JP2982260B2 - 電気粘性流体 - Google Patents

電気粘性流体

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JP2982260B2 JP23853290A JP23853290A JP2982260B2 JP 2982260 B2 JP2982260 B2 JP 2982260B2 JP 23853290 A JP23853290 A JP 23853290A JP 23853290 A JP23853290 A JP 23853290A JP 2982260 B2 JP2982260 B2 JP 2982260B2
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、電気粘性流体に係り、特に、分散安定性を
向上することにより、安定したウインスロウ効果を示す
電気粘性流体に関する。
〔従来の技術〕
特定の分散媒に固体粒子を混合・分散した分散液に電
圧印加すると、その分散液の粘性が著しく変動する現象
が見られる。この現象はウインスロウ(W.M.Winslow)
効果として知られている。
このウインスロウ効果を示す流体として、塩化ジフェ
ニル,塩化ベンゼン,セバシン酸ジブチル,シリコンオ
イル等の電気絶縁性液体に、微結晶セルロース,シリカ
ゲル,大豆カゼイン,デンプン,イオン交換樹脂等を分
散した電気粘性流体が知られている。そして、特に水分
を吸着させた分散質を用いることで、良好なウインスロ
ウ効果を提供する従来例が存在する(特公昭45−10048
号及び特開昭48−17806号)。
ところで、このような含水分散質を用いる電気粘性流
体は、当該粒子内外への水の移行による安定性の不足,
高電圧印加による電極金属の溶解・腐食等耐久性の不
足,電気粘性流体の温度が上昇するとイオン化が促進さ
れ電流が増大し、一層温度が上昇するといった温度特性
の低さ、更には、分散質に吸着した水分が遊離すること
により、ウインスロウ効果が急速に減少して消滅する
等、水の存在に帰因する多くの問題点が指摘されてい
た。
そこで、このような問題を解決するために、特開昭64
−6093号及び特開平1−236291号に開示されているよう
に、水分を含有しない分散質、例えば、カーボンブラッ
クと樹脂を用いた電気粘性流体が提案されている。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかしながら、前記従来例では、分散質表面と分散剤
との結合が吸着によるものであり、当該分散質と分散剤
とは比較的弱く結合しているに過ぎない。従って、その
結合状態は当該分散質の表面電位,温度,湿度,炭化水
素系物質の混入,或いは外部電圧の印加等、外的要因に
より大きく左右され、当該分散質から前記分散剤が脱着
・剥離してしまい、安定した分散性が得られず、均一で
安定した粘度を維持することが極めて困難であり、安定
したウインスロウ効果を示すことができないという課題
があった。
そこで、本発明は、上記のような課題を解決し、安定
した分散性を示し、長期的に安定したウインスロウ効果
を示す電気粘性流体を提供することを目的とする。
〔課題を解決するための手段〕
この目的を達成するために本発明は、シリコンオイル
を主成分とする電気絶縁性液体に導電性セラミックスの
微粒子を分散してなる電気粘性流体において、一般式が
YRSiXnR′3-n(Y;官能基、R;炭化水素鎖、X;加水分解に
よりOH基を形成する加水分解性基であり、メトキシ基,
エトキシ基等のアルコキシ基及びハロゲン基の少なくと
も一つ、R′;炭化水素鎖、n=1〜3)で示され、前
記導電性セラミックスの微粒子の表面のOH基と反応し、
当該導電性セラミックスの微粒子の表面に直接化学結合
するOH基を加水分解により形成する加水分解性基Xを備
えたシランカップリング剤と、当該シランカップリング
剤の官能基Yと付加反応して直接化学結合するエポキシ
基,アミノ基及びOH基の中から選ばれた1種の官能基を
片末端に有する片末端反応性シリコンオイルとを介し
て、前記導電性セラミックスの微粒子が前記電気絶縁性
液体に分散された電気粘性流体であることを特徴とする
ものである。
この発明に係わる電気粘性流体によれば、導電性セラ
ミックスの微粒子の表面のOH基と反応して該導電性セラ
ミックスの微粒子の表面に直接化学結合するシランカッ
プリング剤を介して、当該導電性セラミックスの微粒子
の表面にシリコンオイルを主成分とする電気絶縁性液体
と相溶性を示す骨格を有する片末端反応性シリコンオイ
ルを直接化学結合させることにより、前記導電性セラミ
ックスの微粒子を前記電気絶縁性液体中に安定して分散
することができる。
即ち、前記シランカップリング剤の加水分解性基Xが
加水分解されて形成されたOH基が導電性セラミックスの
微粒子の表面に存在するOH基と化学的に反応し、この反
応生成物を介して当該導電性セラミックスの微粒子の表
面に前記シランカップリング剤が直接化学結合すること
で、当該シランカップリング剤は前記導電性セラミック
スの微粒子の表面に強固に結合し、これを被覆する。そ
して、当該シランカップリング剤は、官能基Yを外側に
向けて配向し、前記電気絶縁性液体と相溶性を示す骨格
を有する片末端反応性シリコンオイルの官能基と直接化
学結合する。このため、前記導電性セラミックスの微粒
子の表面には、前記シランカップリング剤を介して前記
片末端反応性シリコンオイルが直接化学結合される。こ
のようにして、前記導電性セラミックスの微粒子には、
化学的結合力に基づく強固で安定した分散性能が付与さ
れ、外的要因等により分散剤が前記導電性セラミックス
の微粒子の表面から脱着・剥離することが無く、長期的
に安定したウインスロウ効果を示すことができる。
以下、本発明に係る電気粘性流体をさらに詳説する。
本発明の電気絶縁性液体は、良好な潤滑性と共に耐寒
性、低揮発性、化学的安定性等が極めて良好な物質が好
ましい。
このような電気絶縁性液体としては、例えば、シリコ
ン系オイル,塩化ジフェニル,セバシン酸ブチル,芳香
族ポリカルボン酸高級アルコールエステル,ハロフェニ
ルアルキルエーテル,トランス油,塩化パラフィン,フ
ッ素系オイル等が挙げられる。
このうち、特に、次の一般式で表すシリコンオイルを
主成分とする電気絶縁性液体は、極めて低温特性に優れ
ているため、耐熱性,耐久性を発揮することができる。
(R1,R2,R3,R4は炭化水素鎖、又はシロキサン結合を介
した炭化水素鎖)。
このシリコンオイルは、骨格として、例えば、ポリシ
ロキサン鎖を有しているので、片末端反応性シリコンオ
イルとしては、ポリシロキサン鎖を有する片末端反応性
シリコンオイルが使用される。
前記シリコンオイルとしては、例えば、前記一般式
で、ジメチルポリシロキサンの他、テトラフェニルテト
ラメチルトリシロキサン、ペンタフェニルトリメチルト
リシロキサンの如きメチルフェニルポリシロキサンを使
用することができる。
また、シランカップリング剤としては、一般式YRSiXn
R′3-n(Y;官能基、R;炭化水素鎖であり、炭素数1以上
の特に1〜3の直鎖或いは分岐の脂肪族系炭化水素、X;
加水分解によりOH基を形成する加水分解性基であり、メ
トキシ基,エトキシ基等のアルコキシ基及びハロゲン基
の少なくとも一つ、R′;炭化水素鎖であり、炭素数1
以上の特に1〜3の直鎖或いは分岐の脂肪族系炭化水
素、n=1〜3)で示されるものがある。このシランカ
ップリング剤のアルコキシ基は、水溶液中、空気中の水
分、又は無機物表面に吸着された水分により加水分解し
てシラノール基(RSi−OH)を生成する。一方、導電性
セラミックスの微粒子(M)は、その表面に官能基の一
つであるOH基を有しているとする。そこで、両者の間に
脱水縮合反応が生じて、メタシロキサン結合(Si−O−
M)により化学的に結合するものと考えられる。
前記シランカップリング剤は、片末端反応性シリコン
オイルの官能基と反応し、化学結合する他の官能基Yを
有している。
このシランカップリング剤の官能基Yとして、例え
ば、後述する第1表に示すようなアミノ基,エポキシ
基,水酸基等の官能基が挙げられる。この官能基Yは後
述する片末端反応性シリコンオイルに存在する官能基
(Z)と直接化学結合する。
このようなシランカップリング剤の具体例としては、
γ−アミノプロピルトリエトキシシラン,γ−グリシド
キシプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。
この発明のシランカップリングの添加量は、導電性セ
ラミックスの微粒子の表面を単分子膜で完全に被覆する
量が最適であり、従って、シランカップリング剤の導電
性セラミックスの微粒子に対する最小被覆面積と導電性
セラミックスの微粒子の比表面積とから次式で算出でき
る。
シランカップリング剤添加量(g)=(導電性セラミ
ックスの微粒子の重量(g)×比表面積(m2/g))/シ
ランカップリング剤の最小被覆面積(m2/g) ここで,シランカップリング剤の最小被表面積の大き
さは、1分子あたりの被覆面積が13Åであり、従って
1gあたりは13Å×アボガドロ数(6.02×1023)/分子
量から求められる。
本発明の電気粘性流体における片末端反応性シリコン
オイルは、シランカップリング剤の官能基Yと直接化学
結合する官能基(Z)を有し、且つ、電気絶縁性液体と
相溶性を示す骨格を有する。前記片末端反応性シリコン
オイルが前記電気絶縁性液体と相溶性を示す骨格、すな
わち、同一の骨格を有するので、前記導電性セラミック
スの微粒子は、当該片末端反応性シリコンオイルを介し
て当該電気絶縁性液体中に安定して分散される。
前記片末端反応性シリコンオイルの官能基(Z)の位
置は、シリコンオイルの片末端にあるので、シリコンオ
イルの両末端或いは中間にある場合と比べて、導電性セ
ラミックスの微粒子をベースオイル中に分散させる上で
好ましい。この理由は、例えば、アミノ基をポリシロキ
サン鎖長中にランダムに導入したアミノ変性シリコンオ
イル(片末端反応性シリコンオイルではない)とは異な
り、末端に官能基を有するため、シランカップリング剤
の官能基との反応性が非常に高く、反応後の配列性も良
好で、導電性セラミックスの微粒子の分散安定性を向上
することができるからである。
そして、低温特性に優れたシリコンオイル主成分とす
る電気絶縁性液体を用いているので、前記シリコンオイ
ルと相溶性を示す骨格(ポリシロキサン鎖)を有する片
末端反応性シリコンオイルを使用することは特に好適で
ある。
このような、片末端反応性シリコンオイルとしては、
例えば、次のような構造のものを使用することができ
る。
そして、第1表にシランカップリング剤の官能基Yと
片末端反応性シリコンオイルの官能基(Z)との組合
せ、及び両方の官能基同士の反応により生じた化学結合
を示す。
この発明においては、吸油性が極めて低く、耐熱性,
耐久性,機械的摩耗性に優れている導電性セラミックス
の微粒子を用いることが好適である。
前記導電性セラミックスとしては、チタンブラック
(TiO),二酸化マンガン(MnO2),二酸化鉛(Pb
O2),二酸化スズ(SnO2),二酸化ルテニウム(Ru
O2),アンチモン含有二酸化スズ(Sb/SnO2),三酸化
ビスマス(Bi2O3),三酸化アンチモン(Sb2O3),スズ
含有三酸化インジウム(Sn/In2O3)等の酸化物或いは金
属含有酸化物を効果的に用いることができる。
ここで説明した導電性セラミックスの微粒子は、その
表面に官能基としてOH基が存在しているため、このOH基
と前記シランカップリング剤の加水分解により生じたOH
基とが、脱水縮合反応を起こし、当該シランカップリン
グ剤と導電性セラミックスの微粒子とが直接化学結合す
る。
また、安定した分散性及びウインスロウ効果を発揮す
るためには、前記導電性セラミックスの微粒子の粒子径
は、0.005〜50μmが好ましく、電気粘性流体に対する
含有率は、5〜50重量%の範囲内が好ましい。
尚、導電性セラミックスの微粒子の表面に酸化皮膜が
形成されても、そのOH基と前記シランカップリング剤と
が反応し化学結合を形成するため、当該導電性セラミッ
クスの微粒子の表面を当該シランカップリング剤で十分
に被覆することができる。
また、導電性セラミックスの微粒子を前記シランカッ
プリング剤と前記片末端反応性シリコンオイルとを介し
て、シリコンオイルを主成分とする電気絶縁性液体に分
散することで、安定した分散性及びウインスロウ効果を
発揮するだけでなく、耐熱性,耐久性,機械的摩耗性を
も備えた電気粘性流体を提供することができる。
次に、導電性セラミックスの微粒子を分散剤で被覆す
る際の具体的な反応過程について、図面に基づいて説明
する。
第1図は、シランカップリング剤と導電性セラミック
スの微粒子との間に起きる脱水縮合の過程を示す模式
図、第2図は、シランカップリング剤の官能基Yと片末
端反応性シリコンオイルの末端の官能基(Z)とが付加
反応を起こす過程を示す模式図である。
先ず、導電性セラミックスの微粒子2の表面の官能基
であるOH基とシランカップリング剤のシラノール基(−
Si−OH)とが脱水縮合し、当該導電性セラミックスの微
粒子2とシランカップリング剤とが化学結合する。この
動作を以下に述べる。
第1図(1)−1に示すように、一般式YRSiXnR′3-n
(Y;官能基、R;炭化水素鎖、X;加水分解によりOH基を形
成する加水分解性基であり、メトキシ基,エトキシ基等
のアルコキシ基及びハロゲン基の少なくとも一つ、
R′;炭化水素鎖、n=1〜3)のnが3のシランカッ
プリング剤(YRSiX3)は、そのシラノール基のOH基とOH
基のHとが互いに脱水縮合する。
次いで、第1図(1)−2に示すように、導電性セラ
ミックスの微粒子2の表面のOH基と前記脱水縮合後のシ
ランカップリング剤のシラノール基のHとがさらに脱水
縮合し、第1図(1)−3に示すように、導電性セラミ
ックスの微粒子2とシランカップリング剤とが化学結合
する。
また、第1図(2)に示すように、前記一般式YRSiXn
R′3-nのnが2のシランカップリング剤(YRSiX2R′)
も前記と同様に脱水縮合し、導電性セラミックスの微粒
子2とシランカップリング剤とが化学結合する。
同様に、第1図(3)−1に示すように、前記一般式
YRSiXnR′3-nのnが1のシランカップリング剤(YRSiX
R′)は、導電性セラミックスの微粒子2の表面のOH
基とシランカップリング剤のシラノール基のHとが脱水
縮合し、第1図(3)−2に示すように、導電性セラミ
ックスの微粒子2とシランカップリング剤とが化学結合
する。
尚、前記n=3のシランカップリング剤は加水分解性
基としてトリアルコキシ基を有することで、そのシラノ
ール基同士が脱水縮合して導電性セラミックスの微粒子
の表面上で二次元的な編み目構造を形成し、当該導電性
セラミックスの微粒子とより強固に化学結合することが
できる。
次いで、第2図(1)に示すように、導電性セラミッ
クスの微粒子2と化学結合したシランカップリング剤の
官能基Yと、片末端反応性シリコンオイルの末端の官能
基(Z)とが、第2図(2)に示すように付加反応を起
こし化学結合を形成する。このようにして、導電性セラ
ミックスの微粒子2の表面にポリシロキサン鎖が導入さ
れる。尚、第2図は、前記シランカップリング剤の一般
式において、n=3の場合について記載したが、nが1
及び2の場合についても同様の化学結合が起きる。
この2段階の反応により、導電性セラミックスの微粒
子の表面にシランカップリング剤及び片末端反応性シリ
コンオイルを直接化学結合させることができ、導電性セ
ラミックスの微粒子の表面にポリシロキサン鎖を導入す
ることができる。
〔実施例〕 次に、本発明の一実施例について説明する。
(実施例1) チタンブラック粒子(平均粒子径;0.1μm)10gにイ
オン交換水を1加え、ホモミキサーを用いて10000rpm
で攪拌し、十分に分散する。次いで、この分散液にシラ
ンカップリング剤として、γ−アミノプロピルトリエト
キシシラン0.5gをメタノール200mlに溶解させたものを
加え、さらにホモミキサーを用いて10000rpmで攪拌す
る。このようにして、γ−アミノプロピルトリエトキシ
シランは、γ−アミノプロピルトリヒドロキシシランを
介してチタンブラック粒子の表面のOH基と脱水縮合によ
り化学結合を形成した。その後、これを水洗し過剰なシ
ランカップリング剤を洗浄除去し、回収後乾燥した。
次に、γ−アミノプロピルトリエトキシシランで処理
したチタンブラック粒子1.0gと、前記構造式Iで示され
るように、末端にエポキシ基を有する片末端反応性シリ
コンオイル0.5g、及び分散媒としてジメチルポリシロキ
サン(粘度;10cst,25℃)8.5gをボールミルで3時間粉
砕しながら、チタンブラック粒子表面のOH基と化学結合
しているシランカップリング剤のアミノ基に片末端反応
性シリコンオイルの末端のエポキシ基を付加反応させ
た。この付加反応により化学結合が形成し、チタンブラ
ック粒子表面にポリシロキサン鎖が導入される。このよ
うにして、チタンブラック粒子がジメチルポリシロキサ
ンに分散した電気粘性流体を得た(発明品1)。
この電気粘性流体の粘度をB型粘度計(測定条件;25
℃、5RPM)を用いて測定したところ、25℃で20cstであ
った。また、この電気粘性流体について1.0KV/mmの強さ
の電場を印加した状態での粘度を測定したところ、25℃
で1000cstであった。
次に、この電気粘性流体を下記の条件下で保存した
後、前記と同じ電圧を印加し、その粘度を前記と同条件
で測定した。
(保存条件) 高温下放置による粘性の変動調査 前記電気粘性流体を80℃,(湿度30%)の条件下に10
00時間放置した。
長期保存による粘性の変動調査 前記電気粘性流体を50℃,(湿度50%)の条件下に50
00時間放置した。
以上の結果を第1表に示す。
また、比較として、特開昭64−6093号に記載の方法に
より調製した電気粘性流体(比較品1)についても前記
と同様の測定を行った。この結果を第1表に示す。但
し、この比較品1の粘度が、前記発明品1の粘度と同じ
になるようにジメチルポリシロキサンにより調製してか
ら前記測定を行った。また、この比較品1について1.0K
V/mmの強さの電場を印加した状態での粘度を測定したと
ころ、25℃で500cstであった。
この結果から、発明品1は比較品1に比べ、通常条件
での保存は勿論のこと、高温条件下での保存、長期間に
渡る保存を行っても、電場印加に対して顕著なウインス
ロウ効果を示すことが確認された。また、発明品1は比
較品1に比べ、高温条件下保存,長期保存を行っても、
電場印加が無い状態での粘度の変化が極めて少ないこと
が確認された。これより、発明品1が過酷な条件下での
保存においても安定した分散性を示すことが立証され
た。
(実施例2) アンチモン含有二酸化スズ粒子(平均粒径;0.3μm)
10gを、シランカップリング剤としてγ−グリシドキシ
プロピルトリメトキシシラン0.5gを用いて実施例1と同
様に処理する。
次いで、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラ
ンで処理した前記アンチモン含有二酸化スズ粒子1.0g
と、前記構造式IIで示されるように、末端に水酸基を有
する片末端反応性シリコンオイル4.0g、及び分散媒とし
てジメチルポリシロキサン(粘度;10cst,25℃)8.5gを
ボールミルで3時間粉砕しながら、アンチモン含有二酸
化スズ粒子表面のOH基と化学結合しているシランカップ
リング剤のエポキシ基に片末端反応性シリコンオイルの
末端の水酸基を付加反応させた。この付加反応により化
学結合が形成し、アンチモン含有二酸化スズ粒子表面に
ポリシロキサン鎖が導入される。このようにして、アン
チモン含有二酸化スズ粒子がジメチルポリシロキサンに
分散した電気粘性流体を得た(発明品2)。
この電気粘性流体の粘度をB型粘度計(測定条件;25
℃、5RPM)を用いて測定したところ、25℃で25cstであ
った。また、この電気粘性流体について1.0KV/mmの強さ
の電場を印加した状態での粘度を測定したところ、25℃
で950cstであった。
次に、この電気粘性流体を前記実施例1と同条件下で
保存した後、同条件で電場印加し、その粘度を前記と同
条件で測定した。この結果を第2表に示す。
また、比較として、実施例1で用いた比較品の粘度
が、前記発明品2の粘度と同じになるようにジメチルポ
リシロキサンにより調整した(比較品2)た。そして、
この比較品2について1.0KV/mmの強さの電場を印加した
状態での粘度を測定したところ、25℃で600cstであっ
た。次に、この比較品2についても前記と同様の測定を
行った。この結果を第2表に示す。
この結果から、発明品2は比較品2に比べ、実施例1
同様、優れていることが立証された。
(実施例3) アンチモン含有二酸化スズ粒子(平均粒径;0.3μm)
10gを、シランカップリング剤としてγ−グリシドキシ
プロピルトリメトキシシラン0.5gを用いて実施例1と同
様に処理する。
次いで、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラ
ンで処理した前記アンチモン含有二酸化スズ粒子1.0g
と、前記構造式IIIで示されるように、末端に−NH−基
を有する片末端反応性シリコンオイル4.0g、及び分散媒
としてジメチルポリシロキサン(粘度;10cst,25℃)8.5
gをボールミルで3時間粉砕しながら、アンチモン含有
二酸化スズ粒子表面のOH基と化学結合しているシランカ
ップリング剤のエポキシ基に片末端反応性シリコンオイ
ルの末端の−NH−基を付加反応させた。この付加反応に
より化学結合が形成し、アンチモン含有二酸化スズ粒子
表面にポリシロキサン鎖が導入される。このようにし
て、アンチモン含有二酸化スズ粒子がジメチルポリシロ
キサンに分散した電気粘性流体を得た(発明品3)。
この電気粘性流体の粘度をB型粘度計(測定条件;25
℃、5RPM)を用いて測定したところ、25℃で22cstであ
った。また、この電気粘性流体について1.0KV/mmの強さ
の電場を印加した状態での粘度を測定したところ、25℃
で1050cstであった。
次に、この電気粘性流体を前記実施例1と同条件下で
保存した後、同条件で電場印加し、その粘度を前記と同
条件で測定した。この結果を第3表に示す。
また、比較として、実施例1で用いた比較品の粘度
が、前記発明品3の粘度と同じになるようにジメチルポ
リシロキサンにより調整した(比較品3)。そして、こ
の比較品3について1.0KV/mmの強さの電場を印加した状
態での粘度を測定したところ、25℃で550cstであった。
次に、この比較品3についても前記と同様の測定を行
った。この結果を第3表に示す。
この結果から、発明品3は比較品3に比べ、実施例1
同様、優れていることが立証された。
尚、実施例3では、アンチモン含有二酸化スズ粒子表
面のOH基と化学結合しているシランカップリング剤のエ
ポキシ基に片末端反応性シリコンオイルの末端の−NH−
基を付加反応させたが、シランカップリング剤のエポキ
シ基に片末端反応性シリコンオイルの末端の−OH基を付
加反応させることもできる。
〔発明の効果〕
以上説明したように請求項(1)記載の発明によれ
ば、シランカップリング剤を介して、片末端反応性シリ
コンオイルを導電性セラミックスの微粒子に直接化学結
合させることで、当該導電性セラミックスの微粒子をシ
リコンオイルを主成分とする電気絶縁性液体中に安定し
て分散することができる。この結果、長期的に安定した
ウインスロウ効果を示す電気粘性流体を提供することが
できる。また、耐熱性,耐久性,機械的摩耗性にも優れ
た電気粘性流体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明に係る電気粘性流体のシランカップリ
ング剤と導電性セラミックスの微粒子との間に起きる脱
水縮合の過程を示す模式図、第2図は、シランカップリ
ング剤の官能基と片末端反応性シリコンオイルの末端の
官能基との間に起きる化学結合の過程を示す模式図であ
る。 図中、2は導電性セラミックスの微粒子、Yはシランカ
ップリング剤の官能基、Zは片末端反応性シリコンオイ
ルの末端の官能基、R及びR′は炭化水素鎖を示す。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】シリコンオイルを主成分とする電気絶縁性
    液体に導電性セラミックスの微粒子を分散してなる電気
    粘性流体において、一般式がYRSiXnR′3-n(Y;官能基、
    R;炭化水素鎖、X;加水分解によりOH基を形成する加水分
    解性基であり、メトキシ基,エトキシ基等のアルコキシ
    基及びハロゲン基の少なくとも一つ、R′;炭化水素
    鎖、n=1〜3)で示され、前記導電性セラミックスの
    微粒子の表面のOH基と反応し、当該導電性セラミックス
    の微粒子の表面に直接化学結合するOH基を加水分解によ
    り形成する加水分解性基Xを備えたシランカップリング
    剤と、当該シランカップリング剤の官能基Yと付加反応
    して直接化学結合するエポキシ基,アミノ基及びOH基の
    中から選ばれた1種の官能基を片末端に有する片末端反
    応性シリコンオイルとを介して、前記導電性セラミック
    スの微粒子が前記電気絶縁性液体に分散されたことを特
    徴とする電気粘性流体。
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