JP2986519B2 - 燐脂質結合グリコサミノグリカン - Google Patents
燐脂質結合グリコサミノグリカンInfo
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Description
コサミノグリカン又はその塩に関する。
血管内皮細胞やその下の基底膜と呼ばれる血管内皮細胞
の細胞外マトリックスと接着し、接着した癌細胞が細胞
外マトリックス内に湿潤、透過して新しい組織に転移巣
をつくることが知られている。例えばS.Korachらは(Ca
ncer Research 46,3624〜3629,(1986))癌細胞のクロ
ーニングで高転移性細胞と低転移性細胞の群に分け、培
養内皮細胞に対するin vitroでの接触試験で、高転移性
の癌細胞は高い接着率を示し、低転移性のものは低い接
着率を示すことから、血管内皮細胞やその細胞外マトリ
ックスに対する接着性が癌の転移と深くかかわっている
ことを報告している。
ンの細胞接着部位にあるペプチド・GRGDSは、拮抗的に
細胞と細胞外マトリックスとの結合を阻害する。山田ら
は(Science 233,467〜470,(1986))このペプチド・G
RGDSがB16F10細胞のマウスにおける肺転移を抑制するこ
とを示している。このことから、非常に微量で細胞接着
阻害活性を持つ物質は癌転移抑制剤として利用し得るこ
とを示唆している。
塩が、上記の癌細胞の血管内皮細胞や細胞外マトリック
スへの接着を阻害することにより、癌の転移を抑制する
知見を得て本発明をなした。
その塩である。
コサミン又はD−ガラクトサミンと、D−グルクロン
酸、L−イズロン酸及び/又はD−ガラクトースの2糖
又は4糖の繰り返し単位より構成されている長い鎖状の
多糖であり、ヒアルロン酸、コンドロイチン、コンドロ
イチン硫酸A、コンドロイチン硫酸C、コンドロイチン
硫酸D、コンドロイチン硫酸E、コンドロイチン硫酸
K、コンドロイチンポリ硫酸、デルマタン硫酸、ヘパリ
ン、ヘパラン硫酸及びケラタン硫酸、ケラタンポリ硫酸
が知られている。
であることができ、好ましくはナトリウム、カリウムの
ようなアルカリ金属塩;カルシウム、マグネシウムのよ
うなアルカリ土類金属塩;トリアルキルアミン、ピリジ
ンのようなアミン塩であることができる。
がグリコサミノグリカンの還元末端に化学結合により結
合した化合物である。
末端のウロン酸部分、ガラクトース部分又はヘキソサミ
ン部分を還元することにより開裂させ、さらに部分酸化
により当該開裂部にアルデヒドを形成させた後、1級ア
ミノ基を有する燐脂質の当該1級アミノ基と前記開裂部
に形成されたアルデヒドとの間に、還元的アルキル化反
応させることにより得られる燐脂質結合グリコサミノグ
リカンも包含する。
以下の(1)〜(3)に示す燐脂質結合グリコサミノグ
リカンが挙げられるが、これに限定はされない。
し;GAGは、ヒアルロン酸、コンドロイチン、コンドロイ
チン硫酸A、コンドロイチン硫酸C、コンドロイチン硫
酸E、コンドロイチン硫酸K、コンドロイチンポリ硫
酸、デルマタン硫酸、ヘパリン、ケラタン硫酸及びケラ
タンポリ硫酸からなる群から選択されるグリコサミノグ
リカンから還元性末端のウロン酸部分、ガラクトース部
分を除いたグリコサミノグリカン残基を示し;R2はCOO
H、CH2OH又はCH2OSO3Hを示し;R3はOH又はOSO3Hを示す。
し;GAGは、ヒアルロン酸、コンドロイチン、コンドロイ
チン硫酸A、コンドロイチン硫酸C、コンドロイチン硫
酸E、コンドロイチン硫酸K、コンドロイチンポリ硫
酸、デルマタン硫酸、ヘパリン、ケラタン硫酸及びケラ
タンポリ硫酸からなる群から選択されるグリコサミノグ
リカンから還元性末端のヘキソサミン部分を除いたグリ
コサミノグリカン残基を示し;R1はOH又はNHCOCH3を示
し;R3はOH又はOSO3Hを示す。
し;GAGはケラタン硫酸又はケラタンポリ硫酸から還元性
末端のガラクトース部分を除いたグリコサミノグリカン
残基を示す。
結合した基の化学構造式中での炭素原子への結合の上下
の向き、すなわち立体配置が限定されないことを示し;
片括弧によりまとめられた構造に結合する基は、当該構
造が存在する開裂された糖残基の、糖残基開裂前に3位
及び4位であった炭素原子にそれぞれ結合するのであれ
ばその位置は特に限定はされないことを示す。
に記載のものが用いられる。
級アミノ基を有する燐脂質としては、 式 (式中、R4及びR5はそれぞれ水素、−CH=CHR6又は−CO
R7(R6及びR7はC6〜24のアルキル基)であり、Yは−CH
2CH2NH−又は である) で示されるものが用いられる。特にR4及びR5がともにヘ
キサデカノイル又はオクタデカノイルのような−COR7で
あるか、R4が−CH=CHR6でR5が−COR7であるもの、例え
ばL−(α−ホスファチジル)エタノールアミン、DL−
ホスファチジル−L−セリンエタノールアミンプラスマ
ロゲン及びセリンプラスマロゲンなどが挙げられ好まし
いが、特に限定はされない。
製造法について詳しく説明する。
ロン酸部分もしくはガラクトース部分又はヘキソサミン
部分を還元及び部分酸化することにより開裂させてアル
デヒドを形成させ、このアルデヒドと燐脂質の1級アミ
ノ基との間の還元的アルキル化反応により、燐脂質結合
グリコサミノグリカンを製造する方法である。この方法
を反応式で示せば次のとおりである。
反応する場合 (R3は前述と同じ、P1は2級アミノ基を有する燐脂質を
示す) 還元性末端がC−2にOHを有するD−グルクロン酸又
はL−イズロン酸である式(1)のヒアルロン酸、コン
ドロイチン、コンドロイチン硫酸A、コンドロイチン硫
酸C、コンドロイチン硫酸E、コンドロイチン硫酸K、
コンドロイチンポリ硫酸、デルマタン硫酸、ヘパリンを
原料として使用したとき、上記反応式に従い、式(I)
−aの燐脂質結合グリコサミノグリカンが製造できる。
ンに反応する場合 (式中、R3は前述と同じ、P1は1級アミノ基を有する燐
脂質を示す) 還元性末端のC−5にCH2OHを有するグルコサミン又
はガラクトサミンである式(4)のヒアルロン酸、コン
ドロイチン、コンドロイチン硫酸A、コンドロイチン硫
酸K、コンドロイチンポリ硫酸又はデルマタン硫酸を原
料として使用したとき、上記反応式に従い、式(II)−
aの燐脂質結合グリコサミノグリカンが製造できる。
ン硫酸又はケラタンポリ硫酸を原料として使用したと
き、上記反応式に従い、式(I)−b、(II)−b及び
(III)の燐脂質結合グリコサミノグリカンが製造でき
る。
ず、上記式(1)、(4)及び(7)で示されるグリコ
サミノグリカンを還元して還元性末端糖部分を開裂させ
て式(2)、(5)及び(8)の化合物とする。
ナトリウム、シアノ水素化ホウ素ナトリウムなどの水素
化ホウ素アルカリ塩等を用いることができる。
ウ酸塩緩衝液(pH8.3)等を用いることができる。
25℃で行うことができる。
一般には式(1)、(4)又は(7)の化合物1モルに
対して5〜50当量、好ましくは25〜30当量の範囲であ
る。
で部分的に酸化すると、式(3)、(6)、(9)、
(10)及び(11)のアルデヒド化合物が生成する。
酸ナトリウム、過ヨウ素酸カリウムなどの過ヨウ素酸ア
ルカリ塩等を用いることができる。
合物1モルに対して1〜10当量、好ましくは3〜6当量
の範囲である。
囲で行うことができる。
のアルデヒド化合物は、それ自体既知の還元的アルキル
化法に従い、燐脂質の1級アミノ基と反応させることが
でき、これによって本発明が目的とする一般式(I)、
(II)及び(III)で示される燐脂質結合グリコサミノ
グリカンを得ることができる。
(α−ホスファチジル)エタノールアミン、DL−ホスフ
ァチジル−L−セリン、エタノールアミンプラスマロゲ
ン、セリンプラスマロゲン等を挙げることができる。
液(pH7.0)又はジメチルホルムアミドのような溶媒中
において、式(3)、(6)、(9)、(10)又は(1
1)のアルデヒド化合物とクロロホルム等に溶解した燐
脂質とを混合して均一な溶液にし、通常15〜60℃の温度
で反応させ、それと同時に又はその後に、例えばシアノ
水素化ホウ素ナトリウム等の還元剤を用いて還元するこ
とにより一般式(I)、(II)及び(III)の化合物を
製造することができる。
具体的に示す。
る燐脂質結合グリコサミノグリカンの燐脂質の含有量
は、0.05〜50%、好ましくは2〜10%の範囲である。
コサミノグリカンの分離、精製方法としては、反応液に
酢酸ナトリウム飽和エタノールを加えて生じた沈澱物を
取することで未反応の燐脂質又は脂質を除き、さらに
該沈澱物を疎水クロマトに負荷し、酢酸アンモニウム、
塩化アンモニウム又は塩化ナトリウム等の塩の水溶液で
洗浄することで未反応のグリコサミノグリカンを除去す
る。この後、該疎水クロマトに吸着した燐脂質結合グリ
コサミノグリカンを10〜50%メタノール水溶液で溶出す
る方法で行うことができる。
学的に許容される塩を、固体又は液体の医薬用担体又は
希釈剤、即ち、賦形剤、安定剤等の添加剤とともに含む
製剤とすることが好ましい。
ため、注射剤として用いる場合に最適である。該医薬製
剤において、前記有効成分の担体成分に対する割合は、
1〜90重量%の間で変動させうる。
錠剤、カプセル剤、丸剤もしくは液剤等の剤形にして、
又は原末のまま経口投与してもよいし、注射剤として静
脈内投与、筋肉内投与又は皮下投与してもよい。また、
坐剤、軟膏剤、パップ剤、貼付剤、リニメント剤、ロー
ション剤等の剤形にして、外用剤として用いることもで
きる。また、注射用の粉末にして、用時調製して使用し
てもよい。
の有機又は無機の、固体又は液体の担体もしくは希釈剤
を、本発明の燐脂質又は脂質結合グリコサミノグリカン
又はその塩を含む医薬製剤を調製するために用いること
ができる。水、ゼラチン、乳糖、デンプン、ステアリン
酸マグネシウム、タルク、動植物油脂、ベンジルアルコ
ール、ガム、ポリアルキレングルコール、石油樹脂、や
し油、ラノリン又は医薬に用いられる他のキャリアー
(担体)は全て、本発明品の担体として用いることがで
きる。また、安定剤、湿潤剤、乳化剤や、浸透圧を変え
たり、製剤の適切なpHを維持するための塩類を補助薬剤
として適宜用いることもできる。
は、該医薬製剤は本発明品を5〜80重量%含有している
ことが好ましく、液剤の場合には、1〜30重量%含有し
ていることが好ましい。また、注射剤の場合は1〜10重
量%、坐剤の場合は1〜50重量%が好ましい。局所投与
用である軟膏剤又はパップ剤等として用いる場合は、0.
1〜10重量%含有していることが好ましい。
として、1日量100〜2000mgを内服することが好ましい
が、年令、症状により適宜増減することも可能である。
前記1日量を1回、又は適当な間隔をおいて2もしくは
3回に分けて投与することが好ましい。
成分として、1回量10〜1000mgを投与することが好まし
く、軟膏剤又はパップ剤等として用いる場合は、前記含
有割合のものを適当量患部に塗布することが好ましい。
塩は、細胞接着阻害作用を有し、かつ毒性もないので癌
転移抑制剤として有用である。
本発明は、実施例に限定されるものではない。
カンのリン含量、燐脂質含量、及びグリコサミノグリカ
ン(GAG)含量は、以下の方法で測定した。
(Bitter−Muir法)ANALYTICAL BIOCHEMISTRY 4,330−3
34(1962) (2)ガラクトースを含有するケラタン硫酸又はケラ
タンポリ硫酸:アンスロン法 Biochem.J.50,298−303
(1952) 2.燐脂質の定量 (1)リンの定量:モリブデンブルー法、無機応用比
色分析、4、共立出版株式会社、編集代表 平野四蔵
130〜135頁 (2)脂肪酸の定量:10〜50mgのGAG−脂質を10mの1
N−水酸化ナトリウム水溶液に溶解し、100℃で1時間加
水分解する。反応液を1N−塩酸水溶液で酸性にした後、
クロロホルムで抽出し、クロロホルム相を水で洗浄す
る。脱水ボウ硝で乾燥後、減圧下で溶媒を除去、残渣に
3%塩酸(ガス)含有メタノールを加え、封管中、100
℃で3時間加熱後、石油エーテルで3回抽出する。石油
エーテルを3回水洗し、混入した塩酸を除き、脱水ボウ
硝で乾燥後、減圧濃縮し、次の(GLC)用試料とする。
業(株) 運転条件:試料気化室温度 350℃ カラム温度:190〜200℃ カラム:3φ×2m 流速:N245m/min 実施例1 還元末端限定酸化法による燐脂質結合グリコサミノグ
リカンの製造 (1)還元末端限定酸化グリコサミノグリカンの製造 1)還元末端残基開環ヒアルロン酸の製造 ヒアルロン酸(鶏冠由来、MW 1万:HA1)2000mgを200m
の0.05Mホウ酸塩緩衝液(pH8.3)に溶解し、182mgの
水素化ホウ酸ナトリウムを加えて室温で5時間反応させ
た。酢酸でpH4.5にしてエタノールを加えて生成物を沈
澱させ、次いで生成物をエタノールで洗浄した。これに
よりロット番号100の還元末端残基開環ヒアルロン酸
(R−HA1)を1800mg得た。
ミダゾール(pH6.5)に溶解し、0℃で139.96mgの過ヨ
ウ素酸ナトリウムを加え、1時間反応させた。反応液に
エタノールを加えて生成物を沈澱させ、次いでエタノー
ルで洗浄した。これによりロット番号200の還元末端限
定酸化ヒアルロン酸(O−HA)1600mgを得た。
(O−GAG)の製造 ヒアルロン酸(鶏冠由来、MW 5万:HA5,MW15万:HA1
5)、 コンドロイチン(コンドロイチン硫酸Aから酸性メタ
ノール溶液で脱硫酸したもの、MW1.5万、:CH)、 コンドロイチン硫酸C(鮫軟骨由来、MW1万:CS(S
1)、MW3万:CS(S3)、MW6万:CS(S6))、 コンドロイチン硫酸A(鮫軟骨由来、MW3万:CS
(W))、 デルマタン硫酸(豚皮由来、MW1.5万:DS)、 ヘパリン(豚小腸由来、MW1.5万:Hep)、 ケラタン硫酸(牛角膜由来、MW1.5万:KS)を原料とし
て上記の1)に準じて表2の条件で還元末端残基開環グ
リコサミノグリカン(R−GAG)を製造した。ひきつづ
き、上記の2)の方法に準じて表3の条件で還元末端限
定酸化グリコサミノグリカン(O−GAG)を製造した。
ジパルミトイル結合グリコサミノグリカン(GAG−PPEAD
P)の製造 1)L−(α−ホスファチジル)エタノールアミン・
ジパルミトイル結合ヒアルロン酸の製造 1000mgのロット番号200のO−HAを0.05Mリン酸塩緩衝
液(pH7.0)100mに溶解し、クロロホルム:メタノー
ル=2:1の溶媒で(1mg/m)に溶解したL−(α−ホス
ファチジル)エタノールアミン・ジパルミトイル(PPEA
DP)を69.2m加えた。さらに、メタノールを加えて均
一な溶液にして、50℃で1時間反応させ、その後、シア
ノ水素化ホウ素ナトリウムを25mg加えた。2時間50℃で
反応させ、減圧下濃縮し、酢酸飽和のエタノールを5倍
量加えて生じた沈澱を取した。沈澱を0.3M塩化アンモ
ニウム塩で溶解し、疎水クロマトカラム(TSKgelフェニ
ルトヨパール650M 400m)に吸着し、充分に0.3M塩化
アンモニウム水溶液で洗浄し、30%メタノール水溶液で
溶出した。素通り及び洗浄画分に未反応のHA1が溶出さ
れ、30%メタノール水溶液の画分に目的とする本品が溶
出した。30%メタノール水溶液溶出画分を減圧下濃縮
し、透析で脱塩後、凍結乾燥してロット番号300の白色
粉末を得た。
液) 2)その他の燐脂質結合グルコサミノグリカンの製造 表3に示したO−GAGとPPEADPとを表4に示した条件
で、上記(2)−1)の方法に準じて燐脂質結合グリコ
サミノグリカンを製造した。得られた生成物の分析値を
表4に示した。
質結合グリコサミノグリカンのBHK21細胞の接着に対す
る効果 96穴培養皿を5μg/mウシ血漿フィブロネクチン100
μで塗布した後、洗浄し、実施例1で得た各種燐脂質
結合グリコサミノグルカン100μ/穴を表5に示す各
濃度で塗布した。
ムスター腎細胞)を0.1mg/mの濃度のトリプシン溶液5
mを加え、37℃で5分間処理した。次いで、1mg/mの
大豆トリプシンインヒビター溶液5mを加え、トリプシ
ンを不活性化した後、遊離した細胞を遠心により集め
た。細胞は2回洗浄後、1mあたり1×105個細胞とな
るように単一細胞懸濁液とした。
を、上記フィブロネクチンと燐脂質結合グリコサミノグ
リカンを塗布した培養皿に加え、37℃で1時間処理し
た。接着しなかった細胞を洗浄した後、接着した細胞を
2%ホルムアルデヒドで固定し、直接位相差顕微鏡で観
察して、その細胞数をカウントした。
の変動を示す。値は3回ないし4回の測定の平均を示
し、誤差(標準偏差)もあわせて表した。
合の燐脂質のみでは高濃度にしても全く細胞接着阻害効
果を示さなかった。
サミノグリカンの接着阻害効果 実施例1で得た燐脂質結合グリコサミノグリカンにつ
いて、BHK21細胞(新生ハムスター腎細胞)、CEF(ニワ
トリ胚線維芽細胞)、B16F10(高転移性マウスメラノー
マ細胞)、CHO(チャイニーズハムスター卵巣細胞)、
及びbaEC(ウシ大動脈内皮細胞)の各種細胞群に対して
の、フィブロネクチン(FN)、ラミニン(LN)、I型コ
ラーゲン(Co11)及びビトロネクチン(VN)による接着
に対する阻害効果を検討した。
腫瘍細胞由来ラミノン、ラット腿由来I型コラーゲン、
及びウシ血清ビトロネクチンをそれぞれ96穴培養皿に塗
布し、参考例1と同様にして、実施例1で得た燐脂質結
合グリコサミノグリカンを塗布した後、それぞれBHK21
細胞、CEF細胞、B16F10細胞、CHO細胞、及びbaEC細胞の
単一細胞懸濁液100μ(1×104個細胞)を加え細胞接
着の変動を見た。対照として燐脂質結合グリコサミノグ
リカンを添加せず、接着物質のみの細胞接着を100%と
した。結果を表6に示す。
殆ど細胞接着しなかった場合(0〜10%未満)を−、10
〜30%未満を+、30〜50%未満を++、50〜70%未満を
+++、70〜90%未満を++++、そして90〜100%の
細胞が接着した場合を+++++と半定量的に表した。
結果
ノグリカンの疎水クロマトグラフィーを示す。
Claims (7)
- 【請求項1】グリコサミノグリカンの還元末端に還元的
アルキル化反応により燐脂質が化学的に結合しているこ
とを特徴とする燐脂質結合グリコサミノグリカン。 - 【請求項2】一般式 を有する燐脂質結合グリコサミノグリカン又はその塩。 上記式中、P1は1級アミノ基を有する燐脂質残基を示
し;GAGは、ヒアルロン酸、コンドロイチン、コンドロイ
チン硫酸A、コンドロイチン硫酸C、コンドロイチン硫
酸E、コンドロイチン硫酸K、コンドロイチンポリ硫
酸、デルマタン硫酸、ヘパリン、ケラタン硫酸及びケラ
タンポリ硫酸からなる群から選択されるグリコサミノグ
リカンから還元性末端のウロン酸部分、ガラクトース部
分を除いたグリコサミノグリカン残基を示し;R2はCOO
H、CH2OH又はCH2OSO3Hを示し;R3はOH又はOSO3Hを示す。 - 【請求項3】一般式 を有する燐脂質結合グリコサミノグリカン又はその塩。 上記式中、P1は1級アミノ基を有する燐脂質残基を示
し;GAGは、ヒアルロン酸、コンドロイチン、コンドロイ
チン硫酸A、コンドロイチン硫酸C、コンドロイチン硫
酸E、コンドロイチン硫酸K、コンドロイチンポリ硫
酸、デルマタン硫酸、ヘパリン、ケラタン硫酸及びケラ
タンポリ硫酸からなる群から選択されるグリコサミノグ
リカンから還元性末端のヘキソサミン部分を除いたグリ
コサミノグリカン残基を示し;R1はOH又はNHCOCH3を示
し;R3はOH又はOSO3Hを示す。 - 【請求項4】一般式 を有する燐脂質結合グリコサミノグリカン又はその塩。 上記式中、P1は1級アミノ基を有する燐脂質残基を示
し;GAGはケラタン硫酸又はケラタンポリ硫酸から還元性
末端のガラクトース部分を除いたグリコサミノグリカン
残基を示す。 - 【請求項5】グリコサミノグリカンの還元性末端のウロ
ン酸部分、ガラクトース部分又はヘキソサミン部分を還
元することにより開裂させ、さらに部分酸化により当該
開裂部にアルデヒドを形成させ、1級アミノ基を有する
燐脂質の当該1級アミノ基と前記開裂部に形成されたア
ルデヒドとの間に、還元的アルキル化反応させることに
より、燐脂質とグリコサミノグリカンが化学的に結合し
て得られる燐脂質結合グリコサミノグリカン。 - 【請求項6】グリコサミノグリカンの還元性末端のウロ
ン酸部分、ガラクトース部分又はヘキソサミン部分を還
元することにより開裂し、さらに部分酸化により当該開
裂部にアルデヒドを形成させ、1級アミノ基を有する燐
脂質の当該1級アミノ基と前記開裂部に形成されたアル
デヒドとの間に、還元的アルキル化反応させることによ
り、燐脂質とグリコサミノグリカンを化学的に結合させ
ることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項記載
の燐脂質結合グリコサミノグリカンの製造方法。 - 【請求項7】グリコサミノグリカンが、ヒアルロン酸、
コンドロイチン、コンドロイチン硫酸A、コンドロイチ
ン硫酸C、コンドロイチン硫酸E、コンドロイチン硫酸
K、コンドロイチンポリ硫酸、デルマタン硫酸、ヘパリ
ン、ケラタン硫酸及びケラタンポリ硫酸からなる群から
選択される少なくとも1種のグリコサミノグリカンであ
ることを特徴とする、請求項6記載の燐脂質結合グリコ
サミノグリカンの製造方法。
Priority Applications (12)
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---|---|---|---|
JP2193818A JP2986519B2 (ja) | 1990-07-24 | 1990-07-24 | 燐脂質結合グリコサミノグリカン |
AT91913108T ATE148713T1 (de) | 1990-07-24 | 1991-07-24 | Glykosaminoglykan gemischt mit phospholipid oder lipid, seine herstellung und krebszellenmetastaseninhibitor |
KR1019920700665A KR0181295B1 (ko) | 1990-07-24 | 1991-07-24 | 인지질 또는 지질-결합된 글리코스아미노글리칸, 이의 제조방법 및 암 전이 억제제 |
CA002067211A CA2067211C (en) | 1990-07-24 | 1991-07-24 | Phospholipid- or lipid-linked glycosaminoglycan, process for producing the same and metastasis inhibitor |
PCT/JP1991/000995 WO1992001720A1 (en) | 1990-07-24 | 1991-07-24 | Phospholipid- or lipid-combining glycosaminoglycan, production thereof, and cancer metastasis inhibitor |
EP91913108A EP0493622B1 (en) | 1990-07-24 | 1991-07-24 | Phospholipid- or lipid-combining glycosaminoglycan, production thereof, and cancer metastasis inhibitor |
US07/847,065 US5464942A (en) | 1990-07-24 | 1991-07-24 | Phospholipid- or lipid-linked glycosaminoglycan and process for producing the same |
AU82266/91A AU647814B2 (en) | 1990-07-24 | 1991-07-24 | Phospholipid- or lipid-combining glycosaminoglycan, production thereof, and cancer metastasis inhibitor |
DE69124590T DE69124590T2 (de) | 1990-07-24 | 1991-07-24 | Glykosaminoglykan gemischt mit phospholipid oder lipid, seine herstellung und krebszellenmetastaseninhibitor |
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