JP2993593B2 - 易剥離性成形物およびその製造方法 - Google Patents

易剥離性成形物およびその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は易剥離性成形物およびそ
の製造方法に関する。詳しくは食品、特にタンパク質食
品、例えば卵加工品のような食品を成形物で包装した場
合、成形物から食品を取り出す際に、成形物に食品が付
着しにくいという特徴を有する成形物およびその製造方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】食料の原料、性状、あるいはその保存、
処理条件も様々であり、それぞれに適した包装材料が開
発され使用されている。例えば、成形物と食品が接触す
るようにして包装し、その後に成形物から食品を取り出
す場合、食品自体の構造粘着力(または凝集力)よりも
食品と成形物間の密着力が大きいと、食品の一部が成形
物に付着し商品価値を損なうという好ましくない現象が
生じる。この様な問題を解決する方法として、成形物を
構成する樹脂に剥離剤を練り込み、熱処理あるいは時間
の経過とともに成形物表面に浸出する剥離剤の作用を利
用する方法が採用されている。
【0003】例えば特開平2−127236号公報に
は、蒸気蒸しの温度に耐える耐熱性プラスチック原料に
剥離剤を練り混んでトレイに成形してなることを特徴と
する醗酵蒸し食品用トレイが記載されている。プラスチ
ック原料としては、ポリプロピレンや高密度ポリエチレ
ン等が例示され、また食品添加用乳化剤であるポリエチ
レングリコール、高級脂肪酸のグリセリンエステル、シ
ョ糖エステル等を剥離剤として用いている。具体的に
は、実施例でポリプロピレン100部に対してポリエチ
レングリコールのグリセリンエステルが2.8部含まれ
るものを原料とした厚さ0.1mmのシートを用いて、
トレイに成形することが記載がされている。そして醗酵
原料であるアンマンやブタマン等をトレイに載せたまま
蒸気蒸ししても、熱によりトレイ上に剥離剤が浸出し
て、蒸し製品がトレイに付かないという効果が記載され
ている。
【0004】成形物を構成する樹脂に剥離剤を練り込
み、熱処理あるいは時間の経過とともに成形物表面に浸
出する剥離剤の作用を利用する方法において、食品と成
形物との剥離し易さでは樹脂に練り込む剥離剤の量を多
くすることが好ましい。しかし、樹脂に剥離剤を多量に
含有させた組成物を押出機から溶融押出し、成形物を製
造する際に、組成物に含浸している剥離剤が押出機内に
てスクリューやシリンダーの表面に付着することにより
スリップし、安定した押出量で押出しできないという欠
点がある。
【0005】上記の如く成形物の製造という観点からす
ると樹脂に練り込む剥離剤の量は極めて少量であること
が好ましいが、食品と成形物との剥離が容易に行うこと
ができず、成形物に食品が付着し商品価値を損なうとい
う欠点を生じる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記事情に
鑑みなされたものであり、その目的は、成形物の製造に
おける安定した押出成形が可能であり、さらに、成形物
から食品、特に、畜産食品のようなタンパク質食品を取
り出す際に成形物に食品が付着しにくい成形物およびそ
の製造方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、ポリオレ
フィン系樹脂と特定の界面活性剤との相溶性について鋭
意検討を重ねた結果、特定の界面活性剤の特定量をポリ
オレフィン系樹脂に練り込んだ組成物を特定温度で溶融
押出することにより容易に製造でき、得られた成形物は
食品との剥離性が良好であるとの知見を得、本発明を完
成するに至った。
【0008】すなわち、本発明の第一は、少なくとも被
包装物に接触する側が、ポリオレフィン系樹脂と界面活
性剤との組成物を含む層である成形物であって、該層1
cm3 体積中に存在するHLBが6.0以上である界面
活性剤の量Wが次式(A)および(B)を満足すること
を特徴とする易剥離性成形物に関する。 W×N3/2×d≧0.375 −(A) (W:界面活性剤の量(mg)、N:界面活性剤のHL
B数、d:ポリオレフィン系樹脂と界面活性剤の組成物
を含む層の厚さ(cm)) W≦12 −(B) (W:界面活性剤の量(mg))
【0009】本発明の第2は、少なくとも被包装物に接
触する側に、厚さd(cm)のポリオレフィン系樹脂と
界面活性剤との組成物を含む層を有する易剥離性成形物
を製造するに際し、該層を、ポリオレフィン系樹脂10
0重量部に対する、HLBが6.0以上である界面活性
剤の量Pが、次式(C)および(D)を満足する組成物
を、押出温度200〜220℃の条件で押出成形するこ
とにより製造する、易剥離性成形物の製造方法に関す
る。 P×N3/2×d≧1.39×10-1 −(C) (P:ポリオレフィン系樹脂100重量部に対する界面
活性剤の重量部、N:界面活性剤のHLB数) P≦4.5 −(D)
【0010】本発明におけるポリオレフィン系樹脂とし
ては、低密度ポリエチレン(LDPE)、線状低密度ポ
リエチレン(LLDPE)、高密度ポリエチレン(HD
PE)、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン等を例示
することができ、特に、ポリエチレンが好ましい。これ
らは各単独で使用される他、成形性や包装時の機械的物
性を向上させる目的で2種以上を混合して用いてもよ
い。さらに、本発明の効果を阻害しない範囲内で、エチ
レン−酢酸ビニル共重合体や変性ポリオレフィン系樹脂
等を混合して用いても、また、スリップ剤、アンチブロ
ッキング剤等の添加剤をポリオレフィン系樹脂100重
量部に対して0.1〜1重量部配合してもよい。
【0011】本発明における界面活性剤とは、食品用乳
化剤である。食品用乳化剤としては、グリセリン酢酸エ
ステル、グリセリン乳酸エステル、グリセリンクエン酸
エステル、グリセリンコハク酸エステル、グリセリンジ
アセチル酒石酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステ
ル、ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル等のグ
リセリン脂肪酸エステルおよびその誘導体、ショ糖脂肪
酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレング
リコール脂肪酸エステル、レシチン、ステアロイル乳酸
カルシウム、オキシエチレン高級脂肪族アルコール、オ
レイン酸ナトリウム、モルホリン脂肪酸塩、及びポリオ
キシエチレン高級脂肪族アルコールが例示できる。具体
的には、例えば、テトラグリセリンモノステアレート
(HLB:8)、テトラグリセリンモノオレエート(H
LB:8)、テトラグリセリンモノラウレート(HL
B:10)等のテトラグリセリンと脂肪酸をエステル化
したテトラグリセリン脂肪酸エステル、ヘキサグリセリ
ンモノステアレート(HLB:10)、ヘキサグリセリ
ンセスキステアレート(HLB:10)、ヘキサグリセ
リントリステアレート(HLB:7)、ヘキサステアリ
ンモノオレエート(HLB:11)、ヘキサグリセリン
モノラウレート(HLB:13)等のヘキサグリセリン
と脂肪酸をエステル化したヘキサグリセリン脂肪酸エス
テル、デカグリセリンモノオレエート(HLB:1
3)、デカグリセリンモノラウレート(HLB:15)
等のデカグリセリンと脂肪酸をエステル化したデカグリ
セリン脂肪酸エステルなどのポリグリセリンと脂肪酸を
エステル化して作られるポリグリセリン脂肪酸エステル
が挙げられる。
【0012】また、ポリオレフィン樹脂と界面活性剤の
組み合わせとしては、ポリオレフィン樹脂としてポリエ
チレンを使用し、界面活性剤としてHLBが7.0以上
のものを使用するものが好ましい。
【0013】本発明の易剥離性成形物を構成するポリオ
レフィン系樹脂と界面活性剤を含む層は、層1cm3
積中に存在する界面活性剤が次式(A)および(B)を
満足する量Wでポリオレフィン系樹脂に練り込まれてい
ることが必要である。 W×N3/2×d≧0.375 −(A) (W:界面活性剤の量(mg)、N:界面活性剤のHL
B数、d:ポリオレフィン系樹脂と界面活性剤の組成物
を含む層の厚さ(cm)) W≦12 −(B) (W:界面活性剤の量(mg))
【0014】層1cm3 体積中に存在する界面活性剤の
量が上式(A)を満足する量よりも少ないと、畜産食品
のようなタンパク質食品等が成形物から容易に剥離せ
ず、食品の一部が成形物に付着し、剥離操作性が悪いば
かりでなく、取り出した食品の外観が損なわれ、商品価
値が低下する。一方、層1cm3 体積中に存在する界面
活性剤の量が上式(B)を満足する量よりも多いと、成
形物の製造時にブリードアウトによる剥離剤の量が多く
なり押出安定性が低下し、また、得られる成形物がべた
つき、取扱いにくくなる。上記(A)式の右辺の好まし
い数値は、0.4であり、さらに好ましくは0.45で
ある。また、上記(B)式の右辺の好ましい数値は、1
0であり、さらに好ましくは8である。
【0015】本発明の易剥離性成形物とは、フィルム、
トレー、容器、ボトル、ネット等が挙げられる。これら
成形物は単層または多層のどちらでもよく、多層の場合
には、ポリオレフィン系樹脂と界面活性剤との組成物を
含む層を被包装物に接触する側に少なくとも含む成形物
であればよい。ポリオレフィン系樹脂と界面活性剤との
組成物を含む層以外の層は特に限定するものではない
が、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオ
レフィン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート等のポリ
エステル系樹脂、ナイロン等のポリアミド系樹脂、硬質
塩化ビニル樹脂およびポリメタクリル酸メチル等のメタ
クリル酸エステル系樹脂からなる層が挙げられる。ま
た、積層の組み合わせとしては、例えば、界面活性剤含
有ポリエチレン樹脂層/ポリアミド樹脂層/ポリプロピ
レン樹脂層からなる3層フィルム、界面活性剤含有ポリ
エチレン樹脂層/ポリ塩化ビニリデン樹脂層/ポリプロ
ピレン樹脂層からなる3層フィルム、界面活性剤含有ポ
リエチレン樹脂層/エチレン−ビニルアルコール共重合
体樹脂層/ポリプロピレン樹脂層からなる3層フィルム
等が挙げられる。
【0016】さらに、多層からなる成形物の食品と接す
る側の層として、HLBの高い界面活性剤をポリオレフ
ィン系樹脂に練り込まれた組成物を使用した場合には、
該層に接する層を構成する樹脂は、界面活性剤の移行を
防止するため、親油性であることが好ましい。
【0017】本発明のポリオレフィン系樹脂と界面活性
剤との組成物を含む層の厚さdは10〜200μm、好
ましくは20〜150μmである。前記層を少なくとも
1層含む易剥離性成形物の全体の厚みは特に限定されな
いが、通常、成形性、特に深絞り性、剥離性、強度、経
済性等を考慮して設定される。一般的には50〜500
μm、好ましくは70〜300μmの範囲である。
【0018】本発明の厚さdを有するポリオレフィン系
樹脂と界面活性剤との組成物を含む層に含まれる界面活
性剤の量Wは、易剥離性という観点から、成形物表面に
ブリードアウトする界面活性剤量を考慮して、式(A)
の関係から、層の厚さが薄い場合には層1cm3 体積中
に存在する界面活性剤量を多くしなければならなく、一
方、層の厚さが厚い場合には層1cm3 体積中に存在す
る界面活性剤量を少なくすることができる。
【0019】さらに、易剥離性および押出安定性の両方
を考慮すると、HLBの大きい界面活性剤を使用した場
合、HLBの小さい界面活性剤を使用した場合に比べ
て、層1cm3 体積中に存在する界面活性剤量を少なく
することができるために、ポリオレフィン系樹脂と界面
活性剤との組成物の層の厚さの選択幅が広い。このこと
から、界面活性剤のHLBは6.0以上である必要があ
り、好ましくは7.0以上、より好ましくは8.0以上
である。
【0020】本発明の昜剥離性成形物の製造方法として
は、少なくとも被包装物に接触する側に、厚さd(c
m)のポリオレフィン系樹脂と界面活性剤との組成物を
含む層を有する易剥離性成形物を製造するに際し、該層
を、ポリオレフィン系樹脂100重量部に対する、HL
Bが6.0以上である界面活性剤の量Pが、次式(C)
および(D)を満足する組成物を、押出温度200〜2
20℃の条件で押出成形する方法があげられる。 P×N3/2×d≧1.39×10-1 −(C) (P:ポリオレフィン系樹脂100重量部に対する界面
活性剤の重量部、N:界面活性剤のHLB数) P≦4.5 −(D) 得られた易剥離性成形物は、ポリオレフィン系樹脂と界
面活性剤との組成物の層1cm3 体積中に存在する界面
活性剤の量Wが式(A)および(B)を満足する。
【0021】溶融押出成形前の組成物に含まれる界面活
性剤の量が上式(C)を満足する量よりも少ないと、得
られる成形物は、食品が容易に剥離せず、食品の一部が
成形物に付着し、剥離操作性が悪いばかりでなく、取り
出した食品の外観が損なわれ、商品価値が低下する。一
方、溶融押出成形前の組成物に含まれる界面活性剤の量
が上式(D)を満足する量よりも多いと、成形物の製造
時にブリードアウトによる剥離剤の量が多くなり押出安
定性が低下し、また、得られる成形物がべたつき、取扱
いにくくなる。
【0022】溶融押出成形による易剥離性成形物の製造
方法において、ペレットから界面活性剤がしみ出し蒸発
するために、押出された成形物中に含まれる界面活性剤
の量は、ペレットに含まれる界面活性剤の量よりも少な
くなる。ポリエチレン樹脂に界面活性剤を配合し、押出
温度200〜220℃の条件で溶融押出成形すると、ペ
レットに含まれる界面活性剤量の約30%が溶融押出成
形された成形物中に含まれる界面活性剤の量となる。す
なわち、押出温度200〜220℃の条件下では、式
(C)および(D)の条件を満たすポリオレフィン系樹
脂と界面活性剤とを含む組成物を溶融押出成形すること
により易剥離性成形物が得られる。しかし、本発明の易
剥離性成形物の製造方法はこれに限定されるものではな
く、押出温度に対応する界面活性剤のブリード量を考慮
してペレット中の界面活性剤を適宜調節し、溶融押出成
形することにより、式(A)および(B)を満足する易
剥離性成形物を製造することができる。
【0023】ポリオレフィン系樹脂と界面活性剤の配合
は、ポリオレフィン系樹脂に予め比較的多量の界面活性
剤を混合してマスターバッチペレットとし、これを未配
合のポリオレフィン系樹脂のペレットに混合して所定の
界面活性剤割合として配合組成物とすることが好まし
い。得られた組成物は公知の方法により、成形物に製造
される。
【0024】溶融押出成形法により得られる成形物は、
包装した後行われるボイル等の加熱により界面活性剤が
成形物表面にブリードアウトし、それにより易剥離性が
得られると考えられる。
【0025】本発明の易剥離性成形物が適用されること
が好ましい食品は、目玉焼や卵焼き等の卵加工品、魚肉
ソーセージやかまぼこ等の練り食品で示されるタンパク
質食品が挙げられる。さらに好ましくは、食品自体の構
造粘着力(または凝集力)の小さいものに適用される。
【0026】本発明の易剥離性成形物を使用することに
より、従来不可能であった業務用の卵加工品の低温流通
をすることができる。たとえば、目玉焼きの製造および
使用を以下のような方法で達成することができる。 1)本発明の易剥離性成形物であるフィルムを深絞り機
により凹型に成形し食品用包装容器を得、その凹部分に
生卵を充填し、通常の包装用フィルムで覆い、包装体を
得る。 2)得られた包装体を食品が凝固するまで、15〜20
分間、80〜95℃程度の温度のスチームで加熱した
後、冷却槽で冷却し、チルド流通する。 3)流通された前記包装体の包装用フィルムを剥し、目
玉焼きを取り出し、使用する。 以下、実施例により本発明をより詳細に説明する。
【0027】[評価方法] (押出安定性)上向きダイレクトインフレーション法に
より押出された状態を観察し、評価した。評価の基準を
表1に示す。
【表1】○:押出安定性良好 ×:押出が不安定でフィルムに亀裂が生じるか、製膜不
可能。
【0028】(剥離性)易剥離性フィルムからサイズ1
00mm×120mmの袋を作成し、該袋に割卵を充填
した後、湯温85℃で15分間ボイル処理、冷却し目玉
焼き含有包装体を作成した。これを10℃で2週間保存
した後、包装体を開封して剥離性を評価した。評価の基
準を表2に示す。
【表2】○:は食品がフィルムに全く付着せず剥離性が
非常に良好 ×:付着が著しく不良
【0029】(実施例1〜7、比較例1〜2)LDPE
(メルトインデックス、2)30重量%とLLDPE
(メルトインデックス、0.8)70重量%からなる樹
脂ペレット混合物100重量部に、表3及び4に示す界
面活性剤を表示の割合で配合した組成物を、温度210
℃の条件で表3及び4に示した厚さでフィルムを上向き
ダイレクトインフレーション法により製膜し、易剥離性
フィルムを得た。得られたフィルムを1日間常温に放置
した後、メタノールを溶媒としてソクスレー法にてフィ
ルム1cm3 に当たる体積中に存在する界面活性剤の量
を測定し、表3及び4に示した。また、押出安定性およ
び剥離性を上記評価方法で行い、結果を表3及び4を示
した。なお、界面活性剤の略号は次の化合物を示す。M
O−750とはデカグリセリンモノオレエートを示し、
MO−310とはテトラグリセリンモノオレート、MO
−500とはヘキサグリセリンモノオレート、PO−3
10とはテトラグリセリンペンタオレエートを示す。
【0030】
【表3】
【0031】
【表4】
【0032】
【発明の効果】以上、説明したように本発明によれば、
成形物の製造において安定した押出ができ、さらに、成
形物から食品、特に、畜産食品のようなタンパク質食品
を取り出す際に成形物に食品が付着しにくい成形物およ
びその製造方法を提供する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B65D 85/50 B65D 1/34

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも被包装物に接触する側が、ポ
    リオレフィン系樹脂と界面活性剤との組成物を含む層で
    ある成形物であって、該層1cm体積中に存在するH
    LBが6.0以上である界面活性剤の量Wが次式(A)
    および(B)を満足することを特徴とする易剥離性成形
    物。 W×N3/2×d≧0.375 −(A) (W:界面活性剤の量(mg)、N:界面活性剤のHL
    B数、d:ポリオレフィン系樹脂と界面活性剤の組成物
    を含む層の厚さ(cm)) W≦12 −(B) (W:界面活性剤の量(mg))
  2. 【請求項2】 成形物がフィルムである請求項1記載の
    易剥離性成形物。
  3. 【請求項3】 ポリオレフィン系樹脂がポリエチレン樹
    脂である請求項1記載の易剥離性成形物。
  4. 【請求項4】 少なくとも被包装物に接触する側に、厚
    さd(cm)のポリオレフィン系樹脂と界面活性剤との
    組成物を含む層を有する易剥離性成形物を製造するに際
    し、該層を、ポリオレフィン系樹脂100重量部に対す
    る、HLBが6.0以上である界面活性剤の量Pが、次
    式(C)および(D)を満足する組成物を、押出温度2
    00〜220℃の条件で押出成形することにより製造す
    る、請求項1記載の易剥離性成形物の製造方法。 P×N3/2×d≧1.39×10−1 −(C) (P:界面活性剤の重量部、N:界面活性剤のHLB
    数) P≦4.5 −(D)
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