JP2017175390A - ノイズレベル推定装置、受信装置及びノイズレベル推定方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】
FMステレオ放送波の受信信号から、ノイズ成分を精度良く推定する。
【解決手段】
FFT部132Mが和信号に対するフーリエ変換を行い、パワースペクトル算出部133Mが和信号成分のパワースペクトルPSDMを算出する。また、FFT部132Sが差信号に対するフーリエ変換を行い、パワースペクトル算出部133Sが差信号成分のパワースペクトルPSDSを算出する。次いで、ノイズ成分スペクトル生成部134が、周波数帯ごとに、差信号成分のパワースペクトルPSDSのパワー値から和信号成分のパワースペクトルPSDMのパワー値を差し引いた結果に基づいて、ノイズ成分スペクトルNSPを生成する。引き続き、推定部135が、ノイズ成分スペクトルNPSにおける周波数帯ごとのパワー値を加算し、当該パワー値の加算結果に基づいて、ステレオ放送信号のノイズ成分のレベルNSLを推定する。
【選択図】 図3
FMステレオ放送波の受信信号から、ノイズ成分を精度良く推定する。
【解決手段】
FFT部132Mが和信号に対するフーリエ変換を行い、パワースペクトル算出部133Mが和信号成分のパワースペクトルPSDMを算出する。また、FFT部132Sが差信号に対するフーリエ変換を行い、パワースペクトル算出部133Sが差信号成分のパワースペクトルPSDSを算出する。次いで、ノイズ成分スペクトル生成部134が、周波数帯ごとに、差信号成分のパワースペクトルPSDSのパワー値から和信号成分のパワースペクトルPSDMのパワー値を差し引いた結果に基づいて、ノイズ成分スペクトルNSPを生成する。引き続き、推定部135が、ノイズ成分スペクトルNPSにおける周波数帯ごとのパワー値を加算し、当該パワー値の加算結果に基づいて、ステレオ放送信号のノイズ成分のレベルNSLを推定する。
【選択図】 図3
Description
本発明は、ノイズレベル推定装置、受信装置、ノイズレベル推定方法、ノイズレベル推定プログラム、及び、当該ノイズレベル推定プログラムが記録された記録媒体に関する。
従来から、FM(Frequency Modulation)ステレオ放送の放送波を受信して処理し、音声を再生する受信装置が広く普及している。こうしたFMステレオ放送波の受信信号には、マルチパス等の影響でノイズ成分が混入してくる。そこで、FMステレオ放送波に混入しているノイズ成分のレベルを推定し、当該ノイズ成分のレベルの変化に対応して、ステレオ再生に際してのセパレーション処理を施し、聴感上耳障りに聞こえるノイズを抑制している。
こうしたノイズ成分のレベルの推定には、受信信号における音声信号成分が含まれる周波数帯域ではなく、当該音声信号成分が含まれる周波数帯域(以下、「音声周波数帯域」とも記す)よりも高い周波数帯域(以下、「高周波数帯域」とも記す)の成分のレベルを検出し、当該検出結果に基づいて、ノイズレベルを推定することがある。このノイズレベルの推定は、高周波数帯域の成分のレベルが、音声信号成分の周波数帯域に含まれるノイズ成分のレベルと高い相関を有していることに着目したものである。
しかしながら、こうした推定方法では、高周波数帯域の成分のレベルを代用して、音声周波数帯域のノイズ成分のレベルを推定するため、音声周波数帯域にノイズ成分が混入していないのに、音声周波数帯域にノイズ成分が混入していると判断されてしまうことがある。また、こうしたノイズ成分のレベルの推定方法では、音声周波数帯域にノイズ成分が混入しているにも関らず、音声周波数帯域にノイズ成分が混入していないと判断されることがある。
そこで、音声周波数帯域の信号を直接利用して、音声周波数帯域に含まれるノイズ成分のレベルを検出する技術が提案されている(特許文献1参照:以下、「従来例」と呼ぶ)。この従来例の技術では、ステレオ放送信号におけるメイン信号(和信号)(L+R)とサブ信号(差信号)(L−R)との比を算出する。そして、当該(L+R)信号と(L−R)信号との比の算出結果に基づいて、FMステレオ放送波に混入しているノイズ成分を検出するようになっている。
上述した従来例では、音声信号成分とノイズ成分とが混在している(L+R)信号と(L−R)信号との比に基づいて、ノイズ成分のレベルを推定している。しかしながら、この比には、音声信号成分の寄与分も含まれている。この結果、従来例の技術では、FMステレオ放送信号に含まれているノイズ成分のみを、精度良く推定することができているとは言い難い。
このため、FMステレオ放送波の受信信号から、ノイズ成分を精度良く推定することができる技術が望まれている。かかる要請に応えることが、本発明が解決すべき課題の一つとして挙げられる。
請求項1に記載の発明は、ステレオ放送信号の差信号成分及び和信号成分のパワースペクトルを算出する算出部と;周波数帯ごとに、前記差信号成分のパワースペクトルのパワー値から前記和信号成分のパワースペクトルのパワー値を差し引いた結果に基づいて、ノイズ成分を反映したノイズ成分スペクトルを生成する生成部と;前記生成部による生成結果に基づいて、ノイズ成分のレベルを推定する推定部と;を備えることを特徴とするノイズレベル推定装置である。
請求項6に記載の発明は、請求項1〜5のいずれか一項に記載のノイズレベル推定装置と;ステレオ放送信号を加工処理する加工処理部と;前記ノイズレベル推定装置により推定されたノイズ成分のレベルに基づいて、前記加工処理部による加工処理を制御する制御部と;を備えることを特徴とする受信装置である。
請求項8に記載の発明は、算出部と、生成部と、推定部とを備えるノイズレベル推定装置において使用されるノイズレベル推定方法であって、前記算出部が、ステレオ放送信号の差信号成分及び和信号成分のパワースペクトルを算出する算出工程と;前記生成部が、周波数帯ごとに、前記差信号成分のパワースペクトルのパワー値から前記和信号成分のパワースペクトルのパワー値を差し引いた結果に基づいて、ノイズ成分を反映したノイズ成分スペクトルを生成する生成工程と;前記推定部が、前記生成工程における生成結果に基づいて、ノイズ成分のレベルを推定する推定工程と;を備えることを特徴とするノイズレベル推定方法である。
請求項9に記載の発明は、ノイズレベル推定装置が有するコンピュータに、請求項8に記載のノイズレベル推定方法を実行させる、ことを特徴とするノイズレベル推定プログラムである。
請求項10に記載の発明は、ノイズレベル推定装置が有するコンピュータにより読み取り可能に、請求項9に記載のノイズレベル推定プログラムが記録されている、ことを特徴とする記録媒体である。
以下、本発明の一実施形態を、図1〜図6を参照して説明する。なお、以下の説明及び図面においては、同一又は同等の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
[構成]
図1には、一実施形態に係る受信装置100の概略的な構成がブロック図にて示されている。この受信装置100は、FMステレオ放送波を受信する受信装置となっている。
図1には、一実施形態に係る受信装置100の概略的な構成がブロック図にて示されている。この受信装置100は、FMステレオ放送波を受信する受信装置となっている。
図1に示されるように、受信装置100は、アンテナ110と、受信処理ユニット120と、ノイズレベル推定装置130、加工処理ユニット140とを備えている。また、受信装置100は、アナログ処理ユニット150と、スピーカユニット160L,160Rと、入力ユニット180とを備えている。さらに、受信装置100は、制御ユニット190を備えている。
上記のアンテナ110は、FMステレオ放送波を受信する。アンテナ110による受信結果は、信号RFSとして、受信処理ユニット120へ送られる。
上記の受信処理ユニット120は、アンテナ110から送られた信号RFSを受ける。そして、受信処理ユニット120は、制御ユニット190から送られた選局指令CSLに従って、信号RFSから、選局指令CSLによって指定された希望放送局に対応するレフトチャンネル信号L(以下、「Lチャンネル信号L」とも記す)及びライトチャンネル信号R(以下、「Rチャンネル信号R」とも記す)を生成する。こうして生成されたLチャンネル信号L及びRチャンネル信号Rは、ノイズレベル推定装置130へ送られるとともに、加工処理ユニット140へ送られる。受信処理ユニット120の構成の詳細については、後述する。
上記のノイズレベル推定装置130は、受信処理ユニット120から送られたLチャンネル信号L及びRチャンネル信号Rを受ける。そして、ノイズレベル推定装置130は、Lチャンネル信号L及びRチャンネル信号Rに基づいて、ステレオ放送信号のノイズ成分のレベルNLV(以下、「ノイズレベルNLV」とも記す)を推定する。こうして推定されたノイズレベルNLVは、制御ユニット190へ送られる。ノイズレベル推定装置ユニット130の構成の詳細については、後述する。
上記の加工処理ユニット140は、受信処理ユニット120から送られたLチャンネル信号L及びRチャンネル信号Rを受ける。また、加工処理ユニット140は、制御ユニット190から送られた加工制御CNTを受ける。そして、加工処理ユニット140は、加工制御CNTに従った自動受信制御(ARC:Automatic Reception Control)を行って、Lチャンネル信号L及びRチャンネル信号Rに対して再生用の加工処理を施し、再生用Lチャンネル信号CLD及び再生用Rチャンネル信号CRDを生成する。こうして生成された再生用Lチャンネル信号CLD及び再生用Rチャンネル信号CRDは、アナログ処理ユニット150へ送られる。加工処理ユニット140の構成の詳細については、後述する。
上記のアナログ処理ユニット150は、加工処理ユニット140から送られた再生用Lチャンネル信号CLD及び再生用Rチャンネル信号CRDを受ける。そして、アナログ処理ユニット150は、制御ユニット190による制御のもとで、再生用Lチャンネル信号CLDに基づいて出力音信号AOSLを生成し、再生用Rチャンネル信号CRDに基づいて出力音信号AOSRを生成する。
かかる機能を有するアナログ処理ユニット150は、DA(Digital to Analogue)変換部と、音量調整部と、パワー増幅部とを備えて構成されている。ここで、DA変換部は、加工処理ユニット140から送られた再生用Lチャンネル信号CLD及び再生用Rチャンネル信号CRDを受ける。そして、DA変換部は、再生用Lチャンネル信号CLD及び再生用Rチャンネル信号CRDをアナログ信号に変換する。なお、DA変換部は、再生用Lチャンネル信号CLD及び再生用Rチャンネル信号CRDに対応して、互いに同様に構成された2個のDA変換器を備えている。DA変換部によるアナログ変換結果は音量調整部へ送られる。
音量調整部は、DA変換部から送られたLチャンネル及びRチャンネルのアナログ変換結果の信号を受ける。そして、音量調整部は、制御ユニット190から送られた音量調整指令VLCに従って、Lチャンネル及びRチャンネルのそれぞれに対応するアナログ変換結果の信号に対して音量調整処理を施す。なお、音量調整部は、Lチャンネル及びRチャンネルに対応して、互いに同様に構成された2個の電子ボリューム素子等を備えて構成されている。音量調整部による音量調整結果の信号は、パワー増幅部へ送られる。
パワー増幅部は、音量調整部から送られたLチャンネル及びRチャンネルの音量調整結果の信号を受ける。そして、パワー増幅部は、音量調整結果の信号をパワー増幅して、出力音信号AOSL及び出力音信号AOSRを生成する。こうして生成された出力音信号AOSLは、スピーカユニット160Lへ送られる。また、こうして生成された出力音信号AOSRは、スピーカユニット160Rへ送られる。
上記のスピーカユニット160Lは、アナログ処理ユニット150から送られた出力音信号AOSLを受ける。そして、スピーカユニット160Lは、出力音信号AOSLに従って、音声を再生出力する。
上記のスピーカユニット160Rは、アナログ処理ユニット150から送られた出力音信号AOSRを受ける。そして、スピーカユニット160Rは、出力音信号AOSRに従って、音声を再生出力する。
上記の入力ユニット180は、受信装置100の本体部に設けられたキー部、あるいはキー部を備えるリモート入力装置等により構成される。ここで、本体部に設けられたキー部としては、不図示の表示ユニットに設けられたタッチパネルを用いることができる。また、キー部を有する構成に代えて、音声入力する構成を採用することもできる。入力ユニット180への入力結果は、入力データIPDとして制御ユニット190へ送られる。
上記の制御ユニット190は、入力ユニット180から送られた入力データIPDを受ける。この入力データIPDの内容が選局指定である場合には、制御ユニット190は、指定された希望局に対応する選局指令CSLを生成して、受信処理ユニット120へ送る。また、入力データIPDの内容が音量調整指定である場合には、制御ユニット190は、指定された音量調整指定に対応する音量調整指令VLCを生成して、アナログ処理ユニット150へ送る。
また、制御ユニット190は、ノイズレベル推定装置130から送られたノイズレベルNLVを受ける。そして、制御ユニット190は、ノイズレベルNLVに基づいて、加工処理ユニット140での再生用の加工処理を制御するためのミュート制御MTC及びセパレーション制御SPCを生成する。こうして生成されたミュート制御MTC及びセパレーション制御SPCは、加工制御CNTとして、加工処理ユニット140へ送られる。すなわち、制御ユニット190は、制御部の機能を果たすようになっている。
<受信処理ユニット120の構成>
次に、受信処理ユニット120の構成について説明する。
次に、受信処理ユニット120の構成について説明する。
受信処理ユニット120は、図2に示されるように、RF処理部121と、検波部122と、マルチプレクサ(MPX)部123とを備えている。また、受信処理ユニット120は、マトリクス部125を備えている。
上記のRF処理部121は、制御ユニット190から送られた選局指令CSLに従って、選局すべき希望局の信号を信号RFSから抽出する選局処理を行い、所定の中間周波数帯の成分を有する中間周波信号IFDに変換する。こうして得られた中間周波信号IFDは、検波部122へ送られる。なお、中間周波信号IFDはデジタル信号となっている。
上記の検波部122は、RF処理部121から送られた中間周波信号IFDを受ける。そして、検波部122は、中間周波信号IFDに対して検波処理を施す。検波部122による検波結果は、検波信号DTDとして、MPX部123へ送られる。
なお、検波信号DTDは、Lチャンネル信号LとRチャンネル信号Rとのステレオ和信号(L+R)及びステレオ差信号(L−R)が、異なる周波数帯に反映されたステレオ複合信号となっている。
上記のMPX部123は、検波部122から送られた検波信号DTDを受ける。そして、MPX部123は、検波信号DTDからステレオ和信号(L+R)及びステレオ差信号(L−R)をそれぞれ抽出する。抽出されたステレオ和信号(L+R)及びステレオ差信号(L−R)は、マトリクス部125へ送られる。
上記のマトリクス部125は、MPX部123から送られたステレオ和信号(L+R)及びステレオ差信号(L−R)を受ける。そして、マトリクス部125は、ステレオ和信号(L+R)とステレオ差信号(L−R)とを加算し、加算結果に基づいて、Lチャンネル信号Lを算出する。また、マトリクス部125は、ステレオ和信号(L+R)からステレオ差信号(L−R)を減算し、減算結果に基づいて、Rチャンネル信号Rを算出する。こうして算出されたLチャンネル信号L及びRチャンネル信号Rは、ノイズレベル推定装置130及び加工処理ユニット140へ送られる。
ここで、上述した受信処理ユニット120の構成は、従来から受信装置において一般的に採用されており、LSI(Large Scale Integrated Circuit)化も行われている構成である。
<ノイズレベル推定装置130の構成>
次に、ノイズレベル推定装置130の構成について説明する。
次に、ノイズレベル推定装置130の構成について説明する。
ノイズレベル推定装置130は、図3に示されるように、マトリクス部131と、フーリエ変換部(FFT部)132M,132Sと、パワースペクトル算出部133M,133Sとを備えている。また、ノイズレベル推定装置130は、ノイズ成分スペクトル生成部134と、推定部135とを備えている。
上記のマトリクス部131は、受信処理ユニット120から送られたLチャンネル信号L及びRチャンネル信号Rを受ける。そして、マトリクス部131は、Lチャンネル信号LとRチャンネル信号Rとを加算することにより、ステレオ和信号(L+R)を算出する。また、マトリクス部131は、Lチャンネル信号LからRチャンネル信号Rを減算することにより、ステレオ差信号(L−R)を算出する。こうして算出されたステレオ和信号(L+R)は、FFT部132Mへ送られる。また、こうして算出されたステレオ差信号(L−R)は、FFT部132Sへ送られる。
上記のFFT部132Mは、マトリクス部131から送られたステレオ和信号(L+R)を受ける。そして、FFT部132Mは、ステレオ和信号(L+R)に対してフーリエ変換を施して、振幅スペクトルFQDMを生成する。こうして生成された振幅スペクトルFQDMは、パワースペクトル算出部133Mへ送られる。
上記のFFT部132Sは、マトリクス部131から送られたステレオ差信号(L−R)を受ける。そして、FFT部132Sは、ステレオ差信号(L−R)に対してフーリエ変換を施して、振幅スペクトルFQDSを生成する。こうして生成された振幅スペクトルFQDSは、パワースペクトル算出部133Sへ送られる。
すなわち、FFT部132M,132Sは、算出部の一部の機能を果たすようになっている。
上記のパワースペクトル算出部133Mは、FFT部132Mから送られた振幅スペクトルFQDMを受ける。そして、パワースペクトル算出部133Mは、当該振幅スペクトルFQDMに基づいて、ステレオ放送信号の和信号成分(L+R)のパワースペクトルPSDMを算出する。こうして算出されたパワースペクトルPSDMは、ノイズ成分スペクトル生成部134へ送られる。
上記のパワースペクトル算出部133Sは、FFT部132Sから送られた振幅スペクトルFQDSを受ける。そして、パワースペクトル算出部133Sは、当該振幅スペクトルFQDSに基づいて、ステレオ放送信号の差信号成分(L−R)のパワースペクトルPSDSを算出する。こうして算出されたパワースペクトルPSDSは、ノイズ成分スペクトル生成部134へ送られる。
ここで、パワースペクトル算出部133M,133Sは、所定周波数を最低周波数とし、周波数(f)方向に沿って並ぶ所定周波数幅の複数の周波数帯ごとのパワー値で表現されるパワースペクトルを生成するようになっている。すなわち、パワースペクトル算出部133M,133Sは、算出部の一部の機能を果たすようになっている。
上記のノイズ成分スペクトル生成部134は、パワースペクトル算出部133Mから送られた和信号成分(L+R)のパワースペクトルPSDM、及び、パワースペクトル算出部133Sから送られた差信号成分(L−R)のパワースペクトルPSDSを受ける。そして、ノイズ成分スペクトル生成部134は、周波数帯ごとに、差信号成分(L−R)のパワースペクトルPSDSのパワー値から和信号成分のパワースペクトル分SDMのパワー値を差し引く。
そして、ノイズ成分スペクトル生成部134は、周波数帯ごとに、当該差し引いた値が「0」以上のときには、ノイズ成分スペクトルのパワー値を当該差し引いた値にし、当該差し引いた値が「0」未満のときには、ノイズ成分スペクトルのパワー値を「0」にして、ノイズ成分スペクトルNSPを生成する。こうして生成されたノイズ成分スペクトルNSPは、推定部135へ送られる。すなわち、ノイズ成分スペクトル生成部134は、生成部の機能を果たすようになっている。
上記の推定部135は、ノイズ成分スペクトル生成部134から送られたノイズ成分スペクトルNSPを受ける。次いで、推定部135は、ノイズ成分スペクトルNSPにおける周波数帯ごとのパワー値を加算する。そして、推定部135は、当該加算結果に基づいて、ステレオ放送信号のノイズ成分のレベルNLVを推定する。
ここで、推定部135は、ノイズ成分スペクトルNSPにおける周波数帯ごとのパワー値を加算値が大きいほど、ノイズレベルが高いと推定する。こうして推定されたノイズレベルNLVは、制御ユニット190へ送られる。
<加工処理ユニット140の構成>
次に、加工処理ユニット140の構成について説明する。
次に、加工処理ユニット140の構成について説明する。
加工処理ユニット140は、図4に示されるように、加工用信号生成部141と、ミュート処理部142とを備えている。また、加工処理ユニット140は、セパレーション処理部144を備えている。
上記の加工用信号生成部141は。受信処理ユニット120から送られたLチャンネル信号L及びRチャンネル信号Rを受ける。引き続き、加工用信号生成部141は、Lチャンネル信号LとRチャンネル信号Rとを加算することにより、ステレオ和信号(L+R)を算出する。そして、加工用信号生成部141は、ステレオ和信号(L+R)を信号DPMとしてミュート処理部142へ送る。また、加工用信号生成部141は、Lチャンネル信号LからRチャンネル信号Rを減算することにより、ステレオ差信号(L−R)を算出する。そして、加工用信号生成部141は、ステレオ差信号(L−R)を信号DPSとしてミュート処理部142へ送る。
上記のミュート処理部142は、加工用信号生成部132から送られた信号DPM,DPSを受ける。そして、ミュート処理部142は、制御ユニット190から送られた加工制御CNTに含まれ、ミュート率(減衰率)が指定されたミュート制御MTCに従って、信号DPMに対してミュート処理を施して、信号MTMを生成する。また、ミュート処理部142は、ミュート制御MTCに従って、信号DPSに対してミュート処理を施して、信号MTSを生成する。こうして生成された信号MTM,MTSは、セパレーション処理部144へ送られる。本実施形態では、ノイズレベルNLVが所定値DNDTM以上の場合に、ミュート処理を実行するようになっている。こうしたミュート処理では、ノイズレベルNLVが大きくなるほど、ミュート率を増加させるようになっている。
上記のセパレーション処理部144は、ミュート処理部142から送られた信号MTM,MTSを受ける。そして、セパレーション処理部144は、制御ユニット190から送られた加工制御CNTに含まれ、Lチャンネル信号及びRチャンネル信号へのセパレーション度が指定されたセパレーション制御SPCに従って、信号MTM,MTSに対してセパレーション処理を施して、再生用Lチャンネル信号CLD及び再生用Rチャンネル信号CRDを生成する。こうして生成された再生用Lチャンネル信号CLD及び再生用Rチャンネル信号CRDは、アナログ処理ユニット150へ送られる。本実施形態では、ノイズレベルNLVが所定値DNDTS以上の場合に、セパレーション処理を実行するようになっている。こうしたセパレーション処理では、ノイズレベルNLVが大きくなるほど、セパレーション度を低減させるようになっている。
ここで、所定値DNDTM及び所定値DNDTSの関係は、所定値DNDTM>所定値DNDTSとなっている。そして、これらの値は、実験、シミュレーション、経験等に基づいて、予め定められている。
[動作]
以上のようにして構成された受信装置100の動作について、ノイズレベル推定装置130によるステレオ放送信号に含まれるノイズ成分のレベルの推定処理に主に着目して説明する。
以上のようにして構成された受信装置100の動作について、ノイズレベル推定装置130によるステレオ放送信号に含まれるノイズ成分のレベルの推定処理に主に着目して説明する。
前提として、入力ユニット180には既に利用者により選局指定が入力されており、指定された希望局に対応する選局指令CSLが、受信処理ユニット120へ送られているものとする。また、入力ユニット180には既に利用者により音量調整指定が入力されており、指定された音量調整態様に対応する音量調整指令VLCが、アナログ処理ユニット150へ送られているものとする(図1参照)。
こうした状態で、アンテナ110で放送波を受信すると、信号RFSが、アンテナ110から受信処理ユニット120へ送られる。この受信処理ユニット120では、RF処理部121が、信号RFSを受ける。そして、RF処理部121において、選局すべき希望局の信号が中間周波数帯の信号に変換された後、AD変換が行われる。このAD変換の結果が、中間周波信号IFDとして、検波部122へ送られる(図2参照)。
検波部122では、中間周波信号IFDに対して検波処理が施される。そして、検波部122は、検波処理の結果を、検波信号DTDとして、MPX部123へ送る。引き続き、MPX部123が、検波信号DTDからステレオ和信号(L+R)及びステレオ差信号(L−R)を抽出する。そして、MPX部123は、抽出されたステレオ和信号(L+R)及びステレオ差信号(L−R)を、マトリクス部125へ送る。
マトリクス部125は、ステレオ和信号(L+R)とステレオ差信号(L−R)とを加算し、加算結果に基づいて、Lチャンネル信号Lを算出する。また、マトリクス部125は、ステレオ和信号(L+R)からステレオ差信号(L−R)を減算し、減算結果に基づいて、Rチャンネル信号Rを算出する。そして、マトリクス部125は、Lチャンネル信号L及びRチャンネル信号Rをノイズレベル推定装置130及び加工処理ユニット140へ送る(図2参照)。
<ノイズレベル推定装置130によるノイズレベルの推定処理>
ノイズレベル推定装置130では、マトリクス部131が、Lチャンネル信号LとRチャンネル信号Rとを加算することにより、ステレオ和信号(L+R)を算出し、ステレオ和信号(L+R)をFFT部132Mへ送る。また、マトリクス部131は、Lチャンネル信号LからRチャンネル信号Rを減算することにより、ステレオ差信号(L−R)を算出し、ステレオ差信号(L−R)をFFT部132Sへ送る。
ノイズレベル推定装置130では、マトリクス部131が、Lチャンネル信号LとRチャンネル信号Rとを加算することにより、ステレオ和信号(L+R)を算出し、ステレオ和信号(L+R)をFFT部132Mへ送る。また、マトリクス部131は、Lチャンネル信号LからRチャンネル信号Rを減算することにより、ステレオ差信号(L−R)を算出し、ステレオ差信号(L−R)をFFT部132Sへ送る。
ステレオ和信号(L+R)を受けたFFT部132Mは、ステレオ和信号(L+R)に対してフーリエ変換を行う。そして、FFT部132Mは、変換結果である振幅スペクトルFQDMをパワースペクトル算出部133Mへ送る。
FFT部132Mから送られた変換結果を受けると、パワースペクトル算出部133Mは、振幅スペクトルFQDM(f)に基づいて、和信号(L+R)成分のパワースペクトルPSDMを算出する。そして、パワースペクトル算出部133Mは、算出されたパワースペクトルPSDM(f)をノイズ成分スペクトル生成部134へ送る。
一方、ステレオ差信号(L−R)を受けたFFT部132Sは、ステレオ差信号(L−R)に対してフーリエ変換を行う。そして、FFT部132Sは、変換結果である振幅スペクトルFQDSをパワースペクトル算出部133Sへ送る。
FFT部132Sから送られた変換結果を受けると、パワースペクトル算出部133Sは、振幅スペクトルFQDS(f)に基づいて、差信号(L−R)成分のパワースペクトルPSDSを算出する。そして、パワースペクトル算出部133Sは、算出されたパワースペクトルPSDS(f)をノイズ成分スペクトル生成部134へ送る。
本実施形態では、和信号(L+R)成分のパワースペクトルPSDM(f)及び差信号(L−R)成分のパワースペクトルPSDS(f)は、ともに、所定周波数を最低周波数とし、周波数(f)方向に沿って並ぶ所定周波数幅の複数の周波数帯ごとのパワー値で表現されている。ここで、最低周波数である所定周波数及び所定周波数幅は、ステレオ放送信号に含まれるノイズ成分を精度良く推定するとの観点から、実験、シミュレーション、経験等に基づいて、予め定められている。
引き続き、ノイズ成分スペクトル生成部134が、所定周波数幅の周波数帯ごとに、差信号成分(L−R)のパワースペクトルPSDSのパワー値から和信号成分(L+R)のパワースペクトル分SDMのパワー値を差し引く。次いで、ノイズ成分スペクトル生成部134は、所定周波数幅の周波数帯ごとに、当該差し引いた値が「0」以上のときには、ノイズ成分スペクトルのパワー値を当該差し引いた値にし、当該差し引いた値が「0」未満のときには、ノイズ成分スペクトルのパワー値を「0」にして、ノイズ成分スペクトルNSPを生成する。そして、ノイズ成分スペクトル生成部134は、生成されたノイズ成分スペクトルNSPを推定部135へ送る。
推定部135は、ノイズ成分スペクトルNSPに基づいて、ノイズ成分スペクトルNSPにおける周波数帯ごとのパワー値を加算する。引き続き、推定部135は、当該パワー値の加算結果に基づいて、ステレオ放送信号のノイズ成分のレベルNLVを推定する。そして、推定部135は、推定されたノイズレベルNLVを制御ユニット190へ送る。
ここで、ノイズレベルNLVの推定処理の例を、図5及び図6を参照して説明する。
図5(A)には、受信状態が良好なとき(ノイズの発生度合いが低いとき)の和信号(L+R)成分のパワースペクトルPSDM(f)の例が示され、図5(B)には、こうした受信状態での差信号(L−R)成分のパワースペクトルPSDS(f)の例が示されている。ここで、グレーのバー(四角い枠)が音声信号成分のパワー値を表し、白抜きのバーがノイズ成分のパワー値を表している。そして、周波数帯ごとに、パワースペクトルPSDS(f)のパワー値からパワースペクトルPSDM(f)のパワー値を差し引き、当該差し引いた値が「0」未満のパワー値を「0」にしたときのノイズ成分スペクトルNSP(f)が、図5(C)に示されている。
この受信状態でのノイズ成分のレベルNLVは、図5(C)に示されるノイズ成分スペクトルNSP(f)の周波数帯ごとのパワー値の加算結果に基づいて推定される。
図6(A)には、受信状態が良好でないとき(ノイズの発生度合いが高いとき)の和信号(L+R)成分のパワースペクトルPSDM(f)の例が示され、図6(B)には、こうした受信状態での差信号(L−R)成分のパワースペクトルPSDS(f)の例が示されている。そして、周波数帯ごとに、パワースペクトルPSDS(f)のパワー値からパワースペクトルPSDM(f)のパワー値を差し引き、当該差し引いた値が「0」未満のパワー値を「0」にしたときのノイズ成分スペクトルNSP(f)が、図6(C)に示されている。
この受信状態でのノイズ成分のレベルNLVは、図6(C)に示されるノイズ成分スペクトルNSP(f)の周波数帯ごとのパワー値の加算結果に基づいて推定される。
ここで、FMステレオ放送では、メイン信号(和信号)(L+R)とサブ信号(差信号)(L−R)とを、周波数帯域を分けて送信する。そして、サブ信号成分を送信する周波数帯は、メイン信号成分を送信する周波数帯に比べて高くなっている。FM変調の場合は、周波数が高くなるほど、ノイズ成分が増える特性がある。こうしたFM変調の特性が、図5(A),(B)及び図6(A),(B)に現れている。また、図5(C)及び図6(C)から分るように、ノイズ成分スペクトルNSP(f)は、差信号(L−R)成分のパワースペクトルPSDS(f)から和信号(L+R)成分のパワースペクトルPSDM(f)を差し引く減算により、音声信号成分の寄与を低減し、ノイズ成分のレベルを反映したスペクトルとなっている。
<制御ユニット190による加工制御処理>
制御ユニット190は、ノイズレベル推定装置130から送られたノイズレベルNLVを受けると、ノイズレベルNLVの変化に対応して、上述したミュート制御MTC及びセパレーション制御SPCを生成する。そして、制御ユニット190は、ミュート制御MTC及びセパレーション制御SPCを含む加工制御CNTを生成し、加工処理ユニット140へ送る。
制御ユニット190は、ノイズレベル推定装置130から送られたノイズレベルNLVを受けると、ノイズレベルNLVの変化に対応して、上述したミュート制御MTC及びセパレーション制御SPCを生成する。そして、制御ユニット190は、ミュート制御MTC及びセパレーション制御SPCを含む加工制御CNTを生成し、加工処理ユニット140へ送る。
加工処理ユニット140では、まず、加工用信号生成部141が、受信処理ユニット120から送られたLチャンネル信号L及びRチャンネル信号Rに基づいて、信号DPM,DPSを生成する。引き続き、加工処理ユニット140では、ミュート制御MTCに従ったミュート処理部142によるミュート処理、及び、セパレーション制御SPCに従ったセパレーション処理部144によるセパレーション処理が順次行われて、再生用Lチャンネル信号CLD及び再生用Rチャンネル信号CRDが生成される。そして、加工処理ユニット140は、再生用Lチャンネル信号CLD及び再生用Rチャンネル信号CRDをアナログ処理ユニット150へ送る。
アナログ処理ユニット150では、DA変換部、音量調整部及びパワー増幅部が順次処理を行い、再生用Lチャンネル信号CLD及び再生用Rチャンネル信号CRDから出力音声信号AOSL,AOSRを生成し、スピーカユニット160L,160Rへ送る(図1参照)。そして、スピーカユニット160L,160Rが、アナログ処理ユニット150から送られた出力音声信号AOSL,AOSRに従って、音声を再生出力する。
以上説明したように、本実施形態では、受信処理ユニット120が、FMステレオ放送波の受信結果に基づいて、Lチャンネル信号L及びRチャンネル信号Rを生成して、ノイズレベル推定装置130へ送る。そして、ノイズレベル推定装置130のマトリクス部131が、まず、ステレオ和信号(L+R)を算出して算出結果をFFT部132Mへ送り、ステレオ差信号(L−R)を算出して算出結果をFFT部132Sへ送る。次に、FFT部132Mがステレオ和信号(L+R)に対してフーリエ変換を行い、パワースペクトル算出部133Mが和信号(L+R)成分のパワースペクトルPSDMを算出する。また、FFT部132Sがステレオ差信号(L−R)に対してフーリエ変換を行い、パワースペクトル算出部133Sが差信号(L−R)成分のパワースペクトルPSDSを算出する。次いで、ノイズ成分スペクトル生成部134が、周波数帯ごとに、差信号(L−R)成分のパワースペクトルPSDSのパワー値から和信号(L+R)成分のパワースペクトルPSDMのパワー値を差し引いた結果に基づいて、ノイズ成分を反映したノイズ成分スペクトルNSPを生成する。引き続き、推定部135が、ノイズ成分スペクトルNSPにおける周波数帯ごとのパワー値を加算し、当該パワー値の加算結果に基づいて、ステレオ放送の検波信号におけるノイズ成分のレベルNLVを推定する。
このため、本実施形態では、FMステレオ放送信号における音声周波数帯域の信号を利用し、音声信号成分の寄与度を低減させた状態で、FMステレオ放送信号のノイズレベルを推定することができる。
また、本実施形態では、ノイズレベル推定装置130が推定したノイズレベルNLVの変化に対応して、制御ユニット190が、自動受信制御を行う。このため、本実施形態では、FMステレオ放送信号のノイズレベルの変化に対応したステレオ再生を行うことができる。
したがって、本実施形態によれば、FMステレオ放送波の受信信号から、ノイズ成分を精度良く推定することができる。
[実施形態の変形]
本発明は、上記の実施形態に限定されるものではなく、様々な変形が可能である。
本発明は、上記の実施形態に限定されるものではなく、様々な変形が可能である。
例えば、上記の実施形態では、推定部は、ノイズ成分スペクトルNSPにおける周波数帯ごとのパワー値について重み付けを行わずに加算し、当該加算結果に基づいて、ステレオ放送信号のノイズレベルを推定した。これに対して、推定部は、周波数帯ごとに異なる重み係数をパワー値に乗じ、当該重み付けを乗じた結果を加算して、当該加算結果に基づいて、ノイズレベルを推定するようにしてもよい。こうした重み係数としては、周波数が高くなるにつれて重み係数を小さくすることができる。また、こうした重み係数としては、等ラウドネス曲線に合せた係数とすることができる。
上記の実施形態のパワースペクトル算出部は、パワースペクトルを算出するに際して、パワースペクトルの算出対象期間を前回の算出対象期間の一部とオーバーラップさせつつ、算出対象期間ごとに、ステレオ放送信号の差信号成分のパワースペクトル及びステレオ放送信号の和信号成分のパワースペクトルを算出するようにしてもよい。
ここで、図7(A)に示されるノイズ状態のときに、パワースペクトルの算出対象期間をオーバーラップさせずに、フーリエ変換を行った場合における算出対象期間ごとに推定されるノイズ成分のレベルNLVの時間変化の様子が図7(B)に示されている。また、図7(C)には、図7(A)に示されるノイズ状態のときに、パワースペクトルの算出対象期間をオーバーラップさせつつ、フーリエ変換を行った場合における算出対象期間ごとに推定されるノイズ成分のレベルNLVの時間変化の様子が示されている。
図7(B),(C)から、パワースペクトルの算出対象期間をオーバーラップさせてパワースペクトルを算出することにより、ノイズが未検出となる事態の発生を低減し、高い精度(高い時間分解能)でノイズ推定を行えることが分る。なお、図7(C)では、オーバーラップの期間長を、算出対象期間の2分の1の期間長としている。
なお、パワースペクトル算出部は、パワースペクトルを算出するに際して、パワースペクトルの算出対象期間をオーバーラップさせずに、算出対象期間ごとに、ステレオ放送信号の差信号成分のパワースペクトル及びステレオ放送信号の和信号成分のパワースペクトルを算出するようにしてもよいことは勿論である。
また、上記の実施形態では、Lチャンネル信号L及びRチャンネル信号Rから和信号(L+R)及び差信号(L−R)を算出した後に、和信号(L+R)成分の振幅スペクトルFQDM及び差信号(L−R)成分の振幅スペクトルFQDSを算出するようにした。これに対して、Lチャンネル信号L及びRチャンネル信号Rのそれぞれの振幅スペクトルを算出した後、双方の和及び差を算出することにより、振幅スペクトルFQDM,FQDSを算出するようにしてもよい。
また、上記の実施形態では、Lチャンネル信号L及びRチャンネル信号Rから和信号(L+R)及び差信号(L−R)を算出した後に、和信号(L+R)成分の振幅スペクトルFQDM及び差信号(L−R)成分の振幅スペクトルFQDSを算出するようにした。これに対して、受信処理ユニットにおけるLチャンネル信号L及びRチャンネル信号Rの生成の途中段階で算出される和信号(L+R)及び差信号(L−R)を取り出すことができるのであれば、取り出された和信号(L+R)及び差信号(L−R)をノイズレベル推定装置に供給するようにしてもよい。この場合には、上記の実施形態におけるマトリクス部131を省略することができる。
また、上記の実施形態では、Lチャンネル信号L及びRチャンネル信号Rから加工用信号を生成し、当該加工用信号に対して、ミュート処理、及び、セパレーション処理を行うこととした。これに対して、受信処理ユニットで生成される検波信号を取り出すことができるのであれば、取り出された検波信号に対して、ミュート処理、及び、セパレーション処理を行うようにしてもよい。そして、この場合には、ハイカット処理を行うようにしてもよい。
上記のノイズレベル推定装置を、DSP(Digital Signal Processor)等を備えた演算手段としてのコンピュータとして構成し、予め用意されたプログラムを当該コンピュータで実行することにより、上記の実施形態における処理の一部又は全部を実行するようにしてもよい。このプログラムはハードディスク、CD−ROM、DVD等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、当該コンピュータによって記録媒体から読み出されて実行される。また、このプログラムは、CD−ROM、DVD等の可搬型記録媒体に記録された形態で取得されるようにしてもよいし、インターネットなどのネットワークを介した配信の形態で取得されるようにしてもよい。
100 … 受信装置
130 … ノイズレベル推定装置
132M,132S … フーリエ変換部(算出部の一部)
133M,133S … パワースペクトル算出部(算出部の一部)
134 … ノイズ成分スペクトル生成部(生成部)
135 … 推定部
140 … 加工処理ユニット(加工処理部)
190 … 制御ユニット(制御部)
130 … ノイズレベル推定装置
132M,132S … フーリエ変換部(算出部の一部)
133M,133S … パワースペクトル算出部(算出部の一部)
134 … ノイズ成分スペクトル生成部(生成部)
135 … 推定部
140 … 加工処理ユニット(加工処理部)
190 … 制御ユニット(制御部)
Claims (10)
- ステレオ放送信号の差信号成分及び和信号成分のパワースペクトルを算出する算出部と;
周波数帯ごとに、前記差信号成分のパワースペクトルのパワー値から前記和信号成分のパワースペクトルのパワー値を差し引いた結果に基づいて、ノイズ成分を反映したノイズ成分スペクトルを生成する生成部と;
前記生成部による生成結果に基づいて、ノイズ成分のレベルを推定する推定部と;
を備えることを特徴とするノイズレベル推定装置。 - 前記生成部は、前記周波数帯ごとに、前記差信号成分のパワースペクトルのパワー値から前記和信号成分のパワースペクトルのパワー値を差し引いた値が「0」以上のときには、前記ノイズ成分スペクトルのパワー値を前記差し引いた値にし、前記差し引いた値が「0」未満のときには、前記ノイズ成分スペクトルのパワー値を「0」にして、前記ノイズ成分スペクトルを生成する、ことを特徴とする請求項1に記載のノイズレベル推定装置。
- 前記推定部は、前記周波数帯ごとに、前記ノイズ成分スペクトルにおけるパワー値を加算した加算結果に基づいて、ノイズ成分のレベルを推定する、ことを特徴とする請求項1又は2に記載のノイズレベル推定装置。
- 前記推定部は、前記周波数帯ごとに重み付けをして、前記加算を行う、ことを特徴とする請求項3に記載のノイズレベル推定装置。
- 前記算出部は、前記パワースペクトルの算出対象期間を前回の算出対象期間の一部とオーバーラップさせつつ、前記算出対象期間ごとに、前記差信号成分のパワースペクトル及び前記和信号成分のパワースペクトルを算出する、ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のノイズレベル推定装置。
- 請求項1〜5のいずれか一項に記載のノイズレベル推定装置と;
ステレオ放送信号を加工処理する加工処理部と;
前記ノイズレベル推定装置により推定されたノイズ成分のレベルに基づいて、前記加工処理部による加工処理を制御する制御部と;
を備えることを特徴とする受信装置。 - 前記加工処理には、セパレーション加工の処理が含まれる、ことを特徴とする請求項6に記載の受信装置。
- 算出部と、生成部と、推定部とを備えるノイズレベル推定装置において使用されるノイズレベル推定方法であって、
前記算出部が、ステレオ放送信号の差信号成分及び和信号成分のパワースペクトルを算出する算出工程と;
前記生成部が、周波数帯ごとに、前記差信号成分のパワースペクトルのパワー値から前記和信号成分のパワースペクトルのパワー値を差し引いた結果に基づいて、ノイズ成分を反映したノイズ成分スペクトルを生成する生成工程と;
前記推定部が、前記生成工程における生成結果に基づいて、ノイズ成分のレベルを推定する推定工程と;
を備えることを特徴とするノイズレベル推定方法。 - ノイズレベル推定装置が有するコンピュータに、請求項8に記載のノイズレベル推定方法を実行させる、ことを特徴とするノイズレベル推定プログラム。
- ノイズレベル推定装置が有するコンピュータにより読み取り可能に、請求項9に記載のノイズレベル推定プログラムが記録されている、ことを特徴とする記録媒体。
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JP2016059386A JP2017175390A (ja) | 2016-03-24 | 2016-03-24 | ノイズレベル推定装置、受信装置及びノイズレベル推定方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2016059386A JP2017175390A (ja) | 2016-03-24 | 2016-03-24 | ノイズレベル推定装置、受信装置及びノイズレベル推定方法 |
Publications (1)
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ID=59972300
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JP2016059386A Pending JP2017175390A (ja) | 2016-03-24 | 2016-03-24 | ノイズレベル推定装置、受信装置及びノイズレベル推定方法 |
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2016
- 2016-03-24 JP JP2016059386A patent/JP2017175390A/ja active Pending
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