JP3800687B2 - 電気レオロジー流体用複合粒子および電気レオロジー流体 - Google Patents

電気レオロジー流体用複合粒子および電気レオロジー流体 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、クラッチ、ダンパー、ショックアブソーバー、バルブ、アクチュエータ、バイブレーター、プリンターまたは振動素子等の機器の動力伝達用または制動用等に使用することができる電気レオロジー流体、およびその構成成分として有用な電気レオロジー流体用複合粒子に関するものであり、特に外部電界の印加によって剪断流動に対する大きな抵抗力を安定的に発生させることのできる電気レオロジー流体用複合粒子およびこれを用いた電気レオロジー流体に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、電気レオロジー流体(以下、「ER流体」という)と呼ばれる組成物は知られている。この組成物は、例えば電気絶縁性の媒体中に固体粒子を分散させて得られる流体であり、これに外部電界を加えると、その粘度が著しく増大し、場合によっては固化する性質を持つ、いわゆる電気レオロジー効果(以下、「ER効果」という)を有する流体組成物である。
【0003】
このようなER効果はウインズロー効果とも呼ばれ、電極間に生ずる電場の作用によって組成物中に分散している固体粒子が分極し、さらにこの分極に基づく静電引力によって互いに電場方向に配位連結して外部剪断流動に抵抗する結果発現するものとされている。ER流体は前記のようなER効果を有するために、クラッチ、ダンパー、ショックアブソーバー、バルブ、プリンター、アクチュエータ、バイブレーター、振動素子等のような電気制御による機器の動力伝達用または制動用等としての応用が期待されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来から知られているER流体には様々な問題点があった。例えば、ER流体の例として、シリコーン油、塩化ジフェニル、トランス油等の電気絶縁性油の中に、シリカゲル、セルロース、でんぷん、大豆カゼイン、イオン交換樹脂等の粒子表面に水を吸着保持させた固体粒子を分散させてなるものが知られているが、これらは、外部剪断流動に対する抵抗力(以下、「剪断抵抗力」という)を生じさせるのに高い印加電圧を必要とする他、それによって生じる剪断抵抗力もそれ程大きくないという問題があり、また、固体粒子の吸湿等によって時として異常電流が流れたり、固体粒子が電気泳動して一方の電極に凝集したりする上に保存安定性にも乏しいという問題があり、さらに、加熱下で用いられた場合、固体粒子表面に吸着している水が脱離ないし蒸発するなどにより粒子の含水率が変化することもあり、これによって電気レオロジー特性(以下、「ER特性」という)が変化するという問題もあった。
【0005】
前記の問題を解決しようとして、例えば固体粒子として半導体を含む電気伝導度の低い固体粒子を使用するもの(例えば、特開平2−91194号公報)や、多価金属の水酸化物、ハイドロタルサイト類、多価金属の酸性塩、ヒドロキシアパタイト、ナシコン型化合物、粘度鉱物、チタン酸カリウム類、ヘテロポリ酸塩、不溶性フェロシアン化合物等の無機イオン交換体粒子を電気絶縁性媒体に分散させて使用するもの(例えば、特開平3−200897号公報)等が提案されている。
【0006】
しかし、これらの固体粒子は、分散媒となる電気絶縁性媒体との比重差が大きいため沈降を起こし易く、長期間の保存において容易に再分散できない程度にまで沈降凝集する等、保存安定性に乏しいという問題がある。また、特に無機イオン交換体粒子の中には電気伝導度の大きいものがあって、電界印加時に、ER流体に過大な電流が流れて異常発熱を生じ、あるいは過大な電力を消費するといった不都合も生じる。
【0007】
従来のER流体における前記の諸問題、すなわち保存安定性、異常発熱ないし過大電力の消費といった問題を改善するため、有機高分子化合物からなる芯体と特定の電気伝導度を有する電気半導体性無機物粒子によって形成された表層とからなる無機・有機複合粒子を電気絶縁性媒体中に分散せしめてなるER流体が提案された(特開平7−26284号公報)。このER流体における無機・有機複合粒子は、芯体表面に電気半導体性無機物が個々に独立した粒子の形状で表層を形成しているので、電気伝導度の大きい電気半導体性無機物を用いた場合であっても過電流の流れる心配がなく、また、ER効果を発現させるための消費電力も小さいという特徴を有し、さらに有機高分子化合物と複合化することによって複合粒子自体の比重を相対的に小さくすることができるので、電気絶縁性媒体との比重差を小さくし、これによってER流体としての保存安定性を優れたものとすることができる。
【0008】
前記の無機・有機複合粒子を用いたER流体は、上述したように多くの優れたER特性を有するものではあるが、電気半導体性無機物粒子の中には熱安定性に乏しいものもあり、このような無機物粒子を用いて複合化した無機・有機複合粒子を用いたER流体に高温かつ長時間の熱履歴が加わった場合、ER特性が低下ないし変化するという問題があり、また、温度上昇と共に電気絶縁性媒体との比重差が拡大して複合粒子が沈降し易くなり、また一旦沈降すると、凝集して再分散が困難になるという問題が解決されていなかった。
【0009】
本発明は、前記の課題を解決するためになされたものであって、従ってその目的は、少ない消費電力で高いER効果が得られ、ER特性が環境温度や湿度の変化によって影響を受け難く、しかも高温、長時間の熱履歴においても安定したER効果および良好な保存安定性が維持されるER流体用の複合粒子、およびこれを用いたER流体を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
前記の課題は、芯体と、この芯体の表面に形成された表層とからなる複合粒子であって、前記の芯体が有機高分子化合物からなり、前記の表層が、室温において電気伝導度が103Ω-1/cm〜10-11Ω-1/cmの範囲内である電気半導体性無機物粒子(以下、「ER無機物粒子」という)とフタロシアニン化合物粒子とからなる電気レオロジー流体用複合粒子(以下、「ER複合粒子」という)を提供することによって解決できる。
【0011】
前記のER複合粒子は、芯体70重量%〜95重量%と、表層30重量%〜5重量%とによって形成されてなることが好ましく、また前記の表層は、前記のER無機物粒子60重量%〜97重量%と、フタロシアニン化合物粒子40重量%〜3重量%とによって形成されてなることが好ましい。
【0012】
前記のER無機物粒子は、金属酸化物、金属水酸化物、金属酸化水酸化物、無機イオン交換体、またはこれらの少なくともいずれか1種に金属ドーピングを施したもの、もしくは金属ドーピングの有無に拘らず、これらの少なくともいずれか1種を他の支持体上に電気半導体層として施したものから選ばれた少なくとも1種であることが好ましい。また前記のフタロシアニン化合物粒子は、下記の式Iで表される化合物であることが好ましい。
【0013】
【化2】
Figure 0003800687
【0014】
本発明はまた、前記のいずれかのER複合粒子が電気絶縁性媒体中に含有されてなるER流体(電気レオロジー流体)を提供する。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を実施例により図面を用いて説明する。
図1は、本発明のER複合粒子の一例を示している。図1においてこのER複合粒子10は、芯体11と、この芯体11の表面に形成された表層12とからなる複合粒子であって、前記の芯体11は有機高分子化合物からなり、前記の表層12は、室温において電気伝導度が103〜10-11Ω-1/cmの範囲内であるER無機物粒子13と、前記の式Iで表されるフタロシアニン化合物の粒子14とによって形成されている。
このER複合粒子10は、電気絶縁性媒体中に分散されて本発明のER流体を形成する。
【0016】
前記の構成を有する本発明のER複合粒子10は、芯体11が有機高分子化合物からなり、ER流体としたときに分散媒となる電気絶縁性媒体との比重差が小さいので沈降し難く、保存安定性が良好である。また、表層12にER無機物粒子13が個々に独立した粒子として複合されているので、電気伝導度が大きい電気半導体性無機物を用いた場合であっても過電流の流れる心配がなく、また、ER効果を発現させるための消費電力も小さくなる。
【0017】
更に、前記のER複合粒子10は、表層12にフタロシアニン化合物粒子14が複合されてなっている。このフタロシアニン化合物粒子14が複合されたことによって、このER複合粒子10を電気絶縁性媒体に分散させて得られるER流体は、高温、長時間の熱履歴においても安定したER効果が維持されると共に、保存安定性も向上し、高温時に分散媒との比重差が拡大してER複合粒子10が沈降することがあっても凝集を起こさず、簡単な攪拌によってきわめて容易に再分散ができるようになる。
【0018】
次に本発明を構成する各成分について詳しく説明する。
本発明のER複合粒子の芯体11として使用し得る有機高分子化合物は、電気絶縁性であることが好ましく、その具体例としては、(メタ)アクリル酸エステル重合物、ポリ(メタ)アクリル酸エステル−スチレン共重合物、ポリスチレン、ポリスチレン−マレイン酸共重合物、ポリエチレン、ポリプロピレン、ニトリルゴム、ブチルゴム、ABS樹脂、AS樹脂、ナイロン、ポリビニルブチレート、エチレン−酢酸ビニル共重合体、酢酸ビニル樹脂、ポリカーボネート樹脂、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂等の1種または2種以上の混合物または共重合物を挙げることが出来る。また、前記に例示の有機高分子化合物は、水酸基、カルボキシル基、アミノ基、グリシジル基等の官能基を含有するものであってもよい。
【0019】
表層12のER無機物粒子13として使用し得る電気半導体性無機物の例としては、室温において電気伝導度が103〜10-11Ω-1/cmの範囲内にある金属酸化物、金属水酸化物、金属酸化水酸化物、無機イオン交換体、またはこれらの少なくともいずれか1種に金属ドーピングを施したもの、もしくは金属ドーピングの有無に拘らずこれらの少なくともいずれか1種を他の支持体上に電気半導体層として施したもの等を挙げることができる。また、これらの電気半導体性無機物の中の無機イオン交換体の具体例としては、多価金属の水酸化物、ハイドロタルサイト類、多価金属の酸性塩、ヒドロキシアパタイト、ナシコン型化合物、粘度鉱物、チタン酸カリウム類、ヘテロポリ酸塩、及び不溶性フェロシアン化物を挙げることが出来る。これらの電気半導体性無機物を用いて形成したER無機物粒子13は、それ自体を電気絶縁性媒体中に分散したとき、いずれもER効果を発現することができる。
【0020】
以下に、ER無機物粒子13を形成する電気半導体性無機物について、更に詳しく説明する。
(1)金属酸化物;SnO2、アモルファス型二酸化チタン(出光石油化学社製)等。
(2)金属水酸化物;水酸化チタン〔具体例としては、含水酸化チタン(石原産業社製)〕、メタチタン酸〔別名βチタン酸;TiO(OH)2〕、オルソチタン酸〔別名αチタン酸;Ti(OH)4〕、水酸化ニオブ等。
(3)金属酸化水酸化物;FeO(OH)(ゲーサイト)等。
(4)多価金属の水酸化物;ジルコニウム、ビスマス、錫、鉛、アルミニウム、タンタル、モリブデン、マグネシウム、マンガン、鉄等の金属の水酸化物。
(5)ハイドロタルサイト類;一般式M13Al6(OH)43(CO)3・12H2O(Mは、Mg、Ca、Ni等の二価の金属)で表される化合物。
(6)多価金属の酸性塩;チタン、ジルコニウム、錫、セリウム、クロム、タンタル、ニオブ等の金属の、リン酸塩、ヒ酸塩、アンチモン酸塩、タングステン酸塩、バナジン酸塩、モリブデン酸塩、セレン酸塩等。
(7)ヒドロキシアバタイト;カルシウムアパタイト、鉛アバタイト、ストロンチウムアパタイト、カドミウムアバタイト等。
(8)ナシコン型化合物;(H3O)Zr2(PO43もしくはNa・Zr2(PO43等。
(9)粘土鉱物;モンモリロナイト、セピオライト、ベントナイト等、特にセピオライトが好ましい。
【0021】
なお、前記(4)〜(9)の無機イオン交換体はいずれもOH基を有しており、これらの無機イオン交換体のイオン交換サイトに存在するイオンの一部または全部を別のイオンに置換したものも本発明における無機イオン交換体に含まれるものである。また、高温加熱処理によりOH基を一旦失ってはいるが、水に浸漬させるなどの操作によって再びOH基を有するようになる無機イオン交換体も、その高温加熱処理後の無機イオン交換体等も本発明に使用でき、このような無機イオン交換体の具体例としては、ナシコン型化合物、例えば(H3O)Zr2(PO43の加熱によって得られるHZr2(PO43やハイドロタルサイトの高温加熱化合物(500〜700℃で加熱処理したもの)等がある。
【0022】
(10)チタン酸カリウム類;K2・TiO2・2H2O、K2O・2TiO2・2H2O、0.5K2O・TiO2・2H2O、K2O・2.5TiO・2H2O等。
(11)ヘテロポリ酸塩;一般式H3AE1240・nH2O(ここで、Aはリン、砒素、ゲルマニウム、またはケイ素であり、Eはモリブデン、タングステン、またはバナジウムであり、nは正数である)で表される化合物、具体的にはモリブドリン酸アンモニウム、タングストリン酸アンモニウム等。
(12)不溶性フェロシアン化合物;一般式Mb-apA[E(CN)6](式中、Mはアルカリ金属または水素イオン、Aは亜鉛、銅、ニッケル、コバルト、マンガン、カドミウム、鉄(III)、チタン等の重金属イオン、Eは鉄(II)、鉄(III)、またはコバルト(II)等であり、bは3または4であり、aはAの価数であり、pは0〜b/aの正数である。)で表される化合物、これらには例えば、Cs2Zn[Fe(CN)6]及びK2Co[Fe(CN)6]等の不溶性フェロシアン化合物が含まれる。
(13)金属ドーピングER無機物:前記ER無機物(1)〜(12)の電気伝導度を上げるために、アンチモン(Sb)等の、金属をER無機物にドーピングしたものであって、例としてはアンチモン(Sb)ドーピング酸化錫(SnO2)等を挙げることができる。
(14)他の支持体上に電気半導体層として電気半導体性無機物を施したもの;例えば、酸化チタンの表面に酸化錫をコーテイングしたもの等。
【0023】
これらのER無機物粒子13は、それぞれ単独で、あるいは2種類もしくはそれ以上を同時に組み合わせて用いることができる。本発明の固有の効果を十分発揮させるには、前記に例示した電気半導体性無機物の中でも、(1)金属酸化物、(2)金属水酸化物、(3)金属酸化水酸化物、(4)多価金属の水酸化物、(13)金属ドーピング電気半導体性無機物を用いるのが特に好ましい。
【0024】
前記ER無機物粒子13と共に粒子の形態で用いられるフタロシアニン化合物としては、前記式Iで表される化合物を挙げることができる。本発明においては、前記式I中のMが金属である金属フタロシアニン化合物、およびMが水素である無金属フタロシアニン化合物のいずれも使用できる。金属フタロシアニン化合物の金属としては、銅、マグネシウム、亜鉛、アルミニウム、バナジウム、モリブデン、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、チタン、あるいはこれらの酸化物等のいずれかであることが好ましく、特に銅、鉄、コバルトであることが好ましい。またこの金属フタロシアニン化合物としては、α、β、ε、π、ρ、χ等の種々の結晶系のもの、あるいはアモルファスのもの、ハロゲン原子により置換されたもの、置換されないもの等がいずれも使用可能である。
【0025】
本発明のER複合粒子10は、有機高分子化合物からなる芯体11と、ER無機物粒子13およびフタロシアニン化合物粒子14の混合粒子からなる表層12とによって形成されている。すなわち、概念的には図1に示すように、有機高分子化合物からなる芯体11の表面が、ER無機物粒子13とフタロシアニン化合物粒子14との混合粒子によって形成された表層12で被覆された構造になっている。
【0026】
前記の構造を有する本発明のER複合粒子10は、種々の方法で製造することができる。例えば、有機高分子化合物からなる芯体1の表面に、ER無機物粒子13とフタロシアニン化合物粒子14との混合粒子によって表層12を形成する方法、最初にER無機物粒子13のみで表層12を形成し、次いでその表層12にフタロシアニン化合物粒子14を付着させる方法(あるいはこの逆、すなわち最初にフタロシアニン化合物粒子14、次いでER無機物粒子13を付着させる方法)、ER無機物粒子13の表面にフタロシアニン化合物粒子14を付着させるように処理し、このように処理されたER無機物粒子とフタロシアニン化合物粒子との複合粒子を用いる方法などがいずれも可能である。
【0027】
以下に、それぞれの製造方法についてさらに詳しく説明する。
(1)有機高分子化合物からなる芯体粒子11、ER無機物粒子13およびフタロシアニン化合物粒子14のそれぞれ所定量を混合し、ジェツト気流によって搬送し、粒子相互を衝突させる。この場合、芯体11の表面にER無機物粒子13とフタロシアニン化合物粒子14とが高速度で衝突し、固着して表層12を形成する。
(2)芯体11を気体中に浮遊させておき、ER無機物粒子13とフタロシアニン化合物粒子14とを分散させたスラリーを霧状にしてその表面に付着させる。この場合は、スラリーが芯体11の表面に付着した後、分散媒が乾燥することによって表層12が形成される。
【0028】
(3)芯体11と表層12とを同時に形成する製造方法もある。その具体例としては、芯体11を形成する有機高分子化合物のモノマーまたはオリゴマーを重合媒体中で乳化重合、懸濁重合もしくは分散重合等をするに際して、ER無機物粒子13とフタロシアニン化合物粒子14とを前記モノマーまたはオリゴマー中または重合媒体中に存在させて重合を行う。重合媒体としては水が好ましいが、水と有機溶媒との混合物、あるいは有機系の貧溶媒を使用することもできる。この方法によれば、重合媒体の中でモノマーまたはオリゴマーが重合して芯体11を形成すると同時に、ER無機物粒子13とフタロシアニン化合物粒子14とが芯体粒子11の表面に層状に配向してこれを被覆し、表層12を形成する。
【0029】
前記の重合法においては、モノマーまたはオリゴマーの疎水性の性質、ER無機物粒子13の親水性の性質、フタロシアニン化合物の親水化処理およびその度合い並びにその添加時期等を適宜に選択し、組み合わせることによって、ER無機物粒子13とフタロシアニン化合物粒子14とを芯体粒子11の表面に均一に配向させることができる。この芯体11と表層12との同時形成方法によれば、有機高分子化合物からなる芯体11の表面にER無機物粒子13とフタロシアニン化合物粒子14とが緻密かつ強固に接着し、堅牢なER複合粒子10を形成することができるので、本発明にとっては好ましい製造方法である。
【0030】
(4)芯体11に、ER無機物粒子13またはフタロシアニン化合物粒子14のいずれか一方を用いて予め表層を形成し、次いでその表層上に他方の粒子を付着させる方法もある。この方法は、機械的に混合もしくはメカノケミカル的に相互に融着させて複合化させるものである。この場合、芯体11と表層12とをさらに強固に接着するには、複合化の後にさらにジェット気流処理等を行うことが望ましい。この場合の条件とては、それに用いられる装置の種類、撹拌速度、芯体物質や電気半導体性無機物およびフタロシアニン化合物の種類により処理条件を特定するのは難しいが、一般的には周速50m/sec〜100m/secの撹拌速度で、0.5分〜20分程度ジェット気流処理するのが好ましい。
【0031】
(5)予めフタロシアニン化合物で処理されたER無機物粒子を製造する方法としては、ER無機物とフタロシアニン化合物を前記のごとく機械的に混合もしくはメカノケミカル的に相互に融着させる方法で処理し、さらに前記のジェット気流処理を施して製造することが好ましい。
【0032】
本発明のER複合粒子10の形状は特に限定されるものではないが、球形であることが好ましい。一般に、芯体粒子11が調節された乳化重合もしくは懸濁重合方法によって製造された場合や、メカノケミカル処理を施した場合には、得られるER複合粒子10の形状はほぼ球形となる。本発明のER複合粒子10の粒径は特に限定されるものではないが、0.1μm〜500μmの範囲内であることが好ましく、3μm〜200μmの範囲内であることが更に好ましい。このときのER無機物粒子13の粒径も特に限定されるものではないが、好ましくは0.005μm〜50μmの範囲内であり、更に好ましくは0.01μm〜10μmの範囲内である。また、フタロシアニン化合物粒子14の粒径についても特に限定するものではないが、好ましくは20μm以下であり、更に好ましくは10μm以下である。
【0033】
本発明のER複合粒子10において、芯体11を形成する有機高分子化合物と表層12を形成する混合粒子との構成比は特に限定されるものではないが、芯体:表層(混合粒子)の重量比(%)で70〜95:30〜5の範囲内であることが好ましく、特に80〜90:20〜10の範囲内であることが好ましい。表層(混合粒子)が5重量%未満では得られたER流体のER効果が不充分であり、30重量%を超えると得られるER複合粒子と電気絶縁性油との比重差が大きくなるため、ER流体とした場合のER複合粒子が沈降し易く保存安定性に乏しいものとなる。また、表層12中に複合されたフタロシアニン化合物粒子14の構成比も特に限定されるものではないが、ER無機物粒子13:フタロシアニン化合物粒子14の重量比(%)で60〜97:40〜3の範囲内で複合することが好ましい。フタロシアニン化合物粒子14の含有率が3重量%未満では熱履歴に対するER効果の安定性に乏しくなる他、特に加熱条件下に放置し、沈降した場合のER複合粒子の再分散が困難になり、40重量%を超えるとER効果が低下するようになる。
【0034】
本発明のER複合粒子は、電気絶縁性媒体中に均一に撹拌混合してER流体とすることができる。その際のER複合粒子の含有率は、特に限定されるものではないが1重量%〜75重量%の範囲内、特に10重量%〜60重量%の範囲内とすることが好ましい。含有率が1重量%未満では充分なER効果が得られず、75重量%を越えると電圧を印加しない状態での初期粘度が過大となって使用に適さなくなる。
【0035】
本発明のER複合粒子を分散させる電気絶縁性媒体としては、従来のER流体に使用されている媒体のいずれもが使用可能である。すなわち、電気絶縁性および電気絶縁性破壊強度が高く、化学的にも安定で、かつER複合粒子を安定に分散させ得るものであればいずれの媒体も使用可能である。その例としては、例えば塩化ジフェニル、セバチン酸ブチル、芳香族ポリカルボン酸高級アルコールエステル、ハロフェニルアルキルエーテル、トランス油、塩化パラフィン、フタル酸エステル、脂肪族ジカルボン酸エステル、フッソ系オイル、フロリナート、シリコーン系オイル、フッ素変成シリコーンオイル等またそれらの混合物を挙げることができる。
【0036】
また、本発明のER流体には、ER複合粒子の分散性を向上させ、または流体組成物の電圧印加時の粘度を調節する等の目的で、前記のER複合粒子以外の他の成分を添加することもできる。それらの例としては、高分子分散剤、界面活性剤、高分子増粘剤、消泡剤、酸化防止剤等を挙げることができる。またこのER流体には、その特性が損なわれない範囲内で、例えばシリコーン油、塩化ジフェニル、トランス油等の電気絶縁性油中にセルロース、でんぷん、大豆カゼイン、ポリスチレン系イオン交換樹脂、ポリアクリル酸塩架橋物、アジリジン化合物の重合体またはその架橋物等の固体粒子を分散させてなる従来のER流体を混合して使用することもできる。
【0037】
本発明のER複合粒子は、その表層がER無機物粒子とフタロシアニン化合物粒子とによって形成されているので、この複合粒子を用いた本発明のER流体は、低い印加電圧下でも大きな剪断抵抗力が得られ、またER無機物粒子の使用量を調節することによりER複合粒子の電気伝導度を自由に調節することができるので、電気伝導度の大きいER無機物粒子を使用した場合でも、荷電時における異常発熱や過剰な電力消費を抑制することができる。さらに、本発明のER複合粒子は、芯体が有機高分子化合物からなるので、その比重を前記電気絶縁性媒体の比重に近似させることができ、それによってER複合粒子の沈降を長期間にわたって防止することができる。
【0038】
特に、本発明のER複合粒子は、表層中にフタロシアニン化合物粒子を混在させてなるので、これが熱履歴付加時において本発明のER流体のER特性の安定化に寄与すると同時に、ER複合粒子が沈降した場合でもその再分散が容易である等の優れた作用効果を有し、電気制御の動力伝達素子または制動素子として、クラッチ、ダンパー、ショックアブソーバー、バルブ、アクチュエータ、バイブレーター、プリンター、または振動素子等の機器に有利に使用できるようになる。
【0039】
【実施例】
次に本発明を実施例によってさらに詳しく説明する。
(実施例1)
ER複合粒子の製造
アンチモンドーピング酸化錫(石原産業社製、SN−
100P、電気伝導度:1.0×100Ω-1/cm) 30g
水酸化チタン(石原産業社製、一般名:含水酸化チタ
ン、C−II、電気伝導度:9.1×10-6Ω-1/cm) 10g
アクリル酸ブチル 300g
1,3−ブチレングリコールジメタクリレート 100g
重合開始剤(アゾビスイソバレロニトリル) 2g
前記処方の混合物を、第三燐酸カルシウム25gを分散安定剤として含む水1800ml中に分散し、60℃で1時間撹拌下に懸濁重合を行い、得られた生成物を酸処理し、水洗後、脱水乾燥し、無機・有機複合粒子を得た。この粒子200gに鉄フタロシアニン(山陽色素社製P−26)2gを加え、ボールミルにて75時間複合化処理を行い、次いでこれをジェット気流処理機(奈良機械製作所社製、ハイブリダイザー)を用いて周速75m/sで210秒間ジェット気流処理を行い、ER複合粒子を得た。
【0040】
ER流体の製造
前記のER複合粒子を、室温における粘度が0.1Pa・Sのフッ素変成シリコーン油(信越化学工業社製、X−22−822)中に、含有率が35重量%となるように均一に分散し実施例1のER流体を得た。
【0041】
ER流体のER特性評価
(1)剪断応力および電流値の測定(測定モードA): 前記で得たER流体を二重円筒型回転粘度計にいれ、25℃および120℃において、それぞれ内外円筒間に直流電圧を印加しかつ内筒電極に回転力を与えて、各剪断速度(sec-1)における剪断応力(Pa)、および各剪断応力測定時における内外円筒間の電流値(μA/cm2 )を測定した。結果を表1;測定モードAに示す。
(2)剪断応力および電流値の測定(測定モードB): 前記で得たER流体を120℃で10日間放置後、前記と同様にして、25℃および120℃における剪断応力および電流値を測定した。結果を表1;測定モードBに示す。
【0042】
【表1】
Figure 0003800687
【0043】
(実施例2)
実施例1の処方において、鉄フタロシアニンに代えて、コバルトフタロシアニン(山陽色素社製、O−270)2gを用いた以外は実施例1と同様に処理して、表層にフタロシアニン化合物粒子を含有するER複合粒子を得た。これを実施例1と同様にフッ素変成シリコーン油中に35重量%となるように均一に分散して実施例2のER流体を得た。実施例1に準じて、このER流体の測定モードA;25℃における剪断応力および電流値を測定した。結果を表2に示す。
【0044】
【表2】
Figure 0003800687
【0045】
(実施例3)
実施例1の処方において、鉄フタロシアニンに代えて銅フタロシアニン(大日精化工業社製、シアニンブルーS−2010)2gを用いた以外は実施例1と同様に処理して、表層に銅フタロシアニン化合物粒子を含有するER複合粒子を得た。これを実施例1と同様にフッ素変成シリコーン油中に35重量%となるように均一に分散して実施例3のER流体を得た。実施例1に準じて、このER流体の測定モードA;25℃における剪断応力および電流値を測定した。結果を表3に示す。
【0046】
【表3】
Figure 0003800687
【0047】
(実施例4)
ER複合粒子の製造
アンチモンドーピング酸化錫(石原産業社製、SN
−100P、電気伝導度:1.0×100Ω-1/cm) 30g
水酸化チタン(石原産業社製、一般名:含水酸化チタンC
−II、電気伝導度:9.1×10-6Ω-1/cm) 10g
鉄フタロシアニン(山陽色素社製、P−26) 3.64g
アクリル酸ブチル 300g
1,3−ブチレングリコールジメタクリレート 100g
重合開始剤(アゾビスイソバレロニトリル) 2g
前記処方の混合物を、第三燐酸カルシウム25gを分散安定剤として含有する1800mlの水中に分散し、60℃で1時間撹拌下で懸濁重合を行った。得られた生成物を酸処理し、水洗後、脱水乾燥し、無機・有機複合粒子を得た。これをジェット気流処理機(奈良機械製作所社製、ハイブリダイザー)を用いて周速75m/sで210秒間ジェット気流処理を行い、表層に鉄フタロシアニン化合物を含有するER複合粒子を得た。
【0048】
ER流体の製造、およびER特性の評価
この複合粒子を実施例1と同様のフッ素変成シリコーン油中に35重量%となるように均一に分散し実施例4のER流体を得た。実施例1に準じて、このER流体の測定モードA;25℃における剪断応力および電流値を測定した。結果を表4に示す。
【0049】
【表4】
Figure 0003800687
【0050】
(実施例5)
ER複合粒子の製造
アンチモンドーピング酸化錫(石原産業社製、SN−
100P、電気伝導度:1.0×100Ω-1/cm) 40g
アクリル酸ブチル 300g
1,3−ブチレングリコールジメタクリレート 100g
重合開始剤(アゾビスイソバレロニトリル) 2g
前記処方の混合物を、実施例1と同様に処理して、無機・有機複合粒子を得、次いでこの粒子200gに鉄フタロシアニン(山陽色素社製P−26)4gを加え、実施例1同様にボールミル処理し、次いでジェット気流処理を行い、ER複合粒子を得た。
【0051】
ER流体の製造、およびER特性の評価
得られたER複合粒子を実施例1と同様にしてフッ素変成シリコーン油中に35重量%となるように均一に分散して実施例5のER流体を得た。実施例1に準じて、このER流体の測定モードA;25℃における剪断応力および電流値を測定した。結果を表5に示す。
【0052】
【表5】
Figure 0003800687
【0053】
(実施例6)
水酸化チタン(石原産業社製、一般名:含水酸化チタ
ン、C−II、電気伝導度:9.1×10-6Ω-1/cm) 40g
アクリル酸ブチル 300g
1,3−ブチレングリコールジメタクリレート 100g
重合開始剤(アゾビスイソバレロニトリル) 2g
前記処方の混合物を、実施例1と同様に処理して、表層に鉄フタロシアニン化合物粒子を含有するER複合粒子を得た。これを実施例1と同様にフッ素変成シリコーン油中に35重量%となるように均一に分散して実施例6のER流体を得た。このER流体について、実施例1に準じて、測定モードA;25℃における剪断応力および電流値を測定した。結果を表6に示す。
【0054】
【表6】
Figure 0003800687
【0055】
(比較例1)
実施例1に準じて、鉄フタロシアニンを添加しないこと以外は全く同様の操作を行って、フタロシアニン化合物を含まないER粒子を製造し、次いでこれを用いて実施例1と同様にして比較例1のER流体を得た。得られたER流体について、実施例1に準じて、測定モードAおよび測定モードBにおける、25℃および120℃の剪断応力および電流値をそれぞれ測定した。結果を表7に示す。
【0056】
【表7】
Figure 0003800687
【0057】
(比較例2)
実施例1の製造過程で得られた、フタロシアニン化合物を含まない無機・有機複合粒子をジェット気流処理機(奈良機械製作所社製、ハイブリダイザー)を用いて周速75m/sで210秒間ジェット気流処理を行った。得られたジェット気流処理粒子20gと鉄フタロシアニン(山陽色素社製、P−26)0.2gとを、実施例1と同様のフッ素変成シリコーン油中に35重量%となるように加え、均一に分散し比較例2のER流体とした。この場合は、ER流体に分散している無機・有機複合粒子の表層にフタロシアニン化合物が含まれておらず、フタロシアニン化合物粒子は複合粒子とは別個の成分としてER流体中に分散している。得られたER流体について、実施例1に準じて、測定モードA;25℃における剪断応力および電流値を測定した。結果を表8に示す。
【0058】
【表8】
Figure 0003800687
【0059】
保存安定性の評価
前記の実施例1〜実施例6、および比較例1、比較例2の各ER流体について、保存安定性の試験を行った。試験は、各ER流体20ccを容量50ccのガラス瓶に入れ、室温および120℃に放置してその沈降状態を目視観察する方法によった。その際、粒子の沈降が見られたものについては、ガラス瓶を静かに10回転倒し、凝集物の再分散性を試験した。試験結果は、次の3段階評価で表示した。
◎…粒子沈降せず
○…沈降したが10回の転倒により再分散
×…沈降し、10回の転倒で再分散せず
結果を表9に示す。
【0060】
【表9】
Figure 0003800687
【0061】
表1〜表8の結果から、フタロシアニン化合物粒子を含むER複合粒子を用いた本発明のER流体(実施例1〜実施例6)が、ER粒子の表層にフタロシアニン化合物粒子を含まない比較例1、比較例2に比べ、測定モードA;25℃においていずれも、同等またはそれ以上の優れたER効果を示し、しかも実施例1(表1)と比較例1(表7)から明らかなように、測定モードA;120℃の測定条件においても、また測定モードB(120℃で10日間放置後、測定温度25℃および120℃)の測定条件においても、実施例のER流体は高いER効果を維持し、消費電力も少なくなっていることがわかる。
【0062】
また保存安定性の試験結果(表9)から、フタロシアニン化合物粒子を含むER複合粒子を用いた本発明のER流体(実施例1〜実施例6)は、ER粒子がフタロシアニン化合物粒子を含まない比較例1、比較例2のものに比べ、特に高温放置後の保存安定性が著しく優れていて耐熱性が高く、高温環境下での長期使用に耐えるものとなっていることがわかる。
【0063】
【発明の効果】
本発明のER複合粒子は、芯体が有機高分子化合物からなり、表層がER無機物粒子とフタロシアニン化合物粒子とからなる複合粒子であるので、これを電気絶縁性媒体に含有させて得られる本発明のER流体は、高い電気レオロジー効果を有すると共に、保存安定性に優れ、耐用期間が長く、熱履歴時のER効果が安定しているため環境温度や湿度の影響を受けず、電圧印加中に流れる電流が少ないので異常発熱の危険がなくかつ消費電力が少なく経済的である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電気レオロジー流体用複合粒子(ER複合粒子)の一例を示す断面図。
【符号の説明】
10…電気レオロジー流体用複合粒子(ER複合粒子)
11…芯体、
12…表層、
13…電気半導体性無機物粒子(ER無機物粒子)、
14…フタロシアニン化合物粒子。

Claims (6)

  1. 芯体と、この芯体の表面に形成された表層とからなる複合粒子であって、前記の芯体が有機高分子化合物からなり、前記の表層が、室温において電気伝導度が103Ω-1/cm〜10-11Ω-1/cmの範囲内である電気半導体性無機物粒子とフタロシアニン化合物粒子とからなることを特徴とする電気レオロジー流体用複合粒子。
  2. 前記の複合粒子が、芯体70重量%〜95重量%と、表層30重量%〜5重量%とによって形成されてなることを特徴とする請求項1に記載の電気レオロジー流体用複合粒子。
  3. 前記の表層が、前記の電気半導体性無機物粒子60重量%〜97重量%と、フタロシアニン化合物粒子40重量%〜3重量%とによって形成されてなることを特徴とする請求項1に記載の電気レオロジー流体用複合粒子。
  4. 前記の電気半導体性無機物粒子が、金属酸化物、金属水酸化物、金属酸化水酸化物、無機イオン交換体、またはこれらの少なくともいずれか1種に金属ドーピングを施したもの、もしくは金属ドーピングの有無にかかわらず、これらの少なくともいずれか1種を他の支持体上に電気半導体層として施したものから選ばれた少なくとも1種であることを特徴とする請求項1に記載の電気レオロジー流体用複合粒子。
  5. 前記のフタロシアニン化合物粒子が、下記の式Iで表される化合物からなることを特徴とする請求項1に記載の電気レオロジー流体用複合粒子。
    Figure 0003800687
  6. 請求項1ないし請求項5のいずれかに記載された電気レオロジー流体用複合粒子が、電気絶縁性媒体中に含有されてなることを特徴とする電気レオロジー流体。
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