JP2989831B2 - 半導体装置の製造方法 - Google Patents

半導体装置の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は多結晶シリコン膜で形成した抵抗体を備える
半導体装置及びその製造方法に関する。
〔従来の技術〕
従来、半導体装置に設けられる抵抗体としては、半導
体基板における拡散抵抗を利用するもの、或いは多結晶
シリコンの抵抗を利用するものがある。第4図は後者の
抵抗であり、シリコン基板1に設けたシリコン酸化膜2
上に所要パターンの多結晶シリコン膜3を設け、この多
結晶シリコン膜3に不純物原子を添加し、かつ熱処理を
行って所要の導電性を持たせることで適宜抵抗の抵抗体
3Aを形成している。そして、この抵抗体3AをCVDシリコ
ン酸化膜6で覆い、一部に窓をあけて抵抗体3Aに電気接
続する電極5a,5bを形成している。
〔発明が解決しようとする課題〕
上述した従来の抵抗体の構成では、多結晶シリコン膜
に添加される不純物原子の濃度等によって抵抗値を決定
しているため、この抵抗値を変えるには多結晶シリコン
膜中への不純物原子の注入量を変える必要があり、半導
体装置の製造後に抵抗値をコントロールすることは難し
いという問題がある。
本発明は抵抗値を容易にコントロールすることを可能
にした半導体装置を提供することを目的とする。
また、本発明の他の目的は、抵抗値のコントロールが
容易な半導体装置の製造方法を提供することにある。
〔課題を解決するための手段〕
本発明の半導体装置の製造方法は、半導体基板上に第
1の抵抗値を持つ多結晶シリコンから成る抵抗体を形成
する工程と、抵抗体上に第1の不純物を含む絶縁膜を堆
積する工程と、絶縁膜に開孔部を形成して抵抗体の両端
を露呈させる工程と、開孔部から抵抗体に第2の不純物
を拡散し、第1の抵抗値を持つ第1の抵抗領域を挟むよ
うに第1の抵抗値よりも低抵抗な第2の抵抗値を持つ第
2の抵抗領域を形成する工程と、第1の抵抗領域の絶縁
膜上にレーザ光或いは電子ビームを選択的に照射する工
程とを含む。
また、第1の抵抗領域の絶縁膜上にレーザ光或いは電
子ビームが照射された場合、第1の抵抗領域の抵抗値は
第2の抵抗値よりも小さくなるものである。
そして、第1及び第2の抵抗領域を形成する工程の後
に、開口部に電極を形成する工程を含む。
〔作用〕
上述した半導体装置では、レーザ或いは電子線を照射
することで、層間絶縁膜中の不純物を多結晶シリコン膜
に任意に拡散させ、その抵抗値を調整して任意の抵抗値
の抵抗を構成することが可能となる。
また、上述した製造方法では、層間絶縁膜を相違させ
るのみで、従来と同じ工程で抵抗体の製造が可能とされ
る。
〔実施例〕
次に、本発明を図面を参照して説明する。
第1図(a)乃至(d)は本発明の一実施例を製造工
程順に示す断面図である。
先ず、第1図(a)のように、シリコン基板1の表面
に熱酸化等の方法で例えば2000Å厚のシリコン酸化膜2
を形成する。この上に、CVD法で多結晶シリコン膜3を2
000Åの厚さに堆積し、かつ写真蝕刻法により所要のパ
ターン形状に形成する。
次に、第1図(b)のように、層間絶縁膜として不純
物、例えばボロンを含む珪酸ガラス膜4を3000Åの厚さ
で全面に堆積し、前記多結晶シリコン膜3を被覆する。
次いで、第1図(c)のように、写真蝕刻法を用いて
ボロン珪酸ガラス膜4に多結晶シリコン膜3に通じる開
孔をあけ、かつこの開孔からボロン原子を多結晶シリコ
ン膜3中に添加し、拡散させる。これにより、多結晶シ
リコン膜3は開孔に繋がる所定領域にボロンが拡散さ
れ、この領域に低抵抗値の抵抗体3aが形成される。ボロ
ンが拡散されない領域は、多結晶シリコンの高抵抗値の
抵抗体3bとして残される。
しかる後、第1図(d)のように、開孔に選択的にア
ルミ電極5a,5bを形成して前記多結晶シリコン膜3に電
気接続し、抵抗体の接続用電極として構成する。
そして、必要に応じて、多結晶シリコン膜3上のボロ
ン珪酸ガラス膜4、特に高抵抗値として構成されている
抵抗体3bの領域上のボロン珪酸ガラス膜4の部分にレー
ザ光或いは電子ビームを選択的に照射し、ボロン珪酸ガ
ラス膜4中のボロン原子を抵抗体3bに拡散させる。
したがって、このように構成した抵抗体では、ボロン
珪酸ガラス膜4の開孔から多結晶シリコン膜3にボロン
を拡散させて抵抗体3aを形成した第1図(c)の状態
と、その後にレーザ光等を用いて多結晶シリコン膜の高
抵抗値の抵抗体3bにボロン珪酸ガラス膜4からボロンを
拡散させた第1図(d)の状態では、抵抗体全体として
の抵抗値を変化させることができる。
即ち、第2図(a)に多結晶シリコン膜3で構成した
抵抗体の平面図を示し、かつ第2図(b)及び(c)に
夫々レーザを照射する前後の状態の抵抗の等価回路を示
している。これらの図から判るように、第2図(b)の
ようにレーザ照射を行わない場合には、抵抗体3aの間に
高抵抗の抵抗体3bが存在しているため、全体の抵抗値は
抵抗体3bで支配され、電極間の抵抗値は高抵抗となる。
一方、第2図(c)のようにレーザ照射を行った場合に
は、抵抗体3bに対するボロンの拡散を進めることで、こ
の抵抗体3bを抵抗体3aよりも低抵抗値に設定でき、全体
の抵抗値は抵抗体3aで支配され、電極間の抵抗値は低抵
抗となる。
したがって、レーザ照射によって抵抗値を任意にコン
トロールすることができ、所望の抵抗値の抵抗体を容易
に構成することが可能となる。
また、第1図の製造方法では、層間絶縁膜4を従来の
ものと相違させるだけで製造が可能であり、製造工程が
複雑化されることはない。
なお、第3図(a)は本発明を応用した実施例の平面
図であり、本発明の抵抗体3と従来の抵抗体3Aとを並列
に配したものである。そして、第3図(b)は抵抗体3
にレーザ照射を行っていない場合の等価回路図であり、
第3図(c)は抵抗体3にレーザ照射を行った場合の等
価回路図である。
レーザ照射を行っていない場合には、本発明による抵
抗体3は全体として高抵抗となり、これを抵抗体3Aと並
列に配した場合には、回路自体の抵抗値は低抵抗3Aで決
まる値となる。また、レーザ照射を行った場合は、本発
明による抵抗体3は全体として低抵抗にでき、抵抗体3A
との並列抵抗値となる。
なお、本実施例ではボロン原子を多結晶シリコン膜に
添加して抵抗体を形成したが、層間絶縁膜にリン原子を
含むリン珪酸ガラス膜を用いても、抵抗体にリン原子を
拡散することで抵抗値を任意にコントロールすることが
可能となる。
〔発明の効果〕
以上説明したように本発明は、多結晶シリコンで構成
した抵抗体を、不純物を含む層間絶縁膜で覆っているの
で、レーザ或いは電子線を必要に応じて照射すれば、抵
抗体の抵抗値を任意に変えて所要の抵抗値の抵抗を容易
に製造することができる。また、本発明の製造方法は、
前記抵抗体を簡単に製造することができる。
また、本発明では、抵抗体としての多結晶シリコン膜
の両端部は不純物が拡散されて低抵抗とされた上で電極
が接続されているため、レーザや電子線を照射して多結
晶シリコン膜を低抵抗化する際には、電極が形成されて
いる部分に不純物が拡散されなくとも、電極接続箇所に
高抵抗領域が残されるようなことはなく、必要とする抵
抗値の抵抗体を容易に得ることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図(a)乃至(d)は本発明に係る抵抗体をその製
造工程順に示す断面図、第2図(a)は抵抗体の平面
図、第2図(b)及び(c)はレーザ照射前後の各等価
回路図、第3図(a)は本発明の抵抗体を応用した例の
平面図、第3図(b)及び(c)はレーザ照射前後の各
等価回路図、第4図は従来の半導体装置における抵抗体
の断面図である。 1……シリコン基板、2……シリコン酸化膜、3……多
結晶シリコン膜、3a……抵抗体、3b……高抵抗体、3A…
…従来の抵抗体、4……ボロン珪酸ガラス(層間絶縁
膜)、5a,5b……電極、6……CVDシリコン酸化膜。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】半導体基板上に第1の抵抗値を持つ多結晶
    シリコンから成る抵抗体を形成する工程と、該抵抗体上
    に第1の不純物を含む絶縁膜を堆積する工程と、該絶縁
    膜に開孔部を形成して前記抵抗体の両端を露呈させる工
    程と、前記開孔部から前記抵抗体に第2の不純物を拡散
    し、前記第1の抵抗値を持つ第1の抵抗領域を挟むよう
    に前記第1の抵抗値よりも低抵抗な第2の抵抗値を持つ
    第2の抵抗領域を形成する工程と、前記第1の抵抗領域
    の前記絶縁膜上にレーザ光或いは電子ビームを選択的に
    照射する工程とを含むことを特徴とする半導体装置の製
    造方法。
  2. 【請求項2】前記第1の抵抗領域の前記絶縁膜上に前記
    レーザ光或いは前記電子ビームが照射された場合、前記
    第1の抵抗領域の抵抗値は前記第2の抵抗値よりも小さ
    くなることを特徴とする請求項1記載の半導体装置の製
    造方法。
  3. 【請求項3】前記第1及び第2の抵抗領域を形成する工
    程の後に、前記開口部に電極を形成する工程を含むこと
    を特徴とする請求項1記載の半導体装置の製造方法。
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