JP2993626B2 - 雑音抑圧装置 - Google Patents

雑音抑圧装置

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JP2993626B2 JP5137035A JP13703593A JP2993626B2 JP 2993626 B2 JP2993626 B2 JP 2993626B2 JP 5137035 A JP5137035 A JP 5137035A JP 13703593 A JP13703593 A JP 13703593A JP 2993626 B2 JP2993626 B2 JP 2993626B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、主にFM受信機などに
おいて受信され処理されるステレオ信号等に含まれる雑
音の抑圧又は除去を行う雑音抑圧装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来、複数の信号線に各信号が伝送され
る伝送系、例えばステレオなどのR(右)及びL(左)
の2つの信号を有する伝送系において、各信号に含まれ
るノイズ成分を抑圧又は除去する方法としては、R信号
及びL信号各々に雑音抑圧装置を設けてノイズ成分を抑
圧又は除去していた。この雑音抑圧装置としては、単に
信号レベル以上のノイズレベルを制限するノイズリミッ
タ、信号を複数の周波数帯域に分割し、又、信号に含ま
れる雑音成分がどのようなものであるか判断し、その判
断結果に基づいて、その雑音成分をカットするようなフ
ィルタ係数を、その周波数帯域毎に設けられた通過帯域
特性が制御可能なバンドパスフィルタ(BPF)供給し
て雑音成分を抑圧した後、各周波数成分を加算する方法
などが用いられている。以上の雑音抑圧装置は、特にノ
イズに関してバランスタイプ伝送系においても同様に適
用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、以上の
ような雑音抑圧の方法では、ノイズ成分が小さい場合、
信号に含まれる雑音成分がどのようなものであるかの判
断が困難となり、十分な雑音抑圧効果が得られないとい
う課題がある。
【0004】本発明は、従来の雑音抑圧装置のこのよう
な課題を考慮し、十分な雑音抑圧効果を得ることができ
る雑音抑圧装置を提供することを目的とするものであ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1の本発明は、バ
ランスタイプの信号伝達系において、各信号線の各々の
信号を検出する信号検出手段と、その検出された各信号
の和を取る和信号作成手段と、検出された各信号の差を
取る差信号作成手段と、その差信号作成手段により作成
された差信号を抑圧又は除去する差信号キャンセル手段
とを備えた雑音抑圧装置である。
【0006】請求項2の本発明は、ノイズ成分に関して
バランスタイプの信号伝達系において、各信号線の各々
の信号を検出する信号検出手段と、その検出された各信
号の和を取る和信号作成手段と、検出された各信号の差
を取る差信号作成手段と、その差信号作成手段により作
成された差信号に含まれるノイズ成分を抑圧又は除去す
るノイズキャンセル手段と、そのノイズ成分が抑圧又は
除去された差信号及び和信号に基づき、各信号線に対応
する信号に分離する信号分離手段とを備えた雑音抑圧装
置である。
【0007】請求項14の本発明は、スペクトルサブト
ラクション法を用いる雑音抑圧又は除去方法において、
パラメータを周波数帯域及びマルチパスに応じて変更す
る雑音抑圧装置である。
【0008】請求項19の本発明は、送信すべき信号及
びその信号が位相反転された反転信号をそれぞれ所定の
信号伝送系に送出する信号送信手段と、信号伝送系によ
り伝送されてきた信号及び反転信号を混合する信号混合
手段と、その混合された混合信号と、信号又は反転信号
とに基づき、信号伝送系において入ってくるノイズを抑
圧又は除去するノイズキャンセル手段とを備え、ノイズ
は、伝送中の信号及び反転信号に同じようにのるもので
ある雑音抑圧装置である。
【0009】請求項20の本発明は、受信手段の同調を
制御する同調制御手段と、受信手段における離調度を検
出する離調度検出手段と、その検出された離調度に応じ
て受信手段により受信された信号に含まれるノイズ成分
を抑圧又は除去するノイズキャンセル手段とを備えた雑
音抑圧装置である。
【0010】請求項21の本発明は、受信手段はTV受
信機であって、そのTV受信機により受信された信号の
うち映像信号からゴーストを検出するゴースト検出手段
と、その検出されたゴーストに基づき、TV受信機によ
り受信された信号のうち音声信号に含まれるノイズ成分
を抑圧又は除去するノイズキャンセル手段とを備えた雑
音抑圧装置である。
【0011】
【作用】請求項1の本発明では、信号検出手段が各信号
線の各々の信号を検出し、和信号作成手段が検出された
各信号の和を取り、差信号作成手段が検出された各信号
の差を取り、差信号キャンセル手段が差信号作成手段に
より作成された差信号を抑圧又は除去する。
【0012】請求項2の本発明では、信号検出手段が各
信号線の各々の信号を検出し、和信号作成手段が検出さ
れた各信号の和を取り、差信号作成手段が検出された各
信号の差を取り、ノイズキャンセル手段が差信号作成手
段により作成された差信号に含まれるノイズ成分を抑圧
又は除去し、信号分離手段がノイズ成分が抑圧又は除去
された差信号及び和信号に基づき、各信号線に対応する
信号に分離する。
【0013】請求項14の本発明では、スペクトルサブ
トラクション法を用いる雑音抑圧又は除去方法に用いら
れるパラメータを、周波数帯域及びマルチパスに応じて
変更する。
【0014】請求項19の本発明では、信号送信手段が
信号及びその信号が位相反転された反転信号をそれぞれ
所定の信号伝送系に送出し、信号混合手段が信号伝送系
により伝送されてきた信号及び反転信号を混合し、ノイ
ズキャンセル手段が、混合された混合信号と、信号又は
反転信号とに基づき、信号伝送系において伝送中の信号
及び反転信号に同じようにのるノイズを抑圧又は除去す
る。
【0015】請求項20の本発明では、同調制御手段が
受信手段の同調を制御し、離調度検出手段が受信手段に
おける離調度を検出し、ノイズキャンセル手段が検出さ
れた離調度に応じて受信手段により受信された信号に含
まれるノイズ成分を抑圧又は除去する。
【0016】請求項21の本発明では、ゴースト検出手
段がTV受信機により受信された信号のうち映像信号か
らゴーストを検出し、ノイズキャンセル手段が検出され
たゴーストに基づき、TV受信機により受信された信号
のうち音声信号に含まれるノイズ成分を抑圧又は除去す
る。
【0017】
【実施例】以下に、本発明をその実施例を示す図面に基
づいて説明する。
【0018】図1は、本発明にかかる第1の実施例の雑
音抑圧装置の構成図である。すなわち、雑音抑圧装置に
は、複数(ここでは2本)の信号線から各信号、例えば
信号Aと信号Bとを検出する信号検出手段1が設けら
れ、その信号検出手段1の出力は、それら信号A及び信
号Bから和信号を作成する和信号作成手段21と、同様
に差信号を作成する差信号作成手段22とで構成される
信号混合部2に接続されている。差信号作成手段22の
出力は、差信号に含まれるノイズ成分を抑圧又は除去す
るためのノイズキャンセル手段3に接続され、そのノイ
ズキャンセル手段3の出力及び前述の和信号作成手段2
1の出力は、和信号及び差信号から各信号(信号Aに対
応して信号A’、信号Bに対応して信号B’とする)を
分離する信号分離手段4に接続されている。
【0019】次に、上記実施例の雑音抑圧装置の動作に
ついて説明する。
【0020】まず、図1における信号伝送系はノイズに
関してバランスタイプ伝送系であり、一方の信号Aには
ノイズeaが含まれており、もう一方の信号Bにはノイ
ズebが含まれているものとする。そうすると、信号検
出手段1により検出された信号は、信号(A+ea)及
び信号(B+eb)により表すことができる。
【0021】次に、それらの信号は信号混合部2により
混合される。すなわち、和信号作成手段21では、和信
号(A+B)+(ea+eb)が作成され、差信号作成手
段22では、差信号(A−B)+(ea−eb)が作成さ
れる。ところが、バランスタイプ伝送系においては、ノ
イズeaとノイズebの絶対値がほぼ等しく、位相は逆で
あるため、和信号のノイズ成分(ea+eb)はほぼ0に
なり、ノイズを除去することができる。従って、和信号
作成手段21から出力される信号は(A+B)となる。
一方、差信号のノイズ成分(ea−eb)はea又はeb
2倍のノイズになり、ノイズ成分がどのようなものであ
るか判断し易くなるため、ノイズの抑圧又は除去がしや
すくなる。
【0022】ここで、差信号(A−B)+(ea−eb
を差信号(A−B)+2・ea として、この差信号がノ
イズキャンセル手段3に入力される。ノイズキャンセル
手段3では、ノイズ成分2・ea がキャンセルされ、差
信号(A−B)’が出力される(ここで、(A−B)’
としたのはノイズをキャンセルするときに信号成分がわ
ずかに変形されるからである)。
【0023】以上のようにしてノイズ成分が抑圧又は除
去された和信号及び差信号は、信号分離手段4に入力さ
れ、そこで入力信号に対応した、信号A’及び信号B’
に分離される。
【0024】なお、上記実施例では、ノイズ成分に関し
てバランスタイプの信号伝達系におけるノイズの抑圧又
は除去について示したが、これに限らず、バランスタイ
プの信号伝達系における各信号の差信号を抑圧又は除去
する構成としてもよい。
【0025】図2は、本発明にかかる第2の実施例の雑
音抑圧装置の構成図である。図2において、図1に示す
第1の実施例と異なる点は、ノイズキャンセル手段3に
ノイズパターンが記憶されたノイズメモリ5が接続され
ている点であり、他の構成は図1と同様である。従っ
て、ノイズキャンセル手段3では、差信号に含まれるノ
イズ成分を抑圧又は除去するときに、このノイズメモリ
5に記憶されたノイズパターンを利用する。その他の基
本的な動作は第1の実施例と同様である。
【0026】図3は、本発明にかかる第3の実施例の雑
音抑圧装置の構成図である。図3において、図2に示す
第2の実施例と異なる点は、ノイズキャンセル手段3に
ノイズキャンセル制御手段6が接続された点であり、他
の構成は図2と同様である。このノイズキャンセル制御
手段6は、ノイズキャンセル手段3がノイズ成分の抑圧
又は除去を行うときに用いるパラメータを出力するもの
である。従って、ノイズキャンセル手段3では、差信号
に含まれるノイズ成分を抑圧又は除去するときに、ノイ
ズメモリ5に記憶されたノイズパターン及び、ノイズキ
ャンセル制御手段6から出力されるパラメータを利用す
る。又、ノイズキャンセル制御手段6とノイズメモリ5
とを接続する点線は、ノイズキャンセル制御手段6から
出力されるパラメータに応じてノイズメモリ5のノイズ
パターンを更新すように構成した変形実施例を示すもの
である。基本的な動作については第1の実施例と同様で
ある。
【0027】図4は、本発明にかかる第4の実施例の雑
音抑制装置の構成図である。図4において、図3に示す
第3の実施例と異なる点は、信号検出手段1に入力され
る信号を得るための電波信号を受信する受信手段7が設
けられ、更にその受信手段7により受信された信号の受
信状態を検出する受信状態検出手段8が設けられている
点であり、その受信状態検出手段8の出力はノイズキャ
ンセル制御手段6に入力されている。ノイズキャンセル
制御手段6は、受信状態検出手段8により検出された受
信状態に基づいて、パラメータをノイズキャンセル手段
3に出力し、又、ノイズメモリ5のノイズパターンを更
新する。ここで、電波信号は例えばFMステレオ放送波
等であり、受信状態とは例えば入力信号レベル、受信電
波の電界強度などである。
【0028】図5は、本発明にかかる第5の実施例の雑
音抑圧装置のブロック図である。本実施例の雑音抑圧装
置はFMステレオ放送波の受信機への応用例である。
【0029】図5において、雑音抑圧装置には、FMス
テレオ放送波を受信し、受信したステレオ信号を右チャ
ネル信号(以後、R信号と呼ぶ)及び左チャネル信号
(以後、L信号と呼ぶ)に分離するためのFM受信部9
が設けられ、そのFM受信部9には、受信信号の電界情
報を検出する電界情報検出手段10が接続され、又、出
力のR信号及びL信号はアナログ信号をデジタル信号に
変換するA/D変換器11に入力されている。
【0030】A/D変換器11はR信号及びL信号か
ら、それらの和信号及び差信号を作成する信号混合部2
に接続され、差信号の出力は、その差信号に含まれるノ
イズ成分を抑圧又は除去するノイズキャンセル手段3に
接続されている。上述の信号混合部2は、和信号を作成
する和信号作成手段が加算器23及び高速ハートレー変
換器(以後、FHTと呼ぶ)25により構成され、差信
号を作成する差信号作成手段が減算器24及びFHT2
6により構成されている。
【0031】信号混合部2の出力(和信号)及びノイズ
キャンセル手段3の出力(ノイズキャンセルされた差信
号)は、和信号及びノイズキャンセルされた差信号に基
づき、R信号及びL信号に相当するR’信号及びL’信
号に分離する信号分離手段4に接続され、その信号分離
手段4の出力は、デジタル信号をアナログ信号に変換す
るD/A変換器12に接続されている。上述の信号分離
手段4は、R’信号を生成する回路が加算器43及び逆
高速ハートレー変換器(以後、IFHTと呼ぶ)45に
より構成され、L’信号を生成する回路が減算器44及
びIFHT46により構成されている。
【0032】一方、電界情報検出器10は、ノイズキャ
ンセル手段3によるノイズ成分の抑圧又は除去を行うと
きに用いるパラメータを出力するノイズキャンセル制御
手段6に接続されている。又、ノイズパターンを記憶し
たノイズメモリ5がノイズキャンセル手段3に接続され
ている。ここで、図4と同様点線で示すように、パラメ
ータによりノイズパターンを更新できる構成としてもよ
い。
【0033】上記のFM受信部9が受信手段であり、電
界情報検出手段10が受信状態検出手段である。
【0034】次に、上記第5の実施例のノイズキャンセ
ル手段3の処理方法の一例について説明する。ここで、
雑音パターンの減算処理は、一定の帯域毎の周波数成分
毎に行われる。
【0035】図17に示すように、まず、FHT26に
より高速ハートレー変換された出力H(k)のパワース
ペクトル|X(k)|2 を次式(数1)により計算する
(ステップS1)。
【0036】
【数1】 |X(k)|2=(H2(k)+H2(N−k))/2 次に、求められたパワースペクトルの平方根を次式(数
2)により計算する(ステップS2)。
【0037】
【数2】 √x=-0.1985987x2+0.8803385x+0.3175231 (10ビット精度) その後、その計算された値及び、雑音生成部(図5では
ノイズメモリ5)から出力されるノイズパターン|W
(k)|に基づき、次式(数3)を用いて雑音スペクト
ルの減算処理を行う(ステップS3)。
【0038】
【数3】 S(k)=H(k)*(1−α|W(k)|/|X(k)|) S(N−k)=H(N−k)*(1−α|W(k)|/|X(k)|) 但し(1−α|W(k)|/|X(k)|)≧βに補正 α、βの設定 α:0.5 (極微弱電界時) 0.9 (強電界時) β:0.2〜0.6 ここで、αは、雑音パターンを減算する際の減算量を決
めるキャンセル係数であり、βは、雑音除去による悪影
響をできるだけ抑えるために、雑音をキャンセルする際
のキャンセル係数を制御するクランプ係数である。
【0039】次に、上記第5の実施例の雑音抑圧の原理
について説明する。
【0040】いま、ノイズを含む右ch信号をR’、左
ch信号をL’とし、雑音の含まれていない各信号を
R、L、雑音をER、ELとすると、
【0041】
【数4】R’=R+ER
【0042】
【数5】L’=L+EL ここで、(R’+L’)、(R’−L’)を考える。
【0043】
【数6】 A=(R’+L’)/2=(R+L)/2+(ER+EL)/2
【0044】
【数7】 B=(R’−L’)/2=(R−L)/2+(ER−EL)/2 聴感実験の結果、Aの信号の雑音レベルは極めて少な
く、Bの信号の雑音レベルは極めて大きくなっているこ
とが確認できた。
【0045】従って、ER+EL≒0 とすると、
【0046】
【数8】ER≒−EL となり、(数6)、(数7)及び(数8)から、次式が
得られる。
【0047】
【数9】A≒(R+L)/2
【0048】
【数10】 B≒(R−L)/2−EL≒(R−L)/2+ER 次に、(数10)の状態で雑音抑圧を行い(EL’、
R’)、A+B、A−Bを求める。
【0049】
【数11】 A+B=(R+L)/2+(R−L)/2−EL’ =R−EL’=R+ER
【0050】
【数12】 A−B=(R+L)/2−((R−L)/2−EL’) =L+EL’ (数11)、(数12)は、(数4)、(数5)より雑
音が減少している。
【0051】次に、以上の雑音抑圧の詳細について説明
する。
【0052】各信号R、L及び各雑音ER、ELに対し
て、雑音抑圧後の各信号及び各雑音をそれぞれRS
S、ERS、ELSとすると、(数7)を雑音抑圧した場
合、次式(数13)に示すようになる。
【0053】
【数13】 B’=(RS−LS)/2+(ERS−ELS)/2 次に、A+B’、A−B’を求める。
【0054】
【数14】A+B’=(R+RS)/2+(L−LS)/
2+(ER+ERS+EL−ELS)/2
【0055】
【数15】A−B’=(R−RS)/2+(L+LS)/
2+(ER−ERS+EL+ELS)/2 ここで、ER=−ELS=R−RSDSD:誤キャンセル分 LS=L−LSDSD:誤キャンセル分 とすると、
【0056】
【数16】 A+B’=R−RSD/2+LSD/2+(ERS−ELS)/2 =R+(LSD−RSD)/2+(ERS−ELS)/2
【0057】
【数17】 A−B’=L−(LSD−RSD)/2−(ERS−ELS)/2 次に、Rch、Lchの信号を別々に雑音抑圧する。
【0058】
【数18】RS’=R−RSD’+ERS
【0059】
【数19】LS’=L−LSD’+ELS’ 上記(数16)、(数18)及び(数17)、(数1
9)を比較して、雑音抑圧の影響を考える。
【0060】抑圧誤差分は、(LSD−RSD)/2 と
SD’、LSD’では、
【0061】
【数20】 |(LSD−RSD)/2|<|RSD’|、|LSD’| であることが推測される。
【0062】
【数21】∵ |L−R|<|L|、|R| (通常、LとRの同相成分があるとすれば上式は成り立
つ)クランプ係数をβ=50%とした場合(数21)よ
り、左辺の方が小さくなることがわかる。従って、信号
成分の影響度合は小さくなる。
【0063】次に、(数16)、(数18)及び(数1
7)、(数19)の残留雑音成分を考える。(ERS−E
LS)/2 と ERS’、ELS’では、
【0064】
【数22】(ERS−ELS)/2 ≒ ERS’、ELS’ であることが推測されるが、(数20)より信号成分へ
の影響が小さいことにより、雑音抑圧度を大きいめに設
定することが可能である。
【0065】又、(数7)より(ER−EL)の成分は、
R、ELより大きくなっており、雑音成分の特定がやり
易くなる。従って、雑音はL、Rでは互いに逆相成分を
多く含んでいる。例えば、(数6)、(数7)を比較す
ることで雑音成分の特定が行える。通常、|R+L|<
|R−L|である(逆相成分がない場合)ノイズを多く
含むと次のようになる。
【0066】
【数23】|A|<|B| 以上のことより、L’−R’を求めることで逆相成分の
雑音を特定でき効果的に雑音抑圧を行えるとともに、
L’−R’での雑音抑圧は原信号に与える影響を小さく
することができる。
【0067】次に、上記第5の実施例の雑音抑圧装置の
動作について説明する。
【0068】まず、FM受信部9により受信されたステ
レオ信号は、R信号とL信号に分離されてA/D変換器
11に出力される。A/D変換器11では、R信号及び
L信号がそれぞれデジタル信号に変換され、信号混合部
2に入力される。ここで、R信号及びL信号には、絶対
値がほぼ等しく位相が逆のノイズ成分がそれぞれ含まれ
ているとする。
【0069】そうすると、加算器23では、R信号とL
信号とが加算され、その結果、前述したようにノイズ成
分は互いに打ち消しあってほぼ0になり、和信号(R+
L)になる。その後、和信号(R+L)は、雑音パター
ンを処理し易くするためにFHT25により高速ハート
レー変換される。一方、減算器24では、R信号とL信
号とが減算され、その結果、ノイズ成分は約2倍とな
り、差信号(R−L)+2倍のノイズ成分となる。その
後、この差信号(R−L)+2倍のノイズ成分はFHT
26により高速ハートレー変換される。ここで、FHT
の出力であるH(k)は、次式(数24)を用いて算出
される。
【0070】
【数24】
【0071】次に、和信号(R+L)は、ノイズが除去
されているので、そのまま信号分離手段4に入力され
る。一方、差信号(R−L)+2倍のノイズ成分は、ノ
イズ成分を抑圧又は除去するためにノイズキャンセル手
段3に入力される。
【0072】一方、ノイズキャンセル制御手段6は、電
界情報検出器10により検出された受信信号の電界情報
(単なる入力信号レベルでもよい)に基づいて、パラメ
ータをノイズキャンセル手段3に出力する。又、ノイズ
メモリ5から電界情報に応じたノイズパターンがノイズ
キャンセル手段3に読み込まれる。前述のパラメータ
は、例えば差信号に含まれるノイズ成分からノイズパタ
ーンを減算する場合に、電界情報に応じて減算の度合を
変化させて、減算による信号への影響をできるだけ少な
くしてノイズ成分を抑圧できるようにする。更に、この
パラメータをノイズパターンに乗じるパラメータのキャ
ンセル係数αとすれば、電界情報をアンテナ入力レベル
として、アンテナ入力レベルが相対的に大きい場合はキ
ャンセル係数αの値を大きくし、反対にアンテナ入力レ
ベルが相対的に小さい場合はキャンセル係数αの値を小
さくする。
【0073】上記のノイズパターンとして、例えば図6
(a)、(b)、(c)に示すような、各入力信号レベ
ルに対するノイズパターンを求めてノイズメモリ5に記
憶し、検出された入力信号レベルに対するノイズパター
ンは、記憶されたノイズパターンから補間法などにより
求めるようにすればよい。
【0074】このようにしてノイズ成分が抑圧された差
信号(R−L)’(ノイズキャンセル手段3による信号
の変形があるため(R−L)’で表す)は、信号分離手
段4に入力される。信号分離手段4では、和信号(R+
L)及び差信号(R−L)’が加算器43により加算さ
れた後、IFHT45によって逆ハートレー変換され、
又、和信号(R+L)及び差信号(R−L)’が減算器
44により減算された後、IFHT46によって逆ハー
トレー変換され、その結果、IFHT45からはR信号
に相当するR’信号が出力され、IFHT46からはL
信号に相当するL’信号が出力される。それらR’信号
及びL’信号は、D/A変換器12によってアナログ信
号にそれぞれ変換される。
【0075】なお、上記第5の実施例では、信号混合部
2での高速ハートレー変換の処理を信号の混合後に行う
構成としたが、これとは逆に、信号の混合前に高速ハー
トレー変換の処理を行う構成としてもよい。
【0076】また、上記第5の実施例では、信号分離手
段42での逆高速ハートレー変換の処理を信号の分離後
に行う構成としたが、これとは逆に、信号の分離前に逆
高速ハートレー変換の処理を行う構成としてもよい。
【0077】また、上記第5の実施例では、ノイズキャ
ンセル手段3を差信号の系統のみに設けたが、これに限
らず、和信号の系統にも設けてもよい。
【0078】また、上記第5の実施例では、電界情報は
入力信号レベルとし、各入力信号レベルに対するノイズ
成分の抑圧又は除去を行う構成としたが、これに限ら
ず、例えば、電界情報をマルチパスとし、マルチパスの
影響によるノイズ成分を抑圧又は除去する構成としても
よい。この場合、ノイズパターンは各マルチパスに対す
るノイズパターンを用いればよい。
【0079】また、上記第5の実施例では、差信号(R
−L)を常にノイズキャンセルの対象としたが、これに
代えて、例えば、図15に示すように、和信号(R+
L)の大きさ|R+L|と差信号(R−L)の大きさ|
R−L|とを比較し(ステップS1)、比較の結果、差
信号(R−L)の方が大きい場合は差信号(R−L)を
ノイズキャンセルの対象とし(ステップS2)、逆に和
信号(R+L)の法が大きい場合は所定の定数k、例え
ば0.5を和信号(R+L)に乗じ、そのk×|R+L
|と|R−L|とを比較する(ステップS3)。比較の
結果、k×|R+L|の方が大きい場合は、差信号(R
−L)を増強するか又は和信号(R+L)をノイズキャ
ンセルの対象とし(ステップS4)、逆にk×|R+L
|の方が小さい場合はそのままとするようにしてもよ
い。
【0080】図7は、本発明にかかる第6の実施例の雑
音抑圧装置の構成図である。本実施例の雑音抑圧装置
は、例えば図5の信号分離手段4の出力とD/A変換器
12の入力との間に、片方又は両方の信号に対して設け
る。
【0081】図7において、雑音抑圧装置には、信号分
離手段から入力される信号に含まれるノイズ成分を抑圧
又は除去する信号ノイズキャンセル手段13が設けら
れ、その信号ノイズキャンセル手段13の出力及び信号
分離手段から入力される信号を混合するミキサー15が
設けられている。信号ノイズキャンセル手段13には、
電界情報に基づいてノイズを生成するノイズ生成手段1
4が接続され、又、ミキサー15は電界情報に応じて、
前述の2つの信号の混合割合を変更する。
【0082】ここで、電界情報はマルチパスであり、そ
のマルチパスに基づいて、ノイズ生成手段14からノイ
ズパターンを信号ノイズキャンセル手段13に出力して
信号分離手段から出力された信号に含まれるノイズ成分
を抑圧する。ノイズ生成手段14は、例えばマルチパス
に対するノイズパターンを記憶したノイズメモリであ
る。ミキサー15は、信号分離手段からの信号と、その
信号のノイズ成分が抑圧された信号とを、マルチパスに
基づいて混合割合を変更して混合する。この混合割合は
マルチパスが大きく発生している部分では、ノイズ抑圧
後の信号の割合を増加させ、マルチパスが小さい部分で
は、信号分離手段からの信号の割合を増加させる。
【0083】図8は、本発明にかかる第7の実施例の雑
音抑圧装置の構成図である。本実施例では、ノイズメモ
リを、静的雑音のノイズパターンが記憶された静特性ノ
イズメモリ51及びマルチパスの影響による雑音のノイ
ズパターンが記憶されたマルチパスノイズメモリ52に
より構成し、ノイズキャンセル手段3によるノイズ成分
の抑圧は、受信状態検出手段8により検出された受信状
態(ここでは、アンテナ入力レベル)に応じて、ノイズ
選択手段50により、アンテナ入力レベルが小さい場合
は静特性ノイズメモリ51を選択し、アンテナ入力レベ
ルが大きい場合はマルチパスノイズメモリ52を選択し
て、その選択されたノイズメモリのノイズパターンを用
いて行われる。この選択のアンテナ入力レベルの基準
は、例えばFM受信機の場合、約30dBμである。
又、基本的な動作は前述の場合と同様である。
【0084】図9は、本発明にかかる第8の実施例の雑
音抑圧装置の構成図である。本実施例では、ノイズメモ
リを、(L+R)信号に含まれるノイズ成分のノイズパ
ターンが記憶されたモノラルノイズメモリ53、(L−
R)信号に含まれるノイズ成分のノイズパターンが記憶
されたステレオノイズメモリ54及び、マルチパスの影
響による雑音のノイズパターンが記憶されたマルチパス
ノイズメモリ55により構成している。又、ノイズキャ
ンセル手段3は、FM受信部9のステレオ復調器(図示
省略)から出力されるR信号及びL信号の各信号系に設
けられている。このノイズキャンセル手段3によるノイ
ズ成分の抑圧は、電界情報検出器10により検出された
電界情報(ここでは、アンテナ入力レベル)に応じて、
メモリ切り換え手段60により、ノイズメモリを切り換
えて最適なノイズパターンを選択して行われる。この切
り換えの条件は、ステレオ復調器からステレオパイロッ
ト信号が出力されないか(すなわち、モノラル信号)、
アンテナ入力レベルが小さい場合はモノラルノイズメモ
リ53が選択され、ステレオパイロット信号が出力さ
れ、且つアンテナ入力に19kHz、38kHz信号が
含まれていない場合はステレオノイズメモリ54が選択
され、ステレオパイロット信号が出力され、且つアンテ
ナ入力に19kHz、38kHz信号が含まれている場
合はマルチパスノイズメモリ55が選択される。
【0085】図10は、本発明にかかる第9の実施例の
雑音抑圧装置の構成図である。本実施例では、中間周波
数レベル検出手段91によってFM受信部9の中間周波
数信号から受信状態(ここでは、中間周波数信号レベ
ル)を検出し、パイロット信号検出手段92によって中
間周波数信号からステレオパイロット信号(19kHZ
成分及びその倍数の周波数成分)を検出する。検出され
た中間周波数信号(IF)レベル及びステレオパイロッ
ト信号(SP)は、信号判定器93により信号状態が判
定されてノイズキャンセル制御手段6に入力される。ノ
イズキャンセル制御手段6は判定結果に応じてパラメー
タをノイズキャンセル手段3に出力する。図11に示す
ように、ノイズキャンセル制御手段6は、信号判定器9
3の判定結果が、中間周波数信号(IF)レベルが大で
ステレオパイロット信号(SP)が小のとき(図11の
A)、パラメータの1つであるキャンセル係数αを小〜
中に設定し、IFレベルが大でSP信号が大のとき(図
11のB)、キャンセル係数αを中に設定し、IFレベ
ルが小でSP信号が小のとき(図11のC)、キャンセ
ル係数αを小に設定し、IFレベルが小でSP信号が大
のとき(図11のD)、キャンセル係数αを大に設定す
る。
【0086】図12は、本発明にかかる第10の実施例
の雑音抑圧装置の構成図である。本実施例では、信号を
比較的長距離の信号伝送系により伝送する場合に、その
信号伝送系の途中に混入するノイズを除去するためのも
のである。図11において、信号伝送系102に信号を
送出する信号送信手段101には、信号の位相を反転さ
せる位相反転手段105が設けられ、信号S及び反転信
号(−S)が送出される。
【0087】信号伝送系102を伝送される途中で信号
S及び反転信号(−S)にノイズNが発生すると、信号
伝送系102の各伝送線の配置などがほぼ同じ条件とし
て、伝送されてきた信号は(S+N)と(−S+N)に
なる。信号(S+N)と(−S+N)は、信号混合手段
103により加算されて1/2にされる。そうすると、
信号S及び反転信号(−S)は打ち消しあいノイズNの
みが出力される。ノイズキャンセル手段104では、信
号(S+N)と信号混合手段103からのノイズNが減
算され、ノイズNが除去されて信号Sのみが出力され
る。
【0088】なお、上記第10の実施例では、ノイズキ
ャンセル手段104は、信号(S+N)から信号混合手
段103の出力のノイズNを減算したが、これに代え
て、ノイズNから信号(−S+N)を減算する構成とし
てもよい。
【0089】図13は、本発明にかかる第11の実施例
の雑音抑圧装置の構成図である。本実施例では、受信手
段7の同調は同調制御手段121により自動的に同調制
御され、その際の受信手段7の離調度を離調度検出手段
122により検出する。ノイズ予測制御器123及びノ
イズ発生器124では、その検出された離調度に基づい
て、離調に対するノイズパターンを発生させ、ノイズキ
ャンセル手段3に出力する。ノイズキャンセル手段3
は、それに応じて離調により生じるノイズ成分を抑圧す
る。このように、離調度が大きくなるとノイズも大きく
なるが、離調によるノイズを抑圧することができる。
又、離調度の検出はシンセサイザ同調制御の同調制御信
号を利用して行うようにしてもよい。
【0090】図14は、本発明にかかる第12の実施例
の雑音抑圧装置の構成図である。本実施例では、受信手
段がTV受信機131の場合を示している。TV受信機
131の映像信号からゴースト検出手段132によりゴ
ーストを検出し、その検出されたゴーストに基づいて、
ノイズ予測制御器133及びノイズ発生器134により
マルチパスに対するノイズパターンを発生させる(TV
におけるゴーストは、マルチパスにより発生する)。ノ
イズキャンセル手段3は、TV受信機131の音声信号
に対して設けられ、ノイズ発生器134から出力された
ノイズパターンに応じて、音声信号に含まれるマルチパ
スに対するノイズ成分を抑圧する。
【0091】図16は、上記実施例で用いられるノイズ
キャンセル手段3において、信号を帯域分割してノイズ
の抑圧又は除去を行う場合の一例の構成を示す図であ
る。
【0092】図16において、ノイズ成分(ここではマ
ルチパスの影響によるノイズを対象としている)を含む
信号が、帯域デバイダ161によって複数個(この例で
は4個)の周波数帯域に分割され、その分割された信号
が帯域毎に設けられたノイズキャンセル手段の1種であ
るスペクトルサブトラクション162にそれぞれ入力さ
れる。図17にスペクトルサブトラクション処理のフロ
ー図を示す。図17において、ノイズが重畳する差信号
入力の周波数軸信号H(k)〔高速ハートレー変換信号
(FHT)〕は、パワースペクトル計算処理S1した後
に、平方根計算処理S2されてパワースペクトルに変換
される。このパワースペクトル信号は、雑音スペクトル
減算処理S3に入力され、一方ノイズメモリ(雑音生成
部)のメモリ出力であるノイズパワースペクトル|W
(k)|も雑音スペクトル減算処理S3に入力されて、
|H(k)|−α|W(k)|=S(k)のノイズ減算
処理がなされてノイズ抑圧された信号のパワースペクト
ルS(k)を出力する。そして、ノイズ抑圧された信号
のパワースペクトルは、次処理の逆高速ハートレー変換
処理(IFHT、図示せず)されて周波数軸信号から時
間軸信号に変換される。ここで、αはキャンセル係数で
あり、ノイズ減算率を制御する係数である。このキャン
セル係数αは、ノイズキャンセル制御手段6からの制御
出力により制御されるものであり、ノイズ減算率を大き
くする場合はキャンセル係数αが大きくなるように制御
し、反対にノイズ減算率を小さくする場合はキャンセル
係数αが小さくなるように制御する。
【0093】一方、マルチパス検出手段などにより検出
されたマルチパスがノイズキャンセル制御手段163に
入力され、ノイズキャンセル制御手段163は、そのマ
ルチパスに基づいて、スペクトルサブトラクション16
2でのマルチパスに対するノイズの抑圧を行わせるよう
に制御する。この制御は、例えばスペクトルサブトラク
ション162におけるパラメータのキャンセル係数α及
びクランプ係数βを制御する。又、図示していないがノ
イズの抑圧は、ノイズメモリに記憶されたマルチパスに
対するノイズパターンを利用する。
【0094】なお、上記実施例では、ノイズキャンセル
手段3の例としてスペクトルサブトラクションによる方
法を示したが、これに限らず、例えば適応フィルタ、バ
ンドパスフィルタ、ミューティング方法等を用いてもよ
い。
【0095】
【発明の効果】以上述べたところから明らかなように本
発明は、各信号の和を取る和信号作成手段と、検出され
た各信号の差を取る差信号作成手段と、その差信号作成
手段により作成された差信号に含まれるノイズ成分を抑
圧又は除去するノイズキャンセル手段とを備えているの
で、雑音成分が小さい場合でも十分な雑音抑圧効果を得
ることができるという長所を有する。
【0096】また、信号伝送系により伝送されてきた信
号及び反転信号を混合する信号混合手段と、その混合さ
れた混合信号と、信号又は反転信号とに基づき、信号伝
送系において入ってくるノイズを抑圧又は除去するノイ
ズキャンセル手段とを備えているので、信号伝送系にの
ってくるノイズを除去できるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる第1の実施例の雑音抑圧装置の
構成図である。
【図2】本発明にかかる第2の実施例の雑音抑圧装置の
構成図である。
【図3】本発明にかかる第3の実施例の雑音抑圧装置の
構成図である。
【図4】本発明にかかる第4の実施例の雑音抑圧装置の
構成図である。
【図5】本発明にかかる第5の実施例の雑音抑圧装置の
ブロック図である。
【図6】同図(a)、(b)、(c)は、各入力信号レ
ベルに対するノイズパターンの例を示す図である。
【図7】本発明にかかる第6の実施例の雑音抑圧装置の
構成図である。
【図8】本発明にかかる第7の実施例の雑音抑圧装置の
構成図である。
【図9】本発明にかかる第8の実施例の雑音抑圧装置の
構成図である。
【図10】本発明にかかる第9の実施例の雑音抑圧装置
の構成図である。
【図11】第9の実施例におけるノイズキャンセル制御
手段6の動作を示す図である。
【図12】本発明にかかる第10の実施例の雑音抑圧装
置の構成図である。
【図13】本発明にかかる第11の実施例の雑音抑圧装
置の構成図である。
【図14】本発明にかかる第12の実施例の雑音抑圧装
置の構成図である。
【図15】ノイズキャンセル手段におけるノイズのキャ
ンセル方法の一例を示す流れ図である。
【図16】ノイズキャンセル手段の一例の構成を示す図
である。
【図17】ノイズキャンセル手段の一例の動作を示す流
れ図である。
【符号の説明】
1 信号検出手段 2 信号混合部 3 ノイズキャンセル手段 4 信号分離手段 5 ノイズメモリ 6 ノイズキャンセル制御手段 7 受信手段 8 受信状態検出手段 21 和信号作成手段 22 差信号作成手段
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H04B 1/10 H04B 15/00 H04H 5/00 H04N 5/21

Claims (16)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ノイズ成分に関してバランスタイプの信
    号伝達系において、各信号線の各々の信号を検出する信
    号検出手段と、その検出された各信号の和を取る和信号
    作成手段と、前記検出された各信号の差を取る差信号作
    成手段と、その差信号作成手段により作成された差信号
    に含まれるノイズ成分を抑圧又は除去するノイズキャン
    セル手段と、そのノイズ成分が抑圧又は除去された差信
    号及び前記和信号に基づき、前記各信号線に対応する信
    号に分離する信号分離手段と、前記ノイズキャンセル手
    段による前記ノイズ成分の抑圧又は除去に用いるノイズ
    パターンを記憶するノイズメモリとを備え、前記ノイズ
    キャンセル手段は前記差信号作成手段から作成されるノ
    イズが重畳した差信号パターンから前記ノイズメモリに
    あらかじめ記憶された前記差信号パターンに重畳するノ
    イズに等しいノイズパターンを減算処理することを特徴
    とする雑音抑圧装置。
  2. 【請求項2】 ノイズキャンセル手段による前記ノイズ
    成分の抑圧又は除去に用いるパラメータを出力するノイ
    ズキャンセル制御手段を備えたことを特徴とする請求項
    記載の雑音抑圧装置。
  3. 【請求項3】 ノイズメモリの前記ノイズパターンは、
    前記パラメータにより更新され、前記ノイズキャンセル
    制御手段のパラメータ出力は前記ノイズキャンセル手段
    及び前記ノイズメモリに入力されることを特徴とする
    求項2記載の雑音抑圧装置。
  4. 【請求項4】 各信号線の前記各々の信号を得るための
    信号を受信する受信手段と、その受信手段の受信状態を
    検出する受信状態検出手段とを備え、前記ノイズキャン
    セル制御手段は、前記受信状態検出手段により検出され
    た受信状態に応じて、前記パラメータを出力することを
    特徴とする請求項2、又は3記載の雑音抑圧装置。
  5. 【請求項5】 受信状態検出手段は、受信信号のレベル
    を検出するものであり、前記ノイズキャンセル制御手段
    は、その検出レベルが相対的に小さい場合は、ノイズパ
    ターンを減じるようなパラメータを出力するものである
    ことを特徴とする請求項4記載の雑音抑圧装置。
  6. 【請求項6】 受信手段により受信されたアナログ信号
    をデジタル信号に変換するA/D変換器と、前記信号分
    離手段から出力されるデジタル信号をアナログ信号に変
    換するD/A変換器とを備え、前記ノイズ成分の抑圧又
    は除去はデジタル信号により行われることを特徴とする
    請求項4記載の雑音抑圧装置。
  7. 【請求項7】 受信手段はステレオ信号を受信する受信
    機であり、前記受信状態検出手段は、前記ステレオ信号
    のL信号及びR信号を検出することを特徴とする請求項
    4、又は6記載の雑音抑圧装置。
  8. 【請求項8】 前記受信状態検出手段では|R+L|>
    |R−L|でない場合は、(R−L)をノイズの抑圧又
    は除去の対象とし、それ以外の場合は、(R+L)をノ
    イズの抑圧又は除去の対象とするか、(R−L)を増強
    するか、ノイズの抑圧又は除去をしない制御信号を出力
    し、前記受信状態検出手段からの制御出力信号は前記ノ
    イズキャンセル制御手段に入力されてノイズの抑圧又は
    除去を制御することを特徴とする請求項7記載の雑音抑
    圧装置。
  9. 【請求項9】 受信手段により受信された信号から、マ
    ルチパスを検出するマルチパス検出手段と、前記信号分
    離手段から出力される各信号に含まれるノイズ成分をそ
    れぞれ抑圧又は除去する信号ノイズキャンセル手段とを
    備え、前記信号ノイズキャンセル手段は、前記検出され
    たマルチパスに基づいて、前記ノイズ成分の抑圧又は除
    去を行うことを特徴とする請求項4、6、又は7記載
    雑音抑圧装置。
  10. 【請求項10】 信号ノイズキャンセル手段は、前記各
    信号各々について、前記マルチパスに基づいてノイズ成
    分の抑圧又は除去を行う雑音キャンセル手段と、その雑
    音キャンセル手段の出力信号及び前記各信号とを前記マ
    ルチパスに基づいて、混合して出力するミキサーとを有
    することを特徴とする請求項9記載の雑音抑圧装置。
  11. 【請求項11】 ノイズキャンセル手段は、信号を所定
    の周波数帯域に分割する帯域分割手段と、その分割され
    た帯域毎に設けられたノイズキャンセル部とを有するこ
    とを特徴とする請求項4、6、7、又は9記載の雑音抑
    圧装置。
  12. 【請求項12】 スペクトルサブトラクション法を用い
    る雑音抑圧又は除去方法において、パラメータを周波数
    帯域及びマルチパスに応じて変更することを特徴とする
    雑音抑圧装置。
  13. 【請求項13】 ノイズメモリは静的雑音のノイズパタ
    ーンを記憶する静特性ノイズメモリ及びマルチパスの影
    響による雑音のノイズパターンを記憶するマルチパスノ
    イズメモリを有するものであり、前記受信状態検出手段
    は受信信号レベルを検出するものであって、その検出さ
    れた受信信号レベルが所定値以下の場合は、前記静特性
    ノイズメモリのノイズメモリを選択し、前記受信信号レ
    ベルが前記所定値以上の場合は、前記マルチパスノイズ
    メモリのノイズパターンを選択するノイズ選択手段を備
    えたことを特徴とする請求項4記載の雑音抑圧装置。
  14. 【請求項14】 ノイズメモリは異なるノイズパターン
    をそれぞれ記憶する複数のメモリを有するものであっ
    て、前記受信状態検出手段により検出された受信状態及
    び前記受信手段により受信されたステレオパイロット信
    号に基づき、前記複数のメモリを切り換えるメモリ切り
    換え手段を備えたことを特徴とする請求項7記載の雑音
    抑圧装置。
  15. 【請求項15】 異なるノイズパターンは、前記L信号
    及びR信号による(L+R)信号に含まれる雑音、(L
    −R)信号に含まれる雑音及び、マルチパスの影響によ
    る雑音の各々のノイズパターンであることを特徴とする
    請求項14記載の雑音抑圧装置。
  16. 【請求項16】 受信手段により出力される中間周波数
    信号から受信状態を検出する中間周波数レベル検出手段
    と、前記中間周波数信号から前記ステレオパイロット信
    号を検出するパイロット信号検出手段とを備え、前記ノ
    イズキャンセル制御手段は、前記検出された受信状態及
    びステレオパイロット信号に基づき、パラメータを出力
    することを特徴とする請求項7記載の雑音抑圧装置。
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