JP4338715B2 - 密着性耐熱ラップフィルム - Google Patents
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Description
例えば、乳酸系脂肪族ポリエステルからなる他目的の延伸フィルムは、特開平6−23836号公報等に開示されているが、該公報に開示のフィルムは引張弾性率が220kg/mm2 を超え、あまりにその値が高すぎて後述の問題点を含み、ラップ同士の密着性も、又他に本明細書で後述するラップ適性も無く、全く家庭用ラップフィルムとして適さないものである。
また、特許文献2には、乳酸系樹脂を用いて野菜、花卉、果実等の輸送、貯蔵時に鮮度保持用途に使用する水蒸気透過度が50〜300g/m2 ・24hrであり、厚みが10〜500μmのフィルムの開示があるが、これらは本発明の用途とは異なる分野のものであり本発明の特定のラップフィルムとしては都合良く使い難いものである。
(式1) Y≦(1400−20X)/3
(式2) 2≦X≦45
(式3) 5≦Y≦350
具体的に、共重合又は混合使用するその他の重合体の原料としての脂肪族ヒドロキシカルボン酸類は、例えば、グリコール酸、α(又は2)−ヒドロキシイソ酪酸、β(又は3)−ヒドロキシ酪酸、β(又は3)−ヒドロキシ吉草酸、3−ヒドロキシヘキサン酸、4−ヒドロキシブタン酸等から選ばれる少なくとも一種を原料とするのが好ましく、またこれらの環状二量体(これらの光学異性体が存在するものも含めて)、これらのエステル類を原料として使用しても良い。
同様に、重合時のアルコール成分、即ち(共)重合する脂肪族多価アルコール類には、エチレングリコール、ジエチレングリコール、その他のポリエチレングリコール類、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2,2−トリメチル−1,6−ヘキサンジオール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、2,2,4,4−テトラメチル−1,3−シクロブタンジオール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジ−、トリ−、テトラプロピレングリコール、カーボネート結合を有するジオール類などが挙げられ、エチレンオキシドやプロピレンオキシド等も使用することが可能である。なお、これら成分を複数組み合わせて用いてもよい。
また更に、此に限定するものではないが、例えば、好ましい組み合せ例として、L−乳酸を主原料にして単独(二量体を含む)重合したもの、又はこれと少量のD−乳酸とを共重合したもの、D−乳酸を主原料にして単独(二量体を含む)重合したもの、又はこれと少量のL−乳酸とを共重合したもの、又はこれら両主原料それぞれと、DL体と共重合したもの、グリコール酸と共重合したもの、3−ヒドロキシ酪酸と共重合したもの、α−ヒドロキシイソ酪酸を含む2−ヒドロキシ−2,2−ジアルキル酢酸と共重合したもの、3−ヒドロキシヘキサン酸、4−ヒドロキシブタン酸、ε−カプロラクトンと共重合したもの、(前述のランダム、ブロック、両者の自由な混合構造を含む)等が挙げられる。また、これらのエステル類を原料として重縮合しても良い。
該樹脂(A)は、乳酸系単量体に、必要により上述の単量体を組み合わせて得られる乳酸系脂肪族ポリエステルを主体とし、これらは、結晶融点(ここではDSC法に準じてスキャンスピード10℃/分で測定)が120〜250℃の樹脂である。その結晶構造は重合に用いる触媒などにより制御でき、アイソタクチック、シンジオタクテック、両者の混合する結晶構造、ブロック的結晶構造、その他種々のものが得られるが、要するに、主として上記結晶融点の範囲内で耐熱性を発揮する結晶融点成分であれば良い。
該樹脂の結晶融点が120℃未満ではラップフィルムの耐熱性、剛性が不足し、また結晶融点が250℃を超えると、融点が分解温度に近くなり、押出成形性や延伸性、熱処理等の加工性が悪くなるため好ましくない。又、より好ましいこれらの範囲は、同じ理由で、下限が130℃上限が245℃であり、更に好ましくは下限が140℃上限が240℃である。
又先述の、ステレオコンプレックス体のごときリジッドな、特殊な共晶構造になり、結果として、耐熱性等が発揮される場合はこの限りではなくその有効範囲内で混合使用すれば良い。
その添加量は、樹脂(A)100重量部に対し、1〜20重量部の範囲であり、好ましくは1〜15重量部であり、より好ましくは2〜10重量部の範囲である。
本発明でのフィルムの加熱収縮率の範囲は2%〜45%、好ましくは3%〜40%、より好ましくは3%〜35%である。その下限は加熱時のフイット性(多少収縮し、容器、盛り上がった内容物、容器外壁に仮密着したフィルムの皺を消失し密着面積の拡大、又はフィルムーフィルム面の皺で剥離しやすい所を少なくし、密着させる)等に有効で、加熱時の高温で水蒸気が出て剥離し密着不足になるのを防ぐ為に有効であり、上限はフィルム外れ、破れ、容器(プラスチックスの時)、内容物の変形等の問題をなくするためである。
本発明のフィルムでの密着性(同仕事量)範囲は、5〜30g・cm/25cm2 の範囲内であり、その下限以下では包装時、保存(含冷蔵)、加熱時の容器又はフィルム面同士の密着不足によるフィルム剥がれが発生するからであり、上限は箱及びロールからの引き出し性不良となり、又包装時にフィルム同士が密着し過ぎ、カット後のフィルム展張性(重なった部分が剥がれ難く又重なりが自然に増加してしまう等)、包装性が悪くなるからである。この好ましい範囲は7〜25g・cm/25cm2 の範囲である。
なお、実施例に示される諸物性の測定法等については下記のとおりである。
(1)引張弾性率
ここでいう引張弾性率とはASTM−D882に準拠して測定され、該フィルムの2軸延伸方向である縦、横方向における2%伸張時の応力値を100%に換算し、更に厚み換算した値の平均値で表し、弾性率(kg/平方(sq)ミリメートル(mm)単位)で表す(以下、各項目にて、単位の表示は一部略す)。
加熱収縮率は、100mm角のフィルム試料を付着防止のためタルク等の粉をまぶし、所定温度に設定したエアーオーブン式恒温槽に水平に入れ自由に収縮する状態で10分間処理した後、フィルムの収縮量を求め、元の寸法で割った値の百分比で表し、同様に縦、横方向の平均値(%単位)で表す。
(3)加熱収縮応力値
加熱収縮応力値は、フィルムを幅10mmの短冊状にサンプリングし、それをストレインゲージ付きのチャックにチャック間隔50mmに所定の長さより5%緩め(長めに)てセットし、それを所定の温度に加熱したシリコーンオイル中に浸漬し、発生した応力を検出することにより得た値であって、浸漬後20秒以内における最大値で、同様に縦、横の値の平均値を厚み換算した値(g/平方ミリメートル単位、以後単にgと略す)で表す。
密着性(同仕事量)とは、23℃、関係湿度65%の恒温室で、円面積が25平方センチメートルの、二つの円柱の各一端側に、しわの入らないように該フィルムを緊張させて固定し、その該フィルム面の相互が重なり合うように2本の円柱をあわせ、荷重500gで1分間圧着した後、引張試験機で該フィルム面を互いに垂直な方向に100mm/分のスピードで、引き剥がしたときの仕事量(g・cm/25cm2 、以後単位の一部は略す)で表す。
(5)耐熱性耐熱性とは、100mm角のフレームに緊張状態で張ったフィルムの中央部に温度調節可能な、半径40mmの熱版に軽く1分間接触させ、フィルム面上に少なくとも合計面積で10平方ミリメートルの穿孔が発生する温度を5℃ピッチで測定し、その一歩手前の温度(サンプル繰り返し数、n=5の平均)で表す。
結晶化度は、原料樹脂では結晶化に最適な温度で充分アニール処理し平衡状態としたものを広角X線回折法により求めた結晶化度を固定した標準試料の融解エネルギーとの相関を求めておき、簡易的にはDSC法(JIS−K7122に準処)にて検量線を求めておき、同法で目的サンプルを測定して定める。但し、製品のフィルムを測定する場合にはフィルムをそのまま含有する樹脂(A)成分(層)についてのみ換算(他樹脂混合、多層状とも)し、測定するものとする。
なお、好ましい範囲の関係式は、下記の(式4)、(式5)、(式6)に囲まれる範囲である。
(式4) Y≦(1100−20X)/3
(式5) 3≦X≦40
(式6) 10≦Y≦300
本発明における好ましい種々の包装適性は上記の特性及びその範囲で主に表されるがその他の官能的包装特性も実用上重要であり、前述及び実施例で好ましい範囲としてそれぞれを記す。
本発明の密着性耐熱ラップフィルムの厚みは、家庭用ラップフィルムとしての扱いやすさや、原料コストの面から5〜15μmであることが好ましく、より好ましくは6〜13μmであり、更に好ましくは7〜11μmの範囲である。また、本発明の密着性耐熱ラップフィルムは、必要に応じて、少なくとも2層の互いに異なる該樹脂組成物(C)からなる同種層により構成される多層構造をとってもよい。
ここで使用する乳酸系脂肪族ポリエステル樹脂は以下のものである。
A−1;ポリ−L−乳酸系樹脂で同D−型を2重量%共重合し含むもの(結晶融点174 ℃、結晶化度55%)
A−2;L−乳酸にグリコール酸を3モル%共重合した樹脂(結晶融点167℃、結晶化 度53%)
A−3;D−乳酸に同L−乳酸を2モル%共重合した共重合体(結晶融点170℃、結晶 化度50%)
A−4;L−乳酸にα−ヒドロキシイソ酪酸を4モル%共重合した共重合体(結晶化度5 0%、結晶融点163℃)
A−5;L−乳酸にε−カプロラクトンを5モル%共重合した共重合体(結晶化度43% 、結晶融点148℃)
A−6;ポリ−L−乳酸重合体(A−8、結晶融点178℃、結晶化度65%)と、3− ヒドロキシ酪酸重合体(結晶融点160℃、結晶化度50%)を、それぞれ前者 が70重量%、後者が30重量%の混合組成物
A−7;L−乳酸単位にDL(ラセミ)体−乳酸単位を10モル%共重合した(結晶融点 157℃、結晶化度43%)
A−8;ポリ−L−乳酸重合体(結晶融点178℃、結晶化度65%)
B−1;テトラグリセリンモノラウレート(1700/150)
B−2;ジグリセリンモノラウレート(200/25)
B−3;ポリオキシエチレンアルキルエーテル(18/2)
B−4;エポシキ化大豆油(110/16)
B−5;ミネラルオイル(13/3)
B−6;ポリオキシエチレンソルビタンラウレート(210/34)
B−7;ヘキサグリセリン(1000/70)
B−8;アセチルトリブチルシトレート(11/2)
C−1;ポリL−乳酸(A−8,結晶融点178℃、結晶化度65%)80重量%にε− カプロラクトン(R−1、結晶融点62℃、結晶化度45%)を20重量%加え たもの100重量部に、B−2を4重量部、B−5を2重量部、B−1を1重量 部、混合した組成物
C−2;A−7が75重量%にエチレン−ビニルアルコール共重合体樹脂(エチレン39 モル%共重合)を25重量%加えたもの100重量部に、B−1を3重量部、B −5を3重量部混合した組成物
C−3;A−7が85重量%にエチレン(一部プロピレン)−一酸化炭素共重合体の水添 共重合樹脂15重量%を加えたもの100重量部に、B−3を3重量部、B−4 を2重量部混合した組成物
C−4;A−6が80重量%にPEST−1としてポリブチレンテレフタレート系共重合 樹脂(アルコール成分としての1.4ブタンジオール80モル%、トリエチレン グリコール19モル%、ポリテトラメチレングリコール1モル%を共重合したも の:結晶融点220℃、結晶化度40%)20重量%を加えたもの100重量部 に、B−6を3重量部、B−7を2重量部混合した組成物
(1) 小巻ロールのエージング保存性(30cm幅で50m巻きの箱に入れた製品を30℃、関係湿度65%下で30日保存時)で、ロール端部からの添加剤滲みだし、フィルムの適度な剥離性、フィルム表面べとつき等に問題無きこと。
(2) ロールの箱からの引き出し性、フィルム端部が伸び、静電気の発生がなく、手・箱等にステックせず、且つフィルムが展張し易く手で掴み易く、引き出し抵抗性が適度で有ること。
(3) カット性、フィルムが展張したままでも皺がよることなく、適度な抵抗で心地良く(軽い音もたて)、伸びて永久変形することなく、正確にカット出来ること。
(4) フィルム展張性、切断後のフィルムが皺よったり重なったりせず、被包装物にうまくラッピングできること。
(6) 耐熱性で加熱中に裂けたり溶融して穴があいたり、フィルムが内圧に負けて伸び異常に膨れあがらないこと。
(7) 保存中及び加熱中に、味・衛生性、食品に臭い、添加剤が移ったり、フィルムの破片が混入したりしないこと。
(8) 加熱後、フィルムを簡単に除去し易く、フィルム同士が溶着して剥離できなくなったり、場合により内容物又は容器(特に合成樹脂製)に溶着し汚さないこと。
(9) 使用後の廃棄処理に問題が少ないこと。
表1に記載のごとく、乳酸系脂肪族ポリエステル(A)としてポリL−乳酸系樹脂(A−1)を、スクリュー径が50mm、スクリューの長さ方向途中の混練部相当箇所のシリンダー部に注入口を有する押出機を用いて、加熱混練り溶融し、液状添加剤(B)としてB−1/B−8の混合比2/3の混合物を樹脂100重量部に対し、表1記載の所定割合で注入し、充分混練りし、径が100mmφ、スリットが1.0mmの環状ダイより押し出し、チューブの内面に流動パラフィンを封入し、同外面を冷媒(水)により急冷固化し、折り幅140mmの均一なチューブ状原反を作成した。次いで、この原反を、均一な状態で自由にアニール処理し、2対の差動ニップロール間に通し、80℃の雰囲気下の加熱ゾーンを通し加熱し、70℃の熱風雰囲気下の延伸ゾーンで流れ方向出口部に設置してあるエヤー封入用ニップロールで内部に空気を圧入することにより、連続的に膨張バブルを形成させ、冷却ゾーンの延伸終了部で15℃の冷風を吹き付け、延伸を終了させ、次に出口部ニップロールを閉じ、ほぼ縦5倍、横4倍に同時2軸延伸し、更にそれぞれに温度制御したヒートセットゾーンに連続的に通し、次に巻き取り機で耳を切り取り、厚み約8μmの2枚のフィルムに巻き取った。
実施例1、2のフィルムの延伸安定性は、比較例1,2の場合にバブルの揺れが多くて不安定であったのに比し良かった。次に、これらのフィルムを30cm幅の紙管に約50m巻いた小巻ロールに仕上げ、市販の家庭用ラップ用の箱(旭化成工業株式会社の塩化ビニリデン系樹脂製専用)に入れ、包装テストを実施した。
その結果、箱からの引き出し性は、実施例1、2のフィルムは、上記市販の塩化ビニリデン系樹脂製(以後、市販PVDCと略する)の場合と同様に適度な抵抗で正確に所定量引き出せたが、比較例1(以後、比1と表す)のフィルムは箱から出過ぎたり、静電気が発生してあちこちにくっついたりして、好ましくなかった。また、比較例2(以後、同様に、比2と表す)のフィルムは、明らかにべとつき過ぎで、箱の一部にくっいたり、手にまとわりついたり、不具合であった。
実施例1、2のこれらの不良現象はいずれも全くなく、良好に包装及び加熱、又後で容易にフィルムを剥離除去でき、且つ調理品の味も良好であり本発明の好ましい特性の範囲内で有ることが判明した。
表2に記載のごとく、各種脂肪族ポリエステル樹脂(A)、特に実施例4では、A−1/A−3の混合比1/1を予め充分混練りし共晶を生成せしめる様に混和したものを準備し、次に更に表2記載の液状添加物(B)を樹脂100重量部に対し表2記載の所定量添加し、これを実施例1と同様な方法で延伸温度、延伸倍率、をそれぞれ調整し、同様に処理加工し、下記特性の、平均厚み9μmの延伸フィルムを得た。但し、実施例4のフィルムの結晶化度は、共晶成分主体のもので有った。延伸性はいずれも良く、大きな問題はなかつた。
表3に記載のごとく、各種前述の脂肪族ポリエステル(A)、及び液状添加剤(B)を選定し、表3記載の所定量を添加使用した。
比較例3では、脂肪族ポリエステルとして、L−乳酸73モル%とグリコール酸27モル%を共重合した結晶融点115℃、結晶化度16%の樹脂(D−1)を選定し、これを実施例1と同様な方法で、延伸条件をそれぞれ選定し、同様に処理した。但し、延伸温度条件は低めにし、熱処理温度も低めに調整して実施した。
比較例4の場合、延伸倍率条件を高めにし、原反、フィルムで熱処理条件を制御し、それぞれ下記特性の平均厚み約9.5μmのフィルムを得た。
表4に記載のごとく、乳酸系脂肪族ポリエステル(A)に他の樹脂を所定量加え、さらに該添加剤(B)を所定量混合した樹脂組成物(C)を作成し、実施例1と同様に、加工し、平均厚み約9.2μmのフィルムを得た。
脂肪族ポリエステル(A)として、前述のA−1、その他の樹脂として前記PEST−1,該添加剤(B)としてB−6を5重量部、B−1を1重量部、両者にそれぞれに別に、同様な二台の押し出し機に前述同様に混合し、多層環状ダイより2種3層状(A−1/PEST−1/A−1:層構成比は35/30/35それぞれ%)に、押し出し、実施例1と同様に、約8μmの延伸フィルムに加工した。その特性は、「引張弾性率/加熱収縮率/同応力/耐熱性/密着仕事量/フィルム結晶化度」の順に表して、「85/15/200/200/16/43(それぞれの単位は略す)」であった。各包装テストも大きな問題は無く、本発明の好ましい範囲内の特性であった。
実施例11において中間層を添加剤(B)を加えないエチレン−酢酸ビニル共重合樹脂(メルトインデックス:0.8、密度:0.928)とし、原反に電子線(エネルギー:500KV)で線量6メガラドの処理をした以外は実施例13と同じくして、上記と同様に加工して、約9μmの延伸フィルムを得た。その特性は、実施例13記載と同様の順に、50/17/140/210/17/42(それぞれの単位は略す)であった。包装テストも、大きな問題が見られなく、好ましい範囲内の特性のものであった。
Claims (9)
- 結晶融点が120〜250℃の、乳酸単位を少なくとも85モル%含有する乳酸系脂肪族ポリエステル樹脂(A)100重量部に対して、グリセリン又はポリグリセリンと脂肪族脂肪酸のエステル、又はエポキシ化大豆油からなる成分(b1 )、及び(イ)脂肪族系アルコール、脂肪族系多価アルコール、及びこれらの縮重合物から選ばれる少なくとも一種のアルコール成分と、脂肪族カルボン酸及び脂肪族多価カルボン酸から選ばれる少なくとも一種のカルボン酸とのエステル及びその変性物、(ロ)ポリオキシエチレンアルキルエーテル、(ハ)ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、(ニ)エポキシ化大豆油、(ホ)ポリグリセリン縮合物、(ヘ)ミネラルオイル、及び(ト)グリセリン又はポリグリセリンと脂肪族脂肪酸とのエステルから選ばれる少なくとも一種の成分(b2 )からなり、(b1 )と(b2 )とは50℃での粘度差が少なくとも10センチポイズで、(b1 )と(b2 )との重量混合比が0.5/10〜9/1である液状添加剤(B)1〜20重量部を含有する樹脂組成物(C)からなる延伸フィルムであって、フィルムの結晶化度が20〜70%、引張弾性率が20〜150kg/mm2 であり、100℃における加熱収縮率X%と加熱収縮応力Yg/mm2 が下記の関係式(式1)〜(式3)の範囲内にあり、耐熱性が120℃以上であり、厚さ5〜15μmであるフィルムが紙巻に巻かれ、家庭用ラップ用の箱に収納されていることを特徴とする密着性耐熱ラップフィルム。
(式1) Y≦(1400−20X)/3
(式2) 2≦X≦45
(式3) 5≦Y≦350 - 乳酸系脂肪族ポリエステル樹脂が、L−乳酸又はD−乳酸を主構成単位とし、他に乳酸の異性体、該乳酸のDL(ラセミ)体、グリコール酸、3−ヒドロキシ酪酸、3−ヒドロキシ吉草酸、ε−カプロラクトン、α−ヒドロキシイソ酪酸を含む2−ヒドロキシ−2,2−ジアルキル酢酸、3−ヒドロキシヘキサン酸、4−ヒドロキシブタン酸、から選択される少なくとも一種の単位を1.5〜15モル%含有する共重合体であることを特徴とする請求項1記載の密着性耐熱ラップフィルム。
- 乳酸系脂肪族ポリエステル樹脂が、L−乳酸を主体とした脂肪族ポリエステル樹脂20〜80重量%と、D−乳酸を主体とした脂肪族ポリエステル樹脂80〜20重量%との混合樹脂であり、これが少なくとも一部の共晶形成能力を有する樹脂であることを特徴とする請求項1または2記載の密着性耐熱ラップフィルム。
- 乳酸系脂肪族ポリエステル樹脂が、乳酸単位を85モル%以上含む重合体を少なくとも50重量%と、グリコール酸単位を75モル%以上含む重合体、3−ヒドロキシ酪酸単位を85モル%以上含む重合体、α−ヒドロキシイソ酪酸単位を85モル%以上含む重合体、からなる群から選択される少なくとも1種の脂肪族ポリエステル系重合体を50重量%以下からなる組成物であることを特徴とする請求項1記載の密着性耐熱ラップフィルム。
- 液状添加剤(B)が、50℃での粘度が5センチポイズ以上、100℃での粘度が500センチポイズ以下の液体であり、かつその沸点が170℃以上であることを特徴とする請求項1記載の密着性耐熱ラップフィルム。
- 乳酸系脂肪族ポリエステル樹脂が、その結晶化度が20〜80%であることを特徴とする請求項1記載の密着性耐熱ラップフィルム。
- 延伸フイルムが、50〜99重量%の乳酸系脂肪族ポリエステル樹脂組成物(C)と、1〜50重量%の該乳酸系脂肪族ポリエステル樹脂以外の熱可塑性樹脂からなることを特徴とする請求項1記載の密着性耐熱ラップフィルム。
- 延伸フイルムが、2層以上の互いに異なる乳酸系脂肪族ポリエステル樹脂組成物(C)からなる層により構成されていることを特徴とする請求項1記載の密着性耐熱ラップフィルム。
- 延伸フイルムが、少なくとも1層の乳酸系脂肪族ポリエステル樹脂組成物(C)からなる合計厚み比率10〜90%の層と、他種の脂肪族ポリエステル樹脂、カプロラクトン系樹脂(R)、ポリオレフィン系樹脂(PO)、及び芳香族系の誘導体を含むポリエステル系樹脂(PEST),エチレン−ビニルアルコール系共重合樹脂(EVOH)、ポリアミド系樹脂(PA)、エチレン(又は他の少なくとも一種のα−オレフィンを含む)−一酸化炭素系共重合(含同水添物)樹脂、エチレン(又は他の少なくとも一種のα−オレフィンを含む)−環状炭化水素共重合(含同環水添物)樹脂、からなる群から選ばれる少なくとも一種の樹脂からなる合計厚み比率90〜10%の層とから構成されていることを特徴とする請求項1記載の密着性耐熱ラップフィルム。
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