JP2986687B2 - 早戻りパスタの製造方法 - Google Patents

早戻りパスタの製造方法

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JP2986687B2
JP2986687B2 JP6196096A JP19609694A JP2986687B2 JP 2986687 B2 JP2986687 B2 JP 2986687B2 JP 6196096 A JP6196096 A JP 6196096A JP 19609694 A JP19609694 A JP 19609694A JP 2986687 B2 JP2986687 B2 JP 2986687B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、湯戻り時間の短縮され
た高品質の早戻りパスタの製造方法に関するものであ
り、更に詳しくは、食に供するに当たり熱水で戻してそ
のまま喫食し得る状態に復元する際に、従来の早戻りパ
スタ製品よりも湯戻り時間が短く、かつ湯戻り後の食感
及び製品の透明感が良好な高品質の早戻りパスタの製造
方法に関するものである。
【0002】一般に、消費者ニーズの多様化と、食品の
加工技術の発展に伴い、各種の食品の即席化が急速に進
む中で、パスタ類についても例外ではなく、従来、簡単
な調理操作を施すだけで簡便に食することが可能な種々
のタイプの即席パスタ製品が開発されており、近年、多
種多様な新製品が開発され、提案される中で、その技術
開発競争も一段と激化する傾向にある。
【0003】
【従来の技術】このような従来の製品及び技術として
は、例えば、即席マカロニ類の製造法として、ジューラ
ム種の小麦粉もしくは強力小麦粉或いはそれらの混合物
の85乃至75重量%と地下根茎起源の15乃至25重
量%との混合物を加水して混練し、この混合物を加圧下
に成形し、得られる成形物を蒸煮した後その表面に界面
活性剤を付着させ、次いで上記成形物をそれが含有する
澱粉の糊化温度以上の温度で熱風乾燥し、その間該成形
物にその表面が硬化するも内部が硬化しない時点で揉圧
処理を施すことにより、従来のマカロニ類のように長時
間蒸煮することなく、熱水と均一に接触させるかもしく
は極めて短時間の蒸煮にて食用に供し得るようになる即
席マカロニ類の製造方法(特開昭59−28446号公
報)、が開示されている。しかしながら、この製法は、
上記の如く、界面活性剤を付着させる工程、揉圧処理を
施す工程等の特殊な処理を施す点にその特徴を有するも
のであり、かつ得られる製品も本発明のものとは明らか
に別異のものである。
【0004】また、即席パスタ類の製造法として、デュ
ーラム種小麦粉又は強力粉もしくはそれらの混合物を基
質とする原料に微細化した氷晶末を氷点以下の低温下に
混合し、得られる混合物を加圧成形方式により氷晶を融
解させながら成形し、次いで該成形物を蒸煮した後熱風
乾燥することにより、数分程度の短時間熱水と接触させ
るか又は茹でることにより生パスタの状態に復元して食
用に供し得るようになる即席パスタ類の製造方法(特開
昭59−31665号公報)、が開示されている。しか
しながら、この製法は、上記の如く、原料に微細化した
氷晶末を氷点以下の低温下に混合する工程等の特殊な工
程を採用することを特徴とするものであり、本発明のも
のと基本的に相違している。
【0005】また、乾燥パスタの製造方法として、粉砕
穀類生成物及び水を含む混合物を調製し、形成混合物か
らパスタを形成し、パスタは蒸気により予備加熱し、同
時にpH5.0〜5.5の高熱水を間欠的に噴霧して乾
物含量35〜45重量%を有する予備加熱パスタを得、
その後予備加熱パスタを乾燥することにより、消費する
場合に急速に再構成できるようになる乾燥パスタの製造
方法(特開平4−267858号公報)、が開示されて
いる。この製法は、上記の如く、pH5.0〜5.5に
調整した高熱水を使用することにより、予備処理による
出発材料のロスを低減する点にその特徴を有するもので
あり、また、後に中和する工程が必要とされる。
【0006】更に、ノンフライ乾燥即席麺として、小麦
粉と澱粉とを主体としてなるノンフライ乾燥即席麺であ
って、上記小麦粉として、粗蛋白質量11.0重量%以
上かつ湿麩量33.0重量%以上の強力小麦粉を使用
し、小麦粉と澱粉との比率を2:3〜3:2に設定し
た、喫食に際し、熱水を注ぐだけで極く短時間に復元
し、良好な食感、風味を呈するノンフライ乾燥即席麺
(特開平5−176698号公報)、が開示されてい
る。このノンフライ乾燥即席麺は、原料の組成を規定し
ているものの、製造プロセスについては格別の規定はな
く、具体的に記載されている製造方法では麺のα化が完
全ではないので、出来上がった麺は湯戻りが遅いもので
ある。
【0007】このように、従来、各種の即席パスタ製品
の製造技術が種々開発されているものの、本発明者等が
検討したところによれば、湯戻りが良好で、かつ湯戻り
後の食感及び製品の透明感が優れている製品を簡便に製
造するには、更に技術的な改良を加えて製品の一層の高
品質化を図ることが必要であり、また、当業界において
も、かかる見地からの製品開発が強く要請されている状
況にあった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】このような状況の中に
あって、本発明者等は、従来の各種即席パスタ製品より
も湯戻り時間が短く、かつ湯戻り後の食感及び製品の透
明感が良好な高品質の新しいタイプの早戻りパスタを開
発することを目標として鋭意研究を重ねた結果、原料の
組成を特定化するだけではなく、各製造工程における製
造条件を特定化して組み合わせることによって、前記従
来の製造技術を一層改良化し、湯戻り時間を短縮し得る
と共に、製品の一層の高品質化を図ることが可能である
ことを見い出し、本発明を完成するに至った。
【0009】すなわち、本発明は、従来の早戻りパスタ
製品よりも湯戻り時間が短く、かつ湯戻り後の食感及び
製品の透明感が優れている高品質の早戻りパスタの製造
方法を提供することを目的とするものである。
【0010】また、本発明は、特殊な製造工程を採用す
ることなく、原料組成、及び各製造工程における製造条
件を特定化して組み合わせることによって、従来の即席
パスタ製品の製造技術では得ることのできなかった湯戻
り時間の短縮された高品質の即席パスタ製品を簡便に製
造することが可能な早戻りパスタの製造方法を提供する
ことを目的とするものである。
【0011】また、本発明は、上記製造方法によって製
造されてなる湯戻り時間の短縮された食感及び製品の透
明感の良好な新しいタイプの早戻りパスタ製品を提供す
ることを目的とするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
るための本発明は、次の(1)〜(3)の技術的手段か
らなるものである。 (1)以下の工程; 強力粉及び/又は中力粉からなる小麦粉と前記小麦
粉に対して20〜40重量%の澱粉又は加工澱粉とを主
原料とする原料に、全粉体原料に対し25〜45重量%
の水を加えて混練する工程、 肉厚が0.9mm以下となるように成形する工程、 0.1〜3kg/cm2 、0.5〜10分間の条件
で蒸煮する工程、 5〜40℃の水と接触させ、水分含量を40〜80
%に調整する工程、 0.1〜3kg/cm2 の条件で蒸煮し、α化度を
50%以上にする工程、 70〜90℃、20〜40%RHの条件で乾燥し、
水分含量を5〜15%に調整する工程、 からなることを特徴とする早戻りパスタの製造方法。
【0013】(2)澱粉又は加工澱粉が、タピオカ澱粉
である前記(1)記載の早戻りパスタの製造方法。
【0014】(3)水との接触方法が、浸漬である前記
(1)記載の早戻りパスタの製造方法。
【0015】次に、本発明について更に詳細に説明す
る。ここで、本発明の前記各構成要件について具体的に
説明すると、まず、主原料の小麦粉、澱粉及び加工澱粉
のうち、小麦粉は、強力粉、中力粉、又はこれらを組合
わせたものが使用されるが、これらは、小麦粉の性状、
製品のタイプ、求める食感等に応じて適宜ブレンドして
使用することができる。小麦粉は、強力粉、中力粉又は
それらと同等のものであれば、如何なるものであっても
良く、特に限定されるものではない。
【0016】次に、澱粉、加工澱粉は、通常のものであ
れば全て使用することが可能であるが、このうち、澱粉
としては、例えば、タピオカ澱粉、馬鈴薯澱粉、コーン
スターチなどの生澱粉が好適なものとして例示される。
また、加工澱粉としては、例えば、上記生澱粉を水和加
熱してα化したり、リンやイオウにより架橋したり、湿
式により水分補給したり、ジ亜塩素酸ナトリウムで洗浄
処理したりしたものが好適なものとして例示されるが、
これらに限定されるものではなく、それらと同等のもの
であれば、適宜使用することができる。本発明において
は、上記澱粉または加工澱粉の中でも特にタピオカ澱粉
が好適なものとしてあげられる。
【0017】主原料に占める上記澱粉又は加工澱粉の割
合は、前記小麦粉に対して20〜40重量%、好ましく
は25〜35重量%配合する。この場合、澱粉又は加工
澱粉の割合が20重量%を下回ると、湯戻しした際に、
出来上がったパスタの戻りが悪いので好ましくない。ま
た、40重量%を上回ると、湯戻しした際に、出来上が
ったパスタを戻した時、食感が柔らかくなり、麺のび感
が出てくるので好ましくない。尚、澱粉、加工澱粉を混
用することも適宜可能である。
【0018】本発明においては、上記主原料の他に、副
原料として、種々の機能を有する適宜の食品材料、食品
添加材料を配合することができるが、とりわけ、風味付
けに有用なものとして、例えば、ほうれん草、かぼちゃ
などの野菜パウダー、オレンジ、アップルなどのフルー
ツパウダーを使用することができる。また、呈味付けに
有用なものとして、例えば、乾燥バジルなどの香辛料、
コンソメ、各種エキス類などの調味料を使用することが
できる。また、色付けに有用なものとして、例えば、ほ
うれん草色素、かぼちゃ色素、オレンジ色素などの色素
又はそれらと同等のものを適宜配合することができる。
その他、製品のタイプに応じ、乾燥卵白、増粘剤、ショ
糖脂肪酸エステルなどの乳化剤、その他、適宜の食材を
配合することが可能である。また、原料中に、例えば、
デキストリンを加えることにより、出来上がったパスタ
を湯戻しした時のつやがよくなり、舌触りが滑らかにす
ることができる。
【0019】次に、各製造工程について説明すると、本
発明においては、まず、上記原料に、水を加えて混練す
るが、当該混練工程は、ピンミキサー、ニーダーなどの
一般的な混練装置を使用して常法により行えば良い。ま
た、原料に対する加水量は、全粉体原料に対して25〜
45重量%で、好ましくは30〜38重量%である。こ
の場合、原料に対する加水量が25重量%を下回ると、
ドウ中のグルテン形成が不十分となるので好ましくな
い。また、原料に対する加水量が45重量%を上回る
と、ドウの粘性が増加しすぎるので好ましくない。
【0020】混練した原料混合物は、次に成形処理を施
すが、当該成形工程では、エクストルーダー、ロール製
麺機などの成形装置を用いて成形する方法が採用され
る。このうち、まず、エクストルーダーにより押し出し
成形する方法としては、例えば、1軸エクストルーダ
ー、2軸エクストルーダー、特にマカロニ用の1軸エク
ストルーダーが好適なものとして例示される。この場
合、押し出し条件としては、常圧でなければならない
が、ここで、常圧とは、1軸又は2軸スクリューの回転
のみで押し出し成形するか、あるいは脱気を行わないで
押し出し成形することを意味する。かかる方法により、
肉厚が0.9mm以下、好ましくは0.75mm以下と
なるように押し出すことが重要である。この場合、肉厚
が0.9mmを上回ると、出来上がったパスタの戻りが
悪くなるので好ましくない。上記方法により押し出され
たものは、適宜長さにカットされる。また、ロール製麺
機などを用いて常法によりシート状に成形する方法も使
用することが可能であるが、この場合も、上記押し出し
成形の場合と同様に、シートの肉厚が0.9mm以下と
なるように成形することが重要である。シート状に形成
されたものは、適宜長さにカットされる。
【0021】次に、上記成形工程により成形されたもの
は、蒸煮工程において一次蒸煮処理を施す。当該一次蒸
煮工程では、α化を行い、次工程での吸水力の向上をは
かると同時に、表面の澱粉の溶出を防止する。蒸煮の条
件としては、圧力0.1〜3kg/cm2 で、0.5〜
10分間、好ましくは、圧力0.5〜1.5kg/cm
2 で、1〜3分間である。この場合、圧力条件が、0.
1kg/cm2 を下回ると、上記効果が不十分となるの
で好ましくない。また、圧力条件が、3kg/cm2
上回ると、パスタ表面の蒸気による「荒れ」がひどくな
るので好ましくない。上記一次蒸煮工程により、最終的
に、パスタの水分含量は約30〜70%となる。
【0022】一次蒸煮を終了後、水分調整工程で水分含
量を調整する。水分調整工程では、次工程でのα化を促
進させるために、特定の温度の水、又は、塩などの調味
液と接触させて吸水させる。接触方法としては、浸漬、
シャワーリング、噴霧などにより行う方法が好適なもの
として例示されるが、中でも、浸漬が特に好ましい。水
は、水温5〜40℃、好ましくは18〜30℃のものを
使用し、これをパスタと0.1〜10分程度接触させる
が、この場合、水温が5℃を下回ると、吸水速度が遅く
なるので好ましくない。また、水温が40℃を上回る
と、パスタがふやけてしまうので好ましくない。水分調
整工程により、最終的に、パスタの水分含量を約40〜
80%、好ましくは50〜70%にするが、この場合、
水分含量が40%を下回ると、次工程でのα化処理が不
完全なものとなるので好ましくない。また、水分含量が
80%を上回ると、次工程でのパスタの形状が崩れてし
まうので好ましくない。
【0023】前記水分調整工程により水分調整を行った
後、必要により水切りしてから二次蒸煮工程により蒸煮
する。二次蒸煮工程では、α化を更に高めるが、蒸煮の
条件としては、圧力0.1〜3kg/cm2 、好ましく
は圧力0.5〜1.5kg/cm2 で、0.5〜10分
間程度蒸煮する。この場合、圧力条件が、0.1kg/
cm2 を下回ると、パスタ澱粉のα化が不十分となるの
で好ましくない。また、3kg/cm2 を上回ると、パ
スタ表面の蒸気による「荒れ」がひどくなるので好まし
くない。上記二次蒸煮工程により、最終的に、パスタの
α化度を50%以上、好ましくは85%以上にするが、
この場合、α化度が50%を下回ると、湯戻り時間が長
くなるので好ましくない。
【0024】次に、乾燥工程で乾燥して、水分含量を特
定のレベルに調整する。乾燥工程では、特定の水分とな
るように乾燥することが重要である。乾燥工程における
乾燥条件としては、70〜90℃、好ましくは75〜8
5℃で20〜40%RHで、パスタの水分含量が5〜1
5%、好ましくは8〜11%になるまで乾燥する。この
場合、温度が70℃を下回ると、乾燥に時間がかかるの
で好ましくない。また、温度が90℃を上回ると、パス
タが焦げてしまうので好ましくない。また、湿度条件に
ついては、湿度が20%RHを下回ると、パスタが急速
に乾燥され、ひび割れ、焦げの原因となるので好ましく
ない。湿度が40%RHを上回ると、乾燥時間が長くな
るので好ましくない。この場合、水分含量が5%を下回
ると、パスタが割れやすくなる。また、水分含量が15
%を上回ると、保存上問題点が生じる。
【0025】本願発明は、上記の如く、特定の原料組成
の原料を使用し、各製造工程及び当該製造工程における
各製造条件を特定化して所定の範囲で組み合わせること
によって、湯戻り時間が格段に短く、短時間(3分以
下)で確実に復元することが可能であり、かつ湯戻り後
の食感及び製品の透明感の良好な高品質の熱風乾燥早戻
りパスタ製品を製造することを可能としたものであり、
上記各工程及び条件のいずれを欠いても所期の目標達成
することは困難であり、また、目的の製品を得ることは
不可能である。従来製品には、湯戻り時間が4分程度の
ものもあるが、湯戻しした時に、ポーラスなものとなっ
たり、表面がひぶくれ状態なものとなったりして、食感
が著しく劣化し、高品質の製品を得ることは困難であっ
た。このような高品質の熱風乾燥早戻りパスタは、本発
明者等の知るところによれば、これまで報告された例が
なく、本発明によって、はじめて、このような従来製品
にみられない新しい優れた特性を具備した新しいタイプ
の製品を提供することが可能になった。
【0026】
【実施例】次に、実施例に基づいて本発明を更に具体的
に説明するが、本発明は当該実施例に限定されるもので
はない。 実施例1 (原料配合)以下の及びの二種類の原料配合のもの
を準備した。尚、配合の単位はg単位を示す(以下同
様)。 中力粉 3000 強力粉 1500 タピオカ澱粉 990 中力粉 1310 ほうれん草パウダー 60 タピオカ澱粉 940 水 1460 水 1350
【0027】(処理工程)次に、上記原料配合のものを
以下の製造工程及び製造条件で処理することにより、最
終水分含量9%の乾燥製品を製造した。すなわち、上記
原料配合のものを、まず、混練工程において、ピンミキ
サーにより、1200rpm、12分の条件で、混練し
てグルテンを十分に形成させた後、1軸エクストルーダ
ーにより、脱気処理をしないで、1000rpmの条件
で押し出し成形処理して、肉厚0.75mmのマカロニ
状に成形した。次いで、一次蒸煮工程において、圧力1
kg/cm2 、1分の条件で、蒸煮して、α化を行った
後、水分調整工程において、水温23℃の条件下に、3
分間水浸漬を行い、水分含量を65〜70%に調整し
た。続いて、二次蒸煮工程において、圧力1kg/cm
2 、1分の条件で、蒸煮して、α化度が約90%のパス
タを得た。次いで、水洗い(シャワリング)を行い、適
宜、アミコンベアからパスタをはがし、くっつき合った
パスタ同士をはなした後、乾燥工程において、乾燥温度
80℃、30%RHの条件で、45分間熱風乾燥処理し
て、最終水分9%の乾燥製品を得た。
【0028】(結果)上記及びの原料配合のものか
ら、それぞれ、上記の製造工程により製造した乾燥製品
を、常法により湯戻し処理し、得られた製品の食感につ
いて専門のパネラーによる官能試験を実施した。その結
果、上記の原料配合の製品は、3分で湯戻りを完了
し、ソフトな食感のパスタを得ることができた。また、
湯戻し時間が約7分まで、同食感を保持できた。一方、
上記の原料配合の製品は、3分で湯戻りを完了し、上
記の原料配合の製品に比べ、コシのあるパスタを得る
ことができた。また、湯戻し時間が約7分まで、同食感
を保持できた。上記及びの原料配合の製品は、共
に、従来製品と比較して、湯戻り時間が格段に短く、短
時間(3分以下)で確実に復元することが可能であり、
また、湯戻し時間が約7分まで食感を良好に保持するこ
とが可能であり、更に、製品の透明感が良好であり、か
つ、一般の湯戻りパスタにおいては粉っぽさが残ってい
るのと違い、粉っぽさが全くないソフトなパスタである
ので、スープ、調味液との調和が良く、スープ等の具材
として最適なものであることが分かった。
【0029】比較例 (原料配合)比較例として、以下の〜の原料配合の
ものを準備した。尚、配合の単位はg単位を示す。 中力粉 3000 α化馬鈴薯澱粉 150 水 1130 中力粉 3000 タピオカ澱粉 150 水 1130 薄力粉 2000 中力粉 1000 水 1080 中力粉 3000 タピオカ澱粉 990 水 1450
【0030】上記〜の各原料配合のものを、以下の
処理工程1の各製造工程及び製造条件で処理して、乾燥
製品を製造した。また、上記の原料配合のものは、以
下の処理工程2の各製造工程及び製造条件で処理して、
乾燥製品を製造した。 (処理工程1)すなわち、上記〜の各原料配合のも
のを、まず、混練工程において、ピンミキサーにより、
1200rpm、12分の条件で、混練してグルテンを
十分に形成させた後、1軸エクストルーダーにより、脱
気処理をしないで、1000rpmの条件で、押し出し
成形処理して、肉厚0.75mmのマカロニ状に成形し
た。次いで、一次蒸煮工程において、圧力1kg/cm
2 、1分の条件で、蒸煮して、α化を行った後、水分調
整工程において、水温22℃の条件下に、5分間水浸漬
を行い、水分含量を65〜70%に調整した。続いて、
二次蒸煮工程において、圧力1kg/cm2 、3分の条
件で、蒸煮して、α化度が約90%のパスタを得た。次
いで、水洗い(シャワリング)を行い、適宜、アミコン
ベアからパスタをはがし、くっつき合ったパスタ同士を
はなした後、乾燥工程において、乾燥温度80℃、30
%RHの条件で、50分間熱風乾燥処理して、最終水分
9%の乾燥製品を得た。
【0031】(処理工程2)一方、上記の原料配合の
ものを、まず、混練工程において、ピンミキサーによ
り、1200rpm、12分の条件で、混練してグルテ
ンを十分に形成させた後、1軸エクストルーダーによ
り、脱気処理をしないで、1000rpmの条件で、押
し出し成形処理して、肉厚0.75mmのマカロニ状に
成形した。次いで、蒸煮工程のおいて、圧力1kg/c
2 、5分の条件で、蒸煮して、α化を行い、α化度が
約80%のパスタを得た。続いて、乾燥工程において、
乾燥温度80℃、30%RHの条件で、45分間熱風乾
燥処理して、最終水分9%の乾燥製品を得た。
【0032】(結果)上記〜の原料配合のものを、
上記製造工程により処理して得られる乾燥製品は、以下
のような性状を示した。上記及びの原料配合の製品
は、湯戻りに約5分要した。一方、上記の原料配合の
製品は、3分で湯戻りが完了したが、時間と共に「ふや
け」が進行し、ついには湯水中に溶解してしまった。ま
た、上記の原料配合のものを、上記製造工程により処
理して得られる上記の原料配合の製品は、注湯後4分
で、吸水が進行し、パスタは、少しふやけた状態になっ
ているが、喫食に適さず、時間の経過と共に「ふやけ」
だけが進行した。
【0033】実施例2 シートの肉厚を0.8mmに調整した製品を製造した。
尚、比較例として、シートの肉厚を1.0mmに調整し
たものを製造して、製品の湯戻りに要する時間を比較し
た。 (原料配合)以下の原料配合のものを準備した。 中力粉 3000 タピオカ澱粉 930 乾燥卵白 56 水 1430
【0034】(処理工程)上記原料配合のものを、以下
の製造工程及び製造条件で処理して、乾燥製品を製造し
た。すなわち、上記原料配合のものを、まず、混練工程
において、ピンミキサーにより、1200rpm、12
分の条件で、混練してグルテンを十分に形成させた後、
1軸エクストルーダーにより、脱気処理をしないで、1
000rpmの条件で、押し出し成形処理した。次い
で、ロール成型機にて肉厚を0.8mmに調整し、さら
に10mm幅にカットした。また、比較例として、同様
にして、肉厚を1.0mmに調整したものを用意した。
次いで、一次蒸煮工程において、圧力1kg/cm2
1分の条件で、蒸煮して、α化を行った後、水分含量調
整工程において、水温21℃の条件下に、3分間水浸漬
を行い、水分含量を65〜70%に調整した。続いて、
二次蒸煮工程において、圧力1kg/cm2 、1分の条
件で、蒸煮して、α化度が約90%のパスタを得た。次
いで、乾燥工程において、乾燥温度85℃、30%RH
の条件で、45分間熱風乾燥処理して、上記各肉厚のも
のについて、それぞれ、最終水分9%の乾燥製品を得
た。
【0035】(結果)上記処理工程により得られた乾燥
製品(肉厚0.8mmに調整したもの)は、湯戻りに約
3分要した。一方、比較例の製品(肉厚1.0mmに調
整したもの)は、湯戻りに約6分要した。
【0036】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明は、前記し
た特定の製造工程及び製造条件を組み合わせてなる新し
いタイプの早戻りパスタの製造方法を提供するものであ
り、本発明によれば、従来の早戻りパスタ製品と比較し
て、湯戻り時間が格段に短く、短時間(3分以下)で確
実に復元することが可能であり、かつ湯戻り後の食感及
び製品の透明感の優れた高品質の製品が得られるばかり
でなく、従来の乾燥パスタに比べて、高級感を具備した
付加価値の高い製品が得られると共に、更に従来製品で
問題とされていた湯戻し後に食した時の粉っぽさがなく
なると云う格別の効果が得られる。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 以下の工程; 強力粉及び/又は中力粉からなる小麦粉と前記小麦
    粉に対して20〜40重量%の澱粉又は加工澱粉とを主
    原料とする原料に、全粉体原料に対し25〜45重量%
    の水を加えて混練する工程、 肉厚が0.9mm以下となるように成形する工程、 0.1〜3kg/cm2 、0.5〜10分間の条件
    で蒸煮する工程、 5〜40℃の水と接触させ、水分含量を40〜80
    %に調整する工程、 0.1〜3kg/cm2 の条件で蒸煮し、α化度を
    50%以上にする工程、 70〜90℃、20〜40%RHの条件で乾燥し、
    水分含量を5〜15%に調整する工程、 からなることを特徴とする早戻りパスタの製造方法。
  2. 【請求項2】 澱粉又は加工澱粉が、タピオカ澱粉であ
    る請求項1記載の早戻りパスタの製造方法。
  3. 【請求項3】 水との接触方法が、浸漬である請求項1
    記載の早戻りパスタの製造方法。
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