JP3021579B2 - 磁性流体組成物 - Google Patents
磁性流体組成物Info
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Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、磁性流体組成物に係り、特に、0℃以下の
環境下においても、長期的に安定した分散性,流動性を
有するシリコンオイルベースの磁性流体組成物に関す
る。
環境下においても、長期的に安定した分散性,流動性を
有するシリコンオイルベースの磁性流体組成物に関す
る。
従来、0℃以下の低温環境下においても、流動性を失
わない磁性流体組成物として、特開昭63−175401号に開
示されているように、分散媒として、その流動点が通常
のシール剤に用いられている分散媒の流動点に比べ極め
て低いシリコンオイルを用い、分散剤として、炭化水素
化合物(第1の界面活性剤)及びシロキサン化合物(第
2の界面活性剤)を用いた磁性流体組成物が存在する。
前記第1の界面活性剤は、その官能基が強磁性体微粒子
表面に吸着し、炭化水素基が外側に配向する。そして、
第2の界面活性剤が前記炭化水素基を介して強く結合
し、シロキサン基を分散媒側に配向して強磁性体微粒子
の表面を被覆する。このため、当該強磁性体微粒子を、
安定した状態で分散媒中に分散することができる。
わない磁性流体組成物として、特開昭63−175401号に開
示されているように、分散媒として、その流動点が通常
のシール剤に用いられている分散媒の流動点に比べ極め
て低いシリコンオイルを用い、分散剤として、炭化水素
化合物(第1の界面活性剤)及びシロキサン化合物(第
2の界面活性剤)を用いた磁性流体組成物が存在する。
前記第1の界面活性剤は、その官能基が強磁性体微粒子
表面に吸着し、炭化水素基が外側に配向する。そして、
第2の界面活性剤が前記炭化水素基を介して強く結合
し、シロキサン基を分散媒側に配向して強磁性体微粒子
の表面を被覆する。このため、当該強磁性体微粒子を、
安定した状態で分散媒中に分散することができる。
前記従来例の強磁性体微粒子と第1の界面活性剤との
結合は、電気的な吸着であるため、両者は比較的弱く結
合しているに過ぎない。従って、強磁性体微粒子から界
面活性剤が脱着・剥離し易く、長期的に安定した分散性
が得られない。
結合は、電気的な吸着であるため、両者は比較的弱く結
合しているに過ぎない。従って、強磁性体微粒子から界
面活性剤が脱着・剥離し易く、長期的に安定した分散性
が得られない。
そこで、特開昭63−213326号に開示されているよう
に、分散媒として炭化水素油又はパーフルオロ溶媒を用
い、分散剤として強磁性体微粒子表面に化学的に強固に
結合するカップリング剤を用いる従来例が存在する。
に、分散媒として炭化水素油又はパーフルオロ溶媒を用
い、分散剤として強磁性体微粒子表面に化学的に強固に
結合するカップリング剤を用いる従来例が存在する。
この従来例に開示されている磁性流体組成物は、低温
特性に優れた分散媒を用いていないため、安定した分散
性,流動性及び耐久性を低温下で得ることが困難である
という課題があった。
特性に優れた分散媒を用いていないため、安定した分散
性,流動性及び耐久性を低温下で得ることが困難である
という課題があった。
また、米国特許No.4356098に開示されているように、
分散剤として強磁性体微粒子と化学結合する基を含むシ
リコンオイルベース界面活性剤を用い、これを強磁性体
微粒子表面に吸着することで、シリコンオイル中に強磁
性体微粒子を安定に分散する磁性流体組成物を提供する
従来例も存在する。
分散剤として強磁性体微粒子と化学結合する基を含むシ
リコンオイルベース界面活性剤を用い、これを強磁性体
微粒子表面に吸着することで、シリコンオイル中に強磁
性体微粒子を安定に分散する磁性流体組成物を提供する
従来例も存在する。
しかしながら、この従来例においても、強磁性体微粒
子と界面活性剤との結合力は弱く、このため、強磁性体
微粒子の表面電位,温度,湿度,炭化水素系物質の混
入,或いは外部電圧の印加等、外的要因による影響を受
け易く、長期的に安定した分散性を維持することが極め
て困難であった。
子と界面活性剤との結合力は弱く、このため、強磁性体
微粒子の表面電位,温度,湿度,炭化水素系物質の混
入,或いは外部電圧の印加等、外的要因による影響を受
け易く、長期的に安定した分散性を維持することが極め
て困難であった。
そこで、このような課題を解決するために本発明は、
シリコンオイルベースの分散剤を強磁性体微粒子の表面
に直接化学結合させ、これをシリコンオイルを主成分と
する分散媒に分散させることで、長期的に安定した分散
性を有し、且つ、低温下においても優れた流動性,耐久
性を示す磁性流体組成物を提供することを目的とする。
シリコンオイルベースの分散剤を強磁性体微粒子の表面
に直接化学結合させ、これをシリコンオイルを主成分と
する分散媒に分散させることで、長期的に安定した分散
性を有し、且つ、低温下においても優れた流動性,耐久
性を示す磁性流体組成物を提供することを目的とする。
この目的を達成するために本発明は、シリコンオイル
を主成分とする分散媒と、強磁性体微粒子と、該強磁性
体微粒子を前記分散媒中に分散してなる磁性流体組成物
において、前記強磁性体微粒子表面の官能基と反応し、
この時の反応生成物を介して当該強磁性体微粒子表面に
直接化学結合する官能基を備えたカップリング剤と、当
該カップリング剤の他の官能基と直接化学結合する官能
基を備えた反応性シリコンオイルとを介して、前記強磁
性体微粒子を前記分散媒に分散させた磁性流体組成物で
あることを特徴とするものである。
を主成分とする分散媒と、強磁性体微粒子と、該強磁性
体微粒子を前記分散媒中に分散してなる磁性流体組成物
において、前記強磁性体微粒子表面の官能基と反応し、
この時の反応生成物を介して当該強磁性体微粒子表面に
直接化学結合する官能基を備えたカップリング剤と、当
該カップリング剤の他の官能基と直接化学結合する官能
基を備えた反応性シリコンオイルとを介して、前記強磁
性体微粒子を前記分散媒に分散させた磁性流体組成物で
あることを特徴とするものである。
そして、前記カップリング剤は、一般式がYRSiXnR′
3-n(Y;官能基、R;炭化水素鎖、X;加水分解によりOH基
を形成する加水分解性基であり、メトキシ基,エトキシ
基等のアルコキシ基及びハロゲン基の少なくとも一つ、
R′;炭化水素鎖、n=1〜3)で示されるシランカッ
プリング剤であり、前記反応性シリコンオイルは、当該
シランカップリング剤の官能基Y部分と付加反応して化
学的に結合する官能基を片末端に有する片末端は反応性
シリコンオイルであることを特徴とする磁性流体組成物
である。
3-n(Y;官能基、R;炭化水素鎖、X;加水分解によりOH基
を形成する加水分解性基であり、メトキシ基,エトキシ
基等のアルコキシ基及びハロゲン基の少なくとも一つ、
R′;炭化水素鎖、n=1〜3)で示されるシランカッ
プリング剤であり、前記反応性シリコンオイルは、当該
シランカップリング剤の官能基Y部分と付加反応して化
学的に結合する官能基を片末端に有する片末端は反応性
シリコンオイルであることを特徴とする磁性流体組成物
である。
この発明に係わる磁性流体組成物では、強磁性体微粒
子表面の官能基と反応して該強磁性体微粒子表面に直接
化学結合するカップリング剤を介して、当該強磁性体微
粒子表面に反応性シリコンオイルを被覆させることで、
該強磁性体微粒子表面に当該反応性シリコンオイルを直
接化学結合させることができる。
子表面の官能基と反応して該強磁性体微粒子表面に直接
化学結合するカップリング剤を介して、当該強磁性体微
粒子表面に反応性シリコンオイルを被覆させることで、
該強磁性体微粒子表面に当該反応性シリコンオイルを直
接化学結合させることができる。
即ち、前記カップリング剤の一方の官能基が強磁性体
微粒子表面に存在する官能基と化学的に反応し、この反
応生成物を介して当該強磁性体微粒子表面に前記カップ
リング剤が直接化学結合することで、当該カップリング
は強磁性体微粒子表面に強固に結合してこれを被覆す
る。そして、当該カップリング剤は、もう一方の官能基
を外側に配向する。その後、前記カップリング剤の他の
官能基と反応性シリコンオイルの官能基とが直接化学結
合する。この結果、前記強磁性体微粒子表面には、当該
カップリング剤を介して当該反応性シリコンオイルが直
接化学結合する。さらに、当該反応性シリコンオイル
は、ポリシロキサン鎖を分散媒であるシリコンオイル側
に配向するため、分散媒であるシリコンオイルとの相溶
性が極めて良好となり、高い分散性を得ることができ
る。この結果、高温〜常温ばかりでなく低温環境下にお
いても、長期的に安定した分散性,流動性及び耐久性を
示す磁性流体組成物を提供することができる。
微粒子表面に存在する官能基と化学的に反応し、この反
応生成物を介して当該強磁性体微粒子表面に前記カップ
リング剤が直接化学結合することで、当該カップリング
は強磁性体微粒子表面に強固に結合してこれを被覆す
る。そして、当該カップリング剤は、もう一方の官能基
を外側に配向する。その後、前記カップリング剤の他の
官能基と反応性シリコンオイルの官能基とが直接化学結
合する。この結果、前記強磁性体微粒子表面には、当該
カップリング剤を介して当該反応性シリコンオイルが直
接化学結合する。さらに、当該反応性シリコンオイル
は、ポリシロキサン鎖を分散媒であるシリコンオイル側
に配向するため、分散媒であるシリコンオイルとの相溶
性が極めて良好となり、高い分散性を得ることができ
る。この結果、高温〜常温ばかりでなく低温環境下にお
いても、長期的に安定した分散性,流動性及び耐久性を
示す磁性流体組成物を提供することができる。
以下、本発明に係る磁性流体組成物をさらに詳説す
る。
る。
本発明における分散媒となるベースオイルは、良好な
潤滑特性と共に耐寒性、低揮発性、化学的安定性等が良
好な次の一般式で表すシリコンオイルである。
潤滑特性と共に耐寒性、低揮発性、化学的安定性等が良
好な次の一般式で表すシリコンオイルである。
(R1,R2,R3,R4は炭化水素鎖、又はシロキサン結合を介
した炭化水素鎖)。
した炭化水素鎖)。
例えば、前記一般式で、ジメチルポリシロキサンの
他、テトラフェニルテトラメチルトリシロキサン、ペン
タフェニルトリメチルトリシロキサンの如きメチルフェ
ニルポリシロキサンを使用することができる。
他、テトラフェニルテトラメチルトリシロキサン、ペン
タフェニルトリメチルトリシロキサンの如きメチルフェ
ニルポリシロキサンを使用することができる。
また、カップリング剤としては、強磁性微粒子表面の
官能基と直接化学結合するもので、シラン系カップリン
グ剤の他、イソプロピルトリ(N−アミドエチル・アミ
ノエチル)チタネート等のチタネート系カップリング
剤、アセトアルコキシアルミニウムジイソプロピレート
等のアルミニウム系カップリング剤、クロム系カップリ
ング剤等が挙げられる。
官能基と直接化学結合するもので、シラン系カップリン
グ剤の他、イソプロピルトリ(N−アミドエチル・アミ
ノエチル)チタネート等のチタネート系カップリング
剤、アセトアルコキシアルミニウムジイソプロピレート
等のアルミニウム系カップリング剤、クロム系カップリ
ング剤等が挙げられる。
このうちシラン系カップリング剤としては、YRSiX
nR′3-n(Y;官能基、R;炭化水素鎖であり、炭素数1以
上の特に1〜3の直鎖或いは分岐の脂肪族系炭化水素、
X;加水分解によりOH基を形成する加水分解性基であり、
メトキシ基,エトキシ基等のアルコキシ基及びハロゲン
基の少なくとも一つ、R′;炭化水素鎖であり、炭素数
1以上の特に1〜3の直鎖或いは分岐の脂肪族系炭化水
素、n=1〜3)で示されるものがある。このシランカ
ップリング剤のアルコキシ基は、水溶液中、空気中の水
分、又は無機物表面に吸着された水分により加水分解し
てシラノール基(RSi−OH)を生成する。一方、強磁性
体微粒子(Mは)は、その表面に官能基の一つであるOH
基を有しているとする。そこで、両者の間に脱水縮合反
応が生じて、メタシロキサン結合(Si−O−M)により
化学的に結合するものと考えられる。
nR′3-n(Y;官能基、R;炭化水素鎖であり、炭素数1以
上の特に1〜3の直鎖或いは分岐の脂肪族系炭化水素、
X;加水分解によりOH基を形成する加水分解性基であり、
メトキシ基,エトキシ基等のアルコキシ基及びハロゲン
基の少なくとも一つ、R′;炭化水素鎖であり、炭素数
1以上の特に1〜3の直鎖或いは分岐の脂肪族系炭化水
素、n=1〜3)で示されるものがある。このシランカ
ップリング剤のアルコキシ基は、水溶液中、空気中の水
分、又は無機物表面に吸着された水分により加水分解し
てシラノール基(RSi−OH)を生成する。一方、強磁性
体微粒子(Mは)は、その表面に官能基の一つであるOH
基を有しているとする。そこで、両者の間に脱水縮合反
応が生じて、メタシロキサン結合(Si−O−M)により
化学的に結合するものと考えられる。
前記シランカップリング剤は、反応性シリコンオイル
の官能基と反応し、化学結合する官能基(Y)を有して
しる。
の官能基と反応し、化学結合する官能基(Y)を有して
しる。
このシランカップリング剤の官能基(Y)として、例
えば、後述する第1表に示すようなアミノ基、エポキシ
基,水酸基等の官能基が挙げられる。この官能基(Y)
は後述する反応性シリコンオイルに存在する官能基(後
述する第1表に示す)と直接化学結合する。
えば、後述する第1表に示すようなアミノ基、エポキシ
基,水酸基等の官能基が挙げられる。この官能基(Y)
は後述する反応性シリコンオイルに存在する官能基(後
述する第1表に示す)と直接化学結合する。
このようなシランカップリング剤の具体例としては、
γ−アミノプロピルトリエトキシシラン,γ−グリシド
キシプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。
γ−アミノプロピルトリエトキシシラン,γ−グリシド
キシプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。
この発明のカップリング剤の添加量は、強磁性体微粒
子表面を単分子膜で完全に被覆する量が最適であり、従
って、カップリング剤の強磁性体微粒子に対する最小被
覆面積と強磁性体微粒子の表面積とから次式で算出でき
る。
子表面を単分子膜で完全に被覆する量が最適であり、従
って、カップリング剤の強磁性体微粒子に対する最小被
覆面積と強磁性体微粒子の表面積とから次式で算出でき
る。
カップリング剤添加量(g)=(強磁性体微粒子の重
量(g)×比表面積(m2/g))/カップリング剤の最小
被覆面積(m2/g) ここで,カップリング剤の最小被表面積の大きさは,
例えばシランカップリング剤の場合、1分子あたりの被
覆面積が13Å2であり、従って1gあたりは13Å2×アボ
ガドロ数(6.02×1023)/分子量から求められる。
量(g)×比表面積(m2/g))/カップリング剤の最小
被覆面積(m2/g) ここで,カップリング剤の最小被表面積の大きさは,
例えばシランカップリング剤の場合、1分子あたりの被
覆面積が13Å2であり、従って1gあたりは13Å2×アボ
ガドロ数(6.02×1023)/分子量から求められる。
本発明の磁性流体組成物における反応性シリコンオイ
ルとは、前記シリコンオイルにカップリング剤の官能基
(Y)と直接化学結合する官能基(Z)を有するシリコ
ンオイルを言う。この官能基の数は複数であっても良
く、また官能基の位置は、シリコンオイルにおける片末
端ないし両末端或いは中間であっても良い。このうち、
官能基(Z)が片末端にある片末端反応性シリコンオイ
ルが、強磁性体微粒子をベースオイル中に分散させる上
で好ましい。この理由は、例えば、アミノ基をシロキサ
ン鎖長中にランダムに導入したアミノ変性シリコンオイ
ル(片末端反応性シリコンオイルではない)とは異な
り、末端に官能基を有するため、シランカップリング剤
の官能基との反応性が非常に高く、反応後の配列性も良
好で、強磁性体微粒子の分散安定性を向上することがで
きるからである。
ルとは、前記シリコンオイルにカップリング剤の官能基
(Y)と直接化学結合する官能基(Z)を有するシリコ
ンオイルを言う。この官能基の数は複数であっても良
く、また官能基の位置は、シリコンオイルにおける片末
端ないし両末端或いは中間であっても良い。このうち、
官能基(Z)が片末端にある片末端反応性シリコンオイ
ルが、強磁性体微粒子をベースオイル中に分散させる上
で好ましい。この理由は、例えば、アミノ基をシロキサ
ン鎖長中にランダムに導入したアミノ変性シリコンオイ
ル(片末端反応性シリコンオイルではない)とは異な
り、末端に官能基を有するため、シランカップリング剤
の官能基との反応性が非常に高く、反応後の配列性も良
好で、強磁性体微粒子の分散安定性を向上することがで
きるからである。
片末端反応性シリコンオイルとしては、例えば、次の
ような構造のものを使用することができる。
ような構造のものを使用することができる。
尚、次の第1表にシランカップリング剤の官能基
(Y)と反応性シリコンオイルの官能基(Z)との組合
せ、及び両方の官能基同士の反応により生じた化学結合
を示す。
(Y)と反応性シリコンオイルの官能基(Z)との組合
せ、及び両方の官能基同士の反応により生じた化学結合
を示す。
この発明の強磁性体微粒子としては、周知の湿式法に
よりコロイド状水懸濁液(スラリー)として得られるも
のを用いて良い。ここに湿式法とは、第1鉄イオンと第
2鉄イオンを1:2の割合で含む酸性溶液にアルカリを加
え、pH9程度以上とし、適宜な温度下で熟成することに
よりマグネタイトコロイドを得るものである。また、水
もしくは有機溶媒中でマグネタイト粉末をボールミル粉
砕するいわゆる湿式粉砕法で得られるものでも良い。更
に、その他乾式法で得られたものであっても良い。
よりコロイド状水懸濁液(スラリー)として得られるも
のを用いて良い。ここに湿式法とは、第1鉄イオンと第
2鉄イオンを1:2の割合で含む酸性溶液にアルカリを加
え、pH9程度以上とし、適宜な温度下で熟成することに
よりマグネタイトコロイドを得るものである。また、水
もしくは有機溶媒中でマグネタイト粉末をボールミル粉
砕するいわゆる湿式粉砕法で得られるものでも良い。更
に、その他乾式法で得られたものであっても良い。
また、マグネタイト以外にマンガンフェライト,ニッ
ケルフェライト,コバルトフェライトもしくはこれらと
亜鉛の複合フェライトやバリウムフェライトなどの強磁
性体微粒子や,鉄,コバルト等の強磁性の金属微粒子を
用いることもできる。
ケルフェライト,コバルトフェライトもしくはこれらと
亜鉛の複合フェライトやバリウムフェライトなどの強磁
性体微粒子や,鉄,コバルト等の強磁性の金属微粒子を
用いることもできる。
強磁性体微粒子の含有量は、一般的な1〜20%(体積
比)は勿論のこと,強磁性体微粒子が低沸点溶媒中に分
散された中間媒体を経由して製造することにより,更に
高濃度(70重量%)にすることも可能になる。このた
め、磁化量の極めて高い磁性流体組成物を得ることがで
きる。
比)は勿論のこと,強磁性体微粒子が低沸点溶媒中に分
散された中間媒体を経由して製造することにより,更に
高濃度(70重量%)にすることも可能になる。このた
め、磁化量の極めて高い磁性流体組成物を得ることがで
きる。
ここで説明した強磁性体微粒子の表面には、官能基と
してOH基が存在することになるが、前記カップリング剤
の加水分解によって生じたOH基と脱水縮合反応を起こし
て、カップリング剤と強磁性体微粒子とが直接化学結合
する。
してOH基が存在することになるが、前記カップリング剤
の加水分解によって生じたOH基と脱水縮合反応を起こし
て、カップリング剤と強磁性体微粒子とが直接化学結合
する。
尚、強磁性体微粒子表面に酸化皮膜が形成されても、
そのOH基と前記カップリング剤とが反応し化学結合を形
成するため、当該強磁性体微粒子表面を当該カップリン
グ剤で十分に被覆することができる。
そのOH基と前記カップリング剤とが反応し化学結合を形
成するため、当該強磁性体微粒子表面を当該カップリン
グ剤で十分に被覆することができる。
次に、強磁性体微粒子を分散剤で被覆する際の具体的
な反応過程について、図面に基づいて説明する。
な反応過程について、図面に基づいて説明する。
第1図は、シランカップリング剤と強磁性体微粒子と
の間に起きる脱水縮合及び化学結合の過程を示す模式
図、第2図は、シランカップリング剤の官能基(Y)と
片末端反応性シリコンオイルの末端の官能基(Z)とが
付加反応を起こす過程を示す模式図である。
の間に起きる脱水縮合及び化学結合の過程を示す模式
図、第2図は、シランカップリング剤の官能基(Y)と
片末端反応性シリコンオイルの末端の官能基(Z)とが
付加反応を起こす過程を示す模式図である。
先ず、強磁性体微粒子2表面の官能基であるOH基とシ
ランカップリング剤のシラノール基(−Si−OH)とが脱
水縮合し、当該強磁性体微粒子2とシランカップリング
剤とが化学結合する。この動作を以下に述べる。
ランカップリング剤のシラノール基(−Si−OH)とが脱
水縮合し、当該強磁性体微粒子2とシランカップリング
剤とが化学結合する。この動作を以下に述べる。
第1図(1)−1に示すように、一般式YRSiXnR′3-n
(Y;官能基、R;炭化水素鎖、X;加水分解によりOH基を形
成する加水分解性基であり、メトキシ基,エトキシ基等
のアルコキシ基及びハロゲン基の少なくとも一つ、
R′;炭化水素鎖、n=1〜3)のnが3のシランカッ
プリング剤(YRSiX3)は、そのシラノール基のOH基とOH
基のHとが互いに脱水縮合する。
(Y;官能基、R;炭化水素鎖、X;加水分解によりOH基を形
成する加水分解性基であり、メトキシ基,エトキシ基等
のアルコキシ基及びハロゲン基の少なくとも一つ、
R′;炭化水素鎖、n=1〜3)のnが3のシランカッ
プリング剤(YRSiX3)は、そのシラノール基のOH基とOH
基のHとが互いに脱水縮合する。
次いで、第1図(1)−2に示すように、強磁性体微
粒子2表面のOH基と前記脱水縮合後のシランカップリン
グ剤のシラノール基のHとがさらに脱水縮合し、第1図
(1)−3に示すように、強磁性体微粒子2とシランカ
ップリング剤とが化学結合する。
粒子2表面のOH基と前記脱水縮合後のシランカップリン
グ剤のシラノール基のHとがさらに脱水縮合し、第1図
(1)−3に示すように、強磁性体微粒子2とシランカ
ップリング剤とが化学結合する。
また、第1図(2)に示すように、前記一般式YRSiXn
R′3-nのnが2のシランカップリング剤(YRSiX2R′)
も前記と同様に脱水縮合し、強磁性体微粒子2とシラン
カップリング剤とが化学結合する。
R′3-nのnが2のシランカップリング剤(YRSiX2R′)
も前記と同様に脱水縮合し、強磁性体微粒子2とシラン
カップリング剤とが化学結合する。
同様に、第1図(3)−1に示すように、前記一般式
YRSiXnR′3-nのnが1のシランカップリング剤(YRSiX
R′2)は、強磁性体微粒子2表面のOH基とシランカッ
プリング剤のシラノール基のHとが脱水縮合し、第1図
(3)−2に示すように、強磁性体微粒子2とシランカ
ップリング剤とが化学結合する。
YRSiXnR′3-nのnが1のシランカップリング剤(YRSiX
R′2)は、強磁性体微粒子2表面のOH基とシランカッ
プリング剤のシラノール基のHとが脱水縮合し、第1図
(3)−2に示すように、強磁性体微粒子2とシランカ
ップリング剤とが化学結合する。
尚、前記シランカップリング剤は加水分解基としてト
リアルコキシ基を有することで、そのシラノール基同士
が脱水縮合して強磁性体微粒子2表面上で二次元的な編
み目構造を形成し、当該強磁性体微粒子とより強固に化
学結合することができる。
リアルコキシ基を有することで、そのシラノール基同士
が脱水縮合して強磁性体微粒子2表面上で二次元的な編
み目構造を形成し、当該強磁性体微粒子とより強固に化
学結合することができる。
次いで、第2図(1)に示すように、強磁性体微粒子
2と化学結合したシランカップリング剤の官能基(Y)
と片末端反応性シリコンオイルの末端の官能基(Z)と
が第2図(2)に示すように、付加反応を起こし化学結
合を形成する。このようにして、強磁性体微粒子2表面
にポリシロキサン鎖が導入される。尚、第2図は、前記
シランカップリング剤の一般式において、n=3の場合
について記載したが、nが1及び2の場合についても同
様の化学結合が起きる。
2と化学結合したシランカップリング剤の官能基(Y)
と片末端反応性シリコンオイルの末端の官能基(Z)と
が第2図(2)に示すように、付加反応を起こし化学結
合を形成する。このようにして、強磁性体微粒子2表面
にポリシロキサン鎖が導入される。尚、第2図は、前記
シランカップリング剤の一般式において、n=3の場合
について記載したが、nが1及び2の場合についても同
様の化学結合が起きる。
この2段階の化学反応により、強磁性体微粒子表面に
シランカップリング剤及び片末端反応性シリコンオイル
の両者を直接化学結合させることができ、強磁性体微粒
子表面にポリシロキサン鎖を導入することができる。
シランカップリング剤及び片末端反応性シリコンオイル
の両者を直接化学結合させることができ、強磁性体微粒
子表面にポリシロキサン鎖を導入することができる。
尚、シランカップリング剤の官能基(Y)と片末端反
応性シリコンオイルの末端の官能基(Z)とが付加反応
により直接化学結合する場合について説明したが、この
他、置換反応,縮合反応により両者を直接化学結合させ
ても良い。この場合、前記官能基(Y)と(Z)は、置
換反応,縮合反応を起こし得る公知の官能基から選択す
ることができる。
応性シリコンオイルの末端の官能基(Z)とが付加反応
により直接化学結合する場合について説明したが、この
他、置換反応,縮合反応により両者を直接化学結合させ
ても良い。この場合、前記官能基(Y)と(Z)は、置
換反応,縮合反応を起こし得る公知の官能基から選択す
ることができる。
〔実施例〕 次に本発明の実施例について説明する。
(実施例1) 硫酸第1鉄と硫酸第2鉄とをそれぞれ0.3mo1づつ含む
水溶液1に、6NのNaOH水溶液をpHが11以上になるまで
加える。その後、この溶液を60℃で30分間熟成してマグ
ネタイトコロイドのスラリー液を得る。次いで、室温下
で前記スラリー液を水洗して、スラリー液に存在してい
る電解質を除去する。このようにして、湿式法によりマ
グネタイトコロイドを製造した。
水溶液1に、6NのNaOH水溶液をpHが11以上になるまで
加える。その後、この溶液を60℃で30分間熟成してマグ
ネタイトコロイドのスラリー液を得る。次いで、室温下
で前記スラリー液を水洗して、スラリー液に存在してい
る電解質を除去する。このようにして、湿式法によりマ
グネタイトコロイドを製造した。
次に、マグネタイトを10g含む前記マグネタイトコロ
イド液にイオン交換水を加え、1とした。次いで、こ
の液をホモミキサーを用いて10000rpmで攪拌し、マグネ
タイトを溶液中に十分に分散させる。その後、この液に
シランカップリング剤であるγ−アミノプロピルトリエ
トキシシラン0.5gをメタノール200mlに溶解させたもの
を加え、さらにホモミキサーを用いて10000rpmで10分間
攪拌する。このようにして、γ−アミノプロピルトリエ
トキシシランは、γ−アミノプロピルトリヒドロキシシ
ランを介してマグネタイト表面のOH基と脱水縮合により
化学結合を形成した。その後、これを水洗し過剰なシラ
ンカップリング剤を洗浄除去し、回収後乾燥した。
イド液にイオン交換水を加え、1とした。次いで、こ
の液をホモミキサーを用いて10000rpmで攪拌し、マグネ
タイトを溶液中に十分に分散させる。その後、この液に
シランカップリング剤であるγ−アミノプロピルトリエ
トキシシラン0.5gをメタノール200mlに溶解させたもの
を加え、さらにホモミキサーを用いて10000rpmで10分間
攪拌する。このようにして、γ−アミノプロピルトリエ
トキシシランは、γ−アミノプロピルトリヒドロキシシ
ランを介してマグネタイト表面のOH基と脱水縮合により
化学結合を形成した。その後、これを水洗し過剰なシラ
ンカップリング剤を洗浄除去し、回収後乾燥した。
次に、γ−アミノプロピルトリエトキシシランで処理
したマグネタイト10.0gと、末端にエポキシ基を有する
前記構造式Iで示される片末端反応性シリコンオイル4.
0g、及び分散媒としてジメチルポリシロキサン(粘度;
0.65cs,25℃、沸点100℃)12.0gとをボールミルで3時
間粉砕しながら、マグネタイト粒子表面のOH基と化学結
合しているシランカップリング剤のアミノ基に片末端反
応性シリコンオイルの末端のエポキシ基を付加反応させ
た。この付加反応により化学結合が形成され、マグネタ
イト表面にポリシロキサン鎖が導入された。このように
して、マグネタイトがジメチルポリシロキサンに分散さ
れた中間媒体を得た。次いで、この中間媒体を遠心分離
機を用いて、8000Gで30分間遠心分離し、前記中間媒体
中の分散性の悪いマグネタイト粒子を除去した。
したマグネタイト10.0gと、末端にエポキシ基を有する
前記構造式Iで示される片末端反応性シリコンオイル4.
0g、及び分散媒としてジメチルポリシロキサン(粘度;
0.65cs,25℃、沸点100℃)12.0gとをボールミルで3時
間粉砕しながら、マグネタイト粒子表面のOH基と化学結
合しているシランカップリング剤のアミノ基に片末端反
応性シリコンオイルの末端のエポキシ基を付加反応させ
た。この付加反応により化学結合が形成され、マグネタ
イト表面にポリシロキサン鎖が導入された。このように
して、マグネタイトがジメチルポリシロキサンに分散さ
れた中間媒体を得た。次いで、この中間媒体を遠心分離
機を用いて、8000Gで30分間遠心分離し、前記中間媒体
中の分散性の悪いマグネタイト粒子を除去した。
次に、分散性の悪い粒子が取り除かれた中間媒体の上
澄み液中に存在するマグネタイトの重量に対して、0.8
倍量のジメチルポリシロキサン(粘度;100cs,25℃)を
前記上澄み液に加えて混合する。その後、この混合液を
ロータリエバポレータに移し、100℃に保ち低沸点のジ
メチルポリシロキサンを蒸発除去した。このようにし
て、マグネタイトを高粘度(100cs,25℃)のジメチルポ
リシロキサンに分散させた。これを更に、遠心分離機を
用いて8000Gで30分間遠心分離し、非分散固形物を取り
除き、極めて安定な磁性流体組成物を得た。
澄み液中に存在するマグネタイトの重量に対して、0.8
倍量のジメチルポリシロキサン(粘度;100cs,25℃)を
前記上澄み液に加えて混合する。その後、この混合液を
ロータリエバポレータに移し、100℃に保ち低沸点のジ
メチルポリシロキサンを蒸発除去した。このようにし
て、マグネタイトを高粘度(100cs,25℃)のジメチルポ
リシロキサンに分散させた。これを更に、遠心分離機を
用いて8000Gで30分間遠心分離し、非分散固形物を取り
除き、極めて安定な磁性流体組成物を得た。
(実施例2) 実施例1と同様にして得たマグネタイト10.0gを含む
マグネタイトコロイド液を実施例1と同様に処理し、マ
グネタイトが溶液中に十分に分散されている処理液を得
た。この処理液にシランカップリング剤であるγ−グリ
シドキシプロピルトリメトキシシラン0.5gを用いて実施
例1と同様に処理し、γ−グリシドキシプロピルトリメ
トキシシランで処理したマグネタイトを得た。
マグネタイトコロイド液を実施例1と同様に処理し、マ
グネタイトが溶液中に十分に分散されている処理液を得
た。この処理液にシランカップリング剤であるγ−グリ
シドキシプロピルトリメトキシシラン0.5gを用いて実施
例1と同様に処理し、γ−グリシドキシプロピルトリメ
トキシシランで処理したマグネタイトを得た。
次いで、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラ
ンで処理した前記マグネタイト10.0gと、前記構造式で
示されるように、末端に水酸基を有する前記構造式IIで
示される片末端反応性シリコンオイル4.0g、及び分散媒
としてジメチルポリシロキサン(粘度;0.65cs,25℃、沸
点100℃)12.0gとをボールミルで3時間粉砕しながら、
マグネタイト粒子表面のOH基と化学結合しているシラン
カップリング剤のエポキシ基に片末端反応性シリコンオ
イルの末端の水酸基を付加反応させた。この付加反応に
より化学結合が形成され、マグネタイト表面にポリシロ
キサン鎖が導入された。このようにして、マグネタイト
がジメチルポリシロキサンに分散された中間媒体を得
た。次いで、この中間媒体を遠心分離機を用いて、8000
Gで30分間遠心分離し、前記中間媒体中の分散性の悪い
マグネタイト粒子を除去した。
ンで処理した前記マグネタイト10.0gと、前記構造式で
示されるように、末端に水酸基を有する前記構造式IIで
示される片末端反応性シリコンオイル4.0g、及び分散媒
としてジメチルポリシロキサン(粘度;0.65cs,25℃、沸
点100℃)12.0gとをボールミルで3時間粉砕しながら、
マグネタイト粒子表面のOH基と化学結合しているシラン
カップリング剤のエポキシ基に片末端反応性シリコンオ
イルの末端の水酸基を付加反応させた。この付加反応に
より化学結合が形成され、マグネタイト表面にポリシロ
キサン鎖が導入された。このようにして、マグネタイト
がジメチルポリシロキサンに分散された中間媒体を得
た。次いで、この中間媒体を遠心分離機を用いて、8000
Gで30分間遠心分離し、前記中間媒体中の分散性の悪い
マグネタイト粒子を除去した。
その後、実施例1と同様の工程を行い、極めて安定な
磁性流体組成物を得た。
磁性流体組成物を得た。
(実施例3) 実施例1と同様にして得たマグネタイト10.0gを含む
マグネタイトコロイド液を実施例1と同様に処理し、マ
グネタイトが溶液中に十分に分散されている処理液を得
た。この処理液にシランカップリング剤であるγ−グリ
シドキシプロピルトリメトキシシラン0.5gを用いて実施
例1と同様に処理し、γ−グリシドキシプロピルトリメ
トキシシランで処理したマグネタイトを得た。
マグネタイトコロイド液を実施例1と同様に処理し、マ
グネタイトが溶液中に十分に分散されている処理液を得
た。この処理液にシランカップリング剤であるγ−グリ
シドキシプロピルトリメトキシシラン0.5gを用いて実施
例1と同様に処理し、γ−グリシドキシプロピルトリメ
トキシシランで処理したマグネタイトを得た。
次いで、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラ
ンで処理した前記マグネタイト10.0gと、末端に−NH−
基を有する前記構造式IIIで示される片末端反応性シリ
コンオイル4.0g、及び分散媒としてジメチルポリシロキ
サン(粘度;0.65cs,25℃、沸点100℃)12.0gとをボール
ミルで3時間粉砕しながら、マグネタイト粒子表面のOH
基と化学結合しているシランカップリング剤のエポキシ
基に片末端反応性シリコンオイルの末端の−NH−基を付
加反応させた。この付加反応により化学結合が形成さ
れ、マグネタイト表面にポリシロキサン鎖が導入され
た。このようにして、マグネタイトがジメチルポリシロ
キサンに分散された中間媒体を得た。次いで、この中間
媒体を遠心分離機を用いて、8000Gで30分間遠心分離
し、前記中間媒体中の分散性の悪いマグネタイト粒子を
除去した。
ンで処理した前記マグネタイト10.0gと、末端に−NH−
基を有する前記構造式IIIで示される片末端反応性シリ
コンオイル4.0g、及び分散媒としてジメチルポリシロキ
サン(粘度;0.65cs,25℃、沸点100℃)12.0gとをボール
ミルで3時間粉砕しながら、マグネタイト粒子表面のOH
基と化学結合しているシランカップリング剤のエポキシ
基に片末端反応性シリコンオイルの末端の−NH−基を付
加反応させた。この付加反応により化学結合が形成さ
れ、マグネタイト表面にポリシロキサン鎖が導入され
た。このようにして、マグネタイトがジメチルポリシロ
キサンに分散された中間媒体を得た。次いで、この中間
媒体を遠心分離機を用いて、8000Gで30分間遠心分離
し、前記中間媒体中の分散性の悪いマグネタイト粒子を
除去した。
その後、実施例1と同様の工程を行い、極めて安定な
磁性流体組成物を得た。
磁性流体組成物を得た。
(実施例4) 実施例1で得た磁性流体組成物(発明品)15μlを用
い、環状(内径7mm,外径7.4mm,厚さ0.7mm)の磁性流体
シールを製造し、これに不均一磁場を印加する前の重心
と不均一磁場を印加した後の重心との偏心量が50μmと
なるような磁場を印加した時の初期耐圧(吸引した時に
磁性流体シールが破ける圧力)が250mmH2Oとなるよう
に、ジメチルポリシロキサン(100cs;25℃)で希釈し
た。
い、環状(内径7mm,外径7.4mm,厚さ0.7mm)の磁性流体
シールを製造し、これに不均一磁場を印加する前の重心
と不均一磁場を印加した後の重心との偏心量が50μmと
なるような磁場を印加した時の初期耐圧(吸引した時に
磁性流体シールが破ける圧力)が250mmH2Oとなるよう
に、ジメチルポリシロキサン(100cs;25℃)で希釈し
た。
また、比較として、時開昭63−175401号に記載の方法
により調整した磁性流体組成物(比較品)についても発
明品と同様の方法で磁性流体シールを製造し、この初期
耐圧が250mmH2Oとなるように、ジメチルポリシロキサン
(100cs;25℃)で希釈した。
により調整した磁性流体組成物(比較品)についても発
明品と同様の方法で磁性流体シールを製造し、この初期
耐圧が250mmH2Oとなるように、ジメチルポリシロキサン
(100cs;25℃)で希釈した。
次に、前記2種類の磁性流体シールの分散安定性を評
価するため、前記磁性流体シールの製造時から24時間経
過後の耐圧を前記と同様の方法で測定した。この結果を
第2表に示す。
価するため、前記磁性流体シールの製造時から24時間経
過後の耐圧を前記と同様の方法で測定した。この結果を
第2表に示す。
尚、磁性流体シールの耐圧は、一般的に製造時から24
時間で平衡値に達する(安定する)ことから、初期耐圧
と製造時から24時間経過後の耐圧との変化率(経時変
化)を比較することで、分散安定性の評価とした。即
ち、経時変化が少ないもの程、磁場中における分散安定
性が高いことを示している。
時間で平衡値に達する(安定する)ことから、初期耐圧
と製造時から24時間経過後の耐圧との変化率(経時変
化)を比較することで、分散安定性の評価とした。即
ち、経時変化が少ないもの程、磁場中における分散安定
性が高いことを示している。
ここで、 耐圧変化率(%)=(製造時から24時間経過後の耐圧/初期耐圧)×100 ……
(1) とし、前記(1)式は、耐圧変化率(%)が大きい程、
分散安定性が良好となることを示している。
(1) とし、前記(1)式は、耐圧変化率(%)が大きい程、
分散安定性が良好となることを示している。
次に、前記2種類の磁性流体シールの耐熱性を評価す
るため、10ccのスクリュー管に前記磁性流体組成物を0.
8mlずつ取り、それらを200℃中に2時間放置し、次い
で、室温で1時間放置冷却後、前記スクリュー管を傾け
て前記磁性流体組成物の流動性を調べた。
るため、10ccのスクリュー管に前記磁性流体組成物を0.
8mlずつ取り、それらを200℃中に2時間放置し、次い
で、室温で1時間放置冷却後、前記スクリュー管を傾け
て前記磁性流体組成物の流動性を調べた。
この方法を繰り返し、前記磁性流体組成物の流動性が
無くなった時を固化時間とした。この固化時間が長い磁
性流体組成物程、耐熱性が高いことを示している。この
結果を第2表に示す。
無くなった時を固化時間とした。この固化時間が長い磁
性流体組成物程、耐熱性が高いことを示している。この
結果を第2表に示す。
以上の結果より、発明品は比較品に比べ、分散安定
性,耐熱性共に優れていることが立証された。
性,耐熱性共に優れていることが立証された。
以上説明したように本発明によれば、カップリング剤
を介して反応性シリコンオイルを強磁性体微粒子に化学
結合させることで、当該強磁性体微粒子をシリコンオイ
ル中に安定して分散することができる。この結果、高温
〜常温ばかりでなく、低温下においても優れた流動性及
び耐久性を示す磁性流体組成物を提供することができ
る。
を介して反応性シリコンオイルを強磁性体微粒子に化学
結合させることで、当該強磁性体微粒子をシリコンオイ
ル中に安定して分散することができる。この結果、高温
〜常温ばかりでなく、低温下においても優れた流動性及
び耐久性を示す磁性流体組成物を提供することができ
る。
第1図は、本発明に係る磁性流体組成物のシランカップ
リング剤と強磁性体微粒子との間に起きる化学結合の過
程を示す模式図、第2図はシランカップリング剤の官能
基と片末端反応性シリコンオイルの末端の官能基との間
に起きる化学結合の過程を示す模式図である。 図中、2は強磁性体微粒子、Yはシランカップリング剤
の官能基、Zは片末端反応性シリコンオイルの末端の官
能基、R及びR′は炭化水素鎖を示す。
リング剤と強磁性体微粒子との間に起きる化学結合の過
程を示す模式図、第2図はシランカップリング剤の官能
基と片末端反応性シリコンオイルの末端の官能基との間
に起きる化学結合の過程を示す模式図である。 図中、2は強磁性体微粒子、Yはシランカップリング剤
の官能基、Zは片末端反応性シリコンオイルの末端の官
能基、R及びR′は炭化水素鎖を示す。
Claims (2)
- 【請求項1】シリコンオイルを主成分とする分散媒と、
強磁性体微粒子と、該強磁性体微粒子を前記分散媒中に
分散してなる磁性流体組成物において、前記強磁性体微
粒子表面の官能基と反応し、この時の反応生成物を介し
て当該強磁性体微粒子表面に直接化学結合する官能基を
備えたカップリング剤と、当該カップリング剤の他の官
能基と直接化学結合する官能基を備えた反応性シリコン
オイルとを介して前記強磁性体微粒子を前記分散媒に分
散させたことを特徴とする磁性流体組成物。 - 【請求項2】前記カップリング剤は、一般式が YRSiXnR′3-n (Y;官能基、R;炭化水素鎖、X;加水分解によりOH基を形
成する加水分解性基であり、メトキシ基,エトキシ基等
のアルコキシ基及びハロゲン基の少なくとも一つ、
R′;炭化水素鎖、n=1〜3)で示されるシランカッ
プリング剤であり、前記反応性シリコンオイルは、当該
シランカップリング剤の官能基Y部分と付加反応して化
学的に結合する官能基を片末端に有する片末端反応性シ
リコンオイルであることを特徴とする請求項(1)記載
の磁性流体組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP22917790A JP3021579B2 (ja) | 1990-08-30 | 1990-08-30 | 磁性流体組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP22917790A JP3021579B2 (ja) | 1990-08-30 | 1990-08-30 | 磁性流体組成物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04108898A JPH04108898A (ja) | 1992-04-09 |
JP3021579B2 true JP3021579B2 (ja) | 2000-03-15 |
Family
ID=16888004
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP22917790A Expired - Fee Related JP3021579B2 (ja) | 1990-08-30 | 1990-08-30 | 磁性流体組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3021579B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6277298B1 (en) * | 1999-10-28 | 2001-08-21 | Lucian Borduz | Ferrofluid composition and process |
US20170128927A1 (en) * | 2014-06-24 | 2017-05-11 | Basf Se | Method for self-regulation of a system |
-
1990
- 1990-08-30 JP JP22917790A patent/JP3021579B2/ja not_active Expired - Fee Related
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---|---|
JPH04108898A (ja) | 1992-04-09 |
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Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |