JP2989420B2 - 射出成形用R−Fe−B系合金混練物等の保存方法 - Google Patents

射出成形用R−Fe−B系合金混練物等の保存方法

Info

Publication number
JP2989420B2
JP2989420B2 JP5097193A JP9719393A JP2989420B2 JP 2989420 B2 JP2989420 B2 JP 2989420B2 JP 5097193 A JP5097193 A JP 5097193A JP 9719393 A JP9719393 A JP 9719393A JP 2989420 B2 JP2989420 B2 JP 2989420B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
atomic
injection molding
kneaded
phase
alloy powder
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP5097193A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH06287602A (ja
Inventor
治 山下
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Proterial Ltd
Original Assignee
Sumitomo Special Metals Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Special Metals Co Ltd filed Critical Sumitomo Special Metals Co Ltd
Priority to JP5097193A priority Critical patent/JP2989420B2/ja
Publication of JPH06287602A publication Critical patent/JPH06287602A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2989420B2 publication Critical patent/JP2989420B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Powder Metallurgy (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、R−Fe−B系合金
粉末にメチルセルロースおよび/または寒天と水とを主
成分とするバインダーを添加、混練した射出成形用混練
物、該混練物を射出成形機により成形した成形体、ある
いは該成形体の余剰部の保存方法に係り、射出成形用R
−Fe−B系合金混練物等を密封状態で冷凍保存するこ
とにより、残留酸素量を増加させることなく長時間保存
可能にした射出成形用R−Fe−B系合金混練物等の保
存方法に関する。
【0002】
【従来の技術】今日、家電製品を初めコンピュータの周
辺機器や自動車等の用途に用いられる小型モーターやア
クチュエータなどには、小型化、軽量化とともに高性能
化が求められており、その磁石材料も小型化、軽量化、
薄肉化からさらに三次元的に複雑な形状製品が要求され
ている。
【0003】複雑な形状の高性能永久磁石を得る方法と
しては、R−Fe−B系合金鋳塊を粉砕して得られた合
金粉末とパラフィン系ワックスや熱可塑性樹脂からなる
バインダーを混練して射出成形し、脱バインダー後に焼
結するR−Fe−B系焼結永久磁石の製造方法(特開昭
64−28302号、特開昭64−28303号)が提
案されている。
【0004】しかし、上記の製造方法は、バインダーに
パラフィン系ワックスや熱可塑性樹脂からなるバインダ
ーを用いるため、該バインダーと合金粉末中のR成分と
が反応して、形成後、脱バインダー処理を施しても焼結
後の焼結体中に多量の酸素及び炭素が残留するため、得
られる永久磁石の磁気特性を劣化させる問題があった。
【0005】そこで、本発明者らは、従来のパラフィン
系ワックスや熱可塑性樹脂からなるバインダーに代え
て、メチルセルロースと水あるいはメチルセルロースと
寒天と水を主成分とするバインダーを用い、該バインダ
ーのゾル・ゲル反応を利用して射出成形することによ
り、バインダーとR成分との反応を抑制し、残留酸素、
炭素量を低減したR−Fe−B系焼結磁石の製造方法
(特願平4−191727号、特願平4−191728
号)を提案した。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記のR−F
e−B系焼結磁石の製造方法においては、バインダー中
の大部分が水であるために、R−Fe−B系合金粉末の
R成分と水との反応が起こり易く、特に該合金粉末とバ
インダーとの混練物を成形するまでの間、成形後の成形
体を焼結するまでの間、あるいは成形の際に発生するス
プールやランナーと呼ばれる成形体余剰部をリサイクル
するために保存すると、時間の経過とともに該混練物や
成形体中の残留酸素量が増加する問題があった。
【0007】この発明は、上記の問題を解決し、R−F
e−B系合金粉末とメチルセルロースおよび/または寒
天と水とを主成分とするバインダーとを混練した射出成
形用混練物、該混練物を射出成形機により成形した成形
体、射出成形時の該成形体の余剰部、すなわち射出成形
用R−Fe−B系合金混練物等の保存に際し、その残留
酸素を増加させることなく、一定時間あるいは長時間保
存できる保存方法の提供を目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】すなわち、この発明は、
R−Fe−B系合金粉末(RはYを含む希土類元素の少
なくとも1種)と、メチルセルロースおよび/または寒
天と水とを主成分とするバインダーを混練した射出成形
用混練物、または該混練物を射出成形機により成形した
成形体、あるいは射出成形時の該成形体の余剰部を保存
するに際し、密封状態で冷凍保存することを特徴とする
射出成形用R−Fe−B系合金混練物等の保存方法であ
る。
【0009】 R−Fe−B系合金粉末 この発明において、R−Fe−B系合金粉末としては、
R(但しRはYを含む希土類元素のうち少なくとも1
種)8原子%〜30原子%、Fe42原子%〜90原子
%、B2原子%〜28原子%を主成分とする平均粒度1
〜10μmが望ましく、さらに1〜6μmの微粉末が好
ましい。希土類元素R(但しRはYを含む希土類元素の
うち少なくとも1種)は、Nd、Pr、Ho、Tbのう
ち少なくとも1種、あるいはさらにLa、Sm、Ce、
Er、Eu、Pm、Tm、Yb、Yのうち少なくとも1
種を含むものが好ましく、8原子%未満では結晶構造が
α鉄と同一構造の立方晶組織となるため、高磁気特
性、特に高保磁力が得られず、30原子%を越えるとR
リッチな非磁性相が多くなり、残留磁束密度(Br)が
低下して、すぐれた特性の永久磁石が得られない。よっ
て、Rは8原子%〜30原子%が好ましい範囲である。
Bは、2原子%未満では菱面体組織となり、高い保磁力
(iHc)は得られず、28原子%を越えるとBリッチ
な非磁性相が多くなり、残留磁束密度(Br)が低下す
るため、すぐれた永久磁石が得られない。よって、Bは
2原子%〜28原子%が好ましい範囲である。Feは、
42原子%未満では残留磁束密度(Br)が低下し、9
0原子%を越えると高い保磁力が得られないので、Fe
は42原子%〜90原子%の含有とする。また、この発
明において、Feの一部をCoで置換することは、得ら
れる磁石の磁気特性を損うことなく温度特性を改善する
ことができるが、Co置換量がFeの50%を越える
と、逆に磁気特性が劣化するため好ましくない。また、
下記添加元素のうち少なくとも1種を添加することは、
Fe−B−R系永久磁石に対してその保磁力等を改善あ
るいは製造性の改善、低価格化に効果がある。 Ti、
Ni、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Mn、Al、
Sb、Ge、Sn、Zr、Bi、Hf、Cu、Si、
S、C、Ca、Mg、P、H、Li、Na、K、Be、
Sr、Br、Ag、Zn、N、F、Se、Te、Pb。
【0010】さらに、R−Fe−B系合金粉末として、
R(但しRはYを含む希土類元素のうち少なくとも1
種)12原子%〜25原子%、B4原子%〜10原子
%、Co0.1原子%〜10原子%、Fe68原子%〜
80原子%を主成分とし、R2Fe14B相を主相とする
平均粒径1〜5μmの主成分系合金粉末と、R3Co相
を含むCo又はFeとRとの金属間化合物相に一部R2
(FeCo)14B相等を含み、R(但しRはYを含む希
土類元素の内少なくとも1種)20原子%〜45原子
%、Co3原子%〜20原子%、B12原子%以下、残
部Feとする平均粒径8〜40μmの液相系化合物粉末
を所定の割合で配合混合した原料を用いることができ
る。上記の配合合金粉末において、主成分系合金粉末を
得るには、Rは、12原子%未満では合金溶製時に晶出
するα−Fe相が増加し好ましくなく、12原子%以上
になるとRリッチ相が増加し、R2Fe14B相とRリッ
チ相の2相が発生し、2相を含有する組織となるが、R
が25原子%を超えると残留磁束密度(Br)が低下す
るため、Rは12原子%〜25原子%とする。また、B
は、4原子%未満では高い保磁力(iHc)が得られ
ず、10原子%を超えると残留磁束密度(Br)が低下
するため、Bは4原子%〜10原子%とする。主成分系
合金粉末中のCoは、0.1原子%以上含有すると、原
料中の酸素量を低減させる効果がある。またCoが10
原子%を超えると、R2Fe14B相中のFeと置換され
て保磁力を失うため、Coを含有させる場合は0.1原
子%〜10原子%が好ましい。さらに、残部はFeおよ
び不可避的不純物からなり、Feは68原子%未満では
相対的に希土類元素がリッチとなり、Rリッチ相が増加
し、80原子%を超えると残留Fe部が増加しすぎて、
相対的に希土類元素が少なくなり、バインダーとの酸化
反応により、液相焼結に必要な希土類元素が消耗しすぎ
るため、68原子%〜80原子%の範囲が好ましい。主
成分系合金粉末には、主相となるR2Fe14B相ととも
に、焼結性の向上及び焼結後の残留磁束密度の向上のた
め、4wt%〜20wt%のRリッチ相を含有させるこ
とができる。R3Co相を含むCo又はFeとRとの金
属間化合物相(但しCoの1部あるいは大部分をFeに
て置換できる)からなる液相系化合物粉末は、R3Co
相あるいはR3Co相のCoの一部Feで置換された相
とからなり、中心相が、RCo5、R2Co7、RCo3
RCo2、R2Co3、R2Fe17、RFe2 Nd2
17、Nd5Co19、Dy6Fe2、DyFe等、及び前
記金属間化合物相とR2(FeCo)14B、R1.11(F
eCo)44等のいずれかからなる合金粉末である。液
相系化合物粉末の組成は、前述の如く、目的組成の希土
類元素の種類とその量に応じて、金属間化合物の含有希
土類元素比率を変化させる。しかし、Rが20%原子未
満では主成分系原料と配合して磁石を製造する際に、主
成分系のRの一部酸化によるRの消耗分の補充が充分で
なく、焼結時の液相の発現が十分でなくなる。また45
原子%を超えると含有酸素量の増加を招き好ましくな
い。また、Coは前記の化合物を形成させるためには3
原子%以上必要であり、20原子%を超えると保磁力が
低下するため、3〜20原子%とし、残部はFeで置換
することができる。さらに、Bは12原子%を超えると
2(FeCo)14B相以外にB−rich相やFe−
B化合物等が余剰に存在することとなるので好ましくな
い。さらに、主成分系合金粉末および/またはR3Co
相を含むCo又はFeとRとの金属間化合物相及びR2
(FeCo)14B相等からなる液相系化合物粉末に、C
u、S、Ni、Ti、Si、V、Nb、Ta、Cr、M
o、W、Mn、Al、Sb、Ge、Sn、Zr、Hf、
Ca、Mg、Sr、Ba、Be、のうち少なくとも1種
を添加含有させることにより、得られる永久磁石の高保
磁力化、高耐食性化、温度特性の改善が可能になる。
【0011】さらに、この発明におけるR−Fe−B系
合金粉末表面に予め樹脂を被覆しておくと、該粉末中の
R成分とバインダー中の水との反応をさらに抑制でき、
この発明の保存方法とのによる相乗効果がさらに期待で
きるとともに該粉末とバインダーとを混練した混練物
の、ゲル状態でのゲル強度を増強させる効果もあり、射
出成形して得られた成形体の生強度を向上させて、ひい
ては、焼結後の焼結体の残留酸素量・炭素量の低減、並
びに焼結体中のポアー、ボイドを低減することができ
る。R−Fe−B系合金粉末の表面に樹脂を被覆する場
合は、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリメ
チルアクリレート(PMA)などのメタクリル樹脂、ポ
リプロピレン、ポリスチレン、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩
化ビニル、ポリエチレン、ポリアクリロニトリルなどの
熱可塑性樹脂の単独または複合したものが好ましい。R
−Fe−B系合金粉末表面への樹脂の被覆方法として
は、公知のいずれの被覆方法も採用できるが、特に均一
な被覆を行なうには、メカノフュージョンシステムある
いはハイブリダイゼーションシステムと呼ばれる被覆処
理方法や、ボールミルなどを用いることが有効である。
【0012】この発明において、射出成形用のバインダ
ーには、所定温度によりゾル・ゲル変態を起こすメチル
セルロースまたは寒天あるいはそれらを複合したものに
水を添加したものを用いる。バインダーとして、メチル
セルロースを単独で用いる場合の添加量は、合金粉末に
対して0.05〜0.5wt%が好ましく、寒天を単独
で用いる場合の添加量は0.6〜4.0wt%が好まし
く、またメチルセルロースと寒天を複合して用いる場合
は、0.2〜4.0wt%の範囲が好ましい。いずれ
場合にも、添加量が下限値未満になると成形時の強度が
著しく低下するとともに成形金型と成形体との離型性が
悪化するため好ましくなく、また添加量が上限値を超え
ると焼結後の焼結密度が低下するとともに残留炭素量と
酸素量が増加して得られる金属の特性が劣化し好ましく
ない。
【0013】また、上記メチルセルロースおよび/また
は寒天と混合して用いる水の添加量は、合金粉末に対し
て、メチルセルロースの場合は6〜16wt%が好まし
く、寒天の場合は8〜18wt%が好ましく、またメチ
ルセルロースと寒天を複合して用いる場合は、6〜18
wt%の範囲が好ましい。いずれの場合にも、添加量が
下限値未満になると成形時の流動性が悪くなり、ショー
ト・ショットが発生しやすくなり、また添加量が上限値
を超えると実質総バインダー量が増加するために、焼結
後の焼結密度が低下すると同時に残留酸素量が増加し、
得られる金属の特性が劣化する場合がある。さらに、水
として脱酸素処理した純水を用いると、合金中のR成分
とバインダー中の水との反応をさらに抑制することがで
き、本発明の保存方法とによる相乗効果がさらに期待で
きる。
【0014】この発明におけるメチルセルロースおよび
/または寒天と水からなるバインダーに、潤滑剤とし
て、グリセリン、ワックスエマルジョン、ステアリン酸
のうち少なくとも1種を、メチルセルロースの場合0.
1〜0.3wt%、寒天の場合0.1〜1.0wt%、
またメチルセルロースと寒天を複合して用いる場合は
0.1〜1.0wt%程度添加することも、成形体の密
度の均一性向上や成形体の強度向上を図るために有効で
ある。
【0015】この発明の特徴は、上述したR−Fe−B
系合金粉末と、メチルセルロースおよび/または寒天と
水とを主成分とするバインダーとを混練した射出成形用
混練物を成形するまでの間、該混練物を射出成形機によ
り成形した成形体を焼結するまでの間、射出成形時の該
成形体の余剰部をリサイクルするために保存しておく間
など、一定時間あるいは長期間におよぶ保存をする際
に、密封状態で冷凍保存することである。冷凍保存は、
0℃以下の温度であればよく、市販のフリーザーなどを
用いることができる。また、保存容器は、混練物や成形
体からの水分の蒸発を防止、並びに霜などの付着を防止
するために、密閉できるものであることが好ましい。保
存容器としては、例えば、ビニール袋やそれに代わるも
の、またプラスチック製や金属製のものでも差しつかえ
ない。
【0016】
【作用】この発明は、R−Fe−B系合金粉末と、メチ
ルセルロースおよび/または寒天と水とを主成分とする
バインダーと混練した射出成形用混練物、該混練物を射
出成形機により成形した成形体、成形の際発生するスプ
ールやランナーと呼ばれる成形体余剰部を密封状態で冷
凍保存することにより、R−Fe−B系合金粉末のR成
分と水との反応が抑制されるため、成形や焼結などの次
工程に移る前、あるいはリサイクル原料として用いるた
めに、一定時間あるいは長期間の保存においても該混練
物及び成形体中の残留酸素量が増加せずに、最終的に得
られる焼結体の残留酸素量及び残留炭素量の増加を大幅
に低減することができ、安定した磁気特性のR−Fe−
B系焼結永久磁石を提供することができる。また、密封
して保存するため、混練物および成形体中の水分の蒸発
を防止できるので、解凍後に該混練物の流動性が変化す
ることもなく、さらに、解凍も室温などで容易にできる
ほか、リサイクル原料を効率よく使用できることから、
最終製品となるR−Fe−B系焼結永久磁石を安価にし
て提供することが可能となる。
【0017】
【実施例】Nd10.5原子%、Pr3.1原子%、B
6.6原子%、Co3.0原子%、残部Fe及び不可避
的不純物からなり、R2Fe14Bを主相とする合金を、
Arガス中で高周波加熱溶解することにより得た。該合
金を粗粉砕した後、ジョークラッシャーなどにより平均
粒径15μmに粉砕し、さらにジェットミル粉砕により
微粉砕して平均粒径3.0μmの主成分系合金粉末を得
た。また、Nd19.7原子%、Pr0.8原子%、D
y1.1原子%、Co15.0原子%、B4.5原子
%、残部Feからなる合金を、Arガス中で高周波加熱
溶解することにより得た。該合金をジョークラッシャー
などにより平均粒径14μmに粉砕して液相系化合物粉
末を得た。上記主成分系合金粉末と液相系化合物粉末を
重量比で9:1の割合で配合し混合した。得られた混合
粉末の組成は、Nd11.4原子%、Pr2.82原子
%、Dy0.11原子%、Co4.2原子%、B6.4
原子%、残部Feであった。得られた混合粉末と、バイ
ンダーとして市販のメチルセルロース粉末を0.2wt
%添加して20分間混合し、さらに水分量が10wt%
となるように水を添加するとともにグリセリン0.1w
t%添加して室温で10分間混練した(本発明1)。ま
た、混合粉末と、バインダーとして寒天粉末(清水食品
社製MA−2000)2.0wt%及び水分量が10w
t%となるように水を添加して70℃で20分間混練
し、さらにグリセリンを0.2wt%添加して室温で1
0分間混練した(本発明2)。得られた各混練物をそれ
ぞれ100gづつビニール袋に入れて密封し、−5℃に
設定したフリーザーの中に入れ、1、100、300、
500時間でサンプリングして、各々の保存時間におけ
る混練物の酸素量を測定した。測定結果を表1に示す。
なお、比較例として実施例と同様の混練物をそれぞれ1
00gづつビニール袋に入れて密封し、室温(20℃)
で保存した時の1、100、300、500時間での混
練物の酸素量の測定値を実施例とともに表1に示す。
【0018】
【表1】
【0019】表1から明らかなように、この発明による
冷凍保存した混練物は、時間の経過ならびにバインダー
の種類に関係なく、酸素量は一定であるが、比較例の如
く、室温で保存した混練物は、酸素量が保存時間ととも
に急激に増加している。
【0020】
【発明の効果】この発明の如く、R−Fe−B系合金粉
末と、メチルセルロースおよび/または寒天と水とを主
成分とするバインダーと混練した射出成形用混練物、該
混練物を射出成形機により成形した成形体、成形の際発
生するスプールやランナーと呼ばれる成形体余剰部を密
封状態で冷凍保存することにより、R−Fe−B系合金
粉末のR成分と水との反応が抑制されるため、成形や焼
結などの次工程に移る前、あるいはリサイクル原料とし
て用いるために、一定時間あるいは長期間の保存におい
ても該混練物及び成形体中の残留酸素量が増加せずに、
最終的に得られる焼結体の残留酸素量及び残留炭素量の
増加を大幅に低減することができ、安定した磁気特性の
R−Fe−B系焼結永久磁石を提供することができる。
また、密封して保存するため、混練物および成形体中の
水分の蒸発を防止できるので、解凍後に該混練物の流動
性が変化することもなく、さらに、解凍も室温などで容
易にできるほか、リサイクル原料を効率よく使用できる
ことから、最終製品となるR−Fe−B系焼結永久磁石
を安価にして提供することが可能となる。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 R−Fe−B系合金粉末(RはYを含む
    希土類元素の少なくとも1種)と、メチルセルロースお
    よび/または寒天と水とを主成分とするバインダーとを
    混練した射出成形用混練物、または該混練物を射出成形
    機により成形した成形体、あるいは射出成形時の該成形
    体の余剰部を保存するに際し、密封状態で冷凍保存する
    ことを特徴とする射出成形用R−Fe−B系合金混練物
    等の保存方法。
  2. 【請求項2】 R−Fe−B系合金粉末表面に樹脂を付
    着又は被覆したことを特徴とする請求項1記載の射出成
    形用R−Fe−B系合金混練物等の保存方法。
JP5097193A 1993-03-30 1993-03-30 射出成形用R−Fe−B系合金混練物等の保存方法 Expired - Lifetime JP2989420B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5097193A JP2989420B2 (ja) 1993-03-30 1993-03-30 射出成形用R−Fe−B系合金混練物等の保存方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5097193A JP2989420B2 (ja) 1993-03-30 1993-03-30 射出成形用R−Fe−B系合金混練物等の保存方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH06287602A JPH06287602A (ja) 1994-10-11
JP2989420B2 true JP2989420B2 (ja) 1999-12-13

Family

ID=14185757

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP5097193A Expired - Lifetime JP2989420B2 (ja) 1993-03-30 1993-03-30 射出成形用R−Fe−B系合金混練物等の保存方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2989420B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JPH06287602A (ja) 1994-10-11

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5427734A (en) Process for preparing R-Fe-B type sintered magnets employing the injection molding method
JPH0319296B2 (ja)
CN1019245B (zh) 耐腐蚀稀土金属磁铁
JP3540438B2 (ja) 磁石およびその製造方法
EP0576282B1 (en) A process for preparing R-Fe-B type sintered magnets employing the injection molding method
JPH0348645B2 (ja)
JP3229435B2 (ja) 射出成形法によるR−Fe−B系焼結磁石の製造方法
JP2989420B2 (ja) 射出成形用R−Fe−B系合金混練物等の保存方法
JP2002015909A (ja) 磁石粉末、ボンド磁石の製造方法およびボンド磁石
JP2960629B2 (ja) 射出成形法によるR−Fe−B系焼結磁石の製造方法
JP3174443B2 (ja) 射出成形法によるR−Fe−B系焼結磁石の製造方法
JP4650218B2 (ja) 希土類系磁石粉末の製造方法
JP2954816B2 (ja) 射出成形法によるR−Fe−B系焼結磁石の製造方法
JP4345588B2 (ja) 希土類−遷移金属−窒素系磁石粉末とその製造方法、および得られるボンド磁石
JPH06168810A (ja) 射出成形法によるR−Fe−B系焼結磁石の製造方法
JP3338590B2 (ja) 射出成形法によるR−Fe−B系焼結磁石の製造方法
JPH06290922A (ja) 射出成形法によるR−Fe−B系焼結磁石の製造方法
JPH044386B2 (ja)
JP3078633B2 (ja) 焼結異方性磁石の製造方法
JPH024939A (ja) 希土類―遷移金属系磁石合金
JPH044384B2 (ja)
JPH0677028A (ja) 射出成形法によるR−Fe−B系焼結磁石の製造方法
JPH05140608A (ja) 射出成形用磁石合金粉末と焼結異方性磁石の製造方法
JPH02202001A (ja) ボンディッド磁石
JPH0212801A (ja) ボンド磁石用コンパウンド及びその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081008

Year of fee payment: 9

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081008

Year of fee payment: 9

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091008

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101008

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101008

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111008

Year of fee payment: 12

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121008

Year of fee payment: 13

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131008

Year of fee payment: 14