JP2869666B2 - 有香樹脂組成物の製造法 - Google Patents

有香樹脂組成物の製造法

Info

Publication number
JP2869666B2
JP2869666B2 JP2116363A JP11636390A JP2869666B2 JP 2869666 B2 JP2869666 B2 JP 2869666B2 JP 2116363 A JP2116363 A JP 2116363A JP 11636390 A JP11636390 A JP 11636390A JP 2869666 B2 JP2869666 B2 JP 2869666B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
powder
fragrance
resin composition
parts
wax
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2116363A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0413615A (ja
Inventor
昌宏 松田
尚男 北野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
KOKANDO KK
Original Assignee
KOKANDO KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by KOKANDO KK filed Critical KOKANDO KK
Priority to JP2116363A priority Critical patent/JP2869666B2/ja
Publication of JPH0413615A publication Critical patent/JPH0413615A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2869666B2 publication Critical patent/JP2869666B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Disinfection, Sterilisation Or Deodorisation Of Air (AREA)
  • Fats And Perfumes (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Cosmetics (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は有香樹脂組成物の製造法に関するものであっ
て、本発明によって製造された樹脂組成分は有効成分の
香臭を長期にわたって発散しつづけるという優れた性能
を有している。
本発明によって製造された樹脂組成物は家庭用芳香
剤、芳香殺虫剤、芳香プラスチックス成型品、芳香フィ
ルム、芳香ヘルメット、芳香スポーツ用品、芳香自動車
用品、芳香カード、芳香チケット、芳香造花、臭気マス
キング剤、その他の日用品等として広く利用されるもの
である。
〔従来の技術〕
有香樹脂組成物の製品に関して、古くから良く知られ
ている技術には、スポンジ、ゲル等に香料液をしみ込ま
せたものとか、チューインガムのごとく天然樹脂に芳香
剤を加えて練り合わせたものがあった。
近年に到り、シクロデキストリンに包装させた香料を
塗布用の粘着基材に加えて用いる方法(特開昭58−1853
72号)、香料を含浸させた無機多孔体を含むエマルジョ
ンを配合したインキ(特開昭58−162677号)、シリカゲ
ルに香料を含浸したフィラーを加えたインキ(特開昭59
−145298号)等が開発されている。
さらに、無機粉体に香料を含浸させてポリオレフィン
に混練して延伸したフィルム(特開昭62−227932号)や
香料とエチレン・酢酸ビニル共重合体とを主体とする樹
脂組成物(特開昭53−98352号、特開昭63−6099号およ
び特開平2−51593号)も知られている。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかしながら、前掲の公知方法乃至公知製品は商品と
しての香気の保持ならびに香調の良さに関してはいまだ
不充分であり、これらを機能性商品として扱う場合には
いまだ期待に反することが多かった。
本発明は、香気の保持ならびに香調の良さに関して満
足でき、とくに有効成分の香臭を長期にわたって発散し
つづけることができる有香樹脂組成物を提供することを
技術的課題とするものである。
〔課題を解決するための手段と作用〕
本発明者らは前記技術的課題を達成するために新しい
有香樹脂組成物の製造法について系統的且つ詳細な研究
を行ってきたものであるが、今般、遂に、乱目すべき本
発明を完成したのである。
すなわち、本発明者らは、見掛け比重が0.3g/ml以下
の微粉体100部に香料100〜300部および香料安定化剤0.5
〜15部を含浸させた粉末と軟化点が40〜140℃であるエ
ステル系ワックス40〜400部とを50〜170℃で混練してペ
レット化し、該ペレットについて液体ブリードが室温で
起っていないことを確認したのち、当該ペレットをポリ
オレフィン系樹脂に2〜40重量%添加して混練成型する
ときには、有効成分の香臭を長期にわたって発散しつづ
けることができる非常に性質の安定した有香樹脂組成物
が得られることを見出したのである。
ここにいう香料安定化剤とは香料の熱安定化剤、酸化
変質防止剤、光劣化防止剤、ブリード防止剤および異性
化防止剤よりなる群からえらばれた少なくとも一つの物
質であり、また軟化点が40〜140℃であるエステル系ワ
ックスとは高級脂肪酸エステル、高級アルコールエステ
ル、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・(メ
タ)アクリレート共重合体および動植物油脂よりなる群
からえらばれた少くとも一つの物質である。
以下、本発明の構成を作用とともに詳述することにし
よう。
まず、本発明における見掛け比重が0.3g/ml以下であ
る微粉体とは、軽塵な比表面積ならびに吸油性の大きな
粉末のことであって、液体を吸着し易く香料の含浸性能
の高い粉末である。代表的なものを示すとベントナイ
ト,有機ベントナイト,アスベスト,ケイソウ土,焼成
ケイソウ土,シラスバルーン,パーンライト,セリサイ
ト,タルク,ホワイトカーボン,エアロジルシリカ,エ
アロジルアルミナ,エアロジルチタニア,酸化チタン,
亜鉛華,軽質炭酸カルシウム,軽質(塩基性)炭酸マグ
ネシウム,カオリン,ゼオライト,軽質ケイ酸アルミニ
ウム,軽質ケイ酸カルシウム,アルミノケイ酸マグネシ
ウム,軽質次炭酸ビスマス,軽質水酸化アルミニウム,
軽質酸化鉄,軽質シュウ酸セリウム,軽質酸化ジルコニ
ウム,軽質ケイ酸ジルコニウム,軽質リン酸ジルコニウ
ム,軽質リン酸ケイ酸ジルコニウム,焼成ヒル石,チャ
ンネルブラック,アセチレンブラック,オイルファーネ
スブラック,膨張黒鉛,鱗片状黒鉛,人造石墨,粉末活
性炭,石松子(基準粉体),ふすま,パルプ粉,木粉,
竹粉,キビガラ粉,ほだ木粉,桐粉,バルサ粉,草粉,
ポリエチレン粉,ポリプロピレン粉,ポリ塩化ビニル
粉,ポリフッ化ビニリデン粉,ナイロン粉,ポリウレタ
ン粉,フェノール樹脂粉,尿素樹脂粉,ポリスチレン
粉,発泡プラスチック粉,重油灰粉,セルローズ粉,デ
ン粉加工品粉,パン粉,穀粉および海草粉等である。
そして、工業的にとくに重要なもとはケイソウ土,焼
成ケイソウ土,シラスバルーン,パーライト,エアロジ
ルシリカ,エアロジルアルミナ,ホワイトカーボン,軽
質りん酸ケイ酸ジルコニウム,木粉,竹粉,尿素樹脂粉
等の単独もしくは二種以上の混合物の見掛け比重が0.01
〜0.3g/mlである乾燥微粉末体である。
本発明における香料として好ましいものは液体香料で
ある。一般に用いられる液体香料の代表的な配合割合は
トップノート15〜35%,ミドルノート10〜30%,ベース
ノート(ラストノート)45〜65%であるが、これらは別
々にまたは同時に用いることができる。もっとも天然香
料または合成香料をそのまま用いる場合には上記のよう
な配合になっていずシンプルノートである場合が多く、
また樹脂系香料や結晶香料の場合にはこれらの香料を液
化させるために必要量の溶剤を添加していてもよい。
香料安定化剤は本発明における操作を通じて香料の変
質とか香調のバランスをくずさない目的で添加剤として
使用されるものであり、熱安定化剤(以下「熱」と略称
する)、酸化防止剤(以下「酸」と略称する)、光劣化
防止剤(以下「光」と略称する)、ブリード防止剤(以
下「ブ」と略称する)および異性化防止剤(以下「異」
と略称する)の中から選択される。添加剤の中にはこれ
らのうち一つの役割をするものと二つ以上の役割をする
ものとがある。次にその代表的なものを示すがそれらの
役割については化合物名の次に「熱」のごとく付記して
表わした。フタル酸エステル類「熱」「光」,トリクレ
シルホスフェート「熱」「酸」,トリクレシルホスファ
イト「酸」「ブ」「異」,アジピン酸ジアルキル
「ブ」,セバチン酸ジアルキル「ブ」,アセチルクエン
酸トリアルキル「光」「ブ」,マレイン酸ジエステル
「酸」,有機スズ系化合物「熱」「光」,脂肪酸鉛
「熱」「ブ」,ジアルキル化クレゾール「酸」「異」,
アルキル化ヒドロキシアニゾール「酸」,トリアルキル
化フェノール「酸」,ビスフェノール系化合物「酸」
「異」,サリチル酸誘導体「光」「ブ」「異」,ベンゾ
フェノン誘導体「光」,「ブ」「異」,ベンゾトリアゾ
ール誘導体「光」「ブ」「異」,ヒンダードアミン系化
合物「光」,炭酸ジエステル「ブ」「異」,ジアルキル
チオ尿素「熱」「酸」,ベンズチアゾール誘導体「酸」
「異」,トリメチル−1,2−ヒドロキノリン誘導体
「酸」「光」,α−メチルベンジル化フェノール「熱」
「光」,2,5−ジアルキルハイドロキノン「酸」「光」,
フェニルフェノール「酸」,(イソ)アスコルビン酸
「酸」,α−トコフェロール「酸」「ブ」,ノルジヒド
ログアヤレチック酸「酸」,没食脂酸エステル「酸」
「ブ」,ポリフェノール「酸」「光」「異」およびロジ
ン「酸」「ブ」「異」等である。
本発明における軟化点が40〜140℃であるエステル系
ワックスとは高級脂肪酸エステル、高級アルコールエス
テル、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・(メ
タ)アクリレート共重合体および動植物油脂の中から選
択される。これらの代表的なもの(融点,凝固点または
軟化点の大体の値をmp.として示す)を示すと、ライス
ワックス(mp.70〜80℃),12−ヒドロキシステアリン酸
エステル(mp.50〜60℃),パーム油(mp.40〜50℃),
木ロウ(mp.40〜50℃),牛脂(mp.40〜50℃),豚脂
(mp,40〜48℃),馬脂(mp.40〜50℃),羊脂(mp.44
〜55℃),鯨ロウ(mp.42〜52℃),蜜ロウ(mp.63〜66
℃),カルナウバロウ(mp.78〜86℃),カンデリラロ
ウ(mp.64〜80℃),セラツクロウ(mp.72〜78℃),パ
ームロウ(mp.85〜86℃),モンタンロウ(mp.60〜105
℃),魚油硬化油(mp.40〜60℃),鯨油硬化油(mp.40
〜60℃),大豆油硬化油(mp.60℃以上),パーム油硬
化油(mp.51〜56℃),ホホバ油硬化油(mp.65〜80
℃),ヒマシ油硬化油(mp.70〜90℃),ナタネ油硬化
油(mp.57〜60℃),ヒウチ硬化ロウ(mp.50〜60℃),
還元ラノリン(mp.40〜55℃),パルミチン酸ドデシル
(mp.41℃),モノミリスチン(mp.50〜70℃),モノス
テアリン(mp.74.4℃),油脂系ワックス(たとえば、
イトウワックスE,花王ワックス85−P,カスターワック
ス,シンクロワックス,クチーナCP,ロキシオールG:い
ずれも商品名),エチレン・酢酸ビニル共重合体,エチ
レン・酢酸ビニル共重合体変性樹脂,エチレン・アクリ
レート共重合体,エチレン・メタアクリレート共重合
体,エチレン・アクリレート・酢酸ビニル共重合体,エ
チレン・メタアクリレート・酢酸ビニル共重合体等であ
り、またこれらの単独もしくは二種以上の混合物であ
る。
次に、本発明において液体ブリードが室温で起ってい
ないことを確認する技術的意義を説明しよう。
一般に、プラスチックスの商品価値に関係する性質と
して可塑剤等の移行性(マイグレーション)と浸出性
(ブリーディングおよびブルーミング)とがある。これ
らは多分に外観的あるいは感覚的な評価用語であって、
規格試験法(例えばASTMまたはISO)が制定されようと
してはいるが、現在のところこれを的確に測定する方法
がない。しかし、後述する英国規格BS 2571−1955には
塩化ビニル樹脂の押出コンパウンド、同じくBS 1763,27
39−1956には塩化ビニル樹脂シートについてのブリーデ
ィングが規定されているのでこれらを準用することがで
きる。またブルーミングは液体よりもむしろ固体の浸出
性を取扱った場合によく云われる言葉でいわゆるゴム等
の表面に「白い粉が吹く」という表現に対応した用語で
ある。
本発明者らが用いられている「液体ブリードが起る」
ということは、英国規格のブリーディングテストよりも
さらに鋭敏なブリード現象の存否を判定しようとするも
のであって、これは次のいずれかの試験法で行われる。
(イ)ペレットもしくは成型品を数枚〜十数枚の濾紙を
重ねた中間に挿入し、濾紙の上から5Kg/cm2以下の荷重
をかけて室温で約1時間放置した後、ペレットもしくは
成型品をとり出して重量の減少率を測定し、減少率が1
%以下であれば液体ブリードが実質的に起っていないと
判定する。
(ロ)ペレットもしくは成型品をピンセットではさみメ
タノール中に1分間室温で浸漬したのち引き上げてメタ
ノールを拭きとり、その前後の重量を測定して、減少率
が2%以下であれば液体ブリードが実質的に起っていな
いと判定する。
(ハ)英国規格BS2571−1955および同じくBS1763,2739
−1956に準ずる方法もある。これは51×51mmの板状成型
品の試験片を76×76mmの透明軟質塩化ビニルシート(ポ
リ塩化ビニル100部,ジオクチルフタレート66.6部,ス
テアリン酸塩1.5部,ステアリン酸カドミウム1.5部を加
熱コンパウンドしてシート化したもの)の上におき、さ
らに濾紙を重ねたのち2枚のガラス板にはさみ込んで室
温で3日間保存して透明シートと濾紙との汚染具合を調
べると共に、この方法で板状成型品の試験前後の重量を
測定して、減少率が2%以下であれば液体ブリードが実
質的に起っていないと判定する。
上記判定を行なわずに、液体ブリードが室温で起って
いるペレットを次のポリオレフィン系樹脂に添加して混
練成型すると成型品の外観,香気,触感が悪くなりその
商品価値が著しく低下する。このため本発明においては
ペレット状態で、液体ブリードが室温で起らないような
条件を探索した結果、各原料の適切な使用量がまず決め
られたのである。しかしながら次に示す範囲の使用量で
操業したとしても、ペレットについて液体ブリードが室
温で起っていないことをまず確認した後でなければポリ
オレフィン系樹脂に添加することは危険である。それで
同種の原料を用いて同様な操作によって作られたペレッ
トでも、予め液体ブリードが室温で起っていないことが
確認されたものでなければ次の工程に移さないようにす
る。
見掛け比重が0.3g/ml以下の軽塵な微粉体が本発明の
場合に必要で、0.3g/ml以上の重質の粉体では液体ブリ
ードが観察されるようになり後の工程における各操作が
面倒になる。
本発明においては微粉体量100部を基準として示すと
香料は100〜300部(100部以下では香気が少な過ぎて不
経済であり、また300部以上では工程上において液体ブ
リードを起す)使用され、軟化点が40〜140℃(40℃以
下では液体ブリードと助長し、また140℃以上でも液体
ブリードを起す傾向がある。)であるエステル系ワック
ス40〜400部(40部以下では混練が困難であり、また400
部以上ではポリオレフィン系樹脂との相溶が容易でなく
なる)、とくに好ましくは50〜350部が使用される。
次にこれらは50〜170℃において混練しペレット化さ
れる。このペレット化にはペレタイザーの使用もしくは
これと同等な操作が適用されるが、50℃以下では混練が
非常に困難になるほか、この作業中にかえって機械的な
液体ブリードが起るおそれがあるので50℃以上で行わね
ばならない。また170℃以上では混練は容易になるが香
料の発散,分離が甚だしくなり、製品の品質も悪いもの
になる。従って混練温度は好ましくは60〜160℃に保持
されることが好ましい。
このようにして得られたペレットは次にポリオレフィ
ン系樹脂に2〜40重量%添加して混練成型される。
ここにいうポリオレフィン系樹脂(融点もしくは軟化
点をmp.として示す)とはエチレン−α−オレフィン共
重合体(mp.120℃),エチレン・塩化ビニル共重合体
(mp.100〜150℃),ポリブタジエン(mp.170℃以下の
もの),ポリブチレン(mp.126℃),ポリエチレン(m
p.80〜140℃),ポリプロピレン(mp.120〜170℃),複
合ポリプロピレン(mp.120〜170℃),ポリスチレン(m
p.70〜120℃),スチレン共重合体(mp.60〜130℃),
変性ポリオレフィン(mp.150〜170℃)等であるが工業
的に重要なものはポリエチレン,ポリプロピレンあるい
はこれらの混合物またはこれらのポリマー・アロイであ
る。
本発明の一般的な操作法の例を述べると、微粉体とし
てエアロジルシリカ(見掛け比重0.05g/ml)とバルサ材
の乾燥粉末(見掛け比重0.01g/ml)との等量混合粉末10
0gを用意する。この混合粉末に配合ローズ香料150gに香
料安定化材(トリクレシルホスフェート2g+サリチル酸
ベンジル2g)4gを溶解した溶液を攪拌しながらふりかけ
て激しく混合して含浸粉末を作る。
一方モンタンロウ50gとホホバ油硬化油40gおよびエチ
レン・酢酸ビニル60gとをフライパン上で70℃に溶融し
て均一なエステル系ワックス液にしておき、これに上記
の含浸粉末を投入して70℃にて攪拌して硬いペースト様
物質にする。この硬いペースト様物質を小型押出機に入
れてペレット化する。
このペレットについて、前記の液体ブリードの試験法
(イ),(ロ)または(ハ)のいずれかによって液体ブ
リードが室温で起っていないことを確認する。場合によ
ってこのペレットを1カ月間密封した瓶中に保存したの
ち、(イ),(ロ)または(ハ)のいずれかによって再
び試験して液体ブリードのないことを確かめた方が安全
であり、もし若干のブリードが観察されたならば、前記
のホホバ油硬化油の使用量を増して液体ブリードが室温
で起っていないことを確認してやる必要がある。
このようにして調整されたペレット300gに高圧重合法
で作られたポリエチレンペレット(低密度ポリエチレン
LDPE,軟化温度84℃)2700gと混合したのちペレタイザー
に入れて110〜120℃で混練して押出して線状に成型した
のち氷水で急冷し切断,乾燥して有香樹脂組成物にす
る。このものはローズ造花の花弁用の原料として優れた
ものであり、成型,着色すれば商品価値の高いアートフ
ラワーになる。
〔実施例〕
本発明者らは前記した一般的な操作法例をはじめ本発
明の方法に関して多数の実験を行ない本発明の優秀性を
明らかにしたのであるが、さらに本発明の技術的内容を
解説するため代表的な数例を抽出して以下に実施例とし
て示すことにする。したがって本発明の方法は単に以下
に示された実施例のみに限定して解釈されるべきではな
く、本発明の趣旨と精神を逸脱せざる限り、任意に実施
態様を変更して実施しうることは当然である。
実施例1(比較例1を含む) 見掛け比重が0.15g/mlであるケイソウ土微粉体50gお
よび見掛け比重が0.05g/mlであるエアロジルシリカ微粉
体100gをよく混合しておき、これにトリクレシルホスフ
ァイト3gおよびサリチル酸ベンジル2gを溶解したレモン
皮油250gを攪拌し乍ら徐々に添加して含浸粉末を作る。
一方、ホホバ油硬化油100gとカルナウバロウ50gとを7
0℃に加温して溶解して均一なワックス液とし、これに
上記の含浸粉末300gを投入して60〜70℃で激しく混練し
て硬いペースト状物となした後、小型押出機に入れて厚
さ1mmの板状に押出し冷却する。
ここに得られた板状物について液体ブリードが室温で
起っていないことを確認するため該板状物を10mm角に切
断して前記(ロ)の方法によりメタノール中に浸漬して
重量の減少率を測定したところ0.7%であった。これは
次の工程に移ってよいことを示す。そこで該板状物100g
を低密度ポリエチレン(LDPE,比重0.918)500gと混合し
たのち小型ペレタイザーに入れ、140〜160℃で混練、押
出して線状に成型したのち氷水で急冷し,切断後乾燥し
たところレモンの香りの有香樹脂組成物が得られた。
このペレットは黄色顔料で着色して、レモンの形にロ
ータリー・ブロー成型しその上部に液体の注入・注出口
ならびに口金を付ければレモン汁の保存容器として使用
できる。またやや大型のレモン容器に成型すればレモン
シャンプー乳液の容器としても有用である。
なお、比較例1として、上記の香料安定化材を含まな
い場合について行なった結果、成型品のレモン臭の変化
がはげしく、日用品用としては不向きであった。
実施例2〜10(比較例2〜10を含む) 見掛け比重が0.05g/mlであるエアロジルシリカ微粉体
100g,見掛け比重が0.1g/mlである軽質リン酸ケイ酸ジル
コニウム微粉体50g(粒度0.5ミクロン以下),バルサ粉
(300メッシュ以下の細粉)50gを充分混合しておき、こ
れに表1に示す香料200gにアセチルクエン酸トリエチル
2g,t−ブチルヒドロキシアニゾール1gおよびサリチル酸
ベンジル1gを溶解した混合物をはげしく混練しながら添
加して含浸粉末を作る。
一方、ホホバ油硬化油50g,ライスワックス50およびエ
チレン・酢酸ビニル・塩化ビニル共重合体100g(比重1.
3,引張強さ415kg/cm2,引張伸び100%,曲げ弾性率18,50
0kg/cm2)を加温して攪拌し相溶させたエステル系ワッ
クスの温溶液200gを用意しておき、これに前記の含浸粉
末を投入して105〜109℃において窒素気流中で混練した
のちペレット化する。
次にこのペレットの一部を成型して前記(ハ)の方法
により液体ブリードが実質的に起っていないことを確か
めたのち、該ペレット100gを低密度ポリエチレン(LDP
E,比重0.92)1000gに加えて良く混合し、射出成型法に
よりガラスコップを置くためのコースター(径7cm,厚さ
2mmの円形皿)に成型する。
このコースターの香気を成型直後、大気中で3ケ月,
水中で3ケ月,大気中で6ケ月および水中で6ケ月25℃
で保存したのちその香気を試験したところ表1のとおり
の結果がえられた。そしてこれらはいずれも日用品とし
て充分使用しうることを認めた。
この実施例2〜10においてエアロジルシリカ微粉体を
シリカゲルの重質粉体に、リン酸ケイ酸ジルコニウムの
軽質粉体を重質のものにそれぞれおきかえ、またバルサ
のかわりにチーク粉を用いて表1の場合と同様に試験し
た場合の結果は表2(比較例2〜10)のとおりである。
実施例11〜22 見掛け比重が0.01〜0.5g/mlである表3に示す微粉体1
00部に炭酸ジp−メトキシフェニル2g,2.5−ジ−t−ブ
チルハイドロキノン1gおよびアジピン酸ジシクロヘキシ
ル1gを溶解した白檀油150gを均一に含浸させた含浸粉末
を表4に示すエステル系ワックスの加温融解物に添加し
てはげしく混練してガラス板状に流涎して冷却して厚さ
が1.5〜2.0mmの板状物とする。この板状物をカッターに
て正方方体になるように切断し角ペレット化する。
次にこのペレットを前記(イ)の方法にて液体ブリー
ドが起っていないかどうかを確かめる。もし液体ブリー
ドが起っているものがあればそのペレットは棄却し爾後
の操作を行なわない。液体ブリードが起っていないペレ
ット500gはポリエチレンペレット(LDPE50%+高密度ポ
リエチレンHDPE50%)1400gおよびポリプロピレンペレ
ット200gと混合して窒素気流下において小型ペレタイザ
ーを用いて一旦ペレット化した後、押出機を用いて厚さ
が0.1〜0.2mmのシートに成型する。
このシートは径1mmの丸孔を多数設うけたポリエチレ
ンテレフタレートフィルムとラミネートし適当な大きさ
に切断すれば机の上に敷く芳香を有するプラスチックス
シートになる。微粉体と芳香性ならびにその保持月数と
の関係は表3のとおりである。
実施例23〜25 表3における実施例13,16および22においてペレット
化されたものを、それぞれ名刺入れケースの金型を用い
て名刺入れ用のプラスチック函に射出成型した。この函
に入れられた名刺は白檀臭に賦香され使用者に好感を与
えた。しかし使用上表5のような芳香性の差異があらわ
れ、この差は微粉体成分ならびにエステル系ワックスの
種類によって影響されることが分った。
微粉体としてアセチレンブラックのようにそれ自身で
顔料としても作用するもの、あるいは濃色に顔料着色さ
れた成型品は一般に光劣化性が小さく、したがって香料
の光酸化による香調の変化をかなり抑えることが見いだ
された。
〔発明の効果〕
本発明によって得られた有香樹脂組成物は日用品をは
じめ工業用品、農業用品、スポーツ用品、自動車用品、
装飾用品等として各種の分野に利用でき、これら各種製
品の従来からの用途のほかに有香性たとえば芳香性とい
うような機能性能をもつけ加えられることから、商品価
値を増大せしめる。したがって本発明の産業界に寄与す
る所は甚だ大きいものである。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) A61L 9/01 A61K 7/46

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】見掛け比重が0.3g/ml以下の微粉体100部に
    香料100〜300部および香料安定化剤0.5〜15部を含浸さ
    せた粉末と軟化点が40〜140℃であるエステル系ワック
    ス40〜400部とを50〜170℃で混練してペレット化し、該
    ペレットについて液体ブリードが室温で起っていないこ
    とを確認したのち、当該ペレットをポリオレフィン系樹
    脂に2〜40重量%添加して混練成型することを特徴とす
    る有香樹脂組成物の製造法。
  2. 【請求項2】香料安定化剤が香料の熱安定化剤、酸化変
    質防止剤、光劣化防止剤、ブリード防止剤および異性化
    防止剤よりなる群からえらばれた少くとも一つの物質で
    ある請求項1記載の有香樹脂組成物の製造法。
  3. 【請求項3】軟化点が40〜140℃であるエステル系ワッ
    クスが高級脂肪酸エステル、高級アルコールエステル、
    エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・(メタ)ア
    クリレート共重合体および動植物油脂よりなる群からえ
    らばれた少くとも一つの物質である請求項1記載の有香
    樹脂組成物の製造法。
JP2116363A 1990-05-02 1990-05-02 有香樹脂組成物の製造法 Expired - Fee Related JP2869666B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2116363A JP2869666B2 (ja) 1990-05-02 1990-05-02 有香樹脂組成物の製造法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2116363A JP2869666B2 (ja) 1990-05-02 1990-05-02 有香樹脂組成物の製造法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0413615A JPH0413615A (ja) 1992-01-17
JP2869666B2 true JP2869666B2 (ja) 1999-03-10

Family

ID=14685113

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2116363A Expired - Fee Related JP2869666B2 (ja) 1990-05-02 1990-05-02 有香樹脂組成物の製造法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2869666B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6486231B1 (en) * 1995-04-19 2002-11-26 Csp Technologies, Inc. Co-continuous interconnecting channel morphology composition
GB2428250B (en) * 2004-02-06 2007-04-11 Brendan Ruff Candle scent delivery pellet
JP6841809B2 (ja) * 2018-12-12 2021-03-10 長谷川香料株式会社 香料前駆体としてのジエステル化合物

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0413615A (ja) 1992-01-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4761437A (en) Process for preparing fragrance chips
US6921581B2 (en) Plastic films containing a fragrance and an odor barrier material within and a method for their production
KR0178390B1 (ko) 분해 전분을 함유하는 중합체 기초 혼합 조성물
US4095031A (en) Perfumed copolymers of ethylene and polar monomer
JP4562772B2 (ja) 揮発性材料を持続放出するためのポリマー組成物
CN104844888B (zh) 利用生物质的薄片用组合物、环保复合片及其制造方法
CN1127289C (zh) 含有挥发性化合物的控释组合物
TW201437268A (zh) 含有再循環聚烯烴的熱塑性聚合物調配物及其製備方法
KR102163232B1 (ko) 항균 및 항곰팡이성 마스터배치 및 그 제조 방법
CN109608734A (zh) 一种降解甲醛、有害气体且释放负氧离子的塑料颗粒
JPH04173868A (ja) 生物分解性樹脂組成物およびその製品
JP2869666B2 (ja) 有香樹脂組成物の製造法
KR102163944B1 (ko) 신선도 유지 기능을 갖는 복합분해성 시트 또는 진공성형품
AU2009242991A1 (en) Dog pheromone formulation and delivery system
EP4074758B1 (de) Granulat aus rein natürlichen bestandteilen; granulat zur herstellung kompostierbarer produkte sowie herstellungsverfahren des granulats und daraus zu erhaltenden produkten
US20230189861A1 (en) Granulate of only natural constitutions; granulate for the manufacture of composable products and method for manufacturing the granulate and the products obtained therefrom
JPH0339363A (ja) 抗菌性包装体または内装体および菌繁殖防止法
JP2007230023A (ja) 防カビ性、抗菌性および鮮度保持性に優れる積層体ならびに包装袋
JPH0412850A (ja) 絵柄付有香樹脂成型品
NL8300075A (nl) Band voor het bestrijden van parasieten bij dieren en werkwijze voor het vervaardigen van een dergelijke band.
JPH11335481A (ja) 抗菌性発泡樹脂粒子及びその成形体
KR100391779B1 (ko) 목초액을 주재로 한 식품포장용 무독성 랩 필름의제조방법
JP2000309658A (ja) 生分解性樹脂発泡体
JP2767279B2 (ja) 芳香性樹脂組成物
EP3021876A2 (de) Verwendung von duft öl als weichmacher und duftender pvc-kunststoff

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090108

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100108

Year of fee payment: 11

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees