JPH0660387A - 光学的に面を走査する装置 - Google Patents

光学的に面を走査する装置

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JPH0660387A
JPH0660387A JP5172441A JP17244193A JPH0660387A JP H0660387 A JPH0660387 A JP H0660387A JP 5172441 A JP5172441 A JP 5172441A JP 17244193 A JP17244193 A JP 17244193A JP H0660387 A JPH0660387 A JP H0660387A
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JP
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objective
lens
scanning
irradiation
coil
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JP5172441A
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Rosmalen Gerard E Van
エドゥアード ファン ロスマーレン ゲラルド
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Koninklijke Philips NV
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Koninklijke Philips Electronics NV
Philips Electronics NV
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    • G11B7/00Recording or reproducing by optical means, e.g. recording using a thermal beam of optical radiation by modifying optical properties or the physical structure, reproducing using an optical beam at lower power by sensing optical properties; Record carriers therefor
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    • G11B7/085Disposition or mounting of heads or light sources relatively to record carriers with provision for moving the light beam into, or out of, its operative position or across tracks, otherwise than during the transducing operation, e.g. for adjustment or preliminary positioning or track change or selection
    • G11B7/0857Arrangements for mechanically moving the whole head
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    • GPHYSICS
    • G11INFORMATION STORAGE
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    • G11B7/00Recording or reproducing by optical means, e.g. recording using a thermal beam of optical radiation by modifying optical properties or the physical structure, reproducing using an optical beam at lower power by sensing optical properties; Record carriers therefor
    • G11B7/08Disposition or mounting of heads or light sources relatively to record carriers
    • G11B7/085Disposition or mounting of heads or light sources relatively to record carriers with provision for moving the light beam into, or out of, its operative position or across tracks, otherwise than during the transducing operation, e.g. for adjustment or preliminary positioning or track change or selection
    • G11B7/08547Arrangements for positioning the light beam only without moving the head, e.g. using static electro-optical elements
    • G11B7/08564Arrangements for positioning the light beam only without moving the head, e.g. using static electro-optical elements using galvanomirrors

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  • Length Measuring Devices By Optical Means (AREA)
  • Moving Of The Head For Recording And Reproducing By Optical Means (AREA)
  • Photometry And Measurement Of Optical Pulse Characteristics (AREA)
  • Optical Recording Or Reproduction (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 短いアクセス時間を持つ光学的に面を走査す
る装置を提供する。 【構成】 この光学的に面を走査する装置においては、
対物レンズ(10)により形成される焦点スポット(1
1)により情報面(2)が走査される。この対物レンズ
は静止コイル系(15)内に電磁的に懸架され、5つの
自由度で移動可能である。光学系(20)からの照射ビ
ーム(21)は回動ミラー(22)及び走査レンズ(2
3)を介して平行化され、この平行化されたビームは回
動ミラーを回転させることにより対物レンズの動きを追
従すべく平行移動状態で変位させることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、照射ビームを供給する
照射源と、対物系に設けられ上記照射ビームを面上で合
焦点させる対物レンズと、所定の行程にわたり上記対物
系を移動させる駆動手段とを有するような光学的に面を
走査する装置に関する。
【0002】
【従来の技術】この種の装置は、情報が同心円叉は螺旋
状のトラックに配設されているようなディスク状の光学
記録担体を読み出すのに特に適している。この場合、記
録担体上の単一のトラックは当該記録担体を回転するこ
とにより走査することができる。他のトラックを走査す
るためには、前記対物レンズはトラックを横切って半径
方向に移動されなければならない。記憶された情報への
短アクセス時間を達成するためには、対物レンズをトラ
ックを横切って高速で移動させねばならない。
【0003】冒頭で述べたような装置は、米国特許第43
63116号公報から既知である。この既知の装置において
は、対物レンズは、走査すべき光学記録担体に対して半
径方向の所定の行程にわたって変位可能なキャリッジに
固定されている。上記キャリッジには対物レンズを記録
担体の面に対して垂直な方向に移動させるフォーカス・
アクチュエータが設けられ、これにより照射ビームがト
ラックの面に焦点を合わされた状態を維持している。上
記キャリッジはキャリッジ・アクチュエータにより駆動
され、これによりキャリッジ、従って対物レンズは記録
担体に対して半径方向(ラジアル方向)に移動すること
ができる。上記キャリッジには、更に、回動可能な鏡
(ミラー)の形の調整要素が設けられ、これにより焦点
スポットを半径方向に移動させて走査されるべきトラッ
クの半径方向の小さな変位に追従するようにしている
が、このような変位はキャリッジ・アクチュエータによ
り追従するには速すぎるものである。当該装置の非可動
部分は照射源及び検出ユニットを収容した光学系を含ん
でいる。この光学系は平行化された照射ビームを出力
し、該ビームは記録担体の面に平行な半径方向で前記キ
ャリッジに受け渡される。キャリッジ中の回動ミラー
は、照射ビームに対して公称45度の角度で、該照射ビ
ームを対物レンズに向けて上方に偏向する。このミラー
は前記行程内におけるキャリッジの位置に関係なく前記
照射ビームを入力する。
【0004】上述した既知の装置の欠点はキャリッジの
質量が大きいということにある。結果として、焦点スポ
ットを記録担体上の任意の半径位置に半径方向に高速で
移動させることができない、言い換えれば情報への短ア
クセス時間を実現することができない。
【0005】
【発明の目的及び概要】従って、本発明の目的は短アク
セス時間を持つ装置を提供することにある。
【0006】この目的を達成するため、本発明による装
置は、前記行程の長さに略等しい長さを持つ光学力要素
が前記照射源と前記対物レンズとの間の照射ビーム経路
に配置され、当該装置が前記照射源と前記要素との間に
配置されて前記照射ビームを前記光学力要素にわたって
走査させる走査装置を有し、これにより照射ビームを前
記対物系の行程に相当する距離にわたって平行変位させ
ることを特徴としている。上記走査装置と上記要素との
組み合わせにより、照射ビームを対物系の行程にわたっ
て変位させることが可能であるので、照射ビームは常に
対物レンズに入射されるようになる。この場合、キャリ
ッジが鏡を有する必要がないので、キャリッジは軽量と
なり高速で変位させることができる。また、上記組み合
わせによればフローティング状態でアクチュエータ中に
懸架された対物レンズを該対物レンズのみを前記行程に
わたって移動させながら照射することが可能である。対
物レンズの小質量のおかげで、非常に短時間のアクセス
が可能となる。
【0007】本発明による装置の特別の実施例は、前記
照射ビームが前記光学力要素の焦点に焦点を合わされ、
この焦点が照射源側に位置していることを特徴としてい
る。この場合、上記要素の対物側の照射ビームは平行化
されるので、当該要素と対物レンズとの間の距離はあま
り問題にならない。
【0008】上記焦点が照射ビームが走査される軸上に
略位置している場合は、照射ビームは前記光学力要素の
焦点から走査されることになる。これによって、この要
素と対物レンズとの間のビームの主光線は当該要素の光
学軸に平行に維持される。照射ビームが対物レンズに入
射する角度は当該対物レンズの行程にわたって変化しな
いから、対物レンズにより形成される焦点スポットは一
定の高い品質を有することになる。
【0009】本発明による装置の有利な実施例は、走査
装置が回動ミラーを有していることを特徴としている。
回動ミラーは単純な構成を有しており、高回動速度を有
している。
【0010】本発明による装置の他の特別の実施例は、
走査装置が照射源を回動させる手段を有していることを
特徴としている。照射源と、検出系と、多分集光レンズ
とを回動可能な光学ユニットに統合すれば、当該装置は
コンパクトになる。
【0011】照射ビームの経路に少なくとも1個の円柱
状光学要素を配置すれば、他の利点が得られる。この場
合、照射ビームは回動ミラー上の一点ではなくて線上に
焦点を合わされるから、ビームの反射は当該回動ミラー
の反射コーティングの欠陥とか塵にたいして感度が低く
なる。また、前記光学力要素は円柱状要素であれば一層
廉価に製造することができる。
【0012】本発明による装置の他の有利な実施例は、
前記光学力要素がレンズを有していることを特徴として
いる。
【0013】本発明の他の特徴によれば、上記レンズは
仮想円形レンズの棒状の非中央部分により形成され、こ
のような棒状のレンズは単一の円形レンズから1個では
なくて2個とることができる。これらの非中央部棒状レ
ンズは中央部の棒状レンズと同等の光学的品質を有す
る。
【0014】当該装置は、他の例として、前記光学力要
素が凹面鏡を有していることを特徴としている。この鏡
には2つの機能が統合される、即ち照射ビームの平行化
と照射源と対物レンズとの間の照射経路の折曲である。
上記折曲は当該装置の一層の小型化を可能にする。
【0015】照射経路は照射源と対物レンズとの間に平
面鏡を配置することによっても折曲することができる。
【0016】また、本発明による装置は当該装置が走査
装置から発するビームの方向を決定する検出器を有し、
この検出器の出力端が前記対物系駆動手段の制御入力端
に結合されていることを特徴としている。この構成は前
記駆動手段の正確な制御を保証する。
【0017】本発明による装置の他の特別の実施例は、
当該装置が対物系の傾きを表す信号を発生するための4
象限検出器を有していることを特徴としている。このよ
うな検出器は対物系の傾きを制御するために使用され、
大きな捕捉範囲を持つという利点を有する。
【0018】本発明による装置の更に他の特別の実施例
は、照射ビームの一部を前記対物系の位置及び傾きを表
す信号を発生するための検出ユニットに向けて反射する
ために略円錐且つ環状の反射器が前記対物レンズの周囲
に配置されていることを特徴としている。上記位置及び
傾きはこの環状反射器により簡単且つ正確に検出するこ
とができる。
【0019】本発明による短アクセス時間の装置の更に
他の特別の実施例は、対物系を駆動するための永久磁石
が当該対物系に設けられ、前記駆動手段が前記対物系を
相互に垂直な3つの軸に沿って電磁的且つ非接触的に駆
動すると共に前記対物系を前記軸の中の2つの廻りに傾
動させるための静止コイル系を有し、当該コイル系が前
記対物系の両側に前記行程にわたって配置された2つの
平行なコイル対の列を有し、各コイル対が前記対物レン
ズの光学軸の方向に上下に配置された2つのコイルを有
していることを特徴としている。上記コイル系は環状磁
石と共に5つの自由度を持つアクチュエータを構成し、
対物レンズはフローティング状態で懸架されて半径(ラ
ジアル)方向等に高速で移動することができる。かくし
て、可動部品の数は最小限に減少され、結果として軽量
化及び焦点スポットの高速移動が可能となる。
【0020】
【実施例】図1はディスク状の光学記録担体1を走査す
るための走査装置を示している。この記録担体上には、
情報が多数の読出し可能な領域(図示せず)の形態の情
報層2に記憶され、これら領域は多数の同心円的トラッ
クか叉は螺旋トラックを形成する略同心円的トラックに
配列されている。これらトラックの集合は所定の幅3を
持つ環状部分にわたって延在している。情報層2は、上
側には保護被覆4が設けられ、透明な基板5により支持
されている。なお、上記情報層2はこの基板を介して読
み取られる。当該記録担体は回転シャフト6上に配置さ
れ、該シャフトはモータ(図示略)により駆動される。
なお、図示を明瞭にするために、記録担体はシャフトか
ら幾らか距離を離して図示されている。
【0021】情報層2は照射ビームにより走査され、該
ビームは情報層上の焦点スポット11に対物レンズ10
により焦点が合わされる。この対物レンズ10と当該レ
ンズの廻りに配置された軸方向に磁化された環状磁石1
2は対物系13を構成し、この対物系は本発明によれば
長尺の静止コイル系15のスリット14内に電磁的に懸
架され、このコイル系により対物系は半径方向、即ちト
ラック方向を横切る方向に移動することができる。記録
担体を回転させることにより、1つのトラックを走査し
て該トラックから情報を読み出すか叉は情報を書き込
む。上記記録担体1の全てのトラックを走査することが
できるように、対物系を記録担体に対して前記幅3のト
ラック集合に少なくとも等しいような距離にわたって半
径方向に移動することができなければならない。前記コ
イル系15と共に環状磁石12は対物系の5つの自由度
での動きを決定する5D(5次元)アクチュエータを構
成している。上記自由度はX、Y及びZの直交座標系並
びに対物レンズの中心における原点を参照して簡単に図
に描くことができる。図1においては、上記座標系は明
瞭化のために当該装置の隣に図示されている。X、Y及
びZ方向は記録担体の面内の半径方向及び接線方向並び
に該面に垂直な軸方向に各々対応している。前述した5
つの自由度は、X、Y及びZ方向の移動とX及びY軸の
廻りの2つの回転である。6番目の自由度であるZ軸
(即ち対物レンズの光学軸)の廻りの回転は関係がな
い。何故なら、対物系はこの軸の廻りに対称であるから
である。X方向への移動は焦点スポットを半径方向にお
いて走査トラック上に維持(ラジアル・トラッキング)
するためと、対物系を走査トラックから次の走査トラッ
クへと変位させるためとに使用される。Z方向の移動は
情報層2の面内に焦点スポットを維持するために使用さ
れる(焦点合わせ)。Y方向の移動は、対物系13をコ
イル系のコイルの間の中央に維持すると共に、例えばビ
デオ情報を伴う記録担体を走査する場合に接線方向の時
間誤差を補正するために使用される。X及びY軸の廻り
の2つの回転は対物レンズ10の光学軸を照射ビームの
主光線と平行に維持するために使用される。コイル系内
での対物系の位置及び角度の制御、該系の構成及び上記
制御のために要する信号の発生に関しては図6〜10を
参照して後述する。
【0022】上述した5Dアクチュエータの利点は、可
動部分、即ち対物系13の小型化にある。例えば前述し
た米国特許第4363116号に記載された既知のアクチュエ
ータの可動部分は、対物レンズをその軸方向に移動させ
るフォーカス・アクチュエータと、水平に延びる照射ビ
ームを上方に向けると共に照射方向における焦点スポッ
トの微細制御のための平面鏡とを収容したキャリッジを
有している。しかしながら、このようなキャリッジは例
えば20グラム以上と比較的重く且つキャリッジを走査
すべきトラックへ高速で変位させるのに大きな力を要す
る。これに対し、本発明による装置は前記対物系13の
みがアクチュエータの唯一の可動要素となるように設計
されている。この対物系は非常に軽く、例えば1グラム
以下の重さしか有していないから、非常に高速で移動さ
せることができる。かくして、本発明による装置におい
ては任意のトラックへのアクセス時間が既知の装置にお
けるよりも大幅に短くなることは明かである。また、既
知の装置におけるキャリッジの他の問題であって本発明
による装置においては発生しない問題は、キャリッジが
固有振動のスペクトルを有していることにある。もし、
固有振動のスペクトルが当該キャリッジの制御の帯域内
にあると、制御ループ内に位相喪失(phase loss)が生
じ、制御が不安定になる可能性がある。例えば、通常キ
ャリッジ内で対物系を懸架するのに用いられている板バ
ネの寄生固有振動の周波数は、しばしば、500Hzと2kHz
との間にある。また、キャリッジの構成部品の固有周波
数は、通常、1kHzと20kHzとの間にある。これら周波数
の大部分は、所望の制御速度にも依存するが、通常1〜
4kHzの範囲のキャリッジ制御の帯域内にある。前記対物
系13は固有振動の周波数が100kHz以上(即ち、制御の
帯域よりも遥かに高く)なるような5mm程の特性寸法を
持つような小さな物体であるので、対物系が半径方向に
移動する唯一の可動要素である本発明による装置は、制
御が大幅に安定であるという利点を有している。本発明
による装置においては対物系はもはや板バネでは懸架さ
れていないので、板バネの使用に固有の問題、例えばフ
ォーカス制御を不安定にするようなバネ定数及びダンピ
ングの変化はもはや発生しない。
【0023】記録担体1の走査用の照射は、例えばダイ
オード・レーザのような照射源を有する光学系20から
供給される。この系は照射ビーム21を出力し、該ビー
ムは図1に示すように回動ミラー22を有するような走
査装置により所定の角度にわたって走査される。本発明
によれば、上記ビーム21は上記回動ミラーの回転軸上
の一点に焦点を合わされる。この点は、光学力要素23
の焦点でもある。図1においては、上記要素23は走査
レンズ、即ち円形レンズの棒状の部分である。前記ビー
ム21は当該走査レンズの焦点に合焦されるので、該走
査レンズを通過した後ビーム24は、当該走査レンズの
光学軸に平行な主光線を持つように平行化される。前記
回動ミラー22は走査レンズ23の長さにわたって照射
ビームを走査することができ、これにより平行化された
ビームも同じ長さにわたって変位される。このような変
位の間、ビーム24の主光線は走査レンズの光学軸に対
して平行のままである。何故なら、回動ミラー22は走
査レンズの焦点上にあるからである。上記走査レンズ2
3の光学軸に対して45度の角度で配置された平面鏡2
5は、上記ビーム24を前記Z軸に平行な主光線を持つ
ビーム26として反射し、該ビームが対物レンズ10に
向かって投射される。次に、対物レンズ10はビーム2
6を前記情報層2の焦点スポット11に焦点を合わせ
る。前記回動ミラーはビーム26が対物レンズ10の中
心上に略入射するように制御される。情報層により反射
されたビームは上述した照射経路を介して光学系20に
戻り、該光学系には既知の態様で照射感知型検出ユニッ
ト(図示略)が設けられている。この検出ユニットは信
号処理及びデコード回路により上記反射ビームの変調を
記録担体から読み出された情報を含む情報信号や、ラジ
アル制御及び焦点制御用のサーボ信号等に変換する。
【0024】角度45度で配置された前記平面鏡25
は、米国特許第4363116号の装置における同様の機能の
鏡のように、移動させる必要がないことは明かである。
結果として、可動部品はより一層軽量且つ小型になり、
これにより固有振動の周波数は上昇する。更に、対物系
に取り付けられたような平面鏡は該鏡を投射ビーム方向
に向けたままにするために対物系の前述した6番目の自
由度(Z軸の廻りの回転)を固定する必要がある。この
ような構成はアクチュエータを複雑化する。なお、対物
系13及び回動ミラー22等の可動部品の軽量さは非常
に短いアクセス時間を可能にする。
【0025】上記平面鏡25に加えて叉はこれに代えて
照射経路を曲げる鏡を当該照射経路の適宜の位置に設け
てもよい。平面鏡を、走査レンズ23と対物レンズ10
との間に代えて、光学系20と回動ミラー22との間及
び/叉は回動ミラー22と走査レンズとの間に設けても
よい。また、平面鏡25を省略する場合は、走査レンズ
23を図1の位置に対してX軸の廻りに90度回転さ
せ、対物系の下に配置しなければならない。
【0026】走査レンズ23は少なくとも対物系13の
行程(ストローク)をカバーするだけの長さを有してい
る。このような長さにも拘らず、照射経路に所望の高品
質を与えるべく当該走査レンズに課される光学的要件は
極端に厳格なものではない。これは、如何なる時点にお
いてもビームは走査レンズの小さな部分を使用するのみ
で、従って当該走査レンズのこのような小さな部分をカ
バーする部分の光学誤差のみが重要であるからである。
【0027】図1に示した走査レンズ23は円形レンズ
の中央部から得られる棒状部分である。図2のaに示す
ように、円形レンズ27からは只1個だけこのような部
分を得ることができる。なお、図の一点鎖線28はこの
円形レンズの光学軸を示し、該軸は走査レンズ23の中
心をも通過している。図2のbに示すように、単一の円
形レンズ27からは2個の棒状の部分を得ることもでき
る。この場合、一方の部分は当該円形レンズの光学軸2
8の直上に位置し、破線で示す他方の部分30は該軸の
直下に位置する。従って、この場合は円形レンズの光学
軸は各部分29叉は30の中心は通過しない。このよう
な軸のずれた部分29叉は30が当該装置に配置される
場合は、このレンズ部分は、前記軸上の部分23のよう
に、当該レンズの焦点面上であって仮想円形レンズの光
学軸と平行なこの棒状レンズの中心を経る軸上の一点か
らは照射されないことが保証されていなければならな
い。事実、このような場合には棒状のレンズ部分29叉
は30はそれ自身の光学軸から外れた点から照射されて
しまう。この結果、コマ収差のようなレンズ誤差を生
じ、このような誤差は二重レンズ等の複レンズのみによ
り補償することができる。上記レンズ誤差は、棒状のレ
ンズ29叉は30を円形レンズ27の光学軸28上の点
から照射することにより除去することができる。
【0028】図3は本発明による装置の一実施例であっ
て、光学力要素が棒状のレンズの代わりに棒状の凹面鏡
であるような実施例を示している。この場合、ビーム2
1は回動ミラー22の回転軸上の点に焦点を合わされ
る。この点は放物面の一部である凹面鏡31の焦点でも
ある。ビーム21は上記凹面鏡の焦点に焦点を合わされ
るので、ビーム26は反射された後に平行化されてお
り、上記放物面の光学軸に平行な主光線を有している。
かくして、対物系の移動に合わされる前記回動ミラーの
回転により、対物系13に追従するようなビーム26の
平行移動が得られる。
【0029】上記実施例ではビーム21は回動ミラー2
2上に焦点を合わされた。反射面上の塵粒子によるビー
ム反射の大きな減衰を避けるためには、好ましくは当該
鏡の裏面に反射コーティングを設ける。しかしながら、
この場合でも反射面での小さな孔(ピンホール)が依然
として反射ロスの原因となる。このような孔の影響と同
時に塵粒子の影響は、ビーム21が回動ミラー上に正確
に焦点を合わされるのではなく該ミラーの直前叉は直後
に焦点を合わされるようにしてビームが反射面上にスポ
ットを形成するようにし、このスポットが孔叉は塵粒子
の寸法よりも充分に大きくなるようにすれば、大幅に低
減させることができる。しかしながら、ビーム21の焦
点と回動ミラーとの間の距離は大きすぎてはいけない。
何故なら、さもなければ走査レンズ23(図1の場合)
叉は凹面鏡31(図3の場合)が照射される見掛け上の
点が回動ミラーの回転中に過度に変位して、レンズ叉は
鏡の後でのビーム26の方向が変化してしまうからであ
る。
【0030】塵粒子や孔の回動ミラー22への影響は照
射経路に円柱レンズを用いることによっても低減するこ
とができる。円柱レンズを用いた本発明の実施例が図4
に示されている。光学系20からのビーム21は円柱レ
ンズ40により回動ミラー22上の焦点線41上に焦点
を合わされるが、この焦点線は回動ミラーの回転軸と平
行である。この場合、孔叉は塵粒子は線状のスポット4
1の小さな部分を覆うのみであるから、ビームはこのよ
うな孔叉は塵粒子によっては極僅かな程度にしか影響さ
れない。
【0031】走査レンズにより形成されるビーム24が
平行化されたままとなるようにするには、照射経路に第
2の円柱要素を含めなければならない。このためには、
上記走査レンズは円柱レンズ40の円柱軸と平行は円柱
軸を持つ円柱レンズ42でなければならない。また、図
3の装置においても円柱レンズ40を図4の場合と同様
の位置に配置して塵粒子叉は孔の回動ミラー22への影
響を減少させることもできる。この場合、凹面鏡31に
放物面の代わりに放物円柱形状を付与することにより第
2の円柱光学力を持たせるとよい。図3の装置における
円柱レンズ40と放物円柱ミラーとの組み合わせは、ビ
ーム26の幅が回動ミラー22の位置に無関係となると
いう付加的な利点を有している。
【0032】図5は本発明による装置の実施例であっ
て、回動ミラーを省略することにより非常に小型である
実施例を示している。この回動ミラーの機能は回転軸4
4の廻りに回転可能な光学系20により引き継がれてい
る。該光学系20は見掛上回転軸44上の一点からくる
発散ビーム45を出力し、この点は走査レンズ23の焦
点に位置する。上記光学系20は小型で軽量であるの
で、高速走査を達成することができる。走査方向に垂直
なビーム45は当該光学系中の円柱状光学要素により平
行化することができる。この構成は、走査レンズ23も
円柱状にしてレンズを廉価にすることができるという効
果を有している。
【0033】照射ビーム45を走査するために、例えば
図5のbに示すような音響光学叉は電子光学走査装置等
の電子的に駆動される走査装置46を機械的に駆動され
る走査要素に代えて使用することができる。
【0034】ところで、上述した各実施例の多数の要素
を組み合わせることができることは明かであろう。例え
ば、図4及び図5に示した装置を、図1を参照して説明
したように、平面鏡25無しで形成することもできる。
【0035】記録担体1が走査されている間では、対物
系13により形成される焦点スポット11が走査すべき
トラック上の中心に維持されなければならない。この目
的のため、対物系の位置及び傾きは上記トラックに対し
て制御されなければならない。ビーム26の対物系に対
する位置も、対物レンズ10が正しく照射されるように
制御されねばならない。これらの制御のための信号の発
生は、図6及び図7を参照して説明する。
【0036】図6は当該装置における照射経路を概念的
に示している。照射源50は照射ビーム51を出力し、
該ビームは光学系52により平行化されてビーム26と
なり、該ビームが対物レンズ10により情報層2上の焦
点スポット11に焦点を合わされる。なお、上記情報層
の各トラックは図の面に対して垂直に延びている。情報
層2により反射された照射ビームの一部は、ビーム・ス
プリッタ53により前記投射ビーム51から検出ユニッ
ト54に向かって偏向される。このビーム・スプリッタ
はスプリット・キューブ(splitting cube)、回折格子(g
rating)叉は部分透過ミラーであってもよいが、図はビ
ーム・スプリッタの境界のみを示している。上記照射
源、ビーム・スプリッタ、検出ユニット及び多分光学系
の一部は図1の光学系20内に収容される。また、前記
光学系52は走査装置、走査レンズ23及び多分平面鏡
25を有することになる。
【0037】対物系とビーム26との相互位置及び傾き
を制御することができるように、対物レンズの中心とビ
ーム26の主光線との間のX及びY方向のズレ並びに対
物レンズのX及びY軸の廻りの傾きは、これらの位置ズ
レ及び傾きを制御系により取り除くことができるように
測定されなければならない。なお、対物レンズのX軸の
廻りの傾きは傾き角αで示され、同レンズのY軸の廻り
の傾きはβで示される。対物レンズの距離ズレ及び傾き
は例えばヨーロッパ特許第0206396号公報に記載されて
いるような原理に基づいて測定することが可能である。
【0038】上記目的のため、環状の反射器57(環状
ミラー)が対物レンズの周囲に固着されている。この環
状反射器は円錐形、即ち反射面上の垂線は対物レンズ1
0の光学軸に対して平行ではない。この環状反射器はビ
ーム26の対物レンズの入力瞳の外側に入射する環状部
分を反射する。位置を満足がゆく程度に決定するために
は、ビームが上記円錐反射器の外径よりも小さな直径を
持つか、叉はビームの強度が環状反射器を半径方向にわ
たって変化するようにしなければならない。環状反射器
が対物レンズに対して固定されるように、該環状反射器
は図6に示すように内部に対物レンズが固着されるよう
な対物レンズホルダ叉は管継手49の一部を形成するよ
うにするとよい。上記環状反射器は、対物用管継手上に
叉は内に取り付けられる別体の要素であってもよい。図
6に破線で示す反射された環状のビーム56はビーム・
スプリッタ53を介して照射感知検出ユニット54上に
入射し、そこで環状の照射スポットを形成する。
【0039】図7は上記検出ユニット54の正面図であ
る。この図に示したY及びZ軸は図6の構成に関連させ
たものである。当該検出ユニットは幅の狭い中間帯状部
(図示略)により分離された2つの検出リング58及び
59を有し、各リングは4個の検出器61、62、6
3、64及び65、66、67、68を各々有してい
る。また、環状照射スポットの縁は、図7では破線の各
円69により示されている。そして、この照射スポット
の平均直径は前記中間帯状部の直径に等しい。
【0040】上記の8個の検出器の間の照射の分布は、
前記環状ミラー57の相互位置及び傾きに、従って対物
レンズ10とビーム26とのそれらに依存する。対物系
のX叉はY軸の廻りの傾きは、上記環状照射スポット6
9がY叉はZ方向に移動される結果となる。環状ミラー
57のX叉はY軸に沿う変位は環状照射スポット69内
の照射分布の変化を招来する。この変化は、X軸に沿う
変位の場合は検出系の上部が下部よりも多い叉は少ない
量の照射を受けようなものとなる。何故なら、この場合
環状反射器の上記検出要素に対応する部分に入射するビ
ーム26からの照射量がもはや等しくならないからであ
る。同様に、Y軸に沿う変位の場合は検出系の左側部分
が右側部分よりも多い叉は少ない量の照射を受ける。
【0041】上記全検出器の信号を各々大文字Sで表す
と共に、各検出器に対応させて参照数字をインデックス
として付すと、信号SX及びSYで表されるX及びY軸に
沿う変位、並びに信号Sα及びSβで表されるこれら軸
の廻りの傾きは、 SX =(S61+S62+S65+S66)−(S63+S64+S
67+S68) SY =(S62+S63+S66+S67)−(S61+S64+S
65+S68) Sα=(S62+S63+S65+S68)−(S66+S67+S
61+S64) Sβ=(S61+S62+S67+S68)−(S65+S66+S
63+S64) で与えられる。複合信号SX、SY、Sα及びSβは互い
に独立であってクロストークを呈さないから、異なる変
位及び傾きは互いに独立に検出することができる。対物
レンズのZ軸の廻りの回転は環状照射スポット69の変
化の原因とはならないから、検出信号には影響しない。
また、対物レンズがZ軸に沿って僅かに変位しても、照
射スポット69は変化しない。
【0042】対物系と記録担体上のトラックとの間の相
互位置を制御することができるように、対物系により形
成される焦点スポット11のZ軸に沿う位置と情報層2
の位置との間のズレ及び焦点スポット11のX軸に沿う
位置と走査すべきトラックの中心線との間のズレを測定
する必要がある。対物系の位置は検出されたズレを用い
て、照射ビームが情報面上に常に鮮鋭に焦点を合わされ
且つ情報面の凹凸及び傾き並びにトラックの偏心にも拘
らず焦点スポットが所望のトラックに追従するように、
補正される。
【0043】ビームの情報層上への焦点合わせを制御す
る場合の対物系のZ方向の位置は、従来の焦点誤差検出
法を用いて対物レンズと情報層との間の距離として検出
される。例えば、図6の照射経路においては非点収差焦
点誤差検出法を米国特許第4023033号等から既知のよう
に使用することができる。この目的のため、ビーム・ス
プリッタ53と検出ユニット54との間に配置される例
えば非点収差を導入する円柱レンズ叉は回折格子等の部
品(図示略)が、情報層により反射されたビーム55を
非点収差を有するものにする。該ビームは4象限検出器
70により検出されるが、この検出器は前記検出ユニッ
ト54の一部である。図7においては、上記4象限検出
器70の4つの象限が71、72、73及び74なる符
号で示されている。なお、焦点誤差、即ちZ軸に沿う変
位を表す信号SZは、 SZ=(S71+S73)−(S72+S74) で与えられる。
【0044】ビームのラジアル・トラッキングを制御す
る場合のトラックに対する対物系のX方向の位置は、従
来のラジアル・トラッキング誤差検出法を用いて焦点ス
ポットの中心と走査すべきトラックの中心線との間の距
離として検出される。図6の照射経路においては、例え
ば米国特許第4057833号等から既知のプッシュプルトラ
ッキング誤差検出法を用いることが可能である。ラジア
ル・トラッキング誤差、即ちX軸に沿う上記距離を表す
信号SRは、 SR=(S71+S72)−(S73+S74) で与えられる。ラジアル・トラッキング誤差信号は信号
Xと区別するためにSRで示され、該信号SXもX方向
の変位も表すが、この場合は焦点スポットのトラックに
対するものというよりも対物系のビーム26に対するも
のである。
【0045】図4は本発明による装置におけるコイル系
15の実施例を斜視図として示している。このコイル系
は一連のコイル対を有し、各コイル対はコイル軸がZ軸
に平行な上下に同軸的に配置された2つのコイルを有し
ている。図の前面側には2組のコイル対が断面として示
され、一方の対はコイル76及び78を、他方の対はコ
イル77及び79を有している。上記の一連のコイル対
は、対物系を収容するスリット14の両側に前記行程の
長さにわたって2つの平行な列として配置されている。
各対の2個のコイルはプリント回路基板80の上側及び
下側に配置されているので、これらコイルは電気的に容
易に接続することができる。当該装置における光学系並
びに走査装置及びコイル系用の制御手段等の他の要素も
上記基板上に取り付けると共に該回路基板に電気的に接
続することができる。当該コイル系の下側及び上側に
は、対物系13のZ方向における移動を制限し且つ静止
コイルを介して流れる電流がオフされた場合に当該装置
において対物系が外れるのを防止するために、係止部7
5が設けられている。対物系は、好ましくは、コイル系
がスイッチオフされる直前に行程の終点まで移動され、
この点で当該コイル系のスリット14に挿入された例え
ばアーム75’で保持され、これにより装置がスイッチ
オフされた場合に対物系がスリット内で往復運動して損
傷することがありえないようにする。対物系は、1個以
上の係止部をX軸の廻りに回動させて該対物系が係止部
間にクランプされるようにして保持することもできる。
当該装置がしばらくの間記録担体を走査する必要がない
場合は、上述した機構の何れかで対物系を保持して、コ
イル系が対物系をフローティング状態に維持する必要が
なく従って装置のエネルギ消費が低減されるようにする
のが好ましい。
【0046】5Dアクチュエータが対物系を5つの自由
度で動かすことができる方法を電流モデルを参照して簡
単に説明する。このモデルにおいては、軸方向に磁化さ
れた永久磁石は磁石の外周の廻りの帯状電流によって表
される。図8のaは対物系を4個の隣接するコイル76
〜79の中間の位置でY−Z面に沿って切断した断面図
を示し、ここでX軸は図面に垂直且つ背面側に向かって
いる。電流は図の面と垂直に交差する集中された電流と
して簡単な形で図示されており、これら電流は円印7
6’、77’、78’及び79’で示されている。環状
磁石の架空の帯状電流は集中された電流12’及び1
2”として図示されている。図は、コイル77の巻線の
環状磁石に一番近い巻線の電流77’が背面方向に向か
い、その下側のコイル79の電流79’が手前側に向か
う状態を示している。電流が同一方向に流れる要素は相
互に引き合うから、環状磁石の右側部分はコイル77に
より引き寄せられる一方コイル79によっては反発され
る。環状磁石12上の結果としての力、即ちF1及びF
2で示す各力は、結果として+Z方向の力F3となる。
もし、当該対物系の他方の側のコイル76及び78を介
して流れる電流が図示の方向であり且つコイル77及び
79の電流と同一の大きさであるとすると、当該対物系
は両側において同一の上方への力を受ける。電流7
6’、77’、78’及び79’を同時に制御すること
により、対物系のZ軸に沿う位置を制御することができ
る。もし、電流76’及び78’の向きが反転された
ら、当該対物系の左側は下向きの力を受けることになる
一方、右側は上向きの力を受けることになる。対物系の
X軸の廻りの傾動はこのような方法で実現することがで
きる。同様に、対物系は図示の状態に関して電流76’
と77’の方向を反転させることによりY軸に沿って変
位させることができる。
【0047】もし、対物系がX軸に沿って変位された場
合は、電流76’、77’、78’及び79’により環
状磁石上に発生される力は該環状磁石とコイル76、7
7、78及び79の4重体との間の距離の増加によって
減少する。この力の減少を避けるために、対物系がX軸
に沿って変位される間に励磁電流を次のコイル4重体に
徐々に移行させ、これにより励磁電流が当該対物系に一
番近い各コイルを介して常に流れるようにする。例え
ば、図8に示した状況において、対物系が+X方向にコ
イル周期の半分に等しい距離にわたって変位された場合
は、各電流76’、77’、78’及び79’の2分の
1の電流がコイル76、77、78及び79の4重体に
流れ且つ他の半分の電流は同一の方向でこのコイル4重
体の+X方向の次のコイル4重体に流れなければならな
い。次いで、当該対物系が図8のaの状況でコイル周期
の4分の3に等しい距離だけ変位された場合は、各電流
間の比は1/4対3/4となる。なお、上記のコイル周期とは
次から次へと隣合うコイル4重体のX方向の中心間の距
離に等しい距離である。
【0048】次に、対物系のX軸に沿う動きを図8のb
を参照して説明するが、この図は前記5Dアクチュエー
タのX−Y面での断面を示している。この場合、Z軸は
図の面に垂直であって手前方向に向いている。図8のa
の状況において、対物系がX方向にコイル周期の半分だ
け移動したとする。図は第1、第2及び第3のコイル4
重体の上側のコイル76、77;81、82及び83、
84を各々示している。これらコイル4重体の下側のコ
イルは図示されていない。対物系を+X方向に移動させ
るためには、コイル76、77、81及び82の各電流
76’、77’、81’及び82’は図示の向きでなけ
ればならず、対となる上側と下側のコイルは同一方向で
同じ強さの電流を流さねばならない。当該環状磁石の周
部で合成された電流12’と82’及び12’と77’
により各々環状磁石上に発生される吸引力及び反発力が
F4及びF5により示されている。かくして、コイル7
7、82及びこれらの下側の2つのコイルによる環状磁
石12上への結果として得られる力F6は+X方向であ
る。また、環状磁石の左側に位置するコイル76及び8
1を介して流れる電流は当該磁石に対して同一の力を発
生する。このように、電流76’、77’、81’及び
82’による対物系への合計の力は+X方向となる。対
物系がX軸に沿って変位された場合、これら電流は当該
環状磁石に同一の力を発生させるために徐々に他のコイ
ルにより引き継がれねばならない。対物系の中心がコイ
ル81と82との中心を結ぶ線l1に到達した場合は、
コイル81及び82による前進力は零に減少される。こ
の場合、コイル81及び82の機能は次のコイル83、
84により引き継がれ、これによりコイル76、77、
83及び84がX方向への移動を確実に行う。対物系の
中心が線l2に近づくとコイル81及び82が再び前進
力を発生させ、コイル76及び77の機能を引き継ぐ。
【0049】未だ説明していない動き、即ちY軸の廻り
の傾動は、図8のbに示すコイル76、77、81及び
82並びにこれらの下側のコイルにより実現することが
できる。このような傾動に要する電流が図8のcに図示
されているが、この図は対物系の右側に位置する4個の
コイル77、79、82及び85を当該対物系の中心か
ら見た図である。また、環状磁石の仮想電流12’が、
コイル77及び79により当該環状磁石に発生される力
とコイル82及び85により発生される力とから区別す
るために長い矢印で示されている。この場合、環状磁石
の+X方向側の部分、即ち矢印12’の頭側の部分は電
流82’により吸引され電流85’により反発されるの
で、+Z方向の力を受ける。一方、環状磁石の−X方向
側の部分は電流77’により反発されると共に電流7
9’により引きつけられるので−Z方向の力が発生す
る。かくして、両力は対物系をY軸の廻りに傾動させる
ような偶力を発生させる。なお、対物系の左側における
コイル76及び81及びそれらの下側のコイルの電流分
布が等しい同じ向きの偶力を発生させるようなのもであ
るべきであることは明かであろう。もし対物系の中心が
コイル81及び82の中心を結ぶ線l1に近づいた場合
は、これらコイル81及び82の機能は、X方向の変位
の場合と同様に、次のコイル83及び84により引き継
がれ、これによりコイル76、77、83及び84並び
にそれらの下側のコイルがY軸の廻りの傾動を行うよう
にする。
【0050】上記においては、対物系の前記5つの自由
度の中の一つにおける動きを得るために、静止コイル系
のどのコイルが励磁されねばならず且つどの向きの励磁
電流を持つべきであるかを述べた。励磁すべきコイル中
の電流は反対方向の同じ動きを得るには反転されねばな
らないことは明かである。対物系が、例えば変位及び傾
動のように、同時に異なる動きをなさなければならない
場合は、選択されたコイルの各々は該当するコイルがこ
れら別個の動きを実現するために励磁されるべき各電流
の和であるような電流で励磁されなければならない。対
物系が静止している場合は、各コイルは重力の力を補償
するために環状磁石に対してZ方向の力を発生させなけ
ればならない。対物系の重量が小さいため、上記目的の
ために要する電力は通常1ワット以下である。
【0051】記録担体がZ方向に大きな移動を有してい
る場合は、対物系はこの方向に大きな行程を有していな
ければならない。図8のa、b及びcに示すような5D
アクチュエータのZ方向の行程は、例えばヨーロッパ特
許第0233380号公報から既知のように基板80の上及び
下のコイル対の間に追加のコイル行を配置することによ
り増加させることができる。この場合、上記の超過のコ
イルは対物系をX及びY方向に変位させるために実質的
に使用され、また上記コイル対は対物系をZ方向に変位
させると共にX及びY軸の廻りに傾動させるために実質
的に使用される。Z方向の長い行程は、例えばヨーロッ
パ特許出願第0214677号及び第0215498号からも既知のよ
うに、巻線の一部が環状磁石12の上及び下に存在する
ようなコイル系によっても実現することができる。これ
ら巻線は前記コイル対叉は追加のコイル行の一部であっ
てもよい。上記の場合、巻線は対物系をZ方向において
包むことになるので、これら巻線は前記係止部75の機
能を引き継ぐことになる。
【0052】本発明による装置の上述した各実施例にお
いては、各コイルのコイル軸はZ軸に平行である一方、
対物系の永久磁石はZ方向に磁化されている。コイル巻
線の中のスリットに一番近い部分は力を発生するために
重要であるから、スリットから一層離れた部分の傾きは
あまり重要ではない。結果として、Z軸からずれたコイ
ル軸はアクチュエータの動作にあまり影響しない。しか
しながら、スリット側の巻線の密度は、巻線を経る所定
の電流で対物系に最大限の力を発生させるためにできる
限り大きくしなければならない。このことは当該コイル
系の各コイルの断面を矩形にすることにより容易に実現
することができる。当該アクチュエータはX軸に平行な
コイル軸で形成することもできるが、この場合は永久磁
石もX方向に磁化されねばならない。
【0053】対物系の位置及び傾きの制御及び走査装置
の制御は、記録担体が回転される場合に前記焦点スポッ
ト11を当該記録担体から読取られるべきトラックに追
従させることを目的とする。本発明によるこの制御は以
下のようなデータに基づいている。即ち、(1)焦点ス
ポットの位置は対物レンズの位置により実質的に決定さ
れる。(2)走査装置の調整は照射ビームが対物レンズ
を充分に照射しなければならないという要件により決定
される。(3)対物系のX軸に沿う位置は走査装置の傾
きから導出することが可能である。
【0054】図9は、図1の装置における対物系の位置
及び傾きと走査装置とを制御するための回路の一実施例
のブロック図である。前記光学系20内で発生された6
つの信号SX、SY、Sα、Sβ、SZ及びSRは当該回路
において以下のように使用される。焦点スポットが半径
方向(即ち、X方向)において走査すべきトラックから
どのくらい離れて位置しているかを示すラジアル・トラ
ッキング誤差信号SRは、対物系のX方向の位置を該誤
差が最小となるように補正するために使用される。トラ
ックがどの程度焦点からずれているかを示す焦点誤差信
号SZは、対物系のZ方向の位置を補正するために使用
される。対物レンズの光学軸が照射ビームの軸に対して
X及びY軸の廻りの回転で見た場合どの程度の角度で延
びているかを示す信号Sα及びSβは、対物系の傾きを
これらの角度ができる限り小さくなるように制御するた
めに使用される。信号SYは、対物系の中心が照射ビー
ム26の中心に対してY方向にどの程度ずれているかを
示している。当該装置に満足のゆく設計をおこなえば、
照射ビームの中心がコイル系15のスリット14の中心
線上に常に位置するようにすることができる。対物系の
Y方向の位置を信号SYを用いて当該対物系の中心とビ
ームの中心との間の距離が可能な限り小さくなるように
補正することにより、対物系はY方向に見てスリット1
4の中心に維持することもできる。対物系の中心が照射
ビームの中心に対してX方向にどの程度変位しているか
を示す信号SXは、回動ミラー22を照射ビームがX方
向において対物系に可能な限り正確に追従し、これによ
り対物レンズが行程3内の全ての位置において正確に照
射されるように制御するために使用される。回動ミラー
の制御は粗制御であり、前述した米国特許第4363116号
から既知の装置におけるキャリッジの粗制御に取って代
わるものである。
【0055】図9に示すように、光学系20内で発生さ
れた信号SXは増幅及び安定化回路87を介してユニッ
ト88の制御入力端子に供給される。このユニットは回
動ミラー22を回転させるアクチュエータと、該回動ミ
ラー用の角度センサとを有している。このセンサにより
出力される信号SMは回動ミラーの傾きを、従って照射
ビームのX軸に沿う位置を表す。このセンサは光学的な
もの、容量的なもの叉は誘導的なものであってよい。前
記増幅及び安定化回路87は既知の増幅器と回動ミラー
の制御を安定化させるフィルタとを有している。
【0056】信号SR、SY、SZ、Sα及びSβは、増
幅及び安定化回路89ないし93を介してマトリクス回
路94のX、Y、Z、α及びβ制御用の入力端子に各々
供給されるが、上記回路89ないし93の各機能は回路
87の機能と同様である。上記マトリクス回路はヨーロ
ッパ特許第0233380号公報等から既知であり、各入力信
号に関し当該入力信号に応答及び比例して複数の出力電
流を発生し、これら出力電流はコイル系15に供給され
て対応する入力信号に応じた対物系の動きを実現する。
当該回路は上記の5つの入力信号と12個の出力電流と
の間の関係を確立するが、これら関係はマトリクス中の
数値として表すことができる。例えば、対物系のZ位置
用の信号SZは増幅及び安定化回路92を介してマトリ
クス回路94のZ制御用の入力端子に供給される。この
場合、該回路は図8のaに符号76’、77’、78’
及び79’で示す出力電流を発生し、これら電流が対物
系をZ軸に沿って変位させる。上記4つの出力電流は増
幅及び安定化回路92の出力信号に比例する。同様に、
上記の信号SZに係わる4つの電流に加算される4つの
出力電流が信号SY及びSαに関して発生される。結果
としての4つの出力電流は少なくとも5本の線(出力電
流毎に1本及び共通線1本)の束線95を介して交換回
路96に供給される。前記マトリクス回路は信号SR
びSβの各々について8個の出力電流を発生し、これら
の中の4個は図8のbにおいて符号76’、77’、8
1’及び82’で示され基板80の上側のコイルを励磁
するために用いられる。一方、残りの4個の等価な出力
電流は下側のコイルを励磁するために使用される。信号
R及びSβに関連する8個の電流の2系列は2つづつ
加算され、次いで少なくとも9本の線の束線97を介し
て上記交換回路に供給される。
【0057】本発明による装置を満足に動作させるに
は、束線95及び97内の線により供給された電流を上
述したようなやり方でコイル系15の各コイルに流す交
換回路96が必要となる。この交換回路は多少異なるが
概ね従来の方式で構成することができる。対物系13が
図8のbに示すような位置にある場合は、束線95の4
つの電流は図8のaを参照して説明したようにコイル7
6、77、81、82と、それらの下側のコイルとに供
給されねばならない。更に、束線97内の8つの電流の
各々は図8のbを参照して説明したように4重体76、
77、81、82と下側のコイルの4重体との個別のコ
イルに流されねばならない。図8のbにおいて、対物系
13の中心がコイル81及び82の中心を結ぶ先l1
に位置する場合は、束線95の4つの電流はコイル8
1、82とそれらの下側のコイルとを介して流されねば
ならず、束線97の8つの電流はコイル76、77、8
3、84とそれらの下側のコイルとを介して流されねば
ならない。対物系がX軸に沿って変位された場合は、交
換回路は当該対物系が向かって移動している側のコイル
に徐々により多い電流を流すと共に対物系が離れていく
側のコイルにはより少ない電流を流すようにして、当該
コイル系により環状磁石に発生される力が該環状磁石の
位置に無関係になるようにする。コイル及び環状磁石の
形状に依存して、状況に応じて電流を増幅叉は減少させ
て磁力とは無関係に所望の位置を得るようにする必要が
ある。この場合、必要とされる減少及び増幅は各コイル
に矩形の断面を付与することにより低減することができ
る。コイル周期が環状磁石の直径に比して小さい場合
は、励磁される対物系の近傍のコイルの数を増加させ
て、力の妥当な分布が得られるようにして過大な電流強
度を避けるようにする。
【0058】コイルの満足のゆく選択を行うには、前記
交換回路は対物系の位置を知らなければならない。この
情報はユニット88内の位置センサの信号SMから得ら
れ、該信号は照射ビームのX軸に沿う位置と、制御が動
作中の場合は対物系の位置をも示す。前記交換回路は1
2個の端子の入力電流を上述したようなやり方で多数の
出力端子に分配するが、これらの各出力端子は図9のコ
イル系の各コイル用のものである。コイル系のコイルの
数は行程3の長さと、対物系の大きさと、環状磁石の磁
場の強度と、当該制御の所望の精度とにより決まる。図
9の装置においては、対物系の直径は2ないし3コイル
周期に等しく、コイル系の各行は9個のコイル対を有し
ている。この場合、前記交換回路の出力端子の数は36
個となる。
【0059】交換回路96の出力端子は、各入力電流を
増幅するための増幅器ユニット98の同数の入力端子に
接続される。この増幅器ユニットの各出力端子はコイル
系の各コイルに接続されている。これらの接続は信号線
によるか及び/叉は基板80上のプリント導体によりな
される。増幅及び安定化回路、マトリクス回路、交換回
路及び増幅器ユニット等の制御要素は、前記光学系20
及びユニット88と同様に同一の基板80上に設けても
よく、これにより接続の数を減らすと共にコストを低減
する。
【0060】焦点スポットを一連のトラックをスキップ
させて他のトラックへ高速で移動させるためには、対物
系はX方向に短時間内で高速で移動されねばならない。
この高速移動のため、当該装置は、焦点スポットの既知
の現在位置と新たな所望の位置とに基づくサーチ信号S
Sを発生する。このサーチ信号SSはパルス発生器99を
励起する。そして、このパルス発生器により発生された
パルスは加算回路100を介して前記信号SRに加算され
る。このパルスの間は環状磁石にX方向の大きな力が発
生し、この力は先ず対物系を加速し、次いで減速する。
高速変位の終点は通過されたトラックを既知の方法で計
数することにより、叉は終点の直前で記録担体からアド
レス情報を読出すと共にこのアドレスに基づいて対物系
が停止すべき位置を正確に決めることにより決定され
る。
【0061】動作時においては、コイル系は重力を補償
するために環状磁石に対して一定の力を発生しなければ
ならない。図9においては、この力はZ方向である。Z
軸に沿う位置制御の効果は、大きさが対物系の質量とZ
方向の変位用の制御ループの特性に依存する一定の信号
を加算回路102を介して回路101から信号SZに加算する
ことにより改善される。
【0062】本発明による装置は以下のように動作す
る。当該装置が動作状態にされると、照射ビームは先ず
対物系が保持されているコイル系のスリット内の位置に
向かって通過される。次いで、対物系のX及びY方向に
おける位置制御、X及びY軸の廻りの回転制御及び回動
ミラーの傾きの制御が動作状態とされ、ここで重力の補
償が調整されると共に対物系が釈放される。記録担体が
ある場合は、対物系は+Z方向に焦点スポットが情報層
の近くにくるまで移動され、そこでZ方向の焦点制御が
動作状態にされる。最後に、走査されるべきトラックが
サーチされ、その後ラジアル制御が動作状態にされる。
何らかの原因で照射ビームが対物系を見失った場合は、
全ての制御はオフされる。次いで、ビームは行程3にわ
たってX方向に走査される。図6の検出ユニット54が
対物系の反射を測定するやいなや、上記走査は停止さ
れ、制御が再びオンされる。
【0063】制御を動作状態にするためには、対物系の
光学軸とビーム24の主光線との間の角度は比較的小さ
くなければならない。言い替えれば、制御を動作状態に
するためには環状の照射スポット69は検出リング58
及び59に対してその直径の4分の1以上偏心していて
はならない。検出ユニットの捕捉範囲が増加される場合
は、制御を動作状態にするためのスリット内に対物系を
保持する手段の機械的許容度は緩やかになる。このこと
は図6の装置においては検出ユニット54により実現す
ることができる。この検出ユニットはY及びZ軸に平行
な境界線を持つ4象限であって、図7に示す検出リング
58、59と、4象限検出器70と、上記リングの外側
であって符号111〜114及び121〜124で示す検出領域とを
持つものと考えることができる。対物系のX又はY軸の
廻りの傾きは検出ユニット上の照射スポット69のY又
はZ方向のずれを各々引き起こし、このずれは4象限上
の光の分布を測定することにより検出することができ
る。前記領域上に入射する照射により発生される信号を
111〜S114及びS121〜S124と呼べば、検出ユニット
上のY及びZ方向のずれは下記の信号Sα’及びSβ’
により表される。 Sα’=(S122+S62+S66+S112+S72+S123
63+S67+S113+S73)−(S121+S61+S65+S
111+S71+S124+S64+S68+S114+S74) Sβ’=(S121+S61+S65+S111+S71+S122
62+S66+S112+S72)−(S123+S63+S67+S
113+S73+S124+S64+S68+S114+S74
【0064】もっと広い捕捉範囲を持つ装置の制御を動
作状態にする場合には、信号Sα’及びSβ’を傾きα
及びβのための制御部の入力端子に先ず供給し、これに
より光スポットが検出ユニットの中心にくるようにす
る。次いで、信号Sα’及びSβ’を信号Sα及びSβ
に置き換えて、傾きの精細な制御を行う。検出ユニット
の捕捉範囲は検出ユニットの寸法に比例するから、捕捉
範囲はこの寸法によって選択することができる。信号S
α’及びSβ’を発生する電子回路は、各象限において
検出ユニットの前記領域の一部(例えばリング58内の
部分)がこれらの信号を発生するために使用されないな
らば、捕捉範囲に悪影響を及ぼすことなく単純化するこ
とができる。検出リング58及び59のみが使用される
場合は、特に簡単な回路を得ることができる。この場合
には、信号Sα’及びSβ’は各々先に言及した信号S
Y及びSXと同一となる。制御が稼働状態にされると、信
号SY及びSXは先ず傾きα及びβ用の制御部の入力端子
に供給され、その後これら信号はスイッチにより信号S
α及びSβに置き換えられる。
【0065】例えばアナログ的に符号化されたビデオ情
報又はデジタル的に符号化されたデータを持つ記録担体
を読み出すような、ある用途においては、時間誤差又は
ジッタと呼ばれる焦点スポットの接線方向の位置のずれ
を補正する必要がある。そのような補正の構成が図10
に示されている。光学系20内の検出ユニットから得ら
れる情報信号SI はアナログビデオ情報の場合同期情報
も含んでいる。同期分離器105が上記ビデオ情報から同
期情報を取り出し、該同期情報を伴う信号を比較回路10
6に供給する。例えばタイムベース発生器のような発生
器107が固定周波数の信号を発生し、該信号も比較回路1
06に供給される。この比較回路の出力信号ST は上記2
つの信号の間の位相差に比例するから、記録担体が読み
出されている場合は接線時間誤差の目安となる。この時
間誤差は、走査すべきトラックの接線方向における焦点
スポットの位置の修正により補正することができる。図
10の構成においては、この制御は高速制御と低速制御
とに分割されている。高速制御においては、対物系のY
方向における位置は信号STにより制御される。この目
的のため、信号STは増幅及び安定化回路108を介してマ
トリクス回路94のY入力端子に供給され、対物系のY
方向の制御が図9を参照して説明したように実施され
る。高速制御部のみしか有さず、これにより小さな時間
誤差と同様に大きな時間誤差も補正しなければならない
装置においては、対物系がY方向においてコイル系に当
接してしてしまう危険性がある。これを避けるために
は、大きな時間誤差用の低速制御部が設けられ、該制御
部は記録担体の回転速度を補正する。この低速制御部は
信号SY を用い、該信号は対物系がどのくらい遠く照射
ビームに対して中心がずれているかを、従ってコイル系
のスリット14に対して中心がずれているかを示してい
る。信号SY を増幅及び安定化回路109を介してモータ
のシャフトを駆動する制御部110の制御入力端子に供給
することにより、該モータの回転数を、信号SY が可能
な限り小さくなり且つ対物系がスリットの略中心に維持
されるように、制御することができる。
【0066】上述したような制御に要する電子装備は、
増幅及び安定化回路、マトリクス回路、交換回路及び増
幅器ユニットのような異なる要素を小数の回路又は一つ
の回路に集積することにより小型にすることが可能であ
る。また、全ての信号又はそれらの一部をデジタル的に
処理することにより、更に一層の簡素化を達成すること
ができる。この場合、回路要素89ないし101の機能は
1以上の計算ユニットでなすことができる。更に、前記
束線95及び97の線の本数を減少させることもでき
る。また、上記各信号のA/D又はD/A変換は高速で
且つ小さなビット幅で(多くの場合、1ビットで充分で
ある)実現することが可能である。
【0067】本発明による装置は、光学的及び電子磁気
的要素が広い測定及び位置許容度を有しているので装置
を廉価にできるという利点を有している。トラックを走
査する場合に要する焦点スポットの位置決め、従って対
物系の高い精度を上述した制御により達成することがで
きる。この場合、対物系はZ方向においては1ミクロン
以内に、またX方向においては0.1ミクロン以内で所望
の位置に保持される。これらは光学記録担体を走査する
装置の従来の許容度である。走査装置22はこれらの精
度は必要としない。事実、焦点スポットの位置は対物系
に関しては照射ビームの位置とは無関係である。即ち、
唯一の要件は対物系における対物レンズがビームからの
充分な光を受け取るということである。このような理由
により、ビームのX方向及びY方向に関しては1mm程度
の位置精度で充分である。このような精度は上述した実
施例によれば何の問題もなく実現することができる。コ
イル系におけるコイルの位置及び形状のずれの結果とし
ての対物系へのこれらコイルにより発生される力の大き
さ及び方向のずれは、フィードバック制御により完全に
補償することができる。対物系を所定の方向に変位又は
傾動すべく駆動した場合に他の方向へ僅かに変位又は傾
動してしまうというクロストークに対しても上記のこと
が当てはまる。例えば対物系のY方向の位置を表す信号
が当該対物系のX軸の廻りの傾きにより影響されるとい
うような検出ユニット内でのクロストークは非常に小さ
いので、前記各制御には殆ど影響しない。この小さなク
ロストーク及び上記制御による自動補償は、当該装置が
広い許容度を有し、それでいて所要の走査精度を達成す
ることを保証する。
【0068】制御における既知の問題はオフセットの発
生である。これらは、例えば完全には正しくない検出ユ
ニットの位置調整、照射ビーム内の非回転対称強度分
布、又は増幅器のオフセット等が原因である。これらの
オフセットは装置の組立において一度に補償することが
できる。他の例として、定期的に実施される手順におい
て補償をチェックし補正することも可能である。後者
は、トラックを読み取り、デジタル情報を読み取る装置
に通常設けられる誤り訂正システムで読取情報中の誤り
の数を検出することによって実施することができる。誤
りの数は、例えば信号Sαのオフセットによる対物系の
傾きの場合のような、部品の不正確な調整の場合に増加
する。この場合、上記傾きを変化させることにより読取
トラックの情報内の誤りの数が最小となる傾きを決定す
ることができる。このようなオフセットは信号Sαに加
算され、対物系は所望の位置を占めるようになる。な
お、上記のような補償においては、一つの制御の他の制
御へのクロストークを考慮する必要がある。
【0069】上述した装置の全ての実施例はディスク状
の光学記録担体に基づくものであるが、これらは例えば
カードの形状のような非円形の記録担体にも応用するこ
とができる。なお、上述した原理は任意の表面を走査す
る場合にも使用することができるのは明かであろう。当
該装置は、対物レンズの高開口数による高解像度と対物
系用アクチュエータによる高速走査との組合せの利点を
有している。走査すべき面がY方向に移動された場合
は、この動きは対物系のX方向の直線に沿う動きと共に
直行座標系内の表面の像となるので、画像情報の処理を
簡略にする。高開口数と高速との組合せは、なかでも、
生物学的試料を走査するのに非常に適している。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は走査レンズを有する本発明による装置
の一部の斜視図、
【図2】 図2は走査レンズを示し、aは円形レンズの
中央部分の形態の走査レンズ、bは円形レンズの2つの
非中央部分により形成された2つの走査レンズを示す概
念図、
【図3】 図3は凹面鏡を有する装置の一部の斜視図、
【図4】 図4は円柱レンズを有する装置の一部の斜視
図、
【図5】 図5は本発明による他の装置を示し、aは回
動照射源を有する装置を、bは電子的に駆動される走査
装置を示す斜視図、
【図6】 図6は本発明による装置の照射経路の概念
図、
【図7】 図7は本発明における検出ユニットの正面
図、
【図8】 図8は本発明における静止コイル系における
対物系を示し、aは正面図、bは平面図、cは側面図、
【図9】 図9は対物系及び回動ミラー用の制御回路の
回路図、
【図10】 図10は接線方向時間誤差を補正するため
の回路のブロック図である。
【符号の説明】
1…記録担体、 2…情報面、10
…対物レンズ、 12…環状磁石、13
…対物系、 14…スリット、15
…コイル系、 20…光学系、22…
回動ミラー、 23…走査レンズ、25
…平面鏡。

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光学的に面を走査する装置であって、照
    射ビームを供給する照射源と、対物系に設けられて前記
    照射ビームを前記面上に合焦させる対物レンズと、所定
    の行程にわたって前記対物系を変位させる駆動手段とを
    有する装置において、 前記行程の長さに略等しい長さを持つ光学力要素が前記
    照射源と前記対物レンズとの間の照射ビーム経路に配置
    され、 当該装置が前記照射源と前記要素との間に配置されて前
    記照射ビームを前記光学力要素にわたって走査させる走
    査装置を有し、これにより前記照射ビームを前記対物系
    の行程に相当する距離にわたって平行変位させる、こと
    を特徴とする光学的に面を走査する装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の装置において、前記照
    射ビームは前記光学力要素の焦点に焦点を合わされ、該
    焦点が前記照射源側に位置していることを特徴とする光
    学的に面を走査する装置。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の装置において、前記焦
    点が前記照射ビームが走査される軸上に略位置している
    ことを特徴とする光学的に面を走査する装置。
  4. 【請求項4】 請求項1、請求項2叉は請求項3に記載
    の装置において、前記走査装置が回動ミラーを有してい
    ることを特徴とする光学的に面を走査する装置。
  5. 【請求項5】 請求項1、請求項2叉は請求項3に記載
    の装置において、前記走査装置が前記照射源を回動させ
    る手段を有していることを特徴とする光学的に面を走査
    する装置。
  6. 【請求項6】 請求項1ないし請求項5の何れか一項に
    記載の装置において、前記照射ビームの経路に少なくと
    も1個の円柱状光学要素が配置されていることを特徴と
    する光学的に面を走査する装置。
  7. 【請求項7】 請求項1ないし請求項6の何れか一項に
    記載の装置において、前記光学力要素がレンズを有して
    いることを特徴とする光学的に面を走査する装置。
  8. 【請求項8】 請求項7に記載の装置において、前記レ
    ンズが仮想の円形レンズの棒状の非中央部により形成さ
    れ、前記照射ビームが前記円形レンズの光学軸上に焦点
    を合わされることを特徴とする光学的に面を走査する装
    置。
  9. 【請求項9】 請求項1ないし請求項6の何れか一項に
    記載の装置において、前記光学力要素が凹面鏡を有して
    いることを特徴とする光学的に面を走査する装置。
  10. 【請求項10】 請求項1ないし請求項9の何れか一項
    に記載の装置において、平面鏡が前記照射源と前記対物
    レンズとの間に配置されていることを特徴とする光学的
    に面を走査する装置。
  11. 【請求項11】 請求項1ないし請求項10の何れか一
    項に記載の装置において、当該装置が前記走査装置から
    発するビームの方向を決定する検出器を有し、この検出
    器の出力端が前記対物系駆動手段の制御入力端に結合さ
    れていることを特徴とする光学的に面を走査する装置。
  12. 【請求項12】 請求項1ないし請求項11の何れか一
    項に記載の装置において、当該装置が前記対物系の傾き
    を表す信号を発生するための4象限検出器を有している
    ことを特徴とする光学的に面を走査する装置。
  13. 【請求項13】 請求項1ないし請求項12の何れか一
    項に記載の装置において、前記照射ビームの一部を前記
    対物系の位置及び傾きを表す信号を発生するための検出
    ユニットに向けて反射するために略円錐且つ環状の反射
    器が前記対物レンズの周囲に配置されていることを特徴
    とする光学的に面を走査する装置。
  14. 【請求項14】 請求項13に記載の装置において、前
    記対物系を駆動するための永久磁石が当該対物系に設け
    られ、前記駆動手段が前記対物系を相互に垂直な3つの
    軸に沿って電磁的且つ非接触的に駆動すると共に前記対
    物系を前記軸の中の2つの廻りに傾動させるための静止
    コイル系を有し、当該コイル系が前記対物系の両側に前
    記行程にわたって配置された2つの平行なコイル対の列
    を有し、各コイル対が前記対物レンズの光学軸の方向に
    上下に配置された2つのコイルを有していることを特徴
    とする光学的に面を走査する装置。
JP5172441A 1992-06-19 1993-06-18 光学的に面を走査する装置 Withdrawn JPH0660387A (ja)

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