JP6126449B2 - 放送受信装置及び信号処理方法 - Google Patents

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Description

本発明は、放送受信装置、信号処理方法及び信号処理プログラム、及び、当該信号処理プログラムが記録された記録媒体に関する。
従来から、FM(Frequency Modulation)放送等の放送信号を受信して処理し、音声を再生する放送受信装置が車両等の移動体に搭載されている。こうした放送受信装置では、移動体が移動することに起因して、希望放送信号の周波数帯の受信電界強度や、検波対象となる信号におけるノイズ混入量等の受信状況が変化する。このため、移動体に搭載される放送受信装置について、希望放送信号の受信状況の変化に対応して、音声再生のための信号処理の態様を変化させる自動受信制御(ARC:Automatic Reception Control)機能を有する技術が提案されている(特許文献1参照:以下、「従来例」という)。
かかる従来例の技術では、希望放送信号の周波数帯の信号を周波数変換して得られた中間周波信号の信号レベルを検出することにより、希望放送信号の周波数帯の受信電界強度を検出する。そして、受信電界強度の検出結果に基づいて、検波結果の信号に対する再生用の加工処理であるミュート処理、いわゆるハイカット処理、及び、ステレオ再生に際してのセパレーション処理の制御を行うようになっている。
また、従来例の技術では、上述した中間周波信号に対して適応的なフィルタリング処理をノイズ低減フィルタにより施し、中間周波信号におけるノイズを低減して検波対象信号を生成するとともに、当該検波対象信号におけるノイズレベルを検出する。そして、ノイズレベルの検出結果に更に基づいて、上述した再生用の加工処理の制御を行うようになっている。
特開2005−167718号公報
上述した従来例の技術では、中間周波信号の信号レベルの検出結果と、ノイズ低減フィルタから出力される検波対象信号におけるノイズレベルの検出結果とに基づいて、再生用の加工処理の制御を行う。しかしながら、これらのレベル検出結果と、例えば、検波対象信号におけるマルチパス現象の発生によるマルチパス歪みとでは、相関が小さい場合がある。
すなわち、従来例の技術では、電界レベルに含まれるノイズ成分からマルチパス発生を検出するようにしているが、他の要因による電界レベルの変動によっても誤ってマルチパス発生を検出してしまうことがあるため、相関が小さくなる場合がある。
こうした誤検出等を減らすためには、再生用の加工処理の制御を行う感度を低めに設定しなければならない。また、ノイズ低減効果を確保するためには、ハイカット処理に用いられるハイカットフィルタによる最大減衰量を大きく設定していた。この結果、再生音声の高域成分の劣化が懸念される等、マルチパス歪みに対応した適切な再生用の加工処理ができない虞があった。
このため、マルチパス歪みに対応した適切な再生用の加工処理を行うことができる技術が望まれている。かかる要請に応えることが、本発明が解決すべき課題の一つとして挙げられる。
本発明は、上記の事情を鑑みてなされたものであり、中間周波信号に対して適応的なフィルタリング処理を行うノイズ低減フィルタを備える構成を採用しつつ、マルチパス発生等の受信状況の変化に対応した適切な再生用の加工処理を精度良く行うことができる放送受信装置及び信号処理方法を提供することを目的とする。
請求項1に記載の発明は、放送信号から得られる中間周波信号適応的なフィルタリング処理を施し、ノイズが低減された出力信号を出力するノイズ低減フィルタ部と;前記ノイズ低減フィルタ部の前記出力信号を検波する検波部と;前記検波部による検波結果に対して通常応答加工と高速応答加工とを含む加工処理を施す加工処理部と;前記中間周波信号に対する前記出力信号の誤差情報により示される誤差量に基づき、前記通常応答加工を補うように、前記加工処理部による前記高速応答加工を制御する制御部と;を備える放送受信装置である。
請求項8に記載の発明は、放送信号から得られる中間周波信号適応的なフィルタリング処理を施し、ノイズが低減された出力信号を出力するノイズ低減フィルタ部と;前記ノイズ低減フィルタ部の前記出力信号を検波する検波部と;前記検波部による検波結果に対して通常応答加工と高速応答加工とを含む加工処理を施す加工処理部と;制御部と;を備える放送受信装置において使用される信号処理方法であって、前記制御部が、前記中間周波信号に対する前記出力信号の誤差情報を取得する取得工程と;前記誤差情報により示される誤差量に基づき、前記通常応答加工を補うように、前記制御部が、前記加工処理部による前記高速応答加工を制御する制御工程と;を備える信号処理方法である。



請求項9に記載の発明は、放送受信装置が有するコンピュータに、請求項8に記載の信号処理方法を実行させる、ことを特徴とする信号処理プログラムである。
請求項10に記載の発明は、放送受信装置が有するコンピュータにより読み取り可能に、請求項9に記載の信号処理プログラムが記録されている、ことを特徴とする記録媒体である。
本発明の一実施形態に係る放送受信装置の構成を概略的に示すブロック図である。 図1の信号処理ユニットの構成を示すブロック図である。 図2のノイズ低減フィルタ部の構成を示すブロック図である。 図3のデジタルフィルタ部の構成を示すブロック図である。 図3の適応制御部の構成を示すブロック図である。 図2の加工処理部の構成を示すブロック図である。 図1の制御ユニットの構成を示すブロック図である。 図7の通常応答制御部による加工処理の制御を説明するための図である。 図7の高速応答制御部によるハイカット加工の処理に際して、誤差量の変化に応じた最大減衰指定値の変化を説明するための図である。 通常応答制御部によるハイカット加工の処理の制御と、高速応答制御部によるハイカット加工の処理の制御との関係を説明するための図である。
以下、本発明の一実施形態を、図1〜図10を参照して説明する。なお、本実施形態においては、FMステレオ音声放送の放送受信装置を例示して説明する。また、以下の説明及び図面においては、同一又は同等の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
[構成]
図1には、一実施形態に係る放送受信装置100の概略的な構成がブロック図にて示されている。なお、以下の説明におけるステレオ音声のレフトチャンネル(以下、「Lチャンネル」と記す)用の信号の名称には、添字「L」を付し、ライトチャンネル(以下、「Rチャンネル」と記す)用の信号の名称には、添字「R」を付す。
図1に示されるように、放送受信装置100は、アンテナ110と、RF処理ユニット120とを備えている。また、放送受信装置100は、信号処理ユニット130と、アナログ処理ユニット140と、スピーカユニット160L,160Rとを備えている。さらに、放送受信装置100は、入力ユニット170と、制御ユニット190とを備えている。
上記のアンテナ110は、放送波を受信する。アンテナ110による受信結果は、受信信号RFSとして、RF処理ユニット120へ送られる。
上記のRF処理ユニット120は、制御ユニット190から送られた選局指令CSLに従って、選択すべき物理チャンネルの信号を受信信号RFSから抽出する選局処理を行い、所定の中間周波数帯の成分を有する中間周波信号IFDを生成する。こうして生成された中間周波信号IFDは、信号処理ユニット130及び制御ユニット190へ送られる。
本実施形態では、RF処理ユニット120は、入力フィルタと、高周波増幅器(RF−AMP:Radio Frequency-Amplifier)と、バンドパスフィルタ(以下、「RFフィルタ」とも呼ぶ)とを備えている。また、RF処理ユニット120は、ミキサ(混合器)と、中間周波フィルタ(以下、「IFフィルタ」とも呼ぶ)と、AD(Analogue to Digital)変換器(ADC)とを備えている。さらに、RF処理ユニット120は、局部発振回路(OSC)を備えている。
RF処理ユニット120では、アンテナ110から送られた受信信号RFSが、入力フィルタにより低周波成分が遮断された後、高周波増幅器により増幅される。高周波増幅器により増幅された信号は、RFフィルタにより高周波帯の信号が選択された後、ミキサにおいて、制御ユニット190から供給された選局指令CSLに従って局部発振回路が発生した局部発振信号と混合される。こうしてミキサにより混合された信号のうち、予め定められた中間周波数範囲の信号がIFフィルタにより通過されたのち、ADCにより、デジタル信号に変換される。この変換結果が、信号処理ユニット130及び制御ユニット190へ送られる。
上記の信号処理ユニット130は、RF処理ユニット120から送られた中間周波信号IFDを受ける。そして、信号処理ユニット130は、中間周波信号IFDに対して信号処理を施して、信号DMDL,DMDRを生成する。こうして生成された信号DMDL,DMDRは、アナログ処理ユニット140へ送られる。
信号処理ユニット130では、後述するように、信号処理として、適応フィルタリング処理、検波処理、及び、再生用の加工処理が順次行われる。かかる適応フィルタリング処理の結果として得られる信号FLD、及び、適応フィルタリング処理の途中段階で得られる誤差情報ERRが、制御ユニット190へ送られる。また、信号処理ユニット130では、制御ユニット190から送られた加工制御CNTに従って、再生用の加工処理が行われる。
なお、信号処理ユニット130の構成の詳細については、後述する。
上記のアナログ処理ユニット140は、信号処理ユニット130から送られた信号DMDL,DMDRを受ける。そして、アナログ処理ユニット140は、制御ユニット190による制御のもとで、出力音声信号AOSL,AOSRを生成し、スピーカユニット160L,160Rへ送る。本実施形態では、アナログ処理ユニット140は、DA(Digital to Analogue)変換部と、音量調整部と、パワー増幅部とを備えている。
アナログ処理ユニット140では、DA変換部が、信号処理ユニット130から送られた信号DMDL,DMDRのそれぞれをアナログ信号に変換する。当該アナログ信号のそれぞれは、音量調整部において、制御ユニット190から送られた音量調整指令VLCに従って、音量調整処理が施される。音量調整処理が施された信号のそれぞれは、パワー増幅部によりパワー増幅される。このパワー増幅の結果が、出力音声信号AOSL,AOSRとして、スピーカユニット160L,160Rへ送られる。
上記のスピーカユニット160Lは、アナログ処理ユニット140から送られた出力音声信号AOSLを受ける。そして、スピーカユニット160Lは、出力音声信号AOSLに従って、音声を再生出力する。
上記のスピーカユニット160Rは、アナログ処理ユニット140から送られた出力音声信号AOSRを受ける。そして、スピーカユニット160Rは、出力音声信号AOSRに従って、音声を再生出力する。
上記の入力ユニット170は、放送受信装置100の本体部に設けられたキー部、あるいはキー部を備えるリモート入力装置等により構成される。ここで、本体部に設けられたキー部としては、不図示の表示ユニットに設けられたタッチパネルを用いることができる。また、キー部を有する構成に代えて、音声入力する構成を採用することもできる。入力ユニット170への入力結果は、入力データIPDとして制御ユニット190へ送られる。
上記の制御ユニット190は、入力ユニット170から送られた入力データIPDを解析する。そして、入力データIPDの内容が、物理チャンネルを含む選局指定であった場合には、制御ユニット190は、指定された物理チャンネルに対応する選局指令CSLを生成して、RF処理ユニット120へ送る。また、入力データIPDの内容が、音量調整指定であった場合には、制御ユニット190は、当該音量調整指定に対応する音量調整指令VLCを生成して、アナログ処理ユニット140へ送る。
また、制御ユニット190は、RF処理ユニット120から送られた中間周波信号IFD、及び、信号処理ユニット130から送られた信号FLD及び誤差情報ERRを受ける。そして、制御ユニット190は、中間周波信号IFD、信号FLD及び誤差情報ERRに基づいて、信号処理ユニット130における再生用の加工処理を制御するための加工制御CNTを生成する。こうして生成された加工制御CNTは、信号処理ユニット130へ送られる。
なお、制御ユニット190の構成の詳細については、後述する。
<信号処理ユニット130の構成>
次に、上述した信号処理ユニット130の構成について説明する。
信号処理ユニット130は、図2に示されるように、ノイズ低減フィルタ部131を備えている。また、信号処理ユニット130は、検波部132と、加工処理部133とを備えている。
上記のノイズ低減フィルタ部131は、RF処理ユニット120から送られた中間周波信号IFDを受ける。そして、ノイズ低減フィルタ部131は、適応アルゴリズムを利用して、ノイズ低減のための適応フィルタリング処理を施す。
ノイズ低減フィルタ部131は、フィルタリング処理が施された信号を、信号FLDとして、検波部132及び制御ユニット190へ送る。また、ノイズ低減フィルタ部131は、適応フィルタリング処理の途中段階で得られる誤差情報ERRを制御ユニット190へ送る。
なお、ノイズ低減フィルタ部131の構成の詳細については、後述する。
上記の検波部132は、ノイズ低減フィルタ部131から送られた信号FLDを受ける。そして、検波部132は、信号FLDに対する検波を行ってコンポジット信号DTD(以下、「信号DTD」と記す)を生成する。こうして生成された信号DTDは、加工処理部133へ送られる。
上記の加工処理部133は、検波部132から送られた信号DTDを受ける。そして、加工処理部133は、制御ユニット190から送られた加工制御CNTに従って、信号DTDに対して再生用の加工処理を施し、信号DMDL,DMDRを生成する。こうして生成された信号DMDL,DMDRは、アナログ処理ユニット140へ送られる。
なお、加工処理部133の構成の詳細については、後述する。
《ノイズ低減フィルタ部131の構成》
次いで、上述したノイズ低減フィルタ部131の構成について説明する。
ノイズ低減フィルタ部131は、図3に示されるように、自動利得制御(AGC)部210と、デジタルフィルタ部220とを備えている。また、ノイズ低減フィルタ部131は、適応制御部230を備えている。
上記のAGC部210は、RF処理ユニット120から送られた中間周波信号IFDを受ける。そして、AGC部210は、中間周波信号IFDを適宜増幅することにより、中間周波信号IFDの信号レベルにかかわらず、常に安定した振幅の中間周波数帯の信号GCDを生成する。こうして生成された信号GCDは、デジタルフィルタ部220及び適応制御部230へ送られる。
上記のデジタルフィルタ部220は、本実施形態では、FIR(Finite Impulse Response)フィルタとして構成されている。このデジタルフィルタ部220は、AGC部210から送られた信号GCDを受ける。そして、デジタルフィルタ部220は、適応制御部230から送られた係数指定CEFに従って、フィルタリング演算を行い、信号FLDを生成する。こうして生成された信号FLDは、検波部132、適応制御部230及び制御ユニット190へ送られる。
なお、デジタルフィルタ部220の構成については、後述する。
上記の適応制御部230は、デジタルフィルタ部220から送られた信号FLD、及び、AGC部210から送られた信号GCDを受ける。そして、適応制御部230は、これらの信号FLD,GCDに基づいて、係数指定CEFを生成する。こうして生成された係数指定CEFは、デジタルフィルタ部220へ送られる。また、適応制御部230は、係数指定CEFの生成の途中段階で算出された誤差情報ERRを、制御ユニット190へ送る。
なお、適応制御部230の構成については、後述する。
(デジタルフィルタ部220の構成)
次いで、上述したデジタルフィルタ部220の構成について説明する。
デジタルフィルタ部220は、図4に示されるように、(M−1)個の遅延器2211〜221M-1と、M個の係数倍器2220〜222M-1とを備えている。また、デジタルフィルタ部220は、加算器223を備えている。
上記の遅延器221j(j=1〜M−1)のそれぞれは、入力した信号Xj-1(T)を単位遅延時間τだけ遅延させ、信号Xj(T+τ)として出力する。ここで、信号X0(T)が、AGC部210から送られた信号GCDとなっている。この結果、信号Xj(T)と信号X0(T)と関係は、次の(1)式で表される。
j(T)=X0(T−j・τ) …(1)
なお、本実施形態では、遅延器221jのそれぞれは、周期が単位遅延時間τの不図示の基準クロックに同期して信号Xj-1(T)をサンプリングして、信号Xj(T+τ)として出力する。このため、単位遅延時間τの間、サンプリング結果が遅延器221jに保持されて、出力されるようになっている。ここで、単位遅延時間τは、信号X0(T)の信号周期の1/4となっている。
遅延器221jにより生成された信号Xj(T)は、係数倍器222jへ送られる。なお、係数倍器2220へは、信号X0(T)が送られるようになっている。
上記の係数倍器222m(m=0〜M−1)のそれぞれは、信号Xm(T)、及び、適応制御部230から送られた係数指定CEFにおけるタップ係数Km(T)を受ける。そして、係数倍器222mは、信号Xm(T)とタップ係数Km(T)とを乗算する。この乗算の結果は、加算器223へ送られる。
上記の加算器223は、係数倍器2220〜222M-1による乗算結果[X0(T)・K0(T)]〜[XM-1(T)・KM-1(T)]を受ける。そして、加算器223は、次の(2)式により、信号Y(T)を算出する。
Y(T)=X0(T)・K0(T)+…+XM-1(T)・KM-1(T) …(2)
こうして算出された信号Y(T)が、信号FLDとして、適応制御部230、検波部132及び制御ユニット190へ送られる。
(適応制御部230の構成)
次に、適応制御部230の構成について説明する。
適応制御部230は、図5に示されるように、2乗算出部231X,231Yと、遅延部232X,232Yと、加算部233X,233Yと、ローパスフィルタ(LPC)部234と、減算部235とを備えている。また、適応制御部230は、絶対値化部241と、LPC部242と、振幅制御部243と、振幅制限部244とを備えている。さらに、適応制御部230は、係数更新部251を備えている。
上記の2乗算出部231Xは、AGC部210から送られた信号GCD(=X0(T))を受ける。そして、2乗算出部231Xは、信号|X0(T)|2を算出する。こうして算出された信号|X0(T)|2は、遅延部232X及び加算部233Xへ送られる。
上記の遅延部232Xは、2乗算出部231Xから送られた信号|X0(T)|2を単位遅延時間τだけ遅延させて、加算部233Xへ送る。この結果、加算部233Xは、信号|X0(T)|2と信号|X0(T−τ)|2とを同時に受けることになる。
上記の加算部233Xは、2乗算出部231Xから送られた信号|X0(T)|2、及び、遅延部232Xから送られた信号|X0(T−τ)|2を受ける。そして、加算部233Xは、次の(3)式により、エンベロープを示す包絡線信号Xe(T)を算出する。こうして算出された包絡線信号Xe(T)は、LPC部234へ送られる。
e(T)=|X0(T)|2+|X0(T−τ)|2 …(3)
上記のLPC部234は、加算部233Xから送られた包絡線信号Xe(T)を受ける。そして、LPC部234は、包絡線信号Xe(T)を平滑化することにより、直流の基準信号VTH(T)を生成する。こうして生成された基準信号VTH(T)は、減算部235へ送られる。
なお、包絡線信号Xe(T)を平滑化した直流信号を基準信号VTH(T)とするのは、FM放送信号(ひいては、信号GCD(T))の振幅が本来一定であることによる。
上記の2乗算出部231Yは、デジタルフィルタ部220から送られた信号FLD(=Y(T))を受ける。そして、2乗算出部231Yは、信号|Y(T)|2を算出する。こうして算出された信号|Y(T)|2は、遅延部232Y及び加算部233Yへ送られる。
上記の遅延部232Yは、2乗算出部231Yから送られた信号|Y(T)|2を単位遅延時間τだけ遅延させて、加算部233Yへ送る。この結果、加算部233Yは、信号|Y(T)|2と信号|Y(T−τ)|2とを同時に受けることになる。
上記の加算部233Yは、2乗算出部231Yから送られた信号|Y(T)|2、及び、遅延部232Yから送られた信号|Y(T−τ)|2を受ける。そして、加算部233Yは、次の(4)式により、エンベロープを示す包絡線信号Ye(T)を算出する。こうして算出された包絡線信号Ye(T)は、減算部235へ送られる。
e(T)=|Y(T)|2+|Y(T−τ)|2 …(4)
上記の減算部235は、LPC部234から送られた基準信号VTH(T)、及び、加算部233Yから送られた包絡線信号Ye(T)を受ける。そして、減算部235は、次の(5)式により、誤差信号e(T)を算出する。こうして算出された誤差信号e(T)は、絶対値化部241及び振幅制限部244へ送られる。
e(T)=Ye(T)−VTH(T) …(5)
上記の絶対値化部241は、減算部235から送られた誤差信号e(T)を受ける。そして、絶対値化部241は、誤差信号e(T)の絶対値化を行って、絶対値化信号|e(T)|を生成する。こうして生成された絶対値化信号|e(T)|は、LPC部242へ送られるとともに、誤差情報ERRとして制御ユニット190へ送られる。
なお、絶対値化信号|e(T)|の値は、時刻Tにおける信号FLDに含まれるマルチパスノイズ等のノイズ量を精度良く反映した値となっている。
上記のLPC部242は、絶対値化部241から送られた絶対値化信号|e(T)|を受ける。そして、LPC部242は、絶対値化信号|e(T)|を平滑化することにより、平滑化誤差信号Dce(T)を生成する。こうして生成された平滑化誤差信号Dce(T)は、振幅制御部243へ送られる。
上記の振幅制御部243は、LPC部242から送られた平滑化誤差信号Dce(T)を受ける。そして、振幅制御部243は、平滑化誤差信号Dce(T)に基づいて、振幅制御AC(T)を生成する。こうして生成された振幅制御AC(T)は、振幅制限部244へ送られる。
なお、本実施形態では、振幅制御部243は、平滑化誤差信号Dce(T)が予め定められた値に達していない場合には、減衰率として「0dB」を指定した振幅制御AC(T)を生成し、振幅制限部244へ送る。また、振幅制御部243は、平滑化誤差信号Dce(T)が予め定められた値を超えると、平滑化誤差信号Dce(T)の対数値に比例する減衰率を指定した振幅制御AC(T)を生成し、振幅制限部244へ送るようになっている。
上記の振幅制限部244は、減算部235から送られた誤差信号e(T)を受ける。そして、振幅制限部244は、振幅制御部243から送られた振幅制御AC(T)に従って誤差信号e(T)を補正して、補正誤差信号ecp(T)を生成する。こうして、生成された補正誤差信号ecp(T)は、係数更新部251へ送られる。
なお、本実施形態では、振幅制限部244は、デジタルアッテネータとして構成されており、振幅制御AC(T)により指定された減衰率で誤差信号e(T)を減衰させて、補正誤差信号ecp(T)を生成するようになっている。
上記の係数更新部251は、AGC部210から送られた信号GCD(=X0(T))、デジタルフィルタ部220から送られた信号FLD(=Y(T))、及び、振幅制限部244から送られた補正誤差信号ecp(T)を受ける。そして、係数更新部251は、これらの信号Y(T),X0(T),ecp(T)に基づいて、係数指定CEFを生成する。
かかる係数指定CEFの生成に際して、係数更新部251は、補正誤差信号ecp(T)の値(ひいては、誤差信号e(T)の値)を「0」に収束させるべく、次の(6)及び(7)式により、タップ係数Km(T+τ)を算出する。
m(T+τ)=Km(T)−α・ecp(T)・Pm(T) …(6)
ここで、
m(T)=Xm(T)・Y(T)+Xm(T−τ)・Y(T―τ) …(7)
なお、(6)式における定数αは、適応制御の収束速度を定めるステップ係数であり、適応制御の安定性及び迅速性の両立の観点から、実験、シミュレーション、経験等に基づいて予め定められる。
こうして算出されたタップ係数K0(T+τ)〜KM-1(T+τ)が、係数指定CEFとしてデジタルフィルタ部220へ送られる。より詳しくは、タップ係数Km(T+τ)が、上述した係数倍器222mへ送られる。この結果、係数倍器222mに供給されるタップ係数が更新される。
《加工処理部133の構成》
次に、上述した加工処理部133の構成について説明する。
加工処理部133は、図6に示されるように、通常加工部260と、高速ハイカット処理部270とを備えている。ここで、通常加工部260は、ミュート処理部261と、ハイカット処理部262と、セパレーション処理部263とを備えている。
なお、通常加工部260が、通常応答加工部の機能を果たすようになっている。また、高速ハイカット処理部270が、高速応答加工部の機能を果たすようになっている。
上記のミュート処理部261は、検波部132から送られた信号DTDを受ける。そして、ミュート処理部261は、制御ユニット190から送られた加工制御CNTに含まれ、ミュート率(減衰率)が指定されたミュート制御MTCに従って、信号DTDに対してミュート処理を施して信号MTDを生成する。こうして生成された信号MTDは、ハイカット処理部262へ送られる。
なお、本実施形態では、ミュート処理部261は、可変デジタルアッテネータを備えて構成されている。
上記のハイカット処理部262は、ミュート処理部261から送られた信号MTDを受ける。そして、ハイカット処理部262は、制御ユニット190から送られた加工制御CNTに含まれ、高域遮断率が指定された通常ハイカット制御NHCに従って、信号MTDに対してハイカット処理を施して信号NHDを生成する。こうして生成された信号NHDは、高速ハイカット処理部270へ送られる。
なお、本実施形態では、ハイカット処理部262は、予め定められた高音帯域の遮断率を変化させることが可能な可変デジタルフィルタを備えて構成されている。
上記のセパレーション処理部263は、高速ハイカット処理部270から送られた信号HHDを受ける。そして、セパレーション処理部263は、制御ユニット190から送られた加工制御CNTに含まれ、コンポジット信号からのLチャンネル信号及びRチャンネル信号への分離度(セパレーション度)が指定されたセパレーション制御SPCに従って、信号HHDに対してセパレーション処理を施して、信号DMDL,DMDRを生成する。こうして生成された信号DMDL,DMDRは、アナログ処理ユニット140へ送られる。
なお、本実施形態では、セパレーション処理部263は、分離度を可変調節することが可能なマトリクス部と、ディエンファシス部とを備えて構成されている。
上記の高速ハイカット処理部270は、ハイカット処理部262から送られた信号NHDを受ける。そして、高速ハイカット処理部270は、制御ユニット190から送られた加工制御CNTに含まれ、高域遮断率が指定された高速ハイカット制御HHCに従って、信号NHDに対してハイカット処理を施して信号HHDを生成する。こうして生成された信号HHDは、セパレーション処理部263へ送られる。
なお、本実施形態では、高速ハイカット処理部270は、上述のハイカット処理部262の場合と同様の高音帯域の遮断率を変化させることが可能な可変デジタルフィルタを備えて構成されている。
<制御ユニット190の構成>
次に、上述した制御ユニット190の構成について説明する。
制御ユニット190は、図7に示されるように指令処理部191を備えている。また、制御ユニット190は、信号レベル検出部192と、ノイズレベル検出部193と、通常応答制御部194とを備えている。さらに、制御ユニット190は、高速応答制御部195を備えている。
上記の指令処理部191は、入力ユニット170から送られた入力データIPDを受ける。そして、指令処理部191は、入力データIPDの内容が物理チャンネルを含む選局指定であった場合には、指定された物理チャンネルに対応する選局指令CSLを生成して、RF処理ユニット120へ送る。また、指令処理部191は、入力データIPDの内容が、音量調整指定であった場合には、当該音量調整指定に対応する音量調整指令VLCを生成して、アナログ処理ユニット140へ送る。
上記の信号レベル検出部192は、RF処理ユニット120から送られた中間周波信号IFDを受ける。そして、信号レベル検出部192は、中間周波信号IFDの信号レベルSLVを検出することにより、アンテナ110で受信した選局中の放送信号の電界強度を検出する。信号レベル検出部192により検出された信号レベルは、通常応答制御部194へ送られる。すなわち、信号レベル検出部192は、第1検出部として機能するようになっている。
上記のノイズレベル検出部193は、デジタルフィルタ部220から送られた信号FLDを受ける。そして、ノイズレベル検出部193は、信号FLDに対してAM(Amplitude Modulation)検波を施した後、当該AM検波の結果として得られる信号の振幅に基づいて、信号FLDにおけるノイズレベルNLVを検出する。こうして検出されたノイズレベルNLVは、通常応答制御部194へ送られる。すなわち、ノイズレベル検出部193は、第2検出部として機能するようになっている。
なお、ノイズレベルNLVは、ノイズ低減フィルタ部131で除去できなかった信号FLDにおけるマルチパスノイズ等のノイズ量を反映した値となっている。
上記の通常応答制御部194は、信号レベル検出部192から送られた信号レベルSLV、及び、ノイズレベル検出部193から送られたノイズレベルNLVを受ける。そして、通常応答制御部194は、信号レベルSLV及びノイズレベルNLVに基づいて、上述したミュート制御MTC、通常ハイカット制御NHC及びセパレーション制御SPCを生成する。
こうして生成されたミュート制御MTC、通常ハイカット制御NHC及びセパレーション制御SPCは、加工制御CNTの一部として、加工処理部133へ送られる。ここで、通常ハイカット制御NHCは、上記の高速応答制御部195へも送られる。
なお、通常応答制御部194によるミュート制御MTC、通常ハイカット制御NHC及びセパレーション制御SPCの生成処理については、後述する。
上記の高速応答制御部195は、適応制御部230から送られた誤差情報ERRを受ける。そして、高速応答制御部195は、誤差情報ERRに基づいて、上述した高速ハイカット制御HHCを生成する。ここで、高速応答制御部195は、通常ハイカット制御NHCを参照しつつ、高速ハイカット制御HHCを生成するようになっている。こうして生成された高速ハイカット制御HHCは、加工制御CNTの一部として、加工処理部133へ送られる。
なお、高速応答制御部195による高速ハイカット制御HHCの生成処理については、後述する。
[動作]
次に、上記のように構成された放送受信装置100の動作について、信号処理ユニット130の加工処理部133における再生用の加工処理の制御に主に着目して説明する。
前提として、入力ユニット170には既に利用者により選局指定が入力されており、指定された物理チャンネルに対応する選局指令CSLが、RF処理ユニット120へ送られているものとする。また、入力ユニット170には既に利用者により音量調整指定が入力されており、指定された音量調整態様に対応する音量調整指令VLCが、アナログ処理ユニット140へ送られているものとする(図1及び図7参照)。
こうした状態で、アンテナ110で放送波を受信すると、受信信号RFSが、アンテナ110からRF処理ユニット120へ送られる。そして、RF処理ユニット120において、選択すべき物理チャンネルの信号を受信信号RFSから抽出する選局処理が行われる。この選局処理の結果として、所定の中間周波数帯の成分を有する中間周波信号IFDが、信号処理ユニット130及び制御ユニット190へ送られる(図1参照)。
信号処理ユニット130では、ノイズ低減フィルタ部131が中間周波信号IFDを受ける。ノイズ低減フィルタ部131では、適応アルゴリズムを利用して、ノイズ低減のための適応フィルタリング処理を中間周波信号IFDに対して施し、信号FLDを生成する。そして、ノイズ低減フィルタ部131は、生成された信号FLDを検波部132及び制御ユニット190へ送る(図2参照)。
また、ノイズ低減フィルタ部131における適応制御部230では、適応フィルタリング処理のためのタップ係数Km(m=0〜M−1)の更新に際して、デジタルフィルタ部220に入力する信号GCD(=X0(T))の包絡線信号Xe(T)が、上述した(3)式により算出される。引き続き、包絡線信号Xe(T)が平滑化されて、基準信号VTH(T)が生成される(図5参照)。
また、適応制御部230では、デジタルフィルタ部220にとっての出力信号FLD(=Y(T))の包絡線信号Ye(T)が、上述した(4)式により算出される。引き続き、適応制御部230では、上述した(5)式により、包絡線信号Ye(T)から基準信号VTH(T)を差し引いた誤差信号e(T)が算出される。そして、当該算出された誤差信号e(T)に基づいて、タップ係数Kmの逐次更新が上述した(6),(7)式に従って行われ、更新結果が係数指定CEFとしてデジタルフィルタ部220へ送られる(図5参照)。
また、適応制御部230では、上述した係数更新に際して、絶対値化部241による誤差信号e(T)の絶対値化が行われる。そして、当該絶対値化の結果が、誤差情報ERRとして、制御ユニット190へ送られる(図5参照)。
以上のように、制御ユニット190へは、中間周波信号IFD、信号FLD及び誤差情報ERRが送られる。制御ユニット190は、これらの中間周波信号IFD、信号FLD及び誤差情報ERRに基づいて、通常応答加工制御及び高速応答加工制御を行う。
<通常応答加工制御>
制御ユニット190は、中間周波信号IFD及び信号FLDに基づいて、通常応答加工制御を行う。かかる通常応答加工制御に際して、制御ユニット190では、信号レベル検出部192が、中間周波信号IFDの信号レベルSLVを検出し、検出された信号レベルSLVを通常応答制御部194へ送る。また、ノイズレベル検出部193が、上述のようにして、信号FLDにおけるノイズレベルNLVを検出し、検出されたノイズレベルNLVを通常応答制御部194へ送る(図7参照)。
通常応答制御部194は、信号レベルSLV及びノイズレベルNLVを監視する。そして、信号レベルSLV及びノイズレベルNLVの変化に対応して、上述したミュート制御MTC、通常ハイカット制御NHC及びセパレーション制御SPCを生成する。
かかる生成に際しては、通常応答制御部194は、図8(A)に示されるように、信号レベルSLVが閾値THS1より低い場合には、信号レベルSLVに対応したミュート率を指定したミュート制御MTCを生成する。ここで、通常応答制御部194は、信号レベルSLVが低くなるほどミュート率を高くする。
また、通常応答制御部194は、信号レベルSLVが閾値THS1と閾値THS2(>THS1)との間である場合には、信号レベルSLVに対応した高域遮断率を指定した通常ハイカット制御NHCを生成する。ここで、通常応答制御部194は、信号レベルSLVが低くなるほど高域遮断率を高くする。
また、通常応答制御部194は、信号レベルSLVが閾値THS2より高い場合には、信号レベルSLVに対応した分離度を指定したセパレーション制御SPCを生成する。ここで、通常応答制御部194は、信号レベルSLVが低くなるほど分離度を低くする。
なお、上述した閾値THS1,THS2は、再生音声におけるSN比の向上の観点から、実験、シミュレーション、経験等に基づいて、予め定められる。
さらに、通常応答制御部194は、図8(B)に示されるように、ノイズレベルNLVが閾値THN1より低い場合には、ノイズレベルNLVに対応した分離度を指定したセパレーション制御SPCを生成する。ここで、通常応答制御部194は、ノイズレベルNLVが低くなるほど分離度を高くする。
また、通常応答制御部194は、ノイズレベルNLVが閾値THN1と閾値THN2(>THN1)との間である場合には、ノイズレベルNLVに対応した高域遮断率を指定した通常ハイカット制御NHCを生成する。ここで、通常応答制御部194は、ノイズレベルNLVが低くなるほど高域遮断率を低くする。
また、通常応答制御部194は、ノイズレベルNLVが閾値THN2より高い場合には、ノイズレベルNLVに対応したミュート率を指定したミュート制御MTCを生成する。ここで、通常応答制御部194は、ノイズレベルNLVが低くなるほどミュート率を低くする。
なお、通常応答制御部194は、ノイズレベルNLVに対応した加工制御に際しては、ノイズレベルNLVの変化に対応した制御の感度を低めに抑えるために、比較的緩やかに、ノイズレベルNLVで定まる分離度、高域遮断率及びミュート率を制御目標値まで変化させるようになっている。
通常応答制御部194は、以上のようにして生成されたミュート制御MTC、通常ハイカット制御NHC及びセパレーション制御SPCを、加工制御CNTの一部として、加工処理部133へ送る。
<高速応答加工制御>
制御ユニット190は、誤差情報ERRに基づいて、高速応答加工制御を行う。かかる高速応答加工制御に際して、制御ユニット190では、高速応答制御部195が、図9に示されるように、誤差情報ERRの値に対応して定まる最大高域遮断率MHTを上限とする高域遮断率を指定した高速ハイカット制御HHCを生成する。
なお、図9には、誤差情報ERRの値が閾値THM1未満の場合には高域遮断を行わず、誤差情報ERRの値が閾値THM1と閾値THM2(>THM2)との間の場合には、誤差情報ERRの値が大きくなるほど、最大高域遮断率MHT(ERR)が増加する例が示されている。
こうした高速ハイカット制御HHCの生成に際して、高速応答制御部195は、通常応答制御部194により生成されている通常ハイカット制御NHCにおいて現時点で指定されている高域遮断率を参照する。そして、高速応答制御部195は、図10に示されるように、通常ハイカット制御NHCによるハイカット処理を補完するように高域遮断率を算出し、算出された高域遮断率を指定した高速ハイカット制御HHCを生成する。
ここで、図10には、時刻T0から開始されるハイカット処理において、通常ハイカット制御NHCに従った高域遮断量と、高速ハイカット制御HHCに従った高域遮断量とのデシベル単位での和が、誤差情報ERRの値に対応した最大高域遮断率MHT(ERR)により定まる最大高域遮断量TATに対応する量となるように、迅速に高速ハイカット制御HHCを生成して、通常ハイカット制御NHCによるハイカット処理を補完する例が示されている。
なお、高速応答制御部195は、通常応答制御部194が通常ハイカット制御NHCを生成するか否かにかかわらず、高速ハイカット制御HHCを生成する。そして、通常ハイカット制御NHCを生成していない場合には、高速応答制御部195は、直ちに、現時点の誤差情報ERRの値に対応して定まる最大減衰率を指定した高速ハイカット制御HHCを生成する。
高速応答制御部195は、以上のようにして生成された高速ハイカット制御HHCを、加工制御CNTの一部として、加工処理部133へ送る。
以上のようにして生成された加工制御CNT(ミュート制御MTC、通常ハイカット制御NHC、高速ハイカット制御HHC及びセパレーション制御SPC)を受けた加工処理部133では、検波部132から送られた信号DTDに対して、加工制御CNTに従った加工処理を行う。すなわち、加工処理部133では、ミュート制御MTCに従ったミュート処理部261によるミュート処理、通常ハイカット制御NHCに従ったハイカット処理部262による通常ハイカット処理、高速ハイカット制御HHCに従った高速ハイカット処理部270による高速ハイカット処理、及び、セパレーション制御SPCに従ったセパレーション処理部263によるセパレーション処理が順次行われる。この結果、信号DMDL,DMDRが生成され、生成された信号DMDL,DMDRがアナログ処理ユニット140へ送られる(図6参照)。
加工処理部133から送られた信号DMDL,DMDRを受けたアナログ処理ユニット140では、DA変換部、音量調整部及びパワー増幅部による信号処理が順次施され、出力音声信号AOSL,AOSRが生成される。そして、アナログ処理ユニット140は、生成された出力音声信号AOSL,AOSRをスピーカユニット160L,160Rへ送る(図1参照)。この結果、スピーカユニット160L,160Rが、出力音声信号AOSL,AOSRに従って、音声を再生出力する。
以上説明したように、本実施形態では、ノイズ低減フィルタ部131が、中間周波信号IFD(入力信号)に対して適応フィルタリング処理を施して、中間周波信号IFDに含まれるノイズを低減した信号FLD(出力信号)を生成する。この信号FLDの検波結果に対して、加工処理部133が再生用の加工処理を施す。かかる加工処理に際して、制御ユニット190における高速応答制御部195が、受信状況の変化を反映した中間周波信号IFDと信号FLDとの誤差情報に基づいて、迅速に、高域減衰率を指定した高速ハイカット制御HHCを生成し、加工処理部133における高速ハイカット処理部270へ送る。この結果、誤差情報ERRの大きさに対応する高域減衰率に従ったハイカット処理が迅速に行われる。
したがって、本実施形態によれば、中間周波信号に対して適応的なフィルタリング処理を行うノイズ低減フィルタを備える構成を採用しつつ、マルチパス発生等の受信状況の変化に対応した適切な再生用の加工処理を精度良く行うことができる。
また、本実施形態では、制御ユニット190における通常応答制御部194が、上述した従来例の技術の加工処理の制御を行うとともに、高速応答制御部195が、通常応答制御部194による制御を補完する制御を行う。このため、従来例の技術の長所を活かしつつ、受信状況の変化に対応した更に適切な再生用の加工処理を精度良く行うことができる。
[実施形態の変形]
本発明は、上記の実施形態に限定されるものではなく、様々な変形が可能である。
例えば、上記の実施形態では、制御ユニット190における高速応答制御部195は、ハイカット処理の制御のみを行ったが、ミュート処理及びセパレーション処理の少なくとも一方の制御を更に行うようにしてもよい。
また、上記の実施形態では、FMステレオ音声放送の放送受信装置に本発明を適用したが、FMモノラル音声放送の放送受信装置、音声放送以外のFM放送の受信装置、位相変調(PM)放送の放送受信装置に本発明を適用してもよい。
また、上記の実施形態では、図9に、誤差情報ERRの値が閾値THM1未満の場合には高域遮断を行わず、誤差情報ERRの値が閾値THM1と閾値THM2(>THM1)との間の場合には、誤差情報ERRの値が大きくなるほど、最大高域遮断率MHT(ERR)が増加する例を示した。これに対し、誤差情報ERRの値が閾値THM1未満の場合にも一定の最大高域遮断率MHT(ERR)で高域遮断を行ったり、また、誤差情報ERRの値が閾値THM1と閾値THM2(>THM1)との間の場合には、誤差情報ERRの値が大きくなるほど、最大高域遮断率MHT(ERR)を減少させるようしたりしてもよい。
なお、上記の実施形態における信号処理ユニット130及び制御ユニット190を、中央処理装置(CPU:Central Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)等を備えた演算手段としてのコンピュータとして構成し、予め用意されたプログラムを当該コンピュータで実行することにより、上記の実施形態における処理の一部又は全部を実行するようにしてもよい。このプログラムはハードディスク、CD−ROM、DVD等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、当該コンピュータによって記録媒体から読み出されて実行される。また、このプログラムは、CD−ROM、DVD等の可搬型記録媒体に記録された形態で取得されるようにしてもよいし、インターネットなどのネットワークを介した配信の形態で取得されるようにしてもよい。
100 … 放送受信装置
131 … ノイズ低減フィルタ部
132 … 検波部
133 … 加工処理部
192 … 信号レベル検出部(第1検出部)
193 … ノイズレベル検出部(第2検出部)
194 … 通常応答制御部(制御部の一部)
195 … 高速応答制御部(制御部の一部)
260 … 通常加工部(通常応答加工部)
270 … 高速ハイカット処理部(高速応答加工部)

Claims (10)

  1. 放送信号から得られる中間周波信号適応的なフィルタリング処理を施し、ノイズが低減された出力信号を出力するノイズ低減フィルタ部と;
    前記ノイズ低減フィルタ部の前記出力信号を検波する検波部と;
    前記検波部による検波結果に対して通常応答加工と高速応答加工とを含む加工処理を施す加工処理部と;
    前記中間周波信号に対する前記出力信号の誤差情報により示される誤差量に基づき、前記通常応答加工を補うように、前記加工処理部による前記高速応答加工を制御する制御部と;
    を備える放送受信装置。
  2. 前記中間周波信号の信号レベルを検出する第1検出部と;
    前記ノイズ低減フィルタ部の前記出力信号におけるノイズレベルを検出する第2検出部と;を更に備え
    前記加工処理部は、
    前記第1検出部による検出結果及び前記第2検出部による検出結果に基づいた制御が行われる通常応答加工部と;
    前記通常応答加工部と直列的に接続され、前記誤差情報に基づいた制御が行われる高速応答加工部と;を備え、
    前記制御部は、前記中間周波信号の信号レベル及び前記出力信号のノイズレベルに基づき前記通常応答加工を制御する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の放送受信装置。
  3. 前記制御部は、前記誤差量が所定量以上の場合に、前記高速応答加工部による加工を制御する、
    ことを特徴とする請求項2に記載の放送受信装置。
  4. 前記誤差情報は、前記中間周波信号の包絡線信号の時間平均に対する前記出力信号の包絡線信号の誤差量を示す情報である、ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の放送受信装置。
  5. 前記加工処理には、前記検波部による検波結果から所定の周波数帯域成分を低減する帯域低減加工の処理が含まれる、ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の放送受信装置。
  6. 前記加工処理には、ミュート加工の処理が含まれる、ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の放送受信装置。
  7. 前記放送信号は、FMステレオ放送信号であり、
    前記加工処理には、セパレーション加工の処理が含まれる、ことを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の放送受信装置。
  8. 放送信号から得られる中間周波信号適応的なフィルタリング処理を施し、ノイズが低減された出力信号を出力するノイズ低減フィルタ部と;前記ノイズ低減フィルタ部の前記出力信号を検波する検波部と;前記検波部による検波結果に対して通常応答加工と高速応答加工とを含む加工処理を施す加工処理部と;制御部と;を備える放送受信装置において使用される信号処理方法であって、
    前記制御部が、前記中間周波信号に対する前記出力信号の誤差情報を取得する取得工程と;
    前記誤差情報により示される誤差量に基づき、前記通常応答加工を補うように、前記制御部が、前記加工処理部による前記高速応答加工を制御する制御工程と;
    備える信号処理方法。
  9. 放送受信装置が有するコンピュータに、請求項8に記載の信号処理方法を実行させる、ことを特徴とする信号処理プログラム。
  10. 放送受信装置が有するコンピュータにより読み取り可能に、請求項9に記載の信号処理プログラムが記録されている、ことを特徴とする記録媒体。
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