JP2992048B2 - ポリアミド酸及びその製造法並びにポリイミド及びその製造法 - Google Patents

ポリアミド酸及びその製造法並びにポリイミド及びその製造法

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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は,ポリアミド酸及びその製造法並びにポリア
ミド及びその製造法に関する。
(従来の技術) 電気及び電子分野においてポリイミド樹脂材料は広く
利用されており,最近は信号の高速応答化に伴なつて絶
縁材料としてのポリイミド樹脂材料に低誘電率化が求め
られている。このような低電率の低いポリイミド樹脂材
料として次のものが知られている。
米国ヘキスト社からSIXFF−44という商標で4,4′−
(ヘキサフロロイソプロピリデン)ジフタル酸無水物と
2,2−ビス(4−アミノフエニル)ヘキサフロロプロパ
ンとを用いた次式〔V〕 で示される化学構造単位を有するポリイミド樹脂材料が
上市されている。このものの誘電率は2.65(周波数10M
Hzにおける値)である。
また,日本電信電話社(以下NTT社と略す)からビス
トリフロロメチルピロメリツト酸二無水物と2,2′−ビ
ストリフロロメチルベンジジンとを用いた次式〔VI〕 で示される化学構造単位を有するポリイミド樹脂材料が
報告されている(1989年第38高分子学会年次大会予稿集
13H−05)。このものの誘電率は2.6である。
また,特開平1−118527号公報には,4,4′−(ヘキサ
フロロイソプロピリデン)ジフタル酸無水物と2,2−ビ
ス〔4−(4−アミノフエノキシ)フエニル〕ヘキサフ
ロロプロパンとを用いた式〔VII〕 で示される化学構造単位を有するポリイミド樹脂材料が
報告され,このものの誘電率は周波数10G Hzにおいて2.
50及び周波数1M Hzにおいて2.77を述べられている。ま
た同公報においては,上述の式〔V〕で示される化学構
造単位を有するポリイミドの誘電率についても記載があ
り,その誘電率は周波数10G Hzにおいて2.39と述べられ
ている。
(発明が解決しようとする課題) 米国ヘキスト社が上市しているポリイミド樹脂材料,N
TT社が提案しているポリイミド樹脂材料及び特開平1−
118527号公報に示されるポリイミド樹脂材料は誘電率は
低いものの,そのいずれもが分子内にトリフロロメチル
基を有しており,耐溶剤性に劣るという問題を有してい
る。
耐溶剤性が劣ることは,電子あるいは電気分野におい
て,半導体素子上に形成する多層アルミニウム配線の層
間絶縁膜,多層のプリント配線板の基材あるいはエナメ
ル線の被覆材料として用いる場合に致命的な欠点とな
る。すなわち多層構造とするための重ね塗りする際に下
層として形成したポリイミド層がその上に塗布するポリ
イミド前駆体(ポリアミド酸)溶液中の溶剤によつて溶
解されてしまうため重ね塗りができないことである。
また,上述した従来の低誘電率ポリイミド樹脂材料は
機械的性質,特に引張り試験における伸びが小さいとい
う問題を有している。伸びが小さいことは,上述の分野
において,ポリイミド樹脂材料は,金属やセラミツクス
等の無機材料と接して使われる際にこれら無機材料との
熱膨張係数の差によつて起こる熱ひずみの発生によつて
伸びのないポリイミド樹脂材料にクラツクが生じるとい
う不都合を引き起こす。
本発明は,耐溶剤性及び機械的性質に優れる低誘電率
のポリアミド酸及びその製造法並びにポリイミド及びそ
の製造法を提供するものである。
(課題を解決するための手段) 本発明は,一般式〔I〕 (式中,Arは, (Rは,水素原子又はフツ素原子であり,複数個のR
は,互いに同一でも異なつていてもよい)で示される2
価の有機基である)で示される化学構造単位を有するポ
リアミド酸に関する。
また,本発明は,式〔II〕 で示されるp−ターフエニル−3,4,3″,4″−テトラカ
ルボン酸二無水物と 一般式〔III〕 (式中,Rは,水素原子又はフツ素原子であり,複数個の
Rは,互いに同一でも異なつていてもよい)で示される
ジアミン化合物とを有機溶媒中で反応させることを特徴
とする一般式〔I〕 (式中,Arは, (Rは,水素原子又はフツ素原子であり,複数個のR
は,互いに同一でも異なつていてもよい)で示される2
価の有機基である)で示される化学構造単位を有するポ
リアミド酸の製造法に関する。
また,本発明は,一般式〔IV〕 (式中,Arは, (Rは,水素原子又はフツ素原子であり,複数個のR
は,互いに同一でも異なつていてもよい)で示される2
価の有機基である)で示される化学構造単位を有するポ
リイミドに関する。
また,本発明は,一般式〔I〕 (式中,Arは, (Rは,水素原子又はフツ素原子であり,複数個のR
は,互いに同一でも異なつていてもよい)で示される2
価の有機基である)で示される化学構造単位を有するポ
リアミド酸を脱水閉環反応させることを特徴とする一般
式〔IV〕 (式中,Arは,一般式〔I〕におけると同意義である)
で示される化学構造単位を有するポリイミドの製造法に
関する。
以下,本発明について詳述する。
一般式〔I〕 (式中,Arは, (Rは,水素原子又はフツ素原子であり,複数個のR
は,互いに同一でも異なつていてもよい)で示される2
価の有機基である)で示される化学構造単位を有するポ
リアミド酸は,例えば, 式〔II〕 で示されるp−ターフエニル−3,4,3″,4″−テトラカ
ルボン酸二無水物と 一般式〔III〕 (式中,Rは,水素原子又はフツ素原子であり,複数個の
Rは,互いに同一でも異なつていてもよい)で示される
ジアミン化合物とを有機溶媒中で反応させることによつ
て製造することができる。
本発明における,上記式〔II〕で示される,p−ターフ
エニル−3,4,3″,4″−テトラカルボン酸二無水物は,
既に公知の化合物であり,例えば,特開昭62−258338号
公報の記載に準じて製造することができる。
本発明における上記一般式〔III〕で示されるジアミ
ン化合物は,既に公知の化合物であり,例えば,4,4′−
ビス(4−アミノフエノキシ)ビフエニル,4,4′−ビス
(4−アミノフエノキシ)オクタフロロビフエニル等が
あげられる。4,4′−ビス(4−アミノフエノキシ)ビ
フエニルは,商業的に入手可能な材料である。4,4′−
ビス(4−アミノフエノキシ)オクタフロロビフエニル
は,Kolchina,E.F.らの論文〔Izv.Sib.Otd.Akad.Nauk SS
SR,Ser.Khim.Nauk,(2),122−7(1981)〕の記載に
準じて製造することができる。
本発明においては,ポリイミドとシリコン基板との接
着性を改善するために,接着性付与成分として次のケイ
素化合物を併用することができる。1,3−ビス(3,4−ジ
カルボキシフエニル)−1,1,3,3−テトラメチルジシロ
キサン二無水物,1−(2,3−ジカルボキシフエニル)−
3−(3,4−ジカルボキシフエニル)−1,1,3,3−テトラ
メチルジシロキサン二無水物などのシロキシ基含有テト
ラカルボン酸二無水物。また,1,3−ビス(3−アミノプ
ロピル)−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン,1,3−
ビス(4−アミノフエニル)−1,1,3,3−テトラメチル
ジシロキサンあるいは1,3−ビス(3−アミノフエニ
ル)−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサンなどのシロ
キシ基含有ジアミン化合物。これらのケイ素化合物は,
一般式〔IV〕で示されるポリイミドの特性をそこなわな
い範囲,通常0〜10モル%(二無水物基準又はジアミン
化合物基準)使用することによつてポリイミドに接着性
を付与することができる。
例えば,本発明における有機溶媒としては,N−メチル
−2−ピロリドン,N,N−ジメチルアセトアミド,N,N−ジ
メチルホルムアミド,ジメチルスルホキシドなどがあげ
られる。有機溶媒に一般式〔III〕で示されるジアミン
化合物を溶解したのち,これと大略等モルの式〔II〕で
示されるp−ターフエニル−3,4,3″,4″−テトラカル
ボン酸二無水物を加え,80℃以下,好ましくは室温付近
の温度に保ちながら通常1〜10時間攪拌することによつ
て一般式〔I〕で示される化学構造単位を有するポリア
ミド酸を前記有機溶媒の溶液として得ることができる。
このポリアミド酸の分子量は,GPC法によつて測定する
ことができ,通常,数平均分子量は20,000〜150,000,重
量平均分子量は40,000〜400,000である(ポリスチレン
換算)。
このポリアミド酸の溶液をシリコン基板,ガラス板等
の上に流延塗布し,例えば,300〜400℃に加熱すること
等によつて,有機溶媒が除去され、ポリアミド酸は脱水
閉環反応させられ,イミド化が起こり一般式〔IV〕で示
される化学構造単位を有するポリイミドを得ることがで
きる。
このポリイミドの分子量は,通常,対応するイミド化
前のポリアミドの分子量と同程度かそれよりいく分高い
ものとなる。
このポリイミドの誘電率(室温(23℃),50%RH,周波
数1K Hz)は2.4〜3.0であることが好ましく2.6〜2.8で
あることがより好ましい。また,このポリイミドの機械
的性質の引張り強度は15〜30kgf/mm2,伸びは30〜100%
であることが好ましい。
(実施例) 以下,実施例によつて本発明を説明する。
実施例1 温度計,攪拌機及び塩化カルシウム管を備えた200ml
三つ口フラスコに4,4′−ビス(4−アミノフエノキ
シ)ビフエニル9.211g(25.0ミリモル)及び反応溶媒と
してN−メチル−2−ピロリドン135.4gを入れ,室温
(23℃)で攪拌溶解した。次いで,これにp−ターフエ
ニル−3,4,3″,4″−テトラカルボン酸二無水物9.258g
(25.0ミリモル)を加え,氷浴で冷却しながら23℃のま
ま8時間攪拌を続け,不揮発分12.0重量%,粘度150P
(15Pa・S)(25℃における値,以下も同じ)のポリア
ミド酸溶液を得た。
このポリアミド酸の分子量を下記の試験方法により測
定した(結果は表1に示した)。
また,このポリアミド酸溶液からポリアミド酸を下記
の試験方法により単離精製し,一部はポリイミドとし,
これらの1H−NMRスペクトル,IRスペクトル及び元素分析
の測定を行つた。
なおポリイミドの1H−NMRスペクトルは測定しなかつ
た。
次いで,このポリアミド酸溶液をクツキング,N−メチ
ル−2−ピロリドンの添加等により粘度調整した後,ガ
ラス板上に流延塗布して乾燥後,375℃で1時間熱処理し
てガラス板から剥離させ,黄かつ色透明な厚さ15μmの
ポリイミドフイルムを得た。このフイルムを下記の試験
方法により評価した。
また,誘電率測定のために,粘度調整したポリアミド
酸溶液をインジウム−スズ酸化物(ITO)透明電極を付
したガラス板上に塗布して,上記と同一の条件で熱処理
してポリイミド被膜(厚さ4μm)とし,この上に真空
蒸着法でクロムを蒸着させ電極を形成した。この試料を
下記の試験方法で評価し,誘電率を求めた。
試験方法 (1) 分子量 カラム:日立化成工業社製 ゲルパツクGL−S400MDT(直径8mm×30cm)を
2本直列結合 キヤリア:テトラヒドロフラン/ジメチルホルムアミ
ド(1/1容量比)にLiBrを0.06モル/及びH3PO4を0.06
モル/添加した混合溶媒 流量:1ml/min 検出器:UV(270nm) 計算:標準ポリスチレンを試料とした検量線を用い
て,クロマトグラムから算出(ポリスチレン換算)。
(2) 1H−NMRスペクトル ポリアミド酸溶液(不揮発分12.0重量%)にN−メチ
ル−2−ピロリドンを加え希釈し,不揮発分を2重量%
とした。この不揮発分2重量%のポリアミド酸溶液10ml
を,イオン交換水100mlをスターラーで攪拌しているビ
ーカー中に,ビーカー壁面にそわせて滴下し,ついで超
音波洗浄器中にビーカーを入れ,超音波を作用させて30
分間放置し,その後5C紙でビーカー内容物を別し,
イオン交換水100mlで洗浄しポリアミド酸を採集した。
そして採集したポリアミド酸を10mmHg,60℃で4時間乾
燥して1H−NMRスペクトル測定用資料とした。重水素化
ジメチルスルホキシド(DMSO−d6)を測定溶媒として用
い,日立R−250型核磁気共鳴装置にて1H−NMRスペクト
ルを測定し,このポリアミド酸の1H−NMRスペクトルを
第1図として示した。
第1図の吸収ピークの帰属と積分強度は ′ 12.5〜13.3ppm カルボキシル基プロトン積分強度0.73 ′ 10.47,10.50ppm アミド基プロトン積分強度0.88 ′ 6.80〜8.20ppm ベンゼン環プロトン積分強度13 となり′:′:′の理論積分強度値(1:1:13)と
よく一致しており所望のポリアミド酸の生成が確認でき
た。
なお,第1図において1.90,2.17及び2.70ppmの吸収ピ
ークは,残留N−メチル−2−ピロリドンによるもの,
2.5ppm付近の吸収ピークは,DMSO−d6中に含まれていた
ジメチルスルホキシド(DMSO)のもの並びに3.37ppm付
近のブロードな吸収ピークはDMSO−d6中に含まれていた
水のものである。
(3) IRスペクトル (ア) ポリアミド酸のIRスペクトル 上記(2)の1H−NMRスペクトル測定用資料を使用し
てKBr法により,日立赤外分光光度計260−30型にてポリ
アミド酸のIRスペクトルを測定した。
このポリアミド酸のIRスペクトルを第2図として示し
た。
第2図における1715cm-1のカルボニル基にもとづく吸
収から所望のポリアミド酸の生成が確認できた。
(イ) ポリイミドのIRスペクトル ポリアミド酸溶液(不揮発分12.0重量%)をガラス板
上に塗布し,100℃×30分間,200℃×30分間,350℃×1時
間と順次昇温加熱しイミド化させ,ついでプレツシヤク
ツカー(130℃,1時間)にてポリイミドフイルム(25μ
m)を剥離し,このものを微粉に粉砕しKBr法により日
立赤外分光光度計260−30型にてポリイミドのIRスペク
トルを測定した。このポリイミドのIRスペクトルを第3
図として示した。
第3図において1770cm-1のイミド環のカルボニル基に
もとづく吸収から所望のポリイミドの生成が確認でき
た。
(4) 元素分析 (ア) ポリアミド酸の元素分析 上記(2)の1H−NMRスペクトル測定用資料をテトラ
ヒドロフラン/N−メチル−2−ピロリドン(5/5(V/
V))にとかし不揮発分0.2重量%溶液とし,この溶液10
mlをイオン交換水100mlをスターラーで攪拌しているビ
ーカー中に,ビーカー壁面にそわせて滴下し,ついで超
音波洗浄器中にビーカーを入れ,超音波を作用させて30
分間放置し,その後5C紙でビーカー内容物と別し,
イオン交換水500mlで洗浄し,ポリアミド酸を採集し
た。そして採集したポリアミド酸を微粉に粉砕し,10mmH
g,60℃で24時間乾燥して元素分析測定用の試料とした。
元素分析結果(ポリアミド酸) 測定値 理論値 C 74.55% 74.79% H 4.26% 4.09% N 3.73% 3.79% (イ) ポリイミドの元素分析 上記(4)(ア)のポリアミド酸の元素分析測定用の
試料をガラス板上にのせて100℃×30分間,200℃×30分
間,350℃×1時間と順次昇温加熱してイミド化させ,ポ
リイミドとしこれをポリイミドの元素分析測定用試料と
した。
元素分析結果(ポリイミド) 測定値 理論値 C 78.48% 78.62% H 3.82% 3.73% N 3.88% 3.99% (5) 熱分解温度 上記フイルム10mgをデユポン社製951型熱重量分析計
に設置し,空気中,5℃/minの昇温条件下に加熱して行
き,重量が1重量%減少した時の温度を熱分解温度とし
て評価した。
(6) ガラス転移温度 上記フイルムを幅20mm,長さ7.0mmの短ざく状の試験片
とし,これをDupont製943型熱機械分析計に設置し,200g
f/mm2(1.96×106N/m2)の引張り応力をかけた状態で空
気中,5℃/minの昇温条件下に加熱して行き,試験片が急
激に伸び始めた時の温度をガラス転移温度として評価し
た。
(7) N−メチル−2−ピロリドン(NMP)への溶解
性 密栓のできる試験管にN−メチル−2−ピロリドン5.
0gを入れ,ここへ短ざく状に切つたポリイミドフイルム
を入れ,50℃で5時間加熱し,フイルムが溶解するか否
かを観察した。
(8) 機械的性質 上記フイルムを幅10.0mm,長さ80mmの短ざく状の試験
片とし,(株)オリエンテツク製PMT−5T型万能試験機
を用いてクロスヘツド間隔20mm,クロスヘツド速度5mm/m
in,室温(23℃)の条件下で引張り試験を行つた。評価
項目としてフイルムの最大強度及び破断に至つた時まで
の伸びを見た。
(9) 誘電率 上記の誘電率測定用試料に対して,横河ヒユーレツト
パツカード製4192A型インピーダンスアナライザーを用
いて,室温(23℃),50%RH,周波数1K Hzの条件下で測
定した。
上記の試験方法による結果を表1に示す。
実施例2 実施例1と同様な合成装置に,4,4′−ビス(4−アミ
ノフエノキシ)オクタフロロビフエニル12.809g(25.0
ミリモル)及び溶媒N−メチル−2−ピロリドン125.0g
を入れ,室温で攪拌し溶解させた。次いで,これにp−
ターフエニル−3,4,3″,4″−テトラカルボン酸二無水
物9.258g(25.0ミリモル)を加え,室温のまま8時間攪
拌を続け,不揮発分15.0重量%,粘度120P(12Pa・S)
のポリアミド酸溶液を得た。実施例1と同様の試験方法
によりこのポリアミド酸,これをポリイミドとしたもの
の分子量,1H−NMRスペクトル,IRスペクトル及び元素分
析を行つた。なお,ポリイミドの分子量,1H−NMRスペク
トルは測定しなかつた。またポリアミド酸の分子量は表
1に示した。
また,このポリアミド酸溶液から実施例1と同様にし
てポリイミドフイルム(厚さ15μm)と誘電率測定用の
試料(厚さ4μm)を得た。
測定結果を表1に示す。
実施例2におけるポリアミド酸の1H−NMRスペクトル
を第4図に示した。
第4図の吸収ピークの帰属と積分強度は 12.0〜13.2ppm カルボキシル基プロトン積分強度0.85 10.50,10.52ppm アミド基プロトン積分強度0.85 7.10〜8.30ppm ベンゼン環プロトン積分強度9 となり::の理論積分強度値(1:1:9)とよく一
致しており所望のポリアミド酸の生成が確認できた。
なお,第4図において1.90,2.17,2.70及び3.31ppmの
吸収ピークは,残留N−メチル−2−ピロリドンによる
もの,2.5ppm付近の吸収ピークは,DMSO−d6中に含まれて
いたジメチルスルホキシド(DMSO)のもの並びに3.37pp
m付近のブロードな吸収ピークはDMSO−d6中に含まれて
いた水のものである。
実施例2におけるポリアミド酸のIRスペクトルを第5
図に示した。
第5図における1720cm-1のカルボニル基にもとづく吸
収及び970cm-1のC−F結合にもとづく吸収から所望の
ポリアミド酸の生成が確認できた。
実施例2におけるポリアミド酸とイミド化したポリイ
ミドのIRスペクトルを第6図に示した。
第3図における1780cm-1のイミド環のカルボニル基に
もとづく吸収及び980cm-1のC−F結合にもとづく吸収
から所望のポリイミドの生成が確認できた。
実施例2におけるポリアミド酸及びこれとイミド化し
たポリイミドの元素分析の結果は次のとおりであつた。
元素分析結果(ポリアミド酸) 測定値 理論値 C 62.48% 62.59% H 2.69% 2.51% N 3.09% 3.17% 元素分析結果(ポリイミド) 測定値 理論値 C 65.11% 65.28% H 2.32% 2.14% N 3.23% 3.31% 比較例1 実施例1と同様の合成装置に,4,4′−ジアミノジフエ
ニルエーテル8.010g(40.0ミリモル)及びN−メチル−
2−ピロリドン122.7gを入れ,溶解後に,ピロメリツト
酸二無水物8.725g(40.0ミリモル)を加え,不揮発分1
2.0重量%,粘度150P(15Pa・S)のポリアミド酸溶液
を得た。
このポリアミド酸溶液から実施例1と同様にしてポリ
イミドフイルム(厚さ15μm)と誘電率測定用の試料
(厚さ4μm)を得た。
測定結果を表1に併せて示す。
比較例2 実施例1と同様の合成装置に,4,4′−ビス(4−アミ
ノフエノキシ)ビフエニル11.053g(30.0ミリモル)及
び溶媒N−メチル−2−ピロリドン129.0gを入れ,溶解
後にピロメリツト酸二無水物6.544g(30.0ミリモル)を
加え,実施例1と同様に反応を行い,不揮発分12.0重量
%のポリアミド酸溶液を得た。
これを用いたポリイミドの測定結果を表1に示す。
比較例3 実施例1と同様の合成装置に2,2−ビス(4−アミノ
フエニル)ヘキサフロロプロパン6.685g(20.0ミリモ
ル)及び溶媒N−メチル−2−ピロリドン62.3gを入
れ,溶解後に4,4′−(ヘキサフロロイソプロピリデ
ン)ジフタル酸無水物8.885g(20.0ミリモル)を加え,
実施例1と同様に反応を行い,不揮発分20.0重量%のポ
リアミド酸溶液を得た。これを用いたポリイミドの測定
結果を表1に示す。
比較例4 実施例1と同様の合成装置に2,2−ビス〔4−(4−
アミノフエノキシ)フエニル〕ヘキサフロロプロパン1
0.370g(20.0ミリモル)及び溶媒N−メチル−2−ピロ
リドン77.0gを入れ,溶解後に4,4′−(ヘキサフロロイ
ソプロピリデン)ジフタル酸無水物8.885g(20.0ミリモ
ル)を加え,実施例1と同様に反応を行い,不揮発分2
0.0重量%のポリアミド酸溶液を得た。これを用いたポ
リイミドの測定結果を表1に示す。
(発明の効果) 本発明のポリアミド酸を用いて得られるポリイミド誘
電率が低く,かつ耐溶剤性及び機械的性質に優れるとい
う特長を有しており,電子及び電気分野,とりわけ多層
モジユールにおいて有用な材料である。
【図面の簡単な説明】
第1図は実施例1におけるポリイミド酸の1H−NMRスペ
クトル,第2図は実施例1におけるポリアミド酸のIRス
ペクトル,第3図は実施例1におけるポリイミドのIRス
ペクトル,第4図は実施例2におけるポリアミド酸の1H
−NMRスペクトル,第5図は実施例2におけるポリアミ
ド酸のIRスペクトル及び第6図は実施例2におけるポリ
イミドのIRスペクトルである。
フロントページの続き (72)発明者 上島 浩一 茨城県日立市東町4丁目13番1号 日立 化成工業株式会社茨城研究所内 (72)発明者 斉藤 高之 茨城県日立市東町4丁目13番1号 日立 化成工業株式会社茨城研究所内 (72)発明者 室井 隆 徳島県徳島市北田宮3丁目8番40号 日 立化成ポリマー株式会社徳島工場内

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式〔I〕 (式中,Arは, (Rは,水素原子又はフツ素原子であり,複数個のR
    は,互いに同一でも異なつていてもよい)で示される2
    価の有機基である)で示される化学構造単位を有するポ
    リアミド酸。
  2. 【請求項2】式〔II〕 で示されるp−ターフエニル−3,4,3″,4″−テトラカ
    ルボン酸二無水物と 一般式〔III〕 (式中,Rは,水素原子又はフツ素原子であり,複数個の
    Rは,互いに同一でも異なつていてもよい)で示される
    ジアミン化合物とを有機溶媒中で反応させることを特徴
    とする一般式〔I〕 (式中,Arは, (Rは,水素原子又はフツ素原子であり,複数個のR
    は,互いに同一でも異なつていてもよい)で示される2
    価の有機基である)で示される化学構造単位を有するポ
    リアミド酸の製造法。
  3. 【請求項3】一般式〔IV〕 (式中,Arは, (Rは,水素原子又はフツ素原子であり,複数個のR
    は,互いに同一でも異なつていてもよい)で示される2
    価の有機基である)で示される化学構造単位を有するポ
    リイミド。
  4. 【請求項4】一般式〔I〕 (式中,Arは, (Rは,水素原子又はフツ素原子であり,複数個のR
    は,互いに同一でも異なつていてもよい)で示される2
    価の有機基である)で示される化学構造単位を有するポ
    リアミド酸を脱水閉環反応させることを特徴とする一般
    式〔IV〕 (式中,Arは,一般式〔I〕におけると同意義である)
    で示される化学構造単位を有するポリイミドの製造法。
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