JP2009010841A - ステレオ復調装置及びステレオ復調方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】FM受信機において、より効果的にノイズを減少させることができる技術を提供する。
【解決手段】FM受信機において、コンポジット信号に基づき、L信号及びR信号を生成するステレオ復調装置において、L−R信号、コンポジット信号、又はL若しくはR信号に含まれる雑音成分に対応する雑音スペクトルを受信信号に基づいて生成する生成手段22と、生成手段により生成した雑音スペクトルに基づき、L−R信号、コンポジット信号、又はL若しくはR信号における雑音成分を周波数領域において減少させる雑音減少手段23とを設ける。
【選択図】図2

Description

本発明は、FM受信機において、コンポジット信号に基づき、L信号及びR信号を生成するステレオ復調装置及びステレオ復調方法に関する。
図8は、従来のFM受信機におけるステレオ復調部の構成を示すブロック図である。同図に示すように、このステレオ復調部は、入力されるコンポジット信号のノイズを除去するノイズキャンセラ回路81、ノイズキャンセラ回路81の出力に基づき、パイロット信号を検出するパイロット検出回路82、ノイズキャンセラ回路81の出力からパイロット検出回路82の出力を減じてパイロット信号を除去したコンポジット信号を出力するパイロットキャンセラ回路83、パイロットキャンセラ回路83の出力に基づいてL+R信号(左右チャンネルの和信号)及びL−R信号(左右チャンネルの差信号)を出力するフィルタ回路84、フィルタ回路84からのL−R信号についてゲインコントロールを行うためのアンプ85及びこれを制御するステレオブレンド制御回路86、フィルタ回路84及びアンプ85からのL+R信号及びL−R信号に基づき、L信号(左チャンネル信号)及びR信号(右チャンネル信号)を生成するマトリックス回路87、並びにマトリックス回路87の出力について周波数特性の補正を行うディエンファシス回路88を備える。
この構成において、FM受信機のFM検波器から出力されるコンポジット信号は、ノイズキャンセラ回路81において、それ自体のノイズ成分である高周波成分が検出され、平滑化又はノイズゲートの制御によりノイズが低減される。ノイズが低減されたコンポジット信号からは、パイロット検出回路82において19[kHz]のパイロット信号が検出され、またそれを逓倍した38[kHz]の信号がサブキャリアとしてマトリクス回路87に供給される。
一方、ノイズが低減されたコンポジット信号は、パイロットキャンセラ回路83によりパイロット信号が除去され、フィルタ回路74における15[kHz]までのローパスフィルタ及び23〜53[kHz]のバンドパスフィルタにより、L+R信号及びL−R信号に分離される。L−R信号はアンプ85及びステレオブレンド制御回路86によりゲインコントロールされる。このゲインコントロールは、弱電界である場合等のように受信状況が悪化した際に、S/Nが劣るL−R信号のゲインを減少させ、ノイズを減少させるために行われる。L+R信号及びゲインコントロールされたL−R信号に基づき、マトリックス回路87においてL信号及びR信号が生成される。L信号及びR信号はディエンファシス回路88により周波数特性の補正がなされ、出力される。
図3は図8のFM受信機におけるアンテナ入力電圧‐S/N特性の一例を示すグラフである。グラフの横軸はアンテナ入力電圧、縦軸は出力レスポンスである。図中の31は変調度が30%であるときの変調出力(信号)を示すグラフ曲線、32はステレオ放送の受信時における非変調出力(雑音)を示すグラフ曲線、33はモノラル放送の受信時における非変調出力(雑音)を示すグラフ曲線である。これらのグラフ曲線は、モノラル放送の受信時に比べ、ステレオ放送の受信時にはS/Nが約20[dB]悪化することを示している。
図4はステレオ放送受信時における雑音成分の周波数分布を示すバンド・スペクトラム図である。ステレオ放送の受信時にS/Nが大きく悪化することを示している。図中の網掛けを付した部分は、本来の音声信号に重畳している雑音スペクトルである。雑音信号は同図のように振幅が周波数に比例しており、三角雑音と呼ばれている。同図のように、モノラル放送の場合には0〜15[kHz]のL+R信号のみを扱うので、スペクトル部分41で示されるように雑音成分は比較的少ないが、ステレオ放送の場合には、これに対して23〜53[kHz]のL−R信号が加わり、スペクトル部分42で示されるようなL−R信号に重畳する大きな雑音成分が加わるので、S/Nが大きく悪化する。このステレオ放送受信時のノイズはFMステレオ放送の原理上、必然的に発生するものであるため、厳密に言えば、理論値以上に改善されることはない。
従来のFM受信機においては、ステレオ放送受信時のノイズを減少させるために、主として上述図8のFM受信機でも用いているようなノイズキャンセラ、及びステレオブレンド制御を採用している。なお、音声信号中のノイズを減少させる技術としては、スペクトル減算によるものも知られている(たとえば、特許文献1参照)。
特開平10−187193号公報
しかしながら、上述のノイズキャンセラによれば、基本的にはノイズが出現している期間、コンポジット信号をオフにするというものであるため、瞬間的なパルス状のノイズに対しては効果を発揮するが、弱電界等による継続的なノイズの発生する状況下においては効果が薄い。
また、ステレオブレンド制御は、受信状況によりノイズの根源であるL−R信号のゲインを変化させるものである。具体的には、弱電界等に起因してS/Nの悪化が予想される場合、L−R信号を減少させることによってノイズを減少させるものである。このため、ステレオブレンド制御によれば、ノイズを減少させると当然、受信すべきL−R信号自体も減少するので、ステレオセパレーションが悪化する。
このように、従来のFM受信機においては、ノイズの除去をアナログ回路で実現することを前提としているため、その手法が信号成分のゲインを変更したり、信号出力をスイッチングしたりといったような原始的なものに限られている。すなわち、ノイズを減らそうとすると、本来受信すべき音声信号自体も抑制してしまうので、大幅な雑音抑制効果を望むことはできない。
本発明の目的は、このような従来技術の問題点に鑑み、FM受信機において、より効果的にノイズを減少させることができる技術を提供することにある。
この目的を達成するため、第1の発明に係る装置は、FM受信機において、コンポジット信号に基づき、L信号及びR信号を生成するステレオ復調装置であって、L−R信号、コンポジット信号、又はL若しくはR信号に含まれる雑音成分に対応する雑音スペクトルを受信信号に基づいて生成する生成手段と、前記生成手段により生成した雑音スペクトルに基づき、前記L−R信号、コンポジット信号、又はL若しくはR信号における雑音成分を周波数領域において減少させる雑音減少手段とを具備することを特徴とする。
ここで、受信信号に基づく雑音スペクトルの生成としては、たとえば、受信信号の受信品質に基づく雑音スペクトルの生成や、受信信号から得られるL+R信号及びL−R信号に基づく雑音スペクトルの生成が該当する。
この構成において、L−R信号等に含まれる雑音成分に対応する雑音スペクトルが受信信号に基づいて生成される際、受信信号の状況、たとえば受信品質等に応じた雑音スペクトルが生成される。この雑音スペクトルに基づき、L−R信号等における雑音成分が、周波数領域において、スペクトル減算等により減少される。したがって、受信信号の状況に応じ、効果的に雑音の低減を行うことができる。
第2の発明に係るステレオ復調装置は、第1発明において、前記生成手段は、前記雑音スペクトルの生成を、前記受信信号に基づいて得られる電波品質に基づいて行うものであることを特徴とする
第3の発明に係るステレオ復調装置は、第2発明において、前記生成手段は、前記雑音スペクトルの生成を、前記電波品質と、前記L−R信号、コンポジット信号、又はL若しくはR信号におけるS/Nとの関係、並びに前記雑音成分の周波数分布の形状に基づいて行うものであることを特徴とする。
第4の発明に係るステレオ復調装置は、第1発明において、前記生成手段は、前記雑音スペクトルの生成を、前記受信信号に基づいて得られるL+R信号が所定レベル以下のときのL−R信号に基づいて行うものであり、前記雑音減少手段は、L−R信号における雑音成分を周波数領域において減少させるものであることを特徴とする。
第5の発明に係るステレオ復調装置は、第1〜第4のいずれかの発明において、前記雑音減少手段は、前記L−R信号、コンポジット信号、又はL若しくはR信号から前記生成手段により生成した雑音スペクトルをスペクトル減算するスペクトルサブトラクション法により、又は非線形サブトラクション法、若しくはスペクトルサプレッション法を用いて、前記雑音成分の減少を行うものであることを特徴とする。
第6の発明に係るステレオ復調方法は、FM受信機において、コンポジット信号に基づき、L信号及びR信号を生成するステレオ復調方法であって、L−R信号、コンポジット信号、又はL若しくはR信号に含まれる雑音性分に対応する雑音スペクトルを受信信号に基づいて生成する生成工程と、前記生成工程により生成した雑音スペクトルに基づき、前記L−R信号、コンポジット信号、又はL若しくはR信号から雑音成分を周波数領域において減少させる雑音減少工程とを具備することを特徴とする。
本発明によれば、L−R信号等に含まれる雑音成分に対応する雑音スペクトルを、受信信号に基づいて生成し、これに基づき、L−R信号等における雑音成分を、周波数領域において減少させるようにしたため、効果的に雑音の低減を行うことができる。
図1は、本発明の一実施形態に係るFM受信機におけるステレオ復調部の構成を示すブロック図である。同図に示すように、このステレオ復調部は、入力されるコンポジット信号のノイズを除去するノイズキャンセラ回路11、ノイズキャンセラ回路11の出力に基づいてパイロット信号を検出するパイロット検出回路12、ノイズキャンセラ11の出力からパイロット検出回路12の出力を減じてパイロット信号を除去したコンポジット信号を出力するパイロットキャンセラ回路13、パイロットキャンセラ回路13の出力に基づいてL+R信号及びL−R信号を出力するフィルタ回路14、フィルタ回路14からのL−R信号についてゲインコントロールを行うためのアンプ15及びアンプ15を制御するステレオブレンド制御回路16、フィルタ回路14及びアンプ15からのL+R及びL−R信号に基づいてL及びR信号を生成するマトリックス回路17、マトリックス回路17の出力について周波数特性の補正を行うディエンファシス回路18を備える。このステレオ復調部はまた、フィルタ回路14及びアンプ15間において、フィルタ回路14からのL−R信号について、スペクトルサブトラクション法によりノイズを減少させるデジタルノイズリダクション部19を備える。
図2はデジタルノイズリダクション部19の構成を示すブロック図である。デジタルノイズリダクション部19は、同図に示すように、フィルタ回路14からのL−R信号をデジタル信号に変換するAD変換器21、電波品質情報に基づき、雑音スペクトルを生成する雑音スペクトル推定部22、雑音スペクトル推定部22からの雑音スペクトルに基づいてAD変換器21からのL−R信号に対してノイズ低減処理を施すDSP(デジタル・シグナル・プロセッサ)23、及びDSP23の出力をアナログ信号に変換するDA変換器24を備える。
なお、アメリカのIBOC(インバンド・オンチャンネル)方式の放送を受信することができるIBOC受信機の場合のように、コンポジット信号をデジタルデータとして処理するシステムの場合には、AD変換器21及びDA変換器24を省略することができる。また、本実施形態においては、L−R信号についてノイズを除去するのが一番効果的であるという観点から、デジタルノイズリダクション部20をL−R信号のノイズを除去する位置に設けているが、この代わりに、コンポジット信号や、L信号及びR信号におけるノイズを除去する位置に設けるようにしてもよい。
この構成において、図示していないFM検波器から出力されるコンポジット信号は、まず、ノイズキャンセラ回路11においてそれ自体のノイズ成分である高周波成分が検出され、これに基づいてコンポジット信号の平滑化又はコンポジット信号に対するノイズゲートの制御が行われる。これによりコンポジット信号におけるノイズの低減が図られる。ノイズが低減されたコンポジット信号は、パイロット検出回路12により19[kHz]のパイロット信号が検出されるとともに、それが逓倍された38[kHz]の信号が、コンポジット信号を復調するためのサブキャリアとしてマトリクス回路17に供給される。
一方、ノイズが低減されたコンポジット信号は、パイロットキャンセラ回路53によりパイロット信号が除去され、フィルタ回路14の15[kHz]までのローパスフィルタ及び23〜53[kHz]のバンドパスフィルタにより、L+R信号及びL−R信号に分離される。L−R信号はデジタルノイズリダクション部20に入力される。
デジタルノイズリダクション部19に入力されたL−R信号は、AD変換器21によりデジタル信号に変換され、DSP23においてノイズ除去処理が施され、さらにDA変換器24によりアナログ信号に変換されて出力される。出力されたL−R信号は、ステレオブレンド制御回路56によりゲインコントロールされ、マトリックス回路17に入力される。L+R信号及びゲインコントロールされたL−R信号に基づき、マトリックス回路57においてL信号及びR信号が生成される。L信号及びR信号はディエンファシス回路58により周波数特性の補正がなされ、出力される。
DSP23によるノイズ除去処理は、雑音スペクトル推定部22からの雑音スペクトルに基づき、スペクトルサブトラクション法(以下、「SS法」という。)又はこれに相当する手法を用いて行われる。SS法に相当する手法としては、非線形サブトラクション法や、SS法に類似するスペクトルサプレッション法等が該当する。雑音スペクトル推定部22は、入力される電波品質情報に基づき、L−R信号に重畳されている雑音スペクトルを生成し、DSP23に出力する。電波品質情報はコンポジット信号を供給するチューナから取得することができるものであり、受信電波の品質やコンポジット信号の品質との間で一定以上の相関関係が認められる情報である。具体的には、アンテナ入力電圧やコンポジット信号の高周波成分等が該当する。
雑音スペクトル推定部22に入力される電波品質情報は、弱電界であることに起因して受信状況が悪化すると、電波品質情報が変化する。つまり、電界強度が低くなれば、当然アンテナ入力電圧は減少するし、コンポジット信号の高周波成分は増加する。雑音スペクトル推定部22は、入力される電波品質情報に基づき、L−R信号に重畳されている雑音に対応する雑音スペクトルを生成する。
この雑音スペクトルの生成には、上述図3のようなアンテナ入力電圧−S/N特性を利用することができる。この特性を参照し、電波品質情報としてのアンテナ入力電圧がたとえば2[mV]であるとすれば、雑音スペクトルのパワーについては−30[dB]程度であると決定することができる。また、雑音成分の周波数分布は図4のように、周波数に比例するいわゆる三角雑音であると考えることができる。したがって、雑音スペクトル推定部22は、この雑音の周波数分布、及び上記図3の特性を用いて雑音スペクトルを生成し、DSP23に出力することができる。
なお、後述するような単純なSS法によるノイズ低減処理を行う場合には、雑音スペクトル推定部22は雑音スペクトルのパワーのみをDSP23に供給するだけで足りる。しかし、SS法を改善した手法を用いる場合には、雑音スペクトルのパワーに加え、雑音スペクトルの周波数分布に関する情報も必要であるため、準備しておく必要がある。
SS法の特徴としては、音声信号に重畳されている雑音信号に対応する減算用の雑音スペクトルを生成する必要があるという点を挙げることができる。また、ホワイノイズやヒスノイズ等の定常的な雑音の除去能力が高く、使い方によっては10[dB]以上のS/Nの改善効果を見込むことができるという特徴もある。ただし、時間的に変動する雑音に対しての効果は低い。
SS法においては、次のような原理によりノイズ低減が行われる。すなわち、音声、雑音、雑音付加音声のスペクトルをそれぞれS(f)、N(f)、X(f)とすると、雑音付加音声のパワースペクトル|X(f)|は次の数1式で与えられる。
Figure 2009010841
ただし、θS−N(f)はS(f)とN(f)との位相差を表す。
SS法では、音声と雑音が統計的に独立で、数1式の第3項を無視することができると仮定し、無音声区間から推定される雑音のパワースペクトル|N(f)|を用い、次の数2式により音声のパワースペクトルを推定する。
Figure 2009010841
ここで、αはサブトラクション係数(Overestimation Factor)であり、N(f)はフロアリングのパワースペクトルである。通常αの値としては1〜2が良い結果を与え、N(f)としては0.1・|X(f)|がよく用いられる。
DSP23は、入力されるL−R信号をフーリエ変換等により周波数スペクトルに変換するが、これを上記の雑音付加音声スペクトルX(f)とすると、雑音スペクトル推定部22から入力される雑音スペクトルは|N(f)|であるから、数2式を用いた演算を行うことによりノイズが除去された音声S(f)を得ることができる。DSP23は、このノイズが除去されたL−R信号のスペクトルを逆フーリエ変換等により再び時間領域のデータに変換する。時間領域のデータに変換されたL−R信号はDA変換器24によりDA変換され、ノイズが除去されたL−R信号として出力される。
従来のFM受信機は、さほど複雑な処理を行うことができないアナログ回路で構成していたため、ノイズ除去能力が高くはなかったが、本実施形態によれば、デジタルノイズリダクション技術を適用することができるようにしたため、従来にない強力なノイズ除去効果を得ることができる。
図5はこの効果を示すグラフである。このグラフは図3のグラフに対し、本実施形態に従ったFM受信機におけるステレオ放送受信時の非変調出力(雑音)を示すグラフ曲線51を追加したものである。従来のFM受信機の場合のグラフ曲線32が示す特性に比べ、弱電界におけるノイズの出力レスポンスが10[dB]以上の値Dだけ低減していることがわかる。SS法によるノイズ低減処理は定常的な雑音に対して威力を発揮するが、この定常的な雑音とはまさに弱電界下において発生するものである。本実施形態によれば、SS法を採用したため、同図に示されるように、弱電界の受信状況下において、従来のFM放送受信機によっては達成することができないS/Nを実現することができる。
また、SS法によるノイズ低減処理においては、重畳された雑音成分に対応する雑音スペクトルを生成する必要があるが、本実施形態によれば、電波品質に基づいて雑音スペクトルを生成するようにしたため、電波状態に応じ、円滑かつ正確にノイズ低減処理を行うことができる。
図6は本発明の他の実施形態に係るFM受信機におけるステレオ復調部の構成を示すブロック図である。この復調部では、図1の復調部におけるデジタルノイズリダクション部19に代えて、フィルタ14からのL+R信号及びL−R信号を入力とするデジタルノイズリダクション部61を備える。他の点については、図1の復調部の場合と同様である。
図7はデジタルノイズリダクション部61の構成を示すブロック図である。図中の71は、フィルタ回路14からのL+R信号における無音区間を検出する無音検出部であり、72は無音検出部71からの検出信号及びAD変換器21からのL−R信号に基づき、L−R信号に含まれる雑音成分に対応する雑音スペクトルを生成する雑音スペクトル推定部である。
すなわち、図1の復調部におけるデジタルノイズリダクション部19では、雑音スペクトルを生成するために、図2に示すように、チューナから得られる電波品質情報を用いるようにしている。これに対し、図7のデジタルノイズリダクション部においては、無音検出部71によってL+R信号が無音であると判定されるときのL−R信号に基づき、雑音スペクトル推定部72によって雑音スペクトルを生成するようにしている。
つまり、L+R信号がゼロであるときに一定レベル以上のL−R信号が存在することは稀である。もし存在するとすれば、それはL信号及びR信号が逆相の場合であり、このようなケースが長時間継続することはありえない。そこで、L+R信号によりL−R信号の無音区間を判定し、無音区間におけるL−R信号を雑音信号として使用するようにしているわけである。
無音検出部71はL+R信号の大きさが所定値以下となったとき、無音区間が開始したものと判定し、その旨を示す無音区間検出信号を雑音スペクトル推定部62に出力する。これをトリガとして、雑音スペクトル推定部62は、AD変換器21からのL−R信号をフーリエ変換することにって雑音スペクトルを生成し、DSP23に供給する。DSP23は図2の場合と同様にしてSS法によりL−R信号から雑音スペクトルを減算し、雑音成分を除去する。他の点については上述実施形態の場合と同様である。
本発明の一実施形態に係るFM受信機におけるステレオ復調部の構成を示すブロック図である。 図1のステレオ復調部におけるデジタルノイズリダクション部の構成を示すブロック図である。 FM受信機におけるアンテナ入力電圧‐S/N特性の一例を示すグラフである。 ステレオ放送受信時における雑音成分の周波数分布を示すバンド・スペクトラム図である。 図1のステレオ復調部によるノイズ除去効果を示すグラフである。 本発明の他の実施形態に係るFM受信機におけるステレオ復調部の構成を示すブロック図である。 図6のステレオ復調部におけるデジタルノイズリダクション部の構成を示すブロック図である。 従来のFM受信機におけるステレオ復調部の構成を示すブロック図である。
符号の説明
11,81:ノイズキャンセラ回路、12,82:パイロット検出回路、13,83:パイロットキャンセラ回路、14,84:フィルタ回路、15,85:アンプ、16,86:ステレオブレンド制御回路、17,87:マトリックス回路、18,88:ディエンファシス回路、19:デジタルノイズリダクション回路、21:AD変換器、22:雑音スペクトル推定部、23:DSP、24:DA変換器、31〜33,51:グラフ曲線、41,42:雑音スペクトル部分、61:デジタルノイズリダクション部、71:無音検出部、72:雑音スペクトル推定部。

Claims (6)

  1. FM受信機において、コンポジット信号に基づき、L信号及びR信号を生成するステレオ復調装置であって、
    L−R信号、コンポジット信号、又はL若しくはR信号に含まれる雑音成分に対応する雑音スペクトルを受信信号に基づいて生成する生成手段と、
    前記生成手段により生成した雑音スペクトルに基づき、前記L−R信号、コンポジット信号、又はL若しくはR信号における雑音成分を周波数領域において減少させる雑音減少手段とを具備することを特徴とするステレオ復調装置。
  2. 前記生成手段は、前記雑音スペクトルの生成を、前記受信信号に基づいて得られる電波品質に基づいて行うものであることを特徴とする請求項1に記載のステレオ復調装置。
  3. 前記生成手段は、前記雑音スペクトルの生成を、前記電波品質と、前記L−R信号、コンポジット信号、又はL若しくはR信号におけるS/Nとの関係、並びに前記雑音成分の周波数分布の形状に基づいて行うものであることを特徴とする請求項2に記載のステレオ復調装置。
  4. 前記生成手段は、前記雑音スペクトルの生成を、前記受信信号に基づいて得られるL+R信号が所定レベル以下のときのL−R信号に基づいて行うものであり、
    前記雑音減少手段は、L−R信号における雑音成分を周波数領域において減少させるものであることを特徴とする請求項1に記載のステレオ復調装置。
  5. 前記雑音減少手段は、前記L−R信号、コンポジット信号、又はL若しくはR信号から前記生成手段により生成した雑音スペクトルをスペクトル減算するスペクトルサブトラクション法により、又は非線形サブトラクション法、若しくはスペクトルサプレッション法を用いて、前記雑音成分の減少を行うものであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のステレオ復調装置。
  6. FM受信機において、コンポジット信号に基づき、L信号及びR信号を生成するステレオ復調方法であって、
    L−R信号、コンポジット信号、又はL若しくはR信号に含まれる雑音性分に対応する雑音スペクトルを受信信号に基づいて生成する生成工程と、
    前記生成工程により生成した雑音スペクトルに基づき、前記L−R信号、コンポジット信号、又はL若しくはR信号から雑音成分を周波数領域において減少させる雑音減少工程とを具備することを特徴とするステレオ復調方法。
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