JP2993031B2 - 農薬固型乳剤 - Google Patents
農薬固型乳剤Info
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Description
に関するものである。
解し、均一な溶液としたもので、取扱いが簡単で安定し
た効力を発揮させることができる製剤形態である。
るために、右機溶媒の揮散による大気汚染や臭気の問題
および引火性の問題などがある。また、場合により植物
体への薬害の問題が生じることもある。
なされてきた。例えば、澱粉、セルロース粉末、尿素、
コルク粉末、無機珪酸塩類、II型無機水石膏等を基剤と
して乳剤を吸着させる方法が報告されているが、これま
での技術では流動性のある粉末乳剤を得ようとすると吸
着させることのできる乳剤の量が少なかったり、水で希
釈したときの乳化性が充分でないなどの問題があった。
物(すなわちデキストリン)の乾燥粉末に、農薬活性成
分と界面活性剤からなる乳剤を均一に吸着せしめること
を特徴とする粉体化した農薬固型乳剤(特開昭57−1097
02号)が提案されているが、液漏れを生じ易いことや吸
油させる乳剤の量が30%以上では製品がべとつき、流動
性が著しく低下すること、吸油させる乳剤の量が50%以
上になると製品化が事実上不可能となることなどの問題
があった。
等に散布した場合に果実の汚れによる商品価値の低下な
どの問題もあった。
検討を重ねた結果、吸油させる乳剤の含量が高くてもべ
とつきがなく、流動性が良好でかつ水に容易に乳化する
農薬固型乳剤を見出し、本発明を完成した。
体、(b)界面活性剤、(c)デキストリンおよび/ま
たは乳糖、および(d)水を含有し、さらに必要により
(e)有機溶媒および/または水溶性担体、を含有して
もよい水性乳濁液を噴霧乾燥せしめたものを含有するこ
とを特徴とする農薬固型乳剤を提供するものである。
しく、また室温で半固型状の農薬原体は固型化すること
の困難性のみならず得られた製剤品の保存安定性におい
ても問題があった。しかし、本願の方法によればこれら
融点が70℃以下の農薬原体においても優れた農薬固型乳
剤が得られるものである。
味するものではなく、二種以上の化合物からなる混合物
の場合も含んでいる。その場合は該混合物の融点が70℃
以下であるものを対象としている。
原体または農薬原体と有機溶媒とを乳化させ得るもので
あればよく、例えばグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖
脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、脂肪酸
塩、アルキル硫酸エステル、アルキルベンゼンスルホン
酸塩、アルキルアリールエーテルおよびそのポリオキシ
エチレン化物、高級アルコールエチレンオキシド付加
物、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコー
ル、リグニンスルホン酸塩、ポリオキシエチレンスチリ
ルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエス
テル、アルキルアリール硫酸エステル等が挙げられる。
これらの界面活性剤は単独でまたは任意に混合して用い
られ、その添加量は全組成重量に対して0.1〜20重量
%、好ましくは1〜10重量%である。該界面活性剤は加
熱した際に液体となり、農薬原体または農薬原体と有機
溶媒とに均一に混合するものが好ましいが、必ずしもそ
の必要はなく、製剤品を水で希釈する際に水に溶解する
ものであればよい。尚、熱に安定なものがより好まし
い。
界面活性剤が室温でペースト状である場合等には、それ
らの粘度を下げかつ低温で保存した際の原体の結晶化を
防ぐために、必要により溶媒を少量加えてもよい。該溶
媒としては、通常不揮発性または低揮発性の有機溶媒が
用いられる。このような粘度調節および原体の結晶化防
止の目的で用いられる溶媒としては、農薬原体と均一に
混合するもの、例えば植物油、鉱物油、流動パラフィ
ン、フェニルキシリルエタン等の芳香族炭化水素、ケト
ン類、平均分子量200〜600の室温で液状を呈するポリエ
チレングリコール、ポリプロピレングリコール、グリコ
ールエーテル類などが挙げられ、なかでもフェニルキシ
リルエタンが沸点、引火性等の面から好ましい。該溶媒
の添加量は農薬原体に対して通常10〜1000重量%、好ま
しくは30〜200重量%である。
糖、α−無水乳糖、β−無水乳糖等が挙げられ、製剤品
の安定性の面からα−含水乳糖が好ましい。
は、馬鈴著澱粉、玉蜀黍澱粉、餅玉蜀黍澱粉、甘著澱
粉、小麦澱粉、米澱粉、タビオカ澱粉、サゴ澱粉等の天
然澱粉、アミロースやアミロペクチン分画物、エーテル
化澱粉、エステル化澱粉、架橋澱粉、酸化澱粉、酸処理
化澱粉、グラフト化澱粉等の化工澱粉などの各種澱粉お
よびその誘導体を常法に従って酸分解、アルカリ分解、
酵素分解またはこれらの組合せにより加水分解した分解
生成物が挙げられる。該分解生成物は、一般にDEが40以
下のもの、通常DE2〜40のものが用いられ、特に製剤品
の吸湿性、乳化液の安定性等の面からDE5〜30のものが
好ましい。
を意味し、還元糖量は東京大学農芸化学教室編、実験農
芸化学(改訂版)下巻638〜639頁および付表第3表(昭
和38年朝倉書店発行)の記載に従ってフェーリングレー
マンショール法により測定されるものである。
は、通常全組成物重量に対して5〜90重量%、好ましく
は10〜80重量%である。
機溶媒とを、界面活性剤、デキストリンおよび/または
乳糖と共に水に乳化させて乳濁液を調製する際に、水溶
性担体を添加してもよく、該水溶性担体としては、ポリ
ビニルアルコール、メチルセルロース、ヒドロキシプロ
ピルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウ
ム、ゼラチン、アラビアガム、デキストラン、アルギン
酸ナトリウム、ポリアクリル酸ナトリウム等の水溶性高
分子や尿素、硫安、ショ糖、食塩、芒硝などが挙げられ
る。これらの水溶性担体は、本発明の農薬固型乳剤製造
時の水性乳濁液に可溶で、かつ、農薬固型乳剤散布時の
希釈倍率で溶解度以下の量を適宜加えることができる。
剤、デキストリン、乳糖、有機溶媒、水溶性担体の他に
安定化剤、効力増強剤、着色剤糖を適宜添加することも
できる。
上、添加することはできない。
物生長の調節に用いられる。
して散布する。水で希釈する場合の希釈倍率は、農薬原
体の種類対象有害生物の種類、対象病害、対象雑草、対
象作物、処理時期、処理方法などにより異なる故、一概
には言えないが、通常20倍から10,000倍である。
本発明はこれらの例に限定されるものではない。
%、好ましくは10〜80重量%含まれる。
機溶媒および界面活性剤からなる液分は、通常10〜90重
量%、好ましくは20〜80重量%である。この液分が90重
量%をこえると、得られる農薬固型乳剤がウェットにな
り、噴霧乾燥機のチャンバー内に多量に付着したり、該
固型乳剤の保存中に液分のしみだしが起きたりすること
がある。一方、この液分が10重量%未満では有効成分含
量が低いために、農薬を使用する上で効率的でなくな
る。
れる。
加え、40〜80℃に加温溶解して油相部を用意する。他
方、総固型分(最終製剤品)に対して等量〜2倍量程度
の水に、デキストリンおよび/または乳糖と、必要によ
り界面活性剤、水溶性担体を加え、40〜80℃に加温溶解
して水相部を用意する。この水相部を加温しながら、こ
れに前述の油相部をホモミキサー等で撹拌しながら少量
ずつ加え、乳化させる。得られた水性乳濁液を熱風式噴
霧乾燥機で噴霧乾燥すれば、本発明の農薬固型乳剤が得
られる。噴霧乾燥に用いられる噴霧乾燥機は、向流また
は並流の加熱気流中に液状材料を噴霧して、液滴と気流
との間の熱と物質の移動によって顆粒状の乾燥粒子を得
る装置で、かかる機能を有する装置であれば型式に限定
されずいずれの装置でも用いることができる。用いられ
る装置としては、例えば水平並流型、垂直下降並流型、
垂直上昇向流型、混合流型等の装置が挙げられる。尚、
噴霧機としては例えば加圧ノズル、回転円盤または二流
体ノズルが代表的なものであるが、目的に応じて各種の
噴霧機が適用できる。
状の農薬固型乳剤が得られる。
て、顆粒あるいは錠剤を得ることもできる。造粒法とし
ては通常の流動層造粒法、撹拌造粒法、押し出し造粒
法、圧縮造粒法、破砕造粒法などが挙げられるが、特に
流動層造粒法および撹拌造粒法が得られる製品の物質面
から好ましい。
説明するが、本発明はこれらの例のみに限定されるもの
ではない。
式会社製界面活性剤)5部およびハイゾール SAS−296
(フェニルキシリルエタン、日石化学株式会社製有機溶
媒)40部を約50℃に加温して油相部を用意した。他方、
パインデックス #2(松谷化学株式会社製デキストリ
ン、DEが10〜12)35部を200部の約50℃に加温した水に
溶かし、撹拌しながら、前述の油相部を少しずつ加え、
水性乳濁液を得た。
ト科学株式会社製パルビスミニスプレ−GB−21型)を用
い、乾燥熱風入口温度約150℃、出口温度約60〜70℃、
噴霧圧1.5kg/cm2で乾燥して粉末状の農薬固型乳剤を得
た。
りにα−含水乳糖35部を用いた以外は製造例1と同様に
して粉末状の農薬固型乳剤を得た。
りに、パインデックス #2を32部とアラビアガムを3
部とを用いた以外は製造例1と同様にして粉末状の農薬
固型乳剤を得た。
りに、パインデックス #2を32部とゴーセノール GL
−05(日本合成化学工業株式会社製ポリビニルアルコー
ル)を3部とを用いた以外は製造例1と同様にして粉末
状の農薬固型乳剤を得た。
りに、パインデックス #2を32部とセロゲン 7A(第
一工業製薬株式会社製カルボキシメチルセルロースナト
リウム)を3部との用いた以外は製造例1と同様にして
粉末状の農薬固型乳剤を得た。
りに、パインデックス #2を32部とメトローズ SM−
15(信越化学株式会社製メチルセルロース)を3部とを
用いた以外は製造例1と同様にして粉末状の農薬固型乳
剤を得た。
りに、マックス 1000(松谷化学株式会社製デキストリ
ン、DEが約8)35部を用いた以外は製造例1と同様にし
て粉末状の農薬固型乳剤を得た。
りに、TK−16(松谷化学株式会社製デキストリン、DEが
18〜20)35部を用いた以外は製造例1と同様にして粉末
状の農薬固型乳剤を得た。
物(2)20部を用いた以外は製造例1と同様にして粉末
状の農薬固型乳剤を得た。
物(3)25部を、ハイゾール SAS−296 40部の代わり
にンハイゾール SAS−296 50部を、パインデックス
#2 35部の代わりにパインデックス #2 20部を用
いた以外は製造例1と同様にして粉末状の農薬固型乳剤
を得た。
物(3)35部を、パインデックス #2 20部の代わり
にパインデックス #2 10部を用いた以外は製造例10
と同様にして粉末状の農薬固型乳剤を得た。
物(4)50部を、ハイゾール SAS−296 50部の代わり
にハイゾール SAS−296 25部を用いた以外は製造例10
と同様にして粉末状の農薬固型乳剤を得た。
学株式会社製界面活性剤)5部を約50℃に加温して油相
部を用意した。他方、パインデックス #2 20部を20
0部の約50℃に加温した水に溶かし、撹拌しながら、前
述の油相部を少しずつ加え、水性乳濁液を得た。
噴霧乾燥させて粉末状の農薬固型乳剤を得た。
りにパインフロー (松谷化学株式会社製デキストリ
ン、DEが7〜9でドラムドライヤーによる乾燥品のため
顆粒状品)35部を用いた以外は製造例1と同様にして粉
末状の農薬固型乳剤を得た。
物(6)20部を用いた以外は製造例1と同様にして粉末
状の農薬固型乳剤を得た。
物(6)30部を、ハイゾール SAS−296 40部の代わり
にハイゾール SAS−296 30部を用いた以外は製造例1
と同様にして粉末状を農薬固型乳剤を得た。
物(74)20部を用いた以外は製造例1と同様にして粉末
状の農薬固型乳剤を得た。
物(74)30部を用いた以外は製造例16と同様にして粉末
状の農薬固型乳剤を得た。
物(5)10部を、ソルポール 355LSA 5部の代わりに
ソルポール 3598 10部を、パインデックス #2 20
部の代わりにパインデックス #2 80部を用いた以外
は製造例13と同様にして粉末状の農薬固型乳剤を得た。
物(5)40部を、パインデックス #2 80部の代わり
にパインデックス #2 50部を用いた以外は製造例19
と同様にして粉末状の農薬固型乳剤を得た。
わりにハイゾール SAS−296 20部を、パインデックス
#2 35部の代わりにマックス 1000 55部を用い、
乾燥熱風入口温度約120℃とする以外は製造例1と同様
にして粉末状の農薬固型乳剤を得た。
燥造流機(富士産業社製STREA−1型)に入れ、入口温
度約70℃、出口温度約40〜50℃に調節しながらマックス
1000の10%水溶液を噴霧して造粒し、顆粒状の農薬固
型乳剤を得た。
ハイゾール SAS−296 40部を約50℃に加温溶解したも
のを、パインフロー 35部の入ったビーカー中に撹拌し
ながら加え、さらに10分間撹拌混合したが、混合物がウ
ェット状態で、べとつきが著しく、流動性のある農薬固
型乳剤は得られなかった。
0℃に加温溶解したものを、パインフロー 20部の入っ
たビーカー中に撹拌しながら加え、さらに10分間撹拌混
合したが、混合物がウェット状態でべとつきが著しく、
流動性のある農薬固型乳剤は得られなかった。
ンデックス #2 35部を用いた以外は比較例1と同様
の操作を行ったが、比較例1と同じく流動性のある濃度
固型乳剤は得られなかった。
0℃に加温溶解したものを、パインフロー 65部の入っ
たビーカー中に撹拌しながら加え、さらに10分間撹拌混
合したところ液分はほぼ吸油されたが、べとつきが著し
く、流動性のある農薬固型乳剤は得られなかった。
た。他方、パインデックス #2 60部を200部の約50
℃に加温した水に溶かし、撹拌しながら、前述の油相部
を少しずつ加えたが、乳化せずに油相と水相に分離し、
噴霧乾燥できなかった。
りにサッカロース35部を用いた以外は製造例1と同様に
行ったが、噴霧乾燥機のチャンバーにオイルが付着し、
粉末状の農薬固型乳剤は得られなかった。
りにカゼインナトリウム50部を、約50℃に加温した水20
0部の代わりに約50℃に加温した水500部を用いる以外は
製造例20の同様に行ったが、噴霧乾燥機のチャンバーに
オイルが付着し、粉末状の農薬固型乳剤は得られなかっ
た。
れも製剤品の状態がさらさらで、流動性の良好なもので
あった。
つきがあり、流動性のある農薬固型乳剤は得られなかっ
た。
度硬水100mlの入った250ml容共栓付シリンダー内に加
え、2秒に1回の割合で30回倒立を繰り返し、乳化させ
たところ、いずれも粉末が完全に溶解した。次いでシリ
ンダーを15分間20℃の恒温槽内に保ち、乳化液の安定性
を調べたところ、いずれも、分離したオイルクリームは
ほとんど見られなかった。
を多量に含む場合においても、べとつきがなく流動性の
良好な取扱い易い製剤形態をしており、しかも、水で希
釈した剤に容易に乳化し、その乳化安定性にも優れてい
る。
Claims (3)
- 【請求項1】(a)融点が70℃以下である農薬原体、 (b)界面活性剤 (c)デキストリンおよび/または乳糖、 (d)水、および (e)i)多価アルコールを除く有機溶媒および水溶性
担体、 ii)多価アルコールを除く有機溶媒、および iii)蛋白質を除く水溶性担体 から選ばれるいずれか1種 を含有する水性乳濁液を噴霧乾燥せしめたものを含有す
ることを特徴とする農薬固型乳剤。 - 【請求項2】全組成物重量に対して農薬原体が10〜80重
量%、界面活性剤が1〜10重量%、デキストリンおよび
/または乳糖が10〜80重量%である請求項(1)に記載
の農薬固型乳剤。 - 【請求項3】請求項(1)に記載の農薬固型乳糖剤を造
粒することを特徴とする顆粒状農薬固型乳剤。
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