JP2989582B1 - 巻線用フォーマ - Google Patents

巻線用フォーマ

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JP2989582B1 JP17517498A JP17517498A JP2989582B1 JP 2989582 B1 JP2989582 B1 JP 2989582B1 JP 17517498 A JP17517498 A JP 17517498A JP 17517498 A JP17517498 A JP 17517498A JP 2989582 B1 JP2989582 B1 JP 2989582B1
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Abstract

【要約】 【課題】 着脱が容易な巻線用フォーマを提供する。 【解決手段】 コアと巻線とを絶縁する鍔部付の絶縁カ
バーを装着してコアに線条材を巻線する際に、線条材が
絶縁カバーの巻線空間に巻線されるように線条材を案内
する巻線用フォーマにおいて、コアに固定するために前
記鍔部を挿入する挿入孔を備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、線条材が所定巻姿
で巻線されるようにを線条材を案内する巻線用フォーマ
に関する。
【0002】
【従来の技術】実開昭59−44167号公報(実公平
2−37263号公報)には、従来のコイルフォーマ
(本願の巻線用フォーマに相当するもの)の一例が記載
されている。この公報に記載されたコイルフォーマは、
巻線対象物であるステータコアを挟み込むように、コイ
ルフォーマを装着し、該コイルフォーマの内側(ロータ
ー側)に装着するようにしたロッドによって連結するこ
とによりステータコアに固定するものである。
【0003】また、特開昭61−62348号公報に
は、そのFIG.2等に示されるように、外側電磁素子
を挟むように配置される磁心被覆部にピンをそれぞれ設
け、該ピンを案内形成部材(本願の巻線用フォーマに相
当する部材)に形成された穴に挿入することにより、案
内形成部材を外側電磁素子に固定する技術が示されてい
る。
【0004】このような巻線用フォーマを用いてステー
タコアに巻線を施す場合、例えば上記実開昭59−44
167号公報に記載されているように、ステータコアの
中央貫通口(ロータが装着される部分)に先端部から線
条材を引き出すニードルを挿通し、該ニードルをコイル
フォーマの周りで旋回移動させることにより、ステータ
コアに線条材を案内・巻線する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記実開昭
59−44167号公報に記載された技術は、コイルフ
ォーマにロッドを装着する部分を設ける必要があると共
に、ロッドを介してコイルフォーマを連結することによ
り、コイルフォーマにステータコアを固定するので、ス
テータコアへのコイルフォーマの着脱が容易ではない。
近年著しいモータの小型化によって、ステータコアも小
型化している。上記実開昭59−44167号公報に記
載された方法を用いて小型のステータコアに巻線をする
場合、ロッドをステータコアの中央貫通口に挿通できな
い事態が生じ、巻線できないという問題が生じる。
【0006】一方、特開昭61−62348号公報に記
載の技術では、磁心被覆部に設けられたピンを案内形成
部材の穴に挿入することにより案内形成部材を外側電磁
素子に固定するので、案内形成部材の着脱が容易ではあ
るが、巻線終了後にピンを切断・除去する必要があり、
工数が掛かるという問題点がある。また、この技術の場
合、案内形成部材に各々1つ設けられたピンを案内形成
部材の穴に挿入することにより案内形成部材を固定する
ので、案内形成部材を所定姿勢で外側電磁素子に固定す
ることが困難である。
【0007】本発明は、上述する問題点に鑑みてなされ
たもので、以下の点を目的とするものである。 (1)着脱が容易な巻線用フォーマを提供する。 (2)所定姿勢で容易に固定することが可能な巻線用フ
ォーマを提供する。 (3)ステータコア等の非装着部材に特別な加工を施す
ことなく固定することが可能な巻線用フォーマを提供す
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、第1の手段として、コアと巻線とを絶縁
する絶縁カバーを装着してコアに線条材を巻線する際
に、線条材が絶縁カバーの巻線空間に巻線されるように
線条材を案内する巻線用フォーマにおいて、コアに固定
するために前記巻線空間を形成する絶縁カバーの内側鍔
に挿入する挿入孔を備えるという手段を採用する。ま
た、第2の手段として、上記第1の手段において、コア
はインナーロータ型モータのステータコアであり、ステ
ータコアに装着される絶縁カバーのロータ側に位置する
内側鍔部に挿入するように挿入孔を形成するという手段
を採用する。なお、上記各手段において、挿入応力によ
ってコアに固定するように鍔部の形状に対して僅かに相
異する形状に挿入孔を形成するという手段を用いても良
い。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、本発明に
係わる巻線用フォーマの一実施形態について説明する。
【0010】図1は、本実施形態の構造及びその取付け
状態を示す斜視図である。この図において、符号1は巻
線用フォーマ、2はステータコア、3は樹脂カバーであ
る。ステータコア2は、インナーローター型モータのス
テータ(固定磁極)を構成するものであり、この図に示
すように、ローターに対向配置される円弧状の内側コア
部2a、モータケース等に固定される円弧状の外側コア
部2b及び内側コア部2aと外側コア部2bとを中央部
において連結する連結コア部2cとから構成された板状
コア材を複数積層して構成されている。
【0011】このように板状コア材を積層して構成され
たステータコア2には、内側コア部2aと外側コア部2
bと連結コア部2cとを覆うように、板状コア材の積層
方向の両側から1対の樹脂カバー3が装着されるように
なっている。すなわち、この樹脂カバー3は、内側絶縁
部3aと外側絶縁部3bと連結絶縁部3cとから構成さ
れている。
【0012】内側絶縁部3aは、上記内側コア部2aの
外面(外側コア部2bに対向する側の面)に密着対向す
るように円弧状に形成されており、その先端部が線条材
を保持する内側鍔部3dを形成している。外側絶縁部3
bは、外側コア部2bの内面(内側コア部2aに対向す
る側の面)に密着対向するに円弧状に形成されており、
その先端部は線条材を保持する外側鍔部3eを形成して
いる。連結絶縁部3cは、上記内側絶縁部3aと外側絶
縁部3bとを連結すると共に、連結コア部2cを取囲む
ように該連結コア部2cと密着対向するように形成され
ている。
【0013】このように構成された樹脂カバー3を板状
コア材の積層方向の両側からステータコア2に装着する
ことにより、内側コア部2aの外面と外側コア部2bの
内面と連結コア部2cの外周は、内側鍔部3dと外側鍔
部3eと連結絶縁部3cとによって囲まれた空隙(巻線
空間3f)に巻回される線条材に対して完全に絶縁状態
とされる。このように構成された1対の樹脂カバー3と
上記ステータコア2とは、ステータの磁心4を構成する
ものであり、該磁心4に線条材を巻回することによりイ
ンナーローター型モータのステータ(固定磁極)が形成
される。
【0014】このようなインナーローター型モータの磁
心4に対して、本実施形態の巻線用フォーマ1は、互い
に逆方向に突出した各内側鍔部3dにそれぞれ固定する
ように構成されている。すなわち、本巻線用フォーマ1
は、端面1aに円弧状の挿入孔1bが形成された胴部1
cと該胴部1cの先端に形成された半円錐状のすべり部
1dとから構成されている。このすべり部1dの錐面1
eは、上記巻線空間3fに線条材を巻回する際に、線条
材が滑ることによって巻線空間3fに案内されるように
形成されている。
【0015】上記円弧状の挿入孔1bは、同じく円弧状
の内側鍔部3dが挿入される孔である。本巻線用フォー
マ1は、内側鍔部3dを挿入孔1bに挿入することによ
り磁心4に装着・固定される。また、挿入孔1bの曲率
は、巻線用フォーマ1が磁心4にしっかりと固定される
ように、内側鍔部3dの曲率に対して若干異なった曲率
に形成されている。
【0016】次に、このように構成された巻線用フォー
マ1の作用について説明する。図2は、上記巻線用フォ
ーマ1の磁心4に装着した状態を示す断面図である。上
記インナーローター型モータは、2極のステータからな
る、すなわち2つのステータの各々の内側コア部2a間
の空間にロータ(回転子)が配置されて構成されるもの
である。
【0017】上記磁心4に線条材を巻線する場合、ま
ず、各々の樹脂カバー3の内側鍔部3dが巻線用フォー
マ1の挿入孔1bに挿入されて、巻線用フォーマ1が磁
心4に装着・固定される。この場合、内側鍔部3dを挿
入孔1bに挿入するのみによって巻線用フォーマ1が装
着されるので、巻線用フォーマ1の磁心4への装着が極
めて容易である。また、内側鍔部3dと挿入孔1bと
は、円弧状に形成されているので、巻線用フォーマ1を
所定姿勢で磁心4に装着・固定することができる。
【0018】さらに、内側鍔部3dの曲率は、挿入孔1
bの曲率に対して若干異なるようになっているので、内
側鍔部3dの挿入によって生じる応力の作用によって、
巻線用フォーマ1を安定して磁心4に固定することが可
能であると共に、巻線用フォーマ1の装着姿勢をも一定
に保持することができる。
【0019】上記ロータが配置される空間には、内部に
2本の線条材Xが挿通されると共に、その軸線方向に往
復駆動可能かつ所定角度で正逆方向に回動駆動可能な中
空ロッド5が挿入・配置される。この中空ロッド5の先
端部には、互いに逆向きに配置されたノズル6A,6B
が設けられており、各々のノズル6A,6Bからは線条
材Xが引出されるようになっている。
【0020】図3は、巻線用フォーマ1が装着された磁
心4の正面図(外側コア部2b側から見た図)である。
上記中空ロッド5を往復駆動かつ回転駆動させることに
より、各ノズル6A,6Bの移動軌跡は、図示するよう
に、磁心4の両端に装着された各巻線用フォーマ1の周
りを公転する軌道Lとなり、線条材Xが各磁心4の巻線
空間3fに巻回される。
【0021】すなわち、この図において、ノズル6A
(6B)が位置a及び位置bにある場合、中空ロッド5
は、各磁心4の対向方向(紙面に垂直方向)に対してノ
ズル6A,6Bの軸線方向が平行となるように回転駆動
される(図2参照)。そして、ノズル6A(6B)が位
置a及び位置bから離間するに従って、各磁心4の対向
方向に対してノズル6A,6Bの軸線方向が徐々に垂直
方向となるように回転駆動されることにより、各ノズル
6A,6Bは各巻線用フォーマ1の周りを公転する。
【0022】この巻線の際、各ノズル6A,6Bが位置
a及び位置b及びその近傍に位置する場合、各ノズル6
A,6Bから引出される線条材は、各巻線用フォーマ1
の錐面1eに案内されて巻線空間3fに滑り落ちる。こ
のようにして巻線が終了すると、巻線用フォーマ1は磁
心4から取外されるが、この場合においても、内側鍔部
3dを挿入孔1bから引抜くのみによって巻線用フォー
マ1を極めて容易に取外すことができる。
【0023】なお、本実施形態では、2極のステータか
らなるインナーローター型モータの磁心に線条材を巻線
する際に用いられる巻線用フォーマについて説明した
が、本願発明は、磁心が予め備えている円弧状の内側鍔
部を用いて巻線用フォーマを装着する点、つまり内側鍔
部を挿入する挿入孔を設けた点を主な特徴とするもので
あり、上記実施形態に限定されるものではない。本発明
は、内側鍔部を有する各種磁心の巻線にも適用すること
ができる。また、ステータを構成する磁心の巻線ように
限定されるものではなく、各種コアを用いた磁心の巻線
にも適用することができる。
【0024】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係わる巻
線用フォーマによれば、以下のような効果を奏する。 (1)コアと巻線とを絶縁する絶縁カバーを装着してコ
アに線条材を巻線する際に、線条材が絶縁カバーの巻線
空間に巻線されるように線条材を案内する巻線用フォー
マにおいて、コアに固定するために前記巻線空間を形成
する絶縁カバーの内側鍔部に挿入する挿入孔を備えるの
で、従来のように絶縁カバーに特別な加工を施すことな
く、所定姿勢でコアに固定することができると共に、コ
アに対する着脱を容易化することができる。 (2)コアはインナーロータ型モータのステータコアで
あり、ステータコアに装着される絶縁カバーのロータ側
に位置する内側鍔部に挿入するように挿入孔を形成する
ので、ステータコアに確実に巻線することができる。 (3)また、ステータコアに対する着脱が容易なので、
ステータコアの巻線を自動ラインに組み込むことができ
る。例えば、搬送装置によって送られてきたステータコ
アを巻線ステーションにて位置決めして、挿入装置によ
り巻線用フォーマを上下方向からステータコアに挿入
し、上述したように巻線を行う。そして、巻線が終了す
ると、挿入装置が作動されて巻線用フォーマがステータ
コアから取外され、ステータコアは搬送装置によって次
に作業ステーションに搬送される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態の構造及びその取付け状
態を示す斜視図である。
【図2】 本発明の一実施形態の磁心への取付状態を示
す断面図である。
【図3】 本発明の一実施形態が装着された磁心の正面
図である。
【符号の説明】
1……巻線用フォーマ 1a……端面 1b……挿入孔 1c……胴部 1d……すべり部 1e……錐面 2……ステータコア 2a……内側コア部 2b……外側コア部 2c……連結コア部 3……樹脂カバー 3a……内側絶縁部 3b……外側絶縁部 3c……連結絶縁部 3d……内側鍔部 3e……外側鍔部 3f……巻線空間 4……磁心
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H02K 15/095 H02K 15/085 H02K 15/06 H02K 15/04

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 コアと巻線とを絶縁する絶縁カバーを装
    着してコアに線条材を巻線する際に、線条材が絶縁カバ
    ーの巻線空間に巻線されるように線条材を案内する巻線
    用フォーマであって、 コアに固定するために前記巻線空間を形成する絶縁カバ
    ーの内側鍔部に挿入する挿入孔を備えることを特徴とす
    る巻線用フォーマ。
  2. 【請求項2】 コアはインナーロータ型モータのステー
    タコアであり、ステータコアに装着される絶縁カバーの
    ロータ側に位置する内側鍔部に挿入するように挿入孔を
    形成することを特徴とする請求項1記載の巻線用フォー
    マ。
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