JP2981878B2 - 半導体メモリ装置の強誘電体形成方法 - Google Patents

半導体メモリ装置の強誘電体形成方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は半導体メモリ装置に
係り、特に参照セルの疲労現象を除去することにより、
非揮発性強誘電体メモリセル(FeRAM)の寿命を増加
させるのに適した半導体メモリ装置及びそのメモリの強
誘電体形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に半導体装置のキャパシタは素子の
集積度が増加するに従ってその面積が小さくなり、それ
にともなうキャパシタ容量の減少を補償するために誘電
体膜の厚さを減らしてきた。しかし、誘電体膜の厚さが
減少するに従って、トンネルリングによる漏洩電流が増
加し、この漏洩電流と誘電体膜の薄さのため信頼性が低
下するという問題点が発生した。かかる問題点を解決す
るためにキャパシタ電極の表面形状を複雑に折り曲げて
キャパシタの有効面積を増加させる方法を選択して用い
たが、この方法もやはり表面に激しい段差をもたらして
フォトリソグラフィ工程を難しくし、工程単価を高くす
るので、高集積素子では用いにくかった。故に、狭い表
面積のキャパシタ電極でかつその表面形状を簡単にして
も容量を画期的に向上させようとして多くの研究がなさ
れてきた。その中で、高誘電率の物質をキャパシタの誘
電体膜として用いる方法が提示された。このような高誘
電体膜を用いたキャパシタは多くの成果があったが、従
来のものは実質的な誘電率をそれほど高くすることがで
きず、より高集積化されつつある趨勢を考慮すると、そ
の使用範囲には限界がある。
【0003】最近、ペロブスカイト形という結晶構造を
持つ強誘電体に対する関心が高まり、半導体装置に用い
られる誘電体として集中的な研修対象となっている。強
誘電体とはキュリー温度以下では自発分極を示す材料で
あって、電界を加えなくても自発的に分極している材料
である。半導体メモリに用いられる強誘電体としては、
PZT(Pb(Zr,Ti)O3),PLZT((Pb,La)
(Zr,Ti)O3),BST((Ba,Sr)TiO3),B
aTiO,SrTiO3などが知られている。
【0004】しかし、これらの強誘電体は反応しやす
く、しかもその薄膜を形成する際には強酸化性雰囲気で
行われるので、強誘電体の下側に配置される下部電極が
酸化するなど多くの問題点が発生した。かかる問題点を
解決するために電極の材料及び構造に対する研究が続け
られている。強誘電体は酸化物なので、容易に酸化しな
い導電材料を電極として用いるべきである。そのような
電極として主に用いられる物質が白金である。したがっ
て、既存の電極材料であるAlの代わりに酸化しにくい
Ptを利用したキャパシタが提案された。また、FeR
AMはDRAMと同じ構造を有しているが、揮発性メモ
リ装置のDRAMが常誘電体をキャパシタの材料として
用いるのとは異なって、非揮発性メモリ装置のFeRA
Mは強誘電体をキャパシタの材料として用いる。その強
誘電体非揮発性メモリは低圧及び高速動作が可能だけで
なく、高誘電体を用いることにより、リフレッシュ動作
を行わなくても情報の損失が生じないメモリ装置であ
る。そして、記憶素子の1ビットを構成する素子を1ト
ランジスタと1キャパシタとで構成させることができ
る。
【0005】以下、添付図面を参照して従来の半導体メ
モリ装置について説明する。図1は一般的なヒステリシ
ス特性曲線図であり、図2は一般的な強誘電体の電荷−
電圧特性曲線図である。まず、図1に示すように、強誘
電体は常誘電体と違って、分極−電界(P−E)特性が
直線的でなくヒステリシス曲線を持ち、このヒステリシ
ス特性曲線は自発分極を持って印加電圧の方向を反転す
ることにより、この自発分極方向を反転することができ
る。図において、Pは分極電荷密度であり、Eは印加電
界であり、Prは残留電荷である。FeRAMがDRA
M構造と相異している点はキャパシタが常誘電体でな
く、電圧が加えられなくても二つの反対状態の電荷を有
する強誘電体からなっていることである。図2に示すよ
うに、その陰電荷状態を“1”、陽電荷状態を“0”と
する。Q1は電荷変化量、Q0は変位電荷量、Qrは残
留電荷量、Qsは飽和電荷量である。
【0006】図3は従来のメモリセルの1トランジスタ
/1キャパシタ構造(1T/1C構造)を示す回路図で
あり、図4は図3のタイミング図であり、図5は従来の
電荷−電圧特性曲線図である。図3に示すように、1T
/1C構造は、一方向にメモリセルのゲートに連結され
るワードラインW/Lと、ワードラインW/Lに垂直方
向にメモリセルのドレインに連結されるビットラインB
/Lと、メモリセル1のトランジスタのソースに連結さ
れる強誘電体キャパシタCと、ワードラインW/Lと同
じ方向に強誘電体キャパシタCに連結されるデータライ
ンD/Lと、ビットラインB/Lに連結されてデータを
センスするセンスアンプSAと、センスアンプSAのい
ずれか一つの入力端子に連結されて参照電圧を発生させ
る参照セル2とから構成される。
【0007】以下に、上記従来の半導体メモリ装置の動
作について説明する。図5において1はメモりセル1の
キャパシタの強誘電体の電荷−電圧特性で、2は参照セ
ル2のキャパシタの電荷−電圧特性である。すなわち、
参照セルのキャパシタの容量をメモりセル1のキャパシ
タCの容量の半分とし、駆動電圧はメモリセルと同一電
圧を用いている。メモリセル1のキャパシタCに“1”
を記憶するためには、ワードラインW/Lにハイを印加
してメモりセルのトランジスタをオンとさせておき、ビ
ットラインB/Lにパルスを印加して、メモリセルと参
照セルの強誘電体キャパシタがともに“1”状態となる
ようにする。そして、“1”を読み出すためには、ワー
ドラインW/Lにハイを印加してトランジスタをオンと
させておき、データラインD/Lにパルスを印加する。
したがって、メモリセル1の強誘電体キャパシタCがそ
の誘電体の分極が反転し、ビットラインB/Lに放電す
る。その放電した電荷量Q1=Qs+Qrを、センスアン
プSAが参照セルのキャパシタの電荷変化量(即ち、参
照電荷量)(Qref)と比較して、メモりセルの電荷
変化量Q1が参照セル2の電荷変化量(Qref)より
大きければ(Q1>Qref)、ラッチしてビットライ
ンB/Lにハイ信号が出力される。その後再びデータが
元来の“1”の状態に戻るようにする。このデータを元
へ戻す過程を再書き込みと称する。この時、参照セルの
電荷変化量(Qref)とメモリセルの残留電荷量Qr
はともに等しくする。
【0008】一方、メモリセルのキャパシタCに“0”
を記憶するためには、ワードラインW/Lにハイを印加
してトランジスタをオンとさせておき、データラインD
/Lにパルスを印加してメモリセル及び参照セルの強誘
電体キャパシタが陽電荷の状態“0”となるようにす
る。そして、“0”を読み出すためには、同様にデータ
ラインD/Lにパルスを印加する。その場合、強誘電体
キャパシタの分極は反転しない。従って、ビットライン
B/Lに放電する電荷量はQ0=Qs−Qrである。そ
れをセンスアンプSAが参照セルの電荷変化量(即ち、
基準電荷量)(Qref)と比較して、メモりセル1の
電荷変化量Qが参照セル2の電荷変化量(Qref)よ
り小さければ(Q0<Qref)、ローにラッチしてビ
ットラインB/Lにハイ信号を出力せずにデータがその
まま“0”の状態となるようにする。参照セルの電荷変
化量(Qref)の大きさがQ0<Qref<Q1であ
りさえすれば、“1”の状態と“0”の状態を区別し得
るが、その大きさが二つの値の中央に位置すればセンス
−マージンは一番大きくなる。即ち、Q1−Q0=2Q
rなので、Qref=Qrとなるようにすると一番よ
い。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかし、かかる従来の
半導体装置においては、ビットラインに連結されている
複数のメモリセルが選択されて、読み出されるたびに参
照セルが選択されると共にその分極反転によって基準電
荷を発生させるので、分極反転によって参照セルの疲労
現象が発生する。それにともなって、参照セルから出力
される基準電位が減少する。それが進み変位電荷量より
小さくなると、“1”と“0”を区別できなくなる。本
発明はかかる従来の問題を解決するためのもので、その
目的は、参照セルの疲労現象による劣化を防止すること
により、非揮発性強誘電体メモリ装置の寿命を増加させ
ることができる半導体メモリ装置及びその製造方法を提
供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明によるメモリ装置は、強誘電体を誘電体とし
て持つキャパシタを含む複数の強誘電体メモリセルと参
照セルを持つメモリ装置において、メモリセルのキャパ
シタ面積と参照セルのキャパシタ面積を等しくし、モリ
装置のデータを読み出す際に、参照セルに印加される電
圧をメモリセルに印加される電圧より大きくしたことを
特徴とする。また、本発明による半導体メモリ装置の強
誘電体形成方法は、ジルコニウムn−ブトサイド(zirc
onium n-butoxide、Zn(On494)とチタニウム
イソプロキサイド(titanium iso-proxide、Ti(Oi
374)をβ−オキシエチルメチルエーテル(2−me
thoxyethanol、CH3OCH2CH20H)に溶かし、そ
のβ−オキシエチルメチルエーテルに溶かした後、アセ
チルアセトンでキレートさせ、その後、ランタンイソプ
ロキサイド(lanthanium iso-proxide La(Oi3
73)を添加し、還流し、さらに、鉛アセタートトリヒ
ドレート(lead acetate trihydrate、 Pb(CH3
OO)2 3H2O)添加し、窒酸を触媒として撹拌さ
せ、その後、スピンコーティング方式によって熱処理す
ることを特徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照して本発明
実施形態による半導体装置及びそのキャパシタの誘電体
形成方法について説明する。図6aは本実施形態の1T
/1C構造を示す回路図であり、図6bは図6aのタイ
ミング図である。そして、図7は本実施形態の電荷−電
圧特性曲線図で、30は参照セルのキャパシタの強誘電
体の電荷−電圧特性で、40はメモりセルのキャパシタ
の強誘電体の電荷−電圧特性である。図6aに示すよう
に、1T/1C構造は、一方向にメモリセルのゲートに
連結されるワードラインW/Lと、ワードラインW/L
に直角方向に配置され、メモリセルのドレインに連結さ
れるビットラインB/Lと、メモリセルのソースに連結
される強誘電体キャパシタCと、ワードラインW/Lと
同じ方向に強誘電体キャパシタCに連結されるデータラ
インD/Lと、ビットラインB/Lに連結されてデータ
をセンスするセンスアンプSAと、センスアンプSAの
いずれか一つの入力端子に連結されて参照電圧を発生さ
せる参照セル30とを備えている。本実施形態において
はメモりセル40のキャパシタCの面積と参照セル30
のキャパシタの面積とを等しくし、図7に示すように参
照セル30の駆動電圧Vrをメモリセルの駆動電圧Vm
より大きい電圧としている。
【0012】ここで、本発明による半導体メモリ装置の
動作について説明する。メモリセル40のキャパシタC
の面積と参照セル30のキャパシタ面積を等しくし、参
照セル30の駆動電圧Vrをメモリセル40の駆動電圧
Vmより大きい電圧を用いると、その参照セル30の駆
動電圧Vrがメモリセル40のハイ状態を読み出すとき
の電圧とロー状態を読み出すときの電圧との間に位置す
るので、ハイとローの区別が可能である。
【0013】即ち、図6aと図6b、及び図7に示すよ
うに、非揮発性メモリセル40の強誘電体キャパシタC
に“1”を記憶するためには、ワードラインW/Lにハ
イを印加してトランジスタをオンとさせ、ビットライン
B/Lにメモリセル40の駆動電圧Vmを加えて強誘電
体キャパシタCが“1”の状態となるようにする。そし
て、“1”を読み出すためには、ワードラインW/Lに
ハイを印加してトランジスタをオンとし、データライン
D/Lにメモリセル40の駆動電圧Vmを加えると、強
誘電体キャパシタCの分極が反転し、ビットラインB/
Lに放電する。そのメモリセル40の電荷変化量Q1
を、センスアンプ(SA)が駆動電圧Vrによって生成
された変位電荷量(即ち、基準電荷量)(Qref)と
比較する。メモりセル40の電荷変化量Q1より参照セ
ル30の変位電荷量(Qref)が大きければ(Q1>
Qref)、ラッチしてビットラインB/Lにハイ信号
を出力し、かつデータが元の“1”の状態と戻るように
する。この最後の過程を再書き込み“1”と称する。
【0014】一方、揮発性メモリセル40の強誘電体キ
ャパシタCに“0”を記憶するためには、データライン
D/Lにメモリセル40の駆動電圧Vmを加えて陽電荷
の状態を“0”とする。そして、“0”を読み出すため
には、データラインD/Lにメモリセル40の駆動電圧
Vmを加えて、強誘電体キャパシタCが反転し、ビット
ラインB/Lに放電する、その変位電荷量Q0を、セン
スアンプSAが参照セル30の駆動電圧Vrによって生
成された変位電荷量(即ち、基準電荷量)(Qref)
と比較して、メモりセル40の変位電荷量Q0が参照セ
ル30の変位電荷量(Qref)より小さければ(Q0
<Qref)、ローにラッチしてビットラインB/Lに
ハイ信号を出力せず、データはそのまま“0”の状態と
なるようにする。ここで、参照セル30の基準電荷量
(Qref)の大きさがQ0<Qref<Q1でありさ
えすれば、“1”の状態と“0”の状態を区別し得る
が、理想的にその大きさが二つの値の中央に位置する
と、センス−マージンは一番大きくなる。従って、図8
に示すように、参照セル30の駆動電圧をQref=
(Q0+Q1)/2に一番近い値に定める。
【0015】次に、上述した、参照セルが分極反転しな
くても発生させることができる程度の変位電荷量、即
ち、基準電荷量(Qref)でもセンスアンプが必要と
する参照電圧を生成させるようにヒステリシス特性(P
s,Pr,Bc)曲線を有する強誘電体の形成方法を説
明する。ジルコニウムn−ブトサイド(zirconium n-bu
toxide、Zn(On494)とチタニウムイソプロキ
サイド(titanium iso-proxide、Ti(Oi374
をβ−オキシエチルメチルエーテル(2−methoxyethano
l、CH3OCH2CH20H)に溶かした後、アセチルア
セトン(acitylasetone)でキレート(Chelating)させる。
そして、ランタンイソプロキサイド(lanthanium iso-p
roxide La(Oi373)を添加し、60℃で還流
した後、鉛アセタートトリヒドレート(lead acetate t
rihydrate、 Pb(CH3COO)2 3H2O)を添加す
る。続いて、硝酸を触媒として24時間十分撹拌する。
この時、前記Pbの量はPZTのモルホトロピック(mor
photropic)組成を基準として原料状態から5〜15%過
剰調節し、La量は1〜7.5%範囲に調節する。一
方、強誘電体はスピンコーティング方式を利用して55
0〜750℃で熱処理を利用する。
【0016】
【発明の効果】以上説明したように、本発明による半導
体メモリ装置はメモリセルのキャパシタより動作回数の
多い参照セルを分極−反転しない領域で用いるので、疲
労現象による劣化を防ぐことができる。したがって、1
トランジスタ1キャパシタ(1T/1C)の高集非揮発
性強誘電体メモリの寿命を増加させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】一般的な強誘電体のヒステリシス特性曲線図で
ある。
【図2】一般的な強誘電体の電荷−電圧特性曲線図であ
る。
【図3】従来の1T/1C構造を示す回路図である。
【図4】図3のタイミング図である。
【図5】従来の電荷−電圧特性曲線図である。
【図6】本発明実施形態の1T/1C構造を示す回路図
(a)とその動作タイミング図(b)である。
【図7】本発明実施形態の強誘電体の電荷−電荷特性曲
線図である。
【図8】駆動電圧による強誘電体のヒステリシス特性曲
線図である。
【符号の説明】
30 参照セル 40 メモリセル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI H01L 27/04 27/108 (56)参考文献 特開 平9−45089(JP,A) 特開 平9−97496(JP,A) 特開 平8−22692(JP,A) 特開 平7−192476(JP,A) 特開 平8−157260(JP,A) 特開 平7−330426(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H01L 27/10 G11C 11/22 G11C 14/00 H01L 21/822 H01L 21/8242 H01L 27/04 H01L 27/108

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の強誘電体メモリセルと参照セルを
    持つメモリ装置の強誘電体形成方法において、 ジルコニウムn−ブトサイド(zirconium n-butoxide、
    Zn(On494)とチタニウムイソプロキサイド
    (titanium iso-proxide、Ti(Oi374)をβ−
    オキシエチルメチルエーテル(2−methoxyethanol、C
    3OCH2CH20H)に溶かす段階と、 前記β−オキシエチルメチルエーテルに溶かした後、ア
    セチルアセトンでキレートさせる段階と、 前記キレートさせた後、ランタンイソプロキサイド(la
    nthanium iso-proxideLa(Oi373)を添加し、
    還流する段階と、 前記還流した後、鉛アセタートトリヒドレート(lead a
    cetate trihydrate、Pb(CH3COO)2 3H2O)
    添加し、硝酸を触媒として攪拌させる段階と、 前記攪拌させた後、スピンコーティング方式によって熱
    処理する段階とを有することを特徴とする半導体メモリ
    装置の強誘電体形成方法。
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