JP2990794B2 - 静電記録フィルム - Google Patents

静電記録フィルム

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JP2990794B2
JP2990794B2 JP2318775A JP31877590A JP2990794B2 JP 2990794 B2 JP2990794 B2 JP 2990794B2 JP 2318775 A JP2318775 A JP 2318775A JP 31877590 A JP31877590 A JP 31877590A JP 2990794 B2 JP2990794 B2 JP 2990794B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は静電記録フィルムに関するものであり、詳し
くは、低密度で白色性に富み、紙代替用品として、特に
電気信号を直接静電潜像に変換したのちトナー現像して
可視像化する静電記録フィルムに関するものである。さ
らに詳しくは、CAD(対話型設計)用などの静電記録プ
リンター・プロッター、ビデオプリンタ用などに使用さ
れる静電記録フィルムに関するものである。
[従来の技術] 絶縁性フィルム、導電層、誘電層をこの順に積層せし
めた静電記録フィルムが知られている。
一般にCAD用静電記録プロッターに使用されている静
電記録方式は、マルチピン電極ヘッド(以下ピン電極と
略称する)に記録電圧を印加し、ピン電極と静電記録フ
ィルムの誘電層との微小空隙(以下ギャップと略称す
る)に気中放電を起こして誘電層表面上に静電潜像を形
成し、次にこの静電潜像を液状トナーにより現像し可視
像として、そのまま定着するものである。ここで安定し
た画像を得るには、ギャップをパッシェン曲線から適当
な範囲に制御する必要があり、このためにたとえば粒子
を加えて適当な凹凸を設けた誘電層とピン電極を接触さ
せることによりギャップを適切に制御する方式が最も一
般に使用されている。
かかる静電記録フィルムにおいては誘電層に絶縁性粒
子を加えないと鮮明な画像が得られず、一方導電層のア
ースが不完全になると“かぶり”が発生する。
このため、従来静電記録フィルムでは、鮮明でかつ
“かぶり”のない画像を得るために、 (1) 誘電層に導電性粉末を分散し、一定圧力以上の
加圧により導電性粉末を互いに接触状態にせしめて導電
性を有するように構成したものが知られているが、確か
に“かぶり”は少なくなるものの、押圧により導電性粉
末を接触させるためには、多量の導電性粉末を加える必
要があり、また絶縁性フィルムはそれ自体が固く、ソフ
ト性、クッション性を有しないため、過大な押圧が必要
となる。さらにピン電極と平行な方向に画素が線状に抜
ける欠点(以下、“線抜け”と略称する)が新たに発生
し、また異常放電による画素の太り(以下、“ゴマシ
オ”と略称する)欠点が増加する。
(2) 導電層の一部(一般には端部)を露出したり、
その露出した部分にカーボン塗料などの導電性塗料を塗
工してアース電極としたものが知られているが、この場
合、各種製品幅に合わせて導電層を露出する手間が掛か
ったり、導電性塗料を塗工するために製造工程が増えた
りして生産性が悪く、また記録時に静電記録フィルムの
蛇行があると導電層がピン電極と接触してショート事故
を起こしやすい。
さらに、一般にポリエステルフィルムをフィルム支持
体とする静電記録フィルムは、静電記録紙に比べて、 (3) 高品質画像を得るには、誘電層の凹凸に関して
静電記録紙より厳しい制御が必要である(特開昭62−17
7744号公報)。
(4) 重い。特に白色ポリエステルフィルムは一般の
ポリエステルフィルムより重く、 (5) 見掛け密度を下げるために内部に微細気泡を作
ったフィルムは劈開強度が小さい。
(6) 折りたたみ性が悪く、大型図面の保存、輸送性
が悪い。
等の問題があった。
一方、ポリオレフィン系合成紙“ユポ”をフィルム支
持体として用いる例(特開昭62−15550号公報等)もあ
るが、上記問題が全て解決できている訳ではなく、逆に
ポリオレフィン系の耐熱性、塗工時の表面塗れ性などの
問題のために製造条件に制限が加わり、品質安定性に問
題が生じているのが実情である。
[発明が解決しようとする課題] 本発明の目的は、上記欠点が無いもの、すなわち、か
ぶり、線抜け、ゴマシオが少なく、安定して高品質画像
が得られ、低密度で白色性に優れ、劈開強度が強く、お
りたたみ性に優れた安価な静電記録フィルムを提供する
ことを目的とするものである。
さらに本発明は、熱寸法安定性、ソフト性、柔軟性に
も優れ、画像のコントラストが良く、かつ鮮明な画像が
得られる静電記録フィルムを提供することをも目的とす
るものである。
[課題を解決するための手段] 本発明者らは、鋭意研究の結果、ポリエステルフィル
ムに非相溶ポリマー及び低比重化剤を加えることにより
得られた低比重で熱寸法安定性、白色性、ソフト性に優
れたポリエステルフィルムに、導電層および誘電層をこ
の順に積層せしめることにより、かぶり、線抜け、ゴマ
シオが少なく、画像のコントラストがよく、かつ鮮明な
画像が得られる静電記録フィルムが得られることを見出
した。
すなわち、本発明は、プラスチックフィルム、導電
層、誘電層をこの順に積層せしめた静電記録フィルムに
おいて、該プラスチックフィルムが、150℃の熱収縮率
が2%未満であり、かつ比重が0.95以下のポリエステル
フィルムであることを特徴とする静電記録フィルムを提
供する。
本発明において、プラスチックフィルムは150℃の熱
収縮率が2%未満であり、かつ比重が0.95以下のポリエ
ステルフィルムである。
本発明において、ポリエステルフィルムの比重は0.95
以下、好ましくは0.90以下、さらに好ましくは0.80以下
である。0.95より大きいとフィルムにソフト性、クッシ
ョン性が付与されないためである。
クッション性は例えば、ピン電極の押圧を低下させて
も、鮮明な画像を得ることができるために必要な事項で
ある。もちろん、手に触れた時の感触も重要な要素であ
る。
本発明において、ポリエステルフィルムの熱収縮率
は、長手方向および幅方向共に150℃で2%未満、好ま
しくは1%未満である。熱収縮率が2%以上になると熱
寸法安定性が悪くなり、導電層および誘電層の積層工程
や印字工程等の熱の加わる工程においてフィルムが変形
しやすくなり好ましくない。
本発明でいうポリエステルとは、ジオールとジカルボ
ン酸とから縮重合によって得られるポリマーであり、ジ
カルボン酸としては、テレフタル酸、イソフタル酸、フ
タル酸、ナフタレンジカルボン酸、アジピン酸、ゼバシ
ン酸等で代表されるものであり、またジオールとはエチ
レングリコール、トリメチレングリコール、テトラメチ
レングリコール、シクロヘキサンジメタノール等で代表
されるものである。具体的には例えば、ポリエチレンテ
レフタレート、ポリエステル−p−オキシベンゾエー
ト、ポリ−1,4−シクロヘキシレンジメチレンテレフタ
レート、ポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシ
レート等を挙げることができる。本発明の場合、特にポ
リエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート
が好ましい。ポリエチレンテレフタレートフィルムは耐
水性、耐久性、耐薬品性等に優れているものである。
もちろん、これらのポリエステルはホモポリエステル
であってもコポリエステルであっても構わない。共重合
成分としてはジエチレングリコール、ネオペンチルグリ
コール、ポリアルキレングリコール等のジオール成分及
びアジピン酸、セバシン酸、フタル酸、2,6−ナフタレ
ンジカルボン酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸等
のジカルボン酸成分を挙げることができる。
また、このポリエステルの中には、公知の各種添加
剤、例えば酸化防止剤、帯電防止剤等が添加されても良
い。
本発明に用いられる非相溶ポリマーとしてはポリ−3
−メチルブテン−1、ポリ−4−メチルペンテン−1、
ポリビニル−t−ブタン、1,4−トランス−ポリ−2,3−
ジメチルブタジエン、ポリビニルシクロヘキサン、ポリ
スチレン、ポリメチルスチレン、ポリジメチルスチレ
ン、ポリフルオロスチレン、ポリ−2−メチル−4−フ
ルオロスチレン、ポリビニル−t−ブチルエーテル、セ
ルローストリアセテート、セルローストリプロピオネー
ト、ポリビニルフルオライド、ポリクロロトリフルオロ
エチレン等から選ばれた融点200℃以上のポリマーであ
る。本発明の場合には価格、熱安定性、ポリエステルと
の分散性等の点からポリ−4−メチルペンテン−1、セ
ルローストリアセテート及びその変性体が特に好まし
い。もちろん、該非相溶ポリマーの融点は200℃以上、
好ましくは210℃以上、さらに好ましくは220℃以上であ
ることが必要である。融点が200℃未満だとポリエステ
ルフィルム中での該非相溶ポリマーの分散形状が球状を
とらず、層状の扁平な形状をとることが多く、またクッ
ション性の高いポリエステルフィルムが得られないため
である。さらに、該非相溶ポリマーの融点は、300℃以
下、好ましくは280℃以下、さらに好ましくは260℃以下
であるのが好ましい。これはポリエステルの溶融押出温
度以下でないと該非相溶ポリマーが溶解しないためであ
る。
該非相溶ポリマーの添加量としては、好ましくは3〜
30重量%、さらに好ましくは5〜20重量%である。添加
量が3重量%未満であると、本発明のポリエステルフィ
ルムの比重が0.95以下のものが得にくいばかりか、白色
度が80%以上の白いポリエステルフィルムになりにく
く、さらには、クッション率が10%以上と高いクッショ
ン性に優れたポリエステルフィルムを得ることが困難で
ある。また、逆に該非相溶ポリマーの添加量が30重量%
を越えると、本発明のポリエステルフィルムの機械的性
質が劣ったものになるばかりか、熱寸法安定性にも劣り
150℃の熱収縮率が2%以上と大きくなる等の問題が生
じる。
次に、本発明に用いる低比重化剤とは、ポリエステル
に添加して比重を小さくする効果を持つ化合物のことで
あり、特定の化合物のみその効果が認められる。例え
ば、ポリエチレングリコール、メトキシポリエチレング
リコール、ポリテトラメチレングリコール、ポリプロピ
レングリコール等のポリアルキレングリコール、エチレ
ンオキサイド/プロピレンオキサイド共重合体、さらに
はドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、アルキルス
ルホネートナトリウム塩、グリセリンモノステアレー
ト、テトラブチルホスホニウムパラアミノベンゼンスル
ホネート等で代表されるものである。本発明の場合、特
にポリエチレングリコールが好ましい。低比重化剤の添
加によってポリエステルフィルムの比重を0.1g/cc以上
小さくすることができるものである。さらに、この低比
重化剤の添加によってポリエステルフィルムの白色度が
向上し、表面が平滑化するのみならず、耐劈開性が向上
し、更にポリエステルの延伸性も大幅に向上するという
効果もある。
本発明における低比重化剤の添加量としては、好まし
くは0.1〜5重量%、さらに好ましくは0.5〜3重量%で
ある。添加量が0.1重量%未満であると、ポリエステル
フィルムが低比重化せず、ソフトなフィルムとはならず
ポリエステルフィルムの比重として0.95以下になりにく
い。逆に添加量が5重量%を越えると低比重化の効果が
認められなくなるばかりか、該フィルムの白色度が低下
する。
次に、本発明において非相溶ポリマーがポリエステル
フィルム中で球形に近い形状であること、すなわち、形
状係数が1〜4の範囲にあることが好ましい。ポリエス
テルフィルム中の非相溶ポリマーの性状によって得られ
るフィルム特性、特にフィルムの比重とクッション率と
の相関性、熱寸法安定性、表面粗さ、白色性等に大きな
相違点が生じてくる。すなわち、非相溶ポリマーの形状
が球形に近い場合、層状に分散している場合に比べて低
比重化できるのみならず、白色度、クッション率が高く
熱寸法安定性のよいフィルムを得ることができる。ポリ
マーを球形に近い形状で分散させることは、ポリマーの
形状がポリエステルに添加する非相溶ポリマーの粘度、
相溶性パラメーター、融点、さらには低比重化剤の種
類、添加量等に強く依存する。球状に近い形状とは、フ
ィルム中に分散する非相溶ポリマーの形状係数すなわ
ち、長径と短径の比が1〜4、好ましくは1〜2である
場合をいう。
本発明におけるポリエステフィルムのクッション率
は、好ましくは10%以上、さらに好ましくは15%以上で
ある。クッション率が10%未満であると、例えばピン電
極の押圧が低下した場合鮮明な画像が得られにくく、ま
た、手に触れた時の感触も劣る。
本発明におけるポリエステルフィルムの白色度は好ま
しくは80%以上、さらに好ましくは90%以上である。
上述した非相溶ポリマーや低比重化剤等の添加により
色調は変化するが、必要により蛍光増白剤を添加しても
良い。蛍光増白剤としては、商品名“ユビテック"OB、M
D(チバガイギー社製)、“OB−1"(イーストマン社
製)等が挙げられる。
本発明におけるポリエステルフィルムの光学濃度は、
好ましくは0.7以上1.6以下、さらに好ましくは0.8以上
1.6以下である。光学濃度が0.7未満であると、フィルム
の隠蔽性が不足し、裏側が透けるため好ましくない。ま
た、光学濃度が1.6を越えると多量の微細気泡を含まね
ばならず、フィルム強度が弱くなり好ましくない。
本発明のポリエステルフィルムには、炭酸カルシウ
ム、非晶質ゼオライト粒子、アナターゼ型の二酸化チタ
ン、リン酸カルシウム、シリカ、カオリン、タルク、ク
レー等の微粒子を併用しても良い。これらの添加量はポ
リエステル組成物100重量部に対して0.0005〜25重量部
とするのが好ましい。またこのような微粒子以外にもポ
リエステルの重縮合反応系で触媒残渣とリン化合物との
反応により析出した微粒子を併用することもできる。析
出微粒子としては、例えばカルシウム、リチウム及びリ
ン化合物から成るもの又はカルシウム、マグネシウム及
びリン化合物から成るもの等を挙げることができる。こ
れらの粒子のポリエステル中の含有量はポリエステル10
0重量部に対して0.05〜1.0重量部であることが好まし
い。
なお、プラスチックフィルムの厚さは、10μm〜250
μmであることが好ましい。さらに好ましくは15μm〜
150μmであることが望ましい。これより薄いとフィル
ムとしての機械的強度が足りず、これより厚いと走行性
が悪くなり好ましくない。
プラスチックフィルムは、必要に応じて接着性を向上
させるために公知の表面処理、例えば、コロナ放電処
理、プラズマ放電処理、アンカーコートなどを行なった
りしてもよい。
本発明の導電層はプラスチックフィルムの上に形成さ
れ、その表面電気抵抗は104〜109Ω/口である。かかる
導電層は通常知られものが使用される。例えば、(1)
電子伝導性の金属や金属酸化物からなるもの、(2)イ
オン伝導性の高分子電解質を塗工したもの、(3)導電
性粉末と高分子結着剤や高分子電解質からなる層を塗工
したもの、などである。かかる好ましい導電性組成物と
しては、Al,Cr,Cd,Ti,Fe,Cu,In,Ni,Pd,Pt,Ph,Ru,Ir,Ag,
W,Sn,Zr,Irなどの金属や、ステンレス,真ちゅう,Ni−C
rなどの合金、酸化インジウム,酸化スズ,酸化亜鉛,
酸化チタン,酸化バナジウム,酸化ルテニウム,酸化タ
ンタルなどの金属酸化物、ヨウ化銅などの金属化合物、
四級アンモニウム塩、スルホン酸塩,ポリアルコールな
どの高分子電解質などが挙げられる。
これらは単独でも2種以上組合せて使用してもよい。
なお、高分子結着剤は熱可塑性樹脂または硬化性樹脂か
らなり、通常知られた樹脂が使用される。かかる導電層
は、メッキ,真空蒸着,化学蒸着,スパッタリング,コ
ーティングなどにより形成される。これらの中でもより
均一な薄膜状に形成されるものは記録の安定性が良く、
良好な画像が得られるので好ましい。かかる好ましいも
のとしては、上記(1)と(2)に加えて(3)の中で
は導電性粉末の粒径が0.01μm〜1μmであるものなど
が挙げられる。さらに好ましいのは、Rh,Pd,Pt,Ir,Ruか
らなる群から選ばれた少なくとも1種以上の金属を主体
とした材料からなる島状の不連続金属膜が、表面電気抵
抗の均一性、湿度に対する安定性、記録の安定性などの
点から特に好ましい。なお島状の不連続金属膜とは、プ
ラスチックフィルムの上に金属粒子が点在しているもの
で、その平均サイズとしては10-5〜10-2平方ミクロンの
範囲であることが特に好ましい。島状の不連続金属膜の
密度は面積分率で示すと15〜50%であることが好まし
い。なお、上記(2),(3)の場合の好ましい導電層
の厚さは乾燥後の塗布量として0.1〜5g/m2であることが
好ましく、さらに好ましくは0.2〜2g/m2であることが好
ましい。これより少ないと均一な導電性が得られにく
く、これより多いと記録の安定性が悪くなり好ましくな
い。
本発明の誘電層は、高分子結着剤あるいは高分子結着
剤と粒子からなり、高分子結着剤100重量部に対し粒子
が0〜100重量部であり、かかる該誘電層の表面粗さは
1μm〜20μm、さらに好ましくは、1μm〜15μmで
あり、かつ該誘電層面の平滑度が5秒から1000秒である
ことが好ましい。上記表面粗さおよび平滑度が上記の範
囲外では、記録の安定性が悪くなることがあり、良好な
画像が安定して得られず好ましくない。
かかる高分子結着剤は熱可塑性樹脂または硬化性樹脂
からなり、通常かかる静電記録フィルムの誘電層に用い
られる各種の樹脂が使用し得る。熱可塑性樹脂として
は、例えば、ポリエステル、ポリアミド、ポリエステル
アミド、ポリビニルアセタール、ポリ塩化ビニル、ポリ
(メタ)アクリル酸エステル、ポリイミド、ポリウレタ
ン、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリメチルペン
テン、ポリオレフィン、ハロゲン化ポリオレフィン、ア
ルキド樹脂、ポリアミドイミド、ケイ素樹脂、フッ素樹
脂などやこれらの共重合体やブレンド物などが挙げられ
る。また、光,熱,酸素などにより硬化する硬化性樹脂
としては、例えば、フェノール樹脂,メラミン樹脂,エ
ポキシ樹脂,架橋型有機ケイ素樹脂,反応性モノマを含
有するポリ(メタ)アクリル酸エステル共重合体に架橋
剤を加えて架橋したものなどが挙げられる。これらの高
分子結着剤は体積固有抵抗が1012Ω・cm以上であること
が好ましい。これより小さいと印字濃度が低くなり好ま
しくない。
粒子としては、通常知られる無機粒子および/または
有機粒子が使用される。
かかる無機粒子としては、例えば、酸化ケイ素、酸化
チタン、アルミナ、酸化鉛、酸化ジルコニウム、などの
金属酸化物、炭酸カルシウム、チタン酸バリウム、硫酸
バリウム、などの塩類、有機粒子としては、例えば、ス
チレン−ジビニルベンゼン共重合体、メラミン樹脂、エ
ポキシ樹脂、フェノール樹脂、フッ素樹脂、などから適
宜選択される。これらの粒子は単独でも2種以上混合し
て用いてもよい。上記粒子の平均粒径は、放電の安定性
から一般に0.1〜20μmの範囲で適宜選択するのが好ま
しい。高分子結着剤と粒子の重量比は100/0〜100/100で
あることが好ましい。これより多いと誘電層の膜強度が
弱くなり好ましくない。
誘電層の厚さは乾燥後の塗布量として、0.5〜20g/m2
であることが好ましい。さらに好ましくは、1〜10g/
m2、より好ましくは1〜5g/m2であることが望ましい。
これより少ないと表面電位が低く、印字濃度が薄くな
り、一方これより多いと解像度が悪くなり好ましくな
い。
本発明の誘電層には本発明の目的とする静電記録フィ
ルムとしての特性を損わない範囲で必要に応じて、可塑
剤、接着促進剤、安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、
滑剤、導電粉などを添加してもよい。
誘電層の付加方式は通常知られた方法が有効に使用さ
れる。例えば、刷毛塗り、浸漬塗り、ナイフ塗り、ロー
ル塗り、スプレー塗装、流し塗り、回転塗り(スピンナ
ー、ホエラーなど)、などの中から適宜選択される。
[発明の効果] 本発明はプラスチックフィルムと導電層からなる導電
性フィルムの該導電層の上に誘電層を積層してなる静電
記録フィルムにおいて、特定のプラスチックフィルムを
適用することにより、画像にかぶりがなく、線抜けやゴ
マシオが少なく、鮮明な画像を得ることができ、さら
に、熱寸法安定性、白色性、ソフト性、柔軟性にも優
れ、画像のコントラストがよく、かつ鮮明な画像を得る
ことができたものである。
かくして得られた本発明の静電記録フィルムは優れた
特性を有するので、特にハードコピー用静電記録フィル
ムとして、静電プリンター・プロッター用やファクシミ
リ用、ビデオプリンタ用に使用することができる他、繰
り返し使用するマスターフィルム用静電記録フィルムと
して、複写機用、ファクシミリ受信機用、プリンター用
の転写マスターや、静電潜像転写方式の電子写真プロセ
ス(TESI法)で転写潜像を保持する記録体として、さら
に静電記録方式によるディスプレイ用の記録フィルムと
して、などに使用することができる。
また、本発明の静電記録フィルムのフィルム支持体
は、ポリオレフィン系合成紙(例えば“ユポ”)に比べ
て、耐熱性に優れ、かつ表面の塗料に対する塗れ性が通
常のポリエステルと同様に優れているので、導電層と誘
電層の製造加工条件は実質的にポリエステルフィルムと
同様に行うことができ、製造加工性に優れている。
また、記録方式、すなわち接触型の同一面制御型、両
面制御型、片面制御型、さらには非接触型のイオン流型
などいずれの方式にも適用することができる。
[物性の測定ならびに効果の評価方法] (1) 表面粗さ JIS B0601−1976に従い、カットオフ0.25mm、測定長
4mmで中心線平均粗さRa(μm)及び最大粗さRt(μ
m)を求める。
(2) ボイドの平均球相当径 フィルムの製膜工程の機械方向あるいはその垂直方向
に切った断面を走査型電子顕微鏡で1000倍〜5000倍に拡
大した写真を撮り、指定した厚みの範囲の少なくとも10
0個以上のボイドをイメージアナライザにかけ、ボイド
の面積に相当する円の直径の分布を求める。この分布の
体積平均径をボイドの平均球相当径とする。
(3) 比重 四塩化炭素−n−ヘプタン系の密度勾配管によって25
℃での値を用いる。
(4) 熱収縮率 フィルムは長手方向又は幅方向に幅10mm長さ300mmに
切り、200mm間隔にマーキングし支持板に一定張力(5
g)下で固定した後、マーキング間隔の原長a(mm)を
測定する。次に、3gのクリップを用いて荷重をかけ150
℃の熱風オーブン中で回転させながら30分間処理し、原
長測定と同様にしてマーキング間隔b(mm)を測定す
る。下記の式により熱収縮率を求め、5本の平均値を用
いる。
熱収縮率(%)=(a−b)/a (5) 光学濃度 フィルムを約150μmの厚みになるように重ね、光学
濃度計(TR927、マクベス社製)を用いて透過濃度を測
定する。フィルムの厚みと光学濃度とをプロットし、15
0μmの厚みに相当する光学濃度を求める。
(6) 白色度 JIS−L−1015に準じて、島津製作所(株)製UV−260
を用いて波長450nm及び550nmにおける反射率をそれぞれ
B%、G%としたとき、 白色度(%)=4B−3Gで表わされる。
(7) 延伸性 24時間連続して製膜した時、フィルム破れが皆無のも
のを「良好」、2回以上のものを「破れあり」とする。
(8) クッション率(%) 三豊製作所(株)ダイヤルゲージNo.2109−10に標準
測定子900030を用い、さらにダイヤルゲージスタンドN
o.7001DGS−Mを用いてダイヤルゲージ押え部分に荷重5
0gと500gとをかけた時のそれぞれのフィルムの厚さ
d50、d500から次式により求める。
(9) 形状係数 ボイドの平均径を求めるときと同様に、フィルム断面
での非相溶ポリマーの形状をイメージアナライザーにか
け100個の平均の長径/短径の比率で表わす。
(10) 表面電気抵抗 導電性フィルムを幅30mmに切取り、その切断線に直交
し、かつ間隔が30mmの2本の平行線を想定し、その2本
の線ではさまれる区間を除く右と左にそれぞれ導電性カ
ーボン塗料を塗布し、それを電極とする。この電極間の
電気抵抗をケースレー製エレクトロメータ(タイプ610
−C)を用いて、20℃−65%RHで測定した。単位はΩ/
口で示す。静電記録フィルムもこれに準じて測定した。
(11) 画質 静電記録フィルムの表面にマルチピン電極ヘッドによ
り静電潜像を形成させ、次いで静電潜像を湿式トナー現
像機によって顕像化したのち、乾燥してハードコピー画
像を得た。なお解像度は16本/mmであった。相対湿度は2
0%、60%、80%で記録した。
(イ)かぶり 画像記録の余白部をサクラマイクロデンシトメータ
(モデルPDM−5)で反射濃度として測定し、反射濃度
が0.3以上のものを不良とした。
(ロ)抜け 抜けとは、ドットが形成されないものをいう。
ドットを10(ヘッドと同方向)×100個(ヘッドと垂
直方向)を印字して、抜けの個数を測定した。n=5の
平均値が5個以下が良好、6〜15個をやや良、16個以上
を不良とした。
(ハ)ゴマシオ ゴマシオとはドット形状が異常に大きいものをいう。
16本/mmのドットを印字し、50mm当りのゴマシオの個
数を測定した。40個以下を良好、41〜150個をやや良、1
51個以上を不良とした。
(ニ)線抜け 16ドット/mmで印字し、100mm当たりの線抜けの個数を
測定した。80個以下を良好、81〜250個をやや良、251個
以上を不良とした。
(ホ)コントラスト プラスチックフィルムのヘイズが60%以上で、かつ、
ベタ黒部の印字濃度が0.7以上を良好とした。
(12) ヘイズ 日本精密光学製SPHERE METHOD METER(TYPE SEP−
H−S)を用いて、550nmにおける全光線透過量Ttおよ
び散乱透過光量Tdを測定し、次式においてヘイズを表わ
した。n=5の平均値で示した。
ヘイズ(%)=Td/Tt×100 ヘイズが60%以上を半透明性という。
(13) 平滑度 旭精工株式会社製、王研式透気度平滑度試験機(型式
KB15)で測定した。n=5の平均値で示した。
[実施例] 以下実施例により本発明を説明する。本発明はこれら
に限定されるものではない。なお実施例中の配合部数は
すべて重量部数である。
実施例1 ポリエチレンテレフタレート(極限粘度[η]=0.6
5)を88重量%、ポリ−4−メチルペンテン−1(三井
石油化学(株)TPX−D820)を10重量%、分子量4000の
ポリエチレングリコールを2重量%を混合した原料を押
出機Aに供給し、常法により285℃で溶融してTダイ3
層複合口金の中央層に導入した。
一方、上記ポリエチレンテレフタレート90重量%に、
炭酸カルシウム(平均粒径0.8μm)を10重量%添加し
た原料を押出機Bに供給し、常法により285℃で溶融し
てTダイ3層複合口金の両表層にラミネートして該溶融
体シートを表面温度25℃に保たれた冷却ドラム上に静電
加法で密着冷却固化させた。かくして得られた未延伸フ
ィルムを常法に従い長手方向に98℃に加熱されたロール
群を用いて3.5倍に延伸し、25℃に冷却した。さらに、
該延伸フィルムをテンターに導き125℃に加熱された雰
囲気中で幅方向に3.2倍延伸し、225℃で熱固定を行い、
厚さ100μmのフィルムを得た。フィルムの厚さは表層
5μmずつ、中央層90μmの構成であった。
こうして得た2軸延伸ポリエステルフィルムの上にPd
をスパッタリングして(表面電気抵抗値2×106Ω/口
の)導電性フィルムを得た。この導電性フィルムの上に
誘電層としてアクリル樹脂(東レ製“コータックス”)
/炭酸カルシウム(平均粒径5μm)/導電性酸化スズ
(触媒化成製“エルコム”)=100/20/0.1の20%トルエ
ン溶液をグラビアコータで塗工して(乾燥後の厚さ:3g/
m2,表面粗さRa=0.35μm,Rt=7.0μm,平滑度=85秒)本
発明の静電記録フィルムを得た。
得られた静電記録フィルムの特性は表1に示した通り
であり、熱安定性にすぐれクッション性及び白色性の高
い低比重のフィルムであることがわかる。また、本発明
の静電記録フィルムは、画像にかぶり、抜け、ゴマシ
オ、線抜けがなく、さらにはコントラストが良く鮮明な
画像が得られた。
実施例2 実施例1で得られた2軸延伸ポリエステルフィルムの
上に酸化スズ系の導電層(触媒化成製“エルコム"P300
1)をグラビアコータで塗工して(乾燥後の厚さ:2g/m2,
表面抵抗値2×106Ω/□)、導電性フィルムを得た。
この導電性フィルムの上に誘電層としてポリエステル樹
脂(東レ製“ケミット”)/炭酸カルシウム(平均粒径
5μm)/導電性酸化スズ(触媒化成製“エルコム”)
=100/40/0.1の20%トルエン/酢酸ブチル=1=1溶液
をグラビアコータで塗工して(乾燥後の厚さ:3g/m2,表
面粗さRa=0.75μm、Rt=7.5μm、平滑度=50秒)、
本発明の静電記録フィルムを得た。得られた静電記録フ
ィルムの特性は表2に示した通りであり、画像特性に優
れており、さらにはコントラストが良く鮮明な画像が得
られた。
比較例1 常法によって製造されたポリエチレンテレフタレート
のホモポリマチップ(固有粘度:0.62、融点:259℃)100
重量部に対して、平均粒径0.6μmの酸化チタン20重量
部を含有させ均一分散させた組成の原料を用いて、常法
によって100μmの2軸延伸ポリエステルフィルムを得
た(比重:1.50)。こうして得られた2軸延伸ポリエス
テルフイルムの上に実施例2と同様にして、導電層、誘
電層を塗工して静電記録フィルムを得た。得られた静電
記録フィルムの特性は表2に示した通りであり、画像特
性が劣るものであった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−118664(JP,A) 特開 昭62−116945(JP,A) 特開 昭64−8025(JP,A) 特開 平2−276841(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G03G 5/02 101

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】プラスチックフィルム、導電層および誘電
    層をこの順に積層せしめた静電記録フィルムにおいて、
    該プラスチックフィルムが150℃の熱収縮率が2%未満
    であり、かつ比重が0.95以下のポリエステルフィルムで
    あることを特徴とする静電記録フィルム。
  2. 【請求項2】ポリエステルフィルム中に非相溶ポリマー
    が分散混合され、かつ非相溶ポリマーのフィルム中での
    形状係数が1〜4であることを特徴とする請求項1記載
    の静電記録フィルム。
  3. 【請求項3】非相溶ポリマーがメチルブテンポリマー、
    メチルペンテンポリマー、スチレン系ポリマー、フッ素
    系ポリマー、セルロースアセテート、セルロースプロピ
    オネートポリマーから選ばれた融点200℃以上のポリマ
    ーであることを特徴とする請求項2記載の静電記録フィ
    ルム。
  4. 【請求項4】ポリエステルフィルムがポリエステルに低
    比重化剤を含有させて得られることを特徴とする請求項
    1〜3のいずれかに記載の静電記録フィルム。
  5. 【請求項5】低比重化剤がポリアルキレングリコール、
    エチレンオキサイド/プロピレンオキサイド共重合体、
    アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルスルホン酸塩
    及びそれらの変性体から選ばれたものであることを特徴
    とする請求項4記載の静電記録フィルム。
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