JP2002134322A - 高q高周波コイル及びその製造方法 - Google Patents

高q高周波コイル及びその製造方法

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JP2002134322A
JP2002134322A JP2000324107A JP2000324107A JP2002134322A JP 2002134322 A JP2002134322 A JP 2002134322A JP 2000324107 A JP2000324107 A JP 2000324107A JP 2000324107 A JP2000324107 A JP 2000324107A JP 2002134322 A JP2002134322 A JP 2002134322A
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Japan
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coil
conductor layer
conductor
frequency coil
layer
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JP2000324107A
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Takashi Kajino
隆 楫野
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TDK Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高周波、とくに1GHz以上の周波数帯域に
おいて良好なQ特性を示しかつ量産性に優れた高Q高周
波コイルを提供する。 【解決手段】 絶縁層12,14,16と導体層11,
13,15,17を交互に積層してなる高周波コイルで
あり、各導体層が前記絶縁層を介して積層方向に複数
層、略同一のコイル導体パターンに形成されていて、各
導体層でヘリカル巻きのコイル導体を複数構成し、かつ
前記コイル導体同士を少なくともその両端にて電気的に
接続し、端子電極25に導出する構成である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高周波コイル及び
その製造方法に係り、とくに1GHz以上の周波数帯域
において良好なQ特性を示しかつ量産性に優れた高Q高
周波コイル及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】高周波コイルでQを上げる工夫として下
記の手法が考えられる。
【0003】 スパイラルコイルでコイル導体を2重
にする(特開平5−82349号公報)。
【0004】 ヘリカルコイルで導体をハイアスペク
トにする。
【0005】上記の場合、巻き方がスパイラルなので
導体損失が大きくQの改善が不十分である。
【0006】また、上記の場合、導体を十分にハイア
スペクトに構成することは従来技術では容易でなかっ
た。例えば、従来のセラミック積層工法を使用する場合
には導体層の厚さを増やすことは困難である。また有機
の積層工法の場合もアスペクト比は通常1.5以下であ
り、非常に高いQを実現したい場合等には対応出来な
い。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の点に
鑑み、高周波、とくに1GHz以上の周波数帯域におい
て良好なQ特性を示しかつ量産性に優れた高Q高周波コ
イル及びその製造方法を提供することを目的とする。
【0008】本発明のその他の目的や新規な特徴は後述
の実施の形態において明らかにする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本願請求項1の発明に係る高Q高周波コイルは、絶
縁層と導体層を交互に積層してなる構成において、各導
体層が前記絶縁層を介して積層方向に複数層、略同一の
コイル導体パターンに形成されていて、各導体層でヘリ
カル巻きのコイル導体を複数構成し、かつ前記コイル導
体同士を少なくともその両端にて電気的に接続したこと
を特徴としている。
【0010】本願請求項2の発明に係る高Q高周波コイ
ルは、絶縁層と導体層を交互に積層してなる構成におい
て、各導体層のコイル導体パターンが幅方向に多重化さ
れていて、各導体層でヘリカル巻きのコイル導体を複数
構成し、かつ前記コイル導体同士を少なくともその両端
にて電気的に接続したことを特徴としている。
【0011】本願請求項3の発明に係る高Q高周波コイ
ルは、請求項1又は2において、前記絶縁層がセラミッ
ク絶縁層であることを特徴としている。
【0012】本願請求項4の発明に係る高Q高周波コイ
ルは、請求項1又は2において、前記絶縁層が有機絶縁
層であることを特徴としている。
【0013】本願請求項5の発明に係る高Q高周波コイ
ルは、請求項4において、前記有機絶縁層の比誘電率が
5以下であることを特徴としている。
【0014】本願請求項6の発明に係る高Q高周波コイ
ルは、請求項4又は5において、前記有機絶縁層のQが
100以上であることを特徴としている。
【0015】本願請求項7の発明に係る高Q高周波コイ
ルは、請求項4,5又は6において、有機絶縁層がビニ
ルベンジルであることを特徴としている。
【0016】本願請求項8の発明に係る高Q高周波コイ
ルは、請求項4,5,6又は7において、前記有機絶縁
層が可撓性を有するものであることを特徴としている。
【0017】本願請求項9の発明に係る高Q高周波コイ
ルは、請求項1,2,3,4,5,6,7又は8におい
て、前記コイル導体のアスペクト比が0.3以上である
ことを特徴としている。
【0018】本願請求項10の発明に係る高Q高周波コ
イルは、請求項1,2,3,4,5,6,7,8又は9
において、前記コイル導体が銅であることを特徴として
いる。
【0019】本願請求項11の発明は、絶縁層と導体層
を交互に積層してなり、各導体層が前記絶縁層を介して
積層方向に複数層、略同一のコイル導体パターンに形成
されていて、各導体層でヘリカル巻きのコイル導体を複
数構成し、かつ前記コイル導体同士を少なくともその両
端にて電気的に接続した高Q高周波コイルの製造方法で
あって、前記導体層を作製する工程が、(1) 5μm以
下のめっき用下地導体層を少なくとも基板の片面の全て
に形成する下地形成工程と、(2) 感光性レジストを前
記下地導体層の上に設けるレジスト形成工程と、(3)
フォトリソグラフィー法により前記レジストのコイル導
体パターン部分を除去するパターニング工程と、(4)
電解めっきにより、前記レジストの除去されたコイル導
体パターン部分にコイル導体層を形成する電解めっき工
程と、(5) 前記感光性レジストを除去するレジスト除
去工程と、(6) エッチングにより前記下地導体層の不
要部分を除去する下地除去工程とを有することを特徴と
している。
【0020】本願請求項12の発明は、絶縁層と導体層
を交互に積層してなり、各導体層のコイル導体パターン
が幅方向に多重化されていて、各導体層でヘリカル巻き
のコイル導体を複数構成し、かつ前記コイル導体同士を
少なくともその両端にて電気的に接続した高Q高周波コ
イルの製造方法であって、前記導体層を作製する工程
が、(1) 5μm以下のめっき用下地導体層を少なくと
も基板の片面の全てに形成する下地形成工程と、(2)
感光性レジストを前記下地導体層の上に設けるレジスト
形成工程と、(3) フォトリソグラフィー法により前記
レジストのコイル導体パターン部分を除去するパターニ
ング工程と、(4) 電解めっきにより、前記レジストの
除去されたコイル導体パターン部分にコイル導体層を形
成する電解めっき工程と、(5) 前記感光性レジストを
除去するレジスト除去工程と、(6) エッチングにより
前記下地導体層の不要部分を除去する下地除去工程とを
有することを特徴としている。
【0021】本願請求項13の発明に係る高Q高周波コ
イルの製造方法は、請求項11又は12において、前記
めっき用下地導体層の少なくとも第1層を無電解めっき
で形成することを特徴としている。
【0022】本願請求項14の発明に係る高Q高周波コ
イルの製造方法は、請求項13において、前記無電解め
っきが銅めっきであることを特徴としている。
【0023】本願請求項15の発明に係る高Q高周波コ
イルの製造方法は、請求項11,12,13又は14に
おいて、前記感光性レジストがドライフィルムであるこ
とを特徴としている。
【0024】本願請求項16の発明に係る高Q高周波コ
イルの製造方法は、請求項11,12,13,14又は
15において、前記感光性レジストの露光を平行露光機
で行うことを特徴としている。
【0025】本願請求項17の発明に係る高Q高周波コ
イルの製造方法は、請求項11,12,13,14,1
5又は16において、前記電解めっきが光沢めっきであ
ることを特徴としている。
【0026】本願請求項18の発明に係る高Q高周波コ
イルの製造方法は、請求項11,12,13,14,1
5,16又は17において、前記電解めっきが銅めっき
であることを特徴としている。
【0027】本願請求項19の発明に係る高Q高周波コ
イルの製造方法は、請求項11,12,13,14,1
5,16,17又は18において、前記エッチングがウ
エットエッチングであることを特徴としている。
【0028】本願請求項20の発明に係る高Q高周波コ
イルの製造方法は、請求項11,12,13,14,1
5,16,17,18又は19において、前記下地導体
層と前記コイル導体層の金属種を選択エッチング可能な
組み合わせにして、前記下地除去工程で下地導体層のみ
をエッチングするエッチング液で処理することを特徴と
している。
【0029】本願請求項21の発明に係る高Q高周波コ
イルの製造方法は、請求項11,12,13,14,1
5,16,17,18,19又は20において、前記電
解めっきで形成したコイル導体層表面の凹凸が5μm以
内であることを特徴としている。
【0030】本願請求項22の発明に係る高Q高周波コ
イルの製造方法は、請求項11,12,13,14,1
5,16,17,18,19,20又は21において、
前記絶縁層としての有機絶縁層にビアホールをレーザー
加工にて形成することを特徴としている。
【0031】本願請求項23の発明に係る高Q高周波コ
イルの製造方法は、請求項11,12,13,14,1
5,16,17,18,19,20又は21において、
前記絶縁層としての有機絶縁層が感光性を有し、フォト
リソグラフィー法でビアホールを形成することを特徴と
している。
【0032】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る高Q高周波コ
イル及びその製造方法の実施の形態を図面に従って説明
する。
【0033】図1乃至図3で本発明の第1の実施の形態
を説明する。図1(A)は有機又は無機の絶縁基板10
上に形成された第1導体層11を、同図(B)はその上
に積層形成された第1層間絶縁層12を、同図(C)は
その上に形成された第2導体層13を、同図(D)はそ
の上に積層形成された第2層間絶縁層14を、同図
(E)はその上に形成された第3導体層15を、同図
(F)はその上に積層形成された第3層間絶縁層16
を、同図(G)はその上に形成された第4導体層17を
それぞれ示している。また、図2は図1のII−II断面図
を示すものである。
【0034】第1導体層11と第2導体層13とは第1
層間絶縁層12を介して積層方向に略同一のコイル導体
パターン(ヘリカルの一部をなすパターン)に形成され
ている。第3導体層15と第4導体層17とは第3層間
絶縁層16を介して積層方向に略同一のコイル導体パタ
ーン(ヘリカルの残りの一部をなすパターン)に形成さ
れている。そして、第1及び第2導体層11,13と第
3及び第4導体層15,17とは各層間絶縁層12,1
4,16のビアホール18で相互に直列及び並列に接続
されて、各導体層でヘリカル巻きのコイル導体を複数
(図示の場合2つ)構成し、基板両側縁の端子電極25
同士を接続している。
【0035】前記絶縁基板10及び層間絶縁層12,1
4,16は有機、無機材料のどちらでも良いが、とくに
比誘電率は5以下で、Q値が100以上の有機材料が好
ましい。比誘電率を下げることで、導体層を設けた際の
浮遊容量の発生を少なくすることができる。比誘電率が
5を超える場合、浮遊容量の発生が顕著になる。また、
導体層のアスペクト比を上げることにより、導体層の渦
電流損失を増やすことなく高周波での電流路の断面積を
増加することができる。
【0036】また、各導体層11,13,15,17の
膜厚は15μm以上、アスペクト比は0.3以上である
ことが電流路の断面積の増加を図る上でとくに好まし
い。なお、膜厚15μm未満でアスペクト比が0.3未
満では、電流路の断面積の増加はわずかにとどまる。
【0037】絶縁基板10及び各層間絶縁層12,1
4,16をセラミックとする場合、例えばセラミック積
層工法でそれらを作製できる。また、各層間絶縁層1
2,14,16が有機材料、つまり絶縁樹脂である場
合、各導体層11,13,15,17の作製は、例え
ば、パネルめっきとエッチングによる方法、あるいはパ
ターンめっき法によって行うことができる。
【0038】前記セラミック積層工法で本実施の形態の
高周波コイルを作成すると、量産性に優れ好ましい。但
し、各導体層11,13,15,17の厚さが増やせな
いのであまり大きなQは得られない。また浮遊容量が大
きいので自己共振点も比較的低い。
【0039】前記パネルめっきとエッチングによる方法
では、絶縁基板10上に厚さが5μm以下のめっき下地
層を形成し、その後、めっき下地層の面に電解めっきを
施し、その上にコイル導体部を覆う形でレジストパター
ンを形成し、不要な部分をエッチング法で除去してコイ
ル導体層を形成する(サブトラクティブ工法)。上層の
コイル導体層も層間の層間絶縁層上に同様の工程で作製
できる。この場合、アスペクト比は通常0.2以下であ
り、あまり高くできない。
【0040】また、アスペクト比を高く、例えば0.3
以上にすることが可能な前記パターンめっき法の場合を
図3で説明する。
【0041】図3の第1工程(下地形成工程)におい
て、有機又は無機の絶縁基板10の表面を粗化した後、
片面の全てに厚さ5μm以下のめっき用下地導体層21
を形成する。なお、下地導体層21が5μmを超えると
後工程で不要な下地導体層21を除去するエッチングに
時間がかかり、かつ下地導体層21上に設けるコイル導
体層もエッチングされるおそれが出てくるため、好まし
くない。
【0042】前記下地導体層21の形成方法は、スパッ
タリング、蒸着、イオンプレーティング等の薄膜工法、
無電解めっき又は無電解めっきした上に電解めっきを施
す等のウエット工法及びこれらの組み合わせとする。組
み合わせの一例を挙げると、0.1μmのTi膜をスパ
ッタリング法で形成した後で、電解銅めっきで2μm厚
付けする等の方法である。この中でも無電解めっきもし
くはこの上に電解めっきで厚付けする方法は量産性が良
く、またスケールアップも容易なので好ましい。
【0043】金属の種類は比抵抗が低くて、安価なもの
が好ましい。銅は比抵抗とコストのバランスのとれた好
ましい材料である。また、無電解銅めっきで容易に、量
産性良く成膜出来る。
【0044】次に第2工程(レジスト形成工程)におい
て、下地導体層21の上に感光性レジストとしての光硬
化性ドライフィルム22をラミネーターで貼り付ける。
ここで、ドライフィルム22の厚みは後工程で形成する
コイル導体層の厚さの80%以上とすることが好まし
く、例えばドライフィルム22の厚みは80μmとす
る。
【0045】第3工程(パターニング工程)では、ドラ
イフィルム22に対してフォトリソグラフィーの手法を
用いて平行露光機で露光、現像し、図1(A)の第1導
体層用のパターンを作製する。ここで図中の斜線の部分
がドライフィルム22を除去した溝部23となる。基板
全体の縦、横寸法は例えば0.8×1.6mmであり、コイ
ル導体部の幅は85μmである。なお、平行露光機とす
るのは、これが平行光線をドライフィルム22に垂直に
照射でき、散乱光による場合に比べ細幅で側面が垂直に
近い溝をパターニングできるからである。
【0046】第4工程(電解めっき工程)では、ドライ
フィルム22の溝部23に電解めっきとしての光沢硫酸
銅めっきで厚さ80μmのコイル導体層24を形成す
る。ここで光沢めっきとするのは、導体層24表面を鏡
面状にして凹凸を少なくするためである。なお、導体層
24は溝部23の深さよりも肉厚が多少大きくなるよう
にめっき処理してもよい。
【0047】第5工程(レジスト除去工程)ではドライ
フィルム22を剥離、除去し、下地導体層21を露出さ
せる。
【0048】第6工程(下地除去工程)では、全体をウ
ェットエッチングでエッチング処理して下地導体層21
の不要部分を除去する。
【0049】以上の第1乃至第6工程により、図1
(A)のように絶縁基板10上に第1導体層11が形成
されることになる。以上の工法により第1導体層11の
アスペクト比を0.3以上にすることができる。
【0050】第7工程(層間絶縁層形成工程)では感光
性絶縁樹脂を第1導体層11上で25μmの厚さに塗布
して有機絶縁層の層間絶縁層12とする。
【0051】第8工程(ビアホール形成工程)では、層
間絶縁層12に対してフォトリソグラフィー法で露光、
現像処理して図1(B)の斜線の位置にビアホール18
を作製する。ビアホールの直径は100μmである。
【0052】その後は、第1乃至第6工程と同様の工程
を繰り返す。つまり、第9工程(下地形成工程)では、
絶縁層12の表面を粗化した後に5μm以下のめっき用
下地導体層31を銅の無電解めっき等で形成する。な
お、下地導体層31が5μmを超えると後工程で不要な
下地導体層31を除去するエッチングに時間がかかり、
かつ下地導体層31上に設けるコイル導体層もエッチン
グされるおそれが出てくるため、好ましくない。
【0053】次に第10工程(レジスト形成工程)にお
いて、下地導体層31の上に感光性レジストとしての光
硬化性ドライフィルム32をラミネーターで貼り付け
る。ここで、ドライフィルム32の厚みは後工程で形成
するコイル導体層の厚さの80%以上とすることが好ま
しく、例えばドライフィルム32の厚みは100μmと
する。
【0054】第11工程(パターニング工程)では、ド
ライフィルム32に対してフォトリソグラフィーの手法
を用いて平行露光機で露光、現像し、図1(C)の第2
導体層用のパターンを作製する。ここで図中の斜線の部
分がドライフィルム32を除去した溝部33となる。コ
イル導体部の幅は85μmである。
【0055】第12工程(電解めっき工程)では、ドラ
イフィルム32の溝部33に電解めっきとしての光沢硫
酸銅めっきで厚さ100μmのコイル導体層34を形成
する。ここで光沢めっきとするのは、導体層34表面を
鏡面状にして凹凸を少なくするためである。なお、導体
層34は溝部33の深さよりも肉厚が多少大きくなるよ
うにめっき処理してもよい。
【0056】第13工程(レジスト除去工程)ではドラ
イフィルム32を剥離、除去し、下地導体層31を露出
させる。
【0057】第14工程(下地除去工程)では、全体を
ウェットエッチングでエッチング処理して下地導体層3
1の不要部分を除去する。
【0058】以上の第9乃至第14工程により、図1
(C)のように層間絶縁層12上に第2導体層13が形
成されることになる。以上の工法により第2導体層13
のアスペクト比を0.3以上にすることができる。
【0059】さらに、上記工程を繰り返すことにより、
図1(D)の層間絶縁層14、同図(E)の第3導体層
15、同図(F)の層間絶縁層16、同図(G)の第4
導体層17を順次作製でき、各導体層のアスペクト比を
0.3以上にすることができる。
【0060】前記絶縁基板10及び層間絶縁層12,1
4,16の材質には浮遊容量を減少させるために誘電率
の小さいものが好ましい。また誘電損失を減らす為にQ
の大きいものが好ましい。具体的には絶縁基板10及び
層間絶縁層12,14,16の比誘電率がそれぞれ5以
下、とくに好ましくは3以下で、Qはそれぞれ100以
上が好ましく、さらには200以上あることが望まし
い。絶縁基板10及び層間絶縁層12,14,16の材
料を有機としたとき、使用周波数、目標のQ値、コスト
を考慮して例えば以下の表1より選択すればよい。この
中でも、ビニルベンジルは誘電率、Q、量産性、コスト
のバランスが良く、好ましい材料である。
【0061】 表1 品種名 比誘電率 Q フッ素樹脂 2.1 10000 ポリエチレン 2.2 5000 PPO 2.5 1200 ビニルベンジル 2.5 260 シアネートエステル 2.7 1000 ポリエーテルイミド 3 670 ポリイミド 3.6 200 エポキシ 4.3 70 BTレジン 2.5 500 ポリオレフィン 2.6 2000 ポリフマレート 2.6 250 ポリアリレート 2.6 220
【0062】前記絶縁基板及び層間絶縁層が有機材料の
ときには、機械的強度の向上の為に芯材を用いることが
出来る。芯材には以下の表2のようにDガラスクロス、
Eガラスクロス、ケブラークロス等を用いることが出来
る。一般的に誘電率の低く、低損失の材料ほど高価であ
るが、コストの許す限り、誘電率の低い材料を使用する
ことが好ましい。
【0063】 表2 クロス品種 比誘電率 Dガラスクロス 7.2 Eガラスクロス 4.7 ケブラークロス 2.5
【0064】第1乃至第4導体層11,13,15,1
7の材質は比抵抗が低く、加工性、形成性、耐マイグレ
ーション性が良好で、しかも安価であることが好まし
い。材料の候補として、銀、銅、アルミ、金等が挙げら
れるが、上記の点を考慮すると銅が最も好ましい。
【0065】コイル導体、つまり第1乃至第4導体層1
1,13,15,17のアスペクト比を上げると高周波
での電流路の断面積が増大するので、導体損失が減少し
Q値が増える。これは高周波では電流は表面のみを流
れ、例えば導体が銅のとき、1GHzでは表面のわずか
2μmしか電流が流れないが、導体層のアスペクト比を
上げると側面にも電流が流れるので床面積を増加させる
ことなく電流路の断面積を増やすことが出来る。
【0066】これらの点を考慮すると、各導体層のアス
ペクト比は0.3以上であることが好ましい。
【0067】導体層11,13,15,17の構成方法
は図3で説明したパターンめっき法で銅を形成するのが
好ましい。現在多用されているサブトラクティブ法では
等方的な化学エッチングを利用しており、ハイアスペク
トパターンを形成するのは難しい。またセラミック積層
法は高温で焼成する導体表面に絶縁体との融合層が形成
されており表面抵抗が増大し、表面のみに電流の流れる
高周波領域では損失が増大する傾向があるが、めっき法
は低温プロセスなのでこの心配がない。
【0068】また、前記パターンめっき法によると、導
体層の3面が滑らかになり好ましい。ここで電解めっき
を光沢めっきにすると、表面の凹凸がさらに減少してさ
らに好ましい。また導体層11,13,15,17をハ
イアスペクトに形成する場合、前記のサブトラクティブ
工法では導体層のアスペクト比は最大0.2程度が限度
であるが、前記パターンめっき法ではアスペクト比0.
3以上とすることができ、例えばアスペクト比1程度の
導体層が容易に形成可能となる。
【0069】さらに、前記めっき用下地層導体層形成に
無電界めっき工法を採用し、全面のエッチングをウエッ
ト法で行うと量産性が高くなり、好ましい。
【0070】なお、前記めっき用下地導体層の形成は、
スパッタリング、蒸着、イオンプレーティング等の薄膜
ドライ工法、無電解めっき等の湿式工法があげられる。
このなかでも無電解めっき工法は量産性に優れ好まし
い。この無電解めっき工法の場合は、下地表面を粗化す
る必要があるが、本例では下地が樹脂であるので、研磨
等の物理的手法もしくは、過マンガン酸カリウム等によ
る化学的手法で容易に粗化でき好ましい。
【0071】前記全面のエッチングはドライエッチン
グ、ウエットエッチングの両方が可能であるが、後者は
量産性に優れ好ましい。
【0072】導体層11,13,15,17表面の凹凸
は使用周波数範囲の上限でのスキンデプスより小さいこ
とが最も好ましいが、これを越える値になっても、凹凸
を小さくすることにより実効抵抗は減少し、低損失とな
る。とくに、導体層11,13,15,17の少なくと
も一面の凹凸が、使用周波数(例えば1GHz)のスキ
ンデプスの3倍以下であることが望ましく、表面の凹凸
は5μm以下であることがとくに好ましい。また、導体
層表面は4面の全てが滑らかであることが最も好ましい
が、すくなくとも1面の全てが滑らかであれば損失低減
に有効である。
【0073】さらに、前記パターンめっき法の場合の製
法上の利点等について述べると、図3の第1工程におけ
るめっき用下地導体層21が基板10の全面にあるので
第4工程の電解めっき時に大きな電流を流すことが出来
めっき時間を短縮出来る。これは特にコイル導体層24
の高さを高くしてハイアスペクト形状にする場合に有効
である。すなわち、コイル導体層24が厚い場合、めっ
き電流が小さいとめっき作業時間が大幅に増加して量産
性の悪化を招く。
【0074】なお、最初にめっき下地導体層をパターニ
ングして、電解めっきで厚付けする方法もあるが、この
方法では一般的にめっき線の抵抗が大きくなるのでめっ
き時の電流を上げることが出来ず、またパターンの凸部
は電解が集中してめっきが厚くなり、また凹部はその反
対に薄くなり、パターニング精度が悪化する。特にスパ
イラルパターンのように導体の長さが大きい場合は著し
い。また、島状のパターンが形成できないので、端子電
極の構成時等に不具合が発生する場合もある。
【0075】第2工程及び第3工程において、パターン
めっき用のめっきパターン形成に感光性レジストを使用
すると、高精度のパターニングが出来て好ましい。また
レジストを厚くすれば、容易にハイアスペクトパターン
を形成する事が出来る。レジストが厚い場合は平行光線
を照射できる平行露光機を用いると樹脂の壁面が垂直に
加工され好ましい。
【0076】図3で述べたように、感光性レジストにド
ライフィルム32を用いるとハイアスペクトパターンが
容易に出来るので好ましい。
【0077】例えば、スピンコート法で液状レジストを
用いてレジスト層を形成する場合を考えると、厚塗りす
る場合はレジストの粘度を上げる必要があるが、この場
合基板周辺のレジストが厚くなり膜厚の精度が出ない。
また溶剤の乾燥も困難である。ドライフィルムの場合は
膜厚は最初から保証されており、また溶剤乾燥の必要も
ない利点がある。
【0078】なお、ハイアスペクトパターンを形成する
場合、パネルめっき後レジストパターンを形成して、ド
ライエッチングする方法も考えられる。この場合は高精
度にハイアスペクトパターンが形成可能ではあるが、エ
ッチングのスピードが遅く、工業的に生産可能な膜厚の
上限は10μm程度であり、またそれ以下の膜厚の場合
でも量産性は犠牲になる。
【0079】前記めっき下地導体層21の厚さの上限
は、第6工程でのエッチングのされやすさによって決ま
る。コイル導体層24と下地導体層21の選択エッチン
グが不可能な場合には下地導体層21の厚さはコイル導
体層24の厚さの1/5が上限である。厚さがこれを越
えると、コイル導体層24のエッチング量が増えて高周
波用基板としての損失が増大し、またコイル導体層24
のパターン精度も落ちる。
【0080】コイル導体層24と下地導体層21の選択
エッチング可能な場合はこれより厚くてもかまわない
が、あまり厚いと下地導体層21のサイドエッチングが
大きくなるので、1/3が上限である。
【0081】第4工程の電解めっき法は膜形成速度が速
く、またスケールアップが容易であるので好ましい製造
手段である。特にハイアスペクト導体を形成する場合は
コイル導体層24の厚さが場合によっては100μmを
越えるので量産性を確保するのに極めて重要な工法にな
る。また光沢めっきを用いるとコイル導体層24の3面
の凹凸が小さくなり好ましい。金属の種類も銅、銀等比
抵抗の低いものがめっき可能である。この中でも銅は安
価であり、比抵抗も低く、また銀に比べてマイグレーシ
ョンも起こしにくいので要求特性のバランスがとれてお
り、好ましい。
【0082】第6工程でのめっき用下地導体層21エッ
チングはドライエッチング又はウエットエッチングのど
ちらでも可能である。しかし、量産性を考慮すると本実
施の形態で述べたようにウエットエッチングが好まし
い。ウエットエッチングは量産性が良好であり、またス
ケールアップも容易である。
【0083】また、めっき用下地導体層21に主導コイ
ル導体層と選択エッチング可能な金属を使用することも
好ましい。こうすれば第6工程中でのコイル導体層24
の細りを防止する事が出来る。組み合わせの例として下
地導体層がチタン、クロムであり、コイル導体層が銅で
ある場合が挙げられる。
【0084】第8工程でのビアホール22の加工には層
間絶縁層としての有機絶縁層12に感光性のある場合は
フォトリソグラフィー技術で形成し、そうでない場合は
レーザー加工法が好ましく用いられる。フォトリソグラ
フィー法の場合は一度に多くの穴を開けることが可能で
あるので、穴数の多い場合に好ましい。また穴開けの精
度はフォトマスクの精度でほとんど決まるので高い。レ
ーザー加工法で穴開けをするメリットは樹脂の種類を選
ばないことである。また樹脂に感光性を付与すると一般
的にQ、誘電率等の特性値が低下し、また機械的強度も
悪化する。レーザー加工法の場合は自由に樹脂を選択で
きるので、特性の良好な有機絶縁層を使用することが可
能である。
【0085】この第1の実施の形態によれば、次の通り
の効果を得ることができる。
【0086】(1) 高周波コイルにおいて、各導体層1
1,13,15,17が層間絶縁層12,14,16を
介して積層方向に複数層、略同一のコイル導体パターン
に形成されていて、各導体層でヘリカル巻きのコイル導
体を複数(図示の場合は2つ)構成し、かつ前記コイル
導体同士を少なくともその両端にて電気的に接続してい
るので、コイル導体の高周波での電流路の断面積を広
げ、Q値の向上が可能である。
【0087】(2) 絶縁基板10及び層間絶縁層12,
14,16が無機材料の場合、セラミック積層工法で量
産性良く製造できる。
【0088】(3) 絶縁基板10及び層間絶縁層12,
14,16が有機材料の場合、図3のパターンめっき法
で各導体層11,13,15,17を作製することで、
それらのアスペクト比を高くして、いっそうのQ値の向
上が可能である。
【0089】(4) ヘリカル巻きのように多層でコイル
導体を形成する場合は形成時の熱応力等によるストレス
によってクラックが生じ信頼性に影響を与えるが、層間
絶縁層12,14,16として可撓性のある樹脂を用い
ることでこれを解決でき、信頼性を向上させることがで
きる。あわせて絶縁基板10も可撓性樹脂とすることも
有効である。
【0090】図4は本発明の第2の実施の形態を示す。
ここで、図4(A)は有機又は無機の絶縁基板10上に
形成された第1導体層41を、同図(B)はその上に積
層形成された第1層間絶縁層42を、同図(C)はその
上に形成された第2導体層43をそれぞれ示している。
各導体層41,43のコイル導体パターンは幅方向に多
重化されており、つまり第1導体層41は互いに近似す
るヘリカルパターン部分41a,41bを有し、同様に
第2導体層43も互いに近似する残りのヘリカルパター
ン部分43a,43bを有している。そして、第1及び
第3導体層41,43は層間絶縁層42のビアホール4
8で相互に直列に接続されて、各導体層でヘリカル巻き
のコイル導体を複数(図示の場合2つ)構成し、その両
端にて電気的に接続された状態として基板両側縁の端子
電極25同士を接続している。
【0091】この第2の実施の形態によれば、高周波コ
イルにおいて、各導体層41,43のコイル導体パター
ンが幅方向に多重化されていて、各導体層でヘリカル巻
きのコイル導体を複数構成し、かつ前記コイル導体同士
を少なくともその両端にて電気的に接続したので、コイ
ル導体の高周波での電流路の断面積を広げ、Q値の向上
が可能である。また、コイル導体パターンを幅方向に多
重化するので、導体層の層数は第1の実施の形態よりも
少なくて済み、製造容易でもある。その他の作用効果
は、前述の第1の実施の形態と同様である
【0092】なお、第1の実施の形態のように、各導体
層が絶縁層を介して積層方向に複数層、略同一のコイル
導体パターンに形成されていて、各導体層でヘリカル巻
きのコイル導体を複数構成する場合、ヘリカル巻きのコ
イル導体の重ね合わせの層数は多いほうが好ましいが、
隣り合う導体のシールド効果の為に、層数に正比例して
Q値が上昇することはなく、通常これよりも伸びは鈍
い。このことを考慮すると前記ヘリカル巻きのコイル導
体の重ね合わせの層数は2層が好ましい。
【0093】また、必ずしも全てのコイル導体部分を複
数層化する必要はなく、必要とされるQ値によっては、
一部を単層のままとしても良い。
【0094】略同一乃至近似パターンとする平行導体の
形成は、同一導体層内、隣り合う導体層及びこの複合が
考えられるが、Q値を高くすること、インダクタンス値
を減じないことを考慮すると第1の実施の形態で述べた
ように隣合う層内で行うのが好ましい。一方、量産性を
考慮すると第2の実施の形態のように同一導体層内で行
うのが好ましい。このように要求項目の優先順位に応じ
てコイル構造を変えていくのが良い。
【0095】
【実施例】以下、本発明に係る高Q高周波コイルを実施
例で詳述する。
【0096】実施例1 本発明の高Q高周波コイルの特長であるエネルギー損失
低減効果を検証する為に図1のようなコイルを作成し
た。絶縁基板は芯材としてガラスクロスを用い、これに
ビニルベンジルを含浸した0.3mm厚のものを用いてい
る。絶縁基板の比誘電率は3.5、Q値は230であ
る。この上に幅80μmで厚さ70μmのコイルパター
ンを銅めっきで形成した。パターン形状はヘリカル巻き
であり、巻き数は1.5ターンである。層間絶縁層には
感光性エポキシ樹脂を用いており、導体層間の厚さは3
0μmである。この樹脂の比誘電率は3.6、Q値は5
0である。ビアホールは直径100μmのフォトビアで
ある。コイル全体の外形寸法は1.6×0.8mmであり、
このときのQ値は180と良好な値を示した。
【0097】比較例1 図1において、第2導体層から第3層間絶縁層までを省
略してコイルを作製した(ヘリカル巻きのコイル導体を
1つにした)。この時の1GHzでのQ値は120であ
った。Q値は上記実施例1に比べて大幅に減少する。
【0098】以上本発明の実施の形態について説明して
きたが、本発明はこれに限定されることなく請求項の記
載の範囲内において各種の変形、変更が可能なことは当
業者には自明であろう。
【0099】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
高いQ値を有し、とくに1GHz以上の周波数帯域にお
いて良好なQ特性を示し、かつ量産性に優れた高Q高周
波コイルを実現可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態による高Q高周波コ
イルの導体層及び層間絶縁層を示す平面図である。
【図2】図1のII−II断面図である。
【図3】第1の実施の形態の場合における製造工程の説
明図である。
【図4】本発明の第2の実施の形態による高Q高周波コ
イルの導体層及び層間絶縁層を示す平面図である。
【符号の説明】
10 絶縁基板 11,13,15,17,41,43 導体層 12,14,16,42 層間絶縁層 18,48 ビアホール 25 端子電極 21,31 下地導体層 22,32 ドライフィルム 23,33 溝部 24,34 コイル導体層
【手続補正書】
【提出日】平成14年1月17日(2002.1.1
7)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項1
【補正方法】変更
【補正内容】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項2
【補正方法】変更
【補正内容】
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項11
【補正方法】変更
【補正内容】
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項12
【補正方法】変更
【補正内容】
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正内容】
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本願請求項1の発明に係る高Q高周波コイルは、絶
縁層と導体層を交互に積層してなる構成において、各
導体層が前記絶縁層を介して積層方向に複数層、略同一
のコイル導体パターンに形成されていて、各導体層でヘ
リカル巻きのコイル導体を複数構成し、かつ前記コイル
導体同士を少なくともその両端にて電気的に接続したこ
とを特徴としている。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】変更
【補正内容】
【0010】本願請求項2の発明に係る高Q高周波コイ
ルは、絶縁層と導体層を交互に積層してなる構成にお
いて、各導体層のコイル導体パターンが幅方向に多重化
されていて、各導体層でヘリカル巻きのコイル導体を複
数構成し、かつ前記コイル導体同士を少なくともその両
端にて電気的に接続したことを特徴としている。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0019
【補正方法】変更
【補正内容】
【0019】本願請求項11の発明は、絶縁層と導体層
を交互に積層してなり、各導体層が前記絶縁層を介し
て積層方向に複数層、略同一のコイル導体パターンに形
成されていて、各導体層でヘリカル巻きのコイル導体を
複数構成し、かつ前記コイル導体同士を少なくともその
両端にて電気的に接続した高Q高周波コイルの製造方法
であって、前記導体層を作製する工程が、(1) 5μm
以下のめっき用下地導体層を少なくとも基板の片面の全
てに形成する下地形成工程と、(2) 感光性レジストを
前記下地導体層の上に設けるレジスト形成工程と、(3)
フォトリソグラフィー法により前記レジストのコイル
導体パターン部分を除去するパターニング工程と、(4)
電解めっきにより、前記レジストの除去されたコイル
導体パターン部分にコイル導体層を形成する電解めっき
工程と、(5) 前記感光性レジストを除去するレジスト
除去工程と、(6) エッチングにより前記下地導体層の
不要部分を除去する下地除去工程とを有することを特徴
としている。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0020
【補正方法】変更
【補正内容】
【0020】本願請求項12の発明は、絶縁層と導体層
を交互に積層してなり、各導体層のコイル導体パター
ンが幅方向に多重化されていて、各導体層でヘリカル巻
きのコイル導体を複数構成し、かつ前記コイル導体同士
を少なくともその両端にて電気的に接続した高Q高周波
コイルの製造方法であって、前記導体層を作製する工程
が、(1) 5μm以下のめっき用下地導体層を少なくと
も基板の片面の全てに形成する下地形成工程と、(2)
感光性レジストを前記下地導体層の上に設けるレジスト
形成工程と、(3) フォトリソグラフィー法により前記
レジストのコイル導体パターン部分を除去するパターニ
ング工程と、(4) 電解めっきにより、前記レジストの
除去されたコイル導体パターン部分にコイル導体層を形
成する電解めっき工程と、(5) 前記感光性レジストを
除去するレジスト除去工程と、(6) エッチングにより
前記下地導体層の不要部分を除去する下地除去工程とを
有することを特徴としている。
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0072
【補正方法】変更
【補正内容】
【0072】導体層11,13,15,17表面の凹凸
(通常、10点平均粗さの最大値(Rz)で表す)は使
用周波数範囲の上限でのスキンデプスより小さいことが
最も好ましいが、これを越える値になっても、凹凸を小
さくすることにより実効抵抗は減少し、低損失となる。
とくに、導体層11,13,15,17の少なくとも一
面の凹凸が、使用周波数(例えば1GHz)のスキンデ
プスの3倍以下であることが望ましく、表面の凹凸は5
μm以下(換言すればRz≦5μm)であることがとく
に好ましい。また、導体層表面は4面の全てが滑らかで
あることが最も好ましいが、すくなくとも1面の全てが
滑らかであれば損失低減に有効である。

Claims (23)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 絶縁層と導体層を交互に積層してなる高
    周波コイルにおいて、各導体層が前記絶縁層を介して積
    層方向に複数層、略同一のコイル導体パターンに形成さ
    れていて、各導体層でヘリカル巻きのコイル導体を複数
    構成し、かつ前記コイル導体同士を少なくともその両端
    にて電気的に接続したことを特徴とする高Q高周波コイ
    ル。
  2. 【請求項2】 絶縁層と導体層を交互に積層してなる高
    周波コイルにおいて、各導体層のコイル導体パターンが
    幅方向に多重化されていて、各導体層でヘリカル巻きの
    コイル導体を複数構成し、かつ前記コイル導体同士を少
    なくともその両端にて電気的に接続したことを特徴とす
    る高Q高周波コイル。
  3. 【請求項3】 前記絶縁層がセラミック絶縁層である請
    求項1又は2記載の高Q高周波コイル。
  4. 【請求項4】 前記絶縁層が有機絶縁層である請求項1
    又は2記載の高Q高周波コイル。
  5. 【請求項5】 前記有機絶縁層の比誘電率が5以下であ
    る請求項4記載の高Q高周波コイル。
  6. 【請求項6】 前記有機絶縁層のQが100以上である
    請求項4又は5記載の高Q高周波コイル。
  7. 【請求項7】 前記有機絶縁層がビニルベンジルである
    請求項4,5又は6記載の高Q高周波コイル。
  8. 【請求項8】 前記有機絶縁層が可撓性を有するもので
    ある請求項4,5,6又は7記載の高Q高周波コイル。
  9. 【請求項9】 前記コイル導体のアスペクト比が0.3
    以上である請求項1,2,3,4,5,6,7又は8記
    載の高Q高周波コイル。
  10. 【請求項10】 前記コイル導体が銅である請求項1,
    2,3,4,5,6,7,8又は9記載の高Q高周波コ
    イル。
  11. 【請求項11】 絶縁層と導体層を交互に積層してな
    り、各導体層が前記絶縁層を介して積層方向に複数層、
    略同一のコイル導体パターンに形成されていて、各導体
    層でヘリカル巻きのコイル導体を複数構成し、かつ前記
    コイル導体同士を少なくともその両端にて電気的に接続
    した高Q高周波コイルの製造方法であって、 前記導体層を作製する工程が、(1) 5μm以下のめっ
    き用下地導体層を少なくとも基板の片面の全てに形成す
    る下地形成工程と、(2) 感光性レジストを前記下地導
    体層の上に設けるレジスト形成工程と、(3) フォトリ
    ソグラフィー法により前記レジストのコイル導体パター
    ン部分を除去するパターニング工程と、(4) 電解めっ
    きにより、前記レジストの除去されたコイル導体パター
    ン部分にコイル導体層を形成する電解めっき工程と、
    (5) 前記感光性レジストを除去するレジスト除去工程
    と、(6) エッチングにより前記下地導体層の不要部分
    を除去する下地除去工程とを有することを特徴とする高
    Q高周波コイルの製造方法。
  12. 【請求項12】 絶縁層と導体層を交互に積層してな
    り、各導体層のコイル導体パターンが幅方向に多重化さ
    れていて、各導体層でヘリカル巻きのコイル導体を複数
    構成し、かつ前記コイル導体同士を少なくともその両端
    にて電気的に接続した高Q高周波コイルの製造方法であ
    って、 前記導体層を作製する工程が、(1) 5μm以下のめっ
    き用下地導体層を少なくとも基板の片面の全てに形成す
    る下地形成工程と、(2) 感光性レジストを前記下地導
    体層の上に設けるレジスト形成工程と、(3) フォトリ
    ソグラフィー法により前記レジストのコイル導体パター
    ン部分を除去するパターニング工程と、(4) 電解めっ
    きにより、前記レジストの除去されたコイル導体パター
    ン部分にコイル導体層を形成する電解めっき工程と、
    (5) 前記感光性レジストを除去するレジスト除去工程
    と、(6) エッチングにより前記下地導体層の不要部分
    を除去する下地除去工程とを有することを特徴とする高
    Q高周波コイルの製造方法。
  13. 【請求項13】 前記めっき用下地導体層の少なくとも
    第1層を無電解めっきで形成する請求項11又は12記
    載の高Q高周波コイルの製造方法。
  14. 【請求項14】 前記無電解めっきが銅めっきである請
    求項13記載の高Q高周波コイルの製造方法。
  15. 【請求項15】 前記感光性レジストがドライフィルム
    である請求項11,12,13又は14記載の高Q高周
    波コイルの製造方法。
  16. 【請求項16】 前記感光性レジストの露光を平行露光
    機で行う請求項11,12,13,14又は15記載の
    高Q高周波コイルの製造方法。
  17. 【請求項17】 前記電解めっきが光沢めっきである請
    求項11,12,13,14,15又は16記載の高Q
    高周波コイルの製造方法。
  18. 【請求項18】 前記電解めっきが銅めっきである請求
    項11,12,13,14,15,16又は17記載の
    高Q高周波コイルの製造方法。
  19. 【請求項19】 前記エッチングがウエットエッチング
    である請求項11,12,13,14,15,16,1
    7又は18記載の高Q高周波コイルの製造方法。
  20. 【請求項20】 前記下地導体層と前記コイル導体層の
    金属種を選択エッチング可能な組み合わせにして、前記
    下地除去工程で下地導体層のみをエッチングするエッチ
    ング液で処理する請求項11,12,13,14,1
    5,16,17,18又は19記載の高Q高周波コイル
    の製造方法。
  21. 【請求項21】 前記電解めっきで形成したコイル導体
    層表面の凹凸が5μm以内である請求項11,12,1
    3,14,15,16,17,18,19又は20記載
    の高Q高周波コイルの製造方法。
  22. 【請求項22】 前記絶縁層としての有機絶縁層にビア
    ホールをレーザー加工にて形成する請求項11,12,
    13,14,15,16,17,18,19,20又は
    21記載の高Q高周波コイルの製造方法。
  23. 【請求項23】 前記絶縁層としての有機絶縁層が感光
    性を有し、フォトリソグラフィー法でビアホールを形成
    する請求項11,12,13,14,15,16,1
    7,18,19,20又は21記載の高Q高周波コイル
    の製造方法。
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