JP2001106806A - 密着性耐熱ラップフィルム - Google Patents

密着性耐熱ラップフィルム

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JP2001106806A
JP2001106806A JP28278199A JP28278199A JP2001106806A JP 2001106806 A JP2001106806 A JP 2001106806A JP 28278199 A JP28278199 A JP 28278199A JP 28278199 A JP28278199 A JP 28278199A JP 2001106806 A JP2001106806 A JP 2001106806A
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lactic acid
acid
film
aliphatic polyester
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Isao Yoshimura
功 吉村
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Asahi Kasei Corp
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    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08JWORKING-UP; GENERAL PROCESSES OF COMPOUNDING; AFTER-TREATMENT NOT COVERED BY SUBCLASSES C08B, C08C, C08F, C08G or C08H
    • C08J5/00Manufacture of articles or shaped materials containing macromolecular substances
    • C08J5/18Manufacture of films or sheets
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08JWORKING-UP; GENERAL PROCESSES OF COMPOUNDING; AFTER-TREATMENT NOT COVERED BY SUBCLASSES C08B, C08C, C08F, C08G or C08H
    • C08J2367/00Characterised by the use of polyesters obtained by reactions forming a carboxylic ester link in the main chain; Derivatives of such polymers
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 包装時の種々の要求特性(引き出し性、カッ
ト性、展張ハンドリング性、密着固定セット性、耐熱
性、等他)に叶い使い勝手の良い、且つ、使用時の安全
性及び廃棄処理もより環境安全上に都合の良い、ハウス
ホールドラップ用フィルムを提供するにある。 【解決手段】 結晶融点が120〜250℃の乳酸系脂
肪族ポリエステルに、特定の液状添加剤を添加し、引張
弾性率が15〜180kg/mm2 、100℃における
加熱収縮率X(%)と、同加熱収縮応力Y(g/m
2 )との関係が、(式1)0≦X<45、0≦Y<
5、(式2)0≦X<2、55≦Y≦500、Y≦(1
500−20X)/3、(式3)2≦X≦22.5、3
50<Y≦500、Y≦(1500−20X)/3、の
いずれかの範囲内にあり、且つ耐熱性が120℃以上、
密着仕事量が5〜50g・cm/25cm2 の特性を有
する、密着性耐熱ラップフィルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、特にその用途を限
定しないが、包装用、特に家庭用ラップフィルムとし
て、好適に使用される、密着性耐熱ラップフィルムに関
するものである。但し、本発明の特性を、同時に利用す
る、他の用途が有ればこれに限定しないものとするが、
以後は上記ラップフィルムについて説明する。
【0002】
【従来の技術】家庭用ラップフィルムは、主として冷蔵
庫や冷凍庫での保存用に、又電子レンジでの加熱用に、
主として容器に盛った食品をオーバーラップするのに使
用される。このため、家庭用ラップフィルムには、透明
性は勿論のこと、包装・冷蔵保存・加熱時に適度の弾性
率を有し、加熱中も溶融穿孔、大きな変形、容器への融
着、それ自身の変質などの無い安定性、及びラップ同士
や容器に対する低温から高温域までの適度な密着性、セ
ット性等が要求されている。
【0003】現在市販されている家庭用ラップフィルム
としては、現在、最も使い勝手の良いポリ塩化ビニリデ
ン系樹脂を主体に、その他、前述、後述のラップ適性に
おいては大幅に劣るポリエチレン系樹脂、可塑化ポリ塩
化ビニル系樹脂、ポリ4−メチルペンテン−1系樹脂等
を主成分とし、押し出しキャストしてフィルム化したも
の等が挙げられる。しかも、あらゆる面でより安全性が
高いと思われる脂肪族ポリエステル系樹脂からなり、使
い勝手も良く、且つ環境・衛生的にもより優れ、且つ塩
化ビニリデン系樹脂からなるラップフィルムを越えるも
のは未だかつて提供されていない。
【0004】例えば、乳酸系脂肪族ポリエステルからな
る他目的の延伸フィルムは、特開平6−23836号公
報等に開示されているが、該公報に記載のフィルムの引
張弾性率は、220kg/mm2 を超え、あまりにその
値が高すぎ、後述の問題点をも含み、ラップ同士の密着
性も、又他に本発明に後述するラップ適性も無く、全く
家庭用ラップフィルムとして適さないものである。又、
特開平9−272794号公報には、他目的の、従来一
般包装用ポリエチレン袋用途に向けた単なる柔軟性付与
のために、ポリ乳酸系樹脂に、軟化点が低く且つ結晶化
点が室温以下の、柔軟な他種の脂肪族ポリエステル樹脂
を、多量(25〜80重量%)に混合して柔軟性及び両
樹脂の分子間の相互作用により結晶を制御し押さえ、透
明性を付与する旨の記述があるが、これも本発明の特定
のラップ用途と異なる分野のものである。
【0005】又、特開平7−257660号公報には、
乳酸系樹脂利用による、他目的の、野菜、花卉、果実等
の輸送、貯蔵時に使用する、水蒸気透過度が50〜30
0g/m2 ・24hrの、従来2軸延伸ポリスチレンフ
ィルム(通称OPSフィルムでの包装)分野の鮮度保持
用途の、厚み10〜500μmのフィルムの開示等があ
るが、これらは本発明の用途とは異なる分野のものであ
り本発明の特定のラツプには、都合良く使え難いもので
ある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来にない
乳酸系脂肪族ポリエステル樹脂を主成分とし、家庭用ラ
ップフィルムとして保存性、使用性、等に優れ、特に加
熱使用時の各種容器(含磁器製、プラスチックス製と
も)包装、又容器無しのラッピング包装共に、好適な密
着性耐熱ラップフィルムを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、結
晶融点が120℃以上250℃以下の乳酸系脂肪族ポリ
エステル樹脂を主体とする樹脂(A)100重量部に対
し、液状添加剤(B)を1〜20重量部を含む樹脂組成
物(C)からなるフィルムであって、引張弾性率が15
〜180kg/mm2 で、100℃における加熱収縮率
(X、%)と加熱収縮応力(Y、g/mm2 )が、下
記、式(1)〜式(3)の関係式のいずれかの範囲内に
あり、耐熱性が120℃以上で、密着性(同仕事量)が
5〜50g・cm/25cm2 であることを特徴とする
密着性耐熱ラップフィルム、 式(1) 0≦X<45、 0≦Y<5 式(2) 0≦X<2、 5≦Y≦500、 Y≦(1500−20X)/3 式(3) 2≦X≦22.5、 350<Y≦500、 Y≦(1500−20 X)/3 である。
【0008】本発明において、結晶融点が120℃以上
250℃以下の乳酸系脂肪族ポリエステルを主体とする
樹脂(A)は、乳酸系脂肪族ヒドロキシカルボン酸類の
直接重合、又は各種環状(二量)体、例えば、L−ラク
チド、D−ラクチド、メソ−ラクチド等の開環重合、又
はこれらのエステル化物の重縮合、又はこれらに加え他
の単量体との共重合、光学異性体の存在するものはその
D体、L体、又そのいわゆるDL(ラセミ)体、DL−
ラクチド等との共重合をも含むものである。又、上記の
ポリL−重合体と、ポリD−重合体との共晶(ステレオ
コンプレックス)体等も含むものである。これら単量体
は、好ましくは、L体、又はD体、を主体とするが特に
限定はしない。共重合とはランダム状、ブロック状、両
者の自由な混合構造を含むものである。
【0009】これら樹脂を共重合により得る場合は、そ
の単量体比率は、上記ラップとしての性能を維持する為
には、対象成分同士によっても多少異なるが、一般に、
共重合する少量成分の合計で表して、15モル%未満で
ある。好ましくは1.0〜14モル%,より好ましくは
2〜13モル%、更に好ましくは2.5〜12モル%の
範囲である。これらは、フィルムに柔軟性としなやかさ
を与える為、又密着性を与える添加剤との適度な、なじ
みを与えるために都合が良い。上限は、耐熱性不足、寸
法安定性の悪化等で制限される。具体的には、共重合又
は混合使用するその他の重合体の原料としての脂肪族ヒ
ドロキシカルボン酸類としては、例えば、グリコール
酸、α(又は2)−ヒドロキシイソ酪酸、β(又は3)
−ヒドロキシ酪酸、β(又は3)−ヒドロキシ吉草酸、
3−ヒドロキシヘキサン酸、4−ヒドロキシブタン酸、
その他公知のものなどから選ばれる少なくとも一種が挙
げられる。但し、これらの環状二量体(これらの光学異
性体が存在するものも含めて)、これらのエステル類を
原料として使用しても良い。
【0010】次に共重合するラクトン類としては、β−
ブチロラクトン、β−プロピオラクトン、ピバロラクト
ン、γ−ブチロラクトン、δ−バレロラクトン、β−メ
チル−δ−バレロラクトン、ε−カプロラクトンなどが
を含むものである。同様に、重合時のアルコール成分、
即ち共重合する脂肪族多価アルコール類には、エチレン
グリコール、ジエチレングリコール、その他のポリエチ
レングリコール類、プロピレングリコール、1,3−プ
ロパンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパン
ジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジ
オール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサン
ジオール、2,2−トリメチル−1,6−ヘキサンジオ
ール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、1,4−
シクロヘキサンジメタノール、2,2,4,4−テトラ
メチル−1,3−シクロブタンジオール、トリエチレン
グリコール、テトラエチレングリコール、ジ−,トリ
−,テトラ−プロピレングリコール、カーボネート結合
を有するジオール類などが挙げられ、エチレンオキシド
やプロピレンオキシド等も使用することが可能である。
なお、これらを多成分に組み合わせてもよい。
【0011】又、重合時の酸成分、即ち(共)重合する
脂肪族多価カルボン酸類には、マロン酸、コハク酸、グ
ルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、アゼライン酸、セ
バシン酸、2,2−ジメチルグルタル酸、スベリン酸、
1,3−シクロペンタンジカルボン酸、1,4−ジシク
ロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカ
ルボン酸、ジグリコール酸、及びこれらのエステル誘導
体、酸無水物等を使用することが可能である、なお、こ
れらを成分を、複数組み合わせ用いてもよい。更に、こ
れに限定されるものではないが、例えば、好ましい組み
合せ例としては、L−乳酸を主原料にして単独(二量体
を含む)重合したもの、又はこれに少量のD−乳酸と共
重合したもの、D−乳酸を主原料にして単独(二量体を
含む)重合したもの、又はこれに少量のL−乳酸と共重
合したもの、又は上記両主原料それぞれに、DL体と共
重合したもの、グリコール酸と共重合したもの、3−ヒ
ドロキシ酪酸と共重合したもの、α−ヒドロキシイソ酪
酸と共重合したもの、3−ヒドロキシヘキサン酸、4−
ヒドロキシブタン酸、ε−カプロラクトンと共重合した
もの(前述のランダム、ブロック、両者の自由な混合構
造を含む)等が挙げられる。又、これらのエステル類を
原料として重縮合しても良い。更にこれらのL−乳酸を
主体とした(単独・共)重合体が80〜20重量%、好
ましくは70〜30重量%、より好ましくは60〜40
重量%と、上述に対応して同様に、これらのD−乳酸を
主体とした(単独・共)重合体が20〜80重量%、好
ましくは30〜70重量%、より好ましくは40〜60
重量%との共存混合体による共晶体(いわゆるステレオ
コンプレックス体)も融点が更に上昇(約50℃)し、
好ましいものである。
【0012】該乳酸系脂肪族ポリエステル樹脂を主体と
する樹脂(A)は、乳酸系単量体に、必要により上述の
単量体を組み合わせて得られる乳酸系脂肪族ポリエステ
ルを主体とし、これらは、結晶融点(ここではDSC法
に準じて測定)が120℃以上250℃以下のものを主
成分としている。又、重合する触媒により、その結晶構
造を制御することができ、アイソタクチック、シンジオ
タクテック、両者の混合する結晶、ブロック的結晶構造
とすることができる。その他自由なものが重合できる
が、要するに、主として上記の耐熱性を発揮出来る結晶
融点成分が含有されていればよい。原料としての結晶融
点が120℃未満であると、ラップフィルムの耐熱性、
剛性が不足し、また、結晶融点が250℃を超えると、
分解温度が近くなり、押出成形性や延伸性、熱処理等の
加工性が悪くなるため好ましくない。又、より好ましい
範囲は、同じ理由で130〜245℃であり、更に好ま
しい範囲は140〜240℃である。
【0013】更にフィルム化する原料としての該脂肪族
ポリエステルの結晶化度の範囲は、通常20〜80%程
度であり、好ましくは30〜70%である。又、フィル
ムの結晶化度の範囲は、通常20〜70%程度であり、
好ましくは25〜60%である。これらの下限はフィル
ムの耐熱性より制限され、上限は原料の成形加工性不
足、柔軟性不足(それ自身でも柔軟性が不足する他に、
可塑剤を均一に含み難くなり、有効な密着性を付与せし
め難くなる)、又はフィルムの透明性等より制限され
る、但し、原料の特性で、加工条件(急冷等)、及び添
加剤(結晶制御)等の影響によりフィルムに加工した
後、上述より更に結晶化度が低いが、これを加熱使用
(例えば調理する)時、結晶化速度が早くて即座に結晶
し、結果として有効に耐熱性が発現する(フィルムが局
部的にでも、メルト、穿孔しない)場合は、使用前フィ
ルム結晶化度の制限値下限は、この限りでない。この場
合上記の脂肪族ポリエステルの内、生分解性機能を有す
るが、結晶化度が高い結果として(廃棄処理時、生ゴミ
と一緒にコンポスト化した場合)生分解し難いタイプの
樹脂の廃棄物処理を容易にさせるのに好ましい場合が有
る。但し、加工時、又はフィルムの経時保存時に加水分
解しない、添加剤又は樹脂側の工夫(例えば、分子構
造、共重合、結晶、混合樹脂、残留モノマー、残留触媒
等)を加えたものが好ましいのは言うまでもない。
【0014】又、該乳酸系脂肪族ポリエステル樹脂
(A)は、主体となる上記脂肪族ポリエステルの他に5
0重量%未満、好ましくは5〜40重量%、より好まし
くは7〜30重量%の範囲内で、通常公知の他の脂肪族
ポリエステル、又は他の熱可塑性樹脂を少なくとも一種
混合して用いてもかまわない。これらとしては、前述の
乳酸系以外の脂肪族ポリエステル系樹脂、ポリオレフイ
ン系樹脂、芳香族系単量体を含む通常のポリエステル系
樹脂、ポリアミド系樹脂、エチレンービニルアルコール
系共重合樹脂、エチレンースチレン共重合樹脂(又は含
同環水添樹脂)、α−オレフインー一酸化炭素共重合樹
脂(又は含同水添樹脂)、エチレンー脂環族炭化水素共
重合樹脂(又は含同水添樹脂)、スチレンとブタジエン
ないしイソプレン共重合樹脂(又は含同水添樹脂)、ポ
リカプロラクトン類、その他が挙げられる。
【0015】混合使用する樹脂としてより好ましくは、
グリコール酸、3−ヒドロキシ酪酸、α−ヒドロキシイ
ソ酪酸、3−ヒドロキシヘキサン酸、4―ヒドロキシブ
タン酸から選択される少なくとも1種の単量体(又これ
らのエステル)を原料として少なくとも50モル%以上
含む重合体、及び共重合体、又はこれらに乳酸を85モ
ル%未満含む共重合体が好ましい(但し、通常では、光
学異性体も結晶構造に影響を与えるので別の単量体とし
て換算することとする)。又先述のステレオコンプレッ
クス体のごときリジッドな、特殊な共晶構造になり、結
果として耐熱性等が発揮される場合はこの限りではなく
その有効範囲内で混合使用すれば良い。
【0016】本発明で使用される液状添加剤(B)は、
ラップフィルムの引張弾性率の調整で取り扱い時のしな
やかさ、密着性(同仕事量)付与等を好適な範囲にコン
トロールするため必要なものであり、又使用後の廃棄処
理(コンポスト化した場合)時に生分解性を高める為に
有用なものであって、その主体成分の50℃での粘度
(以後、B型粘度計、例えば東機産業(株)製のもの
で、低粘度領域(1000センチポイズ以下)の値は、
B−L型のNo.2ロータを用い、30rpmの回転数
で測定し、高粘度領域(1000センチポイズ以上)で
は、No.4ロータを用い、同条件での測定値)が少な
くとも5センチポイズ以上、100℃での粘度が500
センチポイズ以下、好ましくは100℃で300センチ
ポイズ以下であり、かつその主成分の沸点が170℃以
上の液状添加剤が好適に使用可能である。液状とは、少
なくとも100℃、好ましくは50℃での状態を言う。
但し、50℃でペースト状の物も含むものである。又、
混合多成分の内1成分が50℃で固形状オリゴマーであ
り、他成分に上記加温時に溶解する場合のものも含む。
【0017】その添加量は、該樹脂(A)100重量部
に対し、1〜20重量部の範囲であり、これらの好まし
い範囲は1〜15重量部であり、より好ましくは2〜1
0重量部である、それらの理由は、後述の通りである。
これら添加剤としては、なかでも、脂肪族アルコール、
又は脂環族アルコール、又はこれらの多価アルコール、
及びこれらの縮重合物から選ばれる少なくとも一種のア
ルコール、及び同アルコール成分と脂肪族又は芳香族多
価カルボン酸とのエステル、脂肪族ヒドロキシカルボン
酸とアルコール及び/または脂肪酸とのエステル、及び
これらエステルの変性物、ポリオキシエチレンアルキル
エーテル及び又はそのエステル、該樹脂(A)の単量
体、環状2量体、重合度2以上を含むオリゴマー、ミネ
ラルオイル、流動パラフィン、飽和炭化水素系化合物よ
り成る低重合物から成る群から選択される少なくとも1
種の可塑剤がより好適に使用可能である。但し、これら
のものは、加工中、保存中に基材樹脂の加水分解を促進
しないもの、又場合により加水分解を抑制する添加剤又
は樹脂側の工夫と併せて使用される。
【0018】例示に限定されるものではないがこれらの
例としては、グリセリン、ジグリセリン等のポリグリセ
リン類、及びこれらをアルコール成分の原料とし、酸成
分として脂肪族脂肪酸、例えば、ラウリン酸、パルミチ
ン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、等と
の、モノ、ジ、トリエステル等より選ばれる少なくとも
一種のエステル、又はソルビタンと上記脂肪酸との自由
なエステル、又はエチレングリコール、プロピレングリ
コール、テトラメチレングリコール、およびこれらの縮
重合物と上記脂肪酸との自由なエステル(エチレンオキ
サイド、プロピレンオキサイド、その他等のアルキレン
オキサイド付加物も含む)、又は脂肪族ヒドロキシカル
ボン酸として、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、等と、炭
素数10以下の低級アルコールとの自由なエステル、又
は多価カルボン酸として、マロン酸、コハク酸、グルタ
ル酸、アジピン酸、等と脂肪族アルコールとの自由なエ
ステル、又はこれらエステルの変性物として、エポキシ
化大豆油、エポキシ化アマニ油、その他が挙げられる。
【0019】好ましくは、これらから選ばれる少なくと
も2種の粘度差(以後50℃での測定とする、好ましく
は差が少なくとも3センチポイズ、より好ましくは差が
10センチポイズである)のあるものを選定し混合使用
すると良い。より好ましくは上記に加え、「高粘度物/
低粘度物」の重量混合比を「0.5/10〜9/1」の
範囲で混合使用するのが良い。更に好ましくは、上記粘
度差が少なくとも10のもの、及び「高粘度物/低粘度
物」の重量混合比を「1/9〜5/5」の範囲で混合使
用するのが良い。3種以上混合使用する場合は、該全添
加量の内、少なくとも5重量%以上添加するものの内、
どれかの2成分が上記を満たしていれば良い。その理由
は、フィルム表面にブリードアウトする速度及び量が平
均化され、何時の時点でも有効に相乗的に作用する場合
が多いからである。
【0020】なお、本発明のフィルムでの、(1)引張
弾性率の範囲は15〜180kg/mm2 の範囲内で、
上記下限は、フィルムの(刃切れ性の良い)カット性、
フィルムの腰硬さ、フィルムの伸展性(引っ張り、カッ
トした後、包装するまでの張り、防皺等の)、取り扱い
性、等から制限され、同上限は、フィルムの破断伸びを
適当値に制御する効果にも関係して、包装時のフィット
性、(刃切れの良い)カツト性を保つ為にも制限され
る。同じ理由で、好ましい範囲は18〜160kg/m
2 、より好ましくは20〜140kg/mm2 であ
り、更に好ましくは25〜120kg/mm2 である。
【0021】本発明での加熱収縮率(2)、及び加熱収
縮応力(3)の範囲は、加熱収縮応力が5g(以後単位
の1部は略す)を超えない時、加熱収縮率が45%以下
の範囲、又は加熱収縮応力が5g以上〜500g以下の
時、加熱収縮率が2%以下の範囲、又は加熱収縮応力が
350以上〜500gの時、加熱収縮率が2〜45%を
超えない範囲で有る。これ等の理由は、加熱時の高温
で、フィルムの収縮応力が高い場合は低い収縮率が好ま
しく、又高い収縮率の場合は低い収縮応力の場合は、
(但し「以下」及び「低い」は、それぞれ0を含む)、
密着不足になるのを防ぐ為に有効であり、上限は、フィ
ルム外れ、破れ、容器(プラスチックスの時)・内容物
の変形等に問題を残すことになる。
【0022】本発明のフィルムの密着性(4)の範囲
は、5〜50g・cmの範囲内であり、その理由は、そ
の下限以下では包装時及び保存(含冷蔵)、加熱時の容
器又はフィルム面同士の密着不足によるフィルム剥がれ
であり、上限以上では箱及びロールからの引き出し性不
良となり、又包装時にフィルム同士が密着し過ぎ、カッ
ト後のフィルム展張性(重なった部分が剥がれ難く又重
なりが自然に増加してしまう等)、包装性が悪くなる点
にある。この好ましい範囲は7〜40g・cmである。
【0023】本発明のフィルムの耐熱性(5)の範囲
は、120℃以上、好ましくは130℃以上、より好ま
ししくは140℃以上である。その下限の理由は、電子
レンジ等で、加熱中の包装破れ等によるフィルム収縮で
内容物の飛散、乾燥しすぎ、水蒸気不足で局部加熱にな
る等である、その上限は特に限定しないが、他の特性と
連動(例えば、加工性の悪化、引っ張り弾性率の高過
ぎ、等)しているため、好ましくは250℃程度であ
る。又、上記の範囲の理由は、電子レンジ等での、加熱
初期は約100℃の水蒸気でフィルムが破損しなければ
当面良いが、内容物と接触している部分が、(加熱終了
期、特に水蒸気が少なくなった場合)内容物に、油成分
と塩類の混合物が存在すると、特に高温になる場合が有
る。また、全体として耐熱性が無いと、フィルム成分が
溶け衛生上好ましくないばかりか、容器無しで包装し加
熱した場合フィルムが溶着してしまい、さらに取り出し
中に真空状態に密着し内容物がそのまま取り出し不可に
なったりする。
【0024】結晶化度(6)の範囲は前述のとおりであ
る。又、実際にフィルムの結晶化度は、その組成物条
件、原反の製造条件、延伸条件、熱処理条件等により自
由に制御され、原料自身で測定された値より広範囲に変
化させることが出来る。その上限は、適性に配向結晶化
させれば、原料(ペレット状)より高くすることも可能
であり場合により非晶状にすることも可能である。本発
明中で示される諸特性の測定法等については以下の方法
に基づくものである。
【0025】(1)ここでいう引張弾性率とは、AST
M−D882に準拠して測定され、該フィルムの押し出
し加工時の流れ方向に対して、縦、横方向における2%
伸張時の応力値をそれぞれ100%に換算し、更に厚み
換算した値(n=5)の平均値で表し、弾性率(kg/
mm2 単位)で表す。(以下各項目にて、単位の表示は
一部略す) (2)加熱収縮率とは、100mm角のフィルム試料
を、接着しないようにタルク等の粉をまぶし、所定の温
度に設定したエヤーオーブン式恒温槽に水平に入れ自由
に収縮する状態で10分間処理した後、フィルムの収縮
量を求め、元の寸法で割った値の百分比で表し、同様に
縦、横方向のそれぞれ測定サンプル数5(n=5)での
平均値(%単位)で表す。又、1軸での高ドラフト比で
のキャスト加工又は1軸延伸等の場合で非引っ張り方向
が膨張する場合は、収縮率がマイナスとして直交方向と
平均し表現する。
【0026】(3)加熱収縮応力値とは、フィルムを幅
10mmの短冊状にサンプリングし、それをストレイン
ゲージ付きのチャックにチャック間隔50mmに所定の
長さより5%緩め(長めに)てセットし、それを所定の
温度に加熱したシリコーンオイル中に浸漬し、発生した
応力を検出することにより得た。浸漬後20秒以内にお
ける最大値で、同様に縦、横の同値の平均値で、それぞ
れ測定サンプル数5(n=5)での平均値で表す。 (4)密着性(同仕事量)の測定法は、23℃、関係湿
度65%の恒温室で、円面積が25cm2 の、二つの円
柱の各一端側に、しわの入らないように該フィルムを緊
張させて固定し、その該フィルム面の相互が重なり合う
ように2本の円柱をあわせ、荷重500gで1分間圧着
した後、引張試験機で該フィルム面を互いに垂直な方向
に100mm/分のスピードで、引き剥がしたときの仕
事量(g・cm/25cm2 、以後単位の一部は略す)
で、サンプル数5(n=5)での平均で表す。
【0027】(5)耐熱性の測定法は、100mm角の
フレームに緊張状態で張ったフィルムの中央部に温度調
節可能な半径40mmの熱版に軽く1分間接触させ、フ
ィルム面上に少なくとも合計面積で10mm2 の穿孔が
発生する温度を5℃ピッチで測定して行き、その一歩手
前の温度で表す(サンプル繰り返し数、n=5)。 (6)結晶化度の測定法は、原料樹脂では結晶化に最適
温度で充分アニール処理し平衡状態としたものを広角X
線回折法により求めた結晶化度を固定した標準試料の融
解エネルギーとの相関を求めて置き、簡易的には、DS
C法(JIS−K−7122に準処)にて検量線を求め
ておき、同法で目的サンプルを測定する。但し、製品の
フィルムを測定する場合は、フィルムをそのまま、そこ
に含まれる目的の該樹脂(A)成分(層)についてのみ
測定後換算(他樹脂混合、多層状とも)し、測定するも
のとする。測定が困難な場合は同条件での単層及び混合
前の実験で推定する。
【0028】該樹脂組成物(C)は、該脂肪族ポリエス
テル樹脂を主体とする樹脂(A)100重量部当たり該
液状添加剤(B)を1〜20重量部含んでいる。この好
ましい範囲は2〜18重量部であり、より好ましくは3
〜15重量部である。該(B)が上記下限より少ない
と、ラップフィルムの引張弾性率の調整、使いがつて性
(滑り性、ロール巻きよりの引き出し性、静電気発生制
御、密着面積自己増大性、刃切れ性等)、密着仕事量
(密着力)等を好適な範囲にコントロールできないので
好ましくなく、又延伸安定性も良くない場合が多い。
又、該(B)が上記上限よりも多いと、該樹脂(A)が
場合により可塑化されすぎて耐熱性が不足するばかり
か、フィルムの引っ張り弾性率(フィルム腰)の低下
で、カット性、展張性、セット性等の取り扱い性が悪く
なり、更に包装性を阻害する重複部が増加したり、これ
らに伴う皺部が剥離し難くなり伸ばし難く、張った状態
で包装し難くなる。又、加熱によりフィルムが収縮し過
ぎる様になり、容器からフィルムがはずれ抜けやすくな
り、結果として内容物の加熱むらが生じ、又内容物が飛
び散り庫内が汚れてしまう結果となる場合がある。又、
過剰の該(B)が時間の経過とともにラップフィルムの
表面、ロール端部に過剰にブリードアウトし、箱が汚れ
たり、ラップフィルムがべたついたり、密着性(仕事
量)が好ましい範囲から外れたり、食品に移行したりす
るので好ましくない。
【0029】該樹脂組成物(C)は、押出機で混練り溶
融し、押出し成形され、急冷後そのまま熱処理されるか
及び/又は好ましくは1軸、より好ましくは2軸に延伸
しフィルム化され適度に熱処理され、寸法安定性、最終
的に結晶化度を制御して耐熱性を付与せしめ、本発明の
密着性耐熱ラップフィルムとなる。該フィルム化の方法
には、例えば、T−ダイから単層状、必要により多層状
に押出し、キャストロールで急冷後適時熱処理するか及
び/又はロール延伸機やテンターで延伸する方法や、環
状ダイから単層状、又は必要に応じて多層状に押出し、
インフレーションされ熱処理されるか、更に高倍率に直
接インフレーションし延伸するか、又は好ましくは水冷
リング等により所定の温度に急冷後、次の行程で、所定
の温度に加熱し、エアーを吹き込んでチューブラー延伸
し、次にヒートセットする方法等が挙げられるが、製造
プロセスが安価で生産性も良く、得られるフィルムの幅
方向の厚み・偏肉分散・等を制御しやすい、製品化収率
が良い等の理由で後者の方法が好ましい場合が多い。
【0030】つまり場合により共重合比を高くする、添
加剤を多めに添加する、他樹脂を適当に配合する等の工
夫した組成物を単層、又は、これに逆の耐熱性の高い組
成を内層に加えて多層状にする等の工夫を加えて、直接
インフレーション、又はドラフト比を大きくし急冷キャ
スト後、ヒートセットし薄肉のフィルムとしても本発明
の特性を有すれば良い。本発明の密着性耐熱ラップフィ
ルムの厚みは、家庭用ラップフィルムとしての扱いやす
さや、原料コストの面から5〜15μmであることが好
ましく、より好ましくは6〜13μmであり、更に好ま
しくは7〜11μmで有る。
【0031】また、本発明の密着性耐熱ラップフィルム
は、必要に応じて、少なくとも2層の、互いに異なる該
樹脂組成物(C)からなる同種層により構成される多層
構造をとってもよい。その場合、少なくとも1層の表層
(Sと記述する)が共重合体であり結晶化度又は結晶融
点がすくなとも1層から成る内層(Aと記述する)より
低いか、又は混合物の場合も含めて、結果としてビカッ
ト軟化点が低い方が好ましい。これらの層構成を例示す
れば、S/A、S/A/S、S/A/S/A、S/A/
S/A/S等である。又実用的には、これらフィルムの
回収樹脂を自由な層に混合しても良い。又新たに回収層
(Rと記述する)を表層を含む自由な位置に設置しても
良い。好ましい層構成の例を例示すれば、S/R/A、
S/A/R、S/R/S/A、S/A/S/R、S/R
/A/R/S、S/A/R/A/S等である。好ましい
各層の厚み比率は、表層(S)が5〜95%、内層
(A)が95〜5%、より好ましくは、表層(S)が8
0〜20%、内層(A)が20〜80%で有る。回収層
を付加する場合は、同様に全体に対し回収層の比率は1
0〜60%程度、好ましくは20〜50%程度である。
又この場合耐熱を保持するため好ましい内層は最低10
%、同様に表層の機能を保持する為の最低比率は片面で
少なくとも7%程度である。
【0032】この理由は、使用するホモ樹脂自身に、耐
熱性の上限(詰まり、結晶融点、結晶化度)に余裕が無
い場合、密着性、柔軟性、光沢、透明性等を保持するた
めに必須な変性(共重合+可塑化)は更に、融点の低下
を招き、フィルム全体としての耐熱性、適度な剛性(カ
ット性、ロール引き出し性、ラッピングのハンドリング
性、密着のフィット性、保存寸法安定性等に関係)に重
要な問題を引き起こすからである。これらの場合には表
層を主に変性させ、内層を好ましくは結晶融点又は結晶
化度のより高い状態、少なくとも耐熱性差で表し5℃、
好ましくは同10℃差、より好ましくは同15℃差で使
用すれば、上記の問題点の解決に優れた相乗効果を発揮
出来る。その場合は、内層の変成(共重合、添加剤量)
は上記耐熱性を満たせば自由である。その場合に初め
て、原料資源節約が可能な、薄肉化さえも達成可能であ
ることが判明している。薄肉化が達成出来れば本発明と
して挙げたフィルム特性でも、市場品に比し優れたラッ
プ適性を満たすことが可能となる。
【0033】また、本発明の密着性ラップフィルムは、
必要に応じて他種樹脂層を加えても良く、その場合少な
くとも1層の該樹脂組成物(C)からなる層が合計厚み
比率10〜95%、好ましくは同様に50〜90%と、
更に、且つその他層として、上記残り厚み(100%よ
り引いた分)比率の少なくとも1層の他種樹脂層、即ち
他の脂肪族ポリエステル樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポ
リプロピレン系樹脂、ポリブテン−1系樹脂、ポリ4−
メチルペンテン−1系樹脂をはじめとするポリオレフィ
ン系樹脂(PO)、及び、ポリエチレンテレフタレート
系(含変性)樹脂、ポリブチレンテレフタレート系(含
変性)樹脂をはじめとする芳香族系成分を含むポリエス
テル系樹脂(PEST)、エチレン−ビニルアルコール
系共重合体樹脂(EVOH)、αオレフィン−一酸化炭
素共重合樹脂(含同水添樹脂)、αオレフィン(エチレ
ン、他)−スチレン共重合樹脂(含同環水添樹脂)、エ
チレン−環状炭化水素系化合物共重合樹脂(含同水添樹
脂)、ポリアミド系樹脂、カプロラクトン系樹脂等から
選択される少なくとも一種樹脂からなる少なくとも一層
とから構成される多層構造をとってもよく、更に任意の
層を電子線等の高エネルギー線等の公知な方法で照射処
理し、架橋せしめて耐熱性を更に向上させても良い。本
発明における好ましい種々の包装適性は上記の特性及び
その範囲で主に表されるが、その他に後述のごとく官能
的包装特性も実用上重要であり、前述に加え実施例で好
ましい範囲として詳細にそれぞれを記述する。
【0034】
【発明の実施の形態】以下、本発明を実施例にて更に詳
しく説明するが、本発明はこれに限定されるものではな
い。ここに使用する乳酸系脂肪族ポリエステル樹脂
(A)は以下のものである。A−1は、ポリ−L−乳酸
系樹脂であり、同D型を2重量%共重合した樹脂(結晶
融点174℃、結晶化度55%)。A−2は、L−乳酸
にグリコール酸を3モル%共重合した樹脂(結晶融点1
67℃、結晶化度が53%)。A−3は、D−乳酸に同
L−乳酸を2モル%共重合した樹脂(結晶融点170℃
で、結晶化度53%)。
【0035】A−4は、L−乳酸にα−ヒドロキシイソ
酪酸を4モル%共重合した樹脂(結晶融点163℃、結
晶化度50%)である。A−5は、L−乳酸にε−カプ
ロラクトンを5モル%共重合した樹脂(結晶融点148
℃、結晶化度43%)。A−6は、ポリーL―乳酸重合
体(結晶融点178℃、結晶化度62%)70重量%
と、3−ヒドロキシ酪酸重合体(結晶融点160℃、結
晶化度50%)30重量%との混合組成物。A−7は、
L−乳酸単位にDL(ラセミ)体−乳酸単位を10モル
%共重合した樹脂(結晶融点157℃、結晶化度43
%)。A−8は、ポリ−L−乳酸重合体(結晶融点17
8℃、結晶化度62%)。A−9は、A−1/A−3の
混合比1/1を予め充分、分子的に混合し共晶を生成せ
しめるように混和した樹脂(結晶融点220℃、結晶化
度52%)。
【0036】又、ここに使用する液状添加剤(B)は、
前述の好ましい範囲(粘度)内のものであり、以下のも
のである。但し、()内の数値は粘度であり、センチポ
イズの単位を略しその測定温度50℃/100℃の粘度
であり、その順に記す。B−1はテトラグリセリンモノ
ラウレート(1700/150)。B−2はジグリセリ
ンモノラウレート(200/25)。B−3はポリオキ
シエチレンアルキルエーテル(18/2)。B−4はエ
ポシキ化大豆油(110/16)。B−5はミネラルオ
イル(13/3)。B−6はポリオキシエチレンソルビ
タンラウレート(210/34)。B−7はヘキサグリ
セリン(1000/70)。B−8はアセチルトリブチ
ルシトレート(11/2)。
【0037】又、ここに使用する樹脂組成物(C)は、
以下のものである。C−1は、ポリL−乳酸(A−8、
結晶融点178℃、結晶化度65%)が80重量%に、
ε−カプロラクトン(R−1)(結晶融点62℃、結晶
化度45%)を20重量%加えたもの100重量部に、
B−2を6重量部、B−5を2重量部、B−1を1重量
部、混合した組成物。C−2は、A−7が75重量%
に、エチレン−ビニルアルコール共重合体樹脂(エチレ
ンを39モル%共重合)を25重量%加えたもの100
重量部に、B−1を6重量部、B−5を2重量部、混合
した組成物。C−3は、A−7が85重量%に、エチレ
ン(一部プロピレン)−一酸化炭素共重合樹脂の水添共
重合体15重量%を加えたもの100重量部に、B−3
を4重量部、B−4を2重量部、混合した組成物。C−
4は、A−6が80重量%に、PEST−1としてのポ
リブチレンテレフタレート系共重合樹脂(アルコール成
分として、1.4ブタンジオール80モル%、トリエチ
レングリコール19モル%、ポリテトラメチレングリコ
ール1モル%を共重合:結晶融点220℃、結晶化度4
0%)20重量%を加えたもの100重量部に、B−6
を5重量部、B−7を2重量部、混合した組成物。
【0038】更に本発明での好ましい場合の実用特性と
しての参考チェックポイントは、数値化が困難な包装性
を含む官能的な性能として、以下の項目を出来るだけ満
たすことである。 小巻ロールのエージング保存性(30cm幅で50
m巻きの箱に入れた製品を30℃、関係湿度65%下
で、30日保存時)で、ロール端部からの添加剤滲みだ
し、フィルムの適度な剥離性、フィルム表面のべとつき
等に問題無きこと。 ロールの箱からの引き出し性、フィルム端部が伸
び、静電気がひどく発生しなくて、手・箱等にステック
しなく、且つフィルムが展張し易く手で掴みやすいこ
と、引き出し抵抗性が適度で有ること。 カット性、フィルムが展張したままで皺がよること
なく、適度な抵抗で、心地良く(軽い音もたて)、伸び
て永久変形することなく、正確にカット出来ること。
【0039】 フィルム展張性、切断後のフィルムが
皺よったり、重なったりすることなく、被包装物にうま
くラッピング出来ること。 密着性、容器(磁器、合成樹脂製とも)の種類にこ
だわること無く、又は容器無しでも、フィルム−容器
間、フィルム−被包装物間、フィルム間同士でも重なっ
た部分が膨れあがることなく密着すること、又それが低
温保存中、加熱中でも外れてこないこと。 耐熱性、加熱中に、裂けたり、溶融して穴があいた
り、フィルムが内圧に負けて伸び異常に膨れあがらない
こと。 保存中及び加熱中に、味・衛生性、食品に臭いや添
加剤が移ったり、フィルムの破片が混入したりしないこ
と。 加熱後、フィルムを簡単に除去出来やすいこと、フ
ィルム同士が溶着して剥離出来なく成ったり、場合によ
り内容物に、又は容器(特に合成樹脂製)に溶着し汚さ
ないこと。 使用後の廃棄処理に問題が少ないこと。
【0040】
【実施例1、2、及び比較例1、2】表(1)に記載の
ごとく、乳酸系脂肪族ポリエステル(A)として、上述
のポリ−L−乳酸系樹脂(A−1)を、スクリューが5
0mm径の押出機で、且つそのスクリューの長さ方向途
中の混練り部を有する所に相当するシリンダー部に注入
口を有する押出機で、加熱混練り溶融し、液状添加剤
(B)として前述のB−1/B−8の混合比3/7のも
のを樹脂100重量部に対し、表(1)記載の所定量を
注入し、充分混練りし、その径が100mmφでそのス
リットが0.8mmの環状ダイより押し出し、チューブ
の内面に流動パラフィンを封入し、同外面を冷媒により
急冷固化し、折り幅140mmの均一なチューブ状原反
を作成した。
【0041】次いで、得られた原反を、均一な状態で、
それぞれ2対の差動ニップロール間に通し、加熱ゾーン
で、85℃の雰囲気下に通し加熱し、75℃の熱風雰囲
気下の延伸ゾーンで、流れ方向出口部に設置してあるエ
アー封入用ニップロールで内部に空気を圧入することに
より、連続的に膨張バブルを形成させ、冷却ゾーンの延
伸終了部で20℃の冷風を吹き付け、延伸を終了させ、
次に出口部ニップロールを閉じ、ほぼ縦5倍、横4.5
倍に同時2軸延伸し、次に、温度をそれぞれ最適に制御
した3ゾーンを有するテンターフレーム方式のヒートセ
ットゾーンに連続的に通し充分目的に合わせた処理し
た。次に巻き取り機で耳を切り取り、厚み約10μmの
2枚のフィルムに巻き取った。実施例1、2のフィルム
の延伸安定性は、比較例2の場合にバブルの揺れが多く
て不安定であつたのに比し良かつた。次に、これらのフ
ィルムを30cm幅の紙管に約20m巻いた小巻ロール
に仕上げ、市販の家庭用ラップ(旭化成工業株式会社の
塩化ビニリデン系樹脂製)専用の箱に入れ、包装テスト
を実施した。
【0042】
【表1】
【0043】包装テストは、市販の電子レンジ加熱用磁
器(又は、耐熱プラスチックス)製容器にライスを盛り
上げ、その上にカレーを乗せ、電子レンジで加熱時間を
種々変えて、サンプル繰り返し数n=5で、実施した。
最初に、上記フィルムを収納したそれぞれの箱でラッピ
ングした。その結果、箱からの引き出し性は、実施例
1、2のフィルムでは上記市販の塩化ビニリデン系樹脂
製(以後、市販PVDCと略する)の場合と同様に適度
な抵抗で正確に所定量引き出せたが、比較例1(以後、
比1と表す)のフィルムは、箱から出過ぎたり、静電気
が発生してあちこちにくっついたりして、好ましくなか
った。比較例2(以後、比2と表す)のフィルムは、明
らかにべとつき過ぎで箱の一部にくっいたり、手にまと
わりついたり、不具合いであった。
【0044】次に箱についている刃物でのカット性に関
しては、実施例1、2のフィルムは市販PVDC製と同
様に心地よく切れ、刃切れ性が良かった。比1のフィル
ムは、フィルムの弾性率が高過ぎる為、又密着性があま
りに低い為に、カット時に、フィルムが箱先の押さえの
部分に固定出来難く、局部的にずれ出てきたりして、刃
先に食い込み難く、切断面が刃先から外れ斜めに裂けた
りし、著しくカット性が悪かった。又包装性が悪く(静
電気でフィルム同士がステックしたり、どこか勝手な所
にステックしたり、とは言っても肝心な容器、及びフィ
ルム同士への密着性が全く無く、フィルムが広がってし
まい包装を固定出来なく)使いものに成らなかった。比
2のフィルムは、カット性は実施例に比し柔らか過ぎや
や物足りない感じは有ったが、他に遜色は無かったが、
べとつき、カット直後の、フィルム展張保持性が悪く、
オーバーラップ性がかえつて悪かつた。
【0045】次に、電子レンジでの加熱時では、比1は
フィルムが上記の様に密着しないので、水蒸気が漏れや
すく、局部加熱に成りやすく、内容物が外にこぼれ安
く、食品の味もまずく成ってしまつた。比2はフィルム
の収縮性が高く、密着部がずれて、フィルムと容器が剥
がれ易く、内容物(カレー)との接触部が、加熱時間が
やや長い時は、破れる時が多かった。又プラスチックス
(PP;ポリプロピレン)製の容器の場合は、容器に部
分的に溶着し、フィルムの剥離後に容器の汚染が見られ
た。実施例1、2のこれらの不良現象はいずれも全くな
く、良好に包装及び加熱、又後で容易にフィルムを剥離
除去出来、且つ調理品の味も良好であり本発明の好まし
い特性の範囲内であることが判明した。
【0046】
【実施例3〜6】表(2)に記載のごとく、各種前述の
脂肪族ポリエステル樹脂(A)、特に実施例4では、A
−1/A−3の混合比1/1を予め充分混合し共晶を生
成せしめる様に混和したもの(A−9)を準備し、次に
更にそれぞれの液状添加物(B)として実施例3、4、
5、6それぞれ順に混合比で表すと、B−1/B−3の
1/3、B−2/B−5の2/3、B−3/B−7の3
/1、B−4/B−5の1/1を選定しこれの所定量
(表(2)記載)を樹脂100重量部に対し添加し、こ
れを実施例1と同様な方法で延伸温度、延伸倍率、をそ
れぞれ調整し、同様に処理加工し、下記特性の、平均厚
み8μmの延伸フィルムを得た。但し、実施例4のフィ
ルムの結晶化度は共晶成分主体のものである。延伸性は
いずれも良く大きな問題はなかつた。
【0047】
【表2】 これらのフィルムを、実施例1の場合と同様に包装テス
トを実施した、その結果引き出し性、カット性、展張
性、オーバーラップ性、密着性、加熱性、その他を順
次、テストしたが、特に大きな問題は見られ無く、実施
例1、2の場合と同様に本発明の好ましい範囲内で有っ
た。
【0048】
【実施例7、8及び比較例3、4】表(3)に記載のご
とく、各種前述の脂肪族ポリエステル(A)及び液状添
加剤(B)を選定し、但し、実施例7では、該添加剤
(B)は、樹脂100重量部に対してB−4を4重量部
に更にB−7を2重量部添加し使用し、実施例8では、
同様にB−2を3重量部にB−5を1重量部添加使用し
た。又比較例3では、脂肪族ポリエステルとして、L−
乳酸を83モル%、グリコール酸を17モル%共重合し
た、結晶融点115℃、結晶化度13%の樹脂(D−
1)を選定し、次に、これを実施例3と同様な方法で延
伸条件をそれぞれ選定し、同様に処理し、但し、比較例
3の場合は延伸温度条件を低めにし、熱処理温度も低め
に調整し実施した。又比較例4の場合は延伸倍率条件を
高めにし、原反、フィルムで熱処理条件を制御し、それ
ぞれ下記特性の、平均厚み約7.5μmのフィルムを得
た。
【0049】
【表3】 これらのフィルムを、実施例1と同様に評価した。その
結果、実施例7、8は、何ら問題なく使用出来、いずれ
も本発明の好ましい範囲内で有った。
【0050】比較例3のフィルムは、箱のロールからの
フィルムの引き出し性が悪く、又柔軟すぎてつかみ難
く、歯切れ性も軽快で無かった。同様な電子レンジでの
加熱テストでは、初期の水蒸気発生の段階でフィルムが
異常に膨れた後、収縮し、密着部が外れ易かったり、パ
ンクし易かった。又加熱の後期で、カレーの具との接触
部が溶融し穴があく現象が見られた。又容器に部分的に
溶けて融着し、容器を汚す傾向が有った。比較例4のフ
ィルムは、フィルムの引張弾性率が高過ぎるためパリパ
リし過ぎ、カット時に刃先と別の方向に裂けやすく、且
つ、容器への密着時にフィルム重なり部が戻りゆるみ易
かった。又加熱時もフィルムの収縮応力が高いためか、
容器外壁部で局部的にゆるみ易かった。又ゆるまない時
には、内容物との接触部から時々破れる場合が有った。
又プラスチックス(PP製)容器では、容器の変形が発
生した。
【0051】
【実施例9〜12】前述、又は表(4)に記載の如く、
本発明の乳酸系脂肪族ポリエステル(A)に他の樹脂を
所定量加え、さらに該添加剤(B)を所定量混合した樹
脂組成物(C)を作成し、実施例1と同様に加工し、平
均厚み約8.5μmのフィルムを得た。
【表4】 これらのフィルムを実施例1と同様に評価した。いずれ
も同様に大きな問題は無く良好に包装及び加熱処理が出
来、本発明の範囲内の性能であった。
【0052】
【実施例13】表層の脂肪族ポリエステル(A)として
前述のA−5、中間層にその他の樹脂として前述PES
T−1、添加剤(B)として、B−6/B−1の混合比
5/2のものを両樹脂それぞれに別に表層樹脂に7重量
部、中間層の樹脂に3重量部、それぞれ2台の押出機を
用いて前述同様に混合し、多層環状ダイより2種3層状
(A−5/PEST−1/A−5:層構成比は30/4
0/30各%)に押し出し、実施例1と同様にして約7
μmの延伸フィルムに加工した。その特性は「引張弾性
率/加熱収縮率/同応力/耐熱性/密着仕事量/フィル
ム結晶化度」の順に表して、「90/1.5/4/21
0/18/44(それぞれ前述の単位は略す)」であつ
た。各包装テストも大きな問題は無く、本発明の好まし
い範囲内の特性であった。
【0053】
【実施例14】次に中間層に前述のA−8を用い同添加
剤を(B)を2.5重量部使用し、実施例(13)と同
じくして、層構成:A−5/A−8/A−5とし、上記
と同様に加工して、約8μmの延伸フィルムとした。そ
の特性は、上記実施例13と同様の順に「55/1/3
/170/20/50(それぞれ前述の単位は略す)」
であつた。各包装テストも、競合品の前述高圧法LDP
E製のラップがハンドリング性(ロール引き出し性、カ
ット性、密着性等)に何れも劣り、且つ、耐熱性(10
5℃)も不足し、電子レンジでの加熱テストでも簡単に
メルトして大きな孔が開くなどの色々問題を有していた
のに比し、本発明のサンプルは大きな問題が見られ無
く、本発明の好ましい範囲内の特性のものであった。
【0054】
【実施例15】次に、実施例14の中間層に液状添加剤
B−1/B−8の混合比1/3のものを3重量部添加
し、更に該表層と中間層の間に、新たに回収(R)層
(実施例14のフィルムの回収品)を設け、層構成:A
−5/R/A−8/R/A−5とし、各層比率を順に表
示すると「20/15/30/15/20(各%)」と
して、上記と同様に加工して、8.5μmの延伸フィル
ムとした。その特性は、前述の実施例13と同様の順に
「60/0/0/165/25/45(それぞれ前述の
単位は略す)」であつた。
【0055】
【発明の効果】本発明によれば、包装時の種種の要求特
性(フィルム引き出し性、カット性、展張ハンドリング
性、密着セット性、耐熱性、等)、ロール保存安定性な
ど等を叶え、使い勝手の良く、且つ使用時の安全性及び
廃棄処理もより環境安全上に都合の良い、より省資源型
の薄肉製品が可能なハウスホールドラップ用フィルムを
提供することが出来た。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B29L 9:00 B29L 9:00 Fターム(参考) 4F071 AA44 AA51 AA71 AC10 AE04 AF15Y AF61Y AH04 BB06 BB09 BC01 4F210 AA24C AB19 AE01 AG01 AG03 QA05 QC07 QG02 QG18 4J002 AC082 AE053 BB002 BB222 CD163 CF002 CF032 CF181 CF182 CF192 CH023 CJ002 CL002 EH026 FD023 FD026 GG02

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 結晶融点が120℃以上250℃以下の
    乳酸系脂肪族ポリエステル樹脂を主体とする樹脂(A)
    100重量部に対し、液状添加剤(B)を1〜20重量
    部を含む樹脂組成物(C)からなるフィルムであって、
    引張弾性率が15〜180kg/mm2 で、100℃に
    おける加熱収縮率(X、%)と加熱収縮応力(Y、g/
    mm2 )が、下記、式(1)〜式(3)の関係式のいず
    れかの範囲内にあり、耐熱性が120℃以上で、密着性
    (同仕事量)が5〜50g・cm/25cm2 であるこ
    とを特徴とする密着性耐熱ラップフィルム。 式(1) 0≦X<45、 0≦Y<5 式(2) 0≦X<2、 5≦Y≦500、 Y≦(1500−20X)/3 式(3) 2≦X≦22.5、 350<Y≦500、 Y≦(1500− 2 0X)/3
  2. 【請求項2】 乳酸系脂肪族ポリエステル樹脂が、乳酸
    由来よりなる単位を少なくとも85モル%含む重合体で
    あることを特徴とする請求項1記載の密着性耐熱ラップ
    フィルム。
  3. 【請求項3】 乳酸系脂肪族ポリエステル樹脂が、基材
    の構成単位としてL−乳酸、又はD−乳酸を使用し、他
    に該乳酸の異性体、該乳酸のDL(ラセミ)体、グリコ
    ール酸、3−ヒドロキシ酪酸、3−ヒドロキシ吉草酸、
    ε−カプロラクトン、α−ヒドロキシイソ酪酸、3−ヒ
    ドロキシヘキサン酸、4−ヒドロキシブタン酸、から選
    択される少なくとも一種の単位を1.5モル%以上15
    モル%以下含む共重合体であることを特徴とする請求項
    1又は2記載の密着性耐熱ラップフィルム。
  4. 【請求項4】 乳酸系脂肪族ポリエステル樹脂が、L−
    乳酸を主体とした乳酸系脂肪族ポリエステル樹脂を20
    〜80重量%と、D−乳酸を主体とした乳酸系脂肪族ポ
    リエステル樹脂80〜20重量%との混合樹脂であり、
    該混合樹脂が少なくとも一部の共晶形成能力を有する樹
    脂であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記
    載の密着性耐熱ラップフィルム。
  5. 【請求項5】 乳酸系脂肪族ポリエステル樹脂を主体と
    する樹脂(A)が、乳酸単位を少なくとも85モル%含
    む重合体を少なくとも50重量%と、グリコール酸単位
    を少なくとも75モル%含む重合体、3−ヒドロキシ酪
    酸よりなる単位を少なくとも85モル%含む重合体、α
    −ヒドロキシイソ酪酸よりなる単位を少なくとも85モ
    ル%含む重合体からなる群から選択される少なくとも1
    種の脂肪族ポリエステル系重合体を50重量%未満含む
    組成物であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか
    に記載の密着性耐熱ラップフィルム。
  6. 【請求項6】 液状添加剤(B)が、その主体とする成
    分が50℃の粘度で少なくとも5センチポイズ以上、1
    00℃での粘度で500センチポイズ以下の液状であ
    り、かつその主体とする成分の沸点が170℃以上であ
    ることを特徴とする請求項1記載の密着性耐熱ラップフ
    ィルム。
  7. 【請求項7】 液状添加剤(B)が、脂肪族系アルコー
    ル、脂環族系アルコール、及びこれらの多価アルコー
    ル、及びこれらの縮重合物から選ばれる少なくとも一種
    のアルコールと、脂肪族脂肪酸、脂肪族多価カルボン
    酸、芳香族多価カルボン酸から選ばれる少なくとも一種
    の脂肪酸とのエステル、脂肪族ヒドロキシカルボン酸と
    アルコール及び/または脂肪酸とのエステル、及びこれ
    らエステルの変性物、ポリオキシエチレンアルキルエー
    テル及びそのエステル、脂肪族ポリエステルのモノマ
    ー、環状2量体、重合度2以上を含むオリゴマー、ミネ
    ラルオイル、流動パラフィン、飽和炭化水素化合物より
    なる低重合物、からなる群から選択される少なくとも1
    種の可塑剤であることを特徴とする請求項1または6記
    載の密着性耐熱ラップフィルム。
  8. 【請求項8】 乳酸系脂肪族ポリエステル樹脂が、その
    結晶化度が20%以上80%以下であることを特徴とす
    る請求項1〜5のいずれかに記載の密着性耐熱ラップフ
    ィルム。
  9. 【請求項9】 乳酸系脂肪族ポリエステル樹脂を主体と
    する樹脂(A)が、乳酸系脂肪族ポリエステル樹脂を5
    0重量%以上99重量%以下含有し、他に乳酸系脂肪族
    ポリエステル樹脂以外の熱可塑性樹脂を1重量%を超え
    て50重量%未満含有すること特徴とする請求項1記載
    の密着性耐熱ラップフィルム。
  10. 【請求項10】 フィルムが、少なくとも2層の互いに
    異なる乳酸系脂肪族ポリエステル樹脂組成物(C)から
    なる層により構成されていることを特徴とする請求項1
    記載の密着性耐熱ラップフィルム。
  11. 【請求項11】 フィルムが、少なくとも1層の乳酸系
    脂肪族ポリエステル樹脂組成物(C)からなる合計厚み
    比率10〜90%の層と、他種の脂肪族ポリエステル、
    カプロラクトン系樹脂(R)、ポリオレフィン系樹脂
    (PO)、及び芳香族系成分を含むポリエステル系樹脂
    (PEST)、エチレン−ビニルアルコール系共重合樹
    脂(EVOH)、ポリアミド系樹脂(PA)、エチレン
    (又は、他の少なくとも一種のα−オレフィンを含む)
    −一酸化炭素系共重合樹脂(又は同水添樹脂)、エチレ
    ン(又は、他の少なくとも一種のα−オレフィンを含
    む)−環状炭化水素共重合樹脂(又は同環水添樹脂)、
    からなる群から選択される少なくとも一種の樹脂からな
    る少なくとも1層の合計厚み比率90〜10%である層
    とから構成されていることを特徴とする請求項1、9、
    10のいずれかに記載の密着性耐熱ラップフィルム。
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