JP6695716B2 - 受信装置及び信号処理方法 - Google Patents

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Description

本発明は、受信装置、信号処理方法及び信号処理プログラム、並びに、当該信号処理プログラムが記録された記録媒体に関する。
従来から、FMステレオ放送波を受信して処理し、放送音声をステレオ再生して出力する受信装置が広く普及している。こうしたFMステレオ放送のステレオ再生は、電界強度の弱化やマルチパスノイズが発生すると、モノラル再生より再生音声が悪化しやすい。そこで、ステレオ再生とモノラル再生とを受信状況に応じて徐々に切り替える技術が多く採用されていた。
しかしながら、ステレオ音声とモノラル音声とでは、音質的に大きな差がある。このため、電界強度やノイズレベルの変化が大きいときには、ステレオ音声とモノラル音声との混合比が大きく変化する。この結果、電界強度やノイズレベルの変化が大きいときには、聴取者に聴感上の違和感を与えることになる。このため、擬似ステレオ音声を生成し、ステレオ再生と擬似ステレオ再生とを受信状況に応じて徐々に切り替える技術が提案されている(特許文献1参照:以下、「従来例」と呼ぶ)。
この従来例の技術では、ステレオ和信号(以下、単に「和信号」とも呼ぶ)(L+R)、左チャンネル信号L及び右チャンネル信号Rの3種の信号のフーリエ変換信号に基づいて、疑似ステレオ信号を生成する。そして、ステレオ再生と擬似ステレオ再生とを受信状況に応じて徐々に切り替える。
特開2010−245883号公報
従来例の技術では、左チャンネル信号L及び右チャンネル信号Rを、ステレオ和信号(L+R)及びステレオ差信号(以下、単に「差信号」とも呼ぶ)(L−R)に基づいて生成する。ここで、差信号(L−R)の信号品質は、和信号(L+R)と比べて、電界強度の弱化やマルチパスノイズの発生の影響を大きく受ける。このため、擬似ステレオ成分に関する信号成分の生成に利用される左チャンネル信号L及び右チャンネル信号Rも、電界強度の弱化やマルチパスノイズが発生の影響を大きく受ける。この結果、電界強度の弱化やマルチパスノイズが発生し、受信品質が悪化している場合には、差信号(L−R)に含まれるノイズや歪みが、直接的に擬似ステレオ成分に関する信号成分に反映されてしまう。
また、従来例の技術では、擬似ステレオ成分に関する信号成分の生成に際して、ステレオ和信号(L+R)、左チャンネル信号L及び右チャンネル信号RのそれぞれのFFT(Fast Fourier Transformation)処理を行う。この結果、従来例の技術では、FFT処理のための資源を3箇所に配置するようになっている。このため、簡易な構成で擬似ステレオ成分に関する信号成分の生成をできるとは言い難かった。
さらに、従来例の技術では、疑似ステレオ信号を生成するための重み付け係数の計算を、FFT処理結果における周波数サブバンドごとに4回行う必要がある。この結果、演算負荷が小さいとはいえなかった。
このため、受信品質の悪化に対する耐性を有しつつ、簡易に擬似ステレオ成分に関する信号成分を生成できる技術が望まれている。かかる要請に応えることが、本発明が解決すべき課題の一つとして挙げられる。
請求項1に記載の発明は、ステレオ放送信号に対応する帯域の受信波の受信処理を行う受信装置であって、周期的に得られた差信号成分のパワースペクトルの時間平均を算出する算出部と;前記算出部による算出結果に基づいて、擬似ステレオ成分の生成に際して利用される周波数帯ごとの、和信号成分のスペクトルに対して重み付けを行う重み付け係数を決定する決定部と;を備えることを特徴とする受信装置である。
請求項8に記載の発明は、算出部と、決定部とを備え、ステレオ放送信号に対応する帯域の受信波の受信処理を行う受信装置において使用される信号処理方法であって、算出部が、周期的に得られた差信号成分のパワースペクトルの時間平均を算出する算出工程と;決定部が、前記算出工程における算出結果に基づいて、擬似ステレオ成分の生成に際して利用される周波数帯ごとの、和信号成分のスペクトルに対して重み付けを行う重み付け係数を決定する決定工程と;を備えることを特徴とする信号処理方法である。

請求項9に記載の発明は、受信装置が有するコンピュータに、請求項8に記載の信号処理方法を実行させる、ことを特徴とする信号処理プログラムである。
請求項10に記載の発明は、受信装置が有するコンピュータにより読み取り可能に、請求項9に記載の信号処理プログラムが記録されている、ことを特徴とする記録媒体である。
本発明の一実施形態に係る受信装置の構成を概略的に示すブロック図である。 図1の信号加工ユニットの構成を示すブロック図である。 図2の加工部の構成を示すブロック図である。 受信波の電界強度の変化に応じた混合部における混合比の変化例、及び、受信波の検波結果におけるノイズレベルの評価結果の変化に応じた混合部における混合比の変化例を示す図である。 図3の算出部による処理を説明するための図である。 図3の決定部による処理を説明するための図である。 決定部による処理の変形例を説明するための図である。
以下、本発明の一実施形態を、図1〜図6を参照して説明する。なお、以下の説明及び図面においては、同一又は同等の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
[構成]
図1には、一実施形態に係る受信装置100の概略的な構成がブロック図にて示されている。なお、受信装置100は、ステレオ放送信号に対応する帯域の受信波の受信処理を行う受信装置である
図1に示されるように、受信装置100は、アンテナ110と、RF処理ユニット120と、検波ユニット130と、ステレオ復調ユニット135とを備えている。また、受信装置100は、高域レベル検出ユニット140と、レベル検出ユニット150と、信号加工ユニット160と、アナログ処理ユニット170とを備えている。さらに、受信装置100は、スピーカユニット180L,180Rと、入力ユニット185と、制御ユニット190とを備えている。
上記のアンテナ110は、放送波を受信する。アンテナ110による受信結果は、信号RFSとして、RF処理ユニット120へ送られる。
上記のRF処理ユニット120は、制御ユニット190から送られた希望放送局の選局指令CSLに従って、選局すべき希望局の信号を信号RFSから抽出する選局処理を行い、所定の中間周波数帯の成分を有する中間周波信号IFDを生成する。そして、RF処理ユニット120は、生成された中間周波信号IFDを、検波ユニット130へ送る。このRF処理ユニット120は、入力フィルタと、高周波増幅器(RF−AMP:Radio Frequency-Amplifier)と、バンドパスフィルタ(以下、「RFフィルタ」とも呼ぶ)とを備えている。また、RF処理ユニット120は、ミキサ(混合器)と、中間周波フィルタ(以下、「IFフィルタ」とも呼ぶ)と、AD(Analogue to Digital)変換器と、局部発振回路(OSC)とを備えている。
ここで、入力フィルタは、アンテナ110から送られた信号RFSの低周波成分を遮断するハイパスフィルタである。高周波増幅器は、入力フィルタを通過した信号を増幅する。RFフィルタは、高周波増幅器から出力された信号のうち、高周波帯の信号を選択的に通過させる。ミキサは、RFフィルタを通過した信号と、局部発振回路から供給された局部発振信号とを混合する。
IFフィルタは、ミキサから出力された信号のうち、予め定められた中間周波数範囲の信号を選択して通過させる。IFフィルタを通過した信号は、AD変換器へ送られるとともに、希望局放送波から送られた放送波を反映した信号RRSとして、レベル検出ユニット150へ送られる。
AD変換器は、IFフィルタを通過した信号をデジタル信号に変換する。この変換結果は、中間周波信号IFDとして、検波ユニット130へ送られる。
なお、局部発振回路は、電圧制御等により発振周波数の制御が可能な発振器等を備えて構成される。この局部発振回路は、制御ユニット190から送られた選局指令CSLに従って、選局すべき希望局に対応する周波数の局部発振信号を生成し、ミキサへ供給する。
上記の検波ユニット130は、RF処理ユニット120から送られた中間周波信号IFDを受ける。そして、検波ユニット130は、中間周波信号IFDに対して検波処理を施す。検波ユニット130による検波処理の結果は、検波信号DTDとして、ステレオ復調ユニット135及び高域レベル検出ユニット140へ送られる。
なお、検波信号DTDは、和信号成分がステレオ用主チャンネルの周波数帯(ベースバンド)に含まれるとともに、差信号成分がステレオ用副チャンネルの周波数帯に含まれるステレオ複合信号となっている。
上記のステレオ復調ユニット135は、検波ユニット130から送られた検波信号DTDを受ける。そして、ステレオ復調ユニット135は、検波信号DTDに対してステレオ復調処理を施して、左チャンネル信号LD及び右チャンネル信号RDを生成する。こうして生成された左チャンネル信号LD及び右チャンネル信号RDは、信号加工ユニット160へ送られる。
なお、ステレオ復調ユニット135は、ステレオ復調処理に際して、まず、和信号成分を抽出するとともに、差信号成分をベースバンド信号に変換する。なお、以後の説明においては、ベースバンド信号に変換された差信号成分を、単に、「差信号成分」と呼ぶ。
次に、ステレオ復調ユニット135は、和信号成分と差信号成分とを加算することにより、左チャンネル信号LDを生成する。また、ステレオ復調ユニット135は、和信号成分から差信号成分を差し引くことにより、右チャンネル信号RDを生成する。
上記の高域レベル検出ユニット140は、検波ユニット130から送られた検波信号DTDを受ける。そして、高域レベル検出ユニット140は、ステレオ複合信号の信号帯域よりも高い周波数帯域の成分のレベルを検出する。高域レベル検出ユニット140による検出結果は、高域レベルHLとして、信号加工ユニット160へ送られる。
なお、高域レベル検出ユニット140により検出された高域レベルHLは、検波信号DTDにおけるステレオ複合信号の周波数帯に含まれるノイズのレベルと高い正の相関を有している。このため、高域レベルHLにより、ノイズのレベルを評価できるようになっている。そこで、以下の説明においては、高域レベルHLを「ノイズレベルHL」とも記すものとする。
上記のレベル検出ユニット150は、RF処理ユニット120から送られた信号RRSを受ける。そして、レベル検出ユニット150は、信号RRSのレベルを検出する。レベル検出ユニット150による検出結果は、レベルSLとして、信号加工ユニット160へ送られる。
なお、レベル検出ユニット150により検出されたレベルSLは、アンテナ110付近における希望放送局からの放送波の電界強度を反映している。このため、レベルSLにより、アンテナ110付近における希望放送局からの放送波の電界強度を知ることができる。そこで、以下の説明においては、レベルSLを「電界強度SL」とも記すものとする。
上記の信号加工ユニット160は、ステレオ復調ユニット135から送られた左チャンネル信号LD及び右チャンネル信号RDを受ける。また、信号加工ユニット160は、高域レベル検出ユニット140から送られたノイズレベルHL、及び、レベル検出ユニット150から送られた電界強度SLを受ける。そして、信号加工ユニット160は、ノイズレベルHL及び電界強度SL、並びに、左チャンネル信号LD及び右チャンネル信号RDに基づいて、加工左信号MLD及び加工右信号MRDを生成する。こうして生成された加工左信号MLD及び加工右信号MRDは、アナログ処理ユニット170へ送られる。
なお、信号加工ユニット160の構成の詳細については、後述する。
上記のアナログ処理ユニット170は、信号加工ユニット160から送られた加工左信号MLD及び加工右信号MRDを受ける。そして、アナログ処理ユニット170は、制御ユニット190による制御のもとで、左出力音声信号AOSL及び右出力音声信号AOSRを生成する。
生成された左出力音声信号AOSLは、スピーカユニット180Lへ送られる。また、生成された右出力音声信号AOSRは、スピーカユニット180Rへ送られる。
かかる機能を有するアナログ処理ユニット170は、DA(Digital to Analogue)変換部と、音量調整部と、パワー増幅部とを備えて構成されている。ここで、DA変換部は、信号加工ユニット160から送られた加工左信号MLD及び加工右信号MRDを受ける。そして、DA変換部は、加工左信号MLD及び加工右信号MRDを左アナログ信号及び右アナログ信号に変換する。DA変換部によるアナログ変換結果は音量調整部へ送られる。
音量調整部は、DA変換部から送られたアナログ変換結果の信号を受ける。そして、音量調整部は、制御ユニット190からの音量調整指令VLCに従って、アナログ変換結果の信号に対して音量調整処理を施す。なお、音量調整部は、本実施形態では、電子ボリューム素子等を備えて構成されている。音量調整部による音量調整結果の信号は、パワー増幅部へ送られる。
パワー増幅部は、音量調整部から送られた音量調整結果の信号を受ける。そして、パワー増幅部は、音量調整結果の信号をパワー増幅する。なお、パワー増幅部は、パワー増幅器を備えている。パワー増幅部による増幅結果である左出力音声信号AOSL及び右出力音声信号AOSRが、スピーカユニット180L及びスピーカユニット180Rへそれぞれ送られる。
上記のスピーカユニット180Lは、スピーカを備えている。このスピーカユニット180Lは、アナログ処理ユニット170から送られた左出力音声信号AOSLに従って、音声を再生出力する。
上記のスピーカユニット180Rは、スピーカユニット180Lと同様に、スピーカを備えている。このスピーカユニット180Rは、アナログ処理ユニット170から送られた右出力音声信号AOSRに従って、音声を再生出力する。
上記の入力ユニット185は、受信装置100の本体部に設けられたキー部、あるいはキー部を備えるリモート入力装置等により構成される。ここで、本体部に設けられたキー部としては、不図示の表示ユニットに設けられたタッチパネルを用いることができる。また、キー部を有する構成に代えて、音声入力する構成を採用することもできる。入力ユニット185への入力結果は、入力データIPDとして制御ユニット190へ送られる。
上記の制御ユニット190は、入力ユニット185から送られた入力データIPDを受ける。この入力データIPDの内容が選局指定であった場合には、制御ユニット190は、指定された希望局に対応する選局指令CSLを生成して、RF処理ユニット120へ送る。また、入力データIPDの内容が音量調整指定であった場合には、制御ユニット190は、指定された音量調整指定に対応する音量調整指令VLCを生成して、アナログ処理ユニット170へ送る。
<信号加工ユニット160の構成>
次に、上記の信号加工ユニット160の構成について説明する。
信号加工ユニット160は、図2に示されるように、加算部161Mと、減算部161Sと、フーリエ変換部(FFT部)162M,162Sと、加工部163とを備えている。また、信号加工ユニット160は、加算部164Lと、減算部164Rと、逆フーリエ変換部(IFFT部)165L,165Rとを備えている。
上記の加算部161Mは、ステレオ復調ユニット135から送られた左チャンネル信号LD及び右チャンネル信号RDを受ける。そして、加算部161Mは、左チャンネル信号LDと右チャンネル信号RDとを加算して、和信号MDを生成する。こうして生成された和信号MDは、FFT部162Mへ送られる。
上記の減算部161Sは、ステレオ復調ユニット135から送られた左チャンネル信号LD及び右チャンネル信号RDを受ける。そして、減算部161Sは、左チャンネル信号LDから右チャンネル信号RDを減算して、差信号SDを生成する。こうして生成された差信号SDは、FFT部162Sへ送られる。
上記のFFT部162Mは、加算部161Mから送られた和信号MDを受ける。そして、FFT部162Mは、和信号MDに対してフーリエ変換を施して、周期TPで、順次、スペクトル(振幅スペクトルであってもよいし、パワースペクトルであってもよい)SMを生成する。こうして生成されたスペクトルSMは、加工部163、加算部164L及び減算部164Rへ送られる。
上記のFFT部162Sは、減算部161Sから送られた差信号SDを受ける。そして、FFT部162Sは、差信号SDに対してフーリエ変換を施して、周期TPで、順次、スペクトルSS(上述のスペクトルSMと同種のスペクトル)を生成する。こうして生成されたスペクトルSSは、加工部163へ送られる。
なお、スペクトルSM及びスペクトルSSのそれぞれは、周波数サブバンドSBk(k=1,2,…)ごとの複素振幅値から構成されている。また、当該周波数サブバンドSBkごとの複素振幅値から構成されるのは、後述するスペクトルRSS、スペクトルSML、スペクトルSMR及び遅延スペクトルDSMについても同様である。
上記の加工部163は、FFT部162Mから送られたスペクトルSM、及び、FFT部162Sから送られたスペクトルSSを受ける。また、加工部163は、高域レベル検出ユニット140から送られたノイズレベルHL、及び、レベル検出ユニット150から送られた電界強度SLを受ける。そして、加工部163は、スペクトルSM及びスペクトルSS、並びに、ノイズレベルHL及び電界強度SLに基づいて、再生用ステレオ成分のスペクトルRSSを生成する。こうして生成されたスペクトルRSSは、加算部164L及び減算部164Rへ送られる。
なお、加工部163の構成の詳細については、後述する。
上記の加算部164Lは、FFT部162Mから送られたスペクトルSM、及び、加工部163から送られたスペクトルRSSを受ける。そして、加算部164Lは、スペクトルSMとスペクトルRSSとを加算して、再生左チャンネル信号のスペクトルSMLを生成する。こうして生成されたスペクトルSMLは、IFFT部165Lへ送られる。
上記の減算部164Rは、FFT部162Mから送られたスペクトルSM、及び、加工部163から送られたスペクトルRSSを受ける。そして、減算部164Rは、スペクトルSMからスペクトルRSSを減算して、再生右チャンネル信号のスペクトルSMRを生成する。こうして生成されたスペクトルSMRは、IFFT部165Rへ送られる。
上記のIFFT部165Lは、加算部164Lから送られたスペクトルSMLを受ける。そして、IFFT部165Lは、スペクトルSMLに対して逆フーリエ変換を施して、加工左信号MLDを生成する。こうして生成された加工左信号MLDは、アナログ処理ユニット170へ送られる。
上記のIFFT部165Rは、減算部164Rから送られたスペクトルSMRを受ける。そして、IFFT部165Rは、スペクトルSMRに対して逆フーリエ変換を施して、加工右信号MRDを生成する。こうして生成された加工右信号MRDは、アナログ処理ユニット170へ送られる。
《加工部163の構成》
次に、上記の加工部163の構成について説明する。
加工部163は、図3に示されるように、遅延部211と、算出部212と、決定部213とを備えている。また、加工部163は、生成部214と、混合部215とを備えている。
上記の遅延部211は、FFT部162Mから順次送られたスペクトルSMを受ける。そして、遅延部211は、スペクトルSMを所定時間TDだけ遅延させて、遅延スペクトルDSMを生成する。こうして生成された遅延スペクトルDSMは、生成部214へ送られる。
なお、遅延時間TDは、擬似ステレオ方式を採用した場合に、ステレオ感のある音声を出力させるとの観点から、実験、シミュレーション、経験等に基づいて、予め定められる。
上記の算出部212は、FFT部162Sから順次送られたスペクトルSSを受ける。また、算出部212は、高域レベル検出ユニット140から送られたノイズレベルHL、及び、レベル検出ユニット150から送られた電界強度SLを受ける。そして、算出部212は、時間的に連続するN個のスペクトルSSの新たな組が揃うたびに、平均パワースペクトルASPを算出する。
ここで、平均パワースペクトルASPは、上述した周波数サブバンドSBkごとのパワー値から構成されている。また、当該周波数サブバンドごとのパワー値から構成されていることは、後述するパワースペクトルSPj(j=1,2,…)についても同様である。
なお、算出部212による平均パワースペクトルASPの算出処理については、後述する。
上記の決定部213は、算出部212から送られた平均パワースペクトルASPを受ける。そして、決定部213は、平均パワースペクトルASP及び閾値ETHに基づいて、周波数サブバンドごとの重み付け係数W(fk)(k=1,2,…)を決定する。こうして決定された重み付け係数W(fk)は、生成部214へ送られる。
なお、決定部213による重み付け係数W(fk)の決定処理については、後述する。
上記の生成部214は、遅延部211から送られた遅延スペクトルDSM、及び、決定部213から送られた重み付け係数W(fk)を受ける。そして、生成部214は、周波数サブバンドSBkごとに、複素振幅値と重み付け係数W(fk)とを乗算して、擬似ステレオ成分のスペクトルPSPを生成する。こうして生成されたスペクトルPSPは、混合部215へ送られる。
以上のように、本実施形態では、擬似ステレオ成分のスペクトルPSPの生成のためのFFT処理の資源として、2個のFFT部162M,162Sを配置するようになっている。
混合部215は、FFT部162Sから順次送られたスペクトルSS、及び、生成部214から順次送られたスペクトルPSPを受ける。また、混合部215は、高域レベル検出ユニット140から送られたノイズレベルHL、及び、レベル検出ユニット150から送られた電界強度SLを受ける。そして、混合部215は、ノイズレベルHL及び電界強度SLに応じた混合比で、スペクトルSSとスペクトルPSPとを混合して、スペクトルRSSを生成する。こうして生成されたスペクトルRSSは、加算部164L及び減算部164Rへ送られる。
ここで、ノイズレベルHL及び電界強度SLに応じた混合比について説明する。図4(A)には、ノイズレベルHLが十分に低い場合における、電界強度SLの変化に応じたスペクトルSSの混合比RSS(SL)及びスペクトルPSPの混合比RPS(SL)の変化の例が示されている。この図4(A)に示されるように、ノイズレベルHLが十分に低い場合、電界強度SLが値SL1以下のときには、混合比RSS(SL)は「0」とされる。電界強度SLが値SL1から増加していくと、混合比RSS(SL)も増加していく。電界強度SLが値SL2となると、混合比RSS(SL)は「1」となる。そして、電界強度SLが値SL2以上のときには、混合比RSS(SL)は「1」とされる。
なお、値SL1,SL2は、希望放送局からの放送波の受信品質に応じた適切な擬似ステレオ成分のスペクトルを生成するとの観点から、実験、シミュレーション、経験等に基づいて、予め定められる。
一方、ノイズレベルHLが十分に低い場合、電界強度SLが値SL1以下のときには、混合比RPS(SL)は「1」とされる。電界強度SLが値SL1から増加していくと、混合比RPS(SL)も減少していく。電界強度SLが値SL2となると、混合比RPS(SL)は「0」となる。そして、電界強度SLが値SL2以上のときには、混合比RPS(SL)は「0」とされる。
なお、混合比RSS(SL)と混合比RPS(SL)との和は、電界強度SLの変化にかかわらず、「1」が維持される。
また、図4(B)には、電界強度SLが十分に高い場合における、ノイズレベルHLの変化に応じたスペクトルSSの混合比RSH(HL)及びスペクトルPSPの混合比RPH(HL)の変化の例が示されている。この図4(B)に示されるように、電界強度SLが十分に高い場合、ノイズレベルHLが値HL1以下のときには、混合比RSH(HL)は「1」とされる。ノイズレベルHLが値HL1から増加していくと、混合比RSH(HL)が減少していく。ノイズレベルHLが値HL2となると、混合比RSH(HL)は「0」となる。そして、ノイズレベルHLが値HL2以上のときには、混合比RSH(HL)は「0」とされる。
なお、値HL1,HL2は、希望放送局からの放送波の受信品質に応じた適切な擬似ステレオ成分のスペクトルを生成するとの観点から、実験、シミュレーション、経験等に基づいて、予め定められる。
一方、電界強度SLが十分に高い場合、ノイズレベルHLが値HL1以下のときには、混合比RPH(HL)は「0」とされる。ノイズレベルHLが値HL1から増加していくと、混合比RPH(HL)も増加していく。ノイズレベルHLが値HL2となると、混合比RPH(HL)は「1」となる。そして、ノイズレベルHLが値HL2以上のときには、混合比RPH(HL)は「1」とされる。
なお、混合比RSH(HL)と混合比RPH(HL)との和は、電界強度SLの変化にかかわらず、「1」が維持される。
ところで、混合部215における混合比は、ノイズレベルHL及び電界強度SLのいずれかのみで定まるものではなく、ノイズレベルHLと電界強度SLとの組み合わせによって定まるようになっている。以下、当該組み合わせにより定まるスペクトルSSの混合比をRS(HL,SL)と記すとともに、当該組み合わせにより定まるスペクトルPSPの混合比をRP(HL,SL)と記すものとする。
本実施形態では、混合比RPS(SL)が混合比RPH(HL)以上の場合には、混合比RS(HL,SL)が混合比RSS(SL)とされるとともに、混合比RP(HL,SL)が混合比RPS(SL)とされる。一方、混合比RPS(SL)が混合比RPH(HL)未満の場合には、混合比RS(HL,SL)が混合比RSH(HL)とされるとともに、混合比RP(HL,SL)が混合比RPH(HL)とされる。
以上のようにして定まる混合比RS(HL,SL),RP(HL,SL)を利用して、スペクトルSSとスペクトルPSPとが混合されることにより、希望放送局から放送波の受信品質が低くなるほど、擬似ステレオ成分の寄与度の高い再生用ステレオ成分のスペクトルRSSを合理的に生成できるようになっている。
[動作]
次に、以上のように構成された受信装置100の動作について、信号加工ユニット160における信号加工処理に主に着目して説明する。
前提として、入力ユニット185には既に利用者により選局指定が入力されており、指定された希望局に対応する選局指令CSLが、RF処理ユニット120へ送られているものとする。また、入力ユニット185には既に利用者により音量調整指定が入力されており、指定された音量調整態様に対応する音量調整指令VLCが、アナログ処理ユニット170へ送られているものとする(図1参照)。
こうした状態で、アンテナ110で放送波を受信すると、信号RFSが、アンテナ110からRF処理ユニット120へ送られる。引き続き、信号RFSが、RF処理ユニット120、検波ユニット130及びステレオ復調ユニット135において処理されて、左チャンネル信号LD及び右チャンネル信号RDが生成されているものとする。そして、生成された左チャンネル信号LD及び右チャンネル信号RDが、信号加工ユニット160へ送られているものとする(図1参照)。
また、高域レベル検出ユニット140が、検波ユニット130から送られた検波信号DTDにおけるステレオ複合信号の信号帯域よりも高い周波数帯域の成分のレベルを検出しているものする。そして、高域レベル検出ユニット140が、検出結果を、ノイズレベルHLとして、信号加工ユニット160へ送っているものとする(図1参照)。
さらに、レベル検出ユニット150が、RF処理ユニット120から送られた信号RRSのレベルを検出しているものとする。そして、レベル検出ユニット150が、検出結果を、電界強度SLとして、信号加工ユニット160へ送っているものとする。
<信号加工ユニット160による信号加工処理>
信号加工ユニット160では、加算部161M及び減算部161Sが、ステレオ復調ユニット135から送られた左チャンネル信号LD及び右チャンネル信号RDを受ける。加算部161Mは、左チャンネル信号LDと右チャンネル信号RDとを加算して、和信号MDを生成する。そして、加算部161Mは、生成された和信号MDをFFT部162Mへ送る(図2参照)。
一方、減算部161Sは、左チャンネル信号LDから右チャンネル信号RDを減算して、差信号SDを生成する。そして、減算部161Sは、生成された差信号SDを、FFT部162Sへ送る(図2参照)。
加算部161Mから送られた和信号MDを受けると、FFT部162Mが、和信号MDに対してフーリエ変換を施して、スペクトルSMを生成する。そして、FFT部162Mは、生成されたスペクトルSMを、加工部163、加算部164L及び減算部164Rへ送る(図2参照)。
一方、減算部161Sから送られた差信号SDを受けると、FFT部162Sが、差信号SDに対してフーリエ変換を施して、スペクトルSSを生成する。FFT部162Sは、生成されたスペクトルSSを加工部163へ送る(図2参照)。
加工部163は、FFT部162Mから送られたスペクトルSM、及び、FFT部162Sから送られたスペクトルSSを受ける。また、加工部163は、高域レベル検出ユニット140から送られたノイズレベルHL、及び、レベル検出ユニット150から送られた電界強度SLを受ける。そして、加工部163は、ノイズレベルHL及び電界強度SL、並びに、左チャンネル信号LD及び右チャンネル信号RDに基づいて、再生用ステレオ成分のスペクトルRSSを生成する(図2参照)。
《加工部163によるスペクトルRSSの生成処理》
ここで、加工部163によるスペクトルRSSの生成処理について説明する。
加工部163では、遅延部211が、FFT部162Mから順次送られたスペクトルSMを受ける。スペクトルSMを受けると、遅延部211は、スペクトルSMを所定時間TDだけ遅延させて、遅延スペクトルDSMを生成する。そして、遅延部211は、生成された遅延スペクトルDSMを生成部214へ送る(図3参照)。
また、加工部163では、算出部212が、FFT部162Sから順次送られたスペクトルSSを受ける。さらに、算出部212は、高域レベル検出ユニット140から送られたノイズレベルHL、及び、レベル検出ユニット150から送られた電界強度SLを受ける(図3参照)。
次に、算出部212は、ノイズレベルHL及び電界強度SLに基づいて、上述した値Nを決定する。かかる値Nの決定に際しては、算出部212は、希望放送局からの放送波の受信品質の劣化を、時間平均化によりある程度まで補償するとの観点から、実験、シミュレーション、経験等に基づいて、値Nを決定するようになっている。
一方、算出部212は、新たなスペクトルSSを受けるたびに、当該新たなスペクトルSSに対応するパワースペクトルSPを算出する。引き続き、算出部212は、時間的に連続するN個のパワースペクトルSPが揃うたびに、平均パワースペクトルASPを算出する。そして、算出部212は、算出された平均パワースペクトルASPを決定部213へ送る(図3参照)。
なお、図5には、値Nを「4」とした場合における平均パワースペクトルASPの算出例が示されている。
算出部212から送られた平均パワースペクトルASPを受けると、決定部213は、平均パワースペクトルASP及び閾値ETHに基づいて、周波数サブバンドごとの重み付け係数W(fk)(k=1,2,…)を決定する。かかる重み付け係数W(fk)の決定に際して、決定部213は、図6に示されるように、平均パワースペクトルASPにおけるパワー値が閾値ETH以上の周波数サブバンドについては、重み付け係数を「1」に決定する。一方、パワー値が閾値ETH未満の周波数サブバンドについては、パワー値が閾値ETH以上の周波数サブバンド以上の周波数帯から遠ざかるにつれて、「0」となるまで予め定められた傾きで減少するように、重み付け係数を決定する。そして、決定部213は、決定された重み付け係数W(fk)を生成部214へ送る(図3参照)。
なお、閾値ETHは、差信号SDの各周波数サブバンドについて、擬似ステレオ成分に反映させるべきパワー値となっているか否かを判別するとの観点から、実験、シミュレーション、経験等に基づいて、予め定められる。また、「予め定められた傾き」は、出力音における聴感上の違和感を抑制可能な擬似ステレオ成分を生成するとの観点から、実験、シミュレーション、経験等に基づいて、予め定められる。
以上のように、重み付け係数W(fk)の決定を、平均パワースペクトルASPにおけるパワー値と閾値ETHとの比較、及び、予め定められた傾きを用いた計算という簡易な演算で行うようになっている。
決定部213から送られた重み付け係数W(fk)を受けると、生成部214は、遅延部211から送られた遅延スペクトルDSMにおける周波数サブバンドSBkごとに、複素振幅値と重み付け係数W(fk)とを乗算して、擬似ステレオ成分のスペクトルPSPを生成する。そして、決定部213は、生成されたスペクトルPSPを混合部215へ送る(図3参照)。
混合部215は、FFT部162Sから順次送られたスペクトルSS、及び、生成部214から順次送られたスペクトルPSPを受ける。また、混合部215は、高域レベル検出ユニット140から送られたノイズレベルHL、及び、レベル検出ユニット150から送られた電界強度SLを受ける。混合部215は、ノイズレベルHL及び電界強度SLに基づいて上述のように決定された混合比RS(HL,SL),RP(HL,SL)で、スペクトルSSとスペクトルPSPとを混合し、再生用ステレオ成分のスペクトルRSSを生成する。そして、混合部215は、生成されたスペクトルRSSを、加算部164L及び減算部164Rへ送る(図3参照)。
FFT部162Mから送られたスペクトルSM、及び、加工部163から送られたスペクトルRSSを受けると、加算部164Lは、スペクトルSMとスペクトルRSSとを加算して、再生左チャンネル信号のスペクトルSMLを生成する。そして、加算部164Lは、生成されたスペクトルSMLをIFFT部165Lへ送る(図2参照)。
一方、FFT部162Mから送られたスペクトルSM、及び、加工部163から送られたスペクトルRSSを受けると、減算部164Rは、スペクトルSMからスペクトルRSSを減算して、再生右チャンネル信号のスペクトルSMRを生成する。そして、減算部164Rは、生成されたスペクトルSMRをIFFT部165Rへ送る。
加算部164Lから送られたスペクトルSMLを受けると、IFFT部165Lは、スペクトルSMLに対して逆フーリエ変換を施して、加工左信号MLDを生成する。そして、IFFT部165Lは、生成された加工左信号MLDを、アナログ処理ユニット170へ送る(図2参照)。
一方、減算部164Rから送られたスペクトルSMRを受けると、IFFT部165Rは、スペクトルSMRに対して逆フーリエ変換を施して、加工右信号MRDを生成する。そして、IFFT部165Rは、生成された加工右信号MRDは、アナログ処理ユニット170へ送る(図2参照)。
信号加工ユニット160から送られた加工左信号MLD及び加工右信号MRDを受けると、アナログ処理ユニット170は、上述のようにして、左出力音声信号AOSL及び右出力音声信号AOSRを生成する。そして、アナログ処理ユニット170は、生成された左出力音声信号AOSLをスピーカユニット180Lへ送るとともに、生成された右出力音声信号AOSRをスピーカユニット180Rへ送る。
アナログ処理ユニット170から送られた左出力音声信号AOSLを受けると、スピーカユニット180Lは、左出力音声信号AOSLに従って、音声を再生出力する。また、アナログ処理ユニット170から送られた右出力音声信号AOSRを受けると、スピーカユニット180Rは、右出力音声信号AOSRに従って、音声を再生出力する。
以上説明したように、本実施形態では、算出部212が、周期的に差信号SDのスペクトルSSを受けると、差信号成分のパワースペクトルの時間平均である平均パワースペクトルASPを算出する。引き続き、決定部213が、平均パワースペクトルASPに基づいて、擬似ステレオ成分の生成に際して利用される周波数サブバンドごとの重み付け係数W(fk)を決定する。そして、生成部214が、決定された重み付け係数により、和信号MDのスペクトルSMに対して周波数サブバンドごとの重み付けを行って、擬似ステレオ成分のスペクトルPSPを生成する。
したがって、本実施形態によれば、受信品質の悪化に対する耐性を有しつつ、簡易に擬似ステレオ成分を生成することができる。
また、本実施形態では、パワースペクトルにおけるパワー値が予め定められた閾値以上の周波数帯については、決定部213が重み付け係数を「1」に決定する。このため、差信号SDにおいて擬似ステレオ成分に反映させるべきパワー値となっている各周波数サブバンドについて、合理的なパワー値を有する擬似ステレオ成分を生成することができる。
また、本実施形態では、パワー値が閾値ETH未満の周波数サブバンドについては、決定部213が、パワー値が閾値ETH以上の周波数サブバンドから遠ざかるにつれて、「0」となるまで予め定められた傾きで減少するように、重み付け係数を決定する。このため、出力音における聴感上の違和感を抑制可能な擬似ステレオ成分を生成することができる。
また、本実施形態では、算出部212が、希望放送局から送信された受信波の電界強度及び当該受信波の検波結果におけるノイズレベルの評価結果の少なくとも一方に基づいて、平均パワースペクトルASPの算出対象となる時間幅を決定する。このため、希望放送局から送信された放送波の受信品質の劣化に対する時間平均化よる補償を合理的に行うことができる。
また、本実施形態では、混合部215が、希望放送局から送信された放送波の電界強度及び当該受信波の検波結果におけるノイズレベルの評価結果の少なくとも一方に基づく混合比で、擬似ステレオ成分のスペクトルPSPと、差信号SDのスペクトルSSとを混合して、再生用ステレオ成分のスペクトルRSSを生成する。このため、出力音における聴感上の違和感を抑制可能な再生用ステレオ成分を合理的に生成することができる。
[実施形態の変形]
本発明は、上記の実施形態に限定されるものではなく、様々な変形が可能である。
例えば、上記の実施形態では、パワー値が閾値ETH未満の周波数サブバンドについては、パワー値が閾値ETH以上の周波数サブバンド以上の周波数帯から遠ざかるにつれて、「0」となるまで予め定められた傾きで減少するように、重み付け係数を決定するようにした。これに対し、図7に示されるように、パワー値が閾値ETH未満の周波数サブバンドについては、重み付け係数を「0」に決定するようにしてもよい。この場合には、簡易に周波数サブバンドごとの重み付け係数を決定することができる。
また、上記の実施形態では、左チャンネル信号LD及び右チャンネル信号RDから和信号MD及び差信号SDを算出した後に、和信号MDのスペクトルSM及び差信号MDのスペクトルSSを算出するようにした。これに対し、左チャンネル信号LD及び右チャンネル信号RDのそれぞれのスペクトルを算出した後、双方の和及び差を算出することにより、スペクトルSM,SSを算出するようにしてもよい。
また、上記の実施形態では、左チャンネル信号LD及び右チャンネル信号RDから和信号MD及び差信号SDを算出した後に、和信号MDのスペクトルSM及び差信号MDのスペクトルSSを算出するようにした。これに対し、ステレオ復調ユニットにおける左チャンネル信号LD及び右チャンネル信号RDの生成の途中段階で算出される和信号及び差信号を取り出すことができるのであれば、取り出された和信号及び差信号を信号加工ユニットへ供給するようにしてもよい。この場合には、上記の実施形態における加算部161M及び減算部161Sを省略することができる。
なお、上記の実施形態における検波ユニット、ステレオ復調ユニット、信号加工ユニット及び制御ユニットの一部又は全部を、中央処理装置(CPU:Central Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)等を備えた演算手段としてのコンピュータとして構成し、予め用意されたプログラムを当該コンピュータで実行することにより、上記の実施形態における処理の一部又は全部を実行するようにしてもよい。このプログラムはハードディスク、CD−ROM、DVD等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、当該コンピュータによって記録媒体から読み出されて実行される。また、このプログラムは、CD−ROM、DVD等の可搬型記録媒体に記録された形態で取得されるようにしてもよいし、インターネットなどのネットワークを介した配信の形態で取得されるようにしてもよい。
100 … 受信装置
212 … 算出部
213 … 決定部
214 … 生成部
215 … 混合部

Claims (10)

  1. ステレオ放送信号に対応する帯域の受信波の受信処理を行う受信装置であって、
    周期的に得られた差信号成分のパワースペクトルの時間平均を算出する算出部と;
    前記算出部による算出結果に基づいて、擬似ステレオ成分の生成に際して利用される周波数帯ごとの、和信号成分のスペクトルに対して重み付けを行う重み付け係数を決定する決定部と;
    を備えることを特徴とする受信装置。
  2. 前記決定された重み付け係数により、和信号成分のスペクトルに対して周波数帯ごとの重み付けを行って、前記擬似ステレオ成分のスペクトルを生成する生成部;を更に備えることを特徴とする請求項1に記載の受信装置。
  3. 前記決定部は、前記パワースペクトルにおけるパワー値が予め定められた閾値以上の周波数帯については、前記重み付け係数を「1」に決定する、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の受信装置。
  4. 前記決定部は、前記パワースペクトルにおけるパワー値が前記閾値未満の周波数帯については、前記重み付け係数を「0」に決定する、ことを特徴とする請求項3に記載の受信装置。
  5. 前記決定部は、前記パワースペクトルにおけるパワー値が前記閾値未満の周波数帯については、前記パワースペクトルにおけるパワー値が前記閾値以上の周波数帯から遠ざかるにつれて、「0」となるまで予め定められた傾きで減少するように、前記重み付け係数を決定する、ことを特徴とする請求項3に記載の受信装置。
  6. 前記算出部は、前記受信波の電界強度及び前記受信波の検波結果におけるノイズレベルの評価結果の少なくとも一方に基づいて、前記時間平均の対象となる時間幅を決定する、ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の受信装置。
  7. 前記受信波の電界強度及び前記受信波の検波結果におけるノイズレベルの評価結果の少なくとも一方に基づく混合比で、前記擬似ステレオ成分のスペクトルと、前記差信号成分のスペクトルとを混合して、再生用ステレオ成分のスペクトルを生成する混合部を更に備える、ことを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の受信装置。
  8. 算出部と、決定部とを備え、ステレオ放送信号に対応する帯域の受信波の受信処理を行う受信装置において使用される信号処理方法であって、
    算出部が、周期的に得られた差信号成分のパワースペクトルの時間平均を算出する算出工程と;
    決定部が、前記算出工程における算出結果に基づいて、擬似ステレオ成分の生成に際して利用される周波数帯ごとの、和信号成分のスペクトルに対して重み付けを行う重み付け係数を決定する決定工程と;
    を備えることを特徴とする信号処理方法。
  9. 受信装置が有するコンピュータに、請求項8に記載の信号処理方法を実行させる、ことを特徴とする信号処理プログラム。
  10. 受信装置が有するコンピュータにより読み取り可能に、請求項9に記載の信号処理プログラムが記録されている、ことを特徴とする記録媒体。
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