JP3992519B2 - 信号処理装置、信号受信装置、および信号処理方法 - Google Patents

信号処理装置、信号受信装置、および信号処理方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、信号処理技術に関し、特にノイズを検出して低減する信号処理装置、信号受信装置、および信号処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車などの移動体に搭載されるFM受信機では、オーディオ信号受信の際に、周囲にある山や高層建築物などの障害物からの電磁波の反射に起因してマルチパスノイズが発生する。このマルチパスノイズは、反射体によって反射された間接波が受信アンテナから直接受信される直接波と合波し、直接波と間接波との位相関係に依存して直接波の一部が反射波によって打ち消されることによって生じる。マルチパスノイズが発生すると、FM受信機から出力される音声信号の品質が著しく低下する。
【0003】
FMの中間周波数信号に現れるマルチパスノイズを除去する方法として、適応フィルタを用いた波形等化処理方法が特許第3011948号公報に開示されている。この方法は、基準信号との偏差が小さくなるよう適応的にフィルタ係数を更新し、一定振幅の出力信号を得ることによりマルチパス歪みを除去する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
FM放送受信では、FM受信波を中間周波数信号に変換するフロントエンドにおいて、振幅リミッタを利用して、雑音やパルスノイズなどで生じるAM分を除去し、S/N比を向上に妨害信号を抑制することが行われる。このようにフロントエンド部に振幅リミッタが存在する場合に、前述の適応フィルタによる波形等化処理を適用すると、振幅歪みが取り除かれたデータを適応フィルタにかけることになる。そもそも基準信号との偏差がない状態では適応フィルタの動作に意味がないため、マルチパスによる位相歪みがほとんど解消されず、効果が得られない。
【0005】
本発明はこうした状況に鑑みてなされたもので、その目的は、ノイズにより生じた位相歪みを低減することのできる信号処理技術の提供にある。また別の目的は、FM受信におけるマルチパスノイズを低減する信号受信技術の提供にある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明のある態様は信号処理装置に関する。この装置は、入力信号に対して、ノイズを含む区間の波形を所定の置換波形で置き換える波形置換処理部と、置き換えにより生じる区間幅の差に応じて前記入力信号のデータをシフトして出力信号を生成するシフト処理部とを含む。
【0007】
入力信号の波形のうち、ノイズを含む波形が所定の置換波形で置き換えられ、その置換波形の後に残りの信号がコピーしてつなげられ、最終的に出力信号となる。つまり、出力信号の波形データは、入力信号の波形データと比べると、置き換えのあった区間の後は、見かけ上、ノイズを含む波形と置換波形の波形幅の差の分だけ時間軸上にシフトしたように見える。データ処理上は、入力信号の波形データを格納するメモリ内でアドレスをシフトさせてデータをコピーすることによりこのシフト処理が行われる。このシフトは、時間軸上で短くなる方向にも長くなる方向にも起こりうる。
【0008】
ここで、所定の置換波形はノイズを低減するよう作用する波形であり、たとえばあらかじめ用意された人工の信号波形でもよく、入力信号のノイズの発生していない区間からコピーされた波形であってもよい。なお、置き換え後の入力信号のシフト量は、ノイズを含む波形と置換波形の波形幅の差分に正確に等しくする必要はなく、設計の都合上、ある程度のずれを許容する趣旨である。
【0009】
前記波形置換処理部は、前記入力信号のシフトの量を累積して記憶するシフト量記憶部と、累積したシフト量により前記置換波形の波長数を決定する波長数決定部とを含んでもよい。シフト量の累積により、置き換え後の信号が時間軸上で元の入力信号よりも短くなりすぎた場合は、次回の置き換えの際、置換波形の波長数を増やし、置き換え後の信号が元の入力信号よりも長くなりすぎた場合は、置換波形の波長数を減らすか、あるいは置き換えを行わずに、単にノイズを含む波形をカットして残りの波形をつなげてもよい。これにより、波形の置き換えによって生じる実時間との誤差が累積するのを防ぐことができる。
【0010】
ノイズが検出された時点の前後においてゼロクロスポイントを検出することによりノイズを含む区間を算出する置換区間算出部をさらに含んでもよい。ノイズ検出時点の直前のゼロクロスポイントと、ノイズ検出時点から2つ後のゼロクロスポイントを検出し、これらのゼロクロスポイント間をノイズ区間として検出してもよい。このノイズ区間を正弦波で置き換えることにより、位相ずれを起こさずに波形を置き換えることができる。
【0011】
入力信号の各フレームをフレームの境界でオーバーラップさせて記憶するフレームメモリをさらに含み、前記波形置換処理部および前記シフト処理部はこのオーバーラップのあるフレームごとに、フレーム内の信号に対して、波形の置き換え処理およびシフト処理を行ってもよい。あるフレームの先頭部を、1つ前のフレームの最後のゼロクロスポイントまでオーバーラップさせてもよい。これにより、ノイズがフレームの境界部に生じた場合でも、ノイズ区間を1フレーム内で検出することができる。
【0012】
本発明の別の態様は信号受信装置に関する。この装置は、受信されたFM送信電波を中間周波数信号に変換するフロントエンド部と、前記中間周波数信号を入力信号としてノイズの低減された出力信号を生成する信号処理部と、前記出力信号をもとにFM復調信号を出力するFM検波部と、前記FM復調信号をステレオ復調して出力するステレオ復調部とを含み、前記信号処理部は、前記入力信号に対して、ノイズを含む区間の波形を所定の置換波形で置き換える波形置換処理部と、置き換えにより生じる区間幅の差に応じて前記入力信号のデータをシフトして前記出力信号を生成するシフト処理部とを含む。
【0013】
本発明のさらに別の態様は信号処理方法に関する。この方法は、FMの中間周波数信号に対して、マルチパスノイズを含む1波長の区間を検出するノイズ検出工程と、前記区間の波形を所定の置換波形で置き換える波形置換工程と、置き換えにより生じる実時間とのずれ量を累積して記憶する工程とを含み、前記波形置換工程は、累積した実時間とのずれの量により前記置換波形の波長数を調整する。
【0014】
前記波形置換工程は、1波長分以上短くなる方向に実時間とのずれが生じた場合には、前記1波長の区間の波形を2波長分の前記置換波形により置き換えてもよい。前記波形置換工程は、1波長分以上長くなる方向に実時間とのずれが生じた場合には、前記1波長の区間の波形を単にカットして残りの信号につなげてもよい。実時間とのずれが1波長分以下である場合は、前記1波長のノイズ波形を1波長分の前記置換波形により置き換えてもよい。
【0015】
なお、以上の構成要素の任意の組み合わせ、本発明の表現を方法、装置、システムなどの間で変換したものもまた、本発明の態様として有効である。
【0016】
【発明の実施の形態】
図1は、実施の形態に係るFM受信装置の構成を示す。受信アンテナ10により受信されたFM送信電波はフロントエンド部12において中間周波数(IF)信号に変換される。A/Dコンバータ14はこのIF信号をデジタル信号に変換する。IF波形処理部16は、デジタル化されたIF信号のノイズを低減するための信号処理部であり、後述のように、波形の置換処理とシフト処理を行う。FM検波部18はIF波形処理部16により処理されたIF信号をFM復調してステレオコンポジット信号(以下、単にコンポジット信号という)を出力する。ステレオ復調部22は、このコンポジット信号をステレオ復調してオーディオ信号を出力する。
【0017】
図2は、IF波形処理部16による波形の置換処理とシフト処理を説明する図である。同図のグラフは、1フレームのIF信号について波形の時間変化を概念的に表したものである。置き換え前のIF波形は、マルチパスノイズの発生していない区間A92、マルチパスノイズの発生している1波長分の区間B94、およびマルチパスノイズの発生していない区間C96がこの順に続いている。マルチパスが検出されると、マルチパスを含む区間B94のノイズ波形90が置換波形98に置き換えられる。置換波形98の区間D100は、ノイズ波形90の区間B94より短いことも長いこともある。ノイズを含まない区間A92の波形はそのままであるが、ノイズ波形90の後ろに続いていた区間C96の波形は、時間軸方向にシフトして置換波形98の後ろにつなげられる。区間D100と区間B94の長さの差分をシフト量とよぶ。マルチパスを検出する度にこのような置き換えを繰り返していくと、このシフト量が累積して実時間との誤差を生じる。そこで後述のように置換波形98の波長数を調整して累積誤差の増大を抑制する。
【0018】
図3は、IF波形処理部16の機構構成図である。IF波形処理部16は、主な構成として、マルチパス検出部30、置換区間検出部40、置換処理部50、およびコピー処理部60を含み、アドレスパス66およびデータパス68を介して、IFデータメモリ62および一時記憶メモリ64に接続し、アドレスを指定してデータの読み書きを行うことができる。
【0019】
IFデータメモリ62は、デジタル化されたIF信号の1フレーム分のデータを保持するフレームメモリである。もっともこの1フレームの先頭には、後述のように一つ前のフレームのデータの一部を重複してもたせている。
【0020】
マルチパス検出部30は、IFデータメモリ62の先頭からIFデータを順次読み出し、マルチパスノイズを検出する。マルチパス検出方法の一例を述べる。IF信号の包絡線を計算してその値が閾値を超えたかどうかを判定してマルチパスの検出を行う。具体的には、次式により包絡線env(n)を計算する。
env(n)=[({y(n)}+2{y(n−1)}+{y(n−2)})/2]^(1/2)
ここでyはIF信号の振幅を表し、各サンプルの位相が90度ずれるようにサンプリングし、n=1、2、3、・・・とする。このenv(n)がある閾値を超えた場合にマルチパスと判定する。また次式のようにenv2(n)を計算し、この値がある閾値を超えたかどうかを判定してマルチパスを検出してもよい。
env2(n)={y(n)}+2{y(n−1)}+{y(n−2)}
【0021】
マルチパス検出部30は、マルチパスが検出された時点でのIFデータのアドレスを検出時アドレス70として出力し、置換区間検出部40に与える。
【0022】
置換区間検出部40は、マルチパスノイズを含む1波長の区間(以下、この区間をノイズ区間といい、ノイズ区間内の1波長の波形をノイズ波形という)を検出し、ノイズ波形の先頭および末尾のアドレスをそれぞれ置換開始アドレス72および置換終了アドレス74として出力する。さらにコピー処理部60は、置換終了アドレス74以降に格納されたIFデータを一時記憶メモリ64に退避する。置換処理部50は、正弦波による置換波形78を生成し、置換開始アドレス72を先頭にして置換波形78をIFデータメモリ62に格納し、置換波形78の置換波形幅80をコピー処理部60に与える。最後にコピー処理部60は、一時記憶メモリ64に退避してあった残りのIFデータを、置換終了アドレス74に置換波形幅80を加えたアドレスを先頭にしてIFデータメモリ62に格納する。置換波形78の波形幅は、ノイズ波形の波形幅よりも長い場合もあるため、波形の置き換えによりメモリ不足が生じないように、IFデータメモリ62の容量は1フレーム分より多めに設けられる。
【0023】
このように置き換え処理されたIFデータは、始めのIFデータから見ると、置換区間以降の信号データがシフトしたように見えるので、コピー処理部60の処理をシフト処理とも呼ぶ。ここでは、置換処理の後にシフト処理を行う構成のため、一時記憶メモリ64に置換区間以降の信号データが退避されたが、先にシフト処理を行い、その後で置換処理を行う構成も可能であり、その場合は、一時記憶メモリ64の構成を省くことができる。また、置換波形は正弦波でなくてもよく、マルチパスを含んでいない前後の波形を利用してもよい。
【0024】
置換区間検出部40の機能構成を詳しく説明する。カウンタ42は、検出時アドレス70を初期値としてアドレスのカウントダウンおよびカウントアップを行う。ゼロクロス検出部46は、IFデータメモリ62から、カウンタ42がカウントするアドレスのIFデータを読み出し、IF信号の振幅がゼロになるゼロクロスポイントを検出する。ゼロクロス検出部46はゼロクロスを検出すると、カウンタ42にゼロクロス検出信号を与える。カウンタ42は、ゼロクロス検出部46からのゼロクロス検出信号によりカウントダウンとカウントアップを切り替える。切り替わり判定部44は、カウンタ42が出力するアドレスを監視して、カウントダウンからカウントアップへの切り替わりを検出すると、そのときのアドレスを置換開始アドレス72として出力し、カウントアップからカウントダウンへの切り替わりを検出すると、そのときのアドレスを置換終了アドレス74として出力する。
【0025】
カウンタ42およびゼロクロス検出部46は、ノイズ区間を検出するために、次のように動作する。まず始めにカウンタ42は検出時アドレス70を初期値としてアドレスのカウントダウンを行い、ゼロクロス検出部46はIFデータメモリ62からそのアドレスに格納されているIFデータを取得する。そのカウントダウンの過程でゼロクロスが検出されると、そのアドレスからカウントアップに切り替わる。切り替わり判定部44はその切り替わりを検出して、そのときのアドレスを置換開始アドレス72として出力する。これによりマルチパスノイズの発生する直前のゼロクロスポイントがノイズ区間の開始点として検出されたことになる。
【0026】
その後、カウンタ42は置換開始アドレス72から始めてアドレスのカウントアップを行い、ゼロクロス検出部46はIFデータメモリ62からそのアドレスに格納されているIFデータを取得する。そのカウントアップの過程で一回目のゼロクロスが検出される。カウンタ42は、一回目のゼロクロス検出信号はキャンセルし、カウントアップを継続する。ゼロクロス検出部46は続いて二回目のゼロクロスを検出し、カウンタ42は、二回目のゼロクロス検出信号を受けて、そのときのアドレスからカウントダウンに切り替える。切り替わり判定部44はその切り替わりを検出して、そのときのアドレスを置換終了アドレス74として出力する。これによりマルチパスノイズの発生から2つ目のゼロクロスポイントがノイズ区間の終了点として検出されたことになる。
【0027】
このように1波長のノイズ区間を検出するために、ゼロクロス検出部46は合計3回のゼロクロス検出を行い、カウンタ42は、カウントアップ時のみ1回目のゼロクロス検出信号をキャンセルする。ただし、ゼロクロスを検出する過程において、1つ前のゼロクロスのアドレスと検出されたゼロクロスのアドレスとが近い場合、より具体的に言えば、検出されたゼロクロスの間隔が、想定される周波数偏移から割り出すことができるゼロクロスの間隔よりも短い場合には、検出されたゼロクロスを無視して次のゼロクロス点を探索する。
【0028】
次に置換処理部50の機能構成を詳しく説明する。カウンタ52は、置換開始アドレス72および置換終了アドレス74をそれぞれ初期値、終了値としてアドレスのカウントアップを行う。加算器51は置換終了アドレス74と置換開始アドレス72の差を計算して置換幅76を出力する。置換波形生成部58は、置換波形78を生成し、カウンタ52により指定されたIFデータメモリ62のアドレスに置換波形78を書き込み、置換波形78の置換波形幅80を出力する。
【0029】
生成波長数決定部56は、置換波形生成部58が生成する置換波形78の波長数を累積シフト量記憶部54が記憶する累積シフト量にもとづいて決定する。累積シフト量記憶部54は、置換波形生成部58から出力される置換波形幅80と、加算器51から出力される置換幅76との差分を加算器55から得て、その差分をシフト量として累積する。このシフト量は、置換波形78とノイズ波形の波形幅の差であり、この差が置き換え後のIF信号の時間誤差として累積する。累積シフト量記憶部54は累積するシフト量を記憶し、生成波長数決定部56は、後述のように、累積シフト量を置換波形78の1波長分と比較して、累積する時間のずれを解消する方向で置換波形78の波長数を決定する。
【0030】
IFデータメモリ62には、IF信号のデータがフレーム単位で格納されており、フレーム内でマルチパスが検出された場合に、置換処理とシフト処理が行われる。フレームの境界部でマルチパスが検出された場合、ゼロクロスポイントがそのフレーム内になかった場合、上述の置換区間検出部40による区間検出方法ではマルチパスノイズを含む1波長分の区間が検出できないことになる。そこで、IFデータメモリ62に格納されるフレームの先頭には一つ前のフレームのデータの一部を重複してもたせている。具体的には、フレームの境界から直前のゼロクロスポイントまでさかのぼった分をオーバーラップさせている。これによりフレームの境界でマルチパスが発生している場合でも、フレーム内でノイズ区間が検出され、置換処理を行うことができる。
【0031】
図4は、IF信号のデータをオーバーラップのあるフレームに分割する処理を説明する図である。IF信号のフレーム2のデータは、フレーム2の本来のデータBに、フレーム1の末尾のデータAが先頭に追加されたものである。以下のフレーム3、・・・、N−1、Nについても同様である。
【0032】
図5は、オーバーラップのあるフレームを合成してIF信号を再構築する処理を説明する図である。フレーム1について、次のフレーム2の先頭にオーバーラップさせたデータEの直前までのデータCを抽出し、以下のフレームについても同様にオーバーラップの直前までのデータを抽出し、それらを集めてIF信号を再構築する。
【0033】
図6は、IF波形処理部16によるフレーム内でのマルチパスノイズ低減手順を説明するフローチャートである。マルチパス検出部30はIFデータメモリ62に格納されたIFデータのフレームにおいてマルチパスを検出する(S10)。そのフレームにマルチパスが検出されない場合(S10のN)、そのフレームについての処理を終了する。
【0034】
マルチパスが検出された場合(S10のY)、累積シフト量記憶部54に記憶された累積シフト量が置換波形78の波長と比べられ、マイナス1波長以下であるかどうか判定される(S12)。累積シフト量がマイナス1波長以下である場合(S12のY)、置換処理後のIF信号の実時間とのずれが1波長分以上短くなる方にずれているため、2波長分の置換処理を行う(S14)。すなわち、生成波長数決定部56は置換波形78の波長数を2に決定し、置換波形生成部58は2波長の置換波形78を生成して、ノイズ波形を置き換え、コピー処理部60は残りのIFデータをシフトさせる。累積シフト量記憶部54は、2波長分の置換波形78の置換波形幅80から1波長分のノイズ波形の置換幅76を引いた値を新たなシフト量としてそれまでの累積シフト量に加算するため、累積シフト量は約1波長分増加する(S16)。ここで約1波長分というのは、置換波形78とノイズ波形の波長は必ずしも同じではないからである。
【0035】
累積シフト量がマイナス1波長以下でない場合(S12のN)、次に累積シフト量が1波長以上であるかどうかが判定される(S18)。累積シフト量が1波長以上である場合(S18のY)、置換処理後のIF信号の実時間とのずれが1波長分以上長くなる方にずれているため、置き換えは行わず、単にノイズ波形をカットする(S20)。すなわち、生成波長数決定部56は置換波形78の波長数を0に決定し、置き換えを行わず、コピー処理部60は置換開始アドレス72に残りのIFデータをシフトさせる。累積シフト量記憶部54は、0波長の置換波形78の置換波形幅80すなわちゼロから1波長分のノイズ波形の置換幅76を引いた値を新たなシフト量としてそれまでの累積シフト量に加算するため、累積シフト量はノイズ波形の1波長分だけ減少する(S22)。
【0036】
累積シフト量が1波長以上でない場合(S18のN)、ステップS12において、累積シフト量はマイナス1波長より大きいことがわかっているから、累積シフト量の絶対値は1波長未満である。この場合、1波長分の置換処理を行う(S24)。すなわち、生成波長数決定部56は置換波形78の波長数を1に決定し、置換波形生成部58は1波長の置換波形78を生成して、ノイズ波形を置き換え、コピー処理部60は残りのIFデータをシフトさせる。累積シフト量記憶部54は、1波長分の置換波形78の置換波形幅80から1波長分のノイズ波形の置換幅76を引いた値を新たなシフト量としてそれまでの累積シフト量に加算する(S26)。
【0037】
以上述べたように、実施の形態によれば、マルチパス伝搬したFMのIF信号に対してマルチパスノイズを含む波形の置換処理を行い、置換区間後のIF信号のデータをシフトさせることにより、振幅リミッタの存在する従来型のフロントエンドであってもマルチパス歪みを低減することが可能である。また累積するシフト量に応じて置換波形の波長数を調整するため、シフト処理によりIF信号の実時間とのずれが増大するのを防ぐことができる。
【0038】
以上、本発明を実施の形態をもとに説明した。これらの実施の形態は例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組み合わせにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。また各構成要素は機能ブロックとして図示されており、これらの機能ブロックがハードウエアのみ、ソフトウエアのみ、またはそれらの組み合わせによっていろいろな形で実現できることは、当業者には理解されるところである。
【発明の効果】
本発明によれば、ノイズを検出してノイズによる信号の歪みを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施の形態に係るFM受信装置の構成図である。
【図2】 図1のIF波形処理部によるIF信号のノイズ波形の置き換え処理と波形のシフト処理を説明する図である。
【図3】 図1のIF波形処理部の機能構成図である。
【図4】 IF信号のデータをオーバーラップのあるフレームに分割する処理の説明図である。
【図5】 オーバーラップのあるフレームを合成してIF信号を再構築する処理の説明図である。
【図6】 図1のIF波形処理部によるマルチパスノイズ低減手順を説明するフローチャートである。
【符号の説明】
10 受信アンテナ、 12 フロントエンド部、 14 A/Dコンバータ、 16 IF波形処理部、 18 FM検波部、 20 ステレオ復調部、 30 マルチパス検出部、 40 置換区間検出部、 44 切り替わり判定部、 46 ゼロクロス検出部、 50 置換処理部、 54 累積シフト量記憶部、 56 生成波長数決定部、 58 置換波形生成部、 60 コピー処理部、 62 IFデータメモリ、 64 一時記憶メモリ。

Claims (4)

  1. IF信号に含まれるマルチパスノイズを検出するマルチパスノイズ検出部と、
    前記マルチパスノイズ検出部でマルチパスノイズが検出されたとき、マルチパスノイズを含む区間の信号波形を、正弦波若しくは前記区間の前後の信号波形に置換する置換処理部を備えた信号処理装置。
  2. 前記置換処理部は、
    IF信号の振幅がゼロになるゼロクロス点を検出するゼロクロス検出部を備え、
    前記ゼロクロス検出部で検出された、前記マルチパスノイズの直前のゼロクロス点から、前記ゼロクロス点の2つ後ろのゼロクロス点までの区間をマルチパスノイズを含む区間として特定する請求項1記載の信号処理装置。
  3. 受信されたFM送信電波を中間周波数信号に変換するフロントエンド部と、
    前記中間周波数信号を入力信号としてノイズの低減された出力信号を生成する請求項1又は2に記載の信号処理装置と、
    前記出力信号をもとにFM復調信号を出力するFM検波部と、
    前記FM復調信号をステレオ復調して出力するステレオ復調部を含むFM受信装置。
  4. 前記フロントエンド部が、振幅リミッタを有している、請求項3記載のFM受信装置。
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