JP2992725B2 - ロール紙供給装置のテンション機構 - Google Patents

ロール紙供給装置のテンション機構

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JP2992725B2 JP4282241A JP28224192A JP2992725B2 JP 2992725 B2 JP2992725 B2 JP 2992725B2 JP 4282241 A JP4282241 A JP 4282241A JP 28224192 A JP28224192 A JP 28224192A JP 2992725 B2 JP2992725 B2 JP 2992725B2
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俊博 伊藤
勇 松井
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、プロッタ、カッティン
グプロッタ等に適用して好適なロール紙供給装置のテン
ション機構に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、グリットローリングタイプのプロ
ッタ(駆動ローラとピンチローラとで記録紙を挟持し、
駆動ローラを駆動すると同時に、その垂直方向に記録手
段を移動させて所望の記録を行う、記録用紙駆動型プロ
ッタ)において、記録紙としてロール紙を使用する場
合、ロール紙をストックするロール紙支持手段(送出
し)を設けておき、作図動作が終了した時点で記録済み
の記録紙を切り離す(マニュアル操作)よう構成されて
いた。また、他の従来のプロッタにおいては、記録部を
挟んで反対側に巻き取り用ロール紙支持手段を設け、上
記の装置と同様に記録前にロール紙を使用する分だけ繰
り出して弛ませておき(フレーム送り)、記録動作終了
後に巻き取り側ロール紙支持手段により記録済みの記録
紙を巻取るように構成されていた。
【0003】上記した前者のプロッタの場合、送出し量
は使用者の目分量で行うため、送出し量が少なかった場
合、記録部で移送した紙の量が予め送り出していた記録
紙の量を越えたときに、ストックローラが記録紙に対し
て紙送り方向と逆方向の負荷を与えてしまい、これによ
り記録紙保持部において、記録紙とローラがスリップし
てしまい、正確な作図ができなかったり、或いは記録紙
を破損するという不具合が生じる。逆に送出し量が多す
ぎた場合、記録紙の弛み部分が地面に接触して記録面を
汚したり、記録紙がカッティング用フィルムの場合に
は、フィルム表面を傷つけたり汚したりしてしまうこと
により、商品価値がなくなるという不具合があった。
【0004】これらの不具合を解決するために、従来は
後者の装置の如く、予め使用する記録範囲だけ記録紙を
送り出して弛ませておき、この弛み部分の記録が終了し
た後にこれを巻取るように構成し、記録紙の弛み量を最
適値になるようにしていた。このプロッタで作図を行う
場合は、殆どの図面が所定の大きさに規定されている
(A0、A1サイズ等)ため、フレーム送りの装置で十
分であったが、規格外の大きさで作図する場合や、カッ
ティングプロッタで看板等に使用する長尺フィルムを切
断する場合には、記録(切断)量に併せてロール紙を順
次送り出すと同時に巻き取らなければならなかった。
【0005】そこで、従来装置においては、記録部にお
ける記録紙の移送量を算出し、これに併せてロール支持
手段の駆動部を制御するように構成し、送り出した記録
紙の弛み量が常に作図動作に影響しない最適量となるよ
うに構成していた。しかしながら、上記のような記録部
による記録紙の移送量よりロール紙の送出し量及び巻き
取り量を算出する方法は、制御が大変複雑となるので、
通常は記録紙を送り出すことにより生じる弛みの量を検
出して、この弛み量が一定になるようにロール紙支持手
段の駆動部を制御する方法を採っている。
【0006】この弛み量の検出方法としては、従来から
種々提案されており、その一例として、スプロケットド
ラムタイプのプロッタにおいて通常使われている、バキ
ューム式のチャンバを設け、このチャンバ内の空気を吸
引することにより記録紙を弛ませ(バッファリング)、
この弛み量をフォトセンサ等により検出してロール紙支
持手段を制御する方法(特開昭53−41132号公
報)、記録紙の弛み部分にウエイトロールを載置し、そ
の位置をそれぞれマグネットおよび近接スイッチ等から
なる上限、下限および中央位置検出用開閉素子によって
検出し、この弛み量が最適量となるようロール紙支持手
段の駆動部を制御する方法(特公昭48−36864号
公報)等が知られている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前者の
真空吸引方法は、バキュームチャンバという大がかりな
装置が必要となる上、使用するロール紙の幅方向が制限
されるため、汎用性に欠けるという問題があった。一
方、後者のウエイトロールを用いてロール紙の弛み部分
にバックテンションを付与する方法は、前者より構造が
簡単でロール紙の張力を一定にすることができる利点を
有するが、ロール紙を高速で正逆方向に移送する場合に
は、慣性の影響が大きく、“記録紙の暴れ”を生じ、そ
のためウエイトロールが垂直方向に傾き両端の高さが異
なると、弛み量を検出するセンサの検出ミスが生じ、誤
動作したり、作図ミスが生じるという問題があった。ま
た、弛み量に関係なくモータの回転数、トルクが一定の
ため、弛み量が少なすぎたり多すぎた場合においても、
モータは急激に回転して所定の弛み量になると、停止す
るため慣性によりロール紙は回転し続けて停止するまで
に用紙を繰り出し、または巻き取り続ける。この急激な
動作及び停止後の用紙の繰り出しまたは巻き取りにより
作図のズレや床面との接触事故が生じるという問題もあ
った。
【0008】したがって、本発明は上記したような従来
の問題点に鑑みてなされたもので、その目的とするとこ
ろは、ロール紙の弛み部に所定のテンションを付与する
ことができ、またロール紙を高速で移送する場合の“記
録紙の暴れ”を確実に防止し得るようにしたロール紙供
給装置のテンション機構を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明に係るロール紙供給装置のテンション機構
は、ロール紙から繰り出された弛み部分に載置されこの
弛み部分に所定のテンションを付与するテンションバー
と、このテンションバーの両端部を回転自在に保持する
一対のスライダと、スライダを上下動自在に案内保持す
るガイド部材と、前記テンションバーに設けられたピニ
オンが歯合するラックとで構成した。
【0010】
【作用】本発明において、テンションバーの両端部に設
けられたピニオンとラックは、ロール紙を高速で移送し
た場合でも互いに噛合関係を保持するので、テンション
バー両端部のピニオンは同期して回転し、かつテンショ
ンバーはロール紙の弛み部分に載置されることで弛み部
分に一定のバックテンションを付与する。これにより
“記録紙の暴れ”を規制防止する。
【0011】
【実施例】以下、本発明を図面に示す実施例に基づいて
詳細に説明する。図1は本発明に係るロール紙供給装置
のテンション機構をグリットローリングタイプのプロッ
タに適用した場合の一実施例を示す正面図、図2は側断
面図、図3はテンション機構の斜視図である。これらの
図において、全体を符号1で示すグリットローリングタ
イプのプロッタは、所要の幅を有して上面両端部にそれ
ぞれ一対の支柱2a,2bが立設され、また下面両端部
にそれぞれ前後一対のキャスタが取付けられた移動可能
な架台3と、記録ペン4、ピンチローラ5、駆動ρら
6、プラテンローラ7、ロール紙ガイド8等を有し前記
支柱2a,2bの上端間に設置されたプロッタ本体9と
を備えている。各支柱2a,2bの内側面上部には側板
10A,10Bが対設されており、これら側板10A,
10Bの前後端部上面にロール紙11(11A,11
B)の中心孔に挿通されたストックローラ12A,12
Bの端部を回転自在に、かつ軸方向の移動を規制して軸
支する半円形の凹部からなる軸受部13がそれぞれ形成
されている。また、プロッタ1に向かって右側の側板1
0Bの内側面には両ストックローラ12A,12Bを同
期して正逆回転させる一対のモータ14A,14Bが配
設されている。各モータ14A,14Bの回転は、プー
リ間に張設されたベルト、各ストックローラ12A,1
2Bの一端に取付けられたギヤに歯合するギヤ等からな
る回転伝達機構17を介してストックローラ12A,1
2Bに伝達されるように構成されている。したがって、
モータ14A,14Bを正逆回転させると、ストックロ
ーラ12Aに巻回されているロール紙11Aをストック
ローラ12Bに巻き取ったり、ストックローラ12Bに
巻き取られているロール紙11Bをストックローラ12
Aに巻き戻したりすることができる。
【0012】ストックローラ12Aから繰り出されるロ
ール紙11Aは下方に向かって略U字状に弛まされるこ
とにより弛み部15aを有し、またストックローラ12
Bに巻き取られるロール紙11Bも同じく下方に向かっ
て略U字状に弛まされることにより弛み部15bを有し
ている。そして、これらの弛み部15a,15bはテン
ション機構18、19によって所定のテンションがそれ
ぞれ付与されている。
【0013】ロール紙11Aのテンション機構18は、
ロール紙11Aの幅より長い長さと両端に取付けられた
一対のピニオン20を有して弛み部15a上に載置され
るテンションバー21を備え、このテンションバー21
の両端はスライダ22内に挿入され不図示のベアリング
によって回転自在に軸支されている。またスライダ22
の内部にはテンションバー21の位置検出手段23(図
3)を構成する摺動子24が配設されている。
【0014】前記支柱2a,2bの後面下部寄りには側
面視コ字状に形成されたセンサベース25が前記スライ
ダ22に対応してそれぞれ配設されている。このセンサ
ベース25には前記スライダ22を上下方向に移動自在
に案内保持する左右一対のガイドレール26と、前記ピ
ニオン20が歯合するラック27が配設されている。し
たがって、テンションバー21はスライダ22によって
前後方向の移動を防止されて水平に保持されている。ま
た、スライダ22が前後に動かなければピニオン20と
ラック27は常に噛合状態を保持するため、ロール紙1
1の高速移送時にロール紙11Aの弛み部15aが暴れ
てもテンションバー21は垂直方向に傾向くことがな
く、水平状態を安定に保持する。
【0015】前記センサベース25には前記スライダ2
2の内部に配設された摺動子24に対応して縦方向に長
い直線型ポテンショメータ28が配設されており、これ
らによりテンションバー21の位置を検出する位置検出
手段23を構成している。
【0016】前記位置検出手段23は、前記モータ14
A,14Bを駆動制御する制御部30に電気的に接続さ
れている。制御部30は支柱2aの内側面に配設されて
いる。ポテンショメータ28の抵抗値は、ロール紙11
Aの弛み量に応じてテンションバー21がスライダ22
と共に上下移動し摺動子24の摺接位置が変わることで
変化する。この場合、位置検出手段23は、摺動子24
がポテンショメータ28の中央に接触しているときに出
力するポテンショメータ28の抵抗値を基準値(零)と
し、このポテンショメータ28の出力値が零の時は信号
を制御部30に送出せず、したがってモータ14は停止
している。ロール紙11Aの弛み部15aの弛み量が少
なくなりテンションバー21がポテンショメータ28の
中央より上方に移動すると、摺動子24も上方に移動し
てポテンショメータ28の出力値が正方向に大きくな
り、この時の位置検出手段23による検出信号に基づき
制御部30はモータ14Aを正方向に回転させる。した
がって、ストックローラ12Aのロール紙11Aは繰り
出されて弛み部15aの弛み量が増加し、また弛み量が
増加するとテンションバー21は徐々に下降し、所定の
弛み量になるとポテンショメータ28の出力値が零にな
ってモータ14Aの駆動が停止される。一方、ロール紙
11Aの弛み部15aの弛み量が多くなりテンションバ
ー21がポテンショメータ28の中央より下方に移動し
てポテンショメータ28の出力値が負方向に大きくなる
ため、この時の位置検出手段23による検出信号に基づ
き制御部30はモータ14Aを上記とは反対方向に回転
させる。したがって、ロール紙11Aの弛み部15aは
徐々に巻取られて減少し、テンションバー21を徐々に
上昇させる。そして、所定の弛み量になるとポテンショ
メータ28の出力値が零に戻ってモータ14Aの駆動が
停止される。この結果、テンションバー21は常にポテ
ンショメータ28の中央に位置して所定の弛み量と安定
したテンションを弛み部15aに付与する。
【0017】なお、モータ14Aの回転数とトルクは、
テンションバー21がポテンショメータ28の中央から
遠ざかる方向に比例的に増加する。また、スライダ22
のセンサベース25と対向する面にはピニオン20とラ
ック27との噛合および摺動子24とポテンショメータ
28との摺接を可能にする開口部(図示せず)がピニオ
ン20と摺動子24に対応して設けられている。
【0018】ロール紙11Bの弛み部15bに所定の弛
み量とテンションを付与するテンション機構19は、上
述したロール紙11Aのテンション機構18と同一構造
であるため、同一構成部材のものに対しては同一符号を
もって示し、その説明を省略する。また、テンション機
構19の位置を検出する位置検出手段34(図2)につ
いても上記位置検出手段23と同様に構成されているた
め、詳細な説明を省略する。
【0019】なお、上記実施例はグリットローリングタ
イプのプロッタに適用した場合について説明したが、本
発明はこれに限定されることなく、各種プロッタ、カッ
ティングプロッタ等にも適用実施することができる。ま
た上記実施例は位置検出手段23,34として直線型ポ
テンショメータを使用したが、回転型ポテンショメータ
を用いスライダの位置をワイヤを通じて検出したり、エ
ンコーダ付モータを使用してもよい。また、上記実施例
はスライダ22を上下方向に移動自在に案内保持するガ
イドレール26をガイドバーとして構成したが、これに
限定されるものではなく、センサーベース25にレール
構造を設け、スライダ22がこのレール構造に沿って摺
動可能に構成してもよい。
【0020】
【発明の効果】以上説明したように本発明に係るロール
紙供給装置のテンション機構は、ロール紙の弛み部にテ
ンションバーを載置し、このテンションバーの両端を上
下移動自在なスライダによって回転自在に保持し、かつ
テンションバーの端部に設けたピニオンをラックに歯合
させて構成したので、使用するロール紙の幅に制限され
ることなくロール紙の弛み部分に所定のテンションを付
与することができ、また高速記録(切断)時においても
安定したテンションを付与することができ、“記録紙の
暴れ”を抑えることができる。したがって、安定した作
図、カッティングを行うことができ、装置の信頼性を向
上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るロール紙供給装置のテンション機
構を備えたグリットローリングタイプのプロッタの一実
施例を示す正面図である。
【図2】側断面図である。
【図3】テンション機構の斜視図である。
【符号の説明】
3 架台 9 プロッタ本体 11、11A、11B ロール紙 12A、12B ストックローラ 15a、15b 弛み部 18、19 テンション機構 20 ピニオン 21 テンションバー 22 スライダ 23 位置検出手段 26 ガイドバー 27 ラック
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−147899(JP,A) 特開 平4−7247(JP,A) 実開 平3−4096(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B43L 13/00 B65H 23/188

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ロール紙から繰り出された弛み部分に載
    置されこの弛み部分に所定のテンションを付与するテン
    ションバーと、このテンションバーの両端部を回転自在
    に保持する一対のスライダと、スライダを上下動自在に
    案内保持するガイド部材と、前記テンションバーに設け
    られたピニオンが歯合するラックとを備えたことを特徴
    とするロール紙供給装置のテンション機構。
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