5のコイル9は回転子本体13に作
用する電磁駆動力を発生するコイルであり、電子的に転
流される。これらコイル9は回転軸19に対し垂直な平面
内に配置された平形環状コイルとして構成する。図示の
走査装置は4個のコイル9を具え、これらコイルが附勢
時に回転子本体13と共働して回転子部7を回転させる。
コイル11は回転子本体に作用する電磁支持力を発生して
回転子部7を固定子部5に対し電磁的に支持するもので
ある。これらコイル11はセグメントコイル、特に円弧状
バナナ形セグメントコイルとして構成し、各2個づつの
4組のコイルを配置する。回転子本体13の円周方向Aに
見てこれらコイルの組を規則正しく配置すると共に、各
組のコイルを回転軸19の方向に見て互いに整列させる。
これらの電磁支持力発生コイル11を回転子本体13の磁界
内に配置し、適切に附勢するとこれらコイルにより回転
子部7を室3内に自由に浮動支持する電磁支持力を回転
子本体13に及ぼすことができる。このように浮動支持さ
れた回転子部7は電磁駆動力発生コイル9の附勢時に回
転軸19を中心に回転させることができ、この回転は固定
子部5との機械的接触なしに持続することができる。コ
イルの滅勢状態において回転子本体13及び多角形ミラー
15をほぼ中心位置に保持するために、回転子部7の孔8
内に比較的大きな遊隙で嵌合する位置決めピン10をハウ
ジング内に配置することができる。この走査装置には回
転子部に作用する重力を補償するための固定子磁石を設
けることもできる。
【0019】安定な軸受を保証すると共に回転軸の僅か
な平行移動及び傾動を可能にするために、本発明の走査
装置は更に位置及び向き測定システム(以後単に位置測
定システムという)を具えると共に、回転子本体に作用
する電磁支持力を発生するようコイル11を選択的に附勢
するマトリクス回路を具える。図3は直交座標系X,
Y,Zを示し、この座標系の原点0は多角形ミラー15の
質量中心に位置し、従ってZ軸は回転軸19と一致する。
回転子部7及び従ってミラー15の理論的に可能な6つの
自由度はX軸、Y軸及びZ軸に沿う平行移動及びこれら
3つの軸を中心とする回転又は回動である。ミラー15の
X軸、Y軸及びZ軸に沿う平行移動及びX軸及びY軸を
中心とする回動は電磁支持機構のコイル11に関し重要で
ある。Z軸を中心とする回転は回転駆動装置のコイル9
に対し重要である。位置測定システム21(図5)からの
信号はX軸、Y軸及びZ軸に沿う平行移動及びX軸及び
Y軸を中心とする回動に関連し、図5においてこれら信
号をそれぞれSx,Sy,Sz,Sα及びSβで示して
ある。これら信号を増幅器23及び進み回路網25を経てマ
トリクス回路27に供給し、ここでこれら信号を適切な制
御信号に変換する。8個の電流源29により8個のコイル
11を附勢して回転子体に作用する電磁支持力を発させ
る。
【0020】位置測定システム21は、実際上に互いに独
立に動作する5個の検出器を具え、各位置信号Sx,S
y,Sz,Sα及びSβがミラー15の5つの自由度にそ
れぞれ対応するようにする。これら5つの自由度は図3
に示す直交座標系の3つの軸(X軸、Y軸及びZ軸)に
沿う平行移動及びX軸及びY軸を中心とする回動であ
る。前記マトリクス回路27は、これに供給される信号に
基づいて電磁支持力発生セグメントコイル11を流れる電
流を該当する自由度に対するミラー15の補正運動を発生
するよう制御し、他の自由度に対するミラーの平行移動
又は回動は生じさせない。
【0021】図6に示す回転子本体113 は図4に示す回
転子本体13の変形例である。この回転子本体113 は円板
状であり、回転子本体13と同様にネオジム鉄‐硼素又は
サマリウム‐コバルトのような高級永久磁石材料から成
るものとするのが好ましい。回転子本体113 は、回転子
本体の残部の磁化方向と反対方向の磁化方向を有する例
えば3個の磁気部分117 が形成されるように軸方向に磁
化する。これら磁気部分117 は回転子本体113 の厚さl
の少なくとも一部分に亘って軸方向に延在させ、円形又
は多角形断面にすることができる。これら磁気部分117
は回転子本体113 の中心軸線119 に中心が位置する環状
領域内に位置させ、規則正しく配置する。
【0022】図7に示す回転子本体213 は軸方向に磁化
されており、且つ非磁気部分217 を具えている。非磁気
部分217 は円周面220 に形成された接線方向に限界した
軸方向スロットにより構成する。必要に応じ、これらス
ロットは非磁性材料で埋めることができる。図8は回転
子本体13の更に他の変形例を示す。この回転子本体313
は軸方向に磁化されており、且つ互いに反対方向に磁化
された第1及び第2磁気部分317a及び317bを交互に具え
ている。第1及び第2磁気部分は相まって回転子本体31
3 の円周面320 を構成し、第1磁気部分317a及び第2磁
気部分317bの分割は、第1磁気部分により形成される回
転子本体の円周面部分が第2磁気部分により形成される
円周部分に等しくならないようにする。
【0023】図9a及び9bに示す回転子本体413 は、組合
せコイル、即ち電磁駆動力発生コイルとしても電磁支持
力発生コイルとしても作用し得るコイルを具える本発明
走査装置の実施例に用いるのに極めて好適である。回転
軸419 を中心に回転し得るこの回転子本体413 は回転軸
419 と直交する断面が楕円状の円板状磁石として構成す
る。この回転子本体413 は図4及び図6に示す回転子本
体と同様に非磁気部分又は反対方向磁気部分を具えるこ
とができる。
【0024】図10は回転多角形ミラー15を安定化するた
めに位置検出装置を含む前記位置測定システムを用いる
走査装置の実施例を示す。位置検出装置は光ビームを発
生する半導体レーザ530 と、光ビームを多角形ミラー15
に偏向する半透鏡550 と、コリメータレンズ595 を具え
る。本例では光ビームを多角形ミラー15上の円弧状鏡面
524 上に集束するレンズ538 を半透鏡550 とミラー15と
の間に配置する。このレンズ538 には他方の屈折面の対
応する表面539aに対し小角度で傾斜した平坦中心部539
を設け、この部分が光学くさびとして作用するように
する。このレンズ538 はその球面屈折面上に入射する光
を凸鏡面524 の中心と一致する点に集束させる。この光
は鏡面524 から反射され、レンズ538 、コリメータレン
ズ595 及び平行平面板551 を経て検出システム540 上に
集束される。これにより検出システム540 上に光スポッ
ト534が形成され、その位置及び形状が鏡面524 及び従
って多角形ミラー15の位置についての情報を与える。
【0025】レンズ538 の平坦中心部539 に入射する平
行光ビームは凸鏡面524 上に集束されないでこの鏡面52
4 を取り囲む多角形ミラー15の反射表面525 上に入射す
る。次いでこの光は反射され、この反射光の方向は平面
反射表面525 の向きにより決まる。反射ビームは再びレ
ンズ538 及び539 並びに半透鏡550 を横切って光検出シ
ステム540 上に光スポット534aを形成する。この光スポ
ット534aの位置は鏡面525 の傾き及び従って多角形ミラ
ー15の向きを表わす。光検出システム540 は2つの4分
割検出器545 及び546 を具える。これら検出器は各々4
個の検出素子、特にフォトダイオードを具えることがで
き、これら検出器により光スポット534 及び534aの位置
及び形状を決定することができる。そして鏡面524 及び
従って多角形ミラー15の位置及び向きをこれら光スポッ
トの位置及び形状から取り出すことができる。
【0026】図10は本発明走査装置の使用態様を示して
いる。軸19を中心に回転する多角形ミラー15は回転軸19
に対し45°の角度で傾斜した複数の反射面512 を具え
る。光源571 からの光ビーム570 が多角形ミラー15の反
射面512 に入射し、これにより多角形ミラーの位置に応
じて偏向される。次いでこの光ビームはレンズ系573 、
例えばf‐8レンズにより集束されて走査すべき表面57
4 上に走査スポット575 を形成する。表面574 は光記録
担体の表面であり、走査ビーム570 により書込み又は読
み取ることができる。記録担体は例えば多数の比較的短
い平行並置トラックで書込まれるディスク状又はリボン
状記録担体である。この場合、各トラックは走査装置に
対する記録担体574 の運動と多角形ミラーの回転による
走査スポットの運動により走査される。このようにして
記録担体に又はこれから情報を例えばHDTV(高精細度テ
レビジョン)プログラムに対し十分な高速度で書込む又
は読み取るためには、多角形ミラー15を数千回/秒の速
度で回転させる必要がある。これを達成するために、上
述したように多角形ミラーを適当数のコイル9及び11に
より支持及び駆動される永久磁化回転子本体に固定す
る。
【0027】反射面525 及び凸鏡面524 により検出シス
テム540 に形成される光スポット534 及び534aは検出器
により電気信号に変換され、これら信号が多角形ミラー
の位置及び向きについての情報を提供する。これら信号
は処理ユニット582 で分析され、次いでこのユニットが
出力信号583 を発生し、コイル11に供給してこれらコイ
ルにより発生される磁界を制御して回転多角形ミラーの
位置及び向きを安定化させる。処理ユニット582 は上述
した増幅器23、進み回路網25、マトリクス回路27及び電
流源29を具えることができる。
【0028】物体、特に回転多角形ミラーの位置及び向
きを光学的に決定する装置についてのもっと詳細な説明
については本願人に係る同日付特許出願を参照されると
よい。本発明は図示の実施例についてのみ限定されるも
のでない。例えば本発明の走査装置は電磁支持力を発生
させるために4組以上又は以下のセグメントコイルを具
えることができる。更に各組のコイルの数を2から異な
らせることもできる。更に、図示の形状と異なる形状の
セグメントコイルを用いることもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】回転ミラーを具えた本発明走査装置の一部分の
縦断面図である。
【図2】図1の2−2線に沿う断面図である。
【図3】図1に示す走査装置及びその中の駆動ユニット
の一部分を示す斜視図である。
【図4】図1に示す走査装置内の駆動ユニットの回転子
本体の斜視図である。
【図5】図1に示す走査装置に用いる制御回路を示す図
である。
【図6】図4に示す回転子本体の第1変形例を示す斜視
図である。
【図7】回転子本体の第2変形例を示す斜視図である。
【図8】回転子本体の第3変形例を示す斜視図である。
【図9】図9a及び9bは回転子本体の第4変形例の斜視図
及び平面図である。
【図10】動作中の回転ミラーを安定化するための位置
測定システムを示す図である。
【符号の説明】
1 ハウジング 3 密閉室 5 固定子部 7 回転子部 9 電磁駆動力発生コイル 11 電磁支持力発生コイル 13, 113, 213, 313, 413 回転子本体 15 回転多角形ミラー 19 回転軸 21 位置測定システム 23 増幅器 25 進み回路網 27 マトリクス回路 29 電流源
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (73)特許権者 590000248 Groenewoudseweg 1, 5621 BA Eindhoven, T he Netherlands (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G11B 7/085 G11B 7/09 G11B 7/095 G02B 26/10 102

Claims (12)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光ビームを走査すべき表面に指向させ照
    射させる回転ミラーと、前記回転ミラーを支持するとと
    もにX軸、Y軸及びZ軸の直交系のZ軸と一致する回転
    軸を中心に回転自在に支承された回転子部及び固定子部
    を具える駆動ユニットとを具え、前記回転子部は円筒状
    の少なくとも一部が永久磁石からなる回転子本体を具
    え、前記固定子部は前記回転子本体の磁界中を延在し前
    記回転子本体に作用する電磁駆動力を発生して前記回転
    子部を回転駆動させる第1コイルを具える走査装置にお
    いて、前記固定子部は前記回転子本体の磁界内に配置さ
    れた第2コイルを具え、前記第2コイルにより発生され
    る電磁支持力によって前記回転子部を固定子部に対し、
    X軸、Y軸及びZ軸に平行な方向に移動可能に且つX軸
    及びY軸を中心に傾動可能に電磁的にのみ支持せしめ、
    当該走査装置は、更に、X軸、Y軸及びZ軸に平行な方
    向及びX軸及びY軸を中心とする前記回転ミラーの位置
    及び向きを測定して信号を発生する複数の検出器を具え
    る位置及び向き測定システムと、電磁支持力を発生する
    前記第2コイルを前記信号に応じて選択的に駆動してX
    軸、Y軸及びZ軸に平行な方向及びX軸及びY軸を中心
    とする前記回転子部の位置及び向きを決めるマトリクス
    回路とを具えていることを特徴とする請求項1記載の走
    査装置。
  2. 【請求項2】 電磁支持力を発生する前記第2コイルは
    セグメントコイルとし、これらコイルを回転子本体の円
    周方向に複数の組に分けて並べて配置し、各組が回転子
    部の回転軸の方向に整列した少なくとも2個のセグメン
    トコイルを具えていることを特徴とする請求項1記載の
    走査装置。
  3. 【請求項3】 前記セグメントコイルの組数は4組以上
    であることを特徴とする請求項2記載の走査装置。
  4. 【請求項4】 回転子本体が少なくとも部分的に軸方向
    の永久磁化を示し、電磁駆動力を発生する前記第1コイ
    ルが駆動ユニットの回転子本体の回転軸と直交する平面
    内に配置されている請求項1〜3の何れかに記載の走査
    装置において、回転子本体は回転子本体の残部の磁化方
    向と反対の磁化方向を有する非磁気部分又は磁気部分を
    具え、これら非磁気部分又は磁気部分が前記第1コイル
    と対向するよう位置すると共に回転子本体の円周表面か
    ら所定の半径距離だけ離れて位置し且つ回転子本体の接
    線方向に限界されていると共に軸方向に延在しているこ
    とを特徴とする走査装置。
  5. 【請求項5】 前記非磁気部分は回転子本体内を軸方向
    に延在する所定間隔の孔から成ることを特徴とする請求
    項4記載の走査装置。
  6. 【請求項6】 回転子本体が少なくとも部分的に軸方向
    の永久磁化を示し、電磁駆動力を発生する前記第1コイ
    ルが駆動ユニットの回転子本体の回転軸と直交する平面
    内に配置されている請求項1〜3の何れかに記載の走査
    装置において、回転子本体は前記第1コイルに対向して
    位置すると共に回転子本体の円周面に隣接して位置する
    非磁気部分を具え、これら非磁気部分が回転子本体の接
    線方向に限界されていると共に軸方向に延在しているこ
    とを特徴とする走査装置。
  7. 【請求項7】 電磁駆動力を発生する前記第1コイルが
    駆動ユニットの回転子部の回転軸と直交する平面内に配
    置され、回転子本体が互いに反対の磁化方向を有する第
    1及び第2磁気部分を交互に具え、これら磁気部分が前
    記第1コイルに対向して位置すると共に回転子本体の円
    周面に隣接して位置し且つ回転子本体の接線方向に限界
    されていると共に軸方向に延在し、第1磁気部分が相ま
    って回転子本体の円周面の第1部分を形成し、第2磁気
    部分が相まって回転子本体の円周面の第2部分を形成す
    るようにした請求項1〜3の何れかに記載の走査装置に
    おいて、回転子本体の円周面の第1部分と第2部分の周
    長とを互いに相違させたことを特徴とする走査装置。
  8. 【請求項8】 回転子本体は1片の材料から成ることを
    特徴とする請求項1〜7の何れかに記載の走査装置。
  9. 【請求項9】 少なくともいくつかのコイルを電磁駆動
    力を発生する第1コイルとしても電磁支持力を発生する
    第2コイルとしても機能する組合せコイルとして構成し
    たことを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の走査
    装置。
  10. 【請求項10】 排気室を設け、該室内に少なくとも回
    転ミラーと駆動ユニットのミラー支持回転子部とを配置
    したことを特徴とする請求項1〜9の何れかに記載の走
    査装置。
  11. 【請求項11】 請求項1又は請求項2〜10の何れかに
    記載された走査装置に用いる駆動ユニット。
  12. 【請求項12】 請求項4〜8の何れかに記載された走
    査装置の駆動ユニットに用いる回転子本体。
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