JP2982193B2 - 高周波コイルの製造方法 - Google Patents
高周波コイルの製造方法Info
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Description
る高周波コイルに関し、特にアンダーエッチングを生ず
ることなくコイル導体の膜厚を厚くすることにより、コ
イルのQを向上できるようにした製造方法に関する。
として、従来、第5図及び第6図に示す構造のものがあ
る。この高周波コイル20は、絶縁基板21の表面にスパイ
ラル状のコイル導体22を形成するとともに、上記基板21
の両縁部に端子電極23a,23bを形成し、上記コイル導体2
2の外端22aを上記一方の端子電極23aに接続し、内端22b
を他方の端子電極23bに接続して構成されている。また
上記基板21の表面には絶縁膜24が被覆形成されており、
該絶縁膜24上にはリード電極25が形成されている。この
リード電極25の一端はスリーホール電極26を介して上記
内端22bに接続されており、他端は上記端子電極23bに接
続されている。
記絶縁基板21上に金属膜をスパッタリング,蒸着等によ
り着膜し、これをフォトエッチングにより上記コイル導
体22,端子電極23a,23bを形成し、該端子電極23aと上記
コイル導体22の外端22aとを接続する。次に該基板21の
コイル導体22、各端子電極23a,23bを含む表面にポリイ
ミドを塗布して絶縁膜24を形成し、該絶縁膜24のコイル
導体22の内端22bに臨む部分にスルーホールを形成し、
また該絶縁膜24の各端子電極23a,23b部分を取り除く。
続いて上記絶縁膜の上面に金属膜を着膜した後フォトエ
ッチングによりリード線25,スルーホール電極26を形成
し、これにより上記外端22bと端子電極23bとをリード線
25により接続して製造される。
ル導体をスパッタリング,蒸着等の薄膜技術により形成
することから、コイル導体の膜厚が薄い分導体抵抗が大
きくなり、Qが低いという問題点があり、このQの向上
が要請されている。
厚を厚くすることが考えられる。しかしながら金属膜を
単に厚くするとそれだけエッチングに時間がかかること
から、第7図に示すように、コイル導体22となるマスク
28の下部分までエッチングしてしまい、いわゆるアンダ
ーエッチング30が生じ、その結果Qが落ちたり、コイル
導体のパターン形成ができなくなったりするという問題
が生じる。
ンダーエッチングを防止しながらコイル導体の厚膜化を
実現でき、ひいてはコイルのQを向上できる高周波コイ
ル及びその製造方法を提供することを目的としている。
の表面に第1金属薄膜を形成し、これの表面に該第1金
属とエッチング剤の異なる第2金属薄膜を形成した後、
該第2金属薄膜の不要部分のみを第2エッチング剤で除
去し、この後上記第1金属薄膜の不要部分のみを第1エ
ッチング剤で除去して第1コイル導体層を形成する第1
工程と、上記基板,及び第1コイル導体層の表面に第1
金属薄膜を形成し、これの表面に第2金属薄膜を形成し
た後、該第2金属薄膜の不要部分のみを第2エッチング
で除去し、この後上記第1金属薄膜の不要部分のみを第
1エッチング剤で除去して上記第1コイル導体層の上面
に第2コイル導体層を形成する第2工程とを備えたこと
を特徴としている。
層の2層だけに限定されるものではなく、該第2コイル
導体層の上面にさらに積層したものも含まれる。また、
上記第1,第2コイル導体層を構成する金属薄膜も、2層
の場合だけに限定されるものではなく、他の金属を採用
して3層以上で構成してもよく、要はそれぞれの金属薄
膜を、そのエッチング剤が異なるように選定すればよ
い。
イラルタイプ,ミアンダタイプ等が考えられ、特に限定
されるものではない。
の形成方法としては、スパッタリング法,蒸着法,ある
いはイオンプレーティング法等が採用できる。
1工程において、基板の表面に第1,第2金属薄膜からな
る第1コイル導体層を形成し、第2工程において、上記
基板及び第1コイル導体層の表面に第1金属薄膜に続い
て第2金属薄膜を形成し、該第1金属薄膜用の第1エッ
チグ剤と異なる第2エッチング剤で第2金属薄膜の不要
部分を除去し、この後上記第1金属薄膜の不要部分を第
1エッチング剤で除去して第2コイル導体層を形成した
ので、即ち、上記第2コイル導体層のエッチング時には
上記第1コイル導体層は第1金属薄膜で覆われているの
で、該第1コイル導体が第2エッチング剤でエッチング
されることはない。その結果、上述のアンダーエッチン
グの防止を実現でき、所定寸法,所定形状のコイル導体
を確実に得ることができ、Qを向上できる。
コイルの製造方法を説明するための図である。
ついて説明する。
れた高周波コイルであり、これは絶縁基板2の上面にコ
イル導体3をパターン形成して構成されている。このコ
イル導体3は、上記基板2の左,右縁部に形成された第
1,第2端子電極4a,4b及び中央部に形成されたスパイラ
ルコイル5からなり、該コイル5の外端(一端)5aは図
面左側の端子電極4aに接続されている。また、上記絶縁
基板2上のスパイラルコイル5の内端(他端)5bから端
子電極4bにかけての部分にはポリイミドあるいはポリア
ミドからなる絶縁膜9が形成されている。この絶縁膜9
の上面にはリード電極6が形成されており、該リード電
極6の一端は上記内端5bに接続され、他端は上記端子電
極4bに接続されている。
により形成された第1コイル導体層7と、該コイル導体
層7の上面に同じく薄膜技術により形成された第2コイ
ル導体層8とから構成された2層構造となっている。上
記第1,第2コイル導体層7,8は、図示していないが、Ti
からなる第1金属薄膜の上面に、Ti−Agからなる第2金
属薄膜を形成し、さらに該第2金属薄膜の上面にAgから
なる第3金属薄膜を形成して構成されている。この各金
属薄膜は、蒸着,スパッタリング,あるいはイオンプレ
ーティング等の薄膜技術により金属膜を形成し、上記コ
イル導体3以外の部分を各金属薄膜ごとに異なるエッチ
ング剤を用いてエッチングして形成されたものである。
製造方法を説明する。
実施例の製造工程を示す図である。
化ガラス,アルミナ等)2の上面に、厚さ5μm程度の
ポリイミド膜(図示せず)を形成して表面を滑らかにす
る。次にこの絶縁基板2の上面全面に、該基板2との密
着性を向上させるために厚さ200Å程度のTi膜10aをスパ
ッタリング法により形成する。続いてこのTi膜10aの表
面に、厚さ1200Å程度のTi−Ag膜10bを同時に2元スパ
ッタリング法により形成し、さらに該Ti−Ag膜10bの表
面に、厚さ3μm程度のAg膜10cをスパッタリング法に
より形成して3層構造の導体膜10を形成する(第3図
(a)〜(d)参照)。
子電極4a,4bの形状に応じて設計されたマスクを被覆す
る。次に、上記基板2の表面にAgのみ除去するエッチン
グ剤でエッチング処理を施す。すると、上記Ag膜10c及
びTi−Ag膜10bのマスクのない部分のAgのみが除去さ
れ、これで第3の金属薄膜7cが形成される。続いてTiの
み除去するエッチング剤でエッチング処理を施し、上記
Ti−Ag膜10b及びTi膜10aのマスクのない部分のTiのみ除
去して第2金属薄膜7b,第1金属薄膜7aを形成し、これ
により第1コイル導体層7が形成される(第3図(e)
参照)。この後上記マスクを除去して上記スパイラルコ
イル5,及び端子電極4a,4bのパターンを形成する(第3
図(f),(g)参照)。
に、感光性ポリイミド樹脂をコーティングして絶縁膜9a
を形成し、乾燥させる(第3図(h)参照)。この絶縁
膜9aのスパイラルコイル5の内端5bから端子電極4bにか
けてのみ露光−現像(エッチング)する。するとこの露
光させた部分だけ残り、これ以外は除去され、これで絶
縁膜9が形成される(第3図(i),(j))参照)。
この絶縁膜9により上記スパイラルコイル5の一部分は
埋設された構造となっている。
の表面に、上記工程と同様に、厚さ200Å程度のTi膜1
1aをスパッタリング法により形成する。続いてこのTi膜
11aの表面に、厚さ1200Å程度のTi−Ag膜(図示せず)
を同時に2元スパッタリング法により形成し、さらに該
Ti−Ag膜の表面に、厚さ3μm程度のAg膜11cをスパッ
タリング法により形成して導体膜11を形成する(第4図
(a),(b)参照)。次に、上記導体膜11の表面に上
記絶縁膜9を除く第1コイル導体層7に対応したマスク
を被覆形成し、さらに上記絶縁膜9の上面にリード線6
に対応したマスクを被覆形成する。
Agのみ除去するエッチング剤でエッチング処理を施す。
すると、上記Ag膜11c及びTi−Ag膜のマスクのない部分
のAgのみが除去され、しかもこの場合、第1コイル導体
層7のAg膜7c等はTi膜11aで覆われていることから、該
部分がエッチングされることはない。これにより第3金
属薄膜8cが形成される(第4図(c)参照)。
理を施し、上記Ti−Ag膜及びTi膜11aのマスクのない部
分のTiのみ除去して第2金属薄膜,第1金属薄膜8aを形
成する。この場合においても、エッチング剤が異なるこ
とからAgはエッチングされることなく、しかも最下層の
Ti膜7aも上面がAgで被覆されているのでほとんどエッチ
ングされることはない。これにより第1コイル導体7の
上面に第2コイル導体層8が形成され、かつスパイラル
コイル5の内端5bと端子電極4bとを接続するリード電極
6が形成される(第4図(d)参照)。この後上記マス
クを除去することにより、本実施例の高周波コイル1が
製造される(第1図及び第2図参照)。
基板2の上面に第1コイル導体層7を形成し、これの上
面に第2コイル導体層8を形成して2層構造としたの
で、コイル導体3の厚さを大きくでき、それだけコイル
のQを向上できる。ちなみに、上記第1コイル導体層の
みの構造の場合、L値18nHのもので400MHzにおけるQ値
が15であったが、本実施例の2層構造ではQ値を30に向
上できた。また69nHのものでQ値が14から32へと増大で
きた。さらに共振周波数は18nHで,3.2GHz、68nHで2.0GH
zの値が得られた。
の上面に第2コイル導体層8を形成する工程において、
Ti膜11aに続いてTi−Ag膜を形成し、さらにこれの表面
にAg膜11cを形成した後、該Agのみ除去するエッチング
剤でエッチング処理を施し、この後Tiのみ除去するエッ
チング剤でエッチング処理を施したので、上記第2コイ
ル導体層8の形成工程においては第1コイル導体層7は
上記Ti膜11aで覆われているので、該第1コイル導体層
7がエッチングされることはない。その結果、アンダー
エッチングを防止して所定寸法,所定形状のコイル導体
3を確実に得ることができる。なお、ここで基板上に厚
さ200ÅのTi膜を形成し、これの上面に厚さ6μm(本
実施例の2倍の厚さ)のAg膜を一層で形成してエッチン
グを行ったところ、マスクの下部部分にアンダーエッチ
ングが生じた。
ル導体層7,8の2層で構成した場合を例にとって説明し
たが、本発明のコイル導体はこの2層に限られるもので
はなく、上記,工程を繰り返すことにより3層以上
で構成してもよい。
膜,Ti−Ag膜,Ag膜の3層で構成した場合を例にとって説
明したが、本発明は上記Ti−Ag膜を省略してもよく、さ
らには他の金属を採用して3層以上で構成してもよく、
要はそれぞれの金属薄膜を、そのエッチング剤が異なる
ように選定すればよい。
を一層形成した場合を例にとったが、本発明は上記実施
例のコイル1において、コイル導体3の上面に絶縁層を
形成し、該絶縁層の上面にコイル導体,絶縁層を順次積
層してなる多層コイルにも適用できる。さらにまた、上
記実施例では、スパイラルコイルを例にとったが、本発
明は勿論これに限られるものではなく、例えばミアンダ
タイプにも適用できる。
したが、本発明に係る金属膜の種類はこれに限定される
ものではなく、他にCu,Al,Ni,Cr,Pd等も使用することが
できる。
金属薄膜を形成し、これの表面に該第1金属とエッチン
グ剤の異なる第2金属薄膜を形成した後、該第2金属薄
膜にエッチングを施し、この後上記第1金属薄膜にエッ
チングを施して第1コイル導体層を形成する第1工程
と、上記基板,及び第1コイル導体層の表面に第1金属
薄膜を形成し、これの表面に第2金属薄膜を形成した
後、該第2金属薄膜にエッチングを施し、この後上記第
1金属薄膜にエッチングを施して上記第1コイル導体層
の上面に第2コイル導体層を形成する第2工程とを備え
たので、アンダーエッチングを生じさせることなくコイ
ル導体の膜厚を厚くすることができ、コイルのQを向上
できる効果がある。
イルの製造方法を説明するための図であり、第1図はそ
の平面図、第2図は第1図のII−II線断面図、第3図
(a)ないし第3図(j),第4図(a)ないし第4図
(d)はそれぞれ製造方法を説明するための工程図、第
5図ないし第7図はそれぞれ従来の高周波コイルを示す
平面図,断面図,要部拡大図である。 図において、1は高周波コイル、2は絶縁基板、3はコ
イル導体、7は第1コイル導体層、8は第2コイル導体
層、7a〜7c,8a〜8cは第1〜第3金属薄膜である。
Claims (1)
- 【請求項1】基板の表面に第1金属薄膜を形成し、これ
の表面に該第1金属とエッチング剤の異なる第2金属薄
膜を形成した後、該第2金属薄膜の不要部分のみを第2
エッチング剤を用いたエッチングによって除去し、この
後上記第1金属薄膜の不要部分のみを第1エッチング剤
を用いたエッチングによって除去して第1コイル導体層
を形成する第1工程と、上記基板,及び第1コイル導体
層の表面に第1金属薄膜を形成し、これの表面に第2金
属薄膜を形成した後、該第2金属薄膜の不要部分のみを
第2エッチング剤を用いたエッチングによって除去し、
この後上記第1金属薄膜の不要部分のみを第1エッチン
グ剤を用いたエッチングによって除去して上記第1コイ
ル導体層の上面に第2コイル導体層を形成する第2工程
とを備えたことを特徴とする高周波コイルの製造方法。
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