JPH08107019A - コイル素子及びその製造方法 - Google Patents

コイル素子及びその製造方法

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JPH08107019A
JPH08107019A JP6238772A JP23877294A JPH08107019A JP H08107019 A JPH08107019 A JP H08107019A JP 6238772 A JP6238772 A JP 6238772A JP 23877294 A JP23877294 A JP 23877294A JP H08107019 A JPH08107019 A JP H08107019A
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JP
Japan
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plating
conductor pattern
pattern layer
layer
coil
Prior art date
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Withdrawn
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JP6238772A
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English (en)
Inventor
Yutaka Saito
裕 斎藤
Shigeya Takahashi
茂也 高橋
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TDK Corp
Original Assignee
TDK Corp
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Publication date
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  • Manufacturing Cores, Coils, And Magnets (AREA)
  • Coils Or Transformers For Communication (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】量産性、電気的特性及びその均一性、耐振動性
等の良好なコイル素子を提供する。 【構成】フェライトコア2の外周面上に均一な線幅及び
線間で形成された薄い層厚の導体パターン層3と、この
導体パターン層の表層に施された良好な電気的特性を得
るのに十分な層厚の導体被膜層4とで構成されたコイル
部を有するコイル素子及びその製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ページャー(ポケット
ベル)又は携帯電話等の電子機器のアンテナ回路に適用
して好適なコイル素子及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のこの種の電子機器のアンテナ回路
に用いられるコイル素子として以下に示すものが知られ
ている。
【0003】図12及び13に示すコイル素子11は、
フェライトコア2の外周に螺旋状の溝12を形成し、こ
の溝に沿って導体の巻線13を施している(特開昭61
−219115号)。
【0004】図14及び15に示すコイル素子14は、
導体金属被膜15を施したボビン16を機械的方法によ
り螺旋状に切削し、非切削部17によりコイルを形成し
ている(実開昭53−13549)。
【0005】図16及び17に示すコイル素子18は、
螺旋状の山谷部を有する柱状絶縁体19に導電材の被膜
20を施した後に、山部21を切削し谷部22に残され
た導体によりコイルを形成している(特開昭56−12
9304号)。
【0006】これらのコイル素子では、コイル部の均一
化によりコイル素子の電気的特性の均一化を図ってい
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
たコイル素子では、溝の形成や山部の除去を機械的な切
削加工により行うため、量産性が悪く電気的特性の均一
化も十分に図れないという問題がある。
【0008】更に、巻線を有するものでは特に、振動、
衝撃等により電気的特性に変化が生じ易いため、ページ
ャー、携帯電話等の通常携帯することが多い電子機器で
の使用では信頼性に問題がある。
【0009】そこで、本発明は量産性が良く、電気的特
性が均一で、耐振動性に優れたコイル素子及びその製造
方法を提供することを目的としている。
【0010】更に、本発明は、従来のコイル素子では対
応が不十分だった、電気回路基板への表面実装性が良好
なコイル素子を提供することを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】請求項1記載のコイル素
子は、棒状のフェライトコアと、このフェライトコアの
外周面上の導体パターン層及びこの導体パターン層上の
メッキ被膜層から成るコイル部とを具備するものであ
る。
【0012】請求項1記載の導体パターン層を形成する
方法としては、フェライトコアの外周面に対する導電材
の印刷及び熱処理により形成する方法、フェライトコア
の外周全面に対する導電体のメッキ膜の成膜及びこのメ
ッキ膜に対するエッチング処理により形成する方法等が
挙げられる。
【0013】請求項1記載のメッキ被膜層を形成する方
法としては、金メッキ、銀メッキ、銅メッキ、ニッケル
メッキ、錫メッキ、半田メッキの電気メッキが挙げられ
る。また、このメッキ被膜層を複数種類のメッキ膜で構
成することもできる。
【0014】請求項1記載のコイル素子では、棒状のフ
ェライトコアの外周部で通常巻線が施される外周面上に
導体パターン層を均一に形成し、その後のメッキ処理に
より導体パターン層の表層部にメッキ被膜層を形成する
ことにより、コイル部の抵抗を低くし共振点でのインピ
ーダンスを高くしている。
【0015】請求項1記載の導体パターン層及びメッキ
被膜層を有するコイル部を形成する例としては、例え
ば、以下のものが挙げられる。
【0016】例1は、棒状のフェライトコアの外周面に
対する導電材の印刷及び熱処理により導体パターン層を
形成した後、この導体パターン層に対して電気メッキ処
理を行ってメッキ被膜層を形成する。
【0017】例2は、棒状のフェライトコアの外周全面
に対する無電解メッキのメッキ膜の形成及びこのメッキ
膜に対するエッチング処理により導体パターン層を形成
した後、この導体パターン層に対して電気メッキ処理を
行ってメッキ被膜層を形成する。
【0018】例1又は例2に於て使用するフェライトコ
アの固有値抵抗が低い(106Ω・cm程度)場合に
は、メッキ被膜層を形成するための電気メッキとしてメ
ッキ伸びの不具合が生じない種類のメッキ、例えば、半
田メッキを用いる。
【0019】例3は、棒状のフェライトコアの外周全面
に対して無電解メッキ処理によるメッキ膜を形成し、続
いてこのメッキ膜上に電気メッキのメッキ被膜層を成膜
した後、この二層のメッキ膜に対するエッチング処理に
より導体パターン層及びメッキ被膜層を有するコイル部
を形成する。
【0020】例1乃至例3で、導体パターン層及びメッ
キ被膜層の材料のいずれか一方又は双方が腐食性を有
し、この腐食性を有する材料が表面又はエッチング処理
部分に於て露出している場合には、更に、ニッケルメッ
キ、錫メッキ、半田メッキにより保護被膜を設けても良
い。
【0021】請求項2記載のコイル素子は、請求項1記
載のコイル素子に加えて、棒状のフェライトの外周面上
に於けるコイル部以外の領域に少なくとも一個の表面実
装用の導体部を具備するものである。
【0022】請求項3記載のコイル素子の製造方法は、
棒状のフェライトコアの外周面に対する導電材の印刷及
び熱処理により導体パターン層を形成する工程と、この
導体パターン層に対して複数種類の電気メッキ処理のう
ち一種又は二種以上の任意の組合せによるメッキ処理を
行って、導体パターン層上にメッキ被膜層を形成しコイ
ル部とする工程とを含むものである。
【0023】請求項4記載のコイル素子の製造方法は、
棒状のフェライトコアの外周全面に対する導電体のメッ
キ膜の形成及びこのメッキ膜に対するエッチング処理に
より導体パターン層を形成する工程と、この導体パター
ン層に対して複数種類の電気メッキ処理のうち一種又は
二種以上の任意の組合せによるメッキ処理を行って、導
体パターン層上にメッキ被膜層を形成しコイル部とする
工程とを含むものである。
【0024】請求項3又は4記載のコイル素子の製造方
法は、棒状のフェライトコアの外周部で通常巻線が施さ
れる外周面上に均一な導体パターン層を形成する工程
と、コイル部の抵抗を小さくし共振点でのインピーダン
スを高くするためのメッキ被膜層を前記導体パターン層
の表層部に形成する工程を含むものである。
【0025】請求項3又は4記載の電気メッキ処理とし
ては、金メッキ、銀メッキ、銅メッキ、ニッケルメッ
キ、錫メッキ、半田メッキの電気メッキが挙げられる。
【0026】請求項4記載のコイル素子の製造方法で、
棒上のフェライトコアの外周全面に対して無電解メッキ
処理によるメッキ膜を形成し、続いてこのメッキ膜の表
層部にメッキ被膜層と同様に電気抵抗を小さくするため
の電気メッキ処理によるメッキ膜を形成した後、このメ
ッキ膜に対してエッチング処理を施した場合、更に、エ
ッチング処理後に電気メッキ処理により保護被膜のため
のメッキ膜を施しても良い。前記無電解メッキとして
は、銅メッキ、金メッキ、銀メッキが挙げられる。
【0027】
【作用】請求項1記載のコイル素子によれば、棒状のフ
ェライトコアと、このフェライトコアの外周面上の導体
パターン層及びこの導体パターン層上のメッキ被膜層か
ら成るコイル部とを具備したものであるから、量産性、
電気的特性及びその均一性、耐振動性等の良好なコイル
素子を提供することができる。
【0028】上記導体パターン層は、コイル部の基礎と
なる薄い膜厚で十分なため、膜厚を厚くする場合に比し
て均一な形状で形成することが容易となる。しかし、薄
い膜厚の導体パターン層だけではコイル部の抵抗が大き
く十分な電気的特性を得ることができない。
【0029】そこで、本発明では導体パターン層の表層
部に施したメッキ被膜層により、コイル部の抵抗を低く
し共振点でのインピーダンスが高くしている。その結
果、アンテナ回路に使用した場合の電波の検出感度を向
上できる。また、このメッキ被膜層を複数種類のメッキ
膜で構成した場合にも、同様の効果を得ることができ
る。
【0030】本発明のコイル素子のコイル部が、導体パ
ターン層及びメッキ被膜層のニ層構造を有する理由とし
て次のような点が挙げられる。
【0031】例えば、導体パターン層を導電材の印刷及
び熱処理により形成する場合、印刷する導電材の印刷厚
を厚くすると、印刷工程に於ける印刷厚のばらつき及び
熱処理工程に於ける印刷した導電材の流出による印刷形
状の変化が大きくなる。
【0032】また、導体パターン層をメッキ膜の形成及
びエッチング処理により形成する場合、前記メッキ膜の
形成で通常用いられる無電解メッキは、メッキ被膜層を
形成する際に使用する電気メッキに比して高価なため、
膜厚を厚くすることはコスト高の原因となる。更に、無
電解メッキでは、メッキ膜の厚さにばらつきが生じ易
く、メッキ膜の形成速度が遅く生産効率が良くないとい
う問題がある。
【0033】一方、電気メッキでは、電流及び時間によ
り膜厚管理が容易で膜厚の均一性も良いため、上述の理
由により膜厚のばらつきが生じやすい導体パターン層
を、電気メッキ処理によるメッキ被膜層に比して薄くす
れば、コイル部全体としての膜厚のばらつきを小さくす
ることができる。
【0034】よって、メッキ被膜層に比して薄い導体パ
ターン層を形成した後に、電気メッキ処理によりメッキ
被膜層を形成することにより、効率的に電気的特性の良
好なコイル素子を得ることができる。ここで、十分な電
気的特性の確保及びコストを考慮した場合、導体パター
ン層の厚さとしては10〜30μm程度が好ましく、メ
ッキ被膜層の厚さとしては50〜300μm程度が好ま
しい。
【0035】請求項2記載のコイル素子によれば、請求
項1記載のコイル素子に加えて、棒状のフェライトの外
周面上に於けるコイル部以外の領域に少なくとも一個の
表面実装用の導体部を設けたことにより、半田付けを行
う部分が3点以上になるため、回路基板、フレキシブル
回路基板等へ表面実装する際の位置ずれを防止でき、実
装強度も向上する。
【0036】請求項3又は4記載のコイル素子の製造方
法によれば、棒状のフェライトコアの外周面に対する導
電材の印刷及び熱処理により導体パターン層を形成する
工程、又は棒状のフェライトコアの外周全面に対する導
電体のメッキ膜の形成及びこのメッキ膜に対するエッチ
ング処理により導体パターン層を形成する工程により、
フェライトコアの外周面上に均一な薄い膜厚の導体パタ
ーン層を形成することができる。
【0037】この導体パターン層に対して複数種類の電
気メッキ処理のうち一種又は二種以上の任意の組合せに
よる電気メッキ処理を行って、導体パターン層の表層部
にメッキ被膜層を形成しコイル部とする工程により、電
気的特性の良好なコイル素子を効率的かつ安価に製造す
ることができる。
【0038】請求項4記載のコイル素子の製造方法で、
棒上のフェライトコアの外周全面に対して導電体のメッ
キ膜を形成し、続いてこのメッキ膜の表層部に電気メッ
キ処理によるメッキ膜を成膜した後、このメッキ膜に対
してエッチング処理を施した場合、この電気メッキ処理
によりメッキ膜が、抵抗を小さくし電気的特性を向上さ
せる働きをする。更に、エッチング処理後に電気メッキ
処理によるメッキ被膜層を設け、保護被膜の働きをさせ
ても良い。
【0039】
【実施例】以下に、本発明の実施例を詳細に説明する。
【0040】(実施例1)図1、図2に示す本実施例の
コイル素子1は、例えば長さ20mm、高さ5mm、奥
行き9mmの四角柱状のフェライトコア2の外周面に対
する導電材である導電ペーストの印刷及び熱処理により
形成した線幅1.27mm、線間間隔2.0mmで合計
4回巻のコイルである導体パターン層3及びこの導体パ
ターン層3に対するメッキ処理によるメッキ被膜層4か
らなるコイル部5を具備している。
【0041】次に、このコイル素子1の製造方法を図3
乃至図7を参照して説明する。
【0042】まず、図3に示すように、例えば長さ20
mm、高さ5mm、奥行き9mmの四角柱状のフェライ
トコア2に於て、このフェライトコア2の第1面2aに
銀ペーストからなる導電ペースト6aの5本の線パター
ンをスクリーン印刷処理により、線幅1.27mm、線
間間隔2.0mmで平行配列して印刷厚20μmで印刷
し、乾燥する。
【0043】次に、図4に示すように、前記フェライト
コア2を90度回転させ、その第2面2bに上述した場
合と同一の条件で導電ペースト6bの4本の線パターン
を印刷し、乾燥する。この際、第1面2aの5本の線パ
ターンのうちのA’側から4本の線パターンと第2面2
bの4本の線パターンが接続するようにする。
【0044】更に、図5に示すように、前記フェライト
コア2を90度回転させ、その第3面2cに上述した場
合と同一の条件で導電ペースト6cの4本の線パターン
を印刷し、乾燥する。この際、第2面2bの4本の線パ
ターンと第3面2cの4本の線パターンが接続するよう
にする。
【0045】更に、図6に示すように、前記フェライト
コア2を90度回転させ、その第4面2dに上述した場
合と同一の条件で導電ペースト6dの4本の線パターン
を印刷し、乾燥する。この際、第3面2cの4本の線パ
ターン及び第1面2aの5本の線パターンのうちのA側
から4本の線パターンと第4面2dの4本の線パターン
が接続するようにする。
【0046】このような4回のスクリーン印刷後に、6
00〜900℃程度で熱処理することより、前記フェラ
イトコア2の外周面に、線幅1.27mm、線間間隔
2.0mmの4回巻のコイル部5の基礎となる薄い層厚
の導体パターン層3を正確な線幅及び線間間隔で形成で
きる。
【0047】上述のスクリーン印刷の印刷厚は、厚くす
ると厚さのばらつきが大きくなるため、10〜30μm
程度が好ましい。また、導電ペーストの例としては銀ペ
ーストの他に、金ペースト、銅ペースト等が挙げられ
る。
【0048】次に、前記フェライトコア2の外周面に形
成した導体パターン層3に対して、図7に示すように、
ニッケルメッキ、銅メッキ、錫メッキ、半田メッキから
なるメッキ処理のうち一種又は二種以上の任意の組合せ
によるメッキ処理を行って導体パターン層3の表層部に
130μmのメッキ被膜層を形成しコイル部とする。
【0049】このメッキ被膜層4の膜厚は、厚過ぎると
コスト高の原因となるため、50〜300μm程度が好
ましい。
【0050】本実施例では、スクリーン印刷の印刷厚を
20μmとし、被膜の均一性の良い電気メッキ処理によ
る導体被膜の膜厚を130μmとすることで、コイル部
全体としての層厚の均一性を向上させている。
【0051】上述したメッキ処理の具体例としては、電
流30Aで、13時間の銅メッキを行い、次に短い時間
のニッケルメッキ、錫メッキをこの順序で行うか、又
は、銅メッキの後に半田メッキを行う例を挙げることが
できる。
【0052】また、フェライトの固有抵抗値が106Ω
・cm程度の比較的固有値抵抗の低いフェライトに対す
る銅メッキ、ニッケルメッキ、錫メッキの電気メッキ処
理に於ては、メッキ伸びの不具合が生じるためフェライ
トの固有抵抗値が低い場合には電気メッキ処理として半
田メッキだけを施しても良い。
【0053】また、フェライトコアの材料としては、N
i−Zn系フェライト(立方晶)、Ni−Cu−Zn系
フェライト(立方晶)、Ba−Co系フェライト(六方
晶)等の高周波材料が挙げられる。
【0054】このようにして、図1、図2に示した巻線
間隔及び層厚が均一でコイル部の抵抗が低いコイル素子
1を得ることができる。また、このコイル素子1は自動
化への対応も容易なため、低コスト化も可能となる。
【0055】図11は、本実施例のコイル素子1のイン
ピーダンスZの周波数特性の一例を示すものである。コ
イル素子をアンテナ回路に使用した場合、コイル素子1
はインダクタンスL、フェライトの損失抵抗及びコイル
部の抵抗の合成抵抗R、浮遊容量Cによる並列共振回路
を構成する。この合成抵抗Rは、上述したメッキ処理
で、メッキ被膜層4の膜厚を厚くした場合、コイル部の
抵抗が低くなることにより低くなり、L/CRに依存す
る共振点f0でのインピーダンスZが高くなる。また、
巻線間隔が均一なため、インダクタンスLのばらつきも
小さくできる。従って、アンテナ回路として使用した場
合、電波の検出感度が良好になる。
【0056】しかし、このメッキ被膜層4の膜厚が、厚
過ぎるとコスト高の原因となるため、メッキ被膜4層の
膜厚としては50〜300μm程度が好ましい。
【0057】以上説明したように、本実施例のコイル素
子1によれば、フェライトコア2の外周面に対する導電
ペーストの印刷及び熱処理により導体パターン層3を形
成し更に、この導体パターン層3に対してニッケルメッ
キ、銅メッキ、錫メッキ、半田メッキからなるメッキ処
理のうち一種又は任意の組合せによるメッキ処理を行っ
てコイルパターン層3の上層部にメッキ被膜層4を形成
しコイル部5とすることにより、電気的特性を均一に
し、電波の検出感度を向上させることができる。
【0058】図8は、上述したコイル素子1に加えて、
棒状のフェライト2の外周面に於けるコイル部5以外の
領域に少なくとも1個、例えば2個の表面実装用の導体
部7を具備するコイル素子1Aを示すものである。
【0059】この表面実装用の導体部7は、上述のスク
リーン印刷及び熱処理により、コイルパターン層と同様
に形成することができるため、導体部7を設けることに
よる製造時の負担増加はほとんど無い。
【0060】このコイル素子1Aによれば、電気的特性
が均一で電波の検出感度も良く、更に、前記導体部7を
利用して半田付けを行うことで、回路基板、フレキシブ
ル回路基板等へ表面実装する際の位置ずれを防止でき、
実装強度も向上する。
【0061】(実施例2)次に、コイルパターン層を無
電解メッキ及びエッチング処理により形成する場合の実
施例について、図9、10を参照して説明する。
【0062】本実施例では、図9に示すように四角柱状
のフェライトコア2の外周全面に無電解銅メッキ処理に
より20μmのメッキ膜8を形成する。この無電解メッ
キは、電気メッキ比して高価でメッキ膜の形成速度が遅
く、メッキ膜の厚さにばらつき生じ易いため無電解メッ
キ処理よりメッキ膜を形成後に、このメッキ膜の表層部
に銅の電気メッキにより130μmのメッキ被膜層9を
形成する。このメッキ被膜層の形成は、フェライトの固
有抵抗値が108Ω・cm程度の比較的固有値抵抗の高
いフェライトの場合には、後述するエッチング処理後に
行ってもよい。
【0063】この無電解メッキとしては、銅メッキの他
に、金メッキ、銀メッキが挙げられる。また、上述のコ
スト及び膜厚の均一性の問題から、無電解メッキの膜厚
としては10〜30μm程度が好ましい。
【0064】次に、外周全面にメッキ処理を施した前記
フェライトコア2に、実施例1の場合と同様にレジスト
を印刷、乾燥する。続いて、このレジストを施したフェ
ライトコア2を、塩化第二鉄溶液により化学エッチング
し、図10に示したメッキ膜8及びメッキ被膜層9から
なるコイル部を形成する。
【0065】次に、レジストを剥離し、このコイル部の
表面に、錫メッキ又は半田メッキによる保護被膜10を
形成する。
【0066】本実施例の場合には、メッキ膜の膜厚にば
らつきが生じやすい無電解メッキしょりによるメッキ膜
を20μmとし、エッチング処理の前又は後に被膜の均
一性の良い電気メッキにより130μmのメッキ膜を形
成することで、実施例1の場合と同様に電気的特性を均
一にし、電波の検出感度を向上させることができる。
【0067】また、本実施例の場合にも実施例1の場合
と同様に、棒状のフェライト2の外周面に於けるコイル
部5以外の領域に少なくとも1個の導体部を設けること
で、実装性を向上させることができる。
【0068】本発明は、上述した実施例の他、その要旨
の範囲で種々の変形が可能である。例えば、上述した実
施例では、コイル部が4回巻のコイル素子について説明
したが、コイル部の巻数は1回巻、2回巻、3回巻又5
回巻、6回巻、7回巻等に増減が可能で任意数として実
施でき、フェライトコアの形状は四角柱の他、五角柱、
六角柱、7角柱、八角柱等任意形状として実施できる。
【0069】
【発明の効果】本発明は、以上説明したように構成され
ているので、以下に記載されるような効果を奏する。
【0070】請求項1記載の発明によれば、量産性、電
気的特性及びその均一性、耐振動性等の良好なコイル素
子を提供することができる。このコイル素子では、薄い
膜厚の導体パターン層により、コイル部の線幅及び線間
間隔の均一性を図り、このメッキ膜にメッキ被膜層を施
すことによりコイル部の抵抗を低くし電波の検出感度を
良好にさせている。
【0071】請求項2記載の発明によれば、請求項1記
載の発明の効果に加えて、回路基板、フレキシブル回路
基板等へ表面実装する際の実装性の良好なコイル素子を
提供することができる。
【0072】請求項3又は4記載の発明によれば、量産
性、電気的特性及びその均一性、耐振動性等の良好なコ
イル素子を安価かつ効率的に製造するコイル素子の製造
方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施例のコイル素子を示す斜視図である。
【図2】図1のA−A’断面図である。
【図3】実施例1のコイル素子に於ける導体パターン層
の製造工程を示す斜視図である。
【図4】実施例1のコイル素子に於ける導体パターン層
の製造工程を示す斜視図である。
【図5】実施例1のコイル素子に於ける導体パターン層
の製造工程を示す斜視図である。
【図6】実施例1のコイル素子に於ける導体パターン層
の製造工程を示す斜視図である。
【図7】実施例1のコイル素子に於ける導体パターン層
に対するメッキ処理を示す説明図である。
【図8】実施例1のコイル素子に於いて表面実装用の導
体部を設けた場合の斜視図である。
【図9】実施例2のコイル素子に於けるメッキ処理工程
を示す断面図である。
【図10】実施例2のコイル素子に於けるエッチング処
理工程を示す断面図である。
【図11】本発明のコイル素子のインピーダンスの周波
数特性を示す特性図である。
【図12】従来のコイル素子の一例を示す斜視図であ
る。
【図13】従来のコイル素子の一例を示す断面図であ
る。
【図14】従来のコイル素子の一例を示す断面図であ
る。(加工前)
【図15】従来のコイル素子の一例を示す断面図であ
る。(加工後)
【図16】従来のコイル素子の一例を示す断面図であ
る。(加工前)
【図17】従来のコイル素子の一例を示す断面図であ
る。(加工後)
【符号の説明】
1、1A、11、14、18 コイル素子 2 フェライトコア 2a、2b、2c、2d フェライトコアの外周面 3 導体パターン層 4、9 メッキ被膜層 5 コイル部 6a、6b、6c,6d 導電ペースト 8 メッキ膜 10 保護被膜 12 溝 13 巻線 15 導体金属被膜 16 ボビン 17 非切削部 19 柱状絶縁体 20 導電材の被膜 21 山部 22 谷部

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 棒状のフェライトコアと、このフェライ
    トコアの外周面上の導体パターン層及びこの導体パター
    ン層上のメッキ被膜層から成るコイル部とを具備するこ
    とを特徴とするコイル素子。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の棒状のフェライトコアの
    外周面上に於けるコイル部以外の領域に少なくとも一個
    の表面実装用の導体部を具備することを特徴とする請求
    項1記載のコイル素子。
  3. 【請求項3】 棒状のフェライトコアの外周面に対する
    導電材の印刷及び熱処理により導体パターン層を形成す
    る工程と、この導体パターン層に対して複数種類の電気
    メッキ処理のうち一種又は二種以上の任意の組合せによ
    るメッキ処理を行って、導体パターン層上にメッキ被膜
    層を形成しコイル部とする工程とを含むことを特徴とす
    るコイル素子の製造方法。
  4. 【請求項4】 棒状のフェライトコアの外周全面に対す
    る導電体のメッキ膜の形成及びこのメッキ膜に対するエ
    ッチング処理により導体パターン層を形成する工程と、
    この導体パターン層に対して複数種類の電気メッキ処理
    のうち一種又は二種以上の任意の組合せによるメッキ処
    理を行って、導体パターン層上にメッキ被膜層を形成し
    コイル部とする工程とを含むことを特徴とするコイル素
    子の製造方法。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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